JPH05278569A - ワイパーブレードおよびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラスとの摩擦抵抗を低減して異常音の発生
を防止することを目的とする。 【構成】 雨天走行時等に自動車等の窓ガラスに付着す
る雨水等を払拭するために往復回動するワイパーに用い
られ、先端部３ａが窓ガラスに当接するリップ部３と、
前記ワイパーに取り付けられる取付部２と、前記リップ
部３と取付部２との間を連結するネック部４とからな
り、前記ワイパーの回動時に、前記リップ部３の先端部
３ａが進行方向後方側に屈曲した状態で雨水等を払拭す
るワイパーブレード１であって、前記リップ部３の先端
部外表面のうちの前記窓ガラスと接触する部位に表面処
理部５が形成されたワイパーブレード１。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はワイパーブレードおよ
びその製造方法に関し、特に、窓ガラスとの摩擦抵抗が
減少したワイパーブレードおよびその製造方法に関する
ものである。

【０００２】

【従来技術および解決しようとする課題】一般に、雨天
走行時等の自動車等の窓ガラスに付着する雨水等を払拭
するために往復回動するワイパーに用いられるワイパー
ブレードは、図６に示すようなものが知られていて、こ
のワイパーブレード２１は、先端部２３ａが平板状とな
ったリップ部２３と、図示しないワイパーに取り付けら
れる取付部２２と、前記リップ部２３と取付部２２との
間を連結するネック部２４とからなっている。

【０００３】そして、このワイパーブレード２１をワイ
パーに取り付け、ワイパーを作動させてワイパーブレー
ド２１のリップ部２３の先端部２３ａを自動車等の窓ガ
ラスに摺動接触させるとともに、窓ガラス上を往復動さ
せることにより、雨天走行時等に窓ガラスに付着する雨
水等を払拭して視界を良好に保つようになっている。

【０００４】また、窓ガラスとの摩擦抵抗を軽減するた
めにワイパーブレード２１に表面処理および熱処理を施
すことによって表面処理部２５が形成されている。すな
わち、ワイパーブレード２１は図７に示すように、互い
のリップ部２３の先端が接合部２６で接合した状態のワ
イパーブレード２１、２１が形成され、表面処理部２５
を形成した後に互いの接合部２６を切り離して各ワイパ
ーブレード２１を製造するようになっている。

【０００５】しかしながら、上記のように構成される従
来のワイパーブレード２１にあっては、二つのワイパー
ブレード２１、２１を接合部２６で接合した状態で同時
に形成され、全体に表面処理を施して表面処理部２５を
形成し、その後、前記接合部２６を切断して形成される
ため、リップ部２３の先端に表面処理部２５が形成され
ない未処理部２７が生じ、リップ部２３の先端部２３ａ
が窓ガラスの上面を往復する際、前記未処理部２７が窓
ガラスと摺動接触して両者間で摩擦が生じて鳴き等の異
常音を発生するという問題点を有していた。

【０００６】この発明は上記のような従来のもののもつ
問題点を解決したものであって、リップ部の往復時に鳴
き等の異常音が発生することがないワイパーブレードお
よびその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は雨天走行時等に自動車等の窓ガラスに
付着する雨水等を払拭するために往復回動するワイパー
に用いられ、先端部が窓ガラスに当接するリップ部と、
前記ワイパーに取り付けられる取付部と、前記リップ部
と取付部との間を連結するネック部とからなり、前記ワ
イパーの回動時に、前記リップ部の先端部が雨水等を払
拭するワイパーブレードであって、前記リップ部の先端
部外表面のうちの前記窓ガラスと接触する部位に表面処
理部が形成されるという手段を採用したものである。ま
た、雨天走行時等に自動車等の窓ガラスに付着する雨水
等を払拭するために往復回動するワイパーに用いられ、
先端部が窓ガラスに当接するリップ部と、前記ワイパー
に取り付けられる取付部と、前記リップ部と取付部との
間を連結するネック部とからなり、前記ワイパーの回動
時に、前記リップ部の先端部が雨水等を払拭するワイパ
ーブレードの製造方法であって、二つのワイパーブレー
ドをそのリップ部を接合部で接合した状態で形成し、前
記接合部を切断した後、各ワイパーブレードの全体に表
面処理部を形成し、これにより先端部外表面のうちの窓
ガラスと接触する部位に表面処理部を形成するという手
段を採用したものである。また、雨天走行時等に自動車
等の窓ガラスに付着する雨水等を払拭するために往復回
動するワイパーに用いられ、先端部が窓ガラスに当接す
るリップ部と、前記ワイパーに取り付けられる取付部
と、前記リップ部と取付部との間を連結するネック部と
からなり、前記ワイパーの回動時に、前記リップ部の先
端部が雨水等を払拭するワイパーブレードの製造方法で
あって、二つのワイパーブレードをそのリップ部を接合
部で接合した状態で形成するとともに、前記接合部に切
欠部を形成し、前記接合したワイパーブレードの全体に
表面処理部を形成し、その後、前記切欠部で切断し、こ
れにより先端部外表面のうちの窓ガラスと接触する部位
に表面処理部を形成するという手段を採用したものであ
る。

【０００８】

【作用】この発明は上記の手段を採用したことにより、
ワイパーブレードの先端部に表面処理部が形成されるよ
うになったため、リップ部と窓ガラスとの摩擦抵抗が低
減し、ワイパーブレードの往復が円滑に行われるように
なって鳴き等の異常音が発生しなくなる。

【０００９】

【実施例】以下、図面に示すこの発明の実施例について
説明する。図１にはこの発明によるワイパーブレードの
第１の実施例が示されていて、このワイパーブレード１
は、先端部３ａが平板状となったリップ部３と、図示し
ないワイパーに取り付けられる取付部２と、前記リップ
部３と取付部２との間を連結するネック部４とからなっ
ていて外表面に表面処理部５が形成されている。

【００１０】このワイパーブレード１は図２に示すよう
に、二つのワイパーブレード１、１がそのリップ部３、
３の先端を互いに接合部６で接合した状態で形成され
る。

【００１１】また、このワイパーブレード１はゴム材等
で形成され、その配合比はＥＰＤＭ／ＩＲ＝５〜８／５
〜２で、ＥＰリッチとなっている。

【００１２】なお、ＥＰＤＭはエチレン−プロピレン−
ジエン−メチレン共重合体の略で、ＩＲはイソプレンゴ
ムの略で、ＥＰリッチとはＥＰＤＭの割合が多いことを
いう。

【００１３】そして、上記のように形成された二つのワ
イパーブレード１、１が接合部６で切断され、その後、
ワイパーブレード１の外表面に表面処理部５が形成され
る。

【００１４】この表面処理部５はアフトリート液等をベ
ースとする液にワイパーブレード１を浸漬処理すること
により表面処理を行い、その後、熱処理をして形成され
る。

【００１５】上記のように構成されたワイパーブレード
１の取付部２を前記ワイパーに取り付けて、リップ部３
の先端部３ａを自動車等の窓ガラスに接触させるととも
に、ワイパーを作動させると、このワイパーブレード１
のリップ部３の先端部３ａは窓ガラスに摺動接触し、先
端部３ａが進行方向後方側に屈曲した状態で、往復回動
し、雨天走行時等に窓ガラスに付着する雨水等を払拭し
て視界を良好に保つことができる。

【００１６】そして、一般に、窓ガラスと接触するワイ
パーブレード１がＥＰリッチに形成されていると、耐久
性は向上するものの窓ガラスとの摺動接触時に摩擦が生
じて、鳴き等の異常音が発生し易い。

【００１７】しかしながら、このワイパーブレード１は
外表面に表面処理部５が形成されているため、従来のよ
うにリップ部２３の先端に未処理部２７が生じ、この未
処理部２７と窓ガラスとの摩擦抵抗によって異常音を発
生することがなく、ワイパーブレード１のリップ部３の
先端部外表面と窓ガラスとの摺動接触時の摩擦抵抗が低
減する。

【００１８】したがって、ワイパーブレード１をＥＰリ
ッチの配合にすることができるため、耐久性が向上する
とともに、前記リップ部３の先端部外表面のうちの前記
窓ガラスと接触する部位に表面処理部５が形成されてい
るため、鳴き等の異常音を発生することがない。

【００１９】図３にはこの発明によるワイパーブレード
の第２の実施例が示されていて、このワイパーブレード
１１は、先端部１３ａが平板状となったリップ部１３
と、図示しないワイパーに取り付けられる取付部１２
と、前記リップ部１３と取付部１２との間を連結するネ
ック部１４とからなっていて、リップ部１３の先端中央
の未処理部１８を除く他の外表面に表面処理部１５が形
成され、もちろん前記リップ部１３の先端部外表面のう
ちの窓ガラスと接触する部位に表面処理部１５が形成さ
れている。

【００２０】また、このワイパーブレード１１は図４、
図５に示すように、二つのワイパーブレード１１、１１
がそのリップ部１３、１３の先端を接合部１６で接合し
た状態で成形され、この接合部１６には切欠部１７が形
成されて他の部分よりも狭くなっている。

【００２１】そして、上記のように形成された二つのワ
イパーブレード１１、１１は、表面処理部１５が形成さ
れた後、その切欠部１７で切断され、各ワイパーブレー
ド１１が切り離される。

【００２２】したがって、切り離されたそれぞれのワイ
パーブレード１１は、接合されていた中央の未処理部１
８を除く外表面に表面処理部１５が形成されることにな
り、切欠部１７を深く形成することにより未処理部１８
を少なくすることが可能であり、前記リップ部１３の先
端部外表面のうちの窓ガラスと接触する部位には表面処
理部１５が形成されるようになっている。

【００２３】また、前記第１の実施例と同様に、このワ
イパーブレード１１はゴム材等で形成され、その配合比
はＥＰＤＭ／ＩＲ＝５〜８／５〜２で、ＥＰリッチとな
っている。

【００２４】前記表面処理部１５はアフトリート液等を
ベースとする液にワイパーブレード１１を浸漬処理する
ことにより表面処理を行ない、その後、熱処理をして形
成される。

【００２５】上記のように構成されたワイパーブレード
１１の取付部１２を前記ワイパーに取り付けて、リップ
部１３の先端部１３ａを自動車等の窓ガラスに接触させ
るとともに、ワイパーを作動させると、このワイパーブ
レード１１のリップ部１３の先端部１３ａは窓ガラスに
摺動接触し、先端部１３ａが進行方向後方側に屈曲した
状態で、往復回動し、雨天走行時等に窓ガラスに付着す
る雨水等を払拭して視界を良好に保つことができる。

【００２６】そして、一般に、窓ガラスと接触するワイ
パーブレード１１がＥＰリッチに形成されていると、耐
久性は向上するものの窓ガラスとの摺動接触時に摩擦が
生じて、鳴き等の異常音を発生し易い。

【００２７】しかしながら、このワイパーブレード１１
には未処理部１８があるものの、リップ部１３の先端部
外表面のうちの窓ガラスと接触する部位には表面処理部
１５が形成されるようになっているため、前記リップ部
１３の先端部１３ａと窓ガラスとの摺動接触時の摩擦抵
抗が低減する。

【００２８】したがって、ワイパーブレード１１をＥＰ
リッチの配合にすることができるため、耐久性が向上す
るとともに、前記リップ部１３の先端部外表面のうちの
前記窓ガラスと接触する部位に表面処理部１５が形成さ
れているため、鳴き等の異常音を発生することがない。

【００２９】なお、実施例において、ワイパーブレード
の表面処理はアフトリート液等にワイパーブレードを浸
漬することによって行なったが、これに限定されること
なく、摩擦抵抗が低減する表面処理であれば良い。

【００３０】

【発明の効果】この発明は前記のように、ワイパーブレ
ードのリップ部の先端部外表面のうちの窓ガラスと接触
する部位に表面処理部が形成されているため、ワイパー
ブレードの先端部と窓ガラスとの摩擦抵抗が低減し、異
常音を発生させることなく雨天走行時等に窓ガラスに付
着する雨水等を効率よく払拭することができる。

【００３１】また、ワイパーブレードを耐久性の良いＥ
Ｐリッチの配合、すなわちＥＰＤＭの割合が多い配合に
しても表面処理部を形成することによって、窓ガラスと
の摩擦抵抗が低減するため、異常音が発生しない耐久性
の向上したワイパーブレードを開発することが可能であ
るという効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明によるワイパーブレードの第１の実施
例を示す概略断面図である。

【図２】この発明によるワイパーブレードの第１の実施
例において、一対のワイパーブレードが形成された状態
を示す概略断面図である。

【図３】この発明によるワイパーブレードの第２の実施
例を示す概略断面図である。

【図４】この発明によるワイパーブレードの第２の実施
例において、一対のワイパーブレードが形成された状態
を示す概略断面図である。

【図５】図４のＸの部分の部分拡大断面図である。

【図６】従来のワイパーブレードを示す概略断面図であ
る。

【図７】従来のワイパーブレードにおいて、一対のワイ
パーブレードが形成された状態を示す概略断面図であ
る。

【符号の説明】

１、１１、２１……ワイパーブレード ２、１２、２２……取付部 ３、１３、２３……リップ部 ３ａ、１３ａ、２３ａ……先端部 ４、１４、２４……ネック部 ５、１５、２５……表面処理部 ６、１６、２６……接合部 １７……切欠部 １８、２７……未処理部

【手続補正書】

【提出日】平成５年３月２５日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１６

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１６】そして、一般に、窓ガラスと接触するワイ
パーブレード１がＥＰリッチに形成されていると、耐久
性は向上するものの窓ガラスとの摺動接触時に摩擦が生
じ易く、鳴き等の異常音が発生し易い。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１８

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１８】したがって、ワイパーブレード１をＥＰリ
ッチの配合にすることで、耐久性が向上し、また、前記
リップ部３の先端部外表面のうちの前記窓ガラスと接触
する部位に表面処理部５が形成されているため、鳴き等
の異常音を発生することがないというメリットがある。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２６

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２６】そして、一般に、窓ガラスと接触するワイ
パーブレード１１がＥＰリッチに形成されていると、耐
久性は向上するものの窓ガラスとの摺動接触時に摩擦が
生じ易く、鳴き等の異常音が発生し易い。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２８

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２８】したがって、ワイパーブレード１１をＥＰ
リッチの配合にすることで、耐久性が向上し、また、前
記リップ部１３の先端部外表面のうちの前記窓ガラスと
接触する部位に表面処理部１５が形成されているため、
鳴き等の異常音を発生することがないというメリットが
ある。

【手続補正５】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図１

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【手続補正６】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図３

【補正方法】変更

【補正内容】

【図３】

【手続補正７】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図４

【補正方法】変更

【補正内容】

【図４】

【手続補正８】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図６

【補正方法】変更

【補正内容】

【図６】

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 雨天走行時等に自動車等の窓ガラスに付
   着する雨水等を払拭するために往復回動するワイパーに
   用いられ、先端部（３ａ、１３ａ）が窓ガラスに当接す
   るリップ部（３、１３）と、前記ワイパーに取り付けら
   れる取付部（２、１２）と、前記リップ部（３、１３）
   と取付部（２、１２）との間を連結するネック部（４、
   １４）とからなり、前記ワイパーの回動時に、前記リッ
   プ部（３、１３）の先端部（３ａ、１３ａ）が雨水等を
   払拭するワイパーブレード（１、１１）であって、前記
   リップ部（３、１３）の先端部外表面のうちの前記窓ガ
   ラスと接触する部位に表面処理部（５、１５）が形成さ
   れたことを特徴とするワイパーブレード。
2. 【請求項２】 雨天走行時等に自動車等の窓ガラスに付
   着する雨水等を払拭するために往復回動するワイパーに
   用いられ、先端部（３ａ）が窓ガラスに当接するリップ
   部（３）と、前記ワイパーに取り付けられる取付部
   （２）と、前記リップ部（３）と取付部（２）との間を
   連結するネック部（４）とからなり、前記ワイパーの回
   動時に、前記リップ部（３）の先端部（３ａ）が雨水等
   を払拭するワイパーブレード（１）の製造方法であっ
   て、二つのワイパーブレード（１）をそのリップ部
   （３）を接合部（６）で接合した状態で形成し、前記接
   合部（６）を切断した後、各ワイパーブレード（１）の
   全体に表面処理部（５）を形成し、これにより先端部外
   表面のうちの窓ガラスと接触する部位に表面処理部
   （５）を形成したことを特徴とするワイパーブレードの
   製造方法。
3. 【請求項３】 雨天走行時等に自動車等の窓ガラスに付
   着する雨水等を払拭するために往復回動するワイパーに
   用いられ、先端部（１３ａ）が窓ガラスに当接するリッ
   プ部（１３）と、前記ワイパーに取り付けられる取付部
   （１２）と、前記リップ部（１３）と取付部（１２）と
   の間を連結するネック部（１４）とからなり、前記ワイ
   パーの回動時に、前記リップ部（１３）の先端部（１３
   ａ）が雨水等を払拭するワイパーブレードの製造方法で
   あって、二つのワイパーブレード（１１）をそのリップ
   部（１３）を接合部（１６）で接合した状態で形成する
   とともに、前記接合部（１６）に切欠部（１７）を形成
   し、前記接合したワイパーブレード（１１）の全体に表
   面処理部（１５）を形成し、その後、前記切欠部（１
   ７）で切断し、これにより先端部外表面のうちの窓ガラ
   スと接触する部位に表面処理部（１５）を形成すること
   を特徴とするワイパーブレードの製造方法。