JPH05276928A - 細胞培養試験用基材およびその製造方法 - Google Patents

細胞培養試験用基材およびその製造方法

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JPH05276928A
JPH05276928A JP4095919A JP9591992A JPH05276928A JP H05276928 A JPH05276928 A JP H05276928A JP 4095919 A JP4095919 A JP 4095919A JP 9591992 A JP9591992 A JP 9591992A JP H05276928 A JPH05276928 A JP H05276928A
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JP
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cell
substrate
cells
adhesive substance
culture test
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JP4095919A
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English (en)
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Manabu Yamazaki
学 山崎
Yuichi Mori
森  有一
Michiko Tsuchida
路子 土田
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WR Grace and Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】細胞の接着性、増殖性、機能維持、分化の発現
など、その使用目的にあった培養基材を簡単に判定でき
る細胞培養試験用基材およびその製造方法を提供するこ
と。 【構成】細胞接着性物質が基材表面に固定されている細
胞培養試験用基材であって、該細胞接着性物質が架橋さ
れており、その架橋の程度が異なる複数の部分からなる
ことを特徴とする細胞培養試験用基材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞培養に適した基材
を簡単に判定することができる細胞培養試験用基材に関
する。さらに詳しくは、接着依存性細胞の接着、増殖
性、機能性維持や、分化の誘発など、その使用目的に適
した細胞培養用基材を簡単に判定することができる細胞
培養試験用基材に関する。また、本発明はかかる細胞培
養試験用基材の製造方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】近年、細胞培養技術は、1)細胞産生物
の生産、2)生体病変部や欠損部へ補綴材、3)薬剤の
毒性および薬理活性評価用のシュミレーターなどの分野
で、研究、応用されている。
【0003】今日、細胞培養に用いられている動物細胞
は2種類に分類される。即ち、接着非依存性細胞(anch
orage independent cells)と接着依存性細胞(anchora
gedependent cells)である。前者の接着非依存性細胞
は、生存、増殖、物質産生能などの細胞機能が細胞の足
場である基質が存在しなくても正常に発現される細胞で
ある。典型的な例としてミエローマ細胞、リンホーマ細
胞などから形成されるハイブリドーマが挙げられる。
【0004】一方、後者の接着依存性細胞は、生存、増
殖、物質産生などの細胞機能が細胞の足場である基質が
存在しなくては正常に発現されない細胞である。初代培
養細胞をはじめとした正常二倍体細胞の大部分は接着依
存性である。さらに無限に増殖可能な樹立細胞系にも、
接着依存性を示すものが数多く知られている。例えば、
インターフェロン、インターロイキンなどのサイトカイ
ン類、エリスロポエチン、コロニー・ステュミレイティ
ング・ファクター、トロンボボエチンなどの各種分化成
長ホルモン、ティッシュ・プラスミノーゲン・アクチべ
ーター、ワクチンなどの有用な細胞産生物を生産する樹
立細胞系にも接着依存性を示すものが多く知られてい
る。従って、これら有用な細胞産生物の生産のためにも
接着依存性細胞の培養技術の確立は非常に重要である。
【0005】一般に細胞を物質生産のために利用する場
合、細胞の機能を生体内の状態と同じレベルで維持し、
かつ高密度に培養することが重要である。このような分
野において、従来接着依存性動物細胞の培養は、ガラ
ス、プラスチック製のシャーレ、試験管、培養ビンなど
を用いて行われてきた。また、最近マイクロキャリアや
中空糸を培養用基材として用い、より高密度の培養や長
期の培養を行う試みがなされつつある。接着依存性動物
細胞を培養用基材上に接着させ、増殖させるには、該基
材表面と細胞の接着性が良好であるとともに、接着した
細胞の形態、配列が、細胞の伸展、増殖に適した状態に
なっていることが必要である。しかしながら、従来から
細胞培養用基材として用いられている高分子材料、特に
ポリスチレンは、賦形性、耐久性、透明性、無毒性、低
コストの点で優れているものの、ポリスチレン表面は疎
水性のため、上記接着性の点に関して不適当であった。
そこで、ポリスチレン表面をコロナ放電処理することに
より表面にのみ陰イオン基を導入し、親水性を付与する
ことにより、細胞の接着性、増殖性を改善した細胞培養
用基材が開発され広く用いられている。しかしながら、
この程度の改善では細胞のもつ特異的な機能を発現さ
せ、かつ、それを長期間維持させることは困難であるこ
とがわかってきた。そこで最近では、培養細胞の環境
を、細胞が生体内に存在するときと同じ状態にできるだ
け近づけることにより、細胞の接着、増殖、分化、物質
産生などの機能を向上させる研究が行われて来た。すな
わち、細胞外マトリクスを培養用基材表面に固定する方
法である。
【0006】ところで、生体内での細胞外マトリクスの
機能についての研究が近年急速に進み、従来から知られ
ていた細胞を支持、固定化するという単純な受動的な役
割だけではなく、細胞の機能を能動的に制御する機能も
有していることがわかってきた。
【0007】例えば、細胞外マトリクスの主成分である
コラーゲンには10種以上あることが発見されており、
それぞれのコラーゲンは決まった細胞によって合成さ
れ、一定の組織に局在し、そして異なる細胞機能を制御
する役割を有していることが解明されつつある。また、
同一タイプのコラーゲンでも、高次構造の変性あるいは
種々の官能基を導入するなどの改質によっても細胞機能
に影響があることがわかってきた。
【0008】また、細胞外マトリクスの第2成分であ
る、フィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチン、プ
ロテオグリカン、グリコサミノグリカンなどは、コラー
ゲンおよび細胞膜に対して特異的な結合部位を有し、細
胞の基質への接着に重要な役割を果たしている。なお、
接着性タンパク質はそれぞれ一定種の細胞、コラーゲン
に特異的に結合する。例えば、フィブロネクチンは主と
して繊維芽細胞およびI型、II型のコラーゲンに、ラミ
ニンは上皮、内皮細胞およびIV型コラーゲンにそれぞれ
特有の結合部位を有している。さらに上記の細胞外マト
リクス以外にも細胞機能に大きな影響を与えるものとし
てコラーゲンの熱変性物であるゼラチン、細胞膜上の糖
鎖に特異的に結合するレクチン、フィブロネクチンなど
の結合部位である接着性オリゴペプチド、イガイから得
られた細胞接着タンパク質などが知られている。上記の
細胞の接着、増殖を制御する因子を培養用基材に組合せ
た例としては、コラーゲンをコートした培養用基材(K.
Yoshizato.et al..Annals ofPlastic Surgery. Vol.13,
No.1, 1984年7月)、またフィブロネクチンをコートし
た基材(F.Grinnell.Expl.Cell Res.,102.51.1984)、
またイガイから得られた細胞接着蛋白をコートした基材
(P.T.Picciano.et al, In Vitro Cellularand Develop
mental Biology 22(3).24A.1986)などが開発され、細
胞接着および増殖効果の改善が認められている。さらに
は生体由来の細胞外マトリクスの代わりにガラクトース
末端を側鎖に有するポリスチレンをコートした基材(赤
池敏宏ら、人工臓器、17,227, 1988)が開発され、特に
肝細胞の接着性の向上および生存性の維持が認められて
いる。従来、培養条件が厳しく接着が非常に困難であっ
た細胞も上記したような方法で表面を処理した培養用基
材を用いることによって培養が可能になってきた。以上
述べてきた基材のほとんどが、既に市販されており、こ
の他にも現在研究が進行しているものもいくつかある。
しかしながら、これらの基材を用いても生体内で細胞が
持っていた機能をすべて再現することは不可能であっ
た。その原因の一つは、前にも述べたように、細胞外マ
トリクスの高次構造の変化である。コラーゲンを例にと
ると、生体内と同じ高次構造を形成させたときと、熱や
紫外線で変性させて、高次構造形成能を消失させた場合
では、細胞の形態や増殖能に差があることが知られてい
る(K. Toshizato, et al.,Biomedical Research, Vol
9, No.1, 33-45, 1988)。しかしながら、基材表面に固
定された細胞外マトリクスの高次構造を生体外で再現す
ることは必ずしも容易なことではないし、それを再現性
良く実現することはかなり困難なことである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、現在
ではさまざまな分野で細胞培養技術が利用されており、
その使用目的もまた多岐にわたっている。しかしなが
ら、一般に細胞はその増殖性が抑制されると機能の発現
・分化の誘発が促進され、逆に増殖性が促進されると機
能の発現・分化の誘発が抑制されるといわれている。こ
のため、細胞の増殖性と機能の発現・分化の誘発性を同
時に満足させることは困難であった。そこで、使用目的
にあった適切な培養用基材を選択し、細胞の増殖性と機
能の発現・分化の誘発性を程よく制御することが、細胞
培養技術を有効に利用するための重要なポイントの1つ
となっている。しかし、たとえ使用目的が同じであって
も、用いる細胞の種類が異なればその細胞にとって最適
な条件も異なるのが一般的であるため、最も適した細胞
培養用基材を選択することは容易なことではない。
【0010】現在までのところ、用いようとしている個
々の細胞にとって最適な細胞培養用基材を簡単に判定で
きる細胞培養試験用基材は開発されるに至っていない。
そこで、本発明は、細胞の接着性、増殖性、機能維持、
分化の発現など、その使用目的にあった培養基材を簡単
に判定できる細胞培養試験用基材およびその製造方法を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、細胞接着性
物質が基材表面に固定されている細胞培養試験用基材で
あって、該細胞接着性物質が架橋されており、その架橋
の程度が異なる複数の部分からなることを特徴とする細
胞培養試験用基材を提供することにより達成された。
【0012】本発明の細胞培養試験用基材に使用する細
胞接着性物質は、試料として与えられた細胞を変性する
ことなく接着する物質を1以上含み、コラーゲンを50
%以上含有するものを意味する。細胞を変性させること
なく接着する物質としては、コラーゲン、フィブロネク
チン、ビトロネクチン、ラミニン、プロテオグリカン、
グリコサミノグリカンなどの細胞外マトリクス成分や、
コラーゲンの熱変性物質であるゼラチンやその他コラー
ゲン誘導体、細胞膜上の糖鎖に親和力を有するコンカナ
バリンAなどのレクチン、イガイ由来の接着タンパク
質、フィブロネクチンと細胞との接着部位に対応する接
着性オリゴペプチドなどがあげられる。一方、細胞接着
性物質に含有させることができるコラーゲンの種類は、
特に限定されない。したがって各種タイプのコラーゲン
やそれらの混合物を広く用いることができる。
【0013】本発明の細胞培養試験用基材に固定されて
いる細胞接着性物質の量は、培養する細胞に適した量で
あれば特に限定されない。しかしながら、一般に細胞接
着性物質は非常に高価であるため、経済性を考慮すれば
固定量は1,000μg/cm2以下にするのが好ましい。
【0014】本発明の細胞培養試験用基材は、細胞接着
性物質の架橋の程度が異なる複数の部分からなることが
必要である。上述したように、細胞の形態や増殖性は細
胞外マトリクスの高次構造を変えることによってコント
ロールすることができる。その細胞外マトリクスの高次
構造は、細胞接着性物質に適度の架橋を導入することに
よって制御することができる。このため、本発明の細胞
培養試験用基材のように架橋の程度が異なる複数の部分
を基材表面に設けておき、その上で細胞の培養試験を行
えば、使用目的にあった高次構造を簡単に選択すること
ができる。
【0015】本明細書において使用する「複数の部分」
という言葉は、2箇所以上であればよいが、通常は2〜
10箇所程度であるのが望ましい。さらに望ましいの
は、4〜8箇所である。
【0016】本発明の細胞培養試験用基材の製造方法は
特に制限されないが、本発明の製造方法にしたがえば効
率良く製造することができる。本発明の製造方法は、
(a)培養試験用基材表面に細胞接着性物質を含有する
層を形成する工程、(b)架橋の程度が異なる複数の部
分を形成するように、細胞接着性物質に架橋を導入する
工程からなる。
【0017】工程(a)では、キャスト法やディップ法
など層を形成させることができる方法を広く採用するこ
とができる。
【0018】工程(b)において細胞接着性物質に架橋
を導入する方法は特に限定されるものではなく、一般に
用いられる方法であればいかなる方法を用いてもよい。
例えば、グルタールアルデヒドなどを用いた化学処理
法、オゾン処理法、紫外線処理法、電子線処理法、プラ
ズマ処理法などを用いることができるが、操作の簡便さ
および経済性を考慮すれば、化学処理法や紫外線処理法
が適していると思われる。また、細胞接着性物質の架橋
の程度が異なる複数の部分を形成させるには、紫外線処
理法、電子線処理法、プラズマ処理法が適していると思
われる。
【0019】紫外線処理法を用いる場合には、紫外線が
透過する部分と透過しない部分から構成されるマスク
(図1)を用いて、紫外線を照射し架橋を導入すること
が望ましい。また、紫外線透過部分の透過率が異なる複
数の部分からなる単一のマスクを用いてもよい(図
2)。前者のマスクを使用する場合は、紫外線が透過す
る位置や紫外線の照射量を変えて紫外線照射を複数回行
う。また、後者のマスクを使用する場合は紫外線照射は
1回で済ませてもよいし、紫外線強度を変えながら複数
回行ってもよい。紫外線の照射量(照射強度×照射時
間)は、細胞接着性物質の種類によって異なるが、コラ
ーゲンを例にとると254nmの紫外線で2,500J/m2
以上の照射量があればほぼ100%架橋が導入されると
考えられる。したがって、2,500J/m2以下で照射量
をコントロールすることによって、細胞接着性物質の架
橋の程度を調節することができる。なお、紫外線の波長
は、使用する細胞接着性物質を架橋するのに適した波長
を用いるのが望ましい。
【0020】以上述べたように、本発明の細胞培養試験
用基材は、固定されている細胞接着性物質の架橋の程度
が異なる複数の部分からなるために、細胞の接着性、増
殖性、特異的な機能維持、分化の誘発など、その使用目
的に最も適した基材の条件を簡単に判定できるところに
特徴がある。さらに、本発明の細胞培養試験用基材の製
造方法によれば、性能が安定した細胞培養試験用基材を
簡便かつ経済的な方法で製造することができる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的
に説明する。本発明の範囲は特許請求の範囲により特定
されるものであり、以下の実施例により限定されるもの
ではない。実施例1 1.コートディッシュの作製 0.5%(w/v)牛真皮ペプシン可溶化タイプIコラ
ーゲン溶液(pH3)(KOKEN CELLGEN I-PC,(株)高
研製)400μlを、市販のφ35mmディッシュ(Falc
on #3001、日本ベクトン製)に分注し、すばやく均一に
のばしてコーティングした。その後、10℃のインキュ
ベーター内で約5時間乾燥させた。乾燥後のコート層の
厚みは約2μmであった。また、ディッシュには、あら
かじめ面積が均等に4分割になるような線を引いておい
た。
【0022】次に、図1に示すような4分割した中の1
つの場所だけが紫外線が透過できるような窓をもったマ
スクをつくり、これをディッシュにのせて紫外線照射装
置(XX−100、波長254nm、フナコシ製)で紫外
線を照射した。同様の操作を、マスクの紫外線透過部分
の位置を変えて3回行った。このときの紫外線照射エネ
ルギーは表1に示す値とした。以上のような手順で作製
したディッシュを用い、以下に示すような実験を行っ
た。
【0023】 表 1 ───────────────────────────────── エリアNo. 紫外線照射量(J/m2) ───────────────────────────────── 1 0 2 1,000 3 2,000 4 5,000 ───────────────────────────────── 2.培養評価実験 ヒト真皮由来の線維芽細胞をダルベッコ改変イーグル培
地(D−MEM、10%牛胎児血清含有、GIBCO社
製)を用いて、最終細胞濃度が、5×104細胞/ml
になるように細胞分散液を作成し、37℃に保温した。
この細胞分散液の2mlを上記の方法で作製したサンプ
ルディッシュに注入した。これを素早く37℃の炭酸ガ
スインキュベーター(5%炭酸ガス)に移し培養した。
また、対照としてコラーゲンをコートしていないディッ
シュも一緒に評価した。なお、培養液の交換は、1週間
に2回の割合で行った。
【0024】細胞の形態および接着性、増殖性を位相差
顕微鏡下で観察した。細胞播種後2時間目では、対照
(コラーゲンをコートしていないディッシュ)、エリア
3(紫外線を2,000J/m2照射した部分)、エリア
4(紫外線を5,000J/m2照射した部分)では細胞
は伸展を開始しているにもかかわらず、エリア1(紫外
線未照射部分)、エリア2(紫外線を1,000J/m2
照射した部分)では細胞はまったく伸展してなかった。
その後、培養日数1日目、2日目、4日目にも観察を行
った。エリア1、2、3、4の順に細胞の増殖性が良く
なっていた。エリア4と対照は、ほぼ同じレベルであっ
た。培養日数7日目では、やはりエリア1、2、3、4
の順に細胞の増殖性がよく、エリア4と対照は100%
コンフルエントに達していた。しかしながら、エリア1
では30%コンフルエント程度、エリア2では60%コ
ンフルエント程度の増殖性であった(図3)。
【0025】一般に、細胞の増殖性が抑制されると細胞
の機能発現、分化の誘発が促進されるといわれている。
したがって、この実験に用いた細胞では、機能または分
化の発現を細胞培養の目的とするならば、エリア1また
はエリア2の基材が適しており、増殖を目的とするなら
ば、エリア4の基材が適していると簡単に判定すること
ができた。
【0026】
【発明の効果】本発明の細胞培養試験用基材は、基材表
面に固定されている細胞接着性物質の架橋の程度が異な
る複数の部分を有しているため、細胞の接着性、増殖
性、特異的な機能維持、分化の誘発など、その使用目的
に最も適した基材の条件を簡単に判定することができ
る。さらに本発明の細胞培養試験用基材の製造方法によ
れば、性能が安定した細胞培養試験用基材を簡便かつ経
済的な方法で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の一実施態様において使用す
る紫外線透過マスクを示したものである。 a:紫外線透過部分 b:紫外線不透過部分
【図2】本発明の製造方法の一実施態様において使用す
る紫外線透過マスクを示したものである。 c:紫外線不透過部分 d:紫外線透過率20%部分 e:紫外線透過率40%部分 f:紫外線透過率100%部分
【図3】細胞播種2時間後、1日後、2日後、4日後、
7日後の細胞の接着性、増殖性およびそのときの細胞の
形態を示す位相差顕微鏡写真である。 Blank :対照(コラーゲンをコートしていないディッ
シュ) Area 1:紫外線未照射部分 Area 2:紫外線を1,000J/m2照射した部分 Area 3:紫外線を2,000J/m2照射した部分 Area 4:紫外線を5,000J/m2照射した部分 2 hours:細胞播種2時間後 Day 1:細胞播種1日後 Day 2:細胞播種2日後 Day 4:細胞播種4日後 Day 7:細胞播種7日後
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土田 路子 神奈川県厚木市戸室671−1 SATII I ATSUGI 306

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細胞接着性物質が基材表面に固定されてい
    る細胞培養試験用基材であって、該細胞接着性物質が架
    橋されており、その架橋の程度が異なる複数の部分から
    なることを特徴とする細胞培養試験用基材。
  2. 【請求項2】(a)培養試験用基材表面に細胞接着性物
    質を含有する層を形成する工程、(b)架橋の程度が異
    なる複数の部分を形成するように、細胞接着性物質に架
    橋を導入する工程からなる請求項1の細胞培養試験用基
    材の製造方法。
JP4095919A 1992-03-23 1992-03-23 細胞培養試験用基材およびその製造方法 Pending JPH05276928A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210084329A (ko) * 2019-12-27 2021-07-07 주식회사 아모라이프사이언스 세포배양기재 및 이의 제조방법

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210084329A (ko) * 2019-12-27 2021-07-07 주식회사 아모라이프사이언스 세포배양기재 및 이의 제조방법

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