JPH05275801A - 歪量子井戸半導体レーザ - Google Patents

歪量子井戸半導体レーザ

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JPH05275801A
JPH05275801A JP7059992A JP7059992A JPH05275801A JP H05275801 A JPH05275801 A JP H05275801A JP 7059992 A JP7059992 A JP 7059992A JP 7059992 A JP7059992 A JP 7059992A JP H05275801 A JPH05275801 A JP H05275801A
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well semiconductor
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光通信システムにおける希土類添加光ファイ
バ増幅器の励起用光源として、高出力、高信頼性を有
し、光ファイバと高効率で光結合する0.98μm帯半
導体レーザを実現することを目的とする。 【構成】 GaAs基板1上にInGaAs歪量子井戸
活性層4とInGaPにより構成されるn−クラッド層
2及びp−クラッド層4を有する歪量子井戸半導体レー
ザにおいてリッジを形成し、ストライプ領域内のみにク
ラッド層中にGaAs光導波層を有する構造とする。ま
た、上記リッジ部は再成長によりInGaP電流狭窄層
9を有する層を成長させることにより活性層水平方向屈
折率導波構造を形成する。 【効果】 本発明により、高出力まで安定なモードで動
作する歪量子井戸半導体レーザが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は歪量子井戸半導体レーザ
の構造に係り、とくに、光通信システムにおける希土類
添加光ファイバ増幅器の励起光源に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、希土類添加光ファイバ増幅器励起
用光源としてInGaAs歪量子井戸活性層を有する
0.98μm帯半導体レーザが盛んに研究されている。
この波長帯の半導体レーザのクラッド層の材料としてA
lを含まないInGaPが信頼性の観点から有望であ
る。この材料系の半導体レーザは、12th Lase
rconference (1990年第12回半導体
レーザ素子会議)p44でFurukawaのIjic
hiらにより報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】希土類添加光ファイバ
増幅器用光源として高信頼性を有し、且つ光ファイバと
高効率で結合する半導体レーザが要求される。高信頼性
はしきい値電流密度の低減及び温度特性の改善にによ
り、また光ファイバとの高効率な結合は遠視野像の半値
全幅を狭くすることにより実現される。さらに、希土類
添加光ファイバ増幅器励起用光源として、雰囲気温度変
化や光出力変化にたいして安定に単一縦モードを維持す
ることが要請される。ところが、上述の報告例では、い
わゆるリッジ型導波路構造であるために、接合面を下に
してボンディングすることが難しい。このことは素子の
温度特性の劣化、及び、信頼性の低下を意味する。さら
に、この報告例では、活性層垂直方向の遠視野像の半値
全幅は55〜60°と広いため、光ファイバとの結合効
率が小さい。
【0004】本発明は、高信頼性を有し、光ファイバと
高効率で結合し、波長安定性の高い高出力歪量子井戸半
導体レーザを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、GaAs基
板上にInGaAs歪量子井戸層を有する活性層と光を
閉じ込めるInGaAsPまたはInGaPにより構成
されるクラッド層を有する歪量子井戸半導体レーザにお
いて、ストライプ領域の外側のGaAs基板と反対側の
クラッド層を活性層に達しないようにエッチングするこ
とによりリッジを形成し、上記リッジ部に再成長により
InGaP層を有する層を成長させることにより達成さ
れる。また、上記目的は、活性層に垂直な方向の遠視野
像の半値全幅を20度以上40度以下に設計することに
より、達成される。また、上記目的は、クラッド層中に
GaAs光導波層を有し且つストライプ領域外部ではG
aAs光導波層が完全に除去されている構造の歪量子井
戸半導体レーザにより達成される。特に、GaAs光導
波層が0.1μm以下であるときに達成される。また、
上記目的はGaAs基板側のクラッド層がInGaPに
より形成され、他方のクラッド層がInGaAsPによ
り形成されている場合にもまた達成される。また、上記
目的は、光を閉じ込めるクラッド層がInGaPとGa
Asとの超格子により構成され、ストライプ領域の外側
を活性層に達しないようにエッチングすることによりリ
ッジを形成し、上記リッジ部に再成長によりInGaP
層を有する層を成長させることにより達成される。ま
た、上記目的は、InGaAs歪量子井戸層を有する活
性層と光を閉じ込めるInGaPにより構成されるクラ
ッド層を有する歪量子井戸半導体レーザにおいて、In
GaAs歪量子井戸活性層から発せられるレーザ光のエ
ネルギーより低い最低量子準位を有するInGaAs歪
量子井戸層とGaAs障壁層から構成される光吸収層を
ストライプ領域の外側に設けることにより達成される。
特に、InGaAs歪量子井戸活性層に隣接して両側ま
たは片側にGaAsから構成される光ガイド層を有する
場合に達成され、このGaAsから構成される光ガイド
層の厚みが0.05μm以下である場合に達成される。
また、上記目的は、InGaAs歪量子井戸活性層に隣
接して両側または片側にInGaAsPから構成される
光ガイド層を有する場合にもまた達成される。上記目的
は、活性層に沿って伝搬する光の電界の及ぶ範囲内に回
折格子が形成されている場合、特に、前述の光ガイド層
と上記クラッド層との界面部に回折格子が設けられてい
る場合に達成される。また、InGaAs量子井戸活性
層の障壁層がGaAsである場合に特に達成される。
【0006】
【作用】以下、本発明の作用の一例について、図1及び
図2を用いて説明する。図1は本発明による実施例の断
面模式図、図2(a)、(b)はそれぞれ図1における
A−A’及びB−B’断面における屈折率分布を示して
いる。A−A’断面はストライプ領域部の、またB−
B’断面はストライプ外部領域部の屈折率分布を示して
いる。本構造においては歪量子井戸活性層の屈折率が一
番高い。隣接して基板側にInGaAsP光ガイド層が
設けられている。これらの層は屈折率の小さいInGa
Pクラッド層により挟まれ、光が活性層に効率良く閉じ
込められるようになっている。また、ストライプ領域部
のみに、活性層の近傍に屈折率が比較的大きなGaAs
光導波路層が設けられている。このため、図1で示すよ
うにストライプ領域の実効屈折率がストライプ外部領域
の実効屈折率よりも大きくなっている。従って、活性層
に水平な方向においても、屈折率導波される。この時、
GaAs光導波路の層厚を0.1μm以下にすることに
より活性層垂直方向の遠視野像の半値全幅を40°以下
にすることができ、光ファイバと高効率で結合する素子
を得ることができる。
【0007】次に、別の方法による作用の一例につい
て、図4及び図5を用いて説明する。図4は本発明によ
る別の実施例の断面模式図、図5(a)、(b)はそれ
ぞれ図4におけるA−A’及びB−B’断面における屈
折率分布を示している。A−A’断面はストライプ領域
部の、またB−B’断面はストライプ外部領域部の屈折
率分布を示している。本構造においては歪量子井戸活性
層の屈折率が最も高い。光を閉じ込めるクラッド層はG
aAs基板側のn−クラッド層はInGaPによりまた
p−クラッド層はInGaAsPにより構成されてい
る。このため、光導波路としてはn−クラッド層の方が
屈折率の小さい非対称構造となっている。一方、ストラ
イプ外部領域では屈折率の小さいn−InGaP電流狭
窄層が活性層の近傍に存在する。従って、図4で示した
ようにストライプ領域の実効屈折率はストライプ外部領
域の実効屈折率よりも大きくなっている。このため、活
性層に水平方向において、屈折率導波される。
【0008】次に、別の方法の一例による作用につい
て、図6及び図7を用いて説明する。図6は本発明によ
る別の実施例の断面模式図、図7(a)、(b)はそれ
ぞれ図6におけるA−A’及びB−B’断面における屈
折率分布を示している。A−A’断面はストライプ領域
部の、またB−B’断面はストライプ外部領域部の屈折
率分布を示している。この構造では光を閉じ込めるクラ
ッド層はGaAsとInGaPとの超格子によって形成
されている。この超格子クラッド層では、光は、GaA
s層とInGaP層のそれぞれの層厚を重みとした平均
の屈折率を感じる。従って、この超格子クラッド層の屈
折率はInGaPより大きく、GaAsより小さくな
る。また、GaAs層を5nm以下と薄くすれば量子効
果によるバンドギャップの増大によりGaAs層でのキ
ャリアのトラップの問題は無くなり、直列抵抗は大きく
ならない。本実施例の構造においては歪量子井戸活性層
の屈折率が最も高い。この活性層に隣接してGaAs基
板側にInGaAsP光ガイド層が設けられている。こ
の光ガイド層の屈折率は超格子の平均の屈折率より大き
く設定されている。これらの層の両側に超格子クラッド
層が設けられている。さらに、ストライプ外部領域で
は、屈折率の小さいn−InGaP電流狭窄層が活性層
の近傍に設けられている。このため、図6で示すように
ストライプ外部領域の実効屈折率はストライプ領域での
実効屈折率よりも小さくなっている。従って、活性層に
水平方向において、屈折率導波される。
【0009】次に、別の方法の一例による作用につい
て、図8及び図9を用いて説明する。図8は本発明によ
る別の実施例の断面模式図、図9(a)、(b)はそれ
ぞれ図8におけるA−A’及びB−B’断面における屈
折率分布を示している。A−A’断面はストライプ領域
部の、またB−B’断面はストライプ外部領域部の屈折
率分布を示している。本方法ではn−歪量子井戸光吸収
電流狭窄層を用いることにより活性層水平方向の屈折率
導波構造を形成している。この歪量子井戸層は活性層と
同じ材料であるInGaAsにより構成されている。た
だし、このInGaAs層の組成及び層厚を適当に選ぶ
ことにより、すなわち、活性層のInGaAs歪量子井
戸よりもIn組成比が大きくするもしくは井戸幅が広く
するもしくはその両方により、n−歪量子井戸光吸収電
流狭窄層のInGaAs歪量子井戸のバンドギャップを
活性層のInGaAs歪量子井戸のバンドギャップより
も狭くすることができる。このため、活性層で発生した
レーザ光はn−歪量子井戸光吸収電流狭窄層で強く吸収
を受ける。したがって、ストライプ外部領域ではこの領
域に存在する割合の小さいモードがたつ。このモードの
実効屈折率は比較的小さい。ストライプ領域では、歪量
子井戸活性層の屈折率が最も高い。この活性層に隣接し
てGaAsにより構成された光ガイド層が設けられ、S
CH(SeparateConfinement Heterostructure)を構成し
ている。これらの層は屈折率の低いInGaPクラッド
層により挟まれ、光がSCH活性層に閉じ込められる。
この領域では、n−歪量子井戸光吸収電流狭窄層の影響
を受けないため実効屈折率は比較的大きい。この様にし
て、図8に示したように、活性層水平方向での屈折率導
波がなされる。
【0010】上述したすべての方法は、埋め込み成長等
により表面がほぼ平坦化されるような構造になってい
る。このため、接合面を下にしてボンディングすること
ができる。したがって、連続発振時の放熱特性が向上
し、温度特性のよい素子が得られる。
【0011】また、上述したすべての方法は、DFB回
折格子を設けることにより、素子はDFBモードで発振
し、温度変化及び光出力変化にたいして安定な縦単一モ
ード発振をする素子を得ることができる。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を図1、3、4、6、8を用
いて詳細に説明する。
【0013】(実施例1)本発明の第1の実施例を図1
及び図3を用いて説明する。図1は素子の断面構造を示
している。前述したように、本構造では図1中に示され
るように、光は実効屈折率差により活性層水平方向に屈
折率導波される。また、図3は図1中のA−A’断面の
光軸方向の断面構造を示している。n型GaAs基板1
上にGaAs基板に格子整合したn−型InGaPクラ
ッド層2をMOCVD法またはガスソースMBE法によ
り形成する。その後、2光束干渉露光法により、図3に
示したように2次の回折格子13を作製する。この時、
回折格子のピッチは約300nmとする。次に、GaA
s基板に格子整合したIn1-xGaxAsy1-x光ガイド
層3(x=0.56、y=0.1、膜厚0.1μm)、
2層のInZGa1-zAs歪量子井戸層(z=0.2、井
戸層厚7nm)とGaAs障壁層より構成される歪量子
井戸活性層4、GaAs基板に格子整合したp−InG
aPクラッド層5、p−GaAs光導波層(厚み0.0
5μm)6、GaAsに格子整合したp−InGaPク
ラッド層7、p−GaAsキャップ層8をMOCVD
法、又は、ガスソースMBE法により順次形成する。酸
化膜をマスクにホトエッチング工程により、図1に示す
ようにリッジを形成する。この時のエッチングはウエッ
ト、RIE、RIBE、イオンミリング等、方法をとわ
ない。エッチングはp−GaAs光導波路層6を完全に
除去し、且つ歪量子井戸活性層4に達しないようにp−
InGaPクラッド層5の途中で止まるようにする。エ
ッチングの際、p−GaAs光導波路層6に達した時点
で、この層による干渉縞が観察されるため、この干渉縞
が無くなった時点でエッチングをとめれば良いので、特
に選択エッチング液等は用いる必要はない。また、リッ
ジ幅は1〜15μmとする。次に、エッチングマスクと
して用いた酸化膜を選択成長マスクとして、図1に示す
ようにn−InGaP電流狭窄層9をMOCVD法また
はガスソースMBEにより選択成長する。その後、成長
炉からウエハを取り出し、エッチングにより選択成長マ
スクとして用いた酸化膜を除去する。その後、p−Ga
Asコンタクト層10をMOCVD法またはガスソース
MBE法により形成する。その後、p側電極11、n側
電極12を形成した後、劈開法により共振器長約450
μmのレーザ素子を得た。この後素子の前面にλ/4
(λ:発振波長)の厚みのSiO2による低反射膜を、
素子の後面にSiO2とα−Siからなる4層膜による
高反射膜を形成した。その後、素子を接合面を下にし
て、ヒートシンク上にボンディングした。試作した素子
はストライプ幅3μmの素子でしきい値電流約10mA
でDFBモードで室温連続発振し、その発振波長は約9
80nmであった。素子は400mWまで安定に横単一
モードで基本モード発振した。また、活性層垂直方向の
遠視野像の半値全幅は35°であった。また、活性層平
行方向の遠視野像は単峰性を示し、ストライプ幅3μm
の素子でその半値全幅は12°であり、屈折率導波され
ていることを示した。また、この素子を環境温度60℃
の条件下で100mW定光出力連続駆動させたところ、
10000時間経過後も安定した動作特性が得られた。
また、結合損失1dB以下でファイバと結合させること
ができた。また、波長の温度依存性として0.8Å/K
の特性を得た。尚、ここではInGaAsP光ガイド層
を活性層の片側に設けた構造を示したが、両側に設けら
れた構造についても同様の特性が得られた。また、Ga
As光ガイド層を活性層の片側または両側に設けた素子
についても同様の特性が得られた。
【0014】(実施例2)本発明の第2の実施例を図4
を用いて説明する。図4は素子の断面図でありストライ
プ形状を示している。前述したように、本構造では図4
中に示されるように、光は実効屈折率差により活性層水
平方向に屈折率導波される。n型GaAs基板14上に
GaAs基板に格子整合したn−InGaPクラッド層
15、InzGa1-zAs歪量子井戸層(z=0.2、厚
み7nm、井戸数3)とGaAs障壁層より構成される
歪量子井戸活性層16、GaAs基板に格子整合したp
−In1-sGasAst1-tクラッド層17(s=0.5
6、t=0.1)、p型GaAsキャップ層18をMO
CVD法、又は、ガスソースMBE法により順次形成す
る。ホトリソエッチング工程により、酸化膜をマスクと
して図4に示すようにリッジを形成する。この時のエッ
チングはウエット、RIE、RIBE、イオンミリング
等、方法をとわない。また、リッジ幅は1〜15μmと
する。その後、エッチングマスクとして用いた酸化膜を
選択成長のマスクとして、n−InGaP電流狭窄層1
9を形成する。その後、選択成長マスクの酸化膜を除去
した後、p側電極20、n側電極21を形成した後、劈
開法により共振器長約450μmのレーザ素子を得た。
この後素子の前面にλ/4(λ:発振波長)の厚みのA
23による低反射膜を、素子の後面にSiO2とTi
2からなる多層膜による高反射膜を形成した。その
後、素子を接合面を下にして、ヒートシンク上にボンデ
ィングした。試作した素子はストライプ幅3.5μmの
素子でしきい値電流約12mAで室温連続発振し、その
発振波長は約980nmであった。素子は400mWま
で安定に横単一モードで基本モード発振した。また、活
性層垂直方向の遠視野像の半値全幅は35°であった。
また、活性層平行方向の遠視野像は単峰性を示し、スト
ライプ幅3.5μmの素子でその半値全幅は11°であ
り、屈折率導波されていることを示した。また、この素
子を環境温度70℃の条件下で80mW定光出力連続駆
動させたところ、10000時間経過後も安定した動作
特性が得られた。また、結合損失1dB以下でファイバ
と結合させることができた。尚、ここでは光ガイド層の
ない構造を示したが、InGaAsP光ガイド層または
GaAs光ガイド層を活性層の片側または両側に設けた
構造の素子についても同様の特性が得られた。
【0015】(実施例3)本発明の第3の実施例を図6
を用いて説明する。図6は素子の断面図でありストライ
プ形状を示している。前述したように、本構造では図6
中に示されるように、光は実効屈折率差により活性層水
平方向に屈折率導波される。n型GaAs基板22上に
n−超格子クラッド層(3nm厚のGaAs井戸層と1
5nm厚のInGaP障壁層、100周期)23、Ga
As基板に格子整合したIn1-xGaxAsy1-y光ガイ
ド層24(x=0.73、y=0.45、膜厚0.1μ
m)、InzGa1-zAs歪量子井戸層(z=0.2、層
厚7nm、井戸数2)とGaAs障壁層より構成される
歪量子井戸活性層25、p−超格子クラッド層(3nm
厚のGaAs井戸層と15nm厚のInGaP障壁層、
100周期)26、p−GaAsキャップ層27をMO
CVD法、又は、ガスソースMBE法により順次形成す
る。ホトリソエッチング工程により、酸化膜をマスクと
してリッジを形成する。この時のエッチングはウエッ
ト、RIE、RIBE、イオンミリング等、方法をとわ
ない。また、リッジ幅は1〜15μmとする。その後、
エッチングマスクとして用いた酸化膜を選択成長のマス
クとして、n−InGaP電流狭窄層28を形成する。
その後、選択成長マスクの酸化膜を除去した後、p側電
極29、n側電極30を形成した後、劈開法により共振
器長約450μmのレーザ素子を得た。この後素子の前
面にλ/4(λ:発振波長)の厚みのSiO2による低
反射膜を、素子の後面にSiO2とα−Siからなる多
層膜による高反射膜を形成した。その後、素子を接合面
を下にして、ヒートシンク上にボンディングした。試作
した素子はストライプ幅3μmの素子でしきい値電流約
10mAで室温連続発振し、その発振波長は約980n
mであった。素子は400mWまで安定に横単一モード
で基本モード発振した。また、活性層垂直方向の遠視野
像の半値全幅の半値幅は35°であった。また、活性層
平行方向の遠視野像は単峰性を示し、ストライプ幅3.
5μmの素子でその半値全幅は11°であり、屈折率導
波されていることを示した。また、この素子を環境温度
50℃の条件下で120mW定光出力連続駆動させたと
ころ、10000時間経過後も安定した動作特性が得ら
れた。尚、ここではInGaAsP光ガイド層を活性層
の片側に設けた構造を示したが、両側に設けられた構造
についても同様の特性が得られた。また、GaAs光ガ
イド層を活性層の片側または両側に設けた素子について
も同様の特性が得られた。
【0016】(実施例4)本発明の第4の実施例を図8
を用いて説明する。図8は素子の断面図でありストライ
プ形状を示している。前述したように、本構造では図8
中に示されるように、光は実効屈折率差により活性層水
平方向に屈折率導波される。n型GaAs基板31上に
GaAs基板に格子整合したn−InGaPクラッド層
32、GaAs光ガイド層(厚さ0.05μm)33、
InzGa1-zAs歪量子井戸層(z=0.2、層厚7n
m、井戸数2)とGaAs障壁層より構成される歪量子
井戸活性層34、GaAs光ガイド層(厚さ0.05μ
m)35、GaAs基板に格子整合したp−InGaP
クラッド層36、InzGa1-zAs歪量子井戸層(z=
0.2、層厚13nm)とGaAs(32nm)8周期
から成るn−光吸収電流狭窄層をMOCVD法またはガ
スソースMBE法により順次形成する。その後、ホトリ
ソエッチング工程により図8で示されたように、ストラ
イプ領域部のn−光吸収電流狭窄層を完全に除去する。
この時のエッチングはウエット、RIE、RIBE、イ
オンミリング等方法をとわない。また、溝幅は1〜15
μmとする。その後、GaAs基板に格子整合したp−
InGaP埋め込みクラッド層38、p−GaAsキャ
ップ層39をMOCVD法またはガスソースMBEによ
り形成する。p側電極40、n側電極41を形成した
後、劈開法により共振器長約450μmのレーザ素子を
得た。この後素子の前面にλ/4(λ:発振波長)の厚
みのSiO2による低反射膜を、素子の後面にSiO2
α−Siからなる多層膜による高反射膜を形成した。そ
の後、素子を接合面を下にして、ヒートシンク上にボン
ディングした。試作した素子はストライプ幅3μmの素
子でしきい値電流約10mAで室温連続発振し、その発
振波長は約980nmであった。素子は400mWまで
安定に横単一モードで基本モード発振した。また、活性
層垂直方向の遠視野像の半値全幅の半値幅は35°であ
った。また、活性層平行方向の遠視野像は単峰性を示
し、ストライプ幅3μmの素子でその半値全幅は11°
であり、屈折率導波されていることを示した。また、こ
の素子を環境温度50℃の条件下で120mW定光出力
連続駆動させたところ、10000時間経過後も安定し
た動作特性が得られた。尚、ここではGaAs光ガイド
層を活性層の両側に設けた構造を示したが、片側に設け
られた構造についても同様の特性が得られた。また、I
nGaAsP光ガイド層を活性層の片側または両側に設
けた素子についても同様の特性が得られた。
【0017】前述した実施例の全ての場合についてDF
B回折格子を用いたDFBレーザを作製することができ
た。
【0018】
【発明の効果】本発明により、従来と比較して4倍以上
の高出力まで安定なモードで動作する歪量子井戸半導体
レーザが得られた。また、接合面を下にしてヒートシン
クにボンディングできるため、従来よりも極めて温度特
性のよい素子を得ることができた。このため、連続駆動
時における素子の信頼性は従来よりも10倍以上向上し
た。また、活性層に垂直方向の遠視野像の半値全幅を4
0°以下にすることにより、光ファイバとの結合効率を
従来の2倍以上にすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施例の断面を示した図。
【図2】図1におけるA−A’断面及びB−B’断面に
おける屈折率分布を示した図。
【図3】図1におけるA−A’断面の光軸方向の断面を
示した図。
【図4】本発明による第2の実施例の断面を示した図。
【図5】図4におけるA−A’断面及びB−B’断面に
おける屈折率分布を示した図。
【図6】本発明による第3の実施例の断面を示した図。
【図7】図6におけるA−A’断面及びB−B’断面に
おける屈折率分布を示した図。
【図8】本発明による第4の実施例の断面を示した図。
【図9】図8におけるA−A’断面及びB−B’断面に
おける屈折率分布を示した図。
【符号の説明】
2…n−InGaPクラッド層、3…InGaAsP光
ガイド層、4…歪量子井戸活性層、5…p−InGaP
クラッド層、6…p−GaAs光導波層、7…p−In
GaPクラッド層、9…n−InGaP電流狭窄層、1
3…回折格子、15…n−InGaPクラッド層、16
…歪量子井戸活性層、17…p−InGaAsPクラッ
ド層、19…n−InGaP電流狭窄層、23…n−超
格子クラッド層、24…InGaAsP光ガイド層、2
5…歪量子井戸活性層、26…p−超格子クラッド層、
28…n−InGaP電流狭窄層、32…n−InGa
Pクラッド層、33…GaAs光ガイド層、34…歪量
子井戸活性層、35…GaAs光ガイド層、36…p−
InGaPクラッド層、37…n−歪量子井戸光吸収電
流狭窄層、38…p−InGaP埋め込みクラッド層。
フロントページの続き (72)発明者 平本 清久 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 辻 伸二 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】GaAs基板上に少なくとも光を発生する
    InGaAs歪量子井戸層を有する活性層と光を閉じ込
    めるInGaAsPまたはInGaPにより構成される
    クラッド層を有する歪量子井戸半導体レーザにおいて、
    前記GaAs基板と反対側のクラッド層をストライプ領
    域の外側の部分のみ活性層に達しないようにエッチング
    することによりリッジを形成し、前記リッジ部に再成長
    によりInGaP層を有する層を成長させることにより
    形成されることを特徴とする歪量子井戸半導体レーザ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の歪量子井戸半導体レーザ
    において、ストライプ領域とストライプ領域外部との実
    効屈折率差を10-3以上とすることを特徴とする歪量子
    井戸半導体レーザ。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の歪量子井戸半導
    体レーザにおいて、活性層垂直方向の半値全幅が20度
    以上40度以下であることを特徴とする歪量子井戸半導
    体レーザ。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の歪量子
    井戸半導体レーザにおいて、上記GaAs基板と反対側
    の上記クラッド層中にストライプ領域内のみにGaAs
    層を有し、且つストライプ領域外部では前記GaAs層
    が完全に除去されていることを特徴とする歪量子井戸半
    導体レーザ。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の歪量子井戸半導体レーザ
    において上記GaAs層が0.1μm以下であることを
    特徴とする歪量子井戸半導体レーザ。
  6. 【請求項6】請求項1または2に記載の歪量子井戸半導
    体レーザにおいて上記GaAs基板側のクラッド層がI
    nGaPにより形成され、他方のクラッド層がInGa
    AsPにより形成されていることを特徴とする歪量子井
    戸半導体レーザ。
  7. 【請求項7】GaAs基板上に少なくとも光を発生する
    InGaAs歪量子井戸層を有する活性層を構成要素と
    する半導体レーザ装置において、光を閉じ込めるクラッ
    ド層がInGaPとGaAsとの超格子により構成され
    ていることを特徴とする歪量子井戸半導体レーザ。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の歪量子井戸半導体レーザ
    において、ストライプ領域の外側の部分のみを活性層に
    達しないようにエッチングすることによりリッジを形成
    し、前記リッジ部に再成長によりInGaP層を有する
    層を成長させることによりストライプ領域とストライプ
    領域外部との実効屈折率差を10-3以上とすることを特
    徴とする歪量子井戸半導体レーザ。
  9. 【請求項9】GaAs基板上に少なくとも光を発生する
    InGaAs歪量子井戸層を有する活性層と光を閉じ込
    めるInGaPにより構成されるクラッド層を有する歪
    量子井戸半導体レーザにおいて、上記InGaAs歪量
    子井戸活性層から発せられるレーザ光のエネルギーより
    低い最低量子準位を有するInGaAs歪量子井戸層と
    GaAs障壁層から構成される光吸収層をストライプ領
    域の外側に設けることによりストライプ領域とストライ
    プ領域外部との実効屈折率差を10-3以上とすることを
    特徴とする歪量子井戸半導体レーザ。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9のいずれかに記載の歪量
    子井戸半導体レーザにおいて、上記InGaAs歪量子
    井戸層を有する活性層に隣接して両側または片側にGa
    Asから構成される光ガイド層を有することを特徴とす
    る歪量子井戸半導体レーザ。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の歪量子井戸半導体レ
    ーザにおいて、上記GaAsから構成される光ガイド層
    の厚みが0.05μm以下であることを特徴とする歪量
    子井戸半導体レーザ。
  12. 【請求項12】請求項1乃至9のいずれかに記載の歪量
    子井戸半導体レーザにおいて、上記InGaAs歪量子
    井戸層を有する活性層に隣接して両側または片側にIn
    GaAsPから構成される光ガイド層を有することを特
    徴とする歪量子井戸半導体レーザ。
  13. 【請求項13】請求項1乃至12のいずれかに記載の歪
    量子井戸半導体レーザにおいて、上記活性層に沿って伝
    搬する光の電界の及ぶ範囲内に回折格子が形成されてい
    ることを特徴とする歪量子井戸半導体レーザ。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の歪量子井戸半導体レ
    ーザにおいて、上記光ガイド層と上記クラッド層との界
    面部に上記回折格子が設けられていることを特徴とする
    歪量子井戸半導体レーザ。
  15. 【請求項15】請求項1乃至14のいずれかに記載の歪
    量子井戸半導体レーザにおいて、上記InGaAs量子
    井戸層を有する活性層の障壁層がGaAsであることを
    特徴とする歪量子井戸半導体レーザ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003524890A (ja) * 2000-01-20 2003-08-19 プリンストン・ライトウェーブ・インコーポレイテッド 改良されたビームダイバージェンス優先順位を有する半導体ダイオードレーザ
US6879614B2 (en) 1996-08-27 2005-04-12 Ricoh Company, Ltd. Optical semiconductor device having an active layer containing N
US7016384B2 (en) 2002-03-14 2006-03-21 Fuji Photo Film Co., Ltd. Second-harmonic generation device using semiconductor laser element having quantum-well active layer in which resonator length and mirror loss are arranged to increase width of gain peak
JP2007208062A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Sumitomo Electric Ind Ltd 半導体レーザ素子
JP2008085367A (ja) * 2007-12-17 2008-04-10 Mitsubishi Electric Corp 半導体レーザ装置

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