JPH05277331A - 溶剤処理装置 - Google Patents

溶剤処理装置

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JPH05277331A
JPH05277331A JP4071899A JP7189992A JPH05277331A JP H05277331 A JPH05277331 A JP H05277331A JP 4071899 A JP4071899 A JP 4071899A JP 7189992 A JP7189992 A JP 7189992A JP H05277331 A JPH05277331 A JP H05277331A
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sheet
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機溶剤の濃度が30〜300ppm程度の
処理対象ガスに対して、装置の大型化、コストアップを
招来することなく連続処理できるようにする。 【構成】 活性炭のフェルト3Aを主体とする輪状の溶
剤吸着シート3を循環経路に沿うように巻きかけて回転
移動させる移動手段と、前記循環経路の設定箇所でその
溶剤吸着シート3内を厚さ方向に透過するように溶剤含
有の処理対象ガスG1を供給して溶剤を溶剤吸着シート
3に吸着させる吸着手段と、前記設定箇所とは異なる別
の設定箇所で溶剤吸着シート3内を厚さ方向に透過する
ように脱着用ガスG2を供給して溶剤吸着シート3から
溶剤を脱着する脱着手段とを設け、前記移動手段を構成
するに、溶剤吸着シート3の内周面を重ねた状態でその
溶剤吸着シート3を移送するネットコンベア9を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗装工場や半導体製造
工場などから排出される溶剤(トルエンやキシレンで代
表される有機溶剤等で30〜300ppm程度の濃度)
含有の排気を処理する、つまり、排気中の溶剤を除去処
理する技術のうち、最終処理量の減量を図るように溶剤
の濃度を濃縮する技術で、詳しくは、活性炭のフェルト
を主体とする溶剤吸着シートを用い、溶剤を含有する処
理対象ガスを、溶剤吸着シート内を厚さ方向で透過する
ように供給してその処理対象ガス中の溶剤を溶剤吸着シ
ートに吸着させることにより溶剤を除去する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】溶剤吸着シートを用いて溶剤を処理する
場合(シート式)には、例えば、繊維状活性炭をペーパ
化し、段加工して多数のガス通路を有するハニカム状に
成形し、それを枠に支持させたブロック状の溶剤吸着体
を用い、その溶剤吸着体のガス通路内に沿って処理対象
ガスを透過させることにより、繊維状活性炭が分散する
ガス通路周囲壁に接触させて溶剤を吸着させる場合(ハ
ニカムロータ式)に比較して、次のような利点がある。
つまり、ハニカムロータ式の場合には、ガス通路周囲壁
に沿って処理対象ガスを流動させて吸着材に接触させる
ことで吸着させるため、溶剤吸着体の大きさの割りには
吸着材と溶剤との接触面積が小さく、その上加工数が多
くて、吸着材と溶剤との接触効率が悪く、溶剤吸着体の
大きさの割りには処理能力が小さくてコストの高いもの
になる。しかも、溶剤吸着体を加熱して脱着する際、溶
剤吸着体が大きく、加えて、支持用の枠に熱を取られる
ことにより、多量の熱量が必要であり、かつ、脱着後に
吸着可能状態に復帰させる上で冷却を必要とすることも
あり、ランニングコストが高くつく。これに対して、本
発明が対象とするシート式の場合には、溶剤吸着シート
を、繊維状活性炭のフェルトから構成することなどによ
り、接触面積を大きくして接触効率を優れたものにでき
る割りには溶剤吸着シートの厚さを薄くでき、その結
果、溶剤吸着シートを加熱・冷却し易いものにできて、
脱着のための加熱に要するランニングコストが安くて済
み、また、特別な装置類を要することなく脱着後の吸着
のための冷却を行える。そのような利点を有する溶剤処
理技術として、従来では、図16に示すように、溶剤吸
着シート3を第1のロールR1から繰り出すとともに、
第2のロールR2で巻き取り、その第1のロールR1か
ら第2のロールR2への移動途中で、処理対象ガスG1
を供給して溶剤を溶剤吸着シート3に吸着させ、第2の
ロールR2を収納する加熱室Hに脱着用ガスG2として
の加熱空気を供給して溶剤吸着シート3から溶剤を脱着
する技術が知られている(例えば特公昭53―9587
号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
によるときは、溶剤吸着シートを第1のロールから繰り
出しつつ第2のロールで巻き取ることで移動させて溶剤
吸着シートに溶剤を吸着させるから、そのような移動時
に加熱室に加熱空気を並行して供給することにより、吸
着と同時に脱着を行えるものの、第2のロールに溶剤吸
着シートが最後まで巻き取られと、第1のロールに溶剤
吸着シートを巻き戻しする必要があって、処理形態が、
吸脱着と巻き戻しとを交互に繰り返す形態とならざるを
得ない。その結果、長時間の処理を行うには、第1のロ
ールから溶剤吸着シートの全部を繰り出しての1回の吸
着作業時間を長くしたり、或いは、複数の溶剤処理装置
を設けて一方のものが吸脱着しているときに他方のもの
が巻き戻しするように交互に使用したりする必要があ
る。そして、前者の場合には、溶剤吸着シートの巻き取
り径が大きくなってそれに付帯する装置の大型化、コス
トアップを招来するのみならず、第2のロールに巻き取
られた状態で加熱室で溶剤吸着シートが溶剤を吸着した
状態で加熱される時間が長くなることで、溶剤吸着シー
トの異常な昇温を招来することがあって、それを防止す
るための構成が別途必要になり、装置の大型化、コスト
アップが不可避である。このことは、特に、高濃度の処
理対象ガスを処理するために溶剤吸着シートの移動速度
を速くした場合に顕著である。他方、後者の場合には、
溶剤処理装置の数が増えて、やはり、装置の大型化、コ
ストアップが不可避である。本発明の目的は、上記欠点
を解消する点、つまり、たとえ前記従来例の主使用領域
濃度に比べて高濃度の処理対象ガスであっても、装置の
大型化、コストアップを招来することなく長時間連続処
理できるようにする点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明による
溶剤処理装置の特徴は、活性炭のフェルトを主体とする
輪状の溶剤吸着シートを循環経路に沿うように巻きかけ
て回転移動させる移動手段と、前記循環経路の設定箇所
でその溶剤吸着シート内を厚さ方向に透過するように溶
剤含有の処理対象ガスを供給して溶剤を溶剤吸着シート
に吸着させる吸着手段と、前記設定箇所とは異なる別の
設定箇所で溶剤吸着シート内を厚さ方向に透過するよう
に脱着用ガスを供給して溶剤吸着シートから溶剤を脱着
する脱着手段とを設け、前記移動手段を構成するに、溶
剤吸着シートの内周面を重ねた状態でその溶剤吸着シー
トを移送するネットコンベアを設けてある点にある。
【0005】本発明の第2発明による溶剤処理装置の特
徴は、上記第1発明において、前記ネットコンベアのコ
ンベアネットを、平帯状のネット材を編織して構成して
ある点にある。
【0006】本発明の第3発明による溶剤処理装置の特
徴は、上記第1発明や第2発明において、前記ネットコ
ンベアのコンベアネットを駆動する駆動ローラとして、
周面が軟質材で構成されたものを設けてある点にある。
【0007】本発明の第4発明による溶剤処理装置の特
徴は、上記第1発明や第2発明、第3発明において、前
記循環経路を、上昇経路部と下降経路部とを有する状態
に形成し、その下降経路部から上昇経路部へのターン経
路部に、ネットコンベアのネットを溶剤吸着シートから
上方に離して溶剤吸着シートを自由状態にする分離手段
を設けてある点にある。
【0008】本発明の第5発明による溶剤処理装置の特
徴は、上記第4発明において、前記溶剤吸着シートのう
ちターン経路部でネットから分離した自由状態部分の幅
方向位置を規制する位置規制手段を設けてある点にあ
る。
【0009】
【作用】上記本発明の第1発明によれば、溶剤吸着シー
トを循環移動させるとともに、吸着手段と脱着手段とを
作動させることにより、処理対象ガスの供給箇所と脱着
用ガスの供給箇所とに交互に繰り返して溶剤吸着シート
を循環移動させて、溶剤吸着シートによる処理対象ガス
からの溶剤の吸着と、その吸着した溶剤の脱着用ガスへ
の脱着とを行うことができるから、溶剤吸着シートの循
環移動と、その状態での処理対象ガスの供給及び脱着用
ガスの供給とを連続して行うことにより、吸脱着を中断
することなく連続して行うことができるとともに、脱着
時に溶剤吸着シートを過剰に加熱することがない。しか
も、前記移動手段としてネットコンベアを設けてあるか
ら、圧力損失の少ない高効率の吸脱着を行える軟弱な活
性炭のフェルトを用いて溶剤吸着シートを構成しながら
も、溶剤吸着シートに局部的に力を集中させずにネット
コンベアのコンベアネットで溶剤吸着シートの全体を万
遍なく、かつ、溶剤吸着シートを若干コンベアネットの
目に入り込み係合させて移動方向及び幅方向に位置規制
した状態に支持でき、その結果、溶剤吸着シート、つま
り、活性炭のフェルトに移動のために無理な力を掛ける
ことがなくて溶剤吸着シートを損なうことなく安定して
循環移動させることができる。もちろん、コンベアネッ
トが溶剤吸着シートに重なるものの、コンベアネットに
は目が全体に分散配置するから、溶剤吸着シートの全体
にガスを供給できるのみならず、コンベアネットで溶剤
吸着シートに対するガス通過を阻害することがほとんど
なく、吸脱着のためのガス供給を抵抗少なく円滑に行え
る。
【0010】本発明の第2発明によれば、コンベアネッ
トを非常に薄いもの、つまり、屈曲性、可撓性に富んだ
ものにできるから、たとえ循環経路のターン部の曲率が
大きくてもその循環経路に沿ってコンベアネットを円滑
に循環移動させることができることはもちろん、吸着手
段や脱着手段において吸い込み口の周縁にコンベアネッ
トが周度摺動するように循環移動させる状態で溶剤吸着
シートを厚さ方向で通過するようにガスを供給する際、
吸い込み口の周縁と溶剤吸着シートとの間隙を小さくし
て、その間隙からガスが入り込むリークを抑制すること
ができる。本発明の第3発明によれば、駆動ローラの軟
質周面が変形してコンベアネットの目に入り込んでコン
ベアネットに係合するから、駆動ローラに対するコンベ
アネットのスリップがなく、コンベアネットを確実にロ
スなく循環移動させることができる。本発明の第4発明
によれば、下降経路部から上昇経路部へのターン部で溶
剤吸着シートをコンベアネットから分離させて自由状態
にすることができるので、溶剤吸着シートのコンベアネ
ットに対する熱膨張の差を吸収して、溶剤吸着シートが
過剰に引っ張られることや過剰に弛むことを防止でき、
溶剤吸着シートをコンベアネットに、その溶剤吸着シー
トに無理な力を掛けることなく重ね合わせて支持させる
ことができて、溶剤吸着シートの損傷を抑制でき、しか
も、溶剤吸着シートのコンベアネットに対する幅方向の
位置ずれ(横ずれ)を解消できる。その上、ターン部で
自由状態にあることで溶剤吸着シートに余裕があること
により、循環移動経路に沿って巻きかけられたコンベア
ネットに重ねるように輪状のコンベアネットを巻きかけ
装着することが非常に容易である。本発明の第5発明に
よれば、自由状態にある溶剤吸着シート部分を幅方向に
位置規制して横ずれを修正するから、横ずれ修正に際し
て溶剤吸着シートに無理な力を掛けてその溶剤吸着シー
トを損なうことがない。
【0011】
【発明の効果】従って、本発明によれば、活性炭のフェ
ルトを確実、かつ、円滑に循環移動させて、圧力損失の
少ない高効率の吸脱着を行え、しかも、フェルトの耐久
性を優れたものにできることにより、装置の大型化及び
コストアップを招来することなく、高濃度の溶剤含有ガ
スを長時間連続処理できるようになった。特に、請求項
2記載のようにすれば、より一層、溶剤吸着シートを安
定して循環移動させることができ、しかも、処理対象ガ
スが処理ガスに混入することや、脱着用ガスが濃縮ガス
に混入することを極力抑制して、処理を確実化できる。
請求項3記載のようにすれば、溶剤吸着シートの循環移
動をより一層安定化できる。請求項4記載のようにすれ
ば、フェルトの耐久性をより一層向上できる。請求項5
記載のようにすれば、フェルトの耐久性をより一層向上
でき、しかも、吸着手段や脱着手段の吸い込み口に溶剤
吸着シートを幅方向で正確に対応位置させて所期の吸脱
着の確実化を図り得る。
【0012】
【実施例】溶剤処理設備は、図1に示すように、溶剤を
含有する処理対象ガスG1を濃縮する前処理用の溶剤処
理装置1と、そこからの濃縮ガスg2から溶剤を除去す
る最終処理装置2とからなる。前記溶剤処理装置1は、
図2,図3に示すように、通気性を有する輪状(無端帯
状)の溶剤吸着シート3を循環経路に巻き掛け設置し、
その溶剤吸着シート3を循環経路に沿って回転移動させ
る移動手段を設け、前記循環経路の設定箇所でその溶剤
吸着シート3内を厚さ方向に透過するように処理対象ガ
スG1を供給して溶剤を前記溶剤吸着シート3に吸着さ
せる吸着手段と、前記設定箇所とは異なる別の設定箇所
で溶剤吸着シート3を厚さ方向に透過するように脱着用
ガスG2を供給して溶剤吸着シート3から溶剤を脱着す
る脱着手段と、分離手段と、位置規制手段とを設けて構
成されている。前記循環経路は、図3に示すように、上
昇経路部と、それの上端に連なる水平の上側経路部と、
その終端に連なる下降経路部と、その下降経路部から上
昇経路部への水平な下側経路部とからなる。前記溶剤吸
着シート3は、図4乃至図6に示すように、活性炭を吸
着材として、常温で処理対象ガスG1中の溶剤を吸着
し、加熱(100〜130度)により脱着するものであ
り、具体的には、その表面保護のためにその表裏に不織
布等からなる保護層3aが重ねられた繊維状活性炭のフ
ェルト3Aと、そのフェルト3Aのうち移動方向にそっ
た側端縁に固定した補強体3Bと、フェルト3Aの長手
方向(前後方向)の両端に固定した第2の補強体3C
と、両端の第2の補強体3C同士を接続して全体を輪状
にするための接続構造とからなる。前記フェルト3Aの
実数値例を挙げると、活性炭繊維の径は10〜20μ
m、厚さは10から20mm、目付け量は600g/m
2 程度である。なお、図では判りやすくする上で保護層
3aを厚く示してあるが、保護層3aの実際の厚さは非
常に薄いものである。前記補強体3B及び第2の補強体
3Cは、ともに、耐熱性、耐溶剤性、可撓性(柔軟性)
を有するとともに、フェルト3Aよりも大きい抗張力を
有する。そして、図4に示すように、表面端部と端面と
裏面端部とを一連に覆うものであり、そのフェルト3A
への固定手段は、縫合であり、固定構造としては、図4
の(イ)に示すように、フェルト3Aの端部を圧密した
状態で縫合した構造や、図4の(ロ)に示すように、フ
ェルト3Aの端部を圧密しない状態で縫合した構造、図
4の(ハ)に示すように、フェルト3Aの端部を耐熱性
のパッキン3bを介して圧密した状態で縫合した構造を
挙げることができる。前記接続構造は、フェルト3Aの
両端を幅方向で位置決めした状態で接続するための構造
であって、図5、図6に示すように、スライダ4のスラ
イドにより係脱自在な務歯5の一方を第2の補強体3C
のうちの一方に装着し、かつ、他方の務歯5を他方の第
2の補強体3Cに装着したファスナー6と、前記スライ
ダ4を除去した状態のそのファスナー6の務歯5同士の
離脱を阻止する連結材7とからなる。つまり、ファスナ
ー6は、図5の(イ)に示すように、フェルト3Aの幅
よりも長いものとしてフェルト3Aに装着されていて、
接合後に、図5の(ロ)に示すように、フェルト3Aの
幅に一致するように両端部を切断除去され、連結材7
は、切断除去後のファスナー6の両端において務歯5同
士が離脱しないように固定するものである。8は、第2
の補強体3C同士にわたって位置することでその第2の
補強体3C間をシールする遮蔽シートであり、一方に第
2の補強体3Cに固定されている。この遮蔽シート8及
び第2の補強体3C、ファスナー6は、一回の縫合で一
括的にフェルト3Aに固定しても良く、また、別々に固
定しても良い。加えて、各種の固定に接着剤を併用して
も良い。接着剤としては、耐熱性のものが好ましい。前
記移動手段は、図10にも示すように、前記溶剤吸着シ
ート3の内周面を重ねた状態でその溶剤吸着シート3を
前記の循環経路に沿って移送するネットコンベア9であ
り、コンベアネット9Aと、それを移動案内するガイド
機構と、駆動ローラ9Bと、テンション機構とからな
る。前記コンベアネット9Aは、図7、図8に示すよう
に、平帯状のネット材を編織して構成されている。ネッ
ト材のうち、移動方向に沿う姿勢のネット材9aは、抗
張力が大きいアラミド樹脂製であり、幅方向に沿う姿勢
のネット材9bは、テフロン樹脂製である。そして、コ
ンベアネット9Aの厚さtは、良好な可撓性を得る上で
0.5〜1mm程度としてあり、目の大きさは5mm×
5mm程度、ネット材の幅は1mm程度である。かつ、
コンベアネット9Aの移動方向にそった端縁には、補強
ベルト9cが固定されている。前記ガイド機構は、図2
に示すように、循環経路のコーナ部に配置したガイドロ
ーラ9Cと、上昇経路部、下降経路部、上側経路部のそ
れぞれに配置したガイドレール9Dとからなる。ガイド
レール9Dは、図8、図9に示すように、コンベアネッ
ト9Aの補強ベルト9cに固定したピン10に係合する
ことにより、コンベアネット9Aの幅方向の位置ずれを
規制するガイド溝9dと、コンベアネット9Aの内周面
に摺動してそのコンベアネット9Aの厚さ方向での振れ
を防止するガイド面9eとを備え、ガイド面9eのうち
移動上手側の端部分9fは、ガイドレール9Dの端面に
ピン10が引っ掛からないようにするため傾斜姿勢に形
成されている。前記駆動ローラ9Bは、ガイドローラ9
Cの一つをモータ11などのアクチュエータに連動させ
ることで構成されており、その周面は、コンベアネット
9Aの目に入り込んで係合するようにゴム等の軟質材S
から構成されている。前記テンション機構は、図2に示
すように、循環経路のうち下側経路部において、テンシ
ョンローラ12でコンベアネット9Aを上方に持ち上げ
てそのコンベアネット9Aにテンションを付与するもの
であり、このテンション付与の作用でコンベアネット9
Aが溶剤吸着シート3から上方に分離して溶剤吸着シー
ト3が自由状態となる。つまり、テンション機構が、コ
ンベアネット9Aを溶剤吸着シート3から上方に分離し
て溶剤吸着シート3を自由状態にする前記分離手段を構
成している。前記吸着手段は、図2、図3及び図11に
示すように、前記循環経路のうち上昇経路部と下降経路
部とで前記溶剤吸着シート3にその溶剤吸着シート3を
厚さ方向に透過するように前記処理対象ガスG1を供給
して溶剤をその溶剤吸着シート3に吸着させる手段であ
って、全体を収容する外装ケース13と、上昇経路部と
下降経路部とにおいて外側から処理対象ガスG1を供給
するように外装ケース13に形成の供給口14aを介し
て外装ケース13内に処理対象ガスG1を供給する吸着
用供給ダクト14と、溶剤吸着シート3の内側に近接位
置して溶剤吸着シート3内から透過ガスを吸引する吸い
込み口15aを有する処理ガスg1の排出ダクト15と
からなる。前記脱着手段は、図2、図3及び図11に示
すように、前記循環経路のうち上側経路部で溶剤吸着シ
ート3にその溶剤吸着シート3を厚さ方向に透過するよ
うに高温の脱着用ガスG2を供給して溶剤吸着シート3
から溶剤を脱着する手段であり、上側経路部において外
側から脱着用ガスを供給する脱着用供給ダクト16と、
その脱着用供給ダクト16の供給口16aに溶剤吸着シ
ート3を挟んで対向位置して透過ガスを吸引する吸い込
み口17aを備えた濃縮ガスg2の排出ダクト、つま
り、濃縮ガスg2を前記最終処理装置2に供給する排出
ダクト17とからなる。そして、脱着用供給ダクト16
の供給口16aをその外郭が吸い込み口17aの外側に
位置する大きさに構成し、供給口16aと溶剤吸着シー
ト3とに隙間d(2mm〜3mm程度で、供給口を溶剤
吸着シート3に接触させない寸法。)を形成し、かつ、
脱着用供給ダクト16内の圧力P3を外装ケース13内
の圧力、つまり、図11に示すように、吸着用供給ダク
ト14内の圧力P1よりも高くして、脱着用供給ダクト
16から隙間dを介して若干の脱着用ガスG2が外装ケ
ース13内に排出されるようにすることにより、溶剤吸
着シート3に供給される脱着用ガスG2中に外装ケース
13内の冷たいガスが混入しないように構成してある。
前記のように、隙間dから脱着用ガスG2を排出するた
めの制御は、脱着用供給ダクト16内の圧力P3と外装
ケース13内の圧力P1とを検出し、その差圧が設定値
となるように脱着用ガスG2の供給圧や濃縮ガスの吸引
圧を制御しても良いが、外装ケース13内には、脱着用
ガスG2の排出量に応じて温度成層が形成される傾向に
あるなど、外装ケース13内の温度状況と脱着用ガスG
2の排出量とを関係付けることができる場合には、温度
に基づいて制御しても良い。因みに、吸着用供給ダクト
14の圧力P1と処理ガスg1の排出ダクト15の圧力
P2と脱着用供給ダクト16の圧力P3と濃縮ガスg2
の排出ダクト17の圧力P4とは、P2<P1<P3、
P4<P3の関係にある。F1は、処理対象ガスG1の
供給ファンであり、F2は、脱着用ガスG2の供給ファ
ンであり、f1は、処理ガスg1の排気ファンであり、
f2は、濃縮ガスg2を最終処理装置2に供給排出する
排気ファンである。また、吸着手段及び脱着手段には、
図12、図13に示すように、吸い込み口15a,17
aの全周において吸引に抗してコンベアネット9A及び
溶剤吸着シート3を支持するシール用の支持板18と、
支持体19とが設けられている。前記支持板18は、吸
い込み口15a,17aのシート移動方向の前後両端に
位置するとともに、シート移動方向に設定長さLを有す
る前後の支持部18Aと、吸い込み口15a,17aの
左右方向の両端に位置するとともに、左右方向に設定長
さLを有する左右の支持部18Bとからなり、各支持部
18A,18Bには、溶剤吸着シート3側からガスをチ
ャンバ22内に吸引するための丸孔状の複数の吸引孔2
0a,20bが分散形成されている。つまり、設定長さ
Lは、図12に示すように、吸い込みに伴う溶剤吸着シ
ート3の変形でその溶剤吸着シート3に生じた浮き上が
り部Aに連なる部分Bまでを支持部18A,18Bで支
持できる長さである。また、図11に示すように、吸引
孔20a,20bから吸引したガスは、処理対象ガスG
1として回収するようになっている。前記支持体19
は、図12、図13に示すように、複数のガイド板19
Aをその板厚方向が左右方向となるように左右方向に間
隔を隔てて配置し、それらガイド板19Aを移動方向に
間隔を隔てて位置する複数の丸棒利用の連結材19Bで
連結固定して構成されており、連結材19Bの上端はガ
イド板19Aの上端よりも設定距離(1mm程度)低く
配置されている。前記位置規制手段は、図2、図14に
示すように、下側経路部の左右両脇に、コンベアネット
9Aから下方に離脱して自由状態にある溶剤吸着シート
3の左右の端縁に摺動することにより、溶剤吸着シート
3の幅方向での位置を規制する規制板21を設けて構成
されている。
【0013】〔別実施例〕上記実施例では、循環経路と
して、上昇経路部と下降経路部と上側経路部と下側経路
部とを備えたものを示したが、循環経路の形状は適宜変
更自在である。上記実施例では、吸着を循環経路の2箇
所で、脱着を1箇所で行うものを示したが、それらの数
は不問である。上記実施例では、コンベアネット9Aと
して、編織したものを示したが、コンベアネット9A
は、図15に示すように、縦横のネット材9a,9bを
同一平面内に位置する格子状に合成樹脂から一体成形さ
れたものであっても良い。
【0014】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶剤処理設備の概念構成を示すブロック図
【図2】溶剤処理装置の切り欠き正面図
【図3】溶剤処理装置の切り欠き側面図
【図4】溶剤吸着シート要部の断面図
【図5】溶剤吸着シートの接続部の平面図
【図6】溶剤吸着シートの接続部の断面図
【図7】コンベアネット要部の平面図
【図8】コンベアネットとガイド機構との関係を示す要
部の横断正面図
【図9】コンベアネットとガイド機構との関係を示す要
部の縦断正面図
【図10】移動手段要部の拡大正面図
【図11】溶剤処理装置の概略構成図
【図12】吸い込み口部を示す要部の拡大縦断正面図
【図13】吸い込み口部を示す要部の平面図
【図14】位置規制手段を示す要部の拡大側面図
【図15】別の実施例を示す要部の斜視図
【図16】従来例を示す概略正面図
【符号の説明】
3 溶剤吸着シート G1 処理対象ガス G2 脱着用ガス 3A フェルト 3B 補強体 3C 第2の補強体 S 軟質材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭のフェルト(3A)を主体とする
    輪状の溶剤吸着シート(3)を循環経路に沿うように巻
    きかけて回転移動させる移動手段と、前記循環経路の設
    定箇所でその溶剤吸着シート(3)内を厚さ方向に透過
    するように溶剤含有の処理対象ガス(G1)を供給して
    溶剤を溶剤吸着シート(3)に吸着させる吸着手段と、
    前記設定箇所とは異なる別の設定箇所で溶剤吸着シート
    (3)内を厚さ方向に透過するように脱着用ガス(G
    2)を供給して溶剤吸着シート(3)から溶剤を脱着す
    る脱着手段とを設け、前記移動手段を構成するに、溶剤
    吸着シート(3)の内周面を重ねた状態でその溶剤吸着
    シート(3)を移送するネットコンベア(9)を設けて
    ある溶剤処理装置。
  2. 【請求項2】前記ネットコンベア(9)のコンベアネッ
    ト(9A)を、平帯状のネット材を編織して構成してあ
    る請求項1記載の溶剤処理装置。
  3. 【請求項3】前記ネットコンベア(9)のコンベアネッ
    ト(9A)を駆動する駆動ローラ(9B)として、周面
    が軟質材(S)で構成されたものを設けてある請求項1
    又は2記載の溶剤処理装置。
  4. 【請求項4】前記循環経路を、上昇経路部と下降経路部
    とを有する状態に形成し、その下降経路部から上昇経路
    部へのターン経路部に、ネットコンベア(9)のコンベ
    アネット(9A)を溶剤吸着シート(3)から上方に離
    して溶剤吸着シート(3)を自由状態にする分離手段を
    設けてある請求項1、2又は3記載の溶剤処理装置。
  5. 【請求項5】前記溶剤吸着シート(3)のうちターン経
    路部でコンベアネット(9A)から分離した自由状態部
    分の幅方向位置を規制する位置規制手段を設けてある請
    求項4記載の溶剤処理装置。
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