JPH05275880A - X−バンドに優れた吸収を示す電波吸収体 - Google Patents

X−バンドに優れた吸収を示す電波吸収体

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JPH05275880A
JPH05275880A JP9722292A JP9722292A JPH05275880A JP H05275880 A JPH05275880 A JP H05275880A JP 9722292 A JP9722292 A JP 9722292A JP 9722292 A JP9722292 A JP 9722292A JP H05275880 A JPH05275880 A JP H05275880A
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JP
Japan
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layer
radio wave
ferrite
wave absorber
resin
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JP9722292A
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English (en)
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Toshiaki Nagano
利昭 長野
Hideo Kogure
英雄 木暮
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄膜、軽量で、8〜13GHzのX−バンド
の電波に対して優れた吸収特性を示す電波吸収体を得
る。 【構成】 8〜13GHzのいずれの電波周波数におい
ても、誘電率が45〜100で誘電損失が30〜70で
ある層(A)上にフェライト含有層(B)を積層してな
る構成であることを特徴とする電波吸収体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X−バンドに優れた吸
収特性を有し、かつ薄膜化できる電波吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】従来、8〜13GHzの
X−バンド吸収型の電波吸収体としては、特公平3−2
5958号公報によると、8.7GHz〜11GHzの
周波数範囲で電波吸収量が−20dB以上の吸収となる
ものが知られているが、このものは、微金属粉とフェラ
イトをペイント材に混合した誘電体と磁性体との混合層
1上に誘電体層2を設けてなるものであるが、厚さが
5.5mmと厚く、かつ重いという問題があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、薄
膜、軽量で8〜13GHzのX−バンドの電波に対して
優れた吸収特性を示す電波吸収体を得るべく鋭意研究の
結果、誘電率が45〜100で誘電損失が30〜70で
ある層上にフェライト含有層を設けることによって上記
目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0004】すなわち本発明は、8〜13GHzのいず
れの電波周波数においても、誘電率が45〜100で誘
電損失が30〜70である層(A)上にフェライト含有
層(B)を積層してなる構成であることを特徴とする電
波吸収体を提供するものである。
【0005】本発明における層(A)は、8〜13GH
zのいずれの電波周波数においても、誘電率および誘電
損失がこれまでになく高い材料からなる層であって、誘
電率が45〜100で誘電損失が30〜70である。層
(A)はポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シ
リコンゴム、エステルゴム、ハイパロン(クロロスルホ
ン化ポリエチレン)ゴム、クロロプレンゴムなどの樹脂
中に長さ50〜1000μm、好ましくは100〜20
0μm、直径3〜20μm、好ましくは5〜15μmの
炭素繊維を分散してなる層が挙げられる。樹脂がシリコ
ンゴムである場合、層(A)は例えば高重合度のオルガ
ノポリシロキサン例えばジメチルポリシロキサンに炭素
繊維、必要に応じて無機充填剤、ベンゾイルパーオキサ
イドなどの硬化剤などを配合、分散し、成型し、必要に
応じて切断などの加工を施すことによって容易に得るこ
とができる。シリコンゴムに対する炭素繊維の配合量
は、誘電率および誘電損失が上記範囲内となる量であれ
ば特に限定されるものではないが、通常、シリコンゴム
100重量部に対して炭素繊維が5〜30重量部となる
量が適当である。
【0006】なお炭素繊維は、レーヨン系炭素繊維、P
AN系炭素繊維、メソフェースピッチ系炭素繊維などの
いずれの炭素繊維も本発明に使用することができる。
【0007】本発明における層(B)はフェライト含有
層であって、樹脂結合剤中にフェライトを分散させたも
のをシート状に成型又は層(A)上に塗布、乾燥させる
ことによって容易に得られる。上記フェライトとして
は、従来、電波吸収体に使用されるフェライトが使用で
き、代表例として、ヘマタイト(Fe2 3 )、マグネ
タイト(Fe3 4 )、一般にMO・Fe2 3 なる組
成の、異種金属元素を含む鉄酸化物(MはMn,Co,
Ni,Cu,Zn,Ba,Mgなど)が挙げられる。ま
た上記樹脂結合剤としては、例えばロジン、セラック、
エステルゴム、ハイパロン(クロロスルホン化ポリエチ
レン)ゴム、塩化ゴム、クロロプレンゴム、塩化ビニル
樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリ
コン系樹脂、セルロース系樹脂、酢酸ビニル樹脂などの
樹脂が挙げられる。
【0008】樹脂結合剤中にフェライトを分散させる場
合、フェライトの粒径は特に限定されるものではない
が、一般に粒径が100μm以下の範囲にあることが分
散性などの点から好ましい。またフェライトの配合量は
特に限定されるものではないが、膜強度、電波吸収能力
などの点から樹脂結合剤100重量部に対して50〜3
00重量部の範囲にあることが好ましい。また必須成分
であるフェライトに加えてカーボン微粉末を配合、分散
させてもよく、さらに必要に応じて着色顔料、有機溶
剤、分散剤などの添加剤を配合してもよい。
【0009】本発明において、その上に層(A)を形成
できる基材としては、銅、鉄、アルミニウムなどの金属
や真ちゅう、ステンレススチールなどの合金が挙げられ
る。この金属や合金は基板であっても電波吸収を目的と
する金属製構造物であってもよい。
【0010】電波吸収を目的とする構造物に電波吸収体
を取付ける前に、前もって金属や合金基板上に層(A)
および層(B)を積層して電波吸収体を形成しておく場
合には、基板上に成型した層(A)を接着剤などで貼り
付けてもよいし、層(A)の材料を基板上に塗布し、基
板とともに層(A)を一体成型してもよい。層(A)上
に層(B)を形成するには、層(B)となる材料がシー
ト状の成型物である場合には接着剤などによって貼着さ
せればよく、また塗料状であれば層(A)上に塗布、乾
燥させればよい。また層(A)上に層(B)を形成した
後に基板上に層(A)の面を貼着させてもよい。
【0011】本発明において、層(A)および層(B)
の膜厚および層(A)中の炭素繊維や層(B)中のフェ
ライトの配合量は、吸収すべき電波の周波数に応じ、求
められる材料特性によって適宜決定されるべきものであ
り、理論的には次のようになる。
【0012】表面(空気側)からみて、第n層目の材料
特性である複素比誘電率および複素比透磁率、および厚
さdn が与えられると、第n層の特性インピーダンスお
よび伝搬定数は次式で表わされる。なおZ0 は自由空間
における電波特性インピーダンスであり、377(Ω)
の値をとり、λ0 は自由空間における波長である。
【0013】
【数1】
【0014】第n層と第(n−1)層との境界面および
第(n−1)層と第(n−2)層との境界面における負
荷インピーダンスを漸化式にて表わすと下記式〔3〕、
〔4〕で表わされる。
【0015】
【数2】
【0016】金属の上にn層の層が形成された場合、金
属と第n層との境界面(第n層の最下面)におけるイン
ピーダンスは零となる。すなわち式〔3〕にこの条件を
入れると、式〔3〕は下記式〔5〕となる。
【0017】
【数3】
【0018】
【数4】
【0019】
【数5】
【0020】上記反射係数が小さいほど電波の吸収能は
大きくなるため、上記反射係数が零に近くなるように層
(A)および層(B)の材料、膜厚を選択すればよい。
【0021】本発明において層(A)の誘電率および誘
電損失はこれまでの電波吸収材料になく大きい値であっ
て、反射係数を零に近づけるという観点からこれらの値
が大きくなるほど層(A)の厚さを薄くできる。本発明
において、層(A)の膜厚は0.5〜2.0mmの範囲に
あることが好ましく、層(B)の膜厚は1.5〜3.0
mmの範囲にあることが好ましい。本発明においては層
(A)と層(B)との厚さの和を3mm以下とすることが
可能である。
【0022】本発明の電波吸収体が金属板や合金板など
の基板上に形成されている場合には、使用にあたって
は、接着剤などによって基板側を電波吸収を目的とする
構造物に接着させたり、治具によって取付けるなどすれ
ばよい。また基板側に前もって粘着剤を塗布し、その上
に離型紙を積層しておくことによって施工現場にて離型
紙を剥がして貼着するだけで電波吸収を目的とする構造
体に電波吸収体を形成することができる。また基板がな
く層(A)および層(B)の積層体を電波吸収体を目的
とする構造物に形成する場合、層(A)が構造物側とな
るようにして上記と同様に行なうことができる。
【0023】
【作用および発明の効果】本発明の電波吸収体は、誘電
率および誘電損失がこれまでに電波吸収体材料として使
用されていたものに比べ、大きな値を示す層(A)とフ
ェライト含有層(B)を積層した構成を有するものであ
り、層(A)がこれまでになく大きな値を示すことから
層(A)および層(B)の薄膜軽量化を達成できたもの
である。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。 実施例1 シリコンゴム100重量部に対して長さ130μm、直
径7μmの炭素繊維を20重量部含有する、厚さ1mmの
炭素繊維含有シリコンゴム(10GHzの周波数におけ
る誘電率が67で、誘電損失が40であって、8〜13
GHzのいずれの周波数においても誘電率が45〜10
0、誘電損失が30〜70の範囲内である。)をアルミ
ニウム板上に厚さ約5μmのシリコン樹脂系接着剤を介
して接着させた。次いでエポキシ樹脂溶液(固形分量で
100重量部)にバリウム系フェライト200重量部を
配合、分散してなる塗料を乾燥膜厚が約1.9mmとなる
ように、上記シリコンゴム層上に塗布、乾燥させて電波
吸収体を得た。
【0025】実施例2 実施例1において、バリウム系フェライト200重量部
のかわりにマンガン−亜鉛系フェライト180重量部を
使用する以外は実施例1と同様に行ない、電波吸収体を
得た。
【0026】比較例1 実施例1において、塗料を塗布しないもの、すなわち、
アルミニウム板上に厚さ1mmの炭素繊維含有シリコンゴ
ムを接着させただけの電波吸収体(比較用)を得た。
【0027】比較例2〜4 実施例1において、炭素繊維含有シリコンゴムにおける
炭素繊維の含有量や種類を変化させる以外は実施例1と
同様に行なって比較用の電波吸収体を得た。なお各例に
おける炭素繊維含有シリコンゴムの10GHzの周波数
における材料特性は下記のとおりであった。 比較例2…誘電率40、誘電損失40、 比較例3…誘電率50、誘電損失22、 比較例4…誘電率40、誘電損失20
【0028】実施例1,2および比較例1〜4で得られ
た電波吸収体について、電波周波数8〜13GHzの領
域における電波吸収特性を測定した。その結果を後記図
1および図2に示す。実施例1および実施例2の電波吸
収体はいずれもアルミニウム板を除く膜厚が約2.9mm
と薄く軽量であって、電波周波数8〜13GHzの領域
におけるいずれの周波数においても約−20dB以上の
吸収となる、優れた吸収特性を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1,2および比較例1で得られた電波吸
収体の電波吸収特性曲線を示す図である。実線が実施例
1、破線が実施例2、一点鎖線が比較例1で得られた電
波吸収体の電波吸収特性曲線を示す。
【図2】比較例2,3および4で得られた電波吸収体の
電波吸収特性曲線を示す図である。実線が比較例2、破
線が比較例3、一点鎖線が比較例4で得られた電波吸収
体の電波吸収特性曲線を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 8〜13GHzのいずれの電波周波数に
    おいても、誘電率が45〜100で誘電損失が30〜7
    0である層(A)上にフェライト含有層(B)を積層し
    てなる構成であることを特徴とする電波吸収体。
  2. 【請求項2】 層(A)が樹脂中に長さ50〜1000
    μm、直径3〜20μmの炭素繊維を分散してなる層で
    ある請求項1記載の電波吸収体。
JP9722292A 1992-03-24 1992-03-24 X−バンドに優れた吸収を示す電波吸収体 Pending JPH05275880A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006112516A1 (ja) * 2005-04-19 2006-10-26 Teijin Limited 炭素繊維複合シート、その伝熱体用途およびそれに用いるピッチ系炭素繊維マット用シート

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006112516A1 (ja) * 2005-04-19 2006-10-26 Teijin Limited 炭素繊維複合シート、その伝熱体用途およびそれに用いるピッチ系炭素繊維マット用シート
JPWO2006112516A1 (ja) * 2005-04-19 2008-12-11 帝人株式会社 炭素繊維複合シート、その伝熱体用途およびそれに用いるピッチ系炭素繊維マット用シート
JP4576430B2 (ja) * 2005-04-19 2010-11-10 帝人株式会社 炭素繊維複合シート、その伝熱体用途およびそれに用いるピッチ系炭素繊維マット用シート

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