JPH0527362Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は塵芥収集車の安全装置に係り、特に塵
芥の排出時すなわち塵芥収容箱並びにテールゲー
トを後方へダンプさせた時、塵芥収集車が後方へ
転倒しないようにした塵芥収集車の安全装置に関
する。

〔従来の技術〕

一般に、荷台フレーム上に後方へダンプ自在に
塵芥収容箱を設け、この塵芥収容箱の後端に後方
へダンプ自在にテールゲートを設けてなる塵芥収
集車は知られている。この種の塵芥収集車では、
塵芥収容箱内に収集した塵芥を塵芥処理場にて排
出する際、上述の塵芥収容箱およびテールゲート
を後方へダンプさせる。

ところで、塵芥処理場などでは地盤が軟弱なこ
とが多く、排出される塵芥の量が多過ぎた場合な
どには、車両の重心が後方へ大きく移動し、塵芥
収集車が転倒してしまうという問題が生じる。

この問題を解消するため、従来、車体フレーム
の後方に油圧シリンダで上下動するサポータを設
けたもの（実開昭61−145704号公報）、あるいは
車体フレームの後方に支持脚を設けたもの（実開
昭58−127005号公報）など種々の技術が提案され
ている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、油圧シリンダで上下動するサポ
ータを車体フレームの後方に設けたものでは、油
圧シリンダの操作が面倒であり、その操作を忘れ
るとサポータが作動しないので、塵芥収集車の転
倒を防げなくなるという問題がある。

また、車体フレームの後方に支持脚を設けたも
のでは、この支持脚の傾動が塵芥収集車の停止位
置により制約を受け、どのような位置であつても
支持脚を作動させることができるわけでなく、そ
の作動は極めて不安定になるという問題がある。

そこで、本考案の目的は、上述した従来の技術
が有する問題点を解消し、簡単な構成で、軟弱な
地盤にあつても確実に塵芥収集車の転倒を防止で
きるようにした塵芥収集車の安全装置を提供する
ことにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は、塵芥収
集車の荷台フレームの後端に車両転倒防止用の油
圧シリンダで動作する油圧ジヤツキ装置を設ける
とともに、この油圧ジヤツキ装置の油圧シリンダ
を塵芥収集車のテールゲートシリンダをダンプ動
作させるための油圧回路内に組込み、テールゲー
トの降下時に前記テールゲートシリンダに油圧を
供給する第１管路、及びテールゲートのダンプ時
に前記テールゲートシリンダに油圧を供給する第
２管路から各々分岐された２つの第１及び第２分
岐管路に前記油圧シリンダを接続し、前記第１管
路及び第１分岐回路内の圧力により開閉する２つ
のパイロツトチエツク弁を各々前記第２管路及び
第２分岐管路に介装したことを特徴とするもので
ある。

〔作用〕

本考案によれば、塵芥の排出時に、テールゲー
トをダンプさせるときには、第２管路に油圧が供
給され、同時にこれから分岐した第２分岐回路に
も油圧が供給され、油圧ジヤツキ装置の油圧シリ
ンダが伸長される。このように、油圧シリンダの
動作は、テールゲートの動作と連動されている。

次いで、テールゲートがダンプした状態で、塵
芥収容箱がダンプされるときには、パイロツトチ
エツク弁の作用により、この油圧シリンダが伸長
した状態で油圧シリンダ及び第２分岐管路内の圧
力が保持される。これにより、塵芥収容箱のダン
プ時に、車両が確実に安全状態に維持される。

この後、テールゲートが降下される時には、第
１管路及び第１分岐管路に油圧が供給され、これ
らの管路内の圧力により開閉されるパイロツトチ
エツク弁が開成され、油圧ジヤツキ装置の油圧シ
リンダが収縮される。

〔実施例〕

以下、本考案による塵芥収集車の安全装置の一
実施例を添附図面を参照して説明する。

第１図において符号１は塵芥収容箱を示し、こ
の塵芥収容箱１の後端には支軸２を介してテール
ゲート３が連結されている。このテールゲート３
は第２図に示されるようにテールゲートシリンダ
４を介してダンプされる。テールゲート３内には
支点５まわりを揺動する押込パネル６と、支点７
まわりを回転する回転パネル８とが設けられ、押
込パネル６は押込シリンダ１０で、回転パネル８
は回転モータ１１で駆動されるようになつてい
る。符号１２は塵芥の逆流を防止するデフレクタ
である。

また、塵芥収容箱１は荷台フレーム１５の後端
に支軸１６を介して連結され、この塵芥収容箱１
は第３図に示されるように塵芥収容箱シリンダ１
７を介してダンプされるようになつている。な
お、符号１８はフツクシリンダを示し、これが作
動するとフツク１９を介して塵芥収容箱１に対し
てテールゲート３が緊締されるようになつてい
る。

しかして本実施例によれば、荷台フレーム１５
の後部車輪よりも後方の下面に、ほぼ鉛直方向に
伸縮する油圧シリンダで動作する油圧ジヤツキ装
置２０が設けられている。なお、油圧ジヤツキ装
置２０としては、例えば荷台フレーム１５の後部
に支持棒を設け、この支持棒にトグル装置などを
介して油圧シリンダを連結し、この油圧シリンダ
を介して支持棒を上下動させるよう構成しても良
い。

この油圧ジヤツキ装置２０は第４図に示される
ように各シリンダ４，１０，１１，１７，１８の
作動回路内に組込まれている。第４図において符
号Ｖ１〜Ｖ５は電磁切換弁を示し、これら電磁切
換弁Ｖ１〜Ｖ５が切換えられると上述の各シリン
ダ４，１０，１１，１７，１８が動作するように
なつている。符号Ｐは油圧ポンプ、符号Ｔは油圧
タンクである。

油圧ジヤツキ装置２０は電磁切換弁Ｖ３とテー
ルゲートシリンダ４とを接続する第１及び第２管
路２２ａ，２２ｂの途中に第１及び第２分岐管路
２３ａ，２３ｂを介して接続され、テールゲート
シリンダ４と連動して動作するようになつてい
る。また、第２管路２２ｂの途中には第１管路２
２ａ内の圧力で開閉するパイロツトチエツク弁
PC１と絞り弁CH１が、さらに第２分岐管路２３
ｂの途中には第１分岐管路２３ａ内の圧力で開閉
するパイロツトチエツク弁PC２と絞り弁CH２が
それぞれ接続されている。

次に、本実施例の作用を説明する。

先ず、塵芥の排出時には第１図に示されるよう
に塵芥収集車の後部車輪が輪止め２５に到達する
まで塵芥収集車を後退させる。次に、テールゲー
トシリンダ４を動作させてテールゲート３を後方
へダンプさせる。このときには第４図において作
動油が第２管路２２ｂ内に流入し、したがつて第
２分岐管路２３ｂ内にも流入し、第２図に示され
るように油圧ジヤツキ装置２０は伸長してその先
端が輪止め２５に当接する。

次いで、第３図に示されるように塵芥収容箱シ
リンダ１７を動作させて塵芥収容箱１を後方へダ
ンプさせる。このときには第４図においてパイロ
ツトチエツク弁PC₂を介して油圧ジヤツキ装置２
０の第２分岐管路２３ｂ側の圧力が保持され、油
圧ジヤツキ装置２０と輪止め２５との当接状態が
保持され、車両の安定状態が保持される。

塵芥の排出後にはテールゲート３を降下させ
る。このときには第４図において作動油が第１管
路２２ａ内に流入し、したがつて第１分岐管路２
３ａ内にも流入し、パイロツトチエツク弁PC₂が
開いて、第１図に示されるように油圧ジヤツキ装
置２０が収縮し、よつて走行可能な状態になる。

しかして本実施例によれば、第４図に示される
ように、既存の作動油圧回路内に第１及び第２分
岐管路２３ａ，２３ｂを介して油圧ジヤツキ装置
２０を接続するだけの簡単な構成で車両の転倒防
止の目的を確実に達成することができるという効
果が得られる。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、塵芥収集車の荷台フレームの後端に車両転倒
防止用の油圧シリンダで動作する油圧ジヤツキ装
置を設け、この油圧ジヤツキ装置の油圧シリンダ
の動作と塵芥収集車のテールゲートシリンダのダ
ンプ動作とを連動させ、テールゲートがダンプし
ているときには、パイロツトチエツク弁の作用に
より、この油圧シリンダが伸長した状態で油圧シ
リンダ及び第２分岐管路内の圧力を保持できるこ
とから、塵芥収容箱のダンプ時に、車両の転倒を
確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による塵芥収集車の安全装置の
一実施例を示す側面図、第２図および第３図はそ
れぞれテールゲートと塵芥収容箱とをダンプさせ
た状態を示す側面図、第４図は作動油圧回路図で
ある。 １……塵芥収容箱、３……テールゲート、４…
…テールゲートシリンダ、１５……荷台フレー
ム、１７……塵芥収容箱シリンダ、２０……油圧
ジヤツキ装置、２２ａ……第１管路、２２ｂ……
第２管路、２３ａ……第１分岐管路、２３ｂ……
第２分岐管路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 塵芥収集車の荷台フレームの後端に車両転倒防
   止用の油圧シリンダで動作する油圧ジヤツキ装置
   を設けるとともに、この油圧ジヤツキ装置の油圧
   シリンダを塵芥収集車のテールゲートシリンダを
   ダンプ動作させるための油圧回路内に組込み、テ
   ールゲートの降下時に前記テールゲートシリンダ
   に油圧を供給する第１管路、及びテールゲートの
   ダンプ時に前記テールゲートシリンダに油圧を供
   給する第２管路から各々分岐された２つの第１及
   び第２分岐管路に前記油圧シリンダを接続し、前
   記第１管路及び第１分岐回路内の圧力により開閉
   する２つのパイロツトチエツク弁を各々前記第２
   管路及び第２分岐管路に介装したことを特徴とす
   る塵芥収集車の安全装置。