JPH05275052A - 反応ガスモニタ方法およびそれに用いる質量分析用イオン源 - Google Patents

反応ガスモニタ方法およびそれに用いる質量分析用イオン源

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JPH05275052A
JPH05275052A JP4065741A JP6574192A JPH05275052A JP H05275052 A JPH05275052 A JP H05275052A JP 4065741 A JP4065741 A JP 4065741A JP 6574192 A JP6574192 A JP 6574192A JP H05275052 A JPH05275052 A JP H05275052A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】イオン源およびこれを搭載した反応ガスモニタ
付半導体製造装置を提供する。 【構成】半導体製造装置に付加した反応ガスモニタに搭
載するイオン源を、V字型フィラメント1および遮光用
電子レンズ2を用いて構成し、イオン化室の低温化を図
った。さらに、イオン化室周辺のガス導入口8とガス排
出口9のコンダクタンス調整によりイオン化室内ガス圧
力を高めると共に、磁石6を設置してイオン化室内での
電子の運動を制御することによりイオン化効率を上げモ
ニタ感度の向上を図った。 【効果】イオン化室の温度を熱反応の閾温度以下に抑え
ることにより、イオン化室における熱反応が抑制され、
出力のノイズレベルが低下する。さらに、被分析分子の
イオン化の効率を上げることにより、出力のシグナルの
強度が増大するため、S/N比の高い分析が可能とな
る。これにより、成膜中の反応ガスのモニタが可能な半
導体製造装置が実現した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反応中のガス種の高感
度なモニタを可能にする質量分析計のイオン源およびこ
れを搭載した反応ガスモニタ付半導体製造装置に係り、
特に、熱反応によって生成したガス種をモニタするのに
好適な質量分析計のイオン源およびこれを搭載した反応
ガスモニタ付半導体製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】LSIの高集積化に伴なう配線多層化が
進んだため、配線の接続信頼性を確保するためにはより
一層の平坦化が要求され、同時に膜厚のより精緻な制御
が必要となっている。成膜時における膜厚制御を行うに
は、成膜反応を正確にモニタする必要があり、反応を直
接観測できるモニタ技術が求められている。例えば、以
下に示すW選択CVDによる微細スルーホールの埋め込
みでは、CVD原料ガスの導入から実際に成膜が開始す
るまでの時間が一定しないことに起因して、スルーホー
ル部でのWの埋込不十分による断線が発生し問題となっ
ている。ここで、成膜開始をモニタできれば、上記の問
題を解決することが期待できる。
【0003】Wの選択CVDは、250℃以上に加熱した
ウエハ上に原料ガスである六フッ化タングステン(W
6)と還元ガスである水素(H2)あるいはモノシラン(S
iH4)の混合ガスを導入、接触させて、所定の半導体層
または導電層上にのみ選択的に形成する。WF6にH2
加えた系(H2還元)の反応過程については四重極型質量
分析計(Quadrupole Mass Spectrometer;以下、QMS
と略す)による分析結果が、タングステン・アンド・ア
ザー・リフラクトリー・メタルズ・フォア・ブイ・エル
・エス・アイ・アプリケイションズ(1985年)の21ペー
ジから32ページ(Tungsten & Other Refractory Metals
for VLSI Applications,1985,p21〜p32)に記載されて
いる。この報告によれば、反応生成ガスの変化をQMS
によりモニタすると、図2(a)に示すように、成膜開始
時初期にSiF3+が表れ、この減衰後、HF+が出現し反
応ガスの供給を止めるまで出続ける様子が観測されてい
る。一方、図2(b)に示したH2の無い系での反応におい
ては、SiF3+の出現と減衰のみが観測されている。こ
のことから、H2を還元ガスとした反応過程では、以下
の反応式に示したように、2段階の反応、すなわち、初
期にはSi基板によるWF6の還元反応が生じ、次にH2
による還元反応が生じていることが明らかにされてい
る。 成膜初期 WF6+ 3/2Si→ W+ 3/2SiF4 (1) 次期 WF6+ 3H2 → W+ 6HF (2) しかし、現在還元ガスをH2からSiH4に置き換えたい
わゆるSiH4還元WCVDが主流となっているにもかか
わらず、QMSによる分析は殆ど行なわれていない。こ
のSiH4還元WCVDについては、ECS日本支部第1
回シンポジウム(昭和63年)『超LSICVD技術』予稿
集60ページから65ページに記載されている。還元ガスを
SiH4に置き換えることにより、H2還元の副生成物で
あるHFによって発生するSi基板へのダメージが除去
され、また成長温度が450℃から250℃へと大きく下げら
れることが報告されている。WF6とSiH4による成膜
反応は、図3のアレニウスプロットに示したように、18
0℃近傍で急激に成膜速度が上昇する反応である。従っ
て、CVDリアクタ内で反応したガスを導入しガスモニ
タを行なう場合、分析手段の内部に180℃以上の部分が
あると、未反応のガスにより分析手段内部で成膜反応が
起こり、分析におけるノイズ成分となる。このことか
ら、従来の熱陰極によって加熱されたイオン化室を内部
にもつQMSでは、反応モニタを行なうことは具体的に
下記に示すように困難であった。
【0004】従来のQMSを用いて行なった場合のSi
4反応のモニタの一例を示す。以下に示した反応式に
従い、反応が進むと考えられる。 WF6+ 3/2SiH4→ W+3/2SiF4+3H2 (3) この反応式から、SiF4をイオン化した場合に最も安定
して検出されるSiF3+イオンの強度をモニタすること
により、成膜反応の様子を観測できると考えられる。図
4に、5インチの全面にWを成膜させた場合の反応時間
に対するウエハ温度とSiF3+イオンのシグナル強度を
示した。また、図5に従来のQMSのイオン源の構成を
示す。フィラメントからの放出電子は、フィラメント表
面とイオン化室の間に印加された電圧AVにより加速さ
れ、イオン化室に入射する。そこで、被分析化学種と衝
突して、イオンを生成する。このイオンが、四重極より
質量を選別され、電子増倍管により増幅されたシグナル
として検出される。図4(a)は、電子の加速電圧17V、
フィラメントから放出される熱電子のエミッション電流
が100μAの場合を、図4(b)には、加速電圧17V、エミ
ッション電流10μAの場合を示している。すなわち、フ
ィラメントに印加した電力を変化させた場合の違いを表
している。実験における成膜では、通常の成膜とは異な
り、先ずCVDガスを一定量流した状態でウエハ加熱用
のランプを照射し、照射開始を反応時間の開始とした。
図4(a)では、反応開始前からすでに3.0nAのノイズが
存在し、ガスの供給を停止すると0.3nAに下がることか
ら、分析手段の内部にCVD反応の閾温度以上の部分が
あり、そこで成膜反応が起こっている事を示している。
さらに、ランプを消しても、シグナル強度は殆ど下がら
ない。これは一旦成膜した部分では、W核が一度形成さ
れてしまうと成膜反応が起こり易くなり、殆ど反応室か
らのシグナルと同程度のノイズレベルが検出され、モニ
タが困難であることを意味している。図4(b)では、エ
ミッション電流を10μAに下げているが、これは、フィ
ラメントに印加する電力を下げ、フィラメントからの発
熱を低減させていることを意味する。この結果、初期の
ノイズレベルは0.3nA程度に低下し、S/N比は向上し
ている。しかし、ランプ加熱の停止後も1.2nAのノイズ
レベルがあり、まだ充分にイオン化室の温度が下がって
いないことが分かる。
【0005】なお、従来のQMSを用いたSiH4還元W
CVDの反応解析に関連するものとしてはタングステン
・アンド・アザー・アドバンスト・メタルズ・フォア・
ブイ・エル・エス・アイ・アプリケイションズ第5巻(1990
年)の47ページから60ページ(Tungsten & Other Refract
ory Metals for VLSI Applications V, 1990 p47〜p6
0)が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記で述べたように、
従来のQMSでは分析を行なう上でのノイズとなる分析
手段内部での熱反応を考慮しておらず、すなわちイオン
化室内壁における熱反応を極力抑えるべくイオン化室の
温度を低くするという配慮がなされていないため、熱反
応のモニタを行なう際、特にSiH4還元WCVDの如き
低温成膜のモニタを行なう際、充分なS/N比が得られ
ないという問題があった。このような問題は、VLSI
製造等のプロセスにおいて低温化が進む中で、ますます
顕著になる傾向にある。
【0007】本発明の目的は、イオン化室に起因するノ
イズレベルを極力低減すると共に高感度化を図る(すな
わち、S/N比を向上させる)ことにより、熱反応によ
り生じたガス種の成膜中のモニタを可能とするイオン源
およびこれを搭載した反応ガスモニタ付半導体製造装置
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本課題を解決し、熱反応
によって生じた反応生成ガスをS/N良くモニタできる
イオン源を得るために、本発明では下記の4つの手段を
講じた。
【0009】(1)フィラメントからイオン化室への熱輻
射を抑えるため、フィラメントとイオン化室の間に、遮
光用電子レンズを設けた。これにより、イオン化室の昇
温を反応の閾温度以下に抑え、反応ガスモニタ時のノイ
ズを低減した。
【0010】(2)フィラメントからイオン化室への電子
の放出効率を高めるため、実用性のある範囲内でフィラ
メント径を細くすると共に、フィラメントをV字型にし
た。
【0011】(3)イオン化室の電子の運動を制御し、イ
オン化の効率を高めるために、イオン源に磁石を設け
た。
【0012】(4)イオン化室内のガス圧力を上げ、イオ
ン量を増加させるために、イオン源の構造をガス導入口
からガスを漏れなく導入し、かつイオン化室までのガス
導入口のコンダクタンスがイオン化室から排気側へのコ
ンダクタンスよりも大きくなる構造とした。
【0013】
【作用】イオン化室の温度はフィラメントからの熱輻射
量により決まり、イオン化室の昇温を抑えるためには、
フィラメントからの熱輻射を抑える必要がある。しか
し、ただ単にフィラメントに印加する電力を下げて発熱
を抑えると、同時に放出電子も低減しシグナル強度まで
低下することになる。そこで、フィラメントの発熱量を
下げてもシグナル強度を下げないためには、仕事関数の
低いフィラメント材を使用して低温での電子放出効率を
上げることが有効である。
【0014】通常、フィラメント材としてWやRe-W
(3%レニウムタングステン)線が用いられるが、低温化
と云う観点からはより仕事関数の低いThO2/W(トリア
コーティッドタングステン)線やIr(イリジウム)線を用
いることにより、より低い温度で、熱電子を効率的に得
ることが可能となる。
【0015】ここでフィラメントから放出される熱電子
(エミッション)電流をIsとすると、 Is= A・T2・exp(−eψ/kT) で表される。ここで、A:Richardson定数(Acm~
22)、T:温度(K)、e:電気素量(C)、ψ:仕事関
数(eV)、k:ボルツマン定数である。今、現状よ
り、仕事関数をaだけ下げると、エミッション電流は Is= B・T2・exp〔−e(ψ−a)/kT〕 = B・T2・exp(−eψ/kT)exp(ea/kT) となる。Bは、その物質のRichardson定数であるが、
この値が物質によって最大2桁程度しか変化しないのに
対し、全体に、exp(ea/kT)の項が掛かり、放
出されるエミッション電流は、指数関数的に増大する。
【0016】例えば、Wフィラメントと、ThO2/W(ト
リアコーティッド)フィラメントを比較すると、ThO2(ト
リア)の仕事関数の方が2.0eV低く、同じ電流値を得
るのに1000K近くフィラメント温度が下がり、結果的に
イオン化室の温度も下がる。このように、仕事関数の低
いフィラメントへの交換は、イオン化室の温度を下げる
作用がある。
【0017】さらに、同じフィラメントの表面温度を得
る場合でも、寿命において実質的に使用できる範囲内で
細くして(当然、細くなれば切れ易くなる)、発熱量を低
減することが有効である。また上記の低仕事関数の材料
と併用すれば低温化に対し一層効果的である。ただし、
フィラメント材料によっては分析ガスとの反応性等によ
り著しく寿命の短くなるものもあるので、一概に仕事関
数が低く細ければ良いと云う訳ではない。
【0018】遮光用電子レンズはフィラメントからイオ
ン化室への熱輻射を遮断し、イオン化室の温度を下げる
作用がある。ただし、単に遮蔽を行なうだけでは同時に
熱電子のイオン化室への入射も阻止されるため、フィラ
メントからの熱輻射をより有効に遮るためには、フィラ
メントにおける電子の放出箇所を出来る限り局所に絞
り、遮光電子レンズの電子通過穴径を小さくすることが
好ましい。従って、本遮光用電子レンズは下記のV字型
フィラメントとの併用によりその効果を発揮することが
できる。
【0019】V字型フィラメントは、フィラメントは
中央部分が最も高温となること、尖端な部分からは電
子加速電圧が印加されるとフィールドエミッション効果
により低温でも電子が放出され易くなることから、尖端
部分のみから電子を放出させる作用がある。
【0020】また、イオン化効率を向上するためには、
電子の拡散を防ぎ、イオン化室内における電子運動の軌
跡を長くすることにより、電子と被イオン化分子との衝
突確率を上げることが有効であり、磁石を用いるとこの
作用が得られる。この時、磁石による磁場の影響は電子
に限らず、荷電粒子であるイオンも電子の数千分の一程
度ではあるが影響を受けるため、実質的に電子のみが作
用を受ける程度の弱い磁場を形成する磁石の設置が有効
である。図6(a)に示すようなリング状の磁石を設置し
た場合を考える。図6(a)に示すように、リング状磁石
の磁場は、リングの片方の端面から、もう片方の端面へ
と形成される。この磁場中に電子が入射すると、磁力線
と電子の進行方向の両方に対し垂直の方向に、ローレン
ツ力図6(b)が電子に働く。従って、少しでも磁力線に
対し斜めに入射した電子は、磁力線に沿って螺旋運動を
しながらイオン化室を進むことになる。このため、磁場
のない系では拡散してイオン化に寄与しなかった電子も
イオン化に寄与し、さらに螺旋運動により電子の軌跡が
長くなり、被分析分子との衝突確率が向上するためイオ
ン化効率が高くなる。
【0021】さらに、イオン化効率を向上させるために
は、分析管に導入するガスを効率良くイオン化室に導入
し、イオン化室内のガス圧力を高くする事が有効であ
る。従来のように、分析管に導入されたガスの一部が自
然にイオン化室に飛び込んだ量だけイオン化する場合で
も、単に分析管に導入するガスを増やし、イオン化室内
の圧力を増加させるだけで感度は上昇する。しかし、こ
の場合には、分析管内が汚れやすくなり、モニタ可能な
寿命を縮める事になる。また、電子増倍管の使用できる
圧力範囲の制限から、イオン化室内の圧力を増加させて
も、最大で10~5Torr程度にしかならない。しかし、イオ
ン源を本発明のようにガス導入口からイオン化室へガス
を漏れなく導入するような、かつイオン化室までのガス
導入口のコンダクタンスをイオン化室から排気側へのコ
ンダクタンスよりも大きくしたイオン源の構造は、少な
い導入ガスで十分高いイオン化室内圧力を得る作用を持
つ。図7にガス導入方法を変えた時のイオン化室内の圧
力の変化を示した。(a)は分析管内に導入されたガスが
自然に拡散してイオン化室に導入される場合、(b)はガ
スが全てイオン化室に導入されるがイオン化室から排気
側へのコンダクタンスの方が大きい場合、(c)はガスが
全てイオン化室に導入されかつイオン化室までのガス導
入口のコンダクタンスの方が大きい場合を示している。
この図からも分かるように、本発明の構造である(c)の
場合において最も高いイオン化室内圧力が得られる。従
って、イオン化する分子の数が増加して感度が向上す
る。また、イオン化室内側から外側へのガス流れは、フ
ィラメント付近で発生したノイズ成分となる熱反応の生
成ガスがイオン化室に逆拡散するのを阻止し、ノイズを
低減する作用がある。
【0022】
【実施例】本発明の効果を明らかにするために、本発明
で述べた手段を適用したイオン源を用いてW-CVDプ
ロセスのモニタを行なった実施例を以下に記す。さら
に、得られたS/N比の高いモニタ技術をW-CVDによ
るスルーホールコンタクトの埋め込みプロセスのモニタ
に適用した実施例も以下に記す。
【0023】(実施例1)ここでは、図1に示した本発明
のイオン源におけるイオン化室の低温化およびに感度向
上関する効果を確認した。図1においてフィラメント1
はV字型のφ0.127のThO2/Wワイヤー用い、フィラメ
ントからの熱輻射を遮断するためにφ1.0の電子透過用
オリフィスの開いた電子レンズ2を設置した。被分析ガ
スは、分析管ケーシングの導入口8a、およびイオン化
室3に取り付けられたφ3.0の導入口8bを通してイオン
化室3内に取り入れられる。そして、ガス排出口9bを
通して排気される。この時、導入したガスが漏れなくイ
オン化室3に導入されるよう、イオン源に印加する各電
位の電気絶縁も兼ねたガス拡散防止用セラミック7aお
よび7bを設置し、イオン化室3までの導入側コンダク
タンスを大きく取れるようにイオン化室3の周囲に導入
口としてφ3.0の穴を8個設け、一方イオン化室からの
排気側は電子透過用およびイオン透過用の各φ2.0のオ
リフィスを2個のみとしてイオン化室3の排気側のコン
ダクタンスを小さくイオン化室3内のガス圧力が高くな
るようにした。また、電子運動を制御するため、リング
状磁石6の中心軸が円筒状のイオン化室3の中心軸に重
なるように、イオン化室3の周囲にリング状磁石6を設
置した。
【0024】フィラメント1とイオン化室3周辺に印加
する電位を構成する電気回路は、図1に示したとおりで
ある。加速電位10(AV)を17Vに設定して、エミッショ
ン電流11が10μAになるようにフィラメント電圧12(F
V)を調整して、フィラメント点灯後イオン化室温度が
一定になった(6時間経過)後のイオン化室3温度を熱電
対17で測定したが、約80℃であった。図5に示した従来
のイオン源においてエミッション電流11を同じ10μAに
設定した時のイオン化室3温度が約180℃であったこと
から、約100℃の低温化が図れたことになる。
【0025】本発明のイオン源と図5に示した従来のイ
オン源との感度比較には、Arガスを一定流量導入し、
エミッション電流、四重極マスフィルターの分解能、2
次電子増倍管(以後SEMと略す:Secondary Electron
Multiplier)の増幅率等、イオン源の構造以外の条件は
全て同一にしてAr+のシグナル強度を測定して行なっ
た。SEMに印加する電圧を1700Vに設定し(約105程度
の増幅率)、SEMからの電流出力をシグナル強度とし
た。ここで、導入するArガスの流量が極めて微小で流
量調節が難しいため、分析管内圧力が所定の圧力になる
よう調節した。分析管内のベースプレッシャーが約2.0
×10~8Torrであるのに対し、ガス導入時の圧力が1.0×1
0~6Torrになるように流量を設定した。本発明のイオン
源を用いた時のシグナル強度は3.3μAであり、図5に
示した従来のイオン源を用いた時の3.4nAに対し、約1
000倍の感度向上効果が確認された。
【0026】(実施例2)次に、上記実施例1における感
度向上効果について、本発明の各要素がどの程度寄与し
ているかを知るため、図1に示したイオン源からガス拡
散防止用セラミック7aを取り除き、磁石3による感度
向上効果のみ観測できるようにした。セラミック7aを
取り除いたためにイオン化室内に導入されるガスは、分
析管に導入されたガスが自然に拡散して飛び込んでくる
分のみとなり、当然感度は低下すると考えられる。感度
測定は、イオン源の構造が異なる以外上記実施例と全く
同様に行った。得られたAr+のシグナル強度は67nA
となり、従来のイオン源を用いた時の3.4nAに対し、
約20倍となった。ただし、リング状の磁石6を用いた本
発明のイオン源は、従来のイオン源とは構造が全く異な
っているため、従来のイオン源に新たに磁石を設けた場
合にも20倍の感度向上得られるという訳ではなく、それ
以上にもそれ以下にもなる可能性がある。
【0027】以上から、実施例1における感度向上効果
は、磁石による電子の運動制御によって約20倍、本発明
のガス導入方法によるイオン化室内ガス圧力増大により
約50倍得られたと推定される。
【0028】(実施例3)次に、実際に5インチウエハ全
面でCVD反応を行った時に、本発明のイオン源を用い
てモニタした結果を図8に示す。サンプルには、あらか
じめウエハ全面にスパッタW膜を100nm成膜した5イン
チSiウエハを用いた。成膜条件は、先の従来のイオン
源を用いた実験結果(図4)で示したものと同樣である。
横軸に成膜時間を、縦軸にシグナル強度と、ウエハ温度
を示す。ランプを照射する前のイオン化室内での反応に
起因するノイズレベルは、殆ど電気的ノイズと見分けが
付かない程度の低いレベルであり、イオン化室内におい
て成膜反応は殆ど起こっていないと思われる。これよ
り、従来のイオン源と比較して本発明のイオン源におい
て、S/N比の向上効果が確認できた。
【0029】(実施例4)次に、本発明のイオン源を用
い、より実際のプロセスに近い反応におけるモニタの実
施例を示す。サンプルには、5インチSiウエハ上にW
スパッタ膜を300nm成膜し、その上にプラズマCVDに
より酸化膜を700nm成膜し、これをパターニングして、
多数のスルーホールを設けたウエハを用いた。このウエ
ハには、1チップ上に1.0μm径、1.5μm径、2.0μm径の
3種類の大きさのスルーホールを各々364k個ずつパター
ニングしたものが、全部で75チップ設けてあり、選択C
VDにおける反応領域が5インチウエハ全面にWが露出
している場合の約1/100程度となっている。従って、先
の実施例においてウエハ全面でCVD反応を行った場合
に比べ、反応モニタのシグナル強度が著しく下がる筈で
ある。
【0030】実施例2と同じモニタ装置を使い、上記サ
ンプルのスルーホール埋め込み中のSiF3+のプロファ
イルをモニタした。測定結果を図9に示す。横軸は成膜
時間、縦軸はシグナル強度とウエハ温度を表している。
シグナル強度は全面に成膜した場合と比較すると15%程
度に落ちているが、S/N比は、10以上が確保されてお
り、本発明のイオン源を用いれば、低温の熱反応モニタ
が十分可能であることを確認した。なお、ここで、反応
領域が約1/100であるのに対して、シグナル強度が15%
程度にしか落ちていないのは、ウエハ全面で成膜してい
る場合には供給律速となり十分にガスが供給された場合
の1/15程度の反応(成膜)速度しか得られていないことを
示していると考えられる。
【0031】以上、幾つかの実施例により本発明の有効
性を示したが、本発明におけるイオン源によるモニタは
SiH4還元のW選択CVDにのみ適用可能であるだけで
なく、熱反応、特に低温における熱反応のモニタに効果
的であることは言うまでもない。さらに、プラズマCV
Dのようなプラズマを用いたプロセスであっても、その
反応が表面における熱反応が律速過程となっている場合
には本発明のイオン源が十分適用可能であることは明ら
かである。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、半導体製造装置の反応
をモニタする際に、装置に付加した質量分析計のイオン
化室の温度をモニタを対象とする反応の閾温度以下に抑
え、かつ、イオン化室でのイオン化効率を高めることに
より、S/N比の高いモニタが可能となる。
【0033】このことにより、反応中のガス種の正確な
モニタが可能となり、反応の初期過程など表面反応の制
御や膜厚制御にフィードバックすることにより、次期デ
ィープサブミクロンプロセスの実現に寄与できる。
【0034】さらに、半導体製造に限らず、低温プロセ
ス反応開始、終了、反応量のモニタに適用できることか
ら、従来の反応量バラツキ等が原因となり歩留りが低か
った製品について歩留り向上に寄与できると期待され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオン源断面図である。
【図2】従来の(WF6+H2)系による、W成膜中の質
量スペクトル図である。
【図3】H2、SiH4 還元W-CVDのアレニウスプロ
ット図である。
【図4】従来例として用いたSiH4 還元W-CVD中の
ウエハ温度とSiF3+プロファイル図である。
【図5】従来のイオン源断面図である。
【図6】リング状磁石の磁場と電子の受ける力を示す図
である。
【図7】ガス導入方法の違いによるイオン化室内圧力の
比較図である。(a)通常のガスが自然に拡散してイオン
化室に導入される場合、(b)ガスは全てイオン化室に導
入されるが、ガス導入口からイオン化室までのコンダク
タンスがイオン化室から排気側へのコンダクタンスより
も小さい場合、(c)ガスが全てイオン化室に導入されか
つガス導入口からイオン化室までのコンダクタンスがイ
オン化室から排気側へのコンダクタンスよりも大きい場
合(本発明)の図である。
【図8】実施例2において得られたウエハ全面でのSi
4還元W-CVD反応中のウエハ温度とSiF3+プロフ
ァイル図である。
【図9】実施例3において得られたSiH4還元W選択C
VDによるスルーホール埋込中のウエハ温度とSiF3+
プロファイル図である。
【符号の説明】
1…V字型フィラメント、 1'…フィラメント、 2…遮光用電子レンズ、 3…イオン化室、 4…引き出し電極、 5…イオンレンズ、 6…リング状磁石、 7a〜c…電気絶縁およびガス拡散防止用セラミック、 8a,b…ガス導入口、 9a,b…ガス排出口、 10…電子加速電位(AV)、 11…エミッション電流測定計、 12…フィラメント印加電圧、 13…グリッド電極、 14…リペラー電極、 15…熱電子、 16…被分析イオン、 17…熱電対。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】質量分析計を用いて熱反応によって生成し
    たガスをモニタする方法において、フィラメントからイ
    オン化室への輻射光を遮光用電子レンズにより低減し、
    イオン化室の温度を上記熱反応の反応開始の閾温度より
    低くしてモニタすることを特徴とするモニタ方法。
  2. 【請求項2】熱反応によって生成したガスをモニタする
    ための質量分析用イオン源であって、フィラメントとイ
    オン化室の間に遮光用電子レンズを有することを特徴と
    する質量分析用イオン源。
  3. 【請求項3】質量分析計を用いて熱反応によって生成し
    たガスをモニタする方法において、ガス導入口からガス
    が漏れなくイオン化室に導入する構造を有し、かつイオ
    ン化室までのガス導入口のコンダクタンスがイオン化室
    から排気側へのコンダクタンスよりも大きくしてモニタ
    することを特徴とする反応ガスモニタ方法。
  4. 【請求項4】熱反応によって生成したガスをモニタする
    ための質量分析用イオン源であって、ガス導入口からガ
    スが漏れなくイオン化室に導入する構造であり、かつイ
    オン化室までのガス導入口のコンダクタンスがイオン化
    室から排気側へのコンダクタンスよりも大きいことを特
    徴とする質量分析用イオン源。
  5. 【請求項5】質量分析計を用いて熱反応によって生成し
    たガスをモニタする方法において、(1)イオン化室温度
    を上記熱反応の反応開始の閾温度より低くすること、
    (2)フィラメントとイオン化室の間に遮光用電子レンズ
    を設けたこと、(3)イオン源に磁石を設けたこと、(4)ガ
    ス導入口からイオン化室にガスが漏れなく導入される構
    造を有し、かつイオン化室までのガス導入口のコンダク
    タンスがイオン化室から排気側へのコンダクタンスより
    も大きくしたことを特徴とする反応ガスモニタ方法。
  6. 【請求項6】熱反応によって生成したガスをモニタする
    ための質量分析用イオン源であって、(1)イオン化室温
    度が上記熱反応の反応開始の閾温度より低いこと、(2)
    フィラメントとイオン化室の間に遮光用電子レンズを有
    すること、(3)イオン源に磁石を有すること、(4)ガス導
    入口からイオン化室にガスが漏れなく導入される構造を
    有し、かつイオン化室までのガス導入口のコンダクタン
    スがイオン化室から排気側へのコンダクタンスよりも大
    きいことを特徴とするイオン源。
  7. 【請求項7】熱陰極用フィラメントを中央で折り曲げ、
    その尖端の径が0.5mmよりも小さいV字形であることを
    特徴とする請求項2または6記載のイオン源。
  8. 【請求項8】上記イオン源に設けた磁石の形がリング状
    であることを特徴とする請求項6記載のイオン源。
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