JPH0527589B2 - - Google Patents
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- JPH0527589B2 JPH0527589B2 JP62257638A JP25763887A JPH0527589B2 JP H0527589 B2 JPH0527589 B2 JP H0527589B2 JP 62257638 A JP62257638 A JP 62257638A JP 25763887 A JP25763887 A JP 25763887A JP H0527589 B2 JPH0527589 B2 JP H0527589B2
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Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は炭素と炭化ホウ素との焼結体の製造方
法、及びこの方法で得られた焼結体を軽水炉型原
子力発電装置の制御棒として、あるいは高温ガス
炉型原子力発電装置の中性子吸収材料として用い
た原子力発電装置用デバイスに関する。 〔従来の技術〕 従来炭素−炭化ホウ素焼結体自体は知られたも
のであつて、特開昭62−108767にその製造方法が
提案されている。この方法はピツチ類を加熱処理
して生成する光学的異方性小球体をピツチマトリ
クス中から分離して得られる炭素質粉末を原料と
し、該原料粉末100重量部に対して炭化ホウ素を
1〜50重量部の割合で添加・混合した後、該混合
粉末を成型・焼成して等方性・高密度・高強度炭
素材料を製造する方法である。そしてこの方法に
於いては、炭化ホウ素は最高33重量%の含有率で
あり、これ以上の炭化ホウ素を含有せしめると急
激に嵩比重や強度が低下するものである。 而して一方軽水炉型原子力発電用の制御棒は、
従来ステンレス製の細管に炭化ホウ素粉末を充填
したものが使用されているが、細管は直径3〜5
mm、長さ3.5〜4mと細長い形状のために充填の
作業性が極めて悪く、また均一に充填することが
困難であつた。そのため常に均質な制御棒を確実
に得られ作業性に優れ、かつ経済性のある炭化ホ
ウ素棒状焼結体が求められていた。 このような用途に上記公知の炭素−炭化ホウ素
焼結体を使用する場合には、出来るだけ炭化ホウ
素の含有量が高いことが望ましいが、炭化ホウ素
の含有量を高くすると上記で説明した通り嵩比重
や強度が低下する難点があつた。 また一方高温ガス炉型原子力発電装置の中性子
吸収用部材通常ペレツト状部材として炭化ホウ素
焼結体が好適であることも知られているが、この
中性子吸収用ペレツト状部材としては中性子を吸
収する能力を有することは勿論のこと、炉心に投
入される際に加えられる衝撃力に充分耐え粉化や
割れなどが生じないような強度が必要とされ、ま
たペレツト同志が凝集せずにころがり性を有する
ことが要求される。 しかし乍ら上記特公昭62−108767号の焼結体で
は炭化ホウ素の含有量は33重量%以下であり、中
性子吸収能力が極めて低という難点の他に、炭化
ホウ素−炭素焼結体を製造中に炭化ホウ素がある
程度分解して酸化ホウ素(B2O3)になつて混入
され、このB2O3は上記ころがり性を損うという
難点があつた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明が解決しようとする問題点はこの種従来
の炭素−炭化ホウ素焼結体の上記各難点を解決す
ることである。 〔問題点を解決するための手段〕 この問題点はピツチ類から製造される炭素質光
学的異方性小球体を微粉砕し、これに炭化ホウ素
及び人造黒鉛を加えて混合し、次いで成形、予備
焼成、減圧乃至真空下での高温焼成を順次行うこ
とにより解決される。 〔発明の作用並びに構成〕 本発明法に於いては炭素−炭化ホウ素焼結体を
製造するに際し、 (イ) 光学的異方性炭素質小球体を、更に粉砕して
好ましくは10μm以下の粒径となるようにして
から使用すること、 (ロ) 成形品を高温焼成するに際し、減圧下乃至真
空下でこれを行うこと、及び (ハ) 別途に人造黒鉛を成形助剤として使用するこ
と を大きな特徴としている。 このように上記(イ)〜(ハ)の3つの手段を併用する
ことにより、炭化ホウ素の含有量を33重量%以上
となしても、何等嵩比重や強度が低下せず優れた
物性を有する等方性、高密度、高強度にしてしか
も耐酸化性の優れた炭素−炭化ホウ素焼結体が収
得出来る。更には中性子吸収能力が極めて大きく
且つ上記ころがり性の優れた炭素−炭化ホウ素焼
結体が収得出来、この結果たとえば軽水炉型原子
力発電装置の制御棒として、あるいは高温ガス炉
型原子力発電装置の中性子吸収用部材として極め
て有効に使用出来るに至るものである。 本発明に於いて使用する光学的異方性炭素質小
球体は、これを更に粉砕後/微砕前=0.4〜0.6程
度の粒径に粉砕して使用する。粉砕前の該小球体
自体は従来公知のものが使用され、たとえばコー
ルタールピツチ、石油系重質油等を350〜500℃で
熱処理した際に生成する光学的異方性小球体を溶
剤分別あるいは遠心分離などの方法により分取し
たものが使用される。本発明に於いてこれを粉砕
して使用するが、この際の粉砕方法は特に限定さ
れず、たとえば衝撃粉砕、摩擦粉砕、ジエツト粉
砕等適宜な手段で行えば良い。粉砕度を細かくす
るほど緻密で高比重の焼結体が得られるが、あま
りに緻密化すると10Bが中性子を吸収する際に発
生するヘリウムの放出孔が少なくなるため、平均
粒子径比を粉砕後/粉砕前=0.4〜0.6程度にする
ことが望ましい。この粉砕範囲に適合する一つの
手段は、粉砕後の粒径を2〜10μm、好ましくは
2〜8μm以下、特に好ましくは2〜5μm以下に
粉砕する手段である。ここで光学的異方性小球体
を粉砕せず、そのまま用いた場合は炭化ホウ素の
割合が増大するに従い焼結体の嵩比重、強度が急
激に低下する。特に炭化ホウ素が33重量%を越え
るとこの傾向は顕著となる。 この粉砕された小球体は、次いで炭化ホウ素及
び人造黒鉛と共に充分に混合される。この際の配
合割合は通常小球体45〜90重量%、炭化ホウ素3
〜55重量%、人造黒鉛3〜9重量%程度から全体
が100重量%となるように配合する。この際使用
する人造黒鉛は成形時の成形性改善のために使用
され、出来るだけ高純度の人造黒鉛を使用する。
次いで該混合粉末を常法に従つて、たとえば油圧
プレス等のプレスにて0.5〜2.0t/cm2程度の圧力で
成形する。成形物はコークス粉末中で不活性ガス
雰囲気下にてたとえば昇温速度7〜10℃/Hrで
1000℃程度まで焼温し、揮発分を除去した後、不
活性ガス雰囲気を保ちながら適当温度たとえば
200℃前後まで冷却して予備焼成品とする。 予備焼成品は真空加熱炉中にて減圧下好ましく
は20Torr以下特に好ましくは5Torr以下の減圧
下乃至真空下で2000℃以上まで熱処理して焼結体
とする。この際この焼成を常圧下で行うと炭化ホ
ウ素の一部がB2O3に変質する。B2O3が存在する
と空気中の水分を吸収し潮解性を有するため
B2O3のホウ酸化が起こり、焼結体表面に粘着性
を生じ、焼結体間の凝集という望ましくない問題
が生じる。本発明に於いては酸素を出来るだけし
や断した減圧下乃至真空下で行われるためほとん
どB2O3を生じることはなく、たとえ生じたとし
ても、この微量のB2O3はその沸点が1500℃以上
であるため上記焼成工程で除去できるものであ
る。 また同時に光学的異方性小球体炭化物も減圧乃
至真空下処理により脱ガスが進行し、純度の高い
焼結体を得ることができる。 かくして得られる炭素−炭化ホウ素焼結体は高
強度、高密度、等方性であり、しかも耐酸化性に
も優れたものとなる。加えて、炭化ホウ素を多量
たとえば33重量%以上含有するものでは、炭化ホ
ウ素を多量含有しているにもかかわらず、高強
度、高密度であると共に、中性子吸収能力が大き
く、しかもB2O3に基づく潮解性も殆どなく凝集
性の極めて少ない焼結体となる。一方炭化ホウ素
が少量たとえば33重量%以下の含有量のものでも
特公昭62−108767号の焼結体に比し、B2O3の含
有量の点で全く異なり、上記従来品の如くB2O3
を多量含有するものではない。 従つて本発明製造法で得られた焼結体は軽水炉
型原子力発電装置の制御棒として極めて好適であ
り、また高温ガス炉型原子力発電装置の中性子吸
収用部材として極めて有効に使用される。なお本
発明の焼結体は上記した優れた特性を有するの
で、上記用途以外にも使用出来ることは勿論であ
る。 〔実施例〕 実施例 1 川崎製鉄(株)製の光学的異方性小球体「KMFC」
(平均粒子径11μm)をジエツト粉砕して平均粒
子径6μmに調整したものを57重量%、人造黒鉛
電極粉(平均粒子径10μm)3重量%及び電気化
学工業(株)製「炭化ホウ素F−1」(平均粒子径4μ
m)を40重量%の割合で配合し、十分に混合した
後、油圧プレスにて成形圧2ton/cm2で成形した。
成形体はコークス粉末中に詰め、アルゴン雰囲気
下で1000℃まで7℃/Hrで焼成し、アルゴン雰
囲気を保ちながら200℃まで冷却し、予備焼成品
とした。この予備焼成品を真空加熱炉にて5Torr
下で2000℃で熱処理して、炭素−炭化ホウ素複合
焼結体とした。 比較例 1 実施例1で用いた光学的異方性小球体
「KMFC」を粉砕せずそのまま用いて実施例1と
同じ配合、工程で予備焼成した。この予備焼成品
を真空加熱炉にて5Torr下で2000℃まで熱処理し
て炭素−炭化ホウ素複合体焼結体とした。 比較例 2 実施例1で得られた予備焼成品を開放型の抵抗
式加熱炉にてコークス粉末中に埋めて2000℃まで
処理して炭素−炭化ホウ素複合焼結体を得た。 実施例1、比較例1及び2の配合および工程を
第1表に、得られた炭素/炭化ホウ素複合焼結体
の物性を第2表に示した。
法、及びこの方法で得られた焼結体を軽水炉型原
子力発電装置の制御棒として、あるいは高温ガス
炉型原子力発電装置の中性子吸収材料として用い
た原子力発電装置用デバイスに関する。 〔従来の技術〕 従来炭素−炭化ホウ素焼結体自体は知られたも
のであつて、特開昭62−108767にその製造方法が
提案されている。この方法はピツチ類を加熱処理
して生成する光学的異方性小球体をピツチマトリ
クス中から分離して得られる炭素質粉末を原料と
し、該原料粉末100重量部に対して炭化ホウ素を
1〜50重量部の割合で添加・混合した後、該混合
粉末を成型・焼成して等方性・高密度・高強度炭
素材料を製造する方法である。そしてこの方法に
於いては、炭化ホウ素は最高33重量%の含有率で
あり、これ以上の炭化ホウ素を含有せしめると急
激に嵩比重や強度が低下するものである。 而して一方軽水炉型原子力発電用の制御棒は、
従来ステンレス製の細管に炭化ホウ素粉末を充填
したものが使用されているが、細管は直径3〜5
mm、長さ3.5〜4mと細長い形状のために充填の
作業性が極めて悪く、また均一に充填することが
困難であつた。そのため常に均質な制御棒を確実
に得られ作業性に優れ、かつ経済性のある炭化ホ
ウ素棒状焼結体が求められていた。 このような用途に上記公知の炭素−炭化ホウ素
焼結体を使用する場合には、出来るだけ炭化ホウ
素の含有量が高いことが望ましいが、炭化ホウ素
の含有量を高くすると上記で説明した通り嵩比重
や強度が低下する難点があつた。 また一方高温ガス炉型原子力発電装置の中性子
吸収用部材通常ペレツト状部材として炭化ホウ素
焼結体が好適であることも知られているが、この
中性子吸収用ペレツト状部材としては中性子を吸
収する能力を有することは勿論のこと、炉心に投
入される際に加えられる衝撃力に充分耐え粉化や
割れなどが生じないような強度が必要とされ、ま
たペレツト同志が凝集せずにころがり性を有する
ことが要求される。 しかし乍ら上記特公昭62−108767号の焼結体で
は炭化ホウ素の含有量は33重量%以下であり、中
性子吸収能力が極めて低という難点の他に、炭化
ホウ素−炭素焼結体を製造中に炭化ホウ素がある
程度分解して酸化ホウ素(B2O3)になつて混入
され、このB2O3は上記ころがり性を損うという
難点があつた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明が解決しようとする問題点はこの種従来
の炭素−炭化ホウ素焼結体の上記各難点を解決す
ることである。 〔問題点を解決するための手段〕 この問題点はピツチ類から製造される炭素質光
学的異方性小球体を微粉砕し、これに炭化ホウ素
及び人造黒鉛を加えて混合し、次いで成形、予備
焼成、減圧乃至真空下での高温焼成を順次行うこ
とにより解決される。 〔発明の作用並びに構成〕 本発明法に於いては炭素−炭化ホウ素焼結体を
製造するに際し、 (イ) 光学的異方性炭素質小球体を、更に粉砕して
好ましくは10μm以下の粒径となるようにして
から使用すること、 (ロ) 成形品を高温焼成するに際し、減圧下乃至真
空下でこれを行うこと、及び (ハ) 別途に人造黒鉛を成形助剤として使用するこ
と を大きな特徴としている。 このように上記(イ)〜(ハ)の3つの手段を併用する
ことにより、炭化ホウ素の含有量を33重量%以上
となしても、何等嵩比重や強度が低下せず優れた
物性を有する等方性、高密度、高強度にしてしか
も耐酸化性の優れた炭素−炭化ホウ素焼結体が収
得出来る。更には中性子吸収能力が極めて大きく
且つ上記ころがり性の優れた炭素−炭化ホウ素焼
結体が収得出来、この結果たとえば軽水炉型原子
力発電装置の制御棒として、あるいは高温ガス炉
型原子力発電装置の中性子吸収用部材として極め
て有効に使用出来るに至るものである。 本発明に於いて使用する光学的異方性炭素質小
球体は、これを更に粉砕後/微砕前=0.4〜0.6程
度の粒径に粉砕して使用する。粉砕前の該小球体
自体は従来公知のものが使用され、たとえばコー
ルタールピツチ、石油系重質油等を350〜500℃で
熱処理した際に生成する光学的異方性小球体を溶
剤分別あるいは遠心分離などの方法により分取し
たものが使用される。本発明に於いてこれを粉砕
して使用するが、この際の粉砕方法は特に限定さ
れず、たとえば衝撃粉砕、摩擦粉砕、ジエツト粉
砕等適宜な手段で行えば良い。粉砕度を細かくす
るほど緻密で高比重の焼結体が得られるが、あま
りに緻密化すると10Bが中性子を吸収する際に発
生するヘリウムの放出孔が少なくなるため、平均
粒子径比を粉砕後/粉砕前=0.4〜0.6程度にする
ことが望ましい。この粉砕範囲に適合する一つの
手段は、粉砕後の粒径を2〜10μm、好ましくは
2〜8μm以下、特に好ましくは2〜5μm以下に
粉砕する手段である。ここで光学的異方性小球体
を粉砕せず、そのまま用いた場合は炭化ホウ素の
割合が増大するに従い焼結体の嵩比重、強度が急
激に低下する。特に炭化ホウ素が33重量%を越え
るとこの傾向は顕著となる。 この粉砕された小球体は、次いで炭化ホウ素及
び人造黒鉛と共に充分に混合される。この際の配
合割合は通常小球体45〜90重量%、炭化ホウ素3
〜55重量%、人造黒鉛3〜9重量%程度から全体
が100重量%となるように配合する。この際使用
する人造黒鉛は成形時の成形性改善のために使用
され、出来るだけ高純度の人造黒鉛を使用する。
次いで該混合粉末を常法に従つて、たとえば油圧
プレス等のプレスにて0.5〜2.0t/cm2程度の圧力で
成形する。成形物はコークス粉末中で不活性ガス
雰囲気下にてたとえば昇温速度7〜10℃/Hrで
1000℃程度まで焼温し、揮発分を除去した後、不
活性ガス雰囲気を保ちながら適当温度たとえば
200℃前後まで冷却して予備焼成品とする。 予備焼成品は真空加熱炉中にて減圧下好ましく
は20Torr以下特に好ましくは5Torr以下の減圧
下乃至真空下で2000℃以上まで熱処理して焼結体
とする。この際この焼成を常圧下で行うと炭化ホ
ウ素の一部がB2O3に変質する。B2O3が存在する
と空気中の水分を吸収し潮解性を有するため
B2O3のホウ酸化が起こり、焼結体表面に粘着性
を生じ、焼結体間の凝集という望ましくない問題
が生じる。本発明に於いては酸素を出来るだけし
や断した減圧下乃至真空下で行われるためほとん
どB2O3を生じることはなく、たとえ生じたとし
ても、この微量のB2O3はその沸点が1500℃以上
であるため上記焼成工程で除去できるものであ
る。 また同時に光学的異方性小球体炭化物も減圧乃
至真空下処理により脱ガスが進行し、純度の高い
焼結体を得ることができる。 かくして得られる炭素−炭化ホウ素焼結体は高
強度、高密度、等方性であり、しかも耐酸化性に
も優れたものとなる。加えて、炭化ホウ素を多量
たとえば33重量%以上含有するものでは、炭化ホ
ウ素を多量含有しているにもかかわらず、高強
度、高密度であると共に、中性子吸収能力が大き
く、しかもB2O3に基づく潮解性も殆どなく凝集
性の極めて少ない焼結体となる。一方炭化ホウ素
が少量たとえば33重量%以下の含有量のものでも
特公昭62−108767号の焼結体に比し、B2O3の含
有量の点で全く異なり、上記従来品の如くB2O3
を多量含有するものではない。 従つて本発明製造法で得られた焼結体は軽水炉
型原子力発電装置の制御棒として極めて好適であ
り、また高温ガス炉型原子力発電装置の中性子吸
収用部材として極めて有効に使用される。なお本
発明の焼結体は上記した優れた特性を有するの
で、上記用途以外にも使用出来ることは勿論であ
る。 〔実施例〕 実施例 1 川崎製鉄(株)製の光学的異方性小球体「KMFC」
(平均粒子径11μm)をジエツト粉砕して平均粒
子径6μmに調整したものを57重量%、人造黒鉛
電極粉(平均粒子径10μm)3重量%及び電気化
学工業(株)製「炭化ホウ素F−1」(平均粒子径4μ
m)を40重量%の割合で配合し、十分に混合した
後、油圧プレスにて成形圧2ton/cm2で成形した。
成形体はコークス粉末中に詰め、アルゴン雰囲気
下で1000℃まで7℃/Hrで焼成し、アルゴン雰
囲気を保ちながら200℃まで冷却し、予備焼成品
とした。この予備焼成品を真空加熱炉にて5Torr
下で2000℃で熱処理して、炭素−炭化ホウ素複合
焼結体とした。 比較例 1 実施例1で用いた光学的異方性小球体
「KMFC」を粉砕せずそのまま用いて実施例1と
同じ配合、工程で予備焼成した。この予備焼成品
を真空加熱炉にて5Torr下で2000℃まで熱処理し
て炭素−炭化ホウ素複合体焼結体とした。 比較例 2 実施例1で得られた予備焼成品を開放型の抵抗
式加熱炉にてコークス粉末中に埋めて2000℃まで
処理して炭素−炭化ホウ素複合焼結体を得た。 実施例1、比較例1及び2の配合および工程を
第1表に、得られた炭素/炭化ホウ素複合焼結体
の物性を第2表に示した。
【表】
【表】
上記実施例1、比較例1及び比較例2の焼結体
について下記の条件により軽水炉型原子力発電装
置の制御棒並びに高温ガス炉型原子力発電装置の
中性子吸収材料として使用する際の高温照射試験
を実施し、照射前後での焼結体の寸法安定性を測
定した。この結果を第3表に示す。但し、寸法安
定性はこの種原子力発電装置の最も重要な特性の
一つであり、高温照射下での寸法の安定性が大き
いことが重要な特性である。 照射温度…約700℃ 高速中性子照射量…7×1021n/cm2 (E>0.18MeV)
について下記の条件により軽水炉型原子力発電装
置の制御棒並びに高温ガス炉型原子力発電装置の
中性子吸収材料として使用する際の高温照射試験
を実施し、照射前後での焼結体の寸法安定性を測
定した。この結果を第3表に示す。但し、寸法安
定性はこの種原子力発電装置の最も重要な特性の
一つであり、高温照射下での寸法の安定性が大き
いことが重要な特性である。 照射温度…約700℃ 高速中性子照射量…7×1021n/cm2 (E>0.18MeV)
【表】
上記第3表より本発明の焼結体が原子力発電装
置用材料として極めて優れたものであることが明
らかである。 実施例 2 第4表に示したような配合にて、実施例1と同
様に炭素−炭化ホウ素複合焼結体を作製した。 焼結体の物性を第5表に示す。
置用材料として極めて優れたものであることが明
らかである。 実施例 2 第4表に示したような配合にて、実施例1と同
様に炭素−炭化ホウ素複合焼結体を作製した。 焼結体の物性を第5表に示す。
【表】
【表】
上記実施例1、比較例1及び2の焼結品につい
てB2O3濃度とその潮解性によつて粘着性がどの
程度発現されるかについて検討した。この結果を
第6表に示す。ここで粘着性とは25℃、湿度100
%の雰囲気中に1週間放置して、その表面状態を
指でつまんで評価した。
てB2O3濃度とその潮解性によつて粘着性がどの
程度発現されるかについて検討した。この結果を
第6表に示す。ここで粘着性とは25℃、湿度100
%の雰囲気中に1週間放置して、その表面状態を
指でつまんで評価した。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ピツチ類から製造される炭素質光学的異方性
小球体、炭化ホウ素及び黒鉛の焼結体であつて、
実質的にB2O3を殆ど含有していないことを特徴
とする炭素と炭化ホウ素との焼結体。 2 B2O3の含有量が0.03%以下である特許請求
の範囲第1項に記載の焼結体。 3 上記小球体45〜90重量%、炭化ホウ素3〜50
重量%及び人造黒鉛3〜9重量%の混合物を焼結
したものである特許請求の範囲第1項に記載の焼
結体。 4 ピツチ類から製造される炭素質光学的異方性
小球体を微粉砕し、これに炭化ホウ素及び黒鉛を
加えて混合し、次いで成形、予備焼成、減圧下乃
至真空下での高温焼成を順次行うことを特徴とす
る実質的にB2O3を殆ど含有していない炭素と炭
化ホウ素との焼結体の製造方法。 5 上記混合物の割合が、炭素質光学的異方性小
球体の微粉末45〜90重量%、炭化ホウ素3〜55重
量%、人造黒鉛3〜9重量%から全体を100重量
%となるように選択したものである特許請求の範
囲第4項に記載の製造方法。 6 光学的異方性小球体の微粉砕物の平均粒径が
2〜10μmである特許請求の範囲第4又は5項に
記載の製造方法。 7 焼結体中の黒鉛が光学的異方性小球体の微粉
砕物に対し、3〜9重量%である特許請求の範囲
第4〜6項のいずれかに記載の製造方法。 8 上記成形が油圧プレスを使用し、且つ成形圧
力が0.5〜2.0ton/cm2で行われる特許請求の範囲
第4〜7項のいずれかに記載の製造方法。 9 不活性雰囲気下で1000℃まで予備焼成し、更
に5Torr以下の圧力で2000℃まで高温下熱処理さ
れることを特徴とする特許請求の範囲第4〜8項
のいずれかに記載の製造方法。 10 ピツチ類から製造される炭素質光学的異方
性小球体、炭化ホウ素及び黒鉛の焼結体であつ
て、実質的にB2O3を殆ど含有していない焼結体
からなる軽水炉型原子力発電装置の制御棒。 11 ピツチ類から製造される炭素質光学的異方
性小球体、炭化ホウ素及び黒鉛の焼結体であつ
て、実質的にB2O3を殆ど含有していない焼結体
からなる中性子吸収材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62257638A JPH01100063A (ja) | 1987-10-13 | 1987-10-13 | 炭素と炭化ホウ素との焼結体、その製造方法及びこの焼結体を用いた原子力発電用デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62257638A JPH01100063A (ja) | 1987-10-13 | 1987-10-13 | 炭素と炭化ホウ素との焼結体、その製造方法及びこの焼結体を用いた原子力発電用デバイス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01100063A JPH01100063A (ja) | 1989-04-18 |
JPH0527589B2 true JPH0527589B2 (ja) | 1993-04-21 |
Family
ID=17309019
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62257638A Granted JPH01100063A (ja) | 1987-10-13 | 1987-10-13 | 炭素と炭化ホウ素との焼結体、その製造方法及びこの焼結体を用いた原子力発電用デバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH01100063A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03272320A (ja) * | 1990-03-20 | 1991-12-04 | Toyo Tanso Kk | 転がり軸受用保持器部材及びこれを組み込んだ転がり軸受 |
JPH042659A (ja) * | 1990-04-16 | 1992-01-07 | Agency Of Ind Science & Technol | 中性子遮蔽用炭素材料 |
-
1987
- 1987-10-13 JP JP62257638A patent/JPH01100063A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01100063A (ja) | 1989-04-18 |
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