JP3128940B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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JP3128940B2 JP04106976A JP10697692A JP3128940B2 JP 3128940 B2 JP3128940 B2 JP 3128940B2 JP 04106976 A JP04106976 A JP 04106976A JP 10697692 A JP10697692 A JP 10697692A JP 3128940 B2 JP3128940 B2 JP 3128940B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機電界発光素子に関す
るものであり、詳しくは、有機化合物から成る正孔輸送
層と電子輸送層との組合せにより、電界をかけて光を放
出する薄膜型デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、薄膜型の電界発光素子としては、
無機材料のII−VI族化合物半導体であるZnS、C
aS、SrS等に、発光中心であるMnや希土類元素
(Eu、Ce、Tb、Sm等)をドープしたものが一般
的であるが、上記の無機材料から作製した電界発光素子
は、 交流駆動が必要(50〜1000Hz)、 駆動電圧が高い(〜200V)、 フルカラー化が困難(特に青色が問題)、 周辺駆動回路のコストが高い、 という問題点を有している。
【0003】これに対して、近年、上記問題点の改良の
ため、有機材料を用いた電界発光素子の開発が行われる
ようになった。有機発光層材料としては以前から知られ
ていたアントラセンやピレン等の他に、シアニン色素
(J.Chem.Soc.,Chem.Commu
n.,557,1985)、ピラゾリン(Mol.Cr
yst.Liq.Cryst.,135,355、19
86)、ペリレン(Jpn.J.Appl.Phy
s.,25,L773,1986)、或いは、クマリン
系化合物やテトラフェニルブタジエン(特開昭57−5
1781号公報)などが報告されており、更に、発光効
率を高めるために電極からのキャリアーの注入効率の向
上を目的として、電極種類の最適化や、正孔輸送層と有
機蛍光体からなる発光層を設ける工夫(特開昭57−5
1781号公報、特開昭59−194393号公報、特
開昭63−295695号公報、Appl.Phys.
Lett.,51巻、913頁、1987年)等が行わ
れている。
【0004】また、素子の発光効率を向上させるととも
に発光色を変える目的で、8−ヒドロキシキノリンのア
ルミニウム錯体をホスト材料として、クマリン等のレー
ザ用蛍光色素をドープすること(J.Appl.Phy
s.,65巻、3610頁、1989年)も行われてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、これま
でに開示されている有機電界発光素子では、発光性能、
特に発光効率が未だ不十分であり、更なる改良検討が望
まれていた。本発明等は、上記従来の実状に鑑み、高発
光効率で駆動させることができる有機電界発光素子を提
供することを目的として鋭意検討した結果、特定の化合
物が好適であることを見出し、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、順次
に、陽極、有機正孔輸送層、有機電子輸送層及び陰極が
積層されて成る有機電界発光素子において、有機正孔輸
送層及び/又は有機電子輸送層が、下記一般式(I)で
表わされる化合物を含有することを特徴とする有機電界
発光素子に存する。
【0007】
【化2】
【0008】なお、前記一般式(I)中、R1 は水素原
子、アルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ
カルボニルアルキル基、アラルキル基又はフェニル基を
示し、R2 はアルコキシカルボニル基、アルコキシアル
コキシカルボニル基、アシル基、シアノ基又は置換もし
くは非置換のカルバモイル基を示し、R3 及びR4 はそ
れぞれ独立して水素原子、アルキル基、アラルキル基又
はアリール基を示す。
【0009】以下、本発明の有機電界発光素子につい
て、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の有
機電界発光素子の構造例を模式的に示す断面図であり、
1は基板、2a、2bは導電層、3は有機正孔輸送層、
4は有機電子輸送層を各々表す。基板1は本発明の有機
電界発光素子の支持体となるものであり、通常、石英や
ガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムや
シートなどが用いられるが、これらのうち、ガラス板
や、ポリエステル、ポリメチルメタアクリレート、ポリ
カーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂基板
が好ましい。
【0010】基板1上には導電層2aが設けられる。こ
の導電層2aは、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケ
ル、パラジウム、テルル等の金属、インジウム及び/又
はスズの酸化物などの金属酸化物やヨウ化銅、カーボン
ブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)等の
導電性樹脂などにより構成される。図1の例では、導電
層2aは陽極(アノード)として正孔注入の役割を果た
すものである。一方、導電層2bは陰極(カソード)と
して有機電子注入輸送層4に電子を注入する役割を果た
す。導電層2bの構成材料としては、前記導電層2aの
構成材料を用いることが可能であるが、効率良く電子注
入を行うには、仕事関数の低い値をもつ金属が好まし
く、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、アルミ
ニウム、銀等の適当な金属又はそれらの合金が好適であ
る。
【0011】導電層2a、2bの形成は、通常、スパッ
タリング法、真空蒸着法などにより行われることが多い
が、銀などの金属微粒子あるいはヨウ化銅、カーボンブ
ラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性樹脂微粉末
などの場合には、これらの粉末を適当なバインダー樹脂
溶液に分散し、基板上に塗布することにより形成するこ
ともできる。さらに、導電性樹脂の場合は電界重合によ
り直接基板上に薄膜を形成することもできる。なお、導
電層2a、2bは2以上の物質を積層してなる複合層で
あっても良い。
【0012】導電層2aの厚みは、必要とする透明性に
より異なるが、透明性が必要とされる場合は、可視光の
透過率が60%以上、好ましくは80%以上透過するこ
とが望ましく、この場合、厚みは、通常、50〜10,
000Å、好ましくは100〜5,000Å程度であ
る。なお、導電層2aが不透明で良い場合は、導電層2
aの材質は基板1と同一でも良く、また、更には導電層
を前記導電層構成材料と異なる他の物質で積層すること
も可能である。一方、導電層2bの膜厚は、通常の場
合、導電層2aの膜厚と同程度とされる。
【0013】図1には示していないが、この導電層2b
の上に更に基板1と同様の基板を設けることもできる。
但し、導電層2aと2bの少なくとも一方は透明性の良
いことが電界発光素子としては必要である。このことか
ら、導電層2aと2bの少なくとも一方は、100〜
5,000Åの膜厚であることが好ましく、透明性の良
いことが望まれる。
【0014】導電層2aの上に設けられる有機正孔輸送
層3は、電界を与えられた電極間において、陽極からの
正孔を効率良く有機電子輸送層4の方向に輸送すること
ができる化合物より形成されることが必要とされる。従
って、有機正孔輸送化合物としては、導電層2aからの
正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率良く
輸送することができる化合物であることが必要である。
そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、しかも
正孔移動度が大きく、更に安定性に優れ、トラップとな
る不純物が製造時や使用時に発生し難い化合物であるこ
とが要求される。
【0015】このような正孔輸送化合物は、例えば、特
開昭59−194393号公報の第5〜6頁及び米国特
許第4175960号の第13〜14欄に解説されるも
のなどが挙げられる。これら化合物の好ましい具体例と
しては、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチ
ルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジア
ミン:1,1’−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェ
ニル)シクロヘキサン:4,4’−ビス(ジフェニルア
ミノ)クワドロフェニルなどの芳香族アミン系化合物が
挙げられる。芳香族アミン系化合物以外では、特開平2
−311591号公報に示されるヒドラゾン化合物が挙
げられる。これらの芳香族アミン化合物又はヒドラゾン
化合物は、単独で用いられるか、必要に応じて、各々、
混合物として用いても良い。
【0016】有機正孔輸送層3の上に設けられる有機電
子輸送層4は、電界を与えられた電極間において、陰極
からの電子を効率良く有機正孔輸送層の方向に輸送する
ことができる化合物より形成されることが必要とされ
る。従って、有機電子輸送化合物としては、導電層2b
からの電子注入効率が高く、かつ、注入された電子を効
率良く輸送することができる化合物であることが必要で
ある。そのためには、電子親和力が大きく、しかも電子
移動度が大きく、更に安定性に優れ、トラップとなる不
純物が製造時や使用時に発生し難い化合物であることが
要求される。
【0017】このような条件を満たす材料としては、テ
トラフェニルブタジエンなどの芳香族化合物(特開昭5
7−51781号公報)、8−ヒドロキシキノリンのア
ルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−1943
93号公報)、シクロペンタジエン誘導体(特開平2−
289675号公報)、ペリノン誘導体(特開平2−2
89676号公報)、オキサジアゾール誘導体(特開平
2−216791号公報)、ビススチリルベンゼン誘導
体(特開平1−245087号公報、同2−22248
4号公報)、ペリレン誘導体(特開平2−189890
号公報、同3−791号公報)、クマリン化合物(特開
平2−191694号公報、同3−792号公報)、希
土類錯体(特開平1−256584号公報)、ジスチリ
ルピラジン誘導体(特開平2−252793号公報)、
チアジアゾロピリジン誘導体(特開平3−37292号
公報)、ピロロピリジン誘導体(特開平3−37293
号公報)、ナフチリジン誘導体(特開平3−20398
2号公報)等が挙げられる。これらの化合物を用いた場
合は、有機電子輸送層は電子を輸送する役割と、正孔と
電子の再結合の際に発光をもたらす役割を同時に果た
す。
【0018】本発明の有機電界発光素子においては、こ
のような材料よりなる有機正孔輸送層及び/又は有機電
子輸送層に前記一般式(I)で表される化合物を含有さ
せるが、ドープされる領域は有機電子輸送層4全体であ
っても、その一部分であっても良い。上記化合物がホス
ト材料に対してドープされる量は10-3〜10モル%が
好ましい。なお、ホスト材料とは、例えば、有機電子輸
送層4がその役割を果たす場合、前述の有機電子輸送化
合物が挙げられ、有機正孔輸送層3がホスト材料として
の役割を果たす場合、前述の芳香族アミン化合物やヒド
ラゾン化合物が挙げられる。
【0019】前記一般式(I)において、R1 は水素原
子;メチル基、エチル基等のアルキル基;メトキシカル
ボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニ
ル基、ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル
基;メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニル
メチル基、プロポキシカルボニルメチル基、ブトキシカ
ルボニルメチル基等のアルコキシカルボニルアルキル
基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;フェ
ニル基を示し、R2 はメトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカル
ボニル基等のアルコキシカルボニル基;メトキシエトキ
シカルボニル基、エトキシエトキシカルボニル基等のア
ルコキシアルコキシカルボニル基;アセチル基、ベンゾ
イル基等のアシル基;シアノ基;カルバモイル基;フェ
ニルカルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカ
ルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバ
モイル基、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモ
イル基、モルホリノカルバモイル基等の置換カルバモイ
ル基を示し、R3 及びR4 はそれぞれ独立して水素原
子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のア
ルキル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル
基;フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−トリル
基、p−クロロフェニル基等のアリール基を示す。
【0020】これらの化合物の合成法は、特公昭59−
42112公報に示されているが、具体的には下記一般
式(II)
【0021】
【化3】
【0022】(一般式(II)中、R1 及びR2 は前記一
般式(I)におけると同一の意義を有し、Xはハロゲン
原子を示す。)で表される化合物と、下記一般式(II
I) (NHR3)(NHR4)C=O …(III) (一般式(III)中、R3 及びR4 は前記一般式(I)
におけると同一の意義を有する。)で表される化合物と
を縮合させてペリミドン環を形成させる方法、あるいは
下記一般式(IV)
【0023】
【化4】
【0024】(一般式(IV)中、R1 、R2 、R3 及び
4 は前記一般式(I)におけると同一の意義を有す
る。)で表される化合物に、例えばホスゲン、クロロギ
酸メチル等のようなカルボニル基付与剤を作用させてペ
リミドン環を形成させる方法等により製造することがで
きる。上述のようにして得られる前記一般式(I)で表
される化合物の主な具体例を下記の表1及び表2に示す
が、これらに限定するものではない。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】本発明において、有機正孔輸送層3は、例
えば、塗布法或いは真空蒸着法により前記導電層2a上
に積層することにより形成される。塗布の場合は、有機
正孔輸送化合物を1種又は2種以上と必要により正孔の
トラップにならないバインダー樹脂や、レベリング剤等
の塗布性改良剤などの添加剤を添加、溶解した塗布溶液
を調製し、スピンコート法などの方法により導電層2a
上に塗布し、乾燥して有機正孔輸送層3を形成する。バ
インダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレ
ート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は
添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、少ない方
が望ましく、塗布溶液に対して50重量%以下が好まし
い。
【0028】真空蒸着法の場合には、有機正孔輸送材料
を真空容器内に設置されたるつぼに入れ、真空容器内を
適当な真空ポンプで10-6Torrにまで排気した後、
るつぼを加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、るつぼと
向き合って置かれた基板上に層を形成する。有機正孔輸
送層3の膜厚は、通常、100〜3000Å、好ましく
は300〜1000Åである。このように薄い膜を一様
に形成するためには、真空蒸着法が好適である。
【0029】一方、有機電子輸送層4も有機正孔輸送層
3と同様の方法により形成することができるが、通常は
真空蒸着法が用いられる。本発明において、前記一般式
(I)で表される化合物が有機電子輸送層4にドープさ
れる場合は、例えば、塗布法或いは真空蒸着法により、
前記有機正孔輸送層3上に積層することにより形成され
る。
【0030】塗布の場合は、有機電子輸送化合物と、前
記一般式(I)で表される化合物、さらに必要により、
電子のトラップや発光の消光剤とならないバインダー樹
脂や、レベリング剤等の塗布性改良剤などの添加剤を添
加、溶解した塗布溶液を調製し、スピンコート法などの
方法により有機正孔輸送層3上に塗布し、乾燥して有機
電子輸送層4を形成する。バインダー樹脂としては、ポ
リカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙
げられる。バインダー樹脂は添加量が多いと電子移動度
を低下させるので、少ない方が望ましく、塗布溶液に対
して50重量%以下が好ましい。
【0031】真空蒸着法の場合には、有機電子輸送材料
を真空容器内に設置されたるつぼに入れ、前記一般式
(I)で表される化合物を別のるつぼに入れ、真空容器
内を適当な真空ポンプで10-6Torr程度にまで排気
した後、各々のるつぼを同時に加熱して内容物を蒸発さ
せ、るつぼと向き合って置かれた基板1の有機正孔注入
輸送層3上に層を形成する。また、他の方法として、上
記の材料を予め所定比で混合したものを同一のるつぼを
用いて蒸発させても良い。
【0032】前記一般式(I)で表される化合物を有機
正孔輸送層3にドープする場合も同様の方法を用いるこ
とができる。有機電子輸送層4の膜厚は、通常、100
〜2000Å、好ましくは300〜1000Åである。
このような薄い膜を一様に形成するためには、通常の場
合、真空蒸着法が好適に用いられる。
【0033】有機電界発光素子の発光効率を更に向上さ
せるために、上述のようにしてドープされた有機電子輸
送層4の上に、第3図に示す如く、更に他の有機電子輸
送層5を積層することが考えられる。この有機電子輸送
層5に用いられる化合物には、陰極からの電子注入が容
易で、電子の輸送能力がさらに大きいことが要求され
る。この様な有機電子輸送材料としては、下記に示す化
合物等のジフェニルキノン誘導体
【0034】
【化5】
【0035】下記に示す化合物などのペリレンテトラカ
ルボン酸誘導体(Jpn.J.Appl.Phys.2
7巻、L269頁、1988年)
【0036】
【化6】
【0037】下記に示す化合物などのオキサジアゾール
誘導体(Appl.Phys.Lett.55巻、14
89頁、1989年)などが挙げられる。
【0038】
【化7】
【0039】このような有機電子輸送層5の膜厚は、通
常、100〜2000Å、好ましくは300〜1000
Åである。なお、本発明においては図1とは逆の構造、
即ち、基板上に導電層2b、有機電子輸送層4、有機正
孔輸送層3、導電層2aの順に積層する構成を採用する
ことも可能であり、既述した様に少なくとも一方が透明
性の高い2枚の基板の間に本発明の有機電界発光素子を
設けることも可能である。また、同様に、図2について
も、これらと逆の構造に積層することも可能である。
【0040】
【作用】有機電界発光素子の前述の有機正孔輸送層及び
/又は有機電子輸送層のドープ材料として、前記一般式
(I)で表される化合物を用いることにより、優れた発
光特性をもたらすことが可能とされる。ところで、有機
電界発光素子の発光効率を向上させるとともに発光色を
変化させる目的で、8−ヒドロキシキノリンのアルミニ
ウム錯体をホスト材料として、各種の蛍光色素をドープ
することが行われている(米国特許4,769,292
号)。この方法の利点としては、 高効率の蛍光色素により発光効率が向上、 蛍光色素の選択により発光波長が可変、 濃度消光を起こす蛍光色素も使用可能、 薄膜性のわるい蛍光色素も使用可能、 等が挙げられる。
【0041】これに対して、前記の化合物(1)、
(5)、(16)をクロロホルム中に1ミリモル/リッ
トルの濃度で溶かした溶液を、水銀ランプ(波長350
nm)で励起して測定した蛍光測定の結果は下記表3の
通りである。なお、相対蛍光強度の基準は、アルミニウ
ムの8−ヒドロキシキノリン錯体(Al(OX)3と表中
で略す)のクロロホルム溶液とした。この結果からも本
発明による発光特性の向上効果は明らかである。
【0042】
【表3】
【0043】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。 実施例1 第1図に示す構造の有機電界発光素子を以下の方法で作
製した。
【0044】ガラス基板上にインジウム・スズ酸化物
(ITO)透明導電膜を1200Å厚さに堆積したもの
を有機アルカリで超音波洗浄、水洗、更にイソプロピル
アルコールで超音波洗浄した後、真空蒸着装置内に設置
して、装置内の真空度が2×10-6Torr以下になる
まで油拡散ポンプを用いて排気した。有機正孔輸送層材
料として、下記のヒドラゾン化合物(H1)及び(H
2)を、
【0045】
【化8】
【0046】モル比で(H1):(H2)=1:0.3
で混合したものを、セラミックるつぼに入れ、るつぼの
周囲のタンタル線ヒーターで加熱して真空容器中で蒸発
させた。るつぼの温度は130〜155℃の範囲で、蒸
着時の真空度は8×10-7Torrであった。このよう
にして520Åの膜厚で有機正孔輸送層を蒸着した。蒸
着時間は1分20秒であった。
【0047】次に、有機電子注入輸送層の材料として、
以下の構造式に示すアルミニウムの8−ヒドロキシキノ
リン錯体Al(C96NO)3とドープする蛍光色素とし
て前記表1に示した化合物(5)を、各々、別々のるつ
ぼを用いて、同時に加熱して蒸着を行った。
【0048】
【化9】
【0049】この時の各々のるつぼの温度は、アルミニ
ウムの8−ヒドロキシキノリン錯体に対して230〜2
55℃、化合物(5)に対しては90℃の温度で制御し
た。蒸着時の真空度は8×10-7Torrで、蒸着時間
は3分であった。結果として、膜厚760Åで化合物
(5)が上記錯体に対して0.5モル%ドープされた有
機電子輸送層を得た。
【0050】最後にカソードとして、マグネシウムと銀
の合金電極を2元同時蒸着法によって膜厚1300Åに
蒸着形成した。蒸着はモリブデンボートを用い、真空度
は5〜7×10-6Torr、蒸着時間は5分とした。そ
の結果、光沢のある膜が得られた。マグネシウムと銀の
原子比は10:2.3の範囲であった。このようにして
作製した有機電界発光素子の有機電界発光素子のITO
電極(アノード)にプラス、マグネシウム・銀電極(カ
ソード)にマイナスの直流電圧を印加して測定した発光
特性の結果を表4に示す。なお、この素子は青緑色の発
光を示し、発光スペクトルのピーク波長は510nm
で、溶液の蛍光波長と一致した。 実施例2 化合物(5)の代わりに前記表1に示した化合物(1)
を1.0モル%ドープしたこと以外は実施例1と同様に
して有機電界発光素子を作製した。この素子の発光特性
の測定結果を表4に示す。この素子は青緑色の発光を示
し、発光スペクトルのピーク波長は515nmで、溶液
の蛍光波長と一致した。 実施例3 化合物(5)の代わりに前記表2に示した化合物(16)
を0.4モル%ドープしたこと以外は実施例1と同様に
して有機電界発光素子を作製した。この素子の発光特性
の測定結果を表4に示す。この素子は青緑色の発光を示
し、発光スペクトルのピーク波長は515nmで、溶液
の蛍光波長と一致した。 比較例1 有機電子輸送層に化合物(5)をドープしなかったこと
以外は実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製し
た。この素子の発光特性の測定結果を表4に示す。この
素子は緑色の一様な発光を示し、発光スペクトルのピー
ク波長は530nmであった。
【0051】
【表4】
【0052】実施例4 実施例1で作製した有機電界発光素子を、真空中で30
日間保存した後、発光特性を測定した。結果を表5に示
す。表5より明らかなように、発光輝度、発光効率の低
下は実用上問題とならず、長期にわたる安定性を示し
た。
【0053】
【表5】
【0054】比較例2 比較例1で作製した有機電界発光素子を真空中に保存し
て、発光特性を測定した結果、30日後駆動電圧の増加
が顕著になると同時に輝度も大きく低下した。
【0055】
【発明の効果】本発明の有機電界発光素子は、陽極、有
機正孔輸送層、有機電子輸送層、陰極が基板上に順次設
けられ、しかも、有機正孔輸送層及び/又は有機電子輸
送層、もしくはその一部分に特定の化合物をドープして
いるため、両極に電圧を印加した場合、低い駆動電圧で
実用上十分な輝度の発光を得ることができ、長期間の保
存後も初期の発光特性を維持できる。
【0056】本発明の電界発光素子はフラットパネル・
ディスプレイ(例えば壁掛けテレビ)の分野や画発光体
としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、
液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示
板、標識灯への応用が考えられ、その工業的有用性は極
めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明の有機電界発光素子の一実施例
を示す断面図である。
【図2】第2図は本発明の有機電界発光素子の他の実施
例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2a,2b 導電層 3 有機正孔輸送層 4 有機電子輸送層 5 4とは異なる化合物で構成される有機電子輸送層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 順次に、陽極、有機正孔輸送層、有機電
    子輸送層及び陰極が積層されて成る有機電界発光素子に
    おいて、有機正孔輸送層及び/又は有機電子輸送層が、
    下記一般式(I)で表わされる化合物を含有することを
    特徴とする有機電界発光素子。 【化1】 (式中、R1 は水素原子、アルキル基、アルコキシカル
    ボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アラルキ
    ル基又はフェニル基を示し、R2 はアルコキシカルボニ
    ル基、アルコキシアルコキシカルボニル基、アシル基、
    シアノ基又は置換もしくは非置換のカルバモイル基を示
    し、R3 及びR4 はそれぞれ独立して水素原子、アルキ
    ル基、アラルキル基又はアリール基を示す。)
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