JPH05279662A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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JPH05279662A
JPH05279662A JP4077457A JP7745792A JPH05279662A JP H05279662 A JPH05279662 A JP H05279662A JP 4077457 A JP4077457 A JP 4077457A JP 7745792 A JP7745792 A JP 7745792A JP H05279662 A JPH05279662 A JP H05279662A
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compound
group
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JP4077457A
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English (en)
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Yoshiharu Sato
佳晴 佐藤
Shuichi Maeda
修一 前田
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 順次に、陽極、有機正孔輸送層、有機電子輸
送層、陰極が積層された有機電界発光素子において、有
機正孔輸送層および/または有機電子輸送層が、下記一
般式(I)および/または(I’)で表わされる化合物
を含有することを特徴とする有機電界発光素子。 【化1】 【効果】 低い駆動電圧で実用上十分な輝度の発光を得
ることができ、かつ長期間保存した後も初期の発光特性
を維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機電界発光素子に関
するものであり、詳しくは、有機化合物から成る正孔輸
送層と電子輸送層との組合せにより、電界をかけて光を
放出する薄膜型デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、薄膜型の電界発光素子としては、
無機材料のII−VI族化合物半導体であるZnS、Ca
S、SrS等に、発光中心であるMnや希土類元素(E
u、Ce、Tb、Sm等)をドープしたものが一般的で
あるが、上記の無機材料から作製した電界発光素子は、 1)交流駆動が必要(50〜1000Hz)、 2)駆動電圧が高い(〜200V)、 3)フルカラー化が困難(特に青色が問題)、 4)周辺駆動回路のコストが高い、 という問題点を持っている。
【0003】しかし、近年、上記問題点の改良のため、
有機材料を用いた電界発光素子の開発が行われるように
なった。発光層材料としては以前から知られていたアン
トラセンやピレン等の他に、シアニン色素(J. Chem. S
oc., Chem. Commun., 557頁、1985年)、ピラゾ
リン(Mol. Crys. Liq. Cryst., 135巻、355頁、
1986年)、ペリレン(Jpn. J. Appl. Phys.,25
巻、L773頁、1986年)あるいはクマリン系化合
物やテトラフェニルブタジエン(特開昭57−5178
1号公報)などが報告されている。
【0004】また、発光効率を高めるために電極からの
キャリアーの注入効率の向上を目的として、電極種類の
最適化や、正孔輸送層と有機蛍光体からなる発光層を設
ける工夫(特開昭57−51781号公報、特開昭59
−194393号公報、特開昭63−295695号公
報、Appl. Phys. Lett.,51巻、913頁、1987
年)等が行われている。さらに、素子の発光効率を向上
させるとともに発光色を変える目的で、8−ヒドロキシ
キノリンのアルミニウム錯体をホスト材料としてクマリ
ン等のレーザ用蛍光色素をドープすること(J. Appl. P
hys., の65巻、3610頁、1989年)も行われて
いる。
【0005】下記構造式で示されるペリノン誘導体(P
1)を、
【0006】
【化2】
【0007】発光材料として、陽極/有機正孔輸送層/
ペリノン誘導体発光層/有機電子輸送層/陰極の構造を
有する有機電界発光素子が作製されている(Jpn. J. Ap
pl. Phys.,の27巻、L713頁、1988年)。しか
しながら、この素子の外部量子効率は、0.04%と非
常に小さい。また、同じ骨格を持つ下記構造式(P2)
および(P3)で示されるペリノン誘導体を、
【0008】
【化3】
【0009】発光層を兼ねた/有機電子輸送層として使
用した有機電界発光素子が示されているが(特開平2−
289676号公報)、発光効率が0.13ルーメン/
ワットと不十分である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、これまで
に開示されている有機電界発光素子では発光性能、特に
発光効率がまだ不十分であり、更なる改良検討が望まれ
ていた。本発明者等は、上記実状に鑑み、高発光効率で
駆動させることができる有機電界発光素子を提供するこ
とを目的として鋭意検討した結果、特定の化合物を有機
正孔輸送層および/または有機電子輸送層にドープする
ことが好適であることを見い出し、本発明を完成した。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、順次に、陽極、有機正孔輸送層、有機電子輸送層、
陰極が積層された有機電界発光素子において、有機正孔
輸送層および/または有機電子輸送層が、下記一般式
(I)および/または(I’)で表わされる化合物を含
有することを特徴とする有機電界発光素子に存する。
【0012】
【化4】 (式中、Aは置換基を有していてもよいアリーレン基を
示し、Bはアルキレン基または置換基を有していてもよ
いアリーレン基を示す。)以下、本発明の有機電界発光
素子について添付図面に従い説明する。図1は本発明の
有機電界発光素子の構造例を模式的に示す断面図であ
り、1は基板、2a、2bは導電層、3は有機正孔輸送
層、4は有機電子輸送層を各々表わす。
【0013】基板1は、本発明の有機電界発光素子の支
持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金
属箔、プラスチックフィルムやシート等を用いることが
できるが、ガラス板や、ポリエステル、ポリメタアクリ
レート、ポリカーボネート、ポリサルホンなどの透明な
合成樹脂基板が好ましい。基板1上には導電層2aが設
けられるが、この導電層2aは、通常、アルミニウム、
金、銀、ニッケル、パラジウム、テルル等の金属、イン
ジウムおよび/またはスズの酸化物などの金属酸化物や
ヨウ化銅、カーボンブラックあるいはポリ(3−メチル
チオフェン)等の導電性樹脂などにより構成される。
【0014】導電層2aの形成は通常、スパッタリング
法、真空蒸着法などにより行われることが多いが、銀な
どの金属微粒子あるいはヨウ化銅、カーボンブラック、
導電性の金属酸化物微粒子、導電性樹脂微粉末等の場合
には、適当なバインダー樹脂溶液に分散し、基板上に塗
布することにより形成することもできる。さらに、導電
性樹脂の場合は電解重合により直接基板上に薄膜を形成
することもできる。導電層2aは異なる物質を積層して
形成することも可能である。
【0015】導電層2aの厚みは、必要とする透明性に
より異なるが、透明性が必要とされる場合は、可視光の
透過率が60%以上、好ましくは80%以上であること
が望ましく、この場合、厚みは、通常、50〜1000
0Å、好ましくは100〜5000Å程度である。不透
明でよい場合は導電層2aは基板1と同一でもよい。ま
た、導電層2aは異なる物質で積層することも可能であ
る。
【0016】図1の例では、導電層2aは陽極(アノー
ド)として正孔注入の役割を果たすものである。一方、
導電層2bは陰極(カソード)として有機電子輸送層4
に電子を注入する役割を果たす。導電層2bとして用い
られる材料は、前記導電層2a用の材料を用いることが
可能であるが、効率よく電子注入を行うには、仕事関数
の低い値をもつ金属が好ましく、スズ、マグネシウム、
インジウム、アルミニウム、銀等の金属またはそれらの
合金が用いられる。導電層2bの膜厚は、通常、導電層
2aと同程度であり、導電層2aと同様の方法で形成す
ることができる。
【0017】また、図1には示してはいないが、導電層
2bの上にさらに基板1と同様の基板を設けることもで
きる。但し、電界発光素子としては導電層2aと導電層
2bの少なくとも一方は透明性の良いことが必要であ
る。このことから、導電層2aと導電層2bの一方は、
100〜5000Åの膜厚であることが好ましく、透明
性の良いことが望まれる。
【0018】導電層2aの上には有機正孔輸送層3が設
けられるが、有機正孔輸送層3は、電界を与えられた電
極間において陽極からの正孔を効率よく有機電子輸送層
4の方向に輸送することができる化合物より形成され
る。有機正孔輸送化合物としては、導電層2aからの正
孔注入効率が高く、かつ注入された正孔を効率よく輸送
することができる化合物であることが必要である。その
ためには、イオン化ポテンシャルが小さく、しかも正孔
移動度が大きく、さらに安定正にすぐれたトラップとな
る不純物が製造時や使用時に発生しにくい化合物である
ことが要求される。
【0019】このような正孔輸送化合物としては、例え
ば、特開昭59−194393号公報の第5〜6頁およ
び米国特許第4175960号の第13〜14欄に記載
されているもの等が挙げられる。これら化合物の好まし
い具体例としては、N,N′−ジフェニル−N,N′−
(3−メチルフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,
4′−ジアミン、1,1′−ビス(4−ジ−p−トリル
アミノフェニル)シクロヘキサン、4,4′−ビス(ジ
フェニルアミノ)クワドロフェニル等の芳香族アミン系
化合物が挙げられる。芳香族アミン系化合物以外では、
特開平2−311591号公報に示されるヒドラゾン化
合物が挙げられる。これらの芳香族アミン化合物または
ヒドラゾン化合物は、単独で用いても、必要に応じて各
々混合物として用いてもよい。
【0020】有機正孔輸送層3は、塗布法あるいは真空
蒸着法により前記導電層2a上に積層することにより形
成される。例えば、塗布法の場合は、有機正孔輸送化合
物を1種または2種以上と必要により正孔のトラップに
ならないバインダー樹脂や、レペリング剤等の塗布性改
良剤などの添加剤を添加して溶解させた塗布溶液を調整
し、スピンコート法などの方法により導電層2a上に塗
布し、乾燥して有機性孔輸送層3を形成する。バインダ
ー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアクリレー
ト、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は添
加量が多いと正孔移動度を低下させるので、少ない方が
望ましく、50重量%以下が好ましい。
【0021】また、真空蒸着法の場合には、有機正孔輸
送材料を真空容器内に設置されたルツボに入れ、真空容
器内を適当な真空ポンプで10-6Torrにまで排気し
た後、ルツボを加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、ル
ツボと向き合って置かれた基板上に層を形成する。有機
正孔輸送層3の膜厚は、通常、100〜3000Å、好
ましくは300〜1000Åである。この様に薄い膜を
一様に形成するためには、真空蒸着法がよく用いられ
る。
【0022】有機正孔輸送層3の上には有機電子輸送層
4が設けられるが、有機電子輸送層4は、電界を与えら
れた電極間において陰極からの電子を効率よく有機正孔
輸送層3の方向に輸送することができる化合物より形成
される。有機電子輸送化合物としては、導電層2bから
の電子注入効率が高く、かつ、注入された電子を効率よ
く輸送することができる化合物であることが必要であ
る。そのためには、電子親和力が大きく、しかも電子移
動度が大きく、さらに安定性にすぐれトラップとなる不
純物が製造時や使用時に発生しにくい化合物であること
が要求される。
【0023】このような条件を満たす材料としては、テ
トラフェニルブタジエン等の芳香族化合物(特開昭57
−51781号公報)、8−ヒドロキシキノリンのアル
ミニウム錯体等の金属錯体(特開昭59−194393
号公報)、シクロペンタジエン誘導体(特開平2−28
9675号公報)、ペリノン誘導体(特開平2−289
676号公報)、オキサジアゾール誘導体(特開平2−
216791号公報)、ビススチリルベンゼン誘導体
(特開平1−245087号公報、同2−222484
号公報)、ペリレン誘導体(特開平2−189890号
公報、同3−791号公報)、クマリン化合物(特開平
2−191694号公報、同3−792号公報)、希土
類錯体(特開平1−256584号公報)、ジスチリル
ピラジン誘導体(特開平2−252793号公報)、チ
アジアゾロピリジン誘導体(特開平3−37292号公
報)、ピロロピリジン誘導体(特開平3−37293号
公報)、ナフチリジン誘導体(特開平3−203982
号公報)等が挙げられる。これらの化合物を用いた場合
は、有機電子輸送層4は電子を輸送する役割と、正孔と
電子の再結合の際に発光をもたらす役割を同時に果た
す。
【0024】有機電子輸送層4の膜厚は、通常、100
〜2000Å、好ましくは300〜1000Åである。
有機電子輸送層4も有機正孔輸送層3と同様の方法で形
成することができるが、通常は、真空蒸着法が用いられ
る。また、有機電界発光素子の発光効率をより向上させ
るために、有機電子輸送層4の上に、図2に示すよう
に、さらに他の有機電子輸送層5を積層することもでき
る。この有機電子輸送層5に用いられる化合物は、陰極
からの電子注入が容易で、電子の輸送能力がさらに大き
いことが要求される。このような有機電子輸送化合物と
しては、下記構造式(D9)で表わされる化合物などの
ニトロ置換フルオレノン誘導体、下記構造式(D10)
で表わされる化合物などのチオピランジオキシド誘導
体、下記構造式(D11)で表わされる化合物などのジ
フェニルキノン誘導体、下記構造式(D12)で表わさ
れる化合物などのペリレンテトラカルボン酸誘導体(Jp
n. J. Appl. Phys.27巻、L269頁、1988
年)、下記構造式(D13)で表わされる化合物などの
オキサジアゾール誘導体(Appl.Phys.Lett.55巻、
1489頁、1989年)が挙げられる。
【0025】
【化5】
【0026】このような、有機電子輸送層5の膜厚は、
通常、100〜2000Å、好ましくは300〜100
0Åである。尚、図1とは逆の構造、すなわち基板上に
導電層2b、有機電子輸送層4、有機正孔輸送層3、導
電層2aの順に積層することも可能であり、既述したよ
うに少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本
発明の電界発光素子を設けることも可能である。また、
同様に、図2とは逆の構造にすることも可能である。
【0027】従来、有機発光素子の発光効率を向上させ
るとともに発光色を変化させる目的で、8−ヒドロキシ
キノリンのアルミニウム錯体をホスト材料として、各種
の蛍光色素をドープすることが行われている(米国特許
4,769,292号)が、このドープによる方法の利
点としては、 高効率の蛍光色素により発光効率が向上、 蛍光色素の選択により発光波長が調べる、 濃度消光を起こす蛍光色素も使用可能、 薄膜性のわるい蛍光色素も使用可能、 等が挙げられる。
【0028】本発明においては、有機電子輸送層がその
役割を果たす場合、ホスト材料としては、前述の有機電
子輸送化合物が挙げられ、有機正孔輸送層がその役割を
果たす場合、ホスト材料としては、前述の芳香族アミン
化合物やヒドラゾン化合物が挙げられる。本発明におい
て、前記一般式(I)および/または(I’)で表され
る化合物がドープされる領域は、有機正孔輸送層3およ
び/または有機電子輸送層4の全体であっても、その一
部分であってもよい。前記一般式(I)で表される化合
物が、ホスト材料に対してドープされる量は、10-3
10モル%が好ましい。
【0029】前記一般式(I)および/または(I’)
で表される化合物は、分散状態で強い蛍光を示し、ホス
ト材料にドープされた場合、素子の発光効率が向上す
る。さらに、ホスト材料の薄膜状態を構造的に安定化す
ることができ、有機電界発光素子に長期にわたる安定性
を与えることが可能である。前記一般式(I)および/
または(I’)で表される化合物を、有機正孔輸送層3
および/または有機電子輸送層4にドープする方法とし
ては、例えば、塗布法の場合は、有機正孔輸送化合物ま
たは有機電子輸送化合物と、前記一般式(I)および/
または(I’)で表される化合物、さらに必要により、
必要により正孔または電子のトラップにならないバイン
ダー樹脂や、レペリング剤等の塗布性改良剤などの添加
剤を添加して溶解させた塗布溶液を調整し、スピンコー
ト法などの方法により塗布し、乾燥して形成する。バイ
ンダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は、
添加量が多いと正孔または電子の移動度を低下させるの
で少ない方が望ましく、50重量%以下が好ましい。真
空蒸着法の場合には、有機正孔輸送化合物または有機電
子輸送化合物を真空容器内に設置されたルツボに入れ、
前記一般式(I)および/または(I’)で表される化
合物を別のルツボに入れ、真空容器内を適当な真空ポン
プで10-6Torr程度にまで排気した後、各々のルツ
ボを同時に加熱して蒸発させ、ルツボと向き合って置か
れた基板上に層を形成する。また、別の方法としては、
上記材料を所定の割合で混合したものを同一のルツボを
用いて蒸発させてもよい。
【0030】前記一般式(I)および(I’)におい
て、Aで示されるアリーレン基としてはアルキル基、ア
ルコキシ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、ハロ
ゲン原子、シアノ基、置換もしくは非置換のカルバモイ
ル基、置換もしくは非置換のスルファモイル基、ジアル
キルアミノ基、アリール基等の置換基を有していてもよ
いo−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、1,8−
ナフチレン基、9,10−フェナンスレン基等が挙げら
れる。
【0031】Bで示されるアルキレン基としては、エチ
レン基、プロピレン基等が挙げられ、アリーレン基とし
てはアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アルコキシ
カルボニル基、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは
非置換のカルバモイル基、置換もしくは非置換のスルフ
ァモイル基、ジアルキルアミノ基、アリール基等の置換
基を有していてもよいo−フェニレン基、1,2−ナフ
チレン基、1,8−ナフチレン基、9,10−フェナン
スレン基等が挙げられる。
【0032】これらの化合物の合成法は、例えば、特公
昭59−34823号公報に示されているように、下記
一般式(II)で表わされる化合物と下記一般式(II
I)で表わされる化合物を
【0033】
【化6】
【0034】例えば、N−メチルピロリドン中炭酸カリ
ウムの存在下、140℃で5時間加熱することにより製
造することができる。なお、このようにして製造される
複素環系化合物は、前記一般式(I)および(I’)で
表されているように2種、場合によっては4種または8
種の異性体が存在する。本発明においてはこれらの異性
体のうちいずれか一つを用いることもできるが、異性体
を分離することなく混合物として用いるのが簡便であ
る。
【0035】このようにして得られる上記化合物の具体
例を表1〜表3に例示するが、これらに限定するもので
はない。これらの化合物は、分散状態で蛍光強度が強
く、耐光性、耐熱性も良好である。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例の記載に限定されるものではない。 実施例1 図1に示す構造の有機電界発光素子を以下の方法で作製
した。
【0040】ガラス基板上にインジウム・スズ酸化物
(ITO)透明導電膜を1200Å堆積したものを水
洗、イソプロピルアルコールで超音波洗浄した後、真空
蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が2×10-6
orr以下になるまで油拡散ポンプを用いて排気した。
有機正孔輸送層材料として、下記構造式(H1) および
(H2)で表わされるヒドラゾン化合物をモル比で1:
0.3で混合した。
【0041】
【化7】
【0042】これらセラミックるつぼに入れ、るつぼの
周囲のタンタル線ヒーターで加熱して真空容器中で蒸発
させた。るつぼの温度は150〜170℃の範囲で、蒸
発時の真空度は8×10-7Torrであった。有機正孔
注入輸送層をこのようにして515Åの膜厚で蒸着し
た。蒸着時間は1分であった。次に、有機電子輸送層の
材料として、下記構造式(E1)で表わされるアルミニ
ウムの8−ヒドロキシキノリン錯体
【0043】
【化8】
【0044】およびドープする化合物として表1に示し
た化合物(7)を、各々、別々のるつぼを用いて、同時
に加熱して蒸着を行った。この時の各るつぼの温度は、
アルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体に対しては
190〜250℃、化合物(7)に対しては250〜2
70℃で制御した。蒸着時の真空度は6×10-7Tor
rで、蒸着時間は1分であった。結果として、膜厚78
0Åで化合物(1)が上記錯体に対して0.5モル%ド
ープされた有機電子輸送層が得られた。
【0045】最後にカソードとして、マグネシウムと銀
の合金電極を2元同時蒸着法によって膜厚1300Åに
蒸着した。蒸着はモリブデンボートを用いて、真空度は
5〜7×10-6Torrで、蒸着時間は5分であった。
光沢のある膜が得られた。マグネシウムと銀の原子比は
10:2.3であった。このようにして作製した有機電
界発光素子のITO電極(アノード)にプラス、マグネ
シウム・銀電極(カソード)にマイナスの直流電圧を印
加して測定した発光特性の結果を表4に示す。
【0046】この素子は、黄色の一様な発光を示し、発
光のピーク波長は570nmであった。 実施例2 前記化合物(7)をドープする量を5.0モル%とした
こと以外は実施例1と同様にして有機電界発光素子を作
製した。発光特性の測定結果を表4に示す。
【0047】実施例3〜6 有機電子輸送層にドープする化合物として表1〜表3に
示した化合物(3)、(5)、(20)および(32)
を、ホスト材料のアルミニウムの8−ヒドロキシキノリ
ン錯体に対して各々1.0モル%、0.6モル%、0.
4モル%および1.2モル%ドープしたこと以外は実施
例1と同様にして有機電界発光素子を作製した。発光特
性の測定結果を表4に示す。得られた各素子の発光波長
は表2に示した溶液状態での蛍光波長と一致した。
【0048】比較例1 有機電子輸送層に前記化合物(7)をドープしなかった
こと以外は実施例1と同様にして有機電界発光素子を作
製した。この素子の発光特性の測定結果を表4に示す。
この素子は、530nmに発光のピーク波長を持ち、緑
色の一様な発光を示した。
【0049】
【表4】
【0050】実施例7 実施例3で作製した素子を真空中で30日間保存した
後、発光特性を測定した結果を表5に示す。発光輝度、
発光効率の低下は実用上問題とならず、長期にわたる安
定性を示した。
【0051】
【表5】
【0052】比較例2 比較例1で作製した素子を真空中で保存した後、発光特
性を測定した結果、30日後駆動電圧の増加が顕著にな
ると同時に輝度も大きく低下した。 参考例 前記化合物のうちのいくつかについて、化合物をクロロ
ホルム中に1ミリモル/リットルの濃度で溶かした溶液
を、水銀ランプ(波長350nm)で励起して測定した
蛍光測定の結果を表6に示す。相対蛍光強度の基準は、
アルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体(E1)
(表2中、Al(ox)3 と略す)のクロロホルム溶液
とした。また、比較のために前記ペリノン誘導体(P
1)についても同様にして測定し、表6に示した。
【0053】
【表6】
【0054】
【発明の効果】本発明の有機電界発光素子は、陽極(ア
ノード)、有機正孔注入輸送層、有機電子注入輸送層お
よび陰極(カソード)が基板上に順次設けられており、
有機正孔注入輸送層および/または有機電子注入輸送
層、もしくはその一部分に特定の蛍光色素をドープして
いるため、両導電層を電極として電圧を印加した場合、
低い駆動電圧で実用上十分な輝度の発光を得ることがで
き、かつ長期間保存した後も初期の発光特性を維持する
ことができる。
【0055】従って、本発明の電界発光素子はフラット
パネル・ディスプレイ(例えば壁掛けテレビ)の分野や
面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機
の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光
源)、表示板、標識灯への応用が考えられ、その技術的
価値は大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電界発光素子の一実施例の断面図
である。
【図2】本発明の有機電界発光素子のその他の実施例の
断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2a,2b 導電層 3 有機正孔輸送層 4 蛍光色素がドープされた有機電子輸送層 5 4とは異なる化合物で構成される有機電子輸送層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 順次に、陽極、有機正孔輸送層、有機電
    子輸送層、陰極が積層された有機電界発光素子におい
    て、有機正孔輸送層および/または有機電子輸送層が、
    下記一般式(I)および/または(I’)で表わされる
    化合物を含有することを特徴とする有機電界発光素子。 【化1】 (式中、Aは置換基を有していてもよいアリーレン基を
    示し、Bはアルキレン基または置換基を有していてもよ
    いアリーレン基を示す。)
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