JPH0527216Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はプレス機械おけるダイクツシヨン装置
に関するものである。

［従来の技術］ 従来のプレス機械におけるダイクツシヨン装置
は、クツシヨンシリンダ上にブランクホルダを一
体に設け、材料を載せて停止しているブランクホ
ルダに対し、プレス機械の上金型を下降させ、上
金型とブランクホルダの両者で材料をクランプす
る際の衝撃をクツシヨンシリンダにより吸収する
ようにしたものである。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、上記従来のプレス機械における
ダイクツシヨン装置では、下降している上金型と
停止しているブランクホルダが材料をクランプす
る際に、大きな衝撃音が発生すると共に、このと
きの衝撃力によりクツシヨンシリンダは押え力を
徐々に増加して行くようスムーズに作動しなくな
り衝撃を充分に吸収できないという問題があつ
た。

本考案は上述の実情に鑑み、上金型とブランク
ホルダを共に下降させることにより、上金型とク
ランプホルダが材料をクランプする際に発生する
衝撃音及び衝撃力を減少し得るようにしたプレス
機械におけるダイクツシヨン装置を提供すること
を目的とするものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、昇降可能な上金型と昇降しない下金
型を有し、上金型が材料に衝突する際の衝撃を一
体に設けられたブランクホルダ及びクツシヨンシ
リンダにより吸収し得るようにプレス機械におけ
るダイクツシヨン装置において、前記クツシヨン
シリンダを液圧シリンダにて昇降可能に支持せし
め、該液圧シリンダの上部液室に、供給する液の
流量調整が可能なロジツク弁を備えた流路を多段
に接続し、プレス機械におけるダイクツシヨン装
置としたものである。

［作用］ 従つて本発明では、上金型が下降し始めてから
材料をクランプするまでの間にロジツク弁を用い
て液圧シリンダの上部液室に液を供給すると、液
圧シリンダが下降してクツシヨンシリンダ及びブ
ランクホルダが下降し、下降する上金型と下降す
るブランクホルダにより材料をクランプすること
ができるので、クランプの際の衝撃音及び衝撃力
は減少する。

またロジツク弁を用いているため安価である。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図は本考案の一実施例の説明図である。

固定台１の下面には、縦向きの液圧シリンダ２
が配設され、該液圧シリンダ２内に昇降自在に嵌
入したピストン３には固定台１を貫通して上方へ
延びるピストンロツド４が一体的に取付けられて
いる。

固定台１の上面には、図示しないエアタンク及
び圧力制御回路に制御されて内部を所定のエア圧
力に保ち得るようにした縦向きのクツシヨンシリ
ンダ５が配設され、前記ピストンロツド４はクツ
シヨンシリンダ５内に挿通され、ピストンロツド
４上端には、クツシヨンシリンダ５の昇降可能な
シリンダ本体６が一体的に取付けられている。

シリンダ本体６の上端には、クツシヨンパツド
７が取付けられ、クツシヨンパツド７の上にはブ
ランクホルダ８が取付けられている。

又、タンク９の液は、液圧ポンプ１０を用い
て、逆止弁１１を備えた流路１２、及び流路１２
から複数、例えば三つ分岐しそれぞれに後述する
ロジツク弁１３，１４，１５をロジツク弁１３，
１４，１５のポート２２が吸入側となりポート２
３が吐出側となるよう接続した並列の流路１６，
１７，１８、及び各流路１６，１７，１８を合流
しソレノイド弁１９を備えた流路２０を介して液
圧シリンダ２の上部液室２１に供給され得るよう
になつている。

前記複数のロジツク弁１３，１４，１５は、そ
れぞれ外部に吸入用のポート２２及び吐出用のポ
ート２３並に開閉用のパイロツトポート２４を備
え、又、内部にスプリングにより吸入用のポート
２２と吐出用のポート２３間を遮断する位置に常
時保持されてストロークアジヤスタにより移動量
が調整されるポペツト２５を備え、吸入用のポー
ト２２に加わる液圧と開閉用のパイロツトポート
２４に加わる液圧の大小によりポペツト２５が圧
力の小さい側に移動することにより開閉し、しか
もポペツト２５の該移動量をストロークアジヤス
タで調整することにより吸入用のポート２２と吐
出用のポート２３間の開度が変更して両者間に流
れる液流量が調整されるようになつており、各ロ
ジツク弁１３，１４，１５の流量開閉用のパイロ
ツトポート２４には流路１２からの液がソレノイ
ド弁２６，２７，２８を備えた流路２９，３０，
３１を介して供給され得るようになつている。

流路１２の逆止弁１１取付位置より下流側に
は、流路３２を介してアキユムレータ３３が接続
され、アキユムレータ３３内に蓄圧を行い得るよ
うになつている。

液圧シリンダ２の下部液室３４は流路３５によ
りタンク９と接続されており、ピストン３の移動
に応じて液が下部液室３４に吸入・吐出し得るよ
うになつている。

上金型３６を取付けたスライド３７を昇降させ
るプレス駆動装置３８には、プレス駆動装置３８
の回転角度位置を検出するロータリーエンコーダ
３９が設けられ、ロータリーエンコーダ３９の検
出信号４０は制御装置４１へ入力し得るようにな
つている。又、ソレノイド弁１９，２６，２７，
２８は制御装置４１からの制御信号４２，４３，
４４，４５により制御され得るようになつてい
る。

図中４６はボルスタに固定された下金型、４７
は材料、４８はリリーフ弁である。

上金型３６が上限位置に来たときには、後述す
るように、ブランクホルダ８は上限位置で待機
し、材料４７はブランクホルダ８に支持され停止
している。

この状態で、上金型３６が下降すると、材料４
７は上金型３６とブランクホルダ８によりクラン
プされ、しかる後、材料４７をクランプしたまま
上金型３６がさらに下降し上下金型３６，４６に
より材料４７の成形が行われる。

上記材料４７のクランプ時に、上金型３６がブ
ランクホルダ８上で停止している材料４７に衝突
すると大きな衝撃音及び衝撃力が発生する。

これを防止するため、上金型３６の位置はロー
タリーエンコーダ３９により検出され、その検出
信号４０は制御装置４１に送られ、制御装置４１
により各ソレノイド弁１９，２６，２７，２８に
制御信号４２，４３，４４，４５が送られてソレ
ノイド弁１９，２６，２７，２８が適宜切換えら
れ、各ロジツク弁１３，１４，１５が作動され
る。

即ち上金型３６が上昇から下降へ転じるときソ
レノイド弁１９がａ側のポートに切換えられて流
路２０を開き、上金型３６が下降し始めてから材
料４７をクランプするまでの間にソレノイド弁２
６，２７，２８のうちの所要数がｂ側のポートに
切換えられる。

例えば、ソレノイド弁２６のみｂ側のポートに
切換えた場合には、流路２９が閉じてロジツク弁
１３のパイロツトポート２４とタンク９が連通
し、ポート２４側の圧力が弱まるので流路１６の
液圧によりポート２４側の液がタンク９に戻され
てロジツク弁１３が開き、液圧ポンプ１０からの
液は流路１２，１６，２０を介して液圧シリンダ
２の上部液室２１に供給されピストン３を押し下
げることによりクツシヨンパツド７及びブランク
ホルダ８を加速しながら下降する。

ソレノイド弁２６及び２７の２個を切換えた場
合には、上記に加えて更にロジツク弁１４が開き
液圧シリンダ２の上部液室２１に液を供給するこ
とによりブランクホルダ８は下降の加速を増す。

ソレノイド弁２６、及び２７並に２８の３個全
てを切換えた場合には、上記に加え更にロジツク
弁１５が開き液圧シリンダ２の上部液室２１に液
を供給することによりブランクホルダ８の下降は
更に加速を増すので、ブランクホルダ８の加速度
を三段階に選択することが可能である。

このように加速度を選択してブランクホルダ８
を下降させることにより、第２図の時間と上金型
３６及びブランクホルダ８の位置との関係を表わ
す線図に示すように、ブランクホルダ８はその上
限位置イから線ロの通り加速しながら下降し、又
上金型３６はその上限位置ハから線ニの通り等速
度で下降し、ブランクホルダ８と上金型３６の下
降速度が等しくなつた位置で材料４７をクランプ
する。

このとき上金型３６とブランクホルダ８が共に
下降しているため該材料４７のクランプ時の上金
型３６と４７の衝撃音及び衝撃力は減少し、又上
金型３６とブランクホルダ８が等しい下降速度と
なつたとき材料４７をクランプするようにする
と、更に衝撃音及び衝撃力は減少する。

上金型３６が下降から上昇へ転じる下限位置に
来たとき、その位置はロータリーエンコーダ３９
からの検出信号４０を入力している制御装置４１
によつて検出され、該制御装置４１からの制御信
号４２，４３，４４，４５によりソレノイド弁１
９がポートｂ側にソレノイド弁２６，２７，２８
がポートａ側に切換えられて液圧ポンプ１０から
の液の液圧シリンダ２の上部液室２１への供給が
停止し、クツシヨンシリンダ５が内部の圧縮空気
の作用により伸長してピストン３を上昇しはじめ
ることにより、上部液室２１の液はソレノイド弁
１９を介してタンク９に戻り、下部液室３４には
流路３５を介してタンク９からの液が吸入され、
クツシヨンパツド７及びブランクホルダ８は上限
位置まで上昇し、上金型３６が上昇を開始してい
ることにより、成形品は下金型４６から脱型され
る。

尚、本考案は上述の実施例に限定されるもので
はなく、ロジツク弁の数は３基以上でも以下でも
良いこと、その他本考案の要旨を逸脱しない範囲
内で種々の変更を加え得ること等は勿論である。

［考案の効果］ 上記したように、本考案のプレス機械における
ダイクツシヨン装置によれば、ロジツク弁を用い
て液圧シリンダの上部液室にポンプからの液を供
給するようにしてブランクホルダを下降させ、下
降してくる上金型との間で材料をクランプするこ
とにより、材料クランプ時の衝撃音及び衝撃力を
減少し得、又、ロジツク弁を多段に用いているこ
とから、高精度の制御性と高い信頼性を備えた装
置を安価に製造し得る等の種々の優れた効果を奏
し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の説明図、第２図は
上金型及びブランクホルダの位置と時間の関係を
示す線図である。 図中２は液圧シリンダ、３はピストン、４はピ
ストンロツド、５はクツシヨンシリンダ、７はク
ツシヨンパツド、８はブランクホルダ、９はタン
ク、１０は液圧ポンプ、１３，１４，１５はロジ
ツク弁、１９はソレノイド弁、２１は上部液室、
２６，２７，２８はソレノイド弁、３４は下部液
室、３６は上金型、３８はプレス駆動装置、３９
はロータリーエンコーダ、４１は制御装置、４６
は下金型、４７は材料を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 昇降可能な上金型と昇降しない下金型を有し、
   上金型が材料に衝突する際の衝撃を一体に設けら
   れたブランクホルダ及びクツシヨンシリンダによ
   り吸収し得るようにしたプレス機械におけるダイ
   クツシヨン装置において、前記クツシヨンシリン
   ダを液圧シリンダにて昇降可能に支持せしめ、該
   液圧シリンダの上部液室に、供給する液の流量調
   整が可能なロジツク弁を備えた流路を多段に接続
   したことを特徴とするプレス機械におけるダイク
   ツシヨン装置。