JPH05271578A - 被覆材組成物 - Google Patents

被覆材組成物

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JPH05271578A
JPH05271578A JP3347292A JP3347292A JPH05271578A JP H05271578 A JPH05271578 A JP H05271578A JP 3347292 A JP3347292 A JP 3347292A JP 3347292 A JP3347292 A JP 3347292A JP H05271578 A JPH05271578 A JP H05271578A
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JP
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meth
coating
parts
weight
acrylate
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JP3347292A
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English (en)
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Hiroshi Fukushima
洋 福島
Misao Tamura
操 田村
Takashi Kawaguchi
貴司 河口
Osamu Takemoto
脩 竹本
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】活性エネルギ−照射により、耐摩耗性、表面平
滑性、耐熱性、耐薬品性、耐久性、耐侯性及び基材との
密着性に優れた架橋硬化被膜を形成する無溶剤の被覆材
組成物を提供する。 【構成】(A)一般式(I)で示される多官能性単量
体;30〜70重量部、 【化1】 (式中、X11、X12、X13、X22、X23…Xn2、Xn3
びX14、の内少なくとも3個はCH2=CR1−COO−
基で、残りは−OH基であり、nは1〜5の整数、R1
は水素またはメチル基を示す。) (B)一般式(II)で示される単官能単量体;20〜6
0重量部 【化2】 (式中、R2は水素またはメチル基を、R3は炭素数3〜
10の脂肪族炭化水素残基を示す。) (C)紫外線吸収剤;2〜30重量部、及び(D)光重
合開始剤;0.1〜10重量部からなる(ただし、A、
B、C及びDの合計量は100重量部)被覆材組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂成形品表面に
塗布し、活性エネルギ−線照射により架橋硬化皮膜を形
成させる被覆材組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリメチルメタクリレ−ト樹脂、ポリメ
タクリルイミド樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、ポリスチ
レン樹脂、AS樹脂などから製造された合成樹脂成形品
は、軽量で耐衝撃性に優れるばかりでなく、透明性も良
好で、近年、自動車用プラスチック材料として、ヘッド
ランプ、グレ−ジング、計器類のカバ−などに多く用い
られるようになってきている。しかし反面、これらの合
成樹脂成形品はその表面の耐摩耗性が不足しているた
め、他の硬い物との接触、摩擦、ひっかきなどによって
表面に損傷を受けやすい。表面に発生した損傷はその商
品価値を著しく低下させたり、短期間で使用不能になっ
たりするので、表面の耐摩耗性を改良することが強く要
求されている。また、上記した自動車用材料として使用
される場合には、その耐侯性も重要な性能となる。
【0003】このような合成樹脂成形品の欠点を改良す
る方法については、従来より種々検討されてきており、
例えばシリコン系、メラミン系の樹脂組成物からなる被
覆材を合成樹脂成形品表面に塗布し、加熱縮合によって
架橋皮膜を形成し、耐摩耗性を向上させる方法や、ラジ
カル重合性単量体からなる樹脂組成物を塗布した後活性
エネルギ−線を照射させ架橋被膜を形成する方法などが
提案されている(特開昭56−122840号公報、
等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
により、合成樹脂成形品表面の耐摩耗性はある程度改善
されるものの、前者の方法では熱ショック、熱水などに
対する耐久性や耐薬品性が不十分であり、後者の方法で
は、耐久性や耐薬品性は優れるものの、耐侯性に関して
は満足できるものではなかった。特に、基材合成樹脂成
形品の耐侯性が本質的に不良なもの、例えばポリカ−ボ
ネ−ト樹脂等の場合は、表面硬化被膜自身の耐侯性は良
好であっても、被膜を通過した紫外線等の活性エネルギ
−線によって基材自身が劣化を受け、成形品が強く黄変
したり、表面の硬化被膜にクラックが生じたり、被膜が
剥離したりする問題点がある。
【0005】更に近年、地球環境を保護するために塗料
のハイソリッド化が叫ばれ、そのため、無溶剤ないしは
溶剤使用量の著しく少ない塗料であって、しかも塗装作
業性と塗膜の平滑性と被膜の性能とのバランスがとれた
塗料が強く要求がされてきている。本発明は、上述の背
景のもとになされたものであり、その目的とするところ
は、活性エネルギ−照射により、耐摩耗性、表面平滑
性、耐熱性、耐薬品性、耐久性、耐侯性及び基材との密
着性に優れた架橋硬化被膜を形成し、かつ有機溶剤を実
質的に含まないか或いは固形分が70%以上である低公
害性の被覆材組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点を解決するために鋭意検討した結果、ある特定の多官
能(メタ)アクリレ−ト、及び特定の単官能(メタ)ア
クリレ−ト化合物を特定の割合で配合し、さらに紫外線
吸収剤及び光重合開始剤を特定の割合に配合した被覆材
組成物を合成樹脂成形品に塗布して活性エネルギ−線照
射により硬化させることによって、各種物性に優れた被
覆膜を有する合成樹脂成形品が得られることを見出し本
発明に至った。
【0007】すなわち本発明は、 (A)1分子内に少なくとも3個以上のアクリロイルオ
キシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基を有する多官
能単量体で、次の一般式(I)で示されるモノ又はポリ
ペンタエリスリト−ルのポリ(メタ)アクリレ−トから
選ばれた少なくとも1種の単量体;30〜70重量部、
【0008】
【化3】
【0009】(式中、X11、X12、X13、X22、X23
n2、Xn3及びX14、の内少なくとも3個はCH2=C
1−COO−基で、残りは−OH基である。また、n
は1〜5の整数であり、R1は水素またはメチル基を示
す。) (B)一般式(II)で示される、1分子内に1個のアク
リロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基を
有する単官能単量体の少なくとも1種;20〜60重量
部、
【0010】
【化4】
【0011】(式中、R2は水素またはメチル基を、R3
は炭素数3〜10の脂肪族炭化水素残基を示す。) (C)紫外線吸収剤;0.5〜30重量部、 (D)光重合開始剤;0.1〜10重量部、 からなる(ただし、A、B、C及びDの合計量は100
重量部である)ことを特徴とする被覆材組成物である。
【0012】この被覆材組成物を合成樹脂成形品の表面
に塗布して、活性エネルギ−線を照射することにより、
膜厚1〜30μmの架橋硬化被膜を有する耐摩耗性、耐
熱性、耐薬品性、耐久性、耐侯性に優れた合成樹脂成形
品を得ることができる。本発明を詳しく説明する。先ず
本発明の被覆材組成物の各成分について説明する。
【0013】(A)成分について、 (A)成分であるモノ又はポリペンタエリスリト−ルの
ポリ(メタ)アクリレ−トから選ばれた少なくとも1種
の単量体は、活性エネルギ−線の照射により良好な重合
活性を示し、また高度な架橋密度を有する耐摩耗性に優
れたポリマ−を形成する。したがって、基材表面に、耐
摩耗性に優れた硬化被膜を形成することができる。
(A)成分の具体例としては、ペンタエリスリト−ルト
リ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルテトラ
(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルトリ
(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルテトラ
(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルペンタ
(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルヘキサ
(メタ)アクリレ−ト、トリペンタエリスリト−ルテト
ラ(メタ)アクリレ−ト、トリペンタエリスリト−ルペ
ンタ(メタ)アクリレ−ト、トリペンタエリスリト−ル
ヘキサ(メタ)アクリレ−ト、トリペンタエリスリト−
ルヘプタ(メタ)アクリレ−ト、トリペンタエリスリト
−ルオクタ(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。
【0014】(A)成分の使用割合は、(A)〜(D)
成分の合計量100重量部中の30〜70重量部、より
好ましくは、40〜60重量部である。(A)成分の量
が30重量部未満では、十分な耐摩耗性を有する硬化被
膜が得られず、70重量部を越えると、硬化被膜にクラ
ックが生じ易くなり、耐久性試験や耐侯性試験後の硬化
被膜にはクラックが生じる。また硬化被膜の耐熱性も低
下する。
【0015】(B)成分について、 (B)成分である一般式(II)で示される、1分子内に
1個のアクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイル
オキシ基を有する単官能単量体は、高粘度の(A)成分
を希釈し、塗装作業性を向上する成分である。また、
(A)成分のみでは、硬化被膜の架橋密度が高くなりす
ぎるため、架橋密度を適度に調整する成分でもある。
(B)成分は低粘度であることが好ましいが、一般式
(II)でR3基の炭素数が1〜2の化合物は、沸点が低
いため、有機溶剤を用いたときのごとく、硬化被膜形成
中に揮散してしまうので、本発明の目的である環境保護
を達成することはできない。
【0016】(B)成分の具体例としては、プロピル
(メタ)アクリレ−ト、n−ブチル(メタ)アクリレ−
ト、イソブチル(メタ)アクリレ−ト、タ−シャリ−ブ
チル(メタ)アクリレ−ト、n−ペンチル(メタ)アク
リレ−ト、n−ヘキシル(メタ)アクリレ−ト、n−ヘ
プチル(メタ)アクリレ−ト、n−オクチル(メタ)ア
クリレ−ト、イソオクチル(メタ)アクリレ−ト、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、n−ノニル(メ
タ)アクリレ−ト、n−デカン(メタ)アクリレ−ト、
シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、テトラヒドロフ
ルフリル(メタ)アクリレ−ト、ジシクロペンタニル
(メタ)アクリレ−ト、ジシクロペンテニル(メタ)ア
クリレ−ト、イソボルニル(メタ)アクリレ−ト等があ
げられるが、上記した中でも、タ−シャリ−ブチルアク
リレ−ト、タ−シャリ−ブチルメタクリレ−ト、2−エ
チルヘキシルアクリレ−ト、2−エチルヘキシルメタク
リレ−トが特に好ましい。
【0017】(B)成分の使用割合は、(A)〜(D)
成分の合計量100重量部中の20〜60重量部、より
好ましくは、25〜55重量部である。(B)成分の量
が20重量部未満では、十分な稀釈効果が得られず、塗
装総作業性が低下する。また、十分な耐久性、耐侯性を
有する硬化被膜が得られない。60重量部を越えると、
耐摩耗性が低下する。
【0018】(C)成分について、 (C)成分である紫外線吸収剤は特に限定されず、組成
物に均一に溶解し、かつその耐侯性が良好なものであれ
ば使用可能であるが、組成物に対する良好な溶解性およ
び耐侯性改善効果という点から、ベンゾフェノン系、ベ
ンゾトリアゾ−ル系、サリチル酸フェニル系、安息香酸
フェニル系から誘導された化合物で、それらの最大吸収
波長が240〜380nmの範囲である紫外線吸収剤が
好ましく、特に、組成物に多量に含有させることができ
るという点からベンゾフェノン系の紫外線吸収剤が、ま
たポリカ−ボネ−ト等の基材の黄変を防ぐことができる
という点からベンゾトリアゾ−ル系の紫外線吸収剤が、
好ましい。この上記2種を組合せて用いるのが最も好ま
しい。
【0019】(C)成分の具体例としては、2−ヒドロ
キシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベン
ゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデシ
ロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’−
ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’
−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノ
ン、フェニルサリシレ−ト、p−tert−ブチルフェ
ニルサリシレ−ト、p−(1,1,3,3−テトラメチ
ルブチル)フェニルサリシレ−ト、3−ヒドロキシフェ
ニルベンゾエ−ト、フェニレン−1,3−ジベンゾエ−
ト、2−(2−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−ter
t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−
ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブ
チルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロ
キシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ
−ル、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾ−ルが挙げられるが、これらの内、
ベンゾフェノン系の2−ヒドロキシ−4−オクトキシベ
ンゾフェノンおよび2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、ベンゾトリアゾ−ル系の2−(2−ヒドロキシ−5
−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ルが特
に好ましく、これらは2種以上を組合せて使うのがより
好ましい。
【0020】(C)成分の使用割合は、(A)〜(D)
成分の合計量100重量部中の0.5〜30重量部、よ
り好ましくは、2〜15重量部である。(C)成分の量
が0.5重量部未満では、硬化被膜の耐侯性及び、基材
の紫外線からの保護が十分でなく、30重量部を越える
と被膜自身の硬化が不十分となり、硬化被膜の強靱性、
耐熱性、耐摩耗性が低下する。
【0021】(D)成分について、 (D)成分である光重合開始剤としては、ベンゾイン、
ベンゾインモノメチルエ−テル、ベンゾインイソプロピ
ルエ−テル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノン、
p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノ
ン、ベンジルジメチルケタ−ル、2,2−ジエトキシア
セトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、メチルフェニルグリオキシレ−ト、エチルフェ
ニルグリオキシレ−ト、2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−フェニルプロパン−1−オンなどのカルボニル化合
物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチ
ルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物;2,4,6
−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサ
イドなどのアシルフォスフィンオキサイド等を挙げるこ
とができる。これらは1種または2種以上の混合糸で使
用される。これらの中でも、ベンゾフェノン、ベンゾイ
ンイソプロピルエ−テル、メチルフェニルグリオキシレ
−ト、ベンジルジメチルケタ−ルがより好ましい。
【0022】(D)成分の使用割合は、(A)〜(D)
成分の合計量100重量部中の0.1〜10重量部、よ
り好ましくは、1〜5重量部である。(D)成分の量が
0.1重量部未満では、硬化性が不十分となり、10重
量部を越えると硬化被膜の着色を招き、また耐侯性も低
下する。
【0023】本発明の被覆材組成物には、必要に応じ
て、有機溶剤、酸化防止剤、黄変防止剤、ブル−イング
剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止
剤、帯電防止剤、防曇剤等の各種の添加剤が含まれてい
てもよい。有機溶剤は、使用しないのが好ましいが、被
塗装基材の形状や、より薄い被膜が要求される場合に
は、固形分が70%未満にならないように加えてもよ
い。有機溶剤の種類は、被塗装基材により選択して用い
るのが良い。すなわち、基材としてポリカ−ボネ−トを
使用する場合には、イソブタノ−ルなどのアルコ−ル系
溶剤、酢酸n−ブチル、酢酸ジエチレングリコ−ルなど
のエステル系溶剤、エチルセロソルブなどのセロソルブ
系溶剤の3種を組合せて用いるのが良い。溶剤の使用量
は被覆材組成物100部に対して1〜40部を用いるの
が良い。
【0024】本発明の被覆材組成物の塗布方法として
は、ハケ塗り、スプレ−コ−ト、ディップコ−ト、スピ
ンコ−ト、カ−テンコ−トなどの方法が用いられるが、
被覆材組成物の塗布作業性、被覆の平滑性、均一性、硬
化被膜の基材に対する密着性向上の点から、スプレ−コ
−ト法が特に好ましい。また、活性エネルギ−線により
硬化する際には、上記した塗布方法により、被覆材組成
物を基材上に膜厚1〜12μm、好ましくは、3〜8μ
mになるように塗布し、高圧水銀ランプ、メタルハライ
ドランプ等を用いて、100〜400nmの紫外線を1
000〜5000mJ/cm2となるように照射する。
照射する雰囲気は、空気でもよいし、窒素、アルゴン等
の不活性ガス中でもよい。
【0025】本発明の被覆材の被覆対象となる、すなわ
ち基材として適用される合成樹脂は、従来から耐摩耗性
や耐侯性等の改善の要望のある各種の熱可塑性樹脂や熱
硬化性樹脂である。具体例としては、ポリメチルメタク
リル樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、ポリスチレン樹脂、
ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレ−
ト樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂、ポリアリルジグリ
コ−ルカ−ボネ−ト樹脂などが挙げられる。また成形品
とは、これらの樹脂からなるシ−ト状成形品、フィルム
状成形品、各種射出成形品などである。上記した中で
も、ポリメチルメタクリル樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂は、
透明性に優れかつ耐摩耗性改良要求も強いため、本発明
の被覆材組成物は、これらの合成樹脂成形品の表面を被
覆するのに特に有効である。
【0026】
【実施例】以下に実施例及び比較例を揚げ本発明を更に
詳しく説明する。なお、実施例中の「部」はすべて「重
量部」を意味する。また実施例中の測定評価は次のよう
な方法で行った。 (1)硬化被膜の外観 組成物の外観 組成物の塗布、硬化後の外観を目視評価した。 ○…表面が平滑で、透明である。 △…表面に凹凸があり、平滑でない。 ×…平滑でなく、白化やクモリが観察される。
【0027】(2)耐摩耗性 #000のスチ−ルウ−ルを直径25mmの円筒先端に
装着し、水平に置かれたサンプル面に接触させ、1Kg
の荷重で50回往復摩耗した後、拡散透過率(ヘイズ
値)を測定し、耐摩耗性の判定を行った。 耐摩耗性の判定基準 ○…増加ヘイズ値=0〜0.5 :ほとんど傷はつい
ていない。 △…増加ヘイズ値=0.5〜3.0:少し傷がつく。 ×…増加ヘイズ値=3.0以上 :ひどく傷がつく。
【0028】(3)密着性 硬化被膜に1mm間隔で基材まで達するクロスカットを
入れ、1mm2の碁盤目を100個作り、その上にセロ
テ−プを貼り付け急激にはがし、剥離した碁盤目を数え
た。 ○…剥離なし。 △…剥離の数1〜50個 ×…剥離の数51〜100個
【0029】(4)耐熱性 塗板サンプルを120℃の熱風乾燥機に24時間入れ、
硬化被膜 ○…変化なし。 △…小さなクラックが発生。 ×…塗板の全面にクラックが発生。
【0030】(5)耐侯性 サンシャイン・カ−ボンウエザオメ−タ−(スガ試験機
製、WEL−SUN−HC−B型)耐候試験機を用い
て、ブラックパネル温度63±3℃、降雨12分間、照
射48分間のサイクルで試験した。1000時間、20
00時間暴露後の硬化被膜の変化を観察し、密着性を試
験した。 (a)外観の変色 ○…変色なし。 △…若干黄変あり。 ×…黄変大。 (b)クラックの発生、膜の剥離 ○…なし。 ×…あり。
【0031】(実施例1〜4、比較例1〜6)表1の実
施例1〜4及び比較例1〜6に示す成分、配合比で被覆
材組成物を調製した。各被覆材組成物を用いて、厚さ3
mmのポリカ−ボネ−ト樹脂板(GE社製、商品名:レ
キサンLS−II)に、硬化後の塗膜が4μmになるよう
にスプレ−塗装した。これを空気中で高圧水銀ランプを
用い、波長340nm〜380nmの積算光量が300
0mJ/cm2のエネルギ−を照射し、硬化塗膜を得
た。得られた塗膜の評価結果を表1に示した。
【0032】(実施例5、比較例7)表1の実施例5及
び比較例7に示す成分、配合比で被覆材組成物を調製し
た。各被覆材組成物を用いて、厚さ3mmのポリメチル
メタクリレ−ト樹脂板(三菱レイヨン社製、商品名:ア
クリペットVH)に、硬化後の塗膜が4μmになるよう
にスプレ−塗装した。これを空気中で高圧水銀ランプを
用い、波長340nm〜380nmの積算光量が200
0mJ/cm2のエネルギ−を照射し、硬化塗膜を得
た。得られた塗膜の評価結果を表1に示した。
【0033】(実施例6、比較例8)表1の実施例6及
び比較例8に示す成分、配合比で被覆材組成物を調製し
た。各被覆材組成物を用いて、厚さ3mmのポリメチル
メタクリルイミド樹脂板(三菱レイヨン社製、商品名:
PMI)に、硬化後の塗膜が4nmになるようにスプレ
−塗装した。これを空気中で、高圧水銀ランプを用い、
波長340nm〜380nmの積算光量が2000mJ
/cm2のエネルギ−を照射し、硬化塗膜を得た。得ら
れた塗膜の評価結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】なお、表1中の化合物の記号は次の通りで
ある。 DPHA:ジペンタエリスリト−ルペンタアクリレ−ト EHA :2−エチルヘキシルアクリレ−ト TBMA:タ−シャリ−ブチルメタクリレ−ト MA :メチルアクリレ−ト BA :ベンジルアクリレ−ト LA :ラウリルアクリレ−ト HDA :ヘキサンジオ−ルジアクリレ−ト BIP :ベンゾインイソプロピルエ−テル BPN :ベンゾフェノン MPG :メチルフェニルグリオキシレ−ト HBPB:2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル HOBP:2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェ
ノン DHBP:2,4ジヒドロキシベンゾフェノン
【0036】
【発明の効果】本発明の被覆材組成物は、これを合成樹
脂成形品の表面に塗布し、次いで紫外線等の活性エネル
ギ−を照射することにより、合成樹脂成形品に耐摩耗
性、耐熱性、耐侯性、耐薬品性、基体との密着性に優
れ、架橋密度の大きい架橋硬化被膜を形成することがで
きる。また、本発明の被覆材組成物は、無溶剤でも、あ
るは極少量の溶剤の使用で基体たる合成樹脂成形品に良
好に塗布できるので、環境保護の点からも極めて有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/00 // C08F 220/36 MMW 7242−4J 299/02 MRS 7442−4J (72)発明者 竹本 脩 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)1分子内に少なくとも3個以上のア
    クリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基
    を有する多官能単量体で、次の一般式(I)で示される
    モノ又はポリペンタエリスリト−ルのポリ(メタ)アク
    リレ−トから選ばれた少なくとも1種の単量体;30〜
    70重量部、 【化1】 (式中、X11、X12、X13、X22、X23…Xn2、Xn3
    びX14、の内少なくとも3個はCH2=CR1−COO−
    基で、残りは−OH基である。また、nは1〜5の整数
    であり、R1は水素またはメチル基を示す。) (B)一般式(II)で示される、1分子内に1個のアク
    リロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基を
    有する単官能単量体の少なくとも1種;20〜60重量
    部、 【化2】 (式中、R2は水素またはメチル基を、R3は炭素数3〜
    10の脂肪族炭化水素残基を示す。) (C)紫外線吸収剤;0.5〜30重量部、 (D)光重合開始剤;0.1〜10重量部、 からなる(ただし、A、B、C及びDの合計量は100
    重量部である)ことを特徴とする被覆材組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009511702A (ja) * 2005-10-10 2009-03-19 エスエスシーピー・カンパニー・リミテッド Uv硬化性ハイソリッド塗料組成物

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