JPH0712321Y2

JPH0712321Y2 - 塵芥収集車の安全装置

Info

Publication number: JPH0712321Y2
Application number: JP7024089U
Authority: JP
Inventors: 政男神田
Original assignee: Fuji Jukogyo KK
Current assignee: Subaru Corp
Priority date: 1989-06-15
Filing date: 1989-06-15
Publication date: 1995-03-22
Anticipated expiration: 2004-06-15
Also published as: JPH039306U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は塵芥収集車の安全装置に係り、特に塵芥の排出
時、すなわちテールゲート及び塵芥収容箱を後方及び上
方にダンプさせた時、塵芥収容車が後方へ転倒してしま
うことがないようにした塵芥収容車の安全装置に関す
る。

〔従来の技術〕

一般に、荷台フレーム上に上方へダンプ自在に塵芥収容
箱を設け、この塵芥収容箱の後端に後方にダンプ自在に
テールゲートを設けてなる塵芥収容車はしられている。
この種の塵芥収容車では、塵芥収容箱内に収集した塵芥
を塵芥処理場にて排出する際、上述のテールゲート及び
塵芥収容車を後方及び上方に夫々ダンプさせる。

ところで、塵芥処理場などでは地盤が軟弱なことが多
く、排出される塵芥の量が多すぎた場合などには、車両
の重心が後方に大きく移動して、塵芥収集車が転倒して
しまうことがあるといった問題が生じる。

この問題を解消するため、従来、車体フレームの後方に
油圧シリンダで上下動するサポータを設けたもの（例え
ば、実開昭61−145704号公報参照）、或いは車体フレー
ムの後方に支持脚を設けたもの（同じく実開昭58−1270
05号公報）など種々の技術が提案されている。

また、出願人は先に実願昭63−30071号として、塵芥収
集車の荷台フレームの後端に車両転倒防止用の油圧シリ
ンダで動作する油圧ジャッキ装置を設けるとともに、こ
の油圧ジャッキ装置の油圧シリンダを塵芥収集車のテー
ルゲートシリンダをダンプ動作させるための油圧回路内
に組込むことにより、テールゲートの動作に連動して油
圧ジャッキ装置の油圧シリンダを動作させるようにした
ものを提案した。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記油圧シリンダで上下動するサポータ
を車体フレームの後方に設けたものでは、油圧シリンダ
の操作がかなり面倒であり、その操作を忘れるとサポー
タが作動しないので、塵芥収集車の転倒を防げなくなっ
てしまうといった問題点があった。

また、車体フレームの後方に支持脚を設けたものでは、
この支持脚の傾動が塵芥収容車の停止位置によって制約
を受け、どのような位置であっても支持脚を作動させる
ことができるわけではなく、このためその作動は極めて
不安定となってしまうといった問題点があった。

更に、上記実願昭63−30071号に記載のものは、上記問
題点を悉く解消することができるものの、塵芥排出後に
塵芥収容箱内の点検や清掃を行う時に、車両を前方に動
かす必要があるが、この時油圧ジャッキ装置を上げるた
めにテールゲートを一旦下げ、車両を移動した後、再び
テールゲートを上げる操作が必要となって、この操作が
非常に面倒であるといった問題点があることが解った。

本考案は上記に鑑み、実願昭63−30071号に更に改良を
加えて、塵芥排出時における車両の転倒を確実に防止す
るとともに、テールゲートを上げたまま、車両を移動す
ることができるようにしたものを提供することを目的と
する。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案にかかる塵芥収集車の
安全装置は、塵芥収集車の荷台フレームの後端に、車両転倒防止用の
油圧シリンダで動作する油圧ジャッキ装置が設けられ、
荷台フレームに、塵芥収容箱をダンプさせるための塵芥
収容箱シリンダが設けられ、この油圧ジャッキ装置のピストン収縮側のシリンダ室
と、塵芥収容箱シリンダのピストン収縮側のシリンダ室
とが第１管路により接続され、油圧ジャッキ装置のピストン伸展側のシリンダ室と、塵
芥収集車の塵芥収容箱シリンダのピストン伸展側のシリ
ンダ室とが第２管路により接続され、第１管路に作動油を供給し第２管路から作動油を排出す
る収縮位置と、第１及び第２管路の作動油を保持する保
持位置と、第１管路から作動油を排出し第２管路に作動
油を供給する伸展位置との３つの切換位置を切換える切
換弁を備え、切換弁が伸展位置及び保持位置に切換えられているとき
に、油圧ジャッキ装置のピストン伸展側のシリンダ室内
の作動油を保持する一方、切換弁が収縮位置に切換えら
れて第１管路に油圧が供給されたときに、油圧ジャッキ
装置のピストン伸展側のシリンダ室内の作動油の排出を
許容するチェック弁を前記管路に設けたことを特徴とし
ている。

〔作用〕

上記のように構成した本考案によれば、塵芥収容箱シリ
ンダを動作させて塵芥収容箱を上方にダンプさせる。こ
の時、作動油が第２管路内に流入し、塵芥収容箱の上方
へのダンプに連動して、油圧ジャッキ装置も下方に伸展
してその先端が輪止めに当接することになる。

ダンプが完了すると、切換弁が中立の保持位置に戻され
るが、この時、チェック弁を介して油圧ジャッキ装置の
第２管路側の圧力が保持されて、油圧ジャッキ装置と輪
止めとの当接状態が保持され、これによって車両の安定
状態が保持される。

塵芥の排出後には、テールゲートを降下させ、続いて塵
芥収容箱シリンダを収縮させて塵芥収容箱を降下させ
る。この時には、作動油が第１管路内に流入し、チェッ
ク弁が開いて、油圧ジャッキ装置が収縮し、これによっ
て走行可能な状態になる。

従って、塵芥収集車の塵芥収容箱シリンダを動作させて
塵芥収集箱を上方にダンプさせると、これに連動して油
圧ジャッキ装置の油圧シリンダが作動して、車両の転倒
を確実に防止することができるとともに、テールゲート
を上げたまま車両を移動させることができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。

第１図において、符番１は塵芥収容箱を示し、この塵芥
収容箱１の後端には、支軸２を介してテールゲート３が
連結されている。このテールゲート３は、第２図に示す
ように、テールゲートシリンダ４を介して後方にダンプ
するよう構成されている。

このテールゲート３内には、支点５廻りを揺動する押込
パネル６と、支点７廻りを回転する回転パネル８とが設
けられ、押込パネル６は押込シリンダ10で、回転パネル
８は回転モータ11で夫々駆動するようなされている。な
お、符番12は塵芥の逆流を防止するためのデフレクタで
ある。

また、塵芥収容箱１は、荷台フレーム15の後端に支軸16
を介して連結され、この塵芥収容箱１は、第３図に示す
ように、塵芥収容箱シリンダ17を介して上方にダンプす
るよう構成されている。なお、符番18はフックシリンダ
を示し、これが作動するとフック19を介して塵芥収容箱
１に対してテールゲート３が緊締されるようなされてい
る。

しかして本実施例によれば、荷台フレーム15の後部車輪
よりも後方の下面に、ほぼ鉛直方向に伸縮する油圧シリ
ンダで動作する油圧ジャッキ装置20が設けられている。
なお、油圧ジャッキ装置20としては、例えば荷台フレー
ム15の後部に支持棒を設け、この支持棒にトグル装置な
どを介して油圧シリンダを連結し、この油圧シリンダを
介して支持棒を上下動させるよう構成しても良いことは
勿論である。

この油圧ジャッキ装置20は、第４図に示すように、各シ
リンダ4,10,11,17及び18の作動回路内に組込まれてい
る。同図において、符号V1〜V5は電磁切換弁を示し、こ
れらの電磁切換弁V1〜V5が切換えられると上述の各シリ
ンダ4,10,11,17及び18が動作するようなされている。な
お、符号Ｐは油圧ポンプ、符号Ｔは油圧タンクを夫々示
す。

電磁切換弁V4は、第１及び第２管路22a,22bにより塵芥
収容箱シリンダ17に各々接続されている。より具体的に
は、油圧ジャッキ装置20のピストン収縮側のシリンダ室
と、塵芥収集車の塵芥収容箱シリンダ17のピストン収縮
側のシリンダ室とが第１管路23aにより接続され、油圧
ジャッキ装置20のピストン伸展側のシリンダ室と、塵芥
収集車の塵芥収容箱シリンダ17のピストン伸展側のシリ
ンダ室とが第２管路23bにより接続されている。

さらに、電磁切換弁V4は、第１管路22a,23aに作動油を
供給し第２管路22b,23bから作動油を排出する収縮位置
と、第１及び第２管路22a,23a,22b,23bの作動油を保持
する保持位置と、第１管路22a,23aから作動油を排出し
第２管路22b,23bに作動油を供給する伸展位置との３つ
の切換位置を切換える。また、切換弁V4が伸展位置及び
保持位置に切換えられているときに、油圧ジャッキ装置
20のピストン伸展側のシリンダ室内の作動油を保持する
一方、切換弁V4が収縮位置に切換えられて第１管路22a,
23aの油圧が供給されたときに、この第１管路23aの圧力
により開閉し、油圧ジャッキ装置20のピストン伸展側の
シリンダ室内の作動油の排出を許容するパイロットチェ
ック弁PC2が第２管路23bに設けられている。絞り弁CH1
と絞り弁CH2が各管路に設けられている。

次に、本実施例の作用を説明する。

先ず、塵芥の排出時には、第１図に示すように、塵芥収
集車の後部車輪が輪止め25に到達するまで塵芥収集車を
後退させる。次に、テールゲートシリンダ４を動作させ
てテールゲート３を後方にダンプさせる。続いて、塵芥
収容箱シリンダ17を動作させて塵芥収容箱１を上方にダ
ンプさせる。

この時、第４図において、作動油が第１管路22b内に流
入し、同時に第１管路23b内にも流入することになり、
第２図の矢印に示すように、塵芥収容箱１の上方へのダ
ンプに連動して、油圧ジャッキ装置20も下方に伸展して
その先端が輪止め25に当接することになる。

ダンプが完了すると、電磁切換弁V4が中立の位置に戻さ
れるが、この時第４図においてパイロットチェック弁PC
2を介して油圧ジャッキ装置20の第２管路23b側の圧力が
保持されて、油圧ジャッキ装置20と輪止め25との当接状
態が保持され、これによって車両の安定状態が保持され
る。

塵芥の排出後には、テールゲート３を降下させ、続いて
塵芥収容箱シリンダ17を収縮させて塵芥収容箱１を降下
させる。この時には、第４図において作動油が第１管路
22a内に流入し、同時に第１管路23a内にも流入口し、パ
イロットチェック弁PC2が開いて、第１図に示すように
油圧ジャッキ装置20が収縮し、これによって走行可能な
状態になる。

しかして本実施例によれば、第４図に示すように、既存
の作動油回路内に第１及び第２管路23a,23bを介して油
圧ジャッキ装置20を接続するだけの簡単な構成で車両の
転倒防止の目的を簡単に達成することができる。

〔考案の効果〕

本考案は上記のような構成であるので、油圧ジャッキ装
置の油圧シリンダの動作と塵芥収容車の塵芥収容箱シリ
ンダのダンプ動作とを連動させることにより、塵芥収容
箱がダンプする時に油圧ジャッキ装置を作動させ、これ
によって車両の転倒を確実に防止することができる。

しかも、塵芥排出後に塵芥収容箱内の点検や清掃を行う
場合等に、テールゲートを上げたまま車両を移動させ、
この移動後に直ちに塵芥収容箱内の点検や清掃を行うこ
とができるといった効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる安全装置を備えた塵芥収集車の
側面図、第２図及び第３図は夫々テールゲートと塵芥収
容箱をダンプさせた状態を夫々示す側面図、第４図は作
動油圧回路図である。１…塵芥収容箱、３…テールゲート、４…テールゲート
シリンダ、15…荷台フレーム、17…塵芥収容箱シリン
ダ、20…油圧ジャッキ装置、22a,23a…第１管路、22b,2
3b…第２管路、PC2…チェック弁（パイロットチェック
弁）、V4…切換弁（電磁切換弁）。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】塵芥収集車の荷台フレームの後端に、車両
転倒防止用の油圧シリンダで動作する油圧ジャッキ装置
が設けられ、荷台フレームに、塵芥収容箱をダンプさせ
るための塵芥収容箱シリンダが設けられ、この油圧ジャッキ装置のピストン収縮側のシリンダ室
と、塵芥収容箱シリンダのピストン収縮側のシリンダ室
とが第１管路により接続され、油圧ジャッキ装置のピストン伸展側のシリンダ室と、塵
芥収集車の塵芥収容箱シリンダのピストン伸展側のシリ
ンダ室とが第２管路により接続され、第１管路に作動油を供給し第２管路から作動油を排出す
る収縮位置と、第１及び第２管路の作動油を保持する保
持位置と、第１管路から作動油を排出し第２管路に作動
油を供給する伸展位置との３つの切換位置を切換える切
換弁を備え、切換弁が伸展位置及び保持位置に切換えられているとき
に、油圧ジャッキ装置のピストン伸展側のシリンダ室内
の作動油を保持する一方、切換弁が収縮位置に切換えら
れて第１管路に油圧が供給されたときに、油圧ジャッキ
装置のピストン伸展側のシリンダ室内の作動油の排出を
許容するチェック弁を前記管路に設けたことを特徴とす
る塵芥収集車の安全装置。