JPH05281291A - 電子回路の劣化診断方法および装置とそのための異常波形検出方法および装置 - Google Patents

電子回路の劣化診断方法および装置とそのための異常波形検出方法および装置

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JPH05281291A
JPH05281291A JP4108547A JP10854792A JPH05281291A JP H05281291 A JPH05281291 A JP H05281291A JP 4108547 A JP4108547 A JP 4108547A JP 10854792 A JP10854792 A JP 10854792A JP H05281291 A JPH05281291 A JP H05281291A
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Tsugio Mukai
次夫 向井
Masumi Obata
真澄 小幡
Masaharu Umewaka
正晴 梅若
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子回路の劣化の程度を容易に診断でき、そ
れによって電子回路の故障時期を明確に予測し得るよう
な劣化診断方法および装置とそれに好適する異常波形検
出方法および装置を提供することを目的とする。 【構成】 しきい値電圧設定回路203は、無停電電源
装置におけるインバータのライトアームRAの出力の最
大レベルと最小レベルとの間に2つのしきい値電圧V
a,Vbを設定する。比較器206は、ライトアームR
Aの出力レベルがしきい値電圧Vaを通過した回数と基
準回数とを比較する。比較器207は、ライトアームR
Aの出力レベルがしきい値電圧Vaを通過した回数とV
bを通過した回数とを比較する。比較器214および2
15は、ライトアームRAの出力レベルが各しきい値間
を通過する際の時間幅と基準時間幅とを比較する。比較
器206,207,214および215の出力が異常波
形検出出力として取り出され、カウンタ217によって
カウントされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子回路の劣化診断
方法および装置とそのための異常波形検出方法および装
置に関し、より特定的には、電子回路の劣化の進行程度
を定量的に診断する方法および装置とそのための異常波
形検出方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】その用途の重要性から高度の安定性と信
頼性が要求され、故障の許されない電気設備が種々存在
する。たとえば、発変電所,ガス/石油プラント施設,
通信,放送,病院,電子計算機等に用いられる電源装置
が、その典型的な例として挙げられる。従来、このよう
な故障の許されない電気設備においては、故障の発生を
未然に防止するために、頻繁に点検が行われる。また、
そこに用いられている電子回路がたとえ正常に動作して
いても、ある一定の使用期間が経過した時点で寿命とみ
なし、新しいものに取り替えるようにしていた。また、
故障検知器を設け、当該故障検知器によって電気設備の
故障が検知された場合は、即座に補助装置に運転を切り
換えることにより、システム全体に異常が波及しないよ
うにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとく、従来
は、正常に動作しているか否かにかかわらず、ある一定
の使用期間が経過した時点で電子回路を新しいものに取
り替えるようにしているため、それを用いた電気設備の
維持費が極めて高くなるという問題点があった。また、
頻繁に点検を行わなければならないため、管理が面倒で
あるという問題点があった。さらに、故障時のバックア
ップのために必ず補助装置を設けなければならず、設備
費が高価になるという問題点があった。
【0004】それゆえに、この発明の目的は、電子回路
の劣化の程度を容易に診断でき、それによって電子回路
の交換時期を明確に予測しうるような劣化診断方法およ
び装置とそのような劣化診断に好適する異常波形検出方
法および装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る異常波形
検出装置は、振幅,最大レベルおよび最小レベルが常に
一定な信号中に生じる異常波形を検出する装置であっ
て、信号の最大レベルと最小レベルとの間に少なくとも
2つのしきい値を設定するしきい値設定手段と、信号の
レベルが各しきい値間を通過するときの時間幅を検出す
る時間幅検出手段と、基準時間幅を設定する基準時間幅
設定手段と、時間幅検出手段によって検出された時間幅
と基準時間幅設定手段によって設定された基準時間幅と
を比較することにより、信号中の異常波形を検出する手
段とを備えている。
【0006】請求項2に係る異常波形検出装置は、振
幅,最大レベルおよび最小レベルが常に一定な信号中に
生じる異常波形を検出する装置であって、信号の最大レ
ベルと最小レベルとの間に少なくとも2つのしきい値を
設定するしきい値設定手段と、所定期間内に信号のレベ
ルが各しきい値を通過する回数を検出する通過回数検出
手段と、通過回数検出手段によって検出された各しきい
値についての通過回数を相互に比較することにより、信
号中の異常波形を検出する手段とを備えている。
【0007】請求項3に係る異常波形検出装置は、振
幅,最大レベルおよび最小レベルが常に一定な信号中に
生じる異常波形を検出する装置であって、信号の最大レ
ベルと最小レベルとの間にしきい値を設定するしきい値
設定手段と、所定期間内に信号のレベルがしきい値を通
過する回数を検出する通過回数検出手段と、所定期間内
における基準通過回数を設定する基準通過回数設定手段
と、通過回数検出手段によって検出された通過回数と基
準通過回数設定手段によって設定された基準通過回数と
を比較することにより、信号中の異常波形を検出する手
段とを備えている。
【0008】請求項4に係る異常波形検出装置は、振
幅,最大レベルおよび最小レベルが常に一定な信号中に
生じる異常波形を検出する装置であって、信号の最大レ
ベルと最小レベルとの間に第1および第2のしきい値を
設定するしきい値設定手段と、信号のレベルが第1およ
び第2のしきい値間に入る方向とその直後に第1および
第2のしきい値間から出る方向との一致不一致に基づい
て、信号の異常波形を検出する手段を備えている。
【0009】請求項5に係る電子回路の劣化診断装置
は、出力信号の波形に基づいて電子回路の劣化を診断す
る装置であって、電子回路の出力信号中の異常波形を検
出するための異常波形検出手段と、異常波形検出手段の
異常波形検出回数を計数する計数手段とを備え、計数手
段の計数結果を電子回路の劣化の診断指標とすることを
特徴とする。
【0010】請求項6に係る電子回路の劣化診断装置
は、請求項5に係る電子回路の劣化診断装置において、
さらに以下のことを特徴とする。すなわち、異常波形検
出手段は、電子回路の出力信号の最大レベルと最小レベ
ルとの間に少なくとも2つのしきい値を設定するしきい
値設定手段と、電子回路の出力信号のレベルが各しきい
値間を通過するときの時間幅を検出する時間幅検出手段
と、基準時間幅を設定する基準時間幅設定手段と、時間
幅検出手段によって検出された時間幅と基準時間幅設定
手段によって設定された基準時間幅とを比較することに
より、電子回路の出力信号中の異常波形を検出する手段
とを含む。
【0011】請求項7に係る電子回路の劣化診断装置
は、請求項5に係る電子回路の劣化診断装置において、
さらに以下のことを特徴とする。すなわち、異常波形検
出手段は、電子回路の出力信号の最大レベルと最小レベ
ルとの間に少なくとも2つのしきい値を設定するしきい
値設定手段と、所定期間内に信号のレベルが各しきい値
を通過する回数を検出する通過回数検出手段と、通過回
数検出手段によって検出された各しきい値についての通
過回数を相互に比較することにより、電子回路の出力信
号中の異常波形を検出する手段とを含む。
【0012】請求項8に係る電子回路の劣化診断装置
は、請求項5に係る電子回路の劣化診断装置において、
さらに以下のことを特徴とする。すなわち、異常波形検
出手段は、電子回路の出力信号の最大レベルと最小レベ
ルとの間にしきい値を設定するしきい値設定手段と、所
定期間内に電子回路の出力信号のレベルがしきい値を通
過する回数を検出する通過回数検出手段と、所定期間内
における基準通過回数を設定する基準通過回数設定手段
と、通過回数検出手段によって検出された通過回数と基
準通過回数設定手段によって設定された基準通過回数と
を比較することにより、電子回路の出力信号中の異常波
形を検出する手段とを含む。
【0013】請求項9に係る電子回路の劣化診断装置
は、請求項5に係る電子回路の劣化診断装置において、
さらに以下のことを特徴とする。すなわち、異常波形検
出手段は、電子回路の出力信号の最大レベルと最小レベ
ルとの間に第1および第2のしきい値を設定するしきい
値設定手段と、電子回路の出力信号のレベルが第1およ
び第2のしきい値間に入る方向とその直後に第1および
第2のしきい値間から出る方向との一致不一致に基づい
て、電子回路の出力信号中の異常波形を検出する手段と
を含む。
【0014】請求項10に係る電子回路の劣化診断装置
は、請求項5に係る電子回路の劣化診断装置において、
予め定められた一定時間ごとの計数手段の計数結果が所
定の値を越えたときに電子回路が異常であると判定する
判定手段をさらに備える。
【0015】請求項11に係る異常波形検出方法は、振
幅,最大レベルおよび最小レベルが常に一定な信号中に
生じる異常波形を検出する方法であって、信号の最大レ
ベルと最小レベルとの間に少なくとも2つのしきい値を
設定し、信号のレベルが各しきい値間を通過するときの
時間幅を検出し、この検出された時間幅と予め設定され
た基準時間幅とを比較することにより、信号中の異常波
形を検出することを特徴としている。
【0016】請求項12に係る異常波形検出方法は、振
幅,最大レベルおよび最小レベルが常に一定な信号中に
生じる異常波形を検出する方法であって、信号の最大レ
ベルと最小レベルとの間に少なくとも2つのしきい値を
設定し、所定期間内に信号のレベルが各しきい値を通過
する回数を検出し、この検出された各しきい値について
の通過回数を相互に比較することにより、信号中の異常
波形を検出することを特徴としている。
【0017】請求項13に係る異常波形検出方法は、振
幅,最大レベルおよび最小レベルが常に一定な信号中に
生じる異常波形を検出する方法であって、信号の最大レ
ベルと最小レベルとの間にしきい値を設定し、所定期間
内に信号のレベルがしきい値を通過する回数を検出し、
この検出された通過回数と予め設定された所定期間内の
基準通過回数とを比較することにより、信号中の異常波
形を検出することを特徴としている。
【0018】請求項14に係る異常波形検出方法は、振
幅,最大レベルおよび最小レベルが常に一定な信号中に
生じる異常波形を検出する方法であって、信号の最大レ
ベルと最小レベルとの間に第1および第2のしきい値を
設定し、信号のレベルが第1および第2のしきい値間に
入る方向とその直後に第1および第2のしきい値間から
出る方向との一致不一致に基づいて、信号の異常波形を
検出することを特徴としている。
【0019】請求項15に係る電子回路の劣化診断方法
は、出力信号の波形に基づいて電子回路の劣化を診断す
る方法であって、電子回路の出力信号中の異常波形を検
出し、その異常波形検出回数を計数することにより、電
子回路の劣化の診断指標とすることを特徴としている。
【0020】請求項16に係る電子回路の劣化診断方法
は、請求項15に係る電子回路の劣化診断方法におい
て、さらに以下のことを特徴とする。すなわち、電子回
路の出力信号の最大レベルと最小レベルとの間に少なく
とも2つのしきい値を設定し、電子回路の出力信号のレ
ベルが各しきい値間を通過するときの時間幅を検出し、
この検出された時間幅と予め設定された基準時間幅とを
比較することにより、電子回路の出力信号中の異常波形
を検出することを特徴としている。
【0021】請求項17に係る電子回路の劣化診断方法
は、請求項15に係る電子回路の劣化診断方法におい
て、さらに以下のことを特徴とする。すなわち、電子回
路の出力信号の最大レベルと最小レベルとの間に少なく
とも2つのしきい値を設定し、所定期間内に信号のレベ
ルが各しきい値を通過する回数を検出し、この検出され
た各しきい値についての通過回数を相互に比較すること
により、電子回路の出力信号中の異常波形を検出するこ
とを特徴としている。
【0022】請求項18に係る電子回路の劣化診断方法
は、請求項15に係る電子回路の劣化診断方法におい
て、さらに以下のことを特徴とする。すなわち、電子回
路の出力信号の最大レベルと最小レベルとの間にしきい
値を設定し、所定期間内に電子回路の出力信号のレベル
がしきい値を通過する回数を検出し、所定期間内におけ
る基準通過回数を設定し、この検出された通過回数と予
め設定された所定期間内の基準通過回数とを比較するこ
とにより、電子回路の出力信号中の異常波形を検出する
ことを特徴としている。
【0023】請求項19に係る電子回路の劣化診断装置
は、請求項15に係る電子回路の劣化診断装置におい
て、さらに以下のことを特徴とする。すなわち、電子回
路の出力信号の最大レベルと最小レベルとの間に第1お
よび第2のしきい値を設定し、電子回路の出力信号のレ
ベルが第1および第2のしきい値間に入る方向とその直
後に第1および第2のしきい値間から出る方向との一致
不一致に基づいて、電子回路の出力信号中の異常波形を
検出することを特徴としている。
【0024】請求項20に係る電子回路の劣化診断装置
は、請求項15に係る電子回路の劣化診断装置におい
て、予め定められた一定時間ごとの計数手段の計数結果
が所定の値を越えたときに電子回路が異常であると判定
することをさらに特徴としている。
【0025】
【作用】請求項1または11に係る発明においては、異
常波形を検出すべき信号の最大レベルと最小レベルとの
間に少なくとも2つのしきい値を設定しておき、この信
号のレベルが各しきい値間を通過するときの時間幅と予
め設定された基準時間幅とを比較することにより、信号
中の異常波形を検出するようにしている。
【0026】請求項2または12に係る発明において
は、異常波形を検出すべき信号の最大レベルと最小レベ
ルとの間に少なくとも2つのしきい値を設定しておき、
所定期間内にこの信号のレベルが各しきい値を通過する
回数を相互に比較することにより、信号中の異常波形を
検出するようにしている。
【0027】請求項3または13に係る発明において
は、異常波形を検出すべき信号の最大レベルと最小レベ
ルとの間にしきい値を設定しておき、所定期間内にこの
信号のレベルがしきい値を通過する回数と予め設定され
た所定期間内の基準通過回数とを比較することにより、
信号中の異常波形を検出するようにしている。
【0028】請求項4または14に係る発明において
は、異常波形を検出すべき信号の最大レベルと最小レベ
ルとの間に第1および第2のしきい値を設定しておき、
この信号のレベルが第1および第2のしきい値間に入る
方向とその直後に第1および第2のしきい値間から出る
方向との一致不一致に基づいて、信号中の異常波形を検
出するようにしている。
【0029】請求項5または15に係る発明において
は、電子回路の出力信号中の異常波形を検出し、その異
常波形検出回数を計数することにより、電子回路の劣化
の診断指標を定量的に求めるようにしている。
【0030】請求項6または16に係る発明において
は、電子回路の出力信号の最大レベルと最小レベルとの
間に少なくとも2つのしきい値を設定しておき、この出
力信号のレベルが各しきい値間を通過するときの時間幅
と予め設定された基準時間幅とを比較することにより、
出力信号中の異常波形を検出するようにしている。
【0031】請求項7または17に係る発明において
は、電子回路の出力信号の最大レベルと最小レベルとの
間に少なくとも2つのしきい値を設定しておき、所定期
間内にこの出力信号のレベルが各しきい値を通過する回
数を相互に比較することにより、出力信号中の異常波形
を検出するようにしている。
【0032】請求項8または18に係る発明において
は、電子回路の出力信号の最大レベルと最小レベルとの
間にしきい値を設定しておき、所定期間内にこの出力信
号のレベルがしきい値を通過する回数と予め設定された
所定期間内の基準通過回数とを比較することにより、出
力信号中の異常波形を検出するようにしている。
【0033】請求項9または19に係る発明において
は、電子回路の出力信号の最大レベルと最小レベルとの
間に第1および第2のしきい値を設定しておき、この出
力信号のレベルが第1および第2のしきい値間に入る方
向とその直後に第1および第2のしきい値間から出る方
向との一致不一致に基づいて、出力信号中の異常波形を
検出するようにしている。
【0034】請求項10または20に係る発明において
は、予め定められた一定時間ごとの計数結果が所定の値
を越えたときに電子回路が異常であると判定するように
している。
【0035】
【実施例】図1は、この発明の一実施例に係る劣化診断
装置を備えた無停電電源装置(Uninterrupt
ible Power Supply)の構成を示す回
路図である。図1において、入力端子1および2は、図
示しない商用交流電源に接続されている。商用交流電源
から入力端子1および2に供給される交流電力は、整流
器3で直流に変換された後、コイル4aおよびコンデン
サ4bによって構成される平滑回路4でさらに平滑され
てインバータ6に与えられる。なお、整流器3の出力端
には、停電時に電力を供給するための蓄電池7が接続さ
れている。インバータ6は、後述するように複数のスイ
ッチング素子を含み、インバータ制御回路8によってこ
れらスイッチング素子のオンオフが適当に制御されるこ
とにより、与えられた直流電圧を交流パルス電圧に変換
する。
【0036】インバータ6の出力は、絶縁トランス9の
1次側コイル9aに与えられる。絶縁トランス9の2次
側コイル9bの出力は、交流リアクトル10aおよびコ
ンデンサ10bによって構成される交流フィルタ10で
無用な高調波成分が取り除かれた後、出力端子12およ
び13に与えられる。出力端子12および13は、図示
しない負荷に接続されている。なお、出力端子12と交
流フィルタ10との間には、切換スイッチ14が介挿さ
れている。
【0037】さらに、インバータ6の出力は、この発明
の特徴となる劣化診断装置15に与えられる。この劣化
診断装置15は、インバータ6およびインバータ制御回
路8の劣化の進行程度を診断するためのものである。
【0038】上記のように構成される無停電電源装置
は、常時は商用交流電源から整流器3,平滑回路4,イ
ンバータ6,絶縁トランス9,交流フィルタ10を介し
て負荷に交流を供給している。そして、停電時には蓄電
池7からインバータ6,絶縁トランス9,交流フィルタ
10を介して引き続き負荷に電力を供給する。このよう
に無停電電源装置は、停電時においても継続的に負荷に
電力を供給しうるため、停電の許されない発変電所,ガ
ス/石油プラント設備,通信,放送,病院,電子計算機
等の電源装置として用いられている。なお、切換スイッ
チ14は、常時は交流フィルタ10の出力を出力端子1
2に供給しているが、無停電電源装置の試験時や故障時
には切り換えられて商用交流電源の出力を出力端子12
に直接供給する。
【0039】図2は、図1におけるインバータ6のより
詳細な構成を示す回路図である。図2において、インバ
ータ6は、スイッチング素子の一例としてのNPNトラ
ンジスタTR1〜TR4と、逆流防止用ダイオードD1
〜D4とを含む。トランジスタTR1は、そのコレクタ
が正側電源線L1に接続され、そのエミッタがトランジ
スタTR2のコレクタに接続されている。トランジスタ
TR2のエミッタは、負側電源線L2に接続されてい
る。トランジスタTR3は、そのコレクタが正側電源線
L1に接続され、そのエミッタがトランジスタTR4の
コレクタに接続されている。トランジスタTR4のエミ
ッタは、負側電源線L2に接続されている。ダイオード
D1,D2,D3およびD4は、それぞれ、トランジス
タTR1,TR2,TR3およびTR4と並列に接続さ
れている。
【0040】トランジスタTR1,TR2,TR3およ
びTR4のベースには、インバータ制御回路8から制御
信号φA1,φA2,φB1およびφB2がそれぞれ与
えられる。トランジスタTR1のエミッタとトランジス
タTR2のコレクタとの接続点であるノードN1は、絶
縁トランス9における1次側コイル9aの一端に接続さ
れている。一方、トランジスタTR3のエミッタとトラ
ンジスタTR4のコレクタとの接続点であるノードN2
は、上記1次コイル9aの他端に接続されている。さら
に、ノードN2は、劣化診断装置15に接続されてい
る。
【0041】図3は、図1および図2に示すインバータ
の動作を説明するための波形図である。以下、この図3
を参照して、上記インバータ6の動作を説明する。
【0042】まず、直列接続されたトランジスタTR1
およびTR2によって構成される左側のスイッチング回
路(以下、レフトアームと称す)LAに着目すると、ト
ランジスタTR1のベース与えられる制御信号φA1と
トランジスタTR2のベースに与えられる制御信号φA
2とは、図3に示すように互いに相補的な関係を有して
いる。したがって、トランジスタTR1およびTR2は
交互にオンオフ状態を繰り返し、同時にオン状態になる
ことはない。一方、直列接続されたトランジスタTR3
およびTR4で構成される右側のスイッチング回路(以
下、ライトアームと称す)RAも同様である。すなわ
ち、トランジスタTR3およびTR4は、相補的な制御
信号φB1およびφB2によって交互にオンオフ状態を
繰り返し、同時にオン状態になることはない。
【0043】トランジスタTR1およびTR3がオン状
態でかつトランジスタTR2およびTR4がオフ状態の
とき、またはトランジスタTR1およびTR3がオフ状
態でかつトランジスタTR2およびTR4がオン状態の
ときは、ノードN1とN2との間に電位差は生じず、絶
縁トランス9の1次側電圧V1は0Vとなる。また、ト
ランジスタTR1およびTR4がオン状態でかつトラン
ジスタTR2およびTR3がオフ状態のときは、ノード
N1は正の電源電圧、ノードN2は負の電源電圧とな
る。したがって、このとき絶縁トランス9の1次側電圧
V1は正の最大電圧Vmaxとなる。逆に、トランジス
タTR1およびTR4がオフ状態でかつトランジスタT
R2およびTR3がオン状態のときは、ノードN1は負
の電源電圧、ノードN2は正の電源電圧となり、絶縁ト
ランス9の1次側電圧V1は負の最大電圧−Vmaxに
なる。
【0044】上記のごとく、インバータ6の出力電圧す
なわち絶縁トランス9の1次側電圧V1は、トランジス
タTR1〜TR4のオンオフ状態の組合せにより、3つ
の電圧値Vmax,0V,−Vmaxをとり得る。した
がって、インバータ制御回路8によってレフトアームL
AとライトアームRAとの動作状態を適当にずらせるこ
とにより、図3に示すような不等幅矩形波の交流パルス
電圧V1を得ることができる。
【0045】上記交流パルス電圧V1は、不等幅矩形波
であるため、高調波を多く含む。この高調波を交流フィ
ルタ10で取り除き、基本波だけを抜き出すことによ
り、図3に示すような正弦波交流V2を得ることができ
る。なお、インバータ制御回路8によって交流パルス電
圧V1の各パルス幅を適当に制御すれば、正弦波交流V
2の実効値を一定とする定電圧制御を行うことができ
る。
【0046】なお、図3の最下段に拡大して示すよう
に、制御信号φB1およびφB2には、わずかながらト
ランジスタTR3およびTR4がともにオフ状態となる
時間が設けてある。これは、トランジスタTR3および
TR4のスイッチング動作の遅れにより、トランジスタ
TR3およびTR4が同時にオン状態となるのを防ぐた
めである。このことは、制御信号φA1およびφA2に
ついても同様であり、それによってトランジスタTR1
およびTR2が同時にオン状態となるのが防止されてい
る。
【0047】ところで、インバータ制御回路8の部品定
数が経年劣化で少しずつ変化してくると、各制御信号φ
A1,φA2,φB1,φB2のタイミング関係や電圧
レベルにずれが生じてくる。また、インバータ6におけ
る各トランジスタTR1〜TR4の動作速度も度重なる
サージ電圧の進入があれば除々に劣化すると考えられ
る。これらの原因により、各アームの出力に針状のパル
スが発生したり、中間電圧(最大電圧と最小電圧との間
の電圧)の出力が発生するようになる。中間電圧の出力
は、アームの上下のトランジスタが同時にオンしている
ときに発生し、同時にオン状態となる時間が短いときは
針状のパルスとなる。他の異常例として、インバータ6
を構成するトランジスタのスイッチングスピードが遅く
なってアーム出力が反転するときの傾斜が緩くなるなど
の現象もある。それらの兆候をつかみ、大きな故障に向
かって劣化が進みつつあることを捉えるのが劣化診断装
置15の役割である。
【0048】図4は、レフトアームLA(またはライト
アームRA)の出力に含まれる異常波形の典型的な例を
示す波形図である。なお、この図4は、負側電源線L2
に対するノードN1(またはノードN2)の電位を各ア
ームLAおよびRAの出力としている。図4(a)に示
すアーム出力は、異常波形として中間電圧を有する針状
の異常パルスP1を含んでいる。また、図4(b)に示
すアーム出力は、異常波形として正規パルスのエッジ部
分に中間電圧出力P2を含んでいる。また、図4(c)
に示すアーム出力は、異常波形として最大電圧Vmax
を有する異常パルスP3を含んでいる。
【0049】劣化診断装置15の詳細な説明を行う前
に、図5を参照して劣化診断装置15における異常波形
の検出原理を説明する。まず、アーム出力の最大電圧V
maxと最小電圧0Vとの間には、少なくとも2つのし
きい値電圧Va,Vb(Vmax>Va>Vb>0V)
が設定される。
【0050】劣化診断装置15は、アームの出力電圧レ
ベルがしきい値電圧Vbを通過してからVaを通過する
までの時間幅(または、しきい値電圧Vaを通過してか
らVbを通過するまでの時間幅)Tw(または、T
w’)を計測する。そして、この計測された時間幅Tw
(または、Tw’)と予め設定された基準時間幅とを比
較し、計測された時間幅Tw(または、Tw’)が予め
設定された基準時間幅よりも長いときは、そこにおいて
異常波形すなわちパルスのエッジ部分における中間電圧
出力P2(または、P2’)が生じていると判断する。
【0051】次に、劣化診断装置15は、所定時間内に
アームの出力電圧レベルがしきい値電圧Vaを通過する
回数としきい値電圧Vbを通過する回数とを個別に計測
する。そして、両計測値を比較し、両計測値が不一致の
場合は、アーム出力に異常波形すなわちしきい値電圧V
aとVbとの間のレベルを有する異常パルスP1が含ま
れていると判断する。
【0052】次に、劣化診断装置15は、所定時間内に
アームの出力電圧レベルがしきい値電圧Vaを通過する
回数を計測する。そして、この計測された回数が予め設
定された基準回数値よりも多い場合は、異常波形すなわ
ちしきい値電圧Vaよりも大きいレベルを有する異常パ
ルスP3が含まれていると判断する。
【0053】図6は、図1に示す劣化診断装置15の構
成の一例を示すブロック図である。なお、図6に示す劣
化診断装置は、ハード回路のみによって劣化の検出を行
うように構成されている。
【0054】図6において、ライトアームRAの出力
は、レベル検出器201および202に与えられる。レ
ベル検出器201には、しきい値レベル設定回路203
からしきい値電圧Vaが与えられている。また、レベル
検出器202には、しきい値レベル設定回路203から
しきい値電圧Vbが与えられている。レベル検出器20
1および202の検出出力は、それぞれ、カウンタ20
4および205に与えられる。カウンタ204のカウン
ト出力は、比較器206および207に与えられる。カ
ウンタ205のカウント出力は、比較器207に与えら
れる。比較器206には、基準回数設定回路208から
基準回数値が与えられる。比較器206および207の
出力は、ORゲート209に与えられる。
【0055】発振器210は、一定周波数のパルス信号
を出力する。発振器210の発振周波数は、ライトアー
ムRAの出力パルスの最大周波数よりも十分大きな値に
選ばれている。発振器210の出力パルスは、リセット
パルス発生回路211に与えられる。リセットパルス発
生回路211は、たとえば分周器を含み発振器210の
出力パルスからリセットパルスを作成する。このリセッ
トパルスは、カウンタ204および205に与えられ
る。
【0056】レベル検出器201および202の出力は
イネーブル信号として、それぞれ、タイマカウンタ21
2および213に与えられる。また、レベル検出器20
1および202の出力はリセット信号として、それぞ
れ、タイマカウンタ213および212に与えられる。
さらに、タイマカウンタ212および213には、発振
器210の発振出力がクロック信号として与えられてい
る。タイマカウンタ212および213のカウント出力
は、それぞれ、比較器214および215に与えられ
る。比較器214および215には、基準時間幅設定回
路216から基準時間幅が与えられる。比較器214お
よび215の出力は、ORゲート209に与えられる。
【0057】ORゲート209の出力は、カウンタ21
7に与えられる。このカウンタ217は、リセット信号
によって一定時間(たとえば1時間)ごとにセットされ
る。カウンタ217のカウント出力は、表示装置21
8,記録装置219および警報装置220に与えられ
る。
【0058】次に、図6に示す劣化診断装置の動作を説
明する。レベル検出器201は、ライトアームRAの出
力レベルがしきい値電圧Vaと一致したときに検出パル
スを出力する。同様に、レベル検出器202は、ライト
アームRAの出力レベルがしきい値電圧Vbと一致した
ときに検出パルスを出力する。カウンタ204は、レベ
ル検出器201の検出パルスをカウントすることによ
り、ライトアームRAの出力レベルがしきい値電圧Va
を通過した回数をカウントする。カウンタ205は、レ
ベル検出器202の検出パルスをカウントすることによ
り、ライトアームRAの出力レベルがしきい値電圧Vb
を通過した回数をカウントする。カウンタ204および
205は、リセットパルス発生回路211からのリセッ
トパルスによって所定周期ごとにリセットされる。カウ
ンタ204は、リセットされたときにそのカウント結果
を比較器206および207に出力する。同様に、カウ
ンタ205は、リセットされたときにそのカウント結果
を比較器207に出力する。
【0059】比較器206は、カウンタ204のカウン
ト値(所定周期内にライトアームRAの出力レベルがし
きい値電圧Vaを通過した回数)と基準回数設定回路2
08から与えられる基準回数値とを比較し、不一致のと
きに異常波形検出パルスを出力する。ここで、基準回数
設定回路208には、ライトアームRAの出力波形が正
常であった場合にライトアームRAの出力レベルがしき
い値電圧Vaを通過する基準の回数値が設定されてい
る。したがって、比較器206が不一致を検出した場
合、ライトアームRAの出力には図5に示す異常パルス
P3が含まれていることになる。
【0060】比較器207は、カウンタ204のカウン
ト値(所定周期内にライトアームRAの出力レベルがし
きい値電圧Vaを通過した回数)とカウンタ205のカ
ウント値(所定周期内にライトアームRAの出力レベル
がしきい値電圧Vbを通過した回数)とを比較し、不一
致のときに異常波形検出パルスを出力する。ライトアー
ムRAの出力波形が正常な場合、カウンタ204のカウ
ント値とカウンタ205のカウント値とは常に一致する
はずである。しかしながら、ライトアームRAの出力波
形に中間レベルの異常パルスP1が含まれている場合
は、カウンタ205のカウント値の方がカウンタ204
のカウント値よりも多くなる。したがって、比較器20
7は、カウンタ204および205のカウント値を相互
に比較することにより、ライトアームRAの出力波形に
上記異常パルスP1が含まれているか否かを検出してい
る。
【0061】タイマカウンタ212は、ライトアームR
Aの出力レベルがしきい値電圧Vaを通過したときにレ
ベル検出器201の検出出力によってスタートされ、発
振器210から与えられるクロック信号をカウントす
る。そして、タイマカウンタ212は、ライトアームR
Aの出力レベルがしきい値電圧Vbを通過したときにレ
ベル検出器202の検出出力によってリセットされる。
したがって、タイマカウンタ212は、ライトアームR
Aの出力レベルがしきい値電圧Vaを通過してからしき
い値電圧Vbを通過するまでの時間幅Tw’(図5参
照)を計測している。一方、タイマカウンタ213は、
ライトアームRAの出力がしきい値電圧Vbを通過した
ときにレベル検出器202の検出出力によってスタート
され、発振器210からのクロック信号をカウントす
る。そして、タイマカウンタ213は、ライトアームR
Aの出力レベルがしきい値電圧Vaを通過したときにレ
ベル検出器201の検出出力によってリセットされる。
したがって、タイマカウンタ213は、ライトアームR
Aの出力レベルがしきい値電圧Vbを通過してからしき
い値電圧Vaを通過するまでの時間幅Tw(図5参照)
を計測している。
【0062】ライトアームRAの出力波形は、矩形波で
あるためタイマカウンタ212および213によって計
測される各時間幅は、ほぼ0となるはずである。しかし
ながら、ライトアームRAの出力波形がパルスのエッジ
部分において図5に示すような中間電圧出力P2または
P2’を含む場合、タイマカウンタ213または212
によって計測される時間幅TwまたはTw’は0よりも
長くなる。基準時間幅設定回路216には、パルスのエ
ッジ部分において許容され得る基準時間幅が設定されて
いる。
【0063】比較器214は、タイマカウンタ212の
カウント値が上記基準時間幅を超えたときに異常波形検
出パルスを出力する。同様に、比較器215は、タイマ
カウンタ213のカウント値が基準時間幅を超えたとき
に異常波形検出パルスを出力する。すなわち、比較器2
14は、ライトアームRAの出力パルスの立ち下がりエ
ッジ部分において中間電圧出力P2’が存在するか否か
を検出している。また、比較器215はライトアームR
Aの出力パルスの立ち上がりエッジ部分において中間電
圧出力P2が存在するか否かを検出している。
【0064】比較器206,207,214および21
5から出力される異常波形検出パルスは、ORゲート2
09を介してカウンタ217に与えられ、カウントされ
る。このカウンタ217は、一定時間(たとえば1時
間)ごとにリセットされる。そして、リセット直前のカ
ウント値が表示装置218に表示され、記録装置219
に記録される。
【0065】したがって、使用者は、表示装置218の
表示内容および記録装置219の記録内容を見れば、上
記一定時間内にライトアームRAの出力波形がどの程度
の異常波形を生じているかを明確に知ることができる。
すなわち、インバータ6またはインバータ制御回路8の
劣化の進行程度が定量的に把握できる。
【0066】また、警報装置220は、カウンタ217
のカウント値が予め定める一定値を超えたとき、インバ
ータ6またはインバータ制御回路8が重度の劣化を起こ
しているものと判断し、警報を発生する。したがって、
使用者は無停電電源装置が故障を起こす前にその予兆を
知ることができ、そのような故障が生じる前にインバー
タ6またはインバータ制御回路8を取り替えることがで
きる。
【0067】図7は、図1に示す劣化診断装置15の他
の構成例を示すブロック図である。なお、図7に示す劣
化診断装置は、プログラム制御によって劣化の診断を行
うように構成されている。
【0068】図7において、ライトアームRAの出力
は、A/D変換器301に与えられ、一定のサンプリン
グ周期でデジタル信号に変換される。A/D変換器30
1の出力は、波形メモリ302およびデータ処理装置3
03に与えられる。データ処理装置303は、マイクロ
コンピュータやパーソナルコンピュータや専用のDSP
(ディジタル・シグナル・プロセッサ)等によって構成
され得るが、本実施例ではマイクロコンピュータによっ
て構成されている。すなわち、データ処理装置303
は、CPU303aと、ROM303bと、RAM30
3cとを含む。ROM303bには、後述の図8〜図1
1に示すようなフローチャートに従う種々の動作プログ
ラムが格納されている。CPU303aは、ROM30
3bに格納された動作プログラムに従って動作し、A/
D変換器301から与えられるデータを処理する。RA
M303cには、CPU303aのデータ処理に必要な
種々のデータが記憶される。
【0069】CPU303aには、さらに表示装置31
8,記録装置319および警報装置320が接続されて
いる。これら表示装置318,記録装置319および警
報装置320の構成は、それぞれ図6に示す表示装置2
18,記録装置219および警報装置220の構成と同
様である。
【0070】次に、図8〜図11に示すフローチャート
を参照して、図7に示す劣化診断装置の動作を説明す
る。
【0071】まず、図8のステップS1において、スタ
ート時刻t0として現在時刻tが設定され、劣化の進行
程度を示す劣化程度指標値Zがクリアされる。次に、ス
テップS2に進み、基準周期内での異常検出が行われ
る。このステップS2のサブルーチンの詳細は、図9〜
図11に示されている。
【0072】まず、図9のステップS201において、
CPU303aは、A/D変換器301から出力される
サンプリングデータを入力し、波形メモリ302または
RAM303cに記憶させる。次に、ステップS202
に進み、CPU303aは、上記サンプリングデータに
基づいて基準周期の検出を行う。ここで、基準周期と
は、図3に示す周期Tsのことを意味する。ライトアー
ムRAの出力波形は、前述したように不等幅矩形波であ
るため、個々のパルス単位ではパルス幅が変動するが、
連続したパルス列で観察すると、その波形は一定の周期
ごとに同じ変化を繰り返している。基準周期Tsは、こ
の繰り返し周期のことを示している。
【0073】次に、ステップS203に進み、合計異常
回数値Z0,第1の異常回数値Z1,第2の異常回数値
Z2,第3の異常回数値Z3,通過回数値KaおよびK
bがいずれもクリアされる。ここで、第1の異常回数値
Z1は図5に示す異常パルスP1に関連する異常回数値
を示しており、第2の異常回数値Z2は図5に示すパル
スのエッジ部分における中間電圧出力P2およびP2’
に関連する異常回数値を示しており、第3の異常回数値
Z3は図5に示す異常パルスP1およびP3に関連する
異常回数値を示している。また、合計異常回数値Z0
は、第1〜第3の異常回数値Z1〜Z3を重み付け演算
して線形結合することにより得られる。通過回数値Ka
は、ライトアームRAの出力レベルがしきい値電圧Va
を通過した回数を示している。通過回数値Kbはライト
アームRAの出力レベルがしきい値電圧Vbを通過した
回数を示している。
【0074】次に、ステップS204に進み、CPU3
03aは、前述の基準周期Tsにおける最初のサンプリ
ング値V(0)を波形メモリ302またはRAM303
cから読み出す。なお、基準周期Tsにおけるサンプリ
ング数はN個である。したがって、波形メモリ302ま
たはRAM303cには、1周期Tsに対応するサンプ
リング値として、N個のサンプリング値V(0)〜V
(N−1)が記憶されている。
【0075】次に、ステップS205に進み、状態フラ
グfpの初期設定が行われる。後述するように、基準周
期内の異常検出は、N個のサンプリング値V(0)〜V
(N−1)を時間軸方向に沿って前から順番に2つずつ
比較することにより行われる。このとき、同じタイミン
グで比較される時間的に隣接した2つのサンプリング値
のうち、時間的に前のサンプリング値の状態が状態フラ
グfpによって示される。初期設定の段階では、基準周
期内の最初のサンプリング値V(0)に基づいて状態フ
ラグfpの設定が行われる。すなわち、V(0)>Va
のとき、状態フラグfpには1が設定される。また、V
a≧V(0)≧Vbのとき、状態フラグfpには0が設
定される。また、V(0)<Vbのとき、状態フラグf
pには−1が設定される。
【0076】次に、ステップS206に進み、ループ回
数値iに1が設定される。次に、図10のステップS2
07に進み、サンプリング値V(i)のレベルに基づい
て、状態フラグfの設定が行われる。この状態フラグf
は、前述した同じタイミングで比較される時間的に隣接
した2つのサンプリング値のうち、時間的に後のサンプ
リング値の状態を示すフラグである。V(i)>Vaの
とき、状態フラグfには1が設定される。Va≧V
(i)≧Vbのとき、状態フラグfには0が設定され
る。V(i)<Vbのとき、状態フラグfには−1が設
定される。
【0077】次に、ステップS208に進み、状態フラ
グfpの設定値と状態フラグfの設定値との関係が判断
される。このステップS208の判断処理によって状態
フラグfpの設定値と状態フラグfの設定値との関係
は、5つの場合に分類され、分類された各場合について
所定の処理が行われる。このとき実行される所定の処理
の詳細については後述する。次に、ステップS213に
進み、状態フラグfの設定値が状態フラグfpに設定さ
れる。これによって同時に比較される2つのサンプリン
グ値の組み合わせが時間軸方向へ1つシフトされること
になる。次に、ステップS214に進み、ループ回数値
iが1だけインクリメントされる。次に、ステップS2
15に進み、ループ回数値iが1基準周期Ts内のサン
プリング数Nと一致したか否かが判断される。一致して
いない場合はステップS207〜S215の処理が繰り
返し実行される。
【0078】次に、前述のステップS208で分類され
た各場合について実行される処理を以下に説明する。
【0079】(1)fp×f=−1の場合 この場合、図12に示されるように同時に比較される2
つのサンプリング値のうち、先のサンプリング値V(i
−1)が上部ゾーン(しきい値電圧Vaよりも高い電圧
ゾーン)内にありかつ後のサンプリング値V(i)が下
部ゾーン(しきい値電圧Vbよりも低い電圧ゾーン)内
にあるか、または先のサンプリング値V(i−1)が下
部ゾーン内にありかつ後のサンプリング値V(i)が上
部ゾーン内にあることになる。すなわち、後のサンプリ
ング値V(i)は、先のサンプリング値V(i−1)に
対して中間ゾーン(しきい値電圧VaとVbとの間の電
圧ゾーン)を突き抜けるように変化している。
【0080】上記の場合、ライトアームRAの出力レベ
ルはしきい値電圧VaおよびVbをいずれも通過するた
め、ステップS209において通過回数値KaおよびK
bがいずれも1だけインクリメントされる。また、ステ
ップS209では、方向フラグfsがリセットされ、突
入ループ回数値jがクリアされる。なお、方向フラグf
sは、サンプリング値V(i)が中間ゾーン内に突入し
てきた方向(増加方向かまたは減少方向か)を示すフラ
グである。また、突入ループ回数値jは、サンプリング
値が中間ゾーン内に突入してきたときのループ回数値を
示している。ステップS209の動作が終了すると、ス
テップS213の処理に進む。
【0081】(2)fp=1でかつf=0の場合 この場合、図13の左側に示すように先のサンプリング
値V(i−1)は上部ゾーン内にあり、かつ後のサンプ
リング値V(i)は中間ゾーン内にあることになる。し
たがって、この場合、ライトアームRAの出力レベルは
しきい値電圧Vaを通過するため、ステップS210に
おいて通過回数値Kaが1だけインクリメントされる。
また、ステップS210では、方向フラグfsに減少方
向を示す−1が設定される。さらに、ステップS210
では、突入ループ回数値jにループ回数iの値が設定さ
れる。ステップS210の処理が終了すると、ステップ
S213の処理に進む。
【0082】(3)fp=−1でかつf=0の場合 この場合、図13の右側に示すように、前回のサンプリ
ング値V(i−1)が下部ゾーン内にあり、かつ今回の
サンプリング値V(i)が中間ゾーン内にあることにな
る。したがって、この場合、ライトアームRAの出力レ
ベルはしきい値電圧Vbを通過するため、ステップS2
11において通過回数値Kbが1だけインクリメントさ
れる。また、ステップS211では、方向フラグfsに
増加方向を示す1が設定される。さらに、ステップS2
11では、突入ループ回数値jにループ回数値iが設定
される。ステップS211の処理が終了すると、ステッ
プS213の処理に進む。
【0083】(4)fp=0でかつf≠0の場合 この場合、図14に示すように、先のサンプリング値V
(i−1)は中間ゾーン内にあり、かつ後のサンプリン
グ値V(i)は上部ゾーンまたは下部ゾーン内にあるこ
とになる。このとき、状態フラグfと方向フラグfsと
の関係によって、ライトアームRAの出力波形の変化が
2つの場合に分類される。
【0084】まず、f=fsの場合は、図15に示すよ
うに、中間ゾーンへの突入方向と中間ゾーンからの脱出
方向とがともに同じ方向(増加方向または減少方向)と
なる。このとき、i−jの値が予め定められた基準時間
幅(本実施例では基準時間幅として「3」を設定してい
る)よりも大きければ、ライトアームRAの出力波形に
図5の中間電圧出力P2またはP2’が含まれているこ
とになるため、ステップS212aにおいて第2の異常
回数値Z2が1だけインクリメントされる。
【0085】一方、f=−fsの場合は、図16に示す
ように、中間ゾーンへの突入方向と中間ゾーンからの脱
出方向とが異なった方向となる。この場合、ライトアー
ムRAの出力波形は、図5の異常パルスP1を含むこと
になるため、ステップS212aにおいて第1の異常回
数値Z1が1だけインクリメントされる。
【0086】次に、ステップS212bに進み、方向フ
ラグfsがリセットされ、突入ループ回数値jがクリア
される。その後、ステップS213の処理に進む。
【0087】(5)fp=fの場合 この場合、先のサンプリング値V(i−1)と後のサン
プリング値V(i)は、ともに同じゾーン内にあるた
め、何も処理は行われず、直接ステップS214の処理
に進む。
【0088】1周期Ts内におけるすべてのサンプリン
グ値V(0)〜V(N−1)について上記処理が終了す
ると、ステップS215でi=Nが判断され、図11の
ステップS216に進む。ステップS216では、しき
い値電圧Vaの通過回数Kaが予め定められた基準通過
回数Kと一致するか否かが判断される。不一致の場合
は、ライトアームRAの出力波形が図5の異常パルスP
3を含むことになるため、ステップS217において第
3の異常回数値Z3が1だけインクリメントされる。
【0089】前述のステップS216で通過回数Kaと
基準通過回数値Kとの一致が判断された場合、またはス
テップS217の処理が終了した場合、次にステップS
218に進み、今度はしきい値電圧Vbの通過回数値K
bと予め定められた基準通過回数値Kとの一致が判断さ
れる。不一致の場合は、ライトアームRAの出力波形が
図5の異常パルスP1またはP3を含むことになるた
め、ステップS219において第3の異常回数値Z3が
1だけインクリメントされる。
【0090】ステップS218で通過回数値Kbと基準
通過回数値Kとの一致が判断された場合、またはステッ
プS219の処理が終了した場合、次にステップS22
0に進み、合計異常回数値Z0が演算される。この合計
異常回数値Z0は、第1の異常回数値Z1,第2の異常
回数値Z2,第3の異常回数値Z3を重み付け演算して
線形結合することにより得られる。すなわち、合計回数
値Z0は、次式によって求められる。 Z0=αZ1+βZ2+γZ3 上式において、α,β,γは、重み付けのための係数値
である。
【0091】このように重み付け演算によって合計異常
回数値Z0を求めるようにしたのは、第1〜第3の異常
回数値Z1〜Z3によってそれぞれ評価されるインバー
タ6またはインバータ制御回路8の劣化の程度が1対1
に対応しないからである。したがって、それぞれの各異
常回数値Z1〜Z3が示す劣化の程度を考慮して、重み
付け演算を行うことにより、1基準周期内での総合的な
合計異常回数値Z0を求めるようにしている。
【0092】上記ステップS220の処理が終了する
と、再び図8のメインルーチンにリターンする。まず、
ステップS3において、合計異常回数値Z0が0である
か否かが判断される。合計異常回数値Z0が0でない場
合、すなわち基準周期内に何らかの異常波形が発生して
いる場合は、ステップS4に進み、劣化程度指標値Zに
合計回数値Z0が加算される。その後、ステップS5の
処理に進む。一方、合計異常回数値Z0が0であった場
合、すなわち基準周期内に波形異常が存在していなかっ
た場合は、ステップS4の処理をスキップして直接ステ
ップS5の処理に進む。
【0093】ステップS5においては、現在時刻tとス
タート時刻t0との差が予め定められた一定時間T(た
とえば1時間)を超えたか否かが判断される。上記差が
一定時間Tよりも短い場合は、再びステップS2〜S4
の動作が繰り返される。一方、現在時刻tとスタート時
刻t0との差が一定時間Tを超えた場合は、ステップS
6の処理に進む。
【0094】ステップS6では、劣化程度指標値Zが表
示装置318に表示され、記録装置319に記録され
る。したがって、使用者は、表示または記録された劣化
程度指標値Zの大きさまたは増加率を見ることにより、
インバータ6およびインバータ制御回路8劣化がどの程
度進行しているか定量的に知ることができる。
【0095】次に、ステップS7に進み、劣化程度指標
値Zが予め定められた許容値Mを超えているか否かが判
断される。劣化程度指標値Zが許容値Mよりも小さい場
合は、再びステップS1〜S6の動作が繰り返される。
一方、劣化程度指標値Zが許容値Mを超えた場合は、ス
テップS8に進み、警報装置320によって警報が発せ
られる。すなわち、インバータ6またはインバータ制御
回路8の劣化が許容できないほど進行したものと判断さ
れ、そのことが使用者に報知される。したがって、使用
者は無停電電源装置が完全に故障する前に、インバータ
6およびインバータ制御回路8に重度の劣化が生じてい
ることを知ることができ、故障発生前に部品の交換が可
能となる。
【0096】なお、以上説明した実施例では、無停電電
源装置に用いられるインバータ6およびインバータ制御
回路8の劣化の進行程度を診断するようにしたが、この
発明は、これに限定されることなく、その他の電子回路
の異常波形を検出してその劣化の進行程度を診断するこ
とももちろん可能である。
【0097】また、上記実施例では、劣化診断装置15
は矩形波パルスを出力する電子回路の出力信号中の異常
波形を検出してその劣化の進行程度を診断するようにし
ているが、この発明は矩形波パルスに限らず一定振幅を
有する正弦波を出力する電子回路に対する異常波形の検
出および劣化の進行程度の診断にも適用が可能である。
【0098】
【発明の効果】以上のように、この発明の劣化診断方法
および装置によれば、電子回路の劣化の程度を定量的な
指標値として得ることができるため、熟練者によらずと
も電子回路の劣化の進行程度を明確に知ることができ、
電子回路の無駄な取替えを無くすことができる。また、
故障発生の予知が正確に行えるため、電子回路の取り替
え時期を誤ることがなく、故障の発生によってシステム
全体に異常が波及する最悪事態を未然に防止することが
できる。
【0099】また、この発明異常波形検出方法および装
置によれば、信号中の異常波形を極めて正確に検出で
き、その検出結果を上記のような劣化診断に有効に用い
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る劣化診断装置を備え
た無停電電源装置の構成を示す回路図である。
【図2】図1に示すインバータのより詳細な構成を示す
回路図である。
【図3】図1および図2に示すインバータの動作を説明
するための波形図である。
【図4】図1および図2のインバータの出力中に含まれ
る異常波形の典型的な例を示す波形図である。
【図5】図1に示す劣化診断装置における異常波形の検
出原理を説明するための波形である。
【図6】図1に示す劣化診断装置の構成の一例を示すブ
ロック図である。
【図7】図1に示す劣化診断装置の構成の他の例を示す
ブロック図である。
【図8】図7に示す劣化診断装置の動作を説明するため
のフローチャートである。
【図9】図8に示すサブルーチンのより詳細な動作の第
1の部分を示すフローチャートである。
【図10】図8に示すサブルーチンのより詳細な動作の
第2の部分を示すフローチャートである。
【図11】図8に示すサブルーチンのより詳細な動作の
第3の部分を示すフローチャートである。
【図12】比較される2つのサンプリング値の遷移状態
の第1の例を示す模式図である。
【図13】比較される2つのサンプリング値の遷移状態
の第2の例を示す模式図である。
【図14】比較される2つのサンプリング値の遷移状態
の第3の例を示す模式図である。
【図15】中間ゾーンに突入する方向と脱出する方向が
同一の場合におけるサンプリング値の遷移状態を示す模
式図である。
【図16】中間ゾーンに突入する方向と脱出する方向と
が逆の場合におけるサンプリング値の遷移状態を示す模
式図である。
【符号の説明】
3: 整流器 4: 平滑回路 6: インバータ 7: 蓄電池 8: インバータ制御回路 9: 絶縁トランス 10: 交流フィルタ 14: 切換スイッチ 15: 劣化診断装置 LA: レフトアーム RA: ライトアーム TR1〜TR4: スイッチング素子としてのトランジ
スタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向井 次夫 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内 (72)発明者 小幡 真澄 京都市南区吉祥院西ノ庄猪之馬場町1番地 日本電池株式会社内 (72)発明者 梅若 正晴 京都市南区吉祥院西ノ庄猪之馬場町1番地 日本電池株式会社内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振幅,最大レベルおよび最小レベルが常
    に一定な信号中に生じる異常波形を検出する装置であっ
    て、 前記信号の最大レベルと最小レベルとの間に少なくとも
    2つのしきい値を設定するしきい値設定手段と、 前記信号のレベルが各前記しきい値間を通過するときの
    時間幅を検出する時間幅検出手段と、 基準時間幅を設定する基準時間幅設定手段と、 前記時間幅検出手段によって検出された時間幅と前記基
    準時間幅設定手段によって設定された基準時間幅とを比
    較することにより、前記信号中の異常波形を検出する手
    段とを備える、異常波形検出装置。
  2. 【請求項2】 振幅,最大レベルおよび最小レベルが常
    に一定な信号中に生じる異常波形を検出する装置であっ
    て、 前記信号の最大レベルと最小レベルとの間に少なくとも
    2つのしきい値を設定するしきい値設定手段と、 所定期間内に前記信号のレベルが各前記しきい値を通過
    する回数を検出する通過回数検出手段と、 前記通過回数検出手段によって検出された各しきい値に
    ついての通過回数を相互に比較することにより、前記信
    号中の異常波形を検出する手段とを備える、異常波形検
    出装置。
  3. 【請求項3】 振幅,最大レベルおよび最小レベルが常
    に一定な信号中に生じる異常波形を検出する装置であっ
    て、 前記信号の最大レベルと最小レベルとの間にしきい値を
    設定するしきい値設定手段と、 所定期間内に前記信号のレベルが前記しきい値を通過す
    る回数を検出する通過回数検出手段と、 前記所定期間内における基準通過回数を設定する基準通
    過回数設定手段と、 前記通過回数検出手段によって検出された通過回数と前
    記基準通過回数設定手段によって設定された基準通過回
    数とを比較することにより、前記信号中の異常波形を検
    出する手段とを備える、異常波形検出装置。
  4. 【請求項4】 振幅,最大レベルおよび最小レベルが常
    に一定な信号中に生じる異常波形を検出する装置であっ
    て、 前記信号の最大レベルと最小レベルとの間に第1および
    第2のしきい値を設定するしきい値設定手段と、 前記信号のレベルが前記第1および第2のしきい値間に
    入る方向とその直後に前記第1および第2のしきい値間
    から出る方向との一致不一致に基づいて、前記信号の異
    常波形を検出する手段を備える、異常波形検出装置。
  5. 【請求項5】 出力信号の波形に基づいて電子回路の劣
    化を診断する装置であって、 前記電子回路の出力信号中の異常波形を検出するための
    異常波形検出手段と、 前記異常波形検出手段の異常波形検出回数を計数する計
    数手段とを備え、 前記計数手段の計数結果を前記電子回路の劣化の診断指
    標とすることを特徴とする、電子回路の劣化診断装置。
  6. 【請求項6】 前記異常波形検出手段は、 前記電子回路の出力信号の最大レベルと最小レベルとの
    間に少なくとも2つのしきい値を設定するしきい値設定
    手段と、 前記電子回路の出力信号のレベルが各前記しきい値間を
    通過するときの時間幅を検出する時間幅検出手段と、 基準時間幅を設定する基準時間幅設定手段と、 前記時間幅検出手段によって検出された時間幅と前記基
    準時間幅設定手段によって設定された基準時間幅とを比
    較することにより、前記電子回路の出力信号中の異常波
    形を検出する手段とを含む、請求項5に記載の電子回路
    の劣化診断装置。
  7. 【請求項7】 前記異常波形検出手段は、 前記信号の最大レベルと最小レベルとの間に少なくとも
    2つのしきい値を設定するしきい値設定手段と、 所定期間内に前記電子回路の出力信号のレベルが各前記
    しきい値を通過する回数を検出する通過回数検出手段
    と、 前記通過回数検出手段によって検出された各しきい値に
    ついての通過回数を相互に比較することにより、前記電
    子回路の出力信号中の異常波形を検出する手段とを含
    む、請求項5に記載の電子回路の劣化診断装置。
  8. 【請求項8】 前記異常波形検出手段は、 前記電子回路の出力信号の最大レベルと最小レベルとの
    間にしきい値を設定するしきい値設定手段と、 所定期間内に前記電子回路の出力信号のレベルが前記し
    きい値を通過する回数を検出する通過回数検出手段と、 前記所定期間内における基準通過回数を設定する基準通
    過回数設定手段と、 前記通過回数検出手段によって検出された通過回数と前
    記基準通過回数設定手段によって設定された基準通過回
    数とを比較することにより、前記電子回路の出力信号中
    の異常波形を検出する手段とを含む、請求項5に記載の
    電子回路の劣化診断装置。
  9. 【請求項9】 前記異常波形検出手段は、 前記電子回路の出力信号の最大レベルと最小レベルとの
    間に第1および第2のしきい値を設定するしきい値設定
    手段と、 前記電子回路の出力信号のレベルが前記第1および第2
    のしきい値間に入る方向とその直後に前記第1および第
    2のしきい値間から出る方向との一致不一致に基づい
    て、前記電子回路の出力信号中の異常波形を検出する手
    段とを含む、請求項5に記載の電子回路の劣化診断装
    置。
  10. 【請求項10】 予め定められた一定時間ごとの前記計
    数手段の計数結果が所定の値を越えたときに前記電子回
    路が異常であると判定する判定手段をさらに備える、請
    求項5に記載の電子回路の劣化診断装置。
  11. 【請求項11】 振幅,最大レベルおよび最小レベルが
    常に一定な信号中に生じる異常波形を検出する方法であ
    って、 前記信号の最大レベルと最小レベルとの間に少なくとも
    2つのしきい値を設定し、前記信号のレベルが各前記し
    きい値間を通過するときの時間幅を検出し、この検出さ
    れた時間幅と予め設定された基準時間幅とを比較するこ
    とにより、前記信号中の異常波形を検出することを特徴
    とする、異常波形検出方法。
  12. 【請求項12】 振幅,最大レベルおよび最小レベルが
    常に一定な信号中に生じる異常波形を検出する方法であ
    って、 前記信号の最大レベルと最小レベルとの間に少なくとも
    2つのしきい値を設定し、所定期間内に前記信号のレベ
    ルが各前記しきい値を通過する回数を検出し、この検出
    された各しきい値についての通過回数を相互に比較する
    ことにより、前記信号中の異常波形を検出することを特
    徴とする、異常波形検出方法。
  13. 【請求項13】 振幅,最大レベルおよび最小レベルが
    常に一定な信号中に生じる異常波形を検出する方法であ
    って、 前記信号の最大レベルと最小レベルとの間にしきい値を
    設定し、所定期間内に前記信号のレベルが前記しきい値
    を通過する回数を検出し、この検出された通過回数と予
    め設定された所定期間内の基準通過回数とを比較するこ
    とにより、前記信号中の異常波形を検出することを特徴
    とする、異常波形検出方法。
  14. 【請求項14】 振幅,最大レベルおよび最小レベルが
    常に一定な信号中に生じる異常波形を検出する方法であ
    って、 前記信号の最大レベルと最小レベルとの間に第1および
    第2のしきい値を設定し、前記信号のレベルが前記第1
    および第2のしきい値間に入る方向とその直後に前記第
    1および第2のしきい値間から出る方向との一致不一致
    に基づいて、前記信号の異常波形を検出することを特徴
    とする、異常波形検出方法。
  15. 【請求項15】 出力信号の波形に基づいて電子回路の
    劣化を診断する方法であって、 前記電子回路の出力信号中の異常波形を検出し、その異
    常波形検出回数を計数することにより、前記電子回路の
    劣化の診断指標とすることを特徴とする、電子回路の劣
    化診断方法。
  16. 【請求項16】 前記電子回路の出力信号の最大レベル
    と最小レベルとの間に少なくとも2つのしきい値を設定
    し、前記電子回路の出力信号のレベルが各前記しきい値
    間を通過するときの時間幅を検出し、この検出された時
    間幅と予め設定された基準時間幅とを比較することによ
    り、前記電子回路の出力信号中の異常波形を検出するこ
    とを特徴とする、請求項15に記載の電子回路の劣化診
    断方法。
  17. 【請求項17】 前記信号の最大レベルと最小レベルと
    の間に少なくとも2つのしきい値を設定し、所定期間内
    に前記電子回路の出力信号のレベルが各前記しきい値を
    通過する回数を検出し、この検出された各しきい値につ
    いての通過回数を相互に比較することにより、前記電子
    回路の出力信号中の異常波形を検出することを特徴とす
    る、請求項15に記載の電子回路の劣化診断方法。
  18. 【請求項18】 前記電子回路の出力信号の最大レベル
    と最小レベルとの間にしきい値を設定し、所定期間内に
    前記電子回路の出力信号のレベルが前記しきい値を通過
    する回数を検出し、この検出された通過回数と予め設定
    された所定期間内の基準通過回数とを比較することによ
    り、前記電子回路の出力信号中の異常波形を検出するこ
    とを特徴とする、請求項15に記載の電子回路の劣化診
    断方法。
  19. 【請求項19】 前記電子回路の出力信号の最大レベル
    と最小レベルとの間に第1および第2のしきい値を設定
    し、前記電子回路の出力信号のレベルが前記第1および
    第2のしきい値間に入る方向とその直後に前記第1およ
    び第2のしきい値間から出る方向との一致不一致に基づ
    いて、前記電子回路の出力信号中の異常波形を検出する
    ことを特徴とする、請求項15に記載の電子回路の劣化
    診断方法。
  20. 【請求項20】 予め定められた一定時間ごとの前記計
    数手段の計数結果が所定の値を越えたときに前記電子回
    路が異常であると判定することをさらに特徴とする、請
    求項15に記載の電子回路の劣化診断方法。
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