JPH05279042A - 酸化アンチモン含有酸化錫微粉末の製造法 - Google Patents

酸化アンチモン含有酸化錫微粉末の製造法

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JPH05279042A
JPH05279042A JP4100314A JP10031492A JPH05279042A JP H05279042 A JPH05279042 A JP H05279042A JP 4100314 A JP4100314 A JP 4100314A JP 10031492 A JP10031492 A JP 10031492A JP H05279042 A JPH05279042 A JP H05279042A
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slurry
tin oxide
antimony
hydroxide
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JP4100314A
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Daisuke Shibuta
大介 渋田
Kuniaki Wakabayashi
邦昭 若林
Akio Yanagisawa
明男 柳沢
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Mitsubishi Materials Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G19/00Compounds of tin
    • C01G19/02Oxides

Abstract

(57)【要約】 【目的】 色味を抑えた酸化アンチモン含有酸化錫微粉
末を良質且つ廉価に得ることを目的とする。 【構成】 錫化合物とアンチモン化合物の共存する混合
溶液とアルカリ溶液とを液温を50°C以下に保持し、
両者を急激に混和して水酸化物を沈澱させ、水酸化物の
スラリーに焼成助剤を添加して焼成する。 【効果】 色味を抑えた良質の粉末が廉価に製造でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸化アンチモン含有酸化
錫微粉末の製造法に関する。更に詳しくは、色味のない
無色透明な導電性塗布膜を形成するための充填材として
の酸化アンチモン含有酸化錫微粉末の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化アンチモン含有酸化錫微粉末は酸化
錫(SnO2 )に酸化アンチモン(Sb2 3 )がドー
プされたセラミックである。これは、1〜70Ω・cm
の比抵抗の良好な導電性を有し、特に湿度の影響を受け
ない性質のある導電性微粉末として広く実用されてい
る。中でも樹脂の中に充填されて成形体や、塗布膜に導
電性を付与し、記録フィルムや光磁気ディスク用の帯電
防止透明膜、半導体クリーンルームパネル等として利用
され、その他触媒、センサー等にも利用されている。
【0003】これを充填材として透明導電性シートとす
るときには、1〜5μmの薄い被膜に形成するので、粒
径は可視光の波長の半分の0.2μm以下の球形の形状
であり、微細且つ均一で、且つ分散性と導電性に優れて
いなければならない。
【0004】又一般に、酸化錫微粉末に良い導電性を付
与するために、酸化アンチモンを添加(ドーブ)するの
であるが、添加量は概ね酸化アンチモンとして1〜30
パーセント、望ましくは5〜20パーセントの範囲にあ
る。、しかしながらドーブ量が増加するに従い、微粉末
の色味に青味が増加する傾向があり、透明導電性シート
の使用特性の上からも又見栄えの点からも色味を抑制
し、色味が真白乃至それに近いものであることが望まし
い。
【0005】その製造は普通、Sn(IV)イオン及び
Sb(III)イオンを含む水溶液、一般的には塩化第
二錫(SnCl4 )と塩化第一アンチモン(SbC
3 )の塩酸酸性溶液から、アルカリ溶液の添加により
中和して共沈して得られる水酸化物沈澱を水で洗浄した
後、固液分離し、乾燥、焼成する方法によっている。乾
燥、焼成は沈澱をトレーに移してバッチ式加熱装置内で
加熱するか、コンベアに載せて連続加熱装置により加熱
する。冷却後粉砕して粉末とし、篩分するのが一般に行
われて、そして微細で透明性と分散性が良く、又良好な
導電性と良い色味を持たせるために、色々の技術が提案
されている。
【0006】色味を抑えた酸化錫系微粉末の製造法とし
て例えば特公昭62−1574号には、pH10以上の
アルカリ水溶液を65°C以上に保ちながら、この溶液
に塩化スズ溶液を加えて沈澱を生成させ、最終的にpH
5〜1に保つことによって微細な沈澱を得、これを洗浄
乾燥後、還元性雰囲気または不活性雰囲気中で、350
°C〜700°Cの温度で焼成することからなる低電気
抵抗酸化スズ微粉末の製造法が開示されている。
【0007】又、加熱に際し乾燥、焼成が順調に行わ
れ、凝結して粉砕が困難になるまで焼結が進むのを防ぐ
ために、従来も沈澱中に焼成助材が添加され使用されて
いた。例えば特開平1−224230号には、塩化アン
チモン、塩化錫及び塩化アンチモンと塩化錫の合計モル
数に対して0.05〜1.0モル比の水酸基含有低級多
塩基性脂肪酸(カルボン酸)を溶解した水溶液を50〜
100°Cで加熱加水分解して、脂肪酸のアンチモン・
錫塩水和物の共沈物として析出せしめ、ろ過、水洗、乾
燥して粉体とし、これを400〜800°Cの酸化雰囲
気下で仮焼して脂肪酸成分を酸化燃焼せしめる酸化アン
チモンを固溶した酸化錫の多孔質状粗粒子の製造法が開
示されている。
【0008】塩化アンチモンと塩化錫の混合溶液とアル
カリ水溶液とから沈澱を生成させる時、例えば前述の特
公昭62−1574号に開示された技術では液温を65
°C以上に保たなければならない。これを低い液温で反
応させるものとして、例えば特公平1−14174号
に、塩化スズ及び塩化アンチモンの溶液をアルカリで中
和して酸化スズと酸化アンチモンの共沈物からなる電導
性微粉末を製造する方法において、水中に塩化スズ及び
塩化アンチモンの塩酸酸性水溶液とアルカリ水溶液とを
中和反応液のpH2〜6に保持するように並行添加して
酸化スズと酸化アンチモンの共沈物を生成させ、引続き
該pHに維持して該反応液から該共沈物を回収し、焼成
することを特徴とする導電性微粉末の製造方法が開示さ
れている。
【0009】又焼結を防ぐために、従来酸化第二錫(S
nO2 )と酸化第一アンチモン(Sb2 3 )との懸濁
液を水熱処理することが行われていた。特開平2−10
5875号に開示された技術では、塗料材料としてのア
ンチモン化合物及び錫化合物を含有する微粒子を液中分
散させ、この分散液を170°C以上、好ましくは25
0°C以上に加熱し、Sb成分をSnO2 成分にドーブ
させたアンチモン・ドーブ・酸化錫分散液とする塗料材
料の製造法が開示されている。これは分散液をオートク
レーブ中で250°C以上に加熱するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の普通の方法によ
り塩化第二錫(SnCl4 )と塩化第一アンチモン(S
bCl3 )の塩酸酸性溶液から、アルカリ溶液の添加に
より中和して共沈して得られる水酸化物沈澱を水で洗浄
した後、固液分離し、乾燥、焼成し、冷却後粉砕、篩分
するのは多工程を要するのみならず篩分後得られる粉末
の青い色味を軽減することができず、充分な品質のもの
が得られない。
【0011】色味を抑える特公昭62−1574号に開
示された方法においては、塩化スズ溶液をアルカリ水溶
液に加えて沈澱を生成させる際、液温を65°C以上に
保たなければならない。又この方法により製造された低
電気抵抗酸化スズ微粉末は、色味は良いが、電気抵抗値
が充分に低くなくて100Ω・cm以下の低抵抗粉体は
得ることが困難でしかも、還元の度合によっては酸化安
定性に欠けるという問題があった。
【0012】又特開平1−224230号に開示された
方法によると焼結が起こらず、良質な多孔質状粗粒子が
得られ、品質の向上は認められるが、添加されたカルボ
ン酸が大部分炉液中に残留し又は洗浄液により洗い流さ
れてしまうから、原価を低減できないという問題があっ
た。
【0013】特公平1−14174号に開示された製造
方法は、並行添加に要する時間が20分〜4時間も必要
であり、又酸化スズと酸化アンチモンの共沈物生成後引
続くpH調整という煩わしい工程を含み、原価の上昇が
免れられないという問題があった。
【0014】又、焼結するのを防ぐために、懸濁液を水
熱処理する特開平2−105875号に開示された技術
は、高価なオートクレーブを必要とするという問題があ
った。
【0015】本発明は上記の課題に鑑み、色味を抑えた
酸化アンチモン含有酸化錫微粉末を良質且つ廉価に得る
ことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明において、錫化合
物とアンチモン化合物の共存する混合溶液とアルカリ溶
液とを混和して中和し水酸化物を沈澱させた後、水酸化
物を焼成する酸化アンチモン含有酸化錫微粉末の製造法
において、液温を50°C以下に保持し、混合溶液とア
ルカリ溶液とを急激に混和して中和し水酸化物を沈澱さ
せる工程と、水酸化物を分離・洗浄してから含水率を調
製してスラリーにする工程と、スラリーに焼成助剤を添
加する工程と、焼成助剤を添加されたスラリーを焼成す
る工程とを有する酸化アンチモン含有酸化錫微粉末の製
造法を構成した。
【0017】そして、焼成助剤が炭素数2〜10の低級
のアルコール、アミン、カルボン酸又はオキシカルボン
酸であることが好ましいものとして構成した。
【0018】又焼成が乾燥と共に一工程を以て、スラリ
ーを載置するコンベアがステンレススチールフープから
なり、赤外線を発生する炭化水素系ガスバーナー又は電
気加熱器により加熱される400°Cから1000°C
に保持された連続焼成炉内で行われることが好ましいも
のとして構成した。
【0019】
【作用】本発明において、錫化合物とアンチモン化合物
の共存する酸性溶液からアルカリによる中和で水酸化物
が沈澱する。この時中和は液温を50°以下に保持し、
且つ急速に酸性溶液とアルカリ性溶液の両液の混和を行
う。従来の方法の如く液温が50°Cを超えると粉末の
色味が青味を呈してくるのを避けるためである。共沈加
水分解反応の行われる液温を50°以下に保つと、粒径
は小く、色味は青味を殆ど呈さない。
【0020】両液の混和は急速に行わなければならな
い。混和は攪拌しながら急激に、即ち広口の桶又はバケ
ツのような容器を一気に傾ける如くし、他方の容器内に
流下させる。混和は酸性溶液をアルカリ性溶液中に流下
しても、又その逆でも、或いは両者を共に流下してもよ
い。液量が100l程度以内であれば2分以内に混和が
可能である。これは中和反応を急激に進行させ反応時間
を可能な限り短くすることにより、水酸化物の沈澱が生
成しはじめてから、反応が進むにしたがい粒子が成長す
ることを抑制し微細な粉末を得るためである。粒子が成
長し結晶化すると、酸化アチモンがドーブされた特有の
色味が強くなると推定されるが、粒子の成長を抑制し微
細な粉末として色味の青味をおさえることができる。
【0021】燃焼助材を中和により沈澱した水酸化物を
分離・洗浄してスラリー状に水分を調製した含水沈澱物
に添加する。スラリーは水分が少なくケーキ状の場合も
ある。焼成助材は有機化合物であり、概ね、炭素数2〜
10の程度の低級のアルコール、アミン、カルボン酸、
オキシカルボン酸から選択される。90〜300°C、
好ましくは100〜200°Cで酸化分解して、C
2 、H2 O、NO Xとなる低廉な有機化合物が適当で
ある。炭素数1のものは、室温で気体又は液体であって
も蒸発し易く添加焼成助材として不適当である。炭素数
11を超えるものは、加熱により完全に酸化分解せず若
干の炭化物の残留する恐れがある。具体的にはブチルア
ルコール、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、乳酸、フ
マル酸、リンゴ酸、アラニン、グルタミン酸、酒石酸、
シュウ酸、エタノールアミン等が挙げられる。中でも取
扱易さ等からリンゴ酸、酒石酸等が適当である。
【0022】焼成助材の使用量は沈澱物固形量に対し
て、重量比0.01〜0.10パーセントの範囲が適当
である。好ましくは0.02〜0.07パーセントの範
囲である。重量比0.01パーセント以下では凝結を防
止する効果がなく、0.01パーセントから効果が現れ
て重量比の増大と共に効果が顕著になるが、0.10パ
ーセントを超えると凝結を防止する効果は飽和する。
【0023】焼成助材添加の時期の選択が重要である。
アルカリ溶液を添加して中和する原料液である塩化第二
錫(SnCl4 )と塩化第一アンチモン(SbCl3
の塩酸酸性溶液中の塩化第二錫(SnCl4 )の濃度は
大体1〜2パーセントである。一方沈澱物固形量のスラ
リー中の濃度は水に対して1〜50パーセントであり、
好ましくは15〜30パーセントである。従って、沈澱
と炉液に同率に焼成助材が入るとすれば、1割方の焼成
助材のみが沈澱中に残ることになり、更に洗浄の段階で
洗浄液中への流出もある。従ってスラリー段階で添加
し、焼成助材を完全に燃焼工程で利用するのが原価低減
に大きく寄与する。焼成助材は水溶液として、濃度1〜
50パーセントのスラリーに均一に混和可能である。
【0024】スラリーの焼成温度は350°C以下の温
度では結晶の発達が悪く非晶質に止まり、700°C以
上に焼成すると焼結が起こる。高効率の焼成炉の炉内温
度を400〜1000°Cに保持し、特段の乾燥工程を
設けずに直接ケーキもしくはスラリーを投入し、短時間
に乾燥・焼成を完了する。尚炉内温度が1000°Cで
あっても、処理時間が短く焼結が起こることはない。焼
成工程の加熱を、高効率のガスバーナーを使用し短時間
に行うと、汚染がなく又凝集することなく焼成が行われ
る。これを特に効率的に行うためには、先ずスラリーを
厚さ一様に、ステンレススチールフープ上に延展し、そ
の上からセラミックファイバーを使用した高効率の面状
の赤外線バーナで加熱する、パネル型多孔質セラミック
加熱器を使用する。このバーナーはバーナー表面温度が
600〜870度まで上昇可能で温度分布のムラが極め
て少ない。スラリーは、概ね100度で乾燥、300度
で脱水、400〜650度で焼結が行われる。スラリー
を連続供給することによりろ過、乾燥、焼成の3工程を
1工程に短縮し、しかも連続化することが可能となっ
た。又、電気加熱器は焼結型セラミック加熱器を使用し
てスラリーを加熱することができる。排気がなく且つ温
度制御が精密に行うことができる。
【0025】
【実施例】本発明の第1実施例を説明する。塩化第二錫
(SnCl4 )185g及び塩化第一アンチモン(Sn
Cl3 )17gを含む500mlの塩酸酸性混合溶液
を、30°Cに保持された、水酸化ナトリウムNaOH
4gを水150mlに溶解した攪拌下のアルカリ溶液の
中に、容器を傾けて一度に流下し添加した。流下しに要
した時間は8秒であった。そして酸化アンチモン含有酸
化錫の水酸化共沈物(Sn(OH)4 ・Sb(O
H)3)を得た。この時、液は約pH4となっていた。
共沈物を純水で洗浄して塩化ナトリウム(NaCl)等
の不純物を除去した後、共沈物を水と共に濾布上に傾瀉
し固液分離を行つた。共沈物がスラリーとして流動可能
な程度に水分を減じスラリーの固形物濃度を酸化物に換
算して20パーセントに調節した。このスラリーに焼成
助材としてリンゴ酸10gを水80mlに溶解した水溶
液を均一に加えた後、ステンレススチールフープ上に延
展し後述の連続加熱装置で焼成した。
【0026】連続加熱装置は特許公報昭和59年第26
207号に記載された輻射加熱装置を利用したもので、
図1及び図2に示すようなものである。加熱炉2はステ
ンレススチールフープのベルト1の上側に設置されてい
る。混合ガス室3の上面には混合ガス流入口4とシール
エア流入口5とが開口し、混合ガス室3の下面に接し
て、セラミックファイバーのマトリックス6が設けられ
ていて、プロパンを混合ガス室3において燃焼させる
と、マトリックス6の下面6cより高密度の赤外線がベ
ルト1上に薄い均一の厚さの帯状のスラリー7に輻射さ
れる。スラリー7はベルト1上において急速に付着水が
離脱し、一定厚さの帯状の嵩高い粉末の集合物となる。
この状態で所定の結晶化温度に、本実施例では700°
Cに加熱された。
【0027】炉内で焼成する時間は15分間であった。
焼成後、炉外に移送されたアンチモンをドープした錫の
酸化物(SnO2 ・Sb2 3 )は固化した塊状となる
ことなく、ゆるく結合しているのみで容易に粉砕して微
粉末として得られた。得られた微粉末は体積抵抗1.3
Ω・cm、一次粒子径0.01μm、比表面積95m2
/gであった。
【0028】得られた粉末116gは体積抵抗値1.2
Ω・cm(100kg/cm2 加圧下)及び比表面積9
5cm2 /gを示した。色調はハンター色度の表示法
L、a、bで示すとL値39、a=−1.5、b=−
0.7で淡緑白色であった。好ましい色味はそのa値及
びb値の絶対値が小であることが望まれる。すなわち、
|a|+|b|<4が好ましいのであり、本実施例では
|a|+|b|=2.2<4で好ましい色味の値を示し
た。
【0029】本発明の第2実施例は、焼成助材として酒
石酸を使用している。アルカリ溶液を塩酸酸性混合溶液
中に一度に流下し添加した他は第1実施例と同様である
ので詳述は省略する。得られた粉末115gは体積抵抗
値1.1Ω・cm(100kg/cm2 加圧下)及び比
表面積98cm2 /gを示した。そして色調はL値3
9、a=−1.2、b=−0.9で淡緑白色であった。
本実施例では|a|+|b|=2.1<4で好ましい色
味の値を示した。
【0030】本発明の第1比較例を説明する。アルカリ
溶液の中への塩酸酸性混合溶液の流下をゆっくり行い3
0分で添加を完了した他は、第1実施例と同様であるの
で詳述は省略する。得られた粉末117gは体積抵抗値
1.2Ω・cm(100kg/cm2 加圧下)及び比表
面積82cm2 /gを示した。そして色調はL値40、
a=−2.6、b=−8.2で淡青色であった。本実施
例では|a|+|b|=10.8>4で好ましくない色
味の値を示した。
【0031】本発明の第2比較例を説明する。70°C
のアルカリ水溶液の中へ、70°Cに保持して塩酸酸性
混合水溶液の流下をゆっくり行い30分で添加を完了し
た。水酸化物は100°Cで乾燥し、又焼成助材を添加
することなく、電気炉中で550°C1時間焼成した。
得られた粉末118gは体積抵抗値0.9Ω・cm(1
00kg/cm2 加圧下)及び比表面積73cm2 /g
を示した。そして色調はL値40、a=−3.5、b=
−10.8で淡青色であり、本実施例では|a|+|b
|=14.3>4で好ましくない色味の値を示した。
【0032】
【発明の効果】本発明においては、中和による水酸化物
の沈澱はは液温を50°以下で、急速混和を行うから、
粒子の成長は抑制されて粒径の小い微細な粉末が得ら
れ、透明性及び分散性が良くなる。そして良好な導電性
を付与するのに充分なアンチモンをドープしても、色味
は青味を殆ど呈さない酸化錫微粉末が得られる。
【0033】中和し沈澱した水酸化物のスラリー中の濃
度が水に対して調製され、スラリーは取扱い易く且つ余
分な水分がないからエネルギーの浪費がなく、焼成後の
状態も良い酸化錫微粉末が得られる。
【0034】そして焼成助材は焼結を防止し、且つ低廉
で、スラリーに対して混和するので使用量が少量ですみ
原価低減に大きく寄与する。90〜300°Cで完全に
酸化分解してCO2 、H2 O、NO Xとなり、炭化物を
残留することがなく焼成後の状態も良い酸化錫微粉末が
得られる。
【0035】高効率の焼成炉で乾燥・焼成を一工程に連
続的に行うことが可能であり、処理時間が短く原価低減
ができるとともに、焼成後の状態も良い酸化錫微粉末が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における連続加熱装置の断面図であ
る。
【図2】第1実施例における輻射加熱装置の断面図であ
る。
【符号の説明】
1...ベルト 2...加熱炉 3...混合ガス室 4...混合ガス流入口 5...シールエア流入口 6...マトリックス 7...スラリー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 1/08 7244−5G

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 錫化合物とアンチモン化合物の共存する
    混合溶液とアルカリ溶液とを混和して中和し水酸化物を
    沈澱させた後、該水酸化物を焼成する酸化アンチモン含
    有酸化錫微粉末の製造法において、液温を50°C以下
    に保持し、該混合溶液と該アルカリ溶液とを急激に混和
    して中和し水酸化物を沈澱させる工程と、該水酸化物を
    分離・洗浄してから含水率を調製してスラリーにする工
    程と、該スラリーに焼成助剤を添加する工程と、該焼成
    助剤を添加されたスラリーを焼成する工程とを有するこ
    とを特徴とする酸化アンチモン含有酸化錫微粉末の製造
    法。
  2. 【請求項2】 焼成助剤が炭素数2〜10の低級のアル
    コール、アミン、カルボン酸又はオキシカルボン酸であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の酸化アンチモン含
    有酸化錫微粉末の製造法。
  3. 【請求項3】 焼成が乾燥と共に一工程を以て、スラリ
    ーを載置するコンベアがステンレススチールフープから
    なり、赤外線を発生する炭化水素系ガスバーナー又は電
    気加熱器により加熱される400°Cから1000°C
    に保持された連続焼成炉内で行われることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の酸化アンチモン含有酸化錫微粉
    末の製造法。
JP4100314A 1992-03-27 1992-03-27 酸化アンチモン含有酸化錫微粉末の製造法 Withdrawn JPH05279042A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5788913A (en) * 1996-11-01 1998-08-04 E. I. Du Pont De Nemours And Company Processes to prepare antimony doped tin oxide electroconductive powders
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