JPH05272299A - 空洞穴の埋め込み方法、及び、その方法に用いる空洞穴埋め込み装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 埋設管の引抜撤去により土中に形成された空
洞穴１に対し、アースオーガ３を挿入した後、アースオ
ーガ３の長手方向の途中に土砂を供給しながらアースオ
ーガ３を地中掘削する方向とは逆方向に回転させてアー
スオーガ３の先端側に土砂を送り込み空洞穴１に土砂を
充填していくと共に、充填した土砂からの反力を利用し
てアースオーガ３を引き抜いていく。 【効果】 空洞穴の一部が崩れた場合でも、空洞穴に土
砂を高密度に充填できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、埋設管の引抜撤去によ
り土中に形成された空洞穴の埋め込み方法、及び、その
埋め込み方法に用いる装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記空洞穴の埋め込みは、従来、先端を
開口してあるホースを前記空洞穴に挿入した後、前記ホ
ースの後端側から泥状の土砂を前記ホースの先端に圧送
して、前記空洞穴内に前記土砂を充填しながら前記ホー
スを引き抜く方法があった。そして、その方法に用いる
装置は、前記空洞穴に泥状の土砂を送り込むホースと、
そのホースの後端部から前記泥状の土砂をホース先端側
に圧送するポンプとから構成してあった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術において、前記空洞穴の一部が埋め込み前に崩れた場
合は、前記空洞穴内方に崩れ落ちた土砂が前記ホースの
前記空洞穴内への進入を阻害するから、前記ホースを前
記空洞穴に挿入できなくなり、その結果空洞穴に土砂を
充填できなくなる虞があった。更に、前記空洞穴に土砂
を充填した後は、前記充填土砂が泥状すなわち水分を多
く含んでいるものであるから、前記多くの水分が前記空
洞穴の内壁に浸み込み、前記充填土砂が大きく収縮し、
その結果、前記空洞穴内の充填密度が低くなる虞もあっ
た。本発明は、上記実情に鑑み為したもので、前記空洞
穴が崩れた場合でも、前記空洞穴に土砂を高密度に充填
できる埋め込み方法、及び、それに用いる装置を提供す
ることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の空洞穴の埋め込み方法の特徴手段は、空洞
穴に対し、アースオーガを挿入した後、前記アースオー
ガの長手方向の途中に土砂を供給しながら前記アースオ
ーガを掘削する方向とは逆方向に回転させて前記アース
オーガの先端側に土砂を送り込み空洞穴に前記土砂を充
填していくと共に、充填した土砂からの反力を利用して
前記アースオーガを引き抜いていく点にあり、そして、
上述の方法に用いる装置の特徴構成は、軸芯方向に複数
分割したアースオーガを設け、その分割した分割オーガ
部材夫々を、その軸端同士で一体回転自在で且つ、離脱
自在に連結し、前記アースオーガを駆動回転する駆動装
置を設け、前記アースオーガの長手方向の中間部に土砂
を供給する供給装置を設ける点にある。

【０００５】

【作用】すなわち、アースオーガを、地中掘削方向に回
転させながら空洞穴に挿入していくと、アースオーガ先
端側の土砂がアースオーガの螺旋羽根を通ってアースオ
ーガの長手方向後方へ搬送されるから、アースオーガ先
端側の土砂を空洞穴の外方へ排出でき、その結果、空洞
穴の一部が埋込み前に崩れた場合でも、空洞穴内方に崩
れ落ちた土砂によって阻害されることなく、アースオー
ガを空洞穴に挿入できる。アースオーガを空洞穴に挿入
した後は、アースオーガを地中掘削方向とは逆方向に回
転させると、土砂は、アースオーガの螺旋羽根によって
アースオーガの長手方向の前方へ搬送されるから、アー
スオーガの長手方向の途中に供給される充填用土砂を、
アースオーガの先端から空洞穴内に送り込むことができ
ると共に、その土砂の空洞穴内への充填を密な状態にで
きる。そして、空洞穴とアースオーガ先端との間の土砂
の詰まりが密度高くなるに伴い、アースオーガ先端が後
方側へ押圧されるから、前記押圧力に応じてアースオー
ガを空洞穴より引き抜いていくと、アースオーガを小さ
な力で引き抜けると共に、土砂を密度高く空洞穴全域に
亘って埋め込むことができる。そして、次に前記装置を
上述の方法に当てはめて説明してゆく。前記装置には、
軸芯方向で複数に分割した分割オーガ部材夫々を、その
軸端同士で一体回転自在に構成してあるアースオーガ
と、アースオーガを駆動回転する駆動装置が設けてある
から、空洞穴内にアースオーガを挿入する場合は、前記
駆動装置を作動させてアースオーガを地中掘削方向に回
転させ、空洞穴からアースオーガを引抜く場合には、前
記駆動装置を作動させてアースオーガを地中掘削方向と
は逆方向に回転させればよく、アースオーガの長手方向
の中間部に設けた供給装置によって、空洞穴に土砂を送
り込む。従って、前記装置により上述の方法を支障なく
行える。更に、前記装置は、アースオーガを軸芯方向に
分離自在な複数の分割オーガで構成してあるから、長い
空洞穴でも狭い場所で短い分割オーガを接続しながら奥
まで挿入でき、しかも空洞穴埋込施工地へはアースオー
ガ全体を分割して嵩低く搬送できる。

【０００６】

【発明の効果】よって、空洞穴の一部が埋込前に崩れた
としても土砂を高密度で充填でき、しかも、空洞穴から
のアースオーガの引き抜きを小さな力で行えるため、少
しの作業労力で埋込施工を良好に行えるようになった。
また、前記装置を用いた場合、上述の機能を備えなが
ら、アースオーガの空洞穴への挿入及び引き抜き作業及
び搬送作業労力を低減でき、その結果、施工性の良いも
のを提供できるようになった。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１及び図２に示すように、空洞穴１の埋め込
みに用いる埋込み装置２は、アースオーガ３と、アース
オーガ３を地中掘削方向または逆方向に駆動回転する駆
動装置４及びアースオーガ３に土砂を供給する供給装置
５とから構成してある。

【０００８】図３に示すように、アースオーガ３は、軸
芯方向に複数分割形成した分割オーガ部材６から構成し
てある。各分割オーガ部材６は、両軸端のうちの一方に
凸部７を連設し、他方に凸部７が嵌合可能な凹部８を形
成してあると共に、凸部７及び凹部８にそれらが互いに
嵌合した状態で連通可能な連結用ピン穴９を夫々形成し
てある。両部７，８のピン穴９に連結ピン１１を挿通固
定することで、隣接する分割オーガ部材６を一体回転す
るように連結でき、更に、連結ピン１１をピン穴９より
引き抜くことで、連結した後も分割できるようにしてあ
る。

【０００９】図１及び図２に示すように供給装置５は、
土砂を補給する開口部１２を設けてあると共に、対向側
面に夫々アースオーガ貫通用穴１６を設けてある容器か
ら構成してある。

【００１０】アースオーガ貫通用穴１６夫々には、アー
スオーガ３を回動自在に支持するアースオーガ受け１３
を設けてあり、供給装置５を貫通させた姿勢で、アース
オーガ３が回動できるようになっている。従って、アー
スオーガ３を地中掘削方向とは逆方向に回転させること
で、供給装置５の土砂をアースオーガ３の螺旋羽根１４
を介してアースオーガ３先端側に無理なく送り込めるよ
うにしてある。

【００１１】今から埋め込もうとする空洞穴１は、図１
及び図２に示すように、埋設管の引抜き撤去により横方
向に延びて形成されたものであり、その空洞穴１側方に
は埋設管引抜き撤去のために、空洞穴１の一端に連通す
る立穴１５が形成してある。そして、アースオーガ３先
端を空洞穴１に臨ませると共に、後端側の駆動装置４及
び供給装置５を立穴１５内に配置した前記埋込み装置２
を設けてある。

【００１２】空洞穴１を埋め込むには、図１に示すよう
に、アースオーガ３を空洞穴１に挿入していく。この
際、分割オーガ部材６を駆動装置４の前方で組付けるこ
とで、アースオーガ３の全長を長くしていく。また、空
洞穴１の一部が崩れている場合は、駆動装置４を操作し
て、アースオーガ３を地中掘削方向に回転させる。図２
に示すようにアースオーガ３を空洞穴１に挿入した後、
供給装置５に土砂を収容した状態で、駆動装置４を操作
して、アースオーガ３を地中掘削方向とは逆方向に回転
させる。そうすると、アースオーガ３の螺旋羽根１４が
供給装置５の土砂をアースオーガ３の先端側に送り込み
空洞穴１に土砂を充填していく。そして、充填した土砂
からの反力を利用してアースオーガ３を引き抜いてい
き、空洞穴１内に土砂を充填する。尚、アースオーガ３
を引き抜く際は、挿入する際とは逆で、駆動装置４の前
方で次々にアースオーガ３を分割オーガ部材６単体に分
離していく。

【００１３】〔別実施例〕アースオーガを複数の分割オ
ーガ部材で構成している上記実施例以外に、図４に示す
よう、全体を可撓性に構成するものでもよい。そうする
ことで、駆動装置４を立穴１５内から地上に移設できる
から、駆動装置４の設置手間、及び操作労力等を低減で
きる。更に、後端で巻き取っているアースオーガ３を駆
動装置４で一体的に回動させることで、空洞穴１内のア
ースオーガ３をその軸芯周りに回動させることもでき
る。尚、軸芯方向に分割できなく、且つ可撓性でもない
アースオーガを前記空洞穴埋込み装置２に用いることも
可能である。

【００１４】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】空洞穴にアースオーガを挿入している状態図

【図２】空洞穴からアースオーガを引き抜いている状態
図

【図３】隣接する分割オーガ部材の斜視図

【図４】別実施例の空洞穴にアースオーガを配備してあ
る状態図

【符号の説明】

１ 空洞穴 ３ アースオーガ ４ 駆動装置 ５ 供給装置 ６ 分割オーガ部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 埋設管の引抜撤去により土中に形成され
   た空洞穴（１）に対し、アースオーガ（３）を挿入した
   後、前記アースオーガ（３）の長手方向の途中に土砂を
   供給しながら前記アースオーガ（３）を掘削する方向と
   は逆方向に回転させて前記アースオーガ（３）の先端側
   に土砂を送り込み空洞穴（１）に前記土砂を充填してい
   くと共に、充填した土砂からの反力を利用して前記アー
   スオーガ（３）を引き抜いてゆく空洞穴の埋め込み方
   法。
2. 【請求項２】 軸芯方向に複数分割したアースオーガ
   （３）を設け、その分割した分割オーガ部材（６）夫々
   を、その軸端同士で一体回転自在で且つ、離脱自在に連
   結し、前記アースオーガ（３）を駆動回転する駆動装置
   （４）を設け、前記アースオーガ（３）の長手方向の中
   間部に土砂を供給する供給装置（５）を設けてある空洞
   穴埋め込み装置。