JPH052728U - 排気ガス浄化用触媒コンバータ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 排気浄化用触媒コンバータ装置において、触
媒担体の損傷を防止すると共に、容器の変形を防止し
て、装置の信頼性の向上を図ることを目的とする。 【構成】 シェル１の周壁に周方向に略環状に連続しシ
ェル１内周面側に凸となるビード５を所定間隔をもって
複数条設け、所定幅を有する筒状のマット３を複数設
け、各マット３を隣接するビード５，５間に位置させて
シェル１内周面と触媒担体２外周面との間に介在させる
ことにより、マット３が均一に圧縮されるようにし、触
媒担体２の耐久性の向上を図り、かつマット３を押さえ
つける圧縮力を安定化し、マット３の飛散という事態の
発生を防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、内燃機関における排気ガス浄化用触媒コンバータ装置に関し、特に 、触媒担体の保持部の構造の改良技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種排気ガス浄化用触媒コンバータ装置においては、セラミック等からなる 触媒担体をその外周側の緩衝・ガスシール部材を介して容器内側に収納するよう にしている（特公昭６０−３５５２３号公報等参照）。 この場合、緩衝・ガスシール部材として筒状のマットを設け、このマットを容 器内周面と触媒担体外周面との間に介在させるようにしている。

【０００３】 尚、前記容器の周壁には、周方向に略環状をなして連続し容器内周面側或いは 外周面側に凸となるビードが複数条設けられ、容器の強度向上を図るようにして いる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の排気ガス浄化用触媒コンバータ装置にあって は、次のような問題点があった。 即ち、触媒担体外周面のマットが装着されている部分と容器内周面側に凸とな るビード形成部とが重なり合うと、触媒担体の保持力が必要以上に大きくなって 、セラミック等からなる触媒担体の耐久性が低下する。

【０００５】 又、従来のものでは、ビードの数が少なく、容器の充分な強度を得るのが困難 である。この結果、容器の変形が生じる虞があり、この場合には、マットを押さ えつける圧縮力が低下する部位が発生し、マットの飛散という事態が発生し、装 置として信頼性に劣るという欠点があった。 そこで、本考案は以上のような従来の問題点に鑑み、排気ガス浄化用触媒コン バータ装置において、容器の強度向上を図るためのビードと、緩衝・シール部材 との関係に独特の構成を持たせることにより、触媒担体の耐久性を向上すると共 に、容器の変形を防止して、装置の信頼性の向上を図ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このため、本考案の排気ガス浄化用触媒コンバータ装置は、触媒担体をその外 周側の緩衝・シール部材を介して容器内側に収納してなる排気ガス浄化用触媒コ ンバータ装置において、前記容器の周壁に周方向に略環状に連続し容器内周面側 に凸となるビードを所定間隔をもって複数条設け、所定幅を有する筒状の緩衝・ シール部材を複数設け、各緩衝・シール部材を隣接するビード間に位置させて容 器内周面と触媒担体外周面との間に介在させた構成とする。

【０００７】

【作用】

かかる構成において、緩衝・シール部材は、隣接するビード間に位置しており 、容器内周面の平らな面部分に接触するため、緩衝・シール部材が均一に圧縮さ れ、緩衝・シール部材による触媒担体の保持力が必要以上に大きくなることなく 、該触媒担体に作用する保持力が均一化する。この結果、セラミック等からなる 触媒担体の耐久性を向上することができる。

【０００８】 又、ビードの数が多くなるため、容器の充分な強度を得ることができ、この結 果、容器の変形を防止できる。従って、緩衝・シール部材を押さえつける圧縮力 が安定し、緩衝・シール部材の飛散という事態の発生を防止でき、装置として信 頼性の向上を図ることができる。

【０００９】

【実施例】

以下、添付された図面を参照して本考案を詳述する。 図１において、排気ガス浄化用触媒コンバータ装置は、セラミック等からなる 触媒担体２をその外周側の後述する緩衝・シール部材としてのマット３を介して 容器としての略円筒状のシェル１内側に収納した構成である。

【００１０】 ここで、前記シェル１は、両端が開放された略円筒状部材を中心軸を通る面で ２つ割りにして設けた一対の略半円筒状のシェル分割体１Ａ，１Ｂから構成され る。各シェル分割体１Ａ，１Ｂの軸方向に延びる両側縁には、夫々フランジ部１ ａが一体成形されており、一対のシェル分割体１Ａ，１Ｂ夫々のフランジ部１ａ 相互を突き合わせて結合することにより、略円筒状のシェル１が形成される。又 、シェル１の両端部の小径筒部１Ｃには、排気ガス浄化用触媒コンバータ装置を 排気管に連結するための連結用フランジ部材６が嵌合固定されている。

【００１１】 一対のシェル分割体１Ａ，１Ｂ夫々の周壁には、その周方向に略環状に連続し その外周面側に凸となる複数条のビード４と内周面側に凸となる複数条のビード ５とが一体成形されている。ビード４はシェル１の周壁の両側位置と該両側の間 の位置の等間隔な２位置とに合計４つ設けられている。又、ビード５はシェル１ の周壁の両側位置のビード４に連なる内側位置と、２位置のビード４夫々の両側 に連なる内側位置とに合計６つ設けられている。

【００１２】 一方、前記緩衝・シール部材として、所定幅を有する筒状のマット３が複数（ ３つ）設けられる。各マット３は、セラミックファイバーからなり、隣接するビ ード５，５間に位置されてシェル１内周面と触媒担体２外周面との間に介在され る。 かかる構成によると、シェル１周壁に周方向に略環状に連続しシェル１内周面 側に凸となるビード５を所定間隔をもって複数条設け、所定幅を有する筒状のマ ット３を隣接するビード５，５間に位置させてシェル１内周面と触媒担体２外周 面との間に介在させ、かかるマット３によって触媒担体を保持する構成としたか ら、次のような利点がある。

【００１３】 即ち、マット３は、隣接するビード５，５間に位置しており、シェル１内周面 の平らな面部分に接触するため、マット３が均一に圧縮され、マット３による触 媒担体２の保持力が必要以上に大きくなることなく、該触媒担体２に作用する保 持力が均一化する。この結果、セラミック等からなる触媒担体２の耐久性を向上 することができる。

【００１４】 又、ビード４，５の数が多くなるため、シェル１の充分な強度を得ることがで き、この結果、シェル１の変形を防止できる。従って、マット３を押さえつける 圧縮力が安定し、マット３の飛散という事態の発生を防止でき、装置として信頼 性の向上を図ることができる。 次に、他の実施例を図２に基づいて説明する。

【００１５】 即ち、上述のマット３は触媒担体２のラジアル方向の動きに対する緩衝や外周 面側のガスシール等を行うものであるが、この実施例では、触媒担体２のスラス ト方向の動きに対する緩衝や端面側のガスシール等を行う緩衝・ガスシール部材 ７を設ける。 この場合、触媒担体２の両端部側のシェル１内周面に、略コ字状に内方に屈曲 させた環状のキャップ８を夫々固着し、このキャップ８で緩衝・ガスシール部材 ７を固繞し、該緩衝・ガスシール部材７を触媒担体２の端部の周縁部に圧接させ るようにする。

【００１６】 このように、緩衝・ガスシール部材７を設けたことにより、触媒担体２の軸方 向の振動を抑えることができ、排気圧力によって触媒担体２が押さえつけられて 変形するのを防止できる。又、触媒担体２の端面側のガスシールを万全に行え、 ガスの接触を防止できる。 尚、以上のように、特定の実施例を参照して本考案を説明したが、本考案はこ れに限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本考案に 添付された実用新案登録請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正 が可能であるとの点に留意すべきである。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、触媒担体を容器内に保持する緩衝・シール部材 を、容器の周壁に複数条設けたビードのうち隣接するビード間に位置させて容器 内周面と触媒担体外周面との間に介在させるようにしたから、触媒担体の耐久性 を向上できると共に、容器の変形を防止して、装置の信頼性の向上を図ることが できる実用的効果大なるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る排気ガス浄化用触媒コンバータ
装置の一実施例を示す断面図で、（Ａ）は平面断面図、
（Ｂ）は（Ａ）中Ａ−Ａ矢視断面図

【図２】 他の実施例の断面図

【符号の説明】

１ シェル ２ 触媒担体 ３ マット ５ ビード

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】触媒担体をその外周側の緩衝・シール部材
   を介して容器内側に収納してなる排気ガス浄化用触媒コ
   ンバータ装置において、前記容器の周壁に周方向に略環
   状に連続し容器内周面側に凸となるビードを所定間隔を
   もって複数条設け、所定幅を有する筒状の緩衝・シール
   部材を複数設け、各緩衝・シール部材を隣接するビード
   間に位置させて容器内周面と触媒担体外周面との間に介
   在させたことを特徴とする排気ガス浄化用触媒コンバー
   タ装置。