JPH05271911A - 薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置

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JPH05271911A
JPH05271911A JP9865492A JP9865492A JPH05271911A JP H05271911 A JPH05271911 A JP H05271911A JP 9865492 A JP9865492 A JP 9865492A JP 9865492 A JP9865492 A JP 9865492A JP H05271911 A JPH05271911 A JP H05271911A
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Shigeki Daikuhara
茂樹 大工原
Kazuharu Uehara
一治 上原
Yasuhiro Kanai
保広 金井
Takashi Ito
孝 伊東
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 円筒状の基板ホルダ33を回転し、内周側か
ら蒸発源21,23により蒸着物質をイオン化装置2
2,24によりイオン化してイオンプレーティングす
る。一方、外周側からターゲット15,19をスパッタ
して薄膜を形成する。 【効果】 蒸着ゾーンからスパッタゾーンへの基板の搬
送、反転と必要せず、同一箇所で基板の両面に蒸着薄膜
とスパッタ薄膜とを形成でき、スパッタ法と蒸着法の利
点を活用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパッタ薄膜と蒸着薄
膜とを、それぞれ片面づつに形成できる薄膜形成装置に
関する。
【0002】本発明は、また、マスクを固定したまま
で、異なるマスクパターンのスパッタ薄膜と蒸着薄膜と
の積層膜を、筒状ないし柱状基板上に形成する薄膜形成
装置に関する。
【0003】
【従来の技術】真空雰囲気を利用して物理的に薄膜を形
成する方法(PVD:Phisical Vapour
Deposition)としては、蒸着法とスパッタ
リング法とが知られており、蒸着法の一種としてはイオ
ンプレーティング蒸着法などがある。スパッタリング法
と蒸着法(イオンプレーティング蒸着も含めて)とは、
それぞれ利点および限界を有しており、形成すべき薄膜
の種類や要求される膜特性などによって使い分けてい
る。
【0004】また、真空を破ることなく、蒸着薄膜とス
パッタ薄膜とを基板の片面づつにそれぞれ連続して形成
したり、あるいは積層膜として形成することが要求され
る場合がある。前者の場合は、1つの真空槽の中にスパ
ッタ処理部と蒸着処理部とを設けこれら処理部間に基板
を移動させることにより、あるいはスパッタ室と蒸着室
の2つの真空槽の間を移動させることにより行なうこと
ができる。しかしこの場合には、基板の移送機構が必要
となり、また、一般に薄膜の形成に際しては膜厚分布を
取るために基板を回転させることが要求されるため、移
送後にチャッキングして回転する機構も必要となる。そ
のため、装置の複雑化、大型化は避けられない。
【0005】一方、蒸着薄膜とスパッタ薄膜の積層膜を
形成する場合は基板に対して蒸着源とターゲットとを対
向させておき、順次薄膜を形成すれば良いので比較的容
易である。しかし、積層されるスパッタ薄膜と蒸着薄膜
とでマスクパターンが異なる場合は、マスクの交換が必
要なため、真空を破らずに連続成膜することは困難であ
る。真空槽内で機械的にマスクを切換える機構を設ける
ことも原理的には可能であるが、基板ホルダーに搭載さ
れる基板の数が多い場合には現実的でない場合が多い。
また、仮に切換え機構を設けたとしても、マスク切換え
時の振動により、基板にゴミや埃が付着して薄膜のピン
ホールの原因となるおそれが大きい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、基板の搬送
・移動を必要とせず、効率的にスパッタ薄膜と蒸着薄膜
を、基板の両面に形成可能な薄膜形成装置を提供するも
のである。
【0007】本発明は、また、異なったマスクパターン
のスパッタ薄膜と蒸着薄膜の積層膜を形成可能な薄膜形
成装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の薄膜形成
装置は、薄膜を形成すべき多数の基板を、基板全体の集
合体が略円筒体を形成するように搭載し、この略円筒体
の仮想軸を中心に回転する基板ホルダーと、前記略円筒
体の内周面側に配置された蒸着薄膜形成部材と、前記略
円筒体の外周面側に配置されたスパッタ薄膜形成部材と
を具えたことを特徴とする。
【0009】本発明の第2の薄膜形成装置は、薄膜を形
成すべき多数の筒状ないし柱状基板を、基板全体の集合
体が略円筒体を形成し、かつ、この略円筒体の仮想軸と
筒状ないし柱状基板の中心軸とがほぼ平行となるように
搭載し、前記略円筒体の仮想軸を中心に基板を公転せし
めるとともに、前記筒状ないし柱状基板の中心軸を中心
にこの基板を自転せしめる基板ホルダーと、前記筒状な
いし柱状基板の長さの方向の一部について、前記略円筒
体の内周面側または外周面側を選択的にマスクするマス
ク部材と、前記略円筒体の内周面側に配置された蒸着薄
膜形成部材と、前記略円筒体の外周面側に配置されたス
パッタ薄膜形成部材とを具えたことを特徴とする。
【0010】
【実施例】図1は、本発明の第1の薄膜形成装置の実施
例を示す模式図である。図2は、第1の薄膜形成装置に
ついて、基板51と蒸着源21,23およびスパッタ用
ターゲット15,19との関係を示す一部切欠き斜視説
明図である。
【0011】真空槽11内では、リングプレート31に
円筒状の基板ホルダー33が固定されており、リングプ
レート31の外周に刻設された歯と咬み合う駆動歯車2
5を外部から回転させることにより、円筒状の基板ホル
ダー33がその軸を中心にして回転する。リングプレー
ト31は、真空槽11に対して固定されたベースプレー
ト27に、ボールベアリング29を介してR方向に回転
自在に支持されている。
【0012】基板ホルダー33の外周面側、言い換えれ
ば基板51の集合体が形成する円筒体の外周面側には、
2つのターゲット15,19が基板51と対向して設け
られている。13,17はスパッタ電極を示す。また、
基板ホルダー33の内周面側には、高さ方向に2つの蒸
発源21,23および高周波コイル等のイオン化装置2
2,24が設けられており、膜厚制御板(図示せず)を
用いて、イオンプレーティング蒸着法により基板51全
体にわたって均一厚さの蒸着薄膜が形成されるようにな
っている。
【0013】薄膜形成に際しては、真空雰囲気を蒸着用
に調整したのち、基板51をR方向に回転させながら、
蒸着源21,23から蒸着物質を蒸発させてイオン化し
基板51の内面に蒸着薄膜を形成する。ついで、スパッ
タ用ガスを導入して雰囲気を調整したのち、基板51を
回転させながら、ターゲット15,19をスパッタして
基板51の外面にスパッタ薄膜を形成する。このよう
に、基板51を移送したり表裏を反転することなく同一
場所で、基板の両面にそれぞれスパッタ薄膜と蒸着薄膜
とを形成できる。なお、蒸着とスパッタはいずれを先に
行なってもよい。
【0014】また、膜厚分布を取るために蒸着源21,
23と基板51はある程度大きな距離を置く必要がある
が、蒸発源21,23を基板ホルダー33の内周面に配
置せしめることで容易に十分な距離が取れる。
【0015】一方スパッタでは、ターゲット15,19
と基板51とはある程度近接して配置する必要がある
が、ターゲット15,19を基板ホルダー33の外周面
側に配置することで容易にこれが実現でき、しかも装置
のコンパクト化が可能となる。
【0016】さらに、形成すべき薄膜の種類、要求され
る膜特性によって、蒸着とスパッタとを使い分けること
が可能となる。例えば、一般にスパッタ薄膜の方が蒸着
薄膜より膜特性は優れているが、一方、膜形成速度が遅
いという欠点がある(特に酸化物等の誘電体のスパッタ
速度は著しく遅い)。そこで、ITOや金属については
スパッタで薄膜を形成し、一方、酸化物や金属でも高反
射率が求められるアルミニウム膜などについては蒸着で
薄膜を形成する。また、合金などのように蒸着ではバル
クと膜で組成が変化しやすい薄膜を形成する基板面は、
外周側に向ける。
【0017】図3〜5は本発明の第2の薄膜形成装置の
実施例を示す説明図であり、図3が全体構成を示す模式
図、図4が基板51と蒸発源21,23およびターゲッ
ト15,19の関係を示す一部切欠き斜視図であり、図
5が基板ホルダー33およびマスク部材41の詳細を示
す一部斜視図である。なお、煩雑を避ける意味から、図
3〜5において基板51の基板ホルダー33への取付け
保持機構の図示省略し、また、図3,4においてマスク
部材41の図示を省略してある。
【0018】真空槽11内では、リングプレート31に
対してr方向に回転(自転)自在に複数の基板ホルダー
33が取り付けられており、この基板ホルダー33に対
して基板51が取り付けられている。35は軸受けを示
す。基板ホルダーの下端側にはホルダ歯車37が固定さ
れており、真空槽11に対して固定された自転駆動用ガ
イド歯車リング39に対して、このホルダ歯車37が咬
み合っている。リングプレート31は、真空槽11に対
して固定されたベースプレート27に、ボールベアリン
グ29を介してR方向に回転自在に支持されている。リ
ングプレート31の外周に刻設された歯と咬み合う駆動
歯車25を外部から回転させることにより、リングプレ
ート31が回転する。
【0019】リングプレート31から林立する基板ホル
ダー33の集合体は仮想円筒体53を形成し、この基板
ホルダー33に取り付けられた基板51の集合体もまた
仮想円筒体53を形成する。2つのターゲット15,1
9が、仮想円筒体53の外周面側で、基板51に対向し
て設けられている。また、仮想円筒体53の内周面側に
は高さ方向に2つの蒸発源21,23および高周波コイ
ル等のイオン化装置22,24が設けられている。
【0020】さらに図5に示すように、仮想円筒体53
の内周面側には、円筒状の基板51の長さ方向の一部を
覆うマスク部材41が配設されている。マスク部材41
はリングプレート31に対して固定された支持杆43に
固定されている。マスク部材41は、矢印V方向から飛
翔してくる蒸発源21,23からの蒸着物質に対するマ
スクとして働く。
【0021】薄膜形成に際しては、スパッタ用ガスを導
入して真空槽11内の雰囲気を調整したのち、駆動用歯
車25によりリングプレート31を回転させると、基板
51がR方向に公転する。また同時に、リングプレート
31の回転により、自転駆動用ガイド歯車リング39と
咬み合うホルダ歯車37が回転し、基板ホルダー33に
取り付けられた基板51がr方向に自転する(図4参
照)。このとき、仮想円筒体53の軸と筒状の基板51
との中心軸は平行である。このように、基板51を公転
および自転(遊星回転)させつつ、ターゲット15,1
9をスパッタして筒状の基板51の外周面全体にスパッ
タ薄膜を形成する。
【0022】ついで、スパッタ用ガスの導入を停止し、
真空雰囲気を調整したのち、基板51を遊星回転させな
がら、蒸発源21,23から蒸着物質を蒸発させるとと
もにイオン化し蒸着薄膜を形成する。このとき、仮想円
筒体53の内周面側にはマスク部材41が存在するの
で、円筒状基板51の上部外周面は蒸着されずスパッタ
膜がそのまま露出しており、一方、基板51の残りの外
周面にはスパッタ薄膜と蒸着薄膜の積層膜が形成され
る。
【0023】上記図3〜5に示した装置では、図1,2
に示した装置と同様に、蒸発源21,23の内周側配
置による膜厚分布とターゲット15,19の外側配置に
よるコンパクト化、形成する薄膜によって蒸着とスパ
ッタの選択使用が可能となる。さらに、マスク部材41
を機械的に動かさずに、異なったマスクパターンのスパ
ッタ膜と蒸着膜とを形成できるので、マスク機構が簡潔
であり、しかもマスク機構の駆動によりゴミや埃が発生
し、これが基板51に付着してピンホール等の膜欠陥を
生じることが防止される。
【0024】なお、以上の説明では蒸着薄膜形成部材と
して蒸発源とイオン化装置とを組み合わせたイオンプレ
ーティング蒸着源を用いる場合を示したが、蒸発源のみ
を用いて通常の真空蒸着を行なってもよい。
【0025】また、図5のマスク部材41に代えて、ス
パッタ電極13,17側(略円筒体の外周面側)を選択
的にマスクするマスク部材を設けてもよい。さらに、略
円筒体の内周面側および外周面側に、互いに異なった部
材をマスクするマスク部材をそれぞれ設けてもよい。
【0026】さらに、基板51を鉛直方向からある程度
傾けることもできる。この場合、基板51の集合体は、
截頭円錐体(略円筒体)を形成することになる。また、
略円筒体の仮想軸と円筒状ないし円柱状基板の中心軸と
は、その分だけ平行から外れることになる。
【0027】
【発明の効果】本発明の請求項1の発明によれば以下の
作用効果が得られる。 (1) 蒸着ゾーンからスパッタゾーンへの基板の搬送
や基板の反転を必要とせず、同一箇所で基板を回転させ
るだけで、基板の両面にそれぞれスパッタ薄膜と蒸着薄
膜を形成できる。
【0028】(2) 蒸着薄膜の膜厚分布を取り、か
つ、装置をコンパクト化することが可能である。 (3) 要求される薄膜の種類や膜特性により、スパッ
タと蒸着をわりふって使い分けることができ、両者のも
つ優れた長所を生かすことができる。
【0029】本発明の請求項2の発明によれば、上記
(2),(3)に加え、以下の作用効果が得られる。 (4) マスク部材の移動や交換を必要とせずに、異な
ったマスクパターンのスパッタ薄膜と蒸着薄膜との積層
膜を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の本発明の薄膜形成装置の実施例
を示す模式図である。
【図2】図1の実施例における、基板と蒸発源およびタ
ーゲットとの関係を示す一部切欠き分解斜視図である。
【図3】請求項2記載の本発明の薄膜形成装置の実施例
を示す模式図である。
【図4】図3の実施例における、基板と蒸発源およびタ
ーゲットとの関係を示す一部切欠き分解斜視図である。
【図5】図3の実施例における基板ホルダーおよびマス
ク部材の詳細を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
11 真空槽 13,17 スパッタ電極 15,19 ターゲット 21,23 蒸発源 25 駆動用歯車 27 ベースプレート 29 ボールベアリング 31 リングプレート 33 基板ホルダー 35 軸受け 37 ホルダ歯車 39 自転駆動用ガイド歯車リング 41 マスク部材 43 支持杆 51 基板 53 仮想円筒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊東 孝 東京都品川区南大井3丁目2番6号 株式 会社シンクロン内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜を形成すべき多数の基板を、基板全
    体の集合体が略円筒体を形成するように搭載し、この略
    円筒体の仮想軸を中心に回転する基板ホルダーと、 前記略円筒体の内周面側に配置された蒸着薄膜形成部材
    と、 前記略円筒体の外周面側に配置されたスパッタ薄膜形成
    部材とを具えたことを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 【請求項2】 薄膜を形成すべき多数の筒状ないし柱状
    基板を、基板全体の集合体が略円筒体を形成し、かつ、
    この略円筒体の仮想軸と筒状ないし柱状基板の中心軸と
    がほぼ平行となるように搭載し、前記略円筒体の仮想軸
    を中心に基板を公転せしめるとともに、前記筒状ないし
    柱状基板の中心軸を中心にこの基板を自転せしめる基板
    ホルダーと、 前記筒状ないし柱状基板の長さの方向の一部について、
    前記略円筒体の内周面側または外周面側を選択的にマス
    クするマスク部材と、 前記略円筒体の内周面側に配置された蒸着薄膜形成部材
    と、 前記略円筒体の外周面側に配置されたスパッタ薄膜形成
    部材とを具えたことを特徴とする薄膜形成装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008226689A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Konica Minolta Holdings Inc 可撓性基板への透明導電膜の形成装置、マスク部材、及び有機エレクトロルミネッセンス素子用透明導電膜樹脂基板
JP2008240105A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Showa Shinku:Kk 基板ホルダ、成膜装置及び成膜方法
CN101845613A (zh) * 2009-03-25 2010-09-29 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 溅镀装置
US20110036711A1 (en) * 2009-08-14 2011-02-17 Hon Hai Precision Industry Co., Ltd. Sputtering device
JP2012172263A (ja) * 2011-02-23 2012-09-10 Samsung Electronics Co Ltd 表面コーティング方法及びその装置
JP2022112860A (ja) * 2021-01-22 2022-08-03 株式会社シンクロン 成膜装置

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