JPH05271305A - 高分子量のn,o−硫酸化ヘパロサン類、その製造方法および医薬組成物 - Google Patents

高分子量のn,o−硫酸化ヘパロサン類、その製造方法および医薬組成物

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JPH05271305A
JPH05271305A JP4318638A JP31863892A JPH05271305A JP H05271305 A JPH05271305 A JP H05271305A JP 4318638 A JP4318638 A JP 4318638A JP 31863892 A JP31863892 A JP 31863892A JP H05271305 A JPH05271305 A JP H05271305A
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heparosan
acetylheparosan
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Jean-Claude Lormeau
ジャン−クロード・ロルモー
Bruno Chevallier
ブルノ・シュバリエ
Marc Louis Victor Salome
マルク・ルイ・ヴィクトール・サロム
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Elf Sanofi SA
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Elf Sanofi SA
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B37/00Preparation of polysaccharides not provided for in groups C08B1/00 - C08B35/00; Derivatives thereof
    • C08B37/006Heteroglycans, i.e. polysaccharides having more than one sugar residue in the main chain in either alternating or less regular sequence; Gellans; Succinoglycans; Arabinogalactans; Tragacanth or gum tragacanth or traganth from Astragalus; Gum Karaya from Sterculia urens; Gum Ghatti from Anogeissus latifolia; Derivatives thereof
    • C08B37/0063Glycosaminoglycans or mucopolysaccharides, e.g. keratan sulfate; Derivatives thereof, e.g. fucoidan
    • C08B37/0075Heparin; Heparan sulfate; Derivatives thereof, e.g. heparosan; Purification or extraction methods thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • A61P7/02Antithrombotic agents; Anticoagulants; Platelet aggregation inhibitors

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 式(I)で示される繰返し二糖構造を特徴と
する、1.5×104〜4.0×106Dの分子量を有する
連鎖、または連鎖の混合物からなるN,O−硫酸化ヘパ
ロサン類、およびそれらのN,O−硫酸化ヘパロサンの
製薬上許容し得る塩類、エシエリキア・コリ(K5株)
の培養物からN−アセチルヘパロサンを単離、精製し部
分的に脱アセチル、硫酸化をほどこして式(I)のN,
O硫酸化ヘパロサンを得る製造方法ならびに該高分子量
N,O−硫酸化ヘパロサンを主成分とする医薬組成物。 [式中、Eは、このN,O−硫酸化ヘパロサンの二糖単
位の0〜80%ではアセチル基、残りの二糖単位ではサ
ルフェート基、所望により水素原子、Gは水素原子およ
びサルフェート基を表わす] 【効果】 上記医薬組成物は血液凝固抑制剤として有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明の対象は、新規高分子量
のN,O−硫酸化ヘパロサン類、これらの新規N,O−
硫酸化ヘパロサン類を含有するN,O−硫酸化ヘパロサ
ン組成物、および新規高分子量N,O−硫酸化ヘパロサ
ンを有効主成分とする医薬組成物である。
【0002】
【従来の技術】グリコサミノグリカン類は、動物組織か
ら抽出によって得ることができる生産物であることが知
られている。これらのグリコサミノグリカン類のあるも
のは、極めて有用な抗凝固作用および抗血栓作用を有す
る。この系統群の代表的な生産物は、ヘパリン、その分
解生産物、およびそれらの誘導体、およびヘパラン硫
酸、デルマタン硫酸であるが、これらの生産物は、その
起原が甚だ高価であるという難点を有する。特にデルマ
タン硫酸は、ウロン酸基(イズロン酸またはグルクロン
酸)およびアセチル4−硫酸化ガラクトサミニル基から
なる繰返し単位で構成されたさまざまな重合度有するポ
リマー系統群であることが分かっている[H.W.ストゥ
ールザッツ、「ザ・メソドロジー・オブ・コネクティブ
・ティシュー・リサーチ(TheMethodology of Connectiv
e Tissue Reseach)」、1976年、137〜146
頁]。天然デルマタン硫酸は2×104〜4×104Dの
分子量を有する。この生産物は抗凝固剤および抗トロン
ビン剤として特に有用である[F.フェルナンデツら、
ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ヘマトロジー(Bri
tish Journal ofHaematology)、1986年、64巻、
309〜317頁]。
【0003】血液凝固は、その機序が下記の
【化6】 経路で図式的にまとめることができる複雑な生理現象で
あることが分かっている[I.ビエルクおよびU.リンダ
ール、「モレキュラー・アンド・セルラー・バイオケミ
ストリー(Molecular and Cellular Biochemistry)」、
1982年、パブリッシャーズ・ドクター・W.ユンク
(Publishers Dr. W. Junk)、オランダ]。接触活性化因
子および組織因子のようなある種の刺激が、血漿中に存
在する一連の血液凝固因子の連続的な活性化の引き金と
なる。上記の反応式ではこれらの因子をローマ数字で表
わし、後尾のaの存在は、ある凝固因子の活性化形(a
を付した場合)または不活性化形(aを付さない場合)
を表わす。刺激の性質がどのようなものであっても、最
終段階は同じであり、Xa因子がII因子(プロトロンビ
ンともいう)を活性化し、この因子はその活性化形(II
a因子、トロンビンともいう)で可溶性フィブリノーゲ
ンの部分的タンパク分解を起こして、血餅の主な構成成
分である不溶性のフィブリンを遊離する。正常な生理条
件下では、抗トロンビンIII(ATIII)およびヘパリン
補因子II(HCII)のような調節タンパク質が同時に血
漿中に存在する。抗トロンビンIIIは、上記の反応式で
星印(*)を付したすべての凝固因子に対して阻害活性
を示す。この阻害はヘパリン、またはヘパリン型合成オ
リゴ糖類の存在で著しく増強される[D.H.アサら、バ
イオケミストリー(Biochemistry)、1985年、24
巻、6723〜6729頁]。ヘパリン補因子IIは、血
液凝固の最終段階を触媒するIIa因子(トロンビン)に
対してだけ阻害活性を示す。この活性は、ヘパリンまた
はデルマタン硫酸の存在で著しく増強される[D.M.ト
レフセン、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミス
トリー(J. Biol. Chem)、1983年、258巻、67
13〜6716頁]。Xa因子またはIIa因子の阻害
は、これらの2因子が、それぞれ別の刺激が引き金とな
る血液凝固の最後の2段階に関与するから、抗凝固活性
および抗血栓活性を得るのに好ましい手段を提供する。
IIa因子だけの阻害を得るのに特に都合のよい可能性
は、ヘパリン補因子IIの特異性を利用し、その阻害活性
を増強する手段を探索することである。デルマタン硫酸
は、この種の最も強力な増強活性を有する既知の生産物
である。
【0004】またヘパリンの主鎖は2段階で組立られる
ことが分かっている。第1段階では、ヘパリンはその多
糖部分がβ−D−グルクロニル−1,4−α−N−アセ
チル−D−グルコサミニル−(1,4)の繰返し二糖単
位から構成されているさまざまな重合度のポリマー系統
群からなる前駆物質プロテオグリカンから生合成され
る。この多糖部分は一般にN−アセチルヘパロサンと呼
ばれる[J.ナビア、アナリティカル・バイオケミスト
リー(Anal. Biochem.)、1983年、135巻、134
〜140頁]。生合成の第2段階ではこの簡潔な骨格を
著しく変えてしまうので、この生合成の第1段階は、ま
さに「二糖単位」と呼ぶことができる唯一の時機である
[レパリン・ファブリカシォン・ストリュクチュール・
プロプリエテ・アナリーゼ(L'heparine, fabrication,
structure, proprietes, analyses)、J.P.デュクロ
ス、1984年、81〜83頁、マソン編、フラン
ス]。実際に、生合成から生じる天然ヘパリンは、グル
クロン酸分子および、所望により2位を硫酸化したイズ
ロン酸(ウロン酸)分子を、所望により6位を硫酸化
し、2位のアミンを硫酸化またはアセチル化したグルコ
サミン分子と結合させた分子からなる多糖である。
【0005】またエシェリキア・コリ(Escherichia co
li)種のある種の細菌が、β−D−グルクロニル−1,
4−α−N−アセチル−D−グルコサミニル−(1,4)
の繰返し単位からなるポリマー系統群である一般に抗原
K5と呼ばれるきょう膜多糖を産生することが分かって
いる[W.F.バンら、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ
・バイオケミストリー(Eur. J. Biochem.)、1981
年、116巻、359〜364頁]。この多糖はヘパリ
ンの前駆物質プロテオグリカンの多糖部分と同一の化学
的性質を有するものであり、本明細書では、以下これを
N−アセチルヘパロサンと呼ぶ。この生産物は105
2.0×106Dの分子量を有し、その「ウロン酸」単位
に、D−グルクロン酸だけで構成された極めて規則正し
い構造を有する[W.F.バンら、ヨーロピアン・ジャー
ナル・オブ・バイオケミストリー、1981年、116
巻、359〜364頁、およびヨーロッパ特許出願公開
EP−A−0333243号]。特許出願公開EP−A
−0333243号には、O−硫酸化された多糖K5
(O−硫酸化−N−アセチルヘパロサン)、および同様
にO−硫酸化された、それぞれ四、六、または八「糖」
単位からなるある種のその切断生産物が報告されてい
る。これらの生産物は、抗血液凝固作用に対して都合よ
い比をもつ抗血管新生活性および抗腫瘍活性を示す。ま
たこの文献では、それぞれ四、六、八、または十「糖」
単位からなるN−アセチルヘパロサンの切断生産物、お
よび高分子量のO−硫酸化−N−アセチルヘパロサン類
が報告されている。この最後の生産物に、W.F.バンら
の報告[W.F.バンら、ヨーロピアン・ジャーナル・オ
ブ・バイオケミストリー、1981年、116巻、35
9〜364頁]による苛酷な解重合を行ない、特許出願
公開EP−A−0333243号に報告されたような
八、六、または四「糖」単位からなるO−硫酸化−N−
アセチルヘパロサンの短い切断生産物が得られる。また
特許出願公開EP−A−0333243号には、O−硫
酸化−N−アセチルヘパロサン構造を有する五糖の全化
学的合成による製造が報告されている。また多糖K5
は、N−脱アセチルおよびN−硫酸化すると、ポリマー
の最後の修飾反応、即ち、ヘパリン生合成のヘキスロノ
シルC5−エピマー化およびO−硫酸化を触媒する酵素
の基質として使用できることが知られている[M.クッ
シェら、バイオケミカル・ジャーナル(Biochem. J.)、
1991年、275巻、151〜158頁]。クッシェ
らは、ヒドラジン/硫酸ヒドラジンを使用してN−脱ア
セチル化し、N−脱アセチル化生産物をトリメチルアミ
ン/三酸化硫黄複合体で処理することによるN−硫酸化
によって、N−脱アセチル、N−硫酸化多糖K5の製造
を報告している。
【0006】最後にC5−エピマー化、N−脱アセチル
化、N−硫酸化した多糖K5の部分的5−エピマー化お
よびO−硫酸化によって、標準的な粘液ヘパリンおよび
ヘパラン硫酸の中間に当たるHCIIを介する抗Xa活性
および抗IIa活性を有する生産物が得られることが判明
した[B.カスら、インターナショナル・シンポジアム
・オン・ヘパリン・アンド・リレーテッド・ポリサッカ
ライズ(InternationalSymposium on Heparin and Relat
ed Polysaccharides)、ウプサラ(Uppsala)、1991年
9月2〜6日、アブストラクトNo.12]。これらの
生産物のすべては、ヘパリンと同様、グルクロン酸構造
およびイズロン酸構造をともにその連鎖に有している。
またその連鎖にグルクロン酸構造およびイズロン酸構造
をともに含んでいる多糖K5のC5−エピマー化、N−
脱アセチル化、およびN−硫酸化誘導体がクッシェらに
よって報告された[M.クッシェら、バイオケミカル・
ジャーナル、1991年、275巻、151〜158
頁]。J.リーゼンフェルドら[グリココンジュゲート
(Glycoconjugate)、1987年、4巻、179〜189
頁]は、ヘパリンの生合成を解明しようと意図した研究
で、酵素によるN−アセチルヘパロサンの硫酸化につい
て報告したが、得られた生産物の正確な構造については
述べられていない。またフランス特許第2584728
号(10.11.87)[特許出願Fr−85.1078
7号に対応]には、出発グリコサミノグリカン類の糖単
位で、その重合度またはその均一性を変えることなく、
第1級水酸基(−OH)の代わりに硫酸エステル基(−
SO3 -基)を導入することができるグリコサミノグリカ
ン類、特にヘパリンの硫酸化の方法が報告されている。
【0007】
【発明の構成】この発明では、N−脱アセチル化し、N
−硫酸化した多糖K5のO−硫酸化によって、血液凝固
に対して良好な活性を有する高分子量のN,O−硫酸化
ヘパロサンが得られることが判明した。その活性は、そ
れ自体、ヘパリン補因子IIを介し、また予想外なことに
抗トロンビンIIIを介することが分かった。より詳細に
は部分的5−エピマー化は必要でなく、その連鎖に含ま
れているN,O−硫酸化ヘパロサンは、グルコサミン単
位から離れて、グルクロン酸単位だけで抗血液凝固薬お
よび抗血栓薬の有効主成分として使用できるという予想
外な態様であることが判明した。したがってこの発明の
対象である高分子量のN,O−硫酸化ヘパロサン類は、
その新規構造、特に高度の硫酸化(グルコサミンのアミ
ン基の硫酸化も含み)、イズロン酸が存在しないこと、
およびその予想外な薬理学的性質によって特徴付けられ
る点で、文献上に既に報告された他の生産物と区別され
る。それらは、ヘパリン補因子II(HCII)に関しては
デルマタン硫酸より一層強力な抗凝固活性を有する。実
際、それらの薬理学的活性は、治療上、一般に使用され
るグリコサミノグリカン類、特にヘパリンの活性に匹敵
し得、血液凝固の抑制に使用できる。より詳細にはこの
発明の生産物は、抗血栓薬としての適応がある。
【0008】多糖K5、およびそのN−脱アセチル、N
−硫酸化誘導体、およびこの発明の対象であるN,O−
硫酸化ヘパロサン類に関して本明細書の説明で使用する
「高分子量」の表現は、1.5×104Dより大きい分子
量、即ち、分子量が標準的な分析方法にしたがい、ある
精度をもって測定される範囲内で、その限度を超えた分
子量を表わす。天然多糖K5、およびその誘導体を例に
とれば、他に特定しない場合、前記の参考文献[W.F.
バンら、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミ
ストリー、1981年、116巻、359〜364
頁]、およびヨーロッパ特許出願公開EP−A−033
3243号に示された分子量の意味であると理解すべき
である。ただしこれと同一の表現は、分解し/または切
断することによって得られ、1.5×104〜105Dの
分子量を有する連鎖で構成された天然多糖K5の分子量
より低い分子量を有する生産物をも包含する。実際に
は、「高分子量」の表現は、所望によりN−脱アセチル
化、N−硫酸化した任意の多糖K5型の生産物、および
その切断生産物を含んで適用され、または約1.5×1
4〜4.0×106Dの範囲の分子量を有する任意の
N,O−硫酸化ヘパロサン、およびその切断生産物を含
んで適用される。
【0009】この発明の対象は、式(I)
【化7】 [式中、Eは、このN,O−硫酸化ヘパロサンの二糖単
位の0〜80%ではアセチル基、残りの二糖単位ではサ
ルフェート基、所望により水素原子、Gは水素原子およ
びサルフェート基を表わす]で示される繰返し二糖構造
を特徴とし、1.5×104〜4.0×106Dの分子量を
有する連鎖、または連鎖の混合物からなるN,O−硫酸
化ヘパロサン類、およびそれらのN,O−硫酸化ヘパロ
サンの製薬上許容し得る塩類である。サルフェート/カ
ルボキシル比として表わされる高分子量のN,O−硫酸
化ヘパロサンの硫酸化度は好ましくは1.5〜3.0であ
る。この発明はまた、上記のこの発明の対象であるN,
O−硫酸化ヘパロサンの質量の少なくとも70%を含有
するN,O−硫酸化ヘパロサン組成物に関する。
【0010】この発明の対象であるN,O−硫酸化ヘパ
ロサン類は、明瞭な分子量の同一な多糖連鎖からなり
得、その場合、この分子量は1.5×104〜4.0×1
6Dの範囲である。それらはまた、さまざまな分子量
の連鎖の混合物からなることもでき、その場合、これら
の分子量は1.5×104〜4.0×106Dである。これ
らの連鎖の分子量の開きは多少重要であり得る。実際に
は、この発明の対象であるN,O−硫酸化ヘパロサン類
は、連鎖自身同士、最大約3.9×106Dまでの分子量
差を有する連鎖からなり得るか、あるいはそれとは反対
に、単にウロン酸構造(D−グルクロン酸、またはその
誘導体)またはグルコサミン構造の1単位に対応する約
300Dの分子量差そのものを有する連鎖からなるの
か、さもなければN,O−硫酸化ヘパロサンが化学的切
断から生じた場合なら、連鎖自身同士、300D以下の
分子量差を有する連鎖からなり得る。またそれぞれの
N,O−硫酸化ヘパロサンの構成によって、最低の分子
量、または最高の分子量の何れかを有する連鎖の分子量
は、1.5×104〜4.9×106Dの間の任意の値に対
応できることは明らかである。「約」の語は示された値
に極めて近いことを意味し、これらの個々の値に限定さ
れないために使用する。この表現は分子量の評価中に遭
遇する困難性および使用した方法の精度のため、当業者
が得ることができる結果に開きがあるので妥当である
が、使用する方法の精度の方が有効であり得る。先に用
いた「Gは水素原子およびサルフェート基を表わす」の
表現は、式(I)の二糖単位におけるGが、ある位置の
場合は水素原子を表わし、他の残りの位置の場合はサル
フェート基を表わすことをいう。これと同様に、Eはあ
る二糖単位ではアセチル基を表わし、これらの単位の残
りではサルフェート基、または所望により水素原子を表
わすことをいう。即ち、N,O−硫酸化ヘパロサンの二
糖単位は必ずしもすべて同一ではあり得ない。
【0011】式(I)はグルコサミン単位およびD−グ
ルクロン酸単位から構成された繰返し二糖構造を表わ
す。この単位は逆転させることができ、より詳細には式
(I)の二糖構造をn回繰返すと考えれば、連鎖の非還
元単位が、4位に水酸基を有する式(I)で表わされる
ようなグルコサミン単位であれば、このグルコサミン単
位は硫酸化され、または硫酸化されず、あるいは所望に
よりC4−C5位間に二重結合を含んでいるD−グルク
ロン酸であれば、これは硫酸化され、または硫酸化され
ない何れの場合も同等に許容し得る。還元単位は、式
(I)で表わされるように、アノマー酸素を水素で置換
したD−グルクロン酸、またはグルコサミンの何れの場
合でも同等に許容し得る。この発明の好ましい化合物
は、連鎖の還元末端および非還元末端が、硫酸化または
非硫酸化ウロン酸単位、硫酸化または非硫酸化グルコサ
ミン、または硫酸化または非硫酸化アセチルグルコサミ
ンである連鎖からなる。ヘパリンの場合と同様に、他に
明記しない場合、生産物を指示する「多糖K5」および
「N,O−硫酸化ヘパロサン」の語は、ナトリウム塩の
形の生産物をいう。
【0012】この発明のもう1つの態様は、(i)N−
脱アセチルし、N−硫酸化した多糖K5、またはその切
断生産物の1つからなる出発物質をO−硫酸化し、ある
いは(ii)N−脱アセチル化した多糖K5、またはその
切断生産物の1つからなる出発物質を部分的N,O−硫
酸化し、所望により続いて完全N−硫酸化を行なう何れ
かにより、このようにして得た生産物を、ついで単離
し、所望により製薬上許容し得る塩へ転換することから
なる高分子量N,O−硫酸化ヘパロサンの製造方法に関
する。この発明の対象であるN,O−硫酸化ヘパロサン
を製造するため、出発物質として、約1.0×104〜約
2.0×106Dの範囲の分子量を有する物質を使用す
る。約4.0×106Dの分子量を有するN,O−硫酸化
ヘパロサンは、約2.0×106Dの分子量を有する物質
から得る。出発物質とN,O−硫酸化ヘパロサンの間に
生じる質量差は、N,O−硫酸化に由来する。
【0013】より詳細には、この発明のもう1つの対象
は、 (段階a)エシェリキア・コリ(Escherichia coli)(K
5)株を培養して、高分子量N−アセチルヘパロサン
(多糖K5)を生成し、 (段階b)式(II)
【化8】 で示される繰返し二糖構造を特徴とし、1.0×104
2.0×106Dの分子量を有する連鎖の混合物からなる
N−アセチルヘパロサンの70〜100%を含有する組
成物を得るため、生成したN−アセチルヘパロサンを単
離および精製し、 (段階c)式(III)
【化9】 [式中、R'は二糖単位の0〜80%ではアセチル基、
残りの二糖単位では水素原子を表わす]で示される繰返
し二糖構造を特徴とし、1.0×104〜2.0×106
の分子量を有する連鎖の混合物からなるヘパロサン70
〜100%を含有する組成物を得るため、このN−アセ
チルヘパロサンを部分的に脱アセチル化し、 (段階d)式(IV)
【化10】 [式中、Eは、二糖単位の0〜80%ではアセチル基、
残りの二糖単位ではサルフェート基、所望により水素原
子を表わす]で示される繰返し二糖構造を特徴とし、
1.0×104〜2.0×106Dの分子量を有する連鎖の
混合物からなるN−硫酸化ヘパロサン70〜100%を
含有する組成物を得るため、完全または部分的にN−硫
酸化し、ついでこの部分的または完全なN−硫酸化段階
に続いて、部分的または完全にO−硫酸化するか、また
はこのヘパロサン組成物の部分的にN,O−硫酸化、ま
たはこのヘパロサン組成物の部分的なN,O−硫酸化に
続いて、完全にN−硫酸化する何れかの段階を実施し、
所望によりa、b、c、およびd段階の終わりに、分子
量を分別する1またはそれ以上の段階を含む 一連の段階を含むことからなる この発明の高分子量のN,O−硫酸化ヘパロサン70〜
100%を含有する組成物の製造方法である。
【0014】出発物質としては、クッシェら[バイオケ
ミカル・ジャーナル、1991年、275巻、151〜
158頁]が報告したようなN−脱アセチル化し、N−
硫酸化した多糖K5を使用できる。もう1つの都合よい
出発物質は、EP−A−0333243号に報告された
ような多糖K5である。特に都合よい出発物質は、エシ
ェリキア・コリSEBR3282の培養によって得られ
る多糖K5である。これはBi8337−41(01
0:K5:H4)ATCC23506株から誘導された
株である[具体的にはD.S.グプタら、FEMS・マイ
クロバイオロジー・レターズ(FEMS Microbiology Lette
rs)、1982年、14巻、75〜78頁、およびW.バ
ン、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミスト
リー、1981年、116巻、359〜364頁に報告
されている]。エシェリキア・コリSEBR3282株
は、B.カイザーらの方法[ジャーナル・オブ・クリニ
カル・マイクロバイオロジー(J. Clin. Microbiol.)、
1984年、19巻(2)、264〜266頁]にした
がうK5特異的ファージによる型試験で陽性を示す。し
たがってこれは確実にエシェリキア・コリ(K5)株で
ある。この株はCNCM(ザ・パスツール・インスチチ
ュート、パリ、フランス)にNo.I−1013の番号
のもとに寄託されている。またこの株の自然変異株また
は誘導変異株の何れの変異株でも使用でき、また例えば
Bi626−42株(012:K5(L):NM)ATC
C23508のような他の好適なエシェリキア・コリ
(K5)株も使用できる。
【0015】この発明の生産物の半合成のための出発物
質として使用する高分子量のN−アセチルヘパロサンを
製造するには、グリセリンに富んだ培地を使用する。グ
ルコースが特に好ましい。エシェリキア・コリ(K5)
株の培養は、バイオマスの増殖が停止した後、好ましく
は少なくとも2時間続ける(発酵装置中で約25〜35
時間熟成する)。段階bでは、式(II)で示される繰返
し二糖構造を特徴とし、1.0×104〜2.0×106
の分子量を有する連鎖の混合物からなるN−アセチルヘ
パロサンの70%〜100%を含有する組成物を得るた
め、N−アセチルヘパロサンの単離および精製を、少な
くとも1沈殿段階および1イオン交換クロマトグラフィ
ー段階を含む方法によって実施する。この最後の段階
は、好ましくは「Q−セファロース」カラムまたはこれ
に対応するカラムを使用することにより実施する。沈殿
は、好適な有機溶媒、特にアルコール、好ましくはエタ
ノールで実施する。この操作中、N−アセチルヘパロサ
ンは、塩の形、好ましくはナトリウム塩の形であり得
る。
【0016】単離および精製の好ましい方法を例示すれ
ば、下記のように (段階a1)エタノール沈殿、 (段階b1)透析、 (段階c1)エタノール沈殿、ついで脱水、乾燥 (段階d1)アニオン交換クロマトグラフィーによる精
製、 (段階e1)段階d1で得られた溶出液のエタノール沈
殿、脱水、乾燥、および粉砕する操作によって模式化に
示すことができる。段階a1、b1、およびc1に関して
は、それを実施する順序はほとんど重要ではない。段階
1またはc1の1つを省くことができる 段階e1では、エタノール沈殿は必ずしも絶対に必要で
はない。N−アセチルヘパロサンは、例えば段階d1
得られた溶出液を真空下に蒸発するような別の方法によ
って単離することもできる。
【0017】約1.5×104〜2.0×106Dの分子量
を有する連鎖の混合物からなるN−アセチルヘパロサン
の70%〜100%を含有する組成物を得るため、N−
アセチルヘパロサンの単離および精製は、また下記の (段階a'1)透析、 (段階b'1)酸性媒質で精製、pH3.5およびpH1.
8の水溶液で不溶性である不純物の除去、 (段階c'1)エタノール沈殿、ついで脱水、乾燥、 (段階d'1)アルカリ性加水分解および透析、 (段階e'1)アニオン交換クロマトグラフィーによる精
製、 (段階f'1)排除クロマトグラフィーによる精製によっ
て実施できる。この単離および精製操作もこの発明の好
ましい方法である。アルカリ性加水分解は、NaOH溶
液で30℃〜80℃の温度で実施する。単離および精製
操作を適用することにより、培養の終わりに得られた懸
濁液を使用するか(この場合は、前濾過が必要であ
る)、または下記のような (段階a"1)培養の終わりに得られた懸濁液を遠心し、 (段階b"1)上清をアルカリ性溶液と接触させ、 (段階c"1)予備濾過し、 (段階d"1)あらかめ測定した限界カットオフ値を有す
る膜で濃縮し、所望により (段階e"1)透析の段階を含む操作にしたがって実施す
る予備精製を既に行なった物質の何れかを出発物質とし
て使用できる。この場合も、NaOH溶液をアルカリ性
溶液として使用できる。好ましくは、培養の終わりに得
られた生成物を、上記の方法にしたがい前精製する。
【0018】上記の方法にしたがい、エシェリキア・コ
リSEBR3282株、または前に挙げた別の好適な株
を使用して得られた式(II)のN−アセチルヘパロサン
類の2つの還元および非還元末端は、ウロン酸単位また
はN−アセチルグルコサミンである。連鎖の大半で、非
還元末端は、式(a)
【化11】 で示されるウロン酸単位である。N−アセチルヘパロサ
ンで得られた1.5×104〜2.0×106Dの分子量を
有し、式(II)で示される繰返し二糖構造を有する連鎖
の混合物からなる組成物の所望の濃化は、さまざまな程
度で、特にN−アセチルヘパロサンが単離されるまで実
施できる。この濃化は、分子量を分別するゲル浸透クロ
マトグラフィー、および限外濾過のような従来の技術を
用いて行なわれる[A.A.ホーナー、バイオケミカル・
ジャーナル、1989年、262巻、953〜958
頁、G.パイラーら、ジャーナル・オブ・バイオロジカ
ル・ケミストリー、1988年、263巻(11)、5
197〜5201頁、U.リンダールら、ジャーナル・
オブ・バイオロジカル・ケミストリー、1984年、2
59巻(20)、12368〜12376頁]。またエ
タノール分別法を用いることもできる(特許出願公開E
P−A−0287477号)。この最後の分別法は想定
し得る他のどの方法より特に有用である。
【0019】段階cでは、脱アセチル化剤で処理するこ
とにより、高分子量のヘパロサンの70%〜100%を
含有する組成物を生産する、前述の式(III)の繰返し
二糖構造を特徴とし、1.0×104〜2.0×106Dの
分子量を有する連鎖の混合物からなるN−アセチルヘパ
ロサン70%〜100%を含有する組成物の部分的脱ア
セチル化を実施する。脱アセチル化剤としては、五硫化
リン、トリエチルオキソニウムフルオロボレート、水酸
化ナトリウムまたはヒドラジンであって、最後に挙げた
2つの脱アセチル化剤が特に有用である。また塩酸、硫
酸等のような無機強酸も使用できる。反応時間の長さ
は、選ばれた操作条件、特に温度および反応媒質中の脱
アセチル化剤の濃度によって変わる。式(III)の繰返
し二糖構造を特徴とし、1.0×104〜2.0×106
の分子量を有する連鎖の混合物からなるヘパロサン中の
ヘパロサン組成物の濃化は、前述の分子量の分別(ゲル
浸透クロマトグラフィー、限外濾過、および水と混合し
得る有機溶媒、特にエタノールによる分別)の従来の技
術を用いて実施する。この場合、式(III)の繰返し二
糖構造を有し、1.0×104〜2.0×106Dの分子量
を有する混合物からなるヘパロサン質量の90%〜10
0%を含有する組成物を得ることができる。
【0020】段階d(部分的または完全なN−硫酸化に
続く、部分的または完全なO−硫酸化)の第1の変法と
しては、N−硫酸化を既知の方法[M.クッシェら、バ
イオケミカル・ジャーナル、1991年、275巻、1
51〜158頁]を用いて実施する。より正確には、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、またはピリジンの
ような有機塩基と三酸化硫黄との複合体を使用してN−
硫酸化を実施する。またピリジン溶液中でクロルスルホ
ン酸により実施することができる。トリメチルアミンと
三酸化硫黄(SO3)の複合体を都合よく使用し、N−
硫酸化反応をアルカリ性水性媒質中で20℃〜80℃の
温度で実施する。N−硫酸化反応の終わりに、得られた
生産物を好適な量のエタノールの添加により沈殿させ
る。生成した沈殿を超精製水で取り出し、この媒質に対
して透析し、凍結乾燥する。この精製方法は、単に例示
のために示したのであって、対応方法を除外するもので
はない。精製段階は数回反復することができる。ついで
この発明の方法にしたがい、O−硫酸化段階の前に、N
−硫酸化ヘパロサンを好ましくは有機塩基の塩、または
第4級アンモニウム塩へ転換する。水酸化テトラブチル
アンモニウムを好ましく使用し、第4級アンモニウム塩
を作成する。
【0021】O−硫酸化反応は、ホルムアミド、または
化学的に対応するその他の溶媒中で、例えばトリメチル
アミン、トリエチルアミン、またはピリジンのような有
機塩基と三酸化硫黄との複合体を使用し、あるいはピリ
ジンの存在でクロルスルホン酸を使用して実施する。三
酸化硫黄/ピリジン複合体を好ましく使用する。一般に
O−硫酸化反応は10℃〜50℃の温度で実施する。つ
いで0.3M〜0.5M NaCl溶液が得られるまで塩
化ナトリウムを反応媒質へ添加し、ついで好適な量のエ
タノールの添加により、N,O−硫酸化ヘパロサンを沈
殿させる。ついでN,O−硫酸化ヘパロサン組成物の精
製を下記の方法で実施する。沈殿を0.3M〜0.5M
NaCl溶液に取り、エタノールで再沈殿し、生成した
沈殿を単離し、超精製水に溶解し、この媒質に対して透
析し、所望により凍結乾燥する。上記の精製方法は、例
示のために示したのであって、対応方法を除外するもの
ではない。精製は1回または1回以上実施することがで
きる。所望の分子量を有するN,O−硫酸化ヘパロサン
中のN,O−硫酸化ヘパロサン組成物の濃化は、既述の
ように、分子量を分別する従来の技術を用いて実施す
る。この濃化を実施することが有利である。
【0022】この操作の段階d(ヘパロサン組成物の部
分的なN,O−硫酸化、または部分的N,O−硫酸化に
続く完全なN−硫酸化段階)の第2および第3の変法で
は、部分的なN,O−硫酸化段階の前に、ヘパロサン類
を有機塩基の塩、または第4級アンモニウム塩へ転換す
る。水酸化テトラブチルアンモニウムを好ましく使用し
て、ヘパロサンの第4級アンモニウム塩を作成する。フ
ランス特許第2584728号(10.11.87)(特
許出願Fr−85.10787号に対応)に報告された
方法にしたがって実施する部分的なN,O−硫酸化段階
は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘ
キサメチルホスホルアミド、またはアセトニトリルのよ
うな極性疎水性溶媒、またはこれらの溶媒の混合物中
で、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、また
はピリジンのような有機塩基と三酸化硫黄との複合体を
使用して実施する。またピリジン溶液中でクロルスルホ
ン酸により実施する。三酸化硫黄/ピリジン複合体を好
ましく使用する。また他の硫酸化剤を使用することもで
き、特にE.E.ギルバートが報告した硫酸化剤[E.E.
ギルバート、ケミカル・レビュー(Chemical Review)、
1962年、62巻、549〜589頁]を使用でき
る。N,O−硫酸化反応は、一般に0℃〜100℃、好
ましくは10℃〜50℃で、6〜14時間実施する。製
造操作中、部分的なN,O−硫酸化反応の終わりに、
0.3M〜0.5M塩化ナトリウム溶液が得られるまで塩
化ナトリウムを添加し、ついで好適な量のエタノールの
添加により、この発明の対象であるN,O−硫酸化ヘパ
ロサンの70%〜100%を含有するN,O−硫酸化ヘ
パロサン組成物を沈殿させる。生成した沈殿を0.3M
〜0.5M塩化ナトリウム溶液に取る。ついでこの溶液
を中和する。好適な量のエタノールを添加したのち、生
成した沈殿を単離し、超精製水に溶解し、この媒質に対
して透析し、凍結乾燥する。前項で説明したN,O−硫
酸化段階、およびN,O−硫酸化ヘパロサン組成物の精
製段階は、1回、または1回以上反復できる。ここでも
また、精製方法は例示のために示したのであって、対応
方法を除外するものではない。
【0023】このN,O−硫酸化段階に引き続き、前述
のようなN−硫酸化の技術により、一般に水性溶媒中
で、好ましくは塩基性pHで、例えばトリメチルアミン
のような有機塩基と三酸化硫黄の複合体のような硫酸化
剤によって実施する完全なN−硫酸化段階を行なう。完
全なN−硫酸化段階の終わりに、0.3M〜0.5M塩化
ナトリウム溶液が得られるまで塩化ナトリウムを添加し
たのち、エタノールを添加して、N,O−硫酸化ヘパロ
サン組成物を沈殿させる。ついで生成した沈殿を0.3
M〜0.5M塩化ナトリウム溶液に再溶解し、エタノー
ルで再沈殿し、超精製水に溶解し、この媒質に対して透
析し、凍結乾燥する。既述のように、N,O−硫酸化ヘ
パロサン中のN,O−硫酸化ヘパロサン組成物の濃化を
実施することは有利である。これは分子量を分別する従
来の技術を用いて実施する。この発明の対象であるN,
O−硫酸化ヘパロサン類、およびこの発明の対象である
新規N,O−硫酸化ヘパロサンの少なくとも70%を含
有するN,O−硫酸化ヘパロサン組成物は、最終のN−
硫酸化反応を含む方法、または最初にN−硫酸化し、つ
いで部分的または完全なO−硫酸化を含む方法の何れか
の方法によって都合よく得られる。ここで式(I)で示
される繰返し構造のEは、アセチル基またはサルフェー
ト基を表わす。
【0024】この発明の対象であるN,O−硫酸化ヘパ
ロサンは、0.2μM/mgを超えない遊離アミノ基(NH
2)を含有する。二糖単位のアセチル基は好ましくは6
0%に等しいか、またはそれ以下の水準で存在し、サル
フェート/カルボキシル比として表わされる硫酸化度は
1.5〜3.0である。この発明の好ましい生産物は、
1.0×105〜5.0×105Dの分子量を有する連鎖質
量の少なくとも70%を含有するN,O−硫酸化ヘパロ
サン類、および2.5×104〜2.5×105Dの分子量
を有する連鎖質量の少なくとも70%を含有するN,O
−硫酸化ヘパロサン類である。さらに2.0×104〜1
5Dの分子量を有する連鎖質量の少なくとも70%を
含有するN,O−硫酸化ヘパロサン類を、この発明の好
ましいその他の生産物として挙げ得る。上記のN,O−
硫酸化ヘパロサンの製造方法および精製方法は、N,O
−硫酸化ヘパロサンをナトリウム塩の形で得ることによ
って可能となる。ヘパリンの各種の塩または塩化しない
ヘパリンを製造する方法[レパリン・ファブリカシォン
・ストリュクチュール・プロプリエテ・アナリーゼ、
J.P.デュクロス、1984年、81〜83頁、マソン
編、フランス]を、N,O−硫酸化ヘパロサン類の他の
塩類または塩化しないN,O−硫酸化ヘパロサン類の何
れかに適用することによって、これらの塩類から得るこ
とができる。N,O−硫酸化ヘパロサンの塩類とは、す
べて製薬上許容し得る塩類を意味する。これらの塩類
は、通常の方法、特にヘパリンの塩の製造について報告
された方法(米国特許第4168377号)によって得
られる。
【0025】この発明の対象であるN,O−硫酸化ヘパ
ロサン類は、先行技術の教示に関連して予想外である
が、有用な薬理学的および生化学的性質を有する。特に
特許出願公開EP−A−0333243号に報告された
K5抗原の硫酸化生産物が、抗血管新生活性および抗腫
瘍活性を有し、さらにエンベロープウイルスに対する活
性を有し、これらの活性が、抗凝固作用と比べて好まし
い比を有するのに反し、この発明のN,O−硫酸化ヘパ
ロサン類は血液凝固に対する良好な制御活性を有する。
この活性は、種々の血液凝固パラメーターに対するデル
マタン硫酸の活性よりはるかに強く、むしろヘパリンの
活性に匹敵する。より詳細には、この発明の代表的な生
産物のATIIIまたはHCIIに依存する抗IIa活性を、
ヘパリン補因子II(HCII)についてはD.デュプイら
[トロンボーシス・アンド・ヘモステーシス(Thrombosi
s and Haemostasis)、1988年、60巻(2)、23
6〜239頁]、抗トロンビン(ATIII)については
M.L.ラーセンら[トロンボーシス・リサーチ(Thrombo
sis Research)、1978年、13巻(2)、285〜
288頁]が報告した方法にしたがって測定した。どち
らの場合とも、試験は、精製したHCIIおよびATIII
の存在で、精製したトロンビン(IIa因子)について、
トロンビンのアミド分解活性を色素産生物質で測定する
生産物の試験管内阻害効果を測定することにある。H.
W.スツールザッツらが報告した方法[「ザ・メソドロ
ジー・オブ・コネクティブ・ティシュー・リサーチ」、
1976年、137〜146頁]にしたがって製造した
デルマタン硫酸を標準物質として使用し、その結果を、
検討した生産物1mgに対するデルマタン硫酸(DS)当
量(mg)で表わしたこの活性の測定試験(mgDS当量/
mg)で、この物質は最も強力なHCII依存性の抗IIa活
性を示した。この発明の代表的な生産物の抗Xa活性
[イン・ウエスラー(Yin-Wessler)力価]は、E.T.イ
ンらが報告した方法[ジャーナル・オブ・ラボラトリー
・アンド・クリニカル・メジシン(J. Lab. Cli. Me
d.)、1973年、81巻(2)、298〜310頁]
によって測定し、全般的な抗凝固活性は、R.R.プロク
ターらが報告したAPTT試験法[アメリカン・ジャー
ナル・オブ・クリニカル・パソロジー(Am. J. Clin. Pa
th.)、1961年、36巻、212〜219頁]によっ
て測定した。試験したすべての生産物は、デルマタン硫
酸より著しく強力なHCII依存性の抗IIa活性を示し
た。ATIII依存性の抗IIa活性およびイン・ウエスラ
ー力価は、ヘパリンの活性よりは低かったが、デルマタ
ン硫酸より強力であることが判明した。APTT力価
は、デルマタン硫酸の活性の約2倍〜約15倍高く、ヘ
パリンの活性の40%に達した。即ち、この発明のN,
O−硫酸化ヘパロサン類は、特に優れた作用特異性およ
び抗凝固活性を有する。この発明のN,O−硫酸化ヘパ
ロサン類は極めて低い毒性を示し、その毒性は医薬品と
しての用途に完全に適合し得る。したがってこの発明は
また、この発明の対象であるN,O−硫酸化ヘパロサン
類、またはその塩の1つ、またはこのN,O−硫酸化ヘ
パロサン、またはその塩の1つの少なくとも70%を有
効主成分とし、1またはそれ以上の好適な製薬用担体と
組合せて含有する医薬組成物を提供する。
【0026】これらの医薬組成物は、アテローム性動脈
硬化症および動脈硬化症のような血管壁の障害、および
例えば外科手術後、腫瘍増殖、または酵素、細菌または
ウイルス性の活性化因子によって生じる凝固障害に見ら
れる凝固能亢進状態の予防または治療的処置に特に有用
である。投与量は患者の年齢、体重、健康状態、および
疾患の性質および重篤度、投与経路の関数として幅広く
変わり得る。投与量は1日約1mg〜1g、好ましくは1
日約5mg〜500mg、例えば1日200mgを、静脈内ま
たは皮下投与により、非連続的に、または一定の間隔を
置いて1日1回またはそれ以上の回数で行ない、または
1日当たり200mg〜1000mgを経口的に投与する。
いうまでもなくこれらの投与量は、患者毎に、観察した
結果、およびあらかじめ実施した血液検査によって調節
できる。
【0027】この発明の方法の出発物質の製造の段階
b、c、およびdからそれぞれ得られたN−アセチルヘ
パロサン類[式(II)の化合物]、ヘパロサン類[式
(III)の化合物]、およびN−硫酸化ヘパロサン類
[式(IV)の化合物]、およびこの発明の対象である
N,O−硫酸化ヘパロサン類、およびこれらのすべての
物質の切断生産物は、低分子量、即ち、1.5×104
下、特に1.5×103〜1.5×104Dの分子量のN−
アセチルヘパロサン類、N−硫酸化ヘパロサン類、およ
びN,O−硫酸化ヘパロサン類の解重合による製造に有
用な高分子量中間体である。解重合は、低分子量のヘパ
リンを製造するため文献に報告された方法、例えば過ヨ
ウ素酸塩による解重合、特に特許出願EP−02874
77号に報告された方法、あるいはフリーラジカルによ
る解重合、特に特許EP−0121067号に報告され
た方法によって実施できる。解重合はまた、β−脱離反
応によっても実施でき、より詳細には特許出願EP−0
040144号に報告された方法により実施できる。こ
の場合、所望により式(a)の非還元末端で、O−硫酸
化したα,β−不飽和ウロン酸末端が得られる。また亜
硝酸の反応による解重合、特に特許EP−003731
9号に報告された方法は、優れた解重合の方法として用
い得る。この方法は、第1段階で、還元末端に、式
(b)
【化12】 [式中、Gは、解重合中に使用される物質では、水素原
子、または水素原子およびサルフェート基を表わす(式
(III) および(IV) の化合物ではGは水素原子、式(I)
の物質ではGは水素原子およびサルフェート基であ
る)]で示される2,5−無水マンノース単位を有する
生産物を得、ついで解重合に続いて、これを還元する
と、還元末端に、式(c)
【化13】 [式中、G'は、解重合に続いて硫酸化を行なわない場
合は水素原子、解重合に続いて硫酸化を行なう場合はサ
ルフェート基を表わす]で示される2,5−無水マンニ
ット単位を有する切断生産物を得る。亜硝酸との反応に
よる解重合に続いて、これを酸化すると、還元末端に、
式(d)
【化14】 で示される2,5−無水マンノン酸単位を有する切断生
産物が得られる。解重合は、所望により例えば特許出願
EP−0244235号およびEP−0244236号
に報告されているような酵素法によっても実施できる。
上に挙げた解重合方法は、例示として示したものであっ
て、これに限定されるものではない。グリコサミノグリ
カン類の解重合のための任意の他の方法を用いることが
できる。ついで低分子量連鎖からなるN−アセチルヘパ
ロサン類、ヘパロサン類、N−硫酸化ヘパロサン類、お
よびN,O−硫酸化ヘパロサン類を得るため、解重合生
産物に1またはそれ以上の分別操作を行なうことができ
る。
【0028】この発明のもう1つの対象は、解重合のの
ち、1.5×104D以下の低分子量のN−アセチルヘパ
ロサン類、ヘパロサン類、N−硫酸化ヘパロサン類、お
よびN,O−硫酸化ヘパロサン類を得るために、高分子
量のN−アセチルヘパロサン類[式(II)の化合物]、
ヘパロサン類[式(III)の化合物]、N−硫酸化ヘパ
ロサン類[式(IV)の化合物]、およびこの発明の対象
である高分子量のN,O−硫酸化ヘパロサン類[式
(I)の化合物]を使用することである。この発明のも
う1つの一層特別な対象は、解重合ののち、1.5×1
4D以下、特に1.5×103〜1.5×104Dの低分
子量のN,O−硫酸化ヘパロサン類を製造するために、
N−硫酸化ヘパロサン類[式(IV)の化合物]、および
N,O−硫酸化ヘパロサン類[式(I)の化合物]を使
用することである。切断中に、式(IV)の化合物を出発
物質として使用する場合、式(IV)の生産物の切断によ
って得られた低分子量のN−硫酸化ヘパロサンに部分的
なN,O−硫酸化を行ない、または部分的なN,O−硫
酸化に続いて、完全なN−硫酸化段階を行なう何れかの
方法によって低分子量のN,O−硫酸化ヘパロサン類が
得られる。以下に製造例および実施例を挙げてこの発明
をさらに説明する。
【0029】製造例I 高分子量N−アセチルヘパロサンの製造(方法I) (1)エシェリキア・コリ(K5)細菌株の培養および
N−アセチルヘパロサンを含有する濾液の分離 表Iに示した組成の培地B 400mlをエシェリキア・
コリSEBR3282株[CNCM(パスツール・イン
スチチュート)、パリ、フランスにI−1013の番号
のもとに寄託]とともに培養し、混合物を37℃で2時
間撹拌しながら、インキュベートする。ついで得られた
前培養を表Iに示した組成の培地A 11リットルを含
有する18.5リットルの発酵装置へ移し、空気注入量
を調節し(20リットル/分まで)、撹拌することによ
って酸素分圧を40mm Hgに保ちながら、混合物を37
℃、pH7.2で6時間30分インキュベートする。つ
いでグリセリン(500g/リットル)を含有する滅菌
水を18g/時間の速度で16〜17時間連続的に導入
することにより、グリセリンを添加する。これと同一の
温度、pH、および酸素分圧条件下に、実質上グリセリ
ンが全部消費されるまで培養を続ける。グリセリンの添
加を完了したのち、発酵装置内で20〜30時間後に培
養を停止するまで、培養懸濁培地のDO(λ=600n
m)をモニターする。培養は定常状態ないし僅かに溶菌
を示す。ついで培養ブロスを25℃に冷却し、孔径0.
22μmのメンブランで濾過する。N−アセチルヘパロ
サンを含有する濾液約12リットルを得る。
【0030】
【表1】 表I 培地Aおよび培地Bの組成および調製 [培地A] 下記の組成をこの表に示した順序に超精製水900mlに溶解する。 NTA(ニトリロ三酢酸) 1000mg K2HPO4 790mg グルタミン酸 11000mg MgCl2・6H2O 500mg K2SO4 450mg FeSO4・7H2O 18mg CaCl2・2H2O 2mg NaCl 500mg KCl 5000mg 微量元素溶液(表II参照) 1ml グリセリン 10000mg 密度1.38の濃厚水酸化カリウム溶液でpH7.2に調
節し、超精製水を加えて全量1000mlとする。0.2
μmのメンブランを通して滅菌濾過を実施する。 [グリセリン溶液]グリセリン50gを十分量の超精製
水に溶解し、これと同一の溶媒で全量1000mlに調節
する。0.2μmのメンブランを通して滅菌濾過を実施す
る。発酵中に使用した消泡剤はストラクトール(Strukto
l)(商標)J673[シル・アンド・ザイラッヒャー(Sch
ill and Seilacher)]である。 [培地B]培地Bの調製は、培地Aの調製と同じである
が、消泡剤の添加後、緩衝液3−モルホリノプロパンス
ルホン酸(M.O.P.S.)(pH7.2)を追加的に添加
する。
【0031】
【表2】 表II 培地Aおよび培地Bの調製に使用する微量元素の溶液の調製 下記の組成を超精製水800mlに溶解する(この表に示した順序で) H3BO3 500mg Na2MoO4・2H2O 1930mg CoCl2・6H2O 11850mg CuSO4・5H2O 25mg ZnSO4・7H2O 2000mg AlCl3・6H2O 2410mg 密度1.19の塩酸100mlを添加して、超精製水で全
量を1000mlに調製する。
【0032】(2)主として高分子量のN−アセチルヘ
パロサンの単離および精製 (段階a)エタノール沈殿 95%(v/v)エタノール約48リットルを濾液へ加
え、混合物を4℃で8時間放置して、沈殿、沈降させ
る。上清を吸引、ついで遠心によって除去し、遠心ペレ
ットを超精製水約1リットルに取る。 (段階b)透析 上記の段階で得られた溶液をセルロース素材のメンブラ
ンで作られた孔径24Åの「ノジャックス(Nojax)(商
標)40」バッグに加え、超精製水に対して24時間透
析する(溶液1容量/水6容量、2時間後、8時間後、
16時間後に水を新しく入れ替える)。この操作によっ
て、培地中に存在する塩類、糖、アミノ酸、オリゴヌク
レオチド、およびオリゴペプチドのような小分子を除去
することができる。 (段階c)沈殿、脱水、乾燥 NaCl 0.5Mおよびエタノール4容量を透析溶液1
容量へ加える。室温で5分間放置すると、沈殿が生成す
る。混合物を5000gで20分間遠心する。遠心ペレ
ットをエタノールに取り、得られた懸濁液を撹拌し、室
温で1時間放置する。遠心および懸濁操作を繰返す。混
合物をもう一度5000gで20分間遠心する。得られ
た遠心ペレットをオーブン中で真空下に40℃で24時
間乾燥する。 (段階d)粉砕、粉末化 乾燥した遠心ペレットを乳鉢を使用して無水条件下に粉
砕する。 (段階e)アニオン交換クロマトグラフィー 粉砕した遠心ペレットを、1g当たり、緩衝液(緩衝液
D、20mMトリス−HCl(pH7.5))100mlの量
に取る。得られた溶液を、緩衝液Dであらかじめ平衡化
した第4級アンモニウム基で架橋したアガロース・マト
リックス(「Q−セファロース・ファースト・フロー(Q
-Sepharose Fast flow)」(商標)、ファーマシア社(Ph
armacia)]を含有する強アニオン交換カラム(粉末1g
当たり、ゲル容量50ml)でクロマトグラムに掛ける。
ゲルを、UV検出で214nmの基線となるまで十分量の
緩衝液Dで洗浄し、ついで25mMピペラジン溶液(pH
3.5に調節)で洗浄する。0.5M NaClおよび2
5mMピペラジンの組成を有する溶液(pH3.5)で溶
出を実施する。溶離液を5N NaOH溶液で中和す
る。 (段階f)沈殿、脱水、乾燥、粉砕 塩化ナトリウムを加えずに、前記の段階cおよびdで説
明した操作を繰返す。段階fから得られたN−アセチル
ヘパロサンをバッチAとよぶ。
【0033】(3)各種の精製段階で得られたN−アセ
チルヘパロサンの特性決定 核磁気共鳴(NMR)スペクトル W.F.バンが報告したプロトンおよび13C−NMR[ヨ
ーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー、
1981年、116巻、359〜364頁]により、こ
れらのN−アセチルヘパロサンを比較した。バッチAの
N−アセチルヘパロサンで得られたスペクトルの検討か
ら、これがW.F.バンの報告した生産物と同一物である
ことを確かめた。この生産物はβ−D−グルクロニル−
1,4−α−N−アセチル−D−グルコサミニル−
(1,4)の繰返し構造からなるポリマー鎖である。 立体排除クロマトグラフィーによる分子量分布の測定 (第1法)下記の条件下に行なった排除HPLCによ
り、分子量分布を測定する。直径10μm、孔径250
Åを有するシリカビーズからなるカラム。 溶離液:0.5M硫酸ナトリウム水溶液。 移動率:1ml/分。 UV検出(λ)=205nm。 検量はヘパリンから誘導したオリゴ糖で実施する。これ
らは下記の分子量を有する:1324、1883、24
36、3411、3996、4535、4995、53
65、6150、6671、7542、8655、10
088、11561、12950、14809、173
87、22674D。 この検量範囲から考え、930D〜57000Dの分子
量だけが正確に測定される。検出した光学密度は、N−
アセチルヘパロサンの量に比例すると推定される。方法
の精度は、高分子量に関する有意性を、特に5×104
D以上のもので低下させる。バッチAの排除クロマトグ
ラフィーの溶出パターンから、分布は多分散性であり、
約2×105Dで主ピークを含んでいると結論付けるこ
とができる。バッチAの少なくとも70重量%に等しい
画分は、1.0×105〜3.0×105Dの質量を有す
る。
【0034】(第2法)結果を光散乱測定器を使用する
排除HPLCによって確かめた。 カラム:1基のプレカラムと3基の連続カラムからなる
系。 −PL−アクアジェル(PL-Aquagel)−OH(商標)(プ
レカラム) −PL−アクアジェル−OH40(商標) −PL−アクアジェル−OH50(商標) −PL−アクアジェル−OH60(商標) 溶離液:400ppm NaN3水溶液 移動率:1ml/分 室温 検出:示差屈折計/光散乱組合せ方式。質量検出計(光
散乱)の反応は、式C×(dn/dc)2×Mw C =濃度 dn/dc=屈折率増加 Mw =分子量 に比例する。dn/dc比の計算は2つの標準試料(デ
キストラン:Mw=70000Dおよび150000
D)を考慮することにより、示差屈折計の反応から算出
する。この方法によってバッチAの少なくとも70重量
%に等しい画分は、1.0×105〜3.0×105Dの質
量を有し、バッチAの排除クロマトグラフィー後、得ら
れた溶出パターンから、約210000Dで主ピークを
含んでいることが確かめられた。
【0035】ポリアクリルアミドゲルの電気泳動による
分子量分布の監視 分析すべきこれらの試料およびブロモフェノールブルー
を含む泳動終了マーカーを、アクリルアミドおよびN,
N'−メチレン−ビス−アクリルアミドの29/1混合
物を重合化して得た15%ポリアクリルアミドゲルのト
リス−ホウ酸塩緩衝液溶液の電気泳動に供した。泳動は
40mAで約4時間、18cmのゲル上で、泳動終了マー
カーが現れるまで行う。次いでゲルを、S.ペルコネン
ら、(ジャーナル・オブ・バクテリオロジー170巻6
号2646頁(1983年))の技術に準じて、アルシア
ン・ブルーで、次に銀で呈色するが、これは酸性多糖類
に特異的である。この電気泳動による分析は、段階aか
ら得られた部分的に精製した産生物で、および最終段階
から結果的に生じた精製産生物で、精製過程中のN−ア
セチルヘパロサンの分子量分布に有意な差がないことを
確認する目的で行った。段階aで得られた部分精製産生
物の、および最終段階で精製した産生物のプロフィール
を観察すると、有意な差(同じ泳動距離で比較的強いバ
ンドの存在)は示されない。従って、精製中のN−アセ
チルヘパロサンの分子量分布に有意な変化はない。
【0036】ウロン酸の定量 最終段階から得た精製産生物の単位容量あたりのウロン
酸量を、T.ビター(アナリティカル・バイオケミスト
リー、4巻330−334頁(1962年))により報告
された方法に準じて、比色分析により決定した。この定
量方法は、グリコサミノグリカン類の熱酸性溶媒中カル
バゾールとの反応に基づいており、これにより放出した
ウロン酸量に比例してピンク色に呈色される。本明細書
の場合、酸はグルクロン酸である。バッチAは、最終段
階から得られた部分精製産生物のウロン酸水準は2.2
マイクロモル/mgである。
【0037】紫外および可視部の分光光度測定法 精製した産生物(バッチA)を超純水に溶解し、得られた
溶液(C=1mg/ml)を光学距離1cmの容器に入れる。吸
収スペクトルを200−600nmの間で記録する。得ら
れたスペクトルにより、とりわけ256nmでの吸収に基
づいて、バッチAは1%未満のADNを含有することが
確認できる。
【0038】全タンパクの定量 商標バイオラッドにより市販されているタンパク検定キ
ットを用いて、全タンパクを定量する。定量方法は、コ
ーマシー・ブリリアント・ブルーg−250の酸性溶液
の最大吸収の波長は、タンパクがこれに結合しにくる
と、465nmから595nmに移動するという事実に基づ
いている(レイスナーら、アナリティカル・バイオケミ
ストリー64巻509頁(1975年))。バッチAの全
タンパクの水準は、1.5%未満である。
【0039】遊離アミノ基(NH2)の定量 この定量は、ゼンサク・ヨシザワらにより、バイオケミ
カ・エト・バイオフィジカ・アクタ141巻358−3
65頁(1967年)に報告された方法に準じて行った。
NH2水準のパラメーター(マイクロモル/mgで表現)
は、脱アセチル化β−グルクロニル−1,4−α−N−
アセチル−D−グルコサミニル(1,4)単位、および遊
離アミノ基を含有する。存在し得る不純物の量の指示体
である。バッチAのNH2水準は、0.1マイクロモル/
mgである。
【0040】製造II 十分に高分子量のN−アセチルヘパロサンの製造 (方法II) 1) 細菌株エシェリキア・コリ(K5)の培養およびN
−アセチルヘパロサン含有濾過物の分離 株エシェリキア・コリSEBR3282の培養およびN
−アセチルヘパロサン含有濾過物の分離を、製造Iに記
載した方法に準じて行った。 2) 十分に高分子量のN−アセチルヘパロサンの単離
および精製 段階a−透析 ろ過物375mlを製造I[2)十分に高分子量のN−アセ
チルヘパロサンの単離および精製、段階b]で記載した方
法に従って透析に供する。透析後、精製溶液約1020
mlを得る。 段階b−酸性溶媒での精製 pH3.5にするために、十分量の5N HClの溶液を
透析溶液に加える。形成した沈殿を遠心により除去し、
次に溶液を同じ酸(5N HCl)で酸性にし、pH1,8
にする。沈殿を形成でき、これを遠心により除去する。
次に溶液を5N NaOHを用いて中性にする。 段階c−沈殿、脱水および乾燥 十分量の塩化ナトリウムを中性溶液に加えて0.5M
NaCl溶液を得、次にエタノール4容量を加える。室温
で5分間沈殿を形成させる。混合物を5000gで20
分間遠心する。遠心小塊をエタノール中にとり、得られ
た懸濁液を攪拌し、室温で1時間放置する。遠心および
懸濁の操作を繰り返す。混合物を再び5000gで20
分間遠心する。得られた遠心小塊をオーブン中で減圧
下、40℃で24時間乾燥する。
【0041】段階d−アルカリ性加水分解および透析 乾燥後、上記段階で得た産生物を、0.25N NaOH
溶液中2.5%(重量/容量)で溶解する。このようにし
て得られた溶液を2時間50℃で維持する。次に溶液を
5N HCl溶液で中性にし、次いで多糖類を含有する
溶液を、製造I[2)十分に高分子のN−アセチルヘパロ
サンの単離および精製、段階b]に記載した方法に準じて
透析に供する。透析後、約990mlの溶液を得る。 段階e−陰イオン交換クロマトグラフィー 十分量のピペラジン、EDTAおよびトライトンX−1
00(商標プロラボ)を透析した溶液に加え、各々ピペラ
ジンに関して25mM、EDTAに関して2mMおよびト
ライトンX−100に関して0.2%(容量/容量)の濃
度を得る。次に5N HCl溶液でpHを3.5に調整す
る。この溶液を、25mMのピペラジン、2mMのEDT
Aおよび0.2mMのトライトンX−100を含有するピ
ペラジン緩衝液(pH=3.5)で平衡にした。400mlQ
−セファロース・ファスト・フロー・カラムに載せる。
カラムをピペラジン緩衝液で洗浄し、0.5M NaCl
溶液で溶出し、次に産生物をエタノール4容量で沈殿さ
せる。産生物を減圧下40℃で乾燥する。このようにし
てN−アセチルヘパロサン約9.85gを得る。 段階f−立体排除クロマトグラフィー 上記段階で得た産生物4gを組成:20mMトリス−塩
酸、pH7.5および1MNaClである緩衝溶液60mlに
溶解し、次に予め同じ緩衝液で平衡にした商標オクチル
・セファロースカラムを通す。保持されなかった分画に
エタノール4容量を加える。形成された沈殿を洗浄し、
減圧下40℃で乾燥する。このようにしてN−アセチル
ヘパロサン(バッチB)3.90gを得る。
【0042】3) 種々精製段階から得られたN−アセ
チルヘパロサンの特性化 核磁気共鳴(NMR)スペクトル W.F.バーン(ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バ
イオケミストリー116巻359−364頁(1981
年))により報告されるように、このN−アセチルヘパロ
サンで得たプロトンおよび13C炭素NMRスペクトルの
研究により、産生物をN−アセチルヘパロサンであると
化学的に同定するのを確認する。 立体排除クロマトグラフィーによる分子量分布の決定 製造Iで記載したN−アセチルヘパロサンの分子量分布
の決定に用いた方法に準じて、立体排除クロマトグラフ
ィーにより分子量分布を決定する。製造IIより結果的
に得られたバッチBを構成する鎖の少なくとも60重量
パーセントに等しい分画の分子量は5.0×104〜2.
5×105ダルトンの間である。 ウロン酸の定量 段階eから得られたN−アセチルヘパロサンのウロン酸
水準は2.2マイクロモル/mgである。 紫外および可視部の分光光度測定法 得られたスペクトルより、得られたN−アセチルヘパロ
サンは1%未満のDNAを含有することが確認できるよ
うになる。 全タンパクの定量 バッチBの全タンパクは1%未満である。 遊離アミノ基(NH2)の定量 NH2水準は0.1マイクロモル/mg未満である。
【0043】製造II 十分に高分子量のN−アセチルヘパロサンの製造(方法
III) 1) 細菌株エシェリキア・コリの培養(K5) 製造Iに記載された方法に準じて、株エシェリキア・コ
リSEBR3282を培養する。N−アセチルヘパロサ
ン含有培養物約12lを得る。 2) 予備的な精製 段階a−遠心 培養の終わりに、得られた懸濁液を8000回転/分
(または11000〜14000g)で20分間遠心す
る。 段階b−アルカリ性溶液に接触させる 遠心後、小塊を除去し、上清を0.1N NaOH溶液に
約1時間接触させる。 段階c−予備的な濾過 上記段階で得た溶液を、商標ポリプロピレン3Mシリー
ズ300フィルターを通す予備濾過に供する。 段階d−閾しゃ断値を予め決定した膜を通す濃縮 段階cで得た濾過物を、閾しゃ断値30000ダルトン
の商標アミコン中空ファイバーまたはそれと同等の物を
含有するカートリッジを通して濃縮する。高分子量N−
アセチルヘパロサンの濃縮した溶液はこのようにして得
る。 段階e−透析 高分子量N−アセチルヘパロサンの濃縮した溶液を、ま
た商標アミコン系で、非常に高い希釈係数(>1000
0)で超純水に対して透析する。 3) 十分に高分子量N−アセチルヘパロサンの単離お
よび精製 製造I[2)十分に高分子量のN−アセチルヘパロサンの
単離および精製、段階c−段階f]で示されるのと同様に
単離および精製を行い、バッチAのものと類似の、また
は製造II[2)十分に高分子量のN−アセチルヘパロサ
ンの単離および精製、段階a−段階f]に示されるような
特性を有するN−アセチルヘパロサン(バッチC)を得
る。
【0044】製造IV 十分に高分子量のN−アセチルヘパロサンの製造(方法
IV) 1) 細菌株エシェリキア・コリ(K5)の培養 株エシェリキア・コリSEBR3282を、培養培地と
して培地Aの代わりに培地C、および培地Bの変わりに
培地Dを用い、製造Iに記載した方法に準じて培養し
た。培地Cおよび培地Dの組成は表III(次頁参照)に
具体的に示す。このようにして、N−アセチルヘパロサ
ン含有濾過物約12lを得る。 2) 十分に高分子量のN−アセチルヘパロサンの単離
および精製 単離および精製は、製造I[2)十分に高分子量のN−ア
セチルヘパロサンの単離および精製、段階a、段階f]に
記載した方法と同様に行う。このようにしてバッチDを
得る。 3) 得られたN−アセチルヘパロサンの特性化 排除クロマトグラフィーによる分子量分布の決定 製造I[3)種々精製段階から得たN−アセチルヘパロサ
ンの特性化:立体排除クロマトグラフィーによる分子量
分布の決定−第1および第2の方法]に記載した方法と
同等の方法を用いる。バッチDの立体排除クロマトグラ
フィーの溶出プロフィールの研究により、分子量分布は
多分散であり、約110000ダルトンに主要なピーク
があると結論づけることができる。バッチDの少なくと
も75重量パーセントと同等の分画の分子量は1.0×
104〜2.5×105ダルトンである。 ウロン酸の定量 ウロン酸水準は2.0マイクロモル/mgである。 遊離アミノ基(NH2)の定量 バッチのNH2水準は、0.1マイクロモル/mg未満であ
る。
【0045】
【表3】 表III 培地Cおよび培地Dの組成および調整 培地C 培地Cは以下の3つの無菌溶液を配合して調整する: 溶液番号1 この順序で超純水700mlに溶解する: 錯化剤:N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−グリシン(商標フルカにより 市販されているトリシン) 360mg FeSO4・7H2O 280mg CaCl2・2H2O 6.7mg MgCl2・6H2O 1270mg K2SO4 500mg KCl 5000mg カゼイン加水分解物(アミノ酸の主要な源泉) HYカーゼSF(商標シェフィールドにより市販) 25000mg 酵母菌抽出物(商標ディフコにより市販) 18000mg 微少要素の溶液(表II、製造I参照) 1ml 泡止め剤ストラクトールJ673(商標シル・アンド・
セイラハーにより市販):パスツールピペットから数滴。 KOH溶液(d=1.38)でpHを7.4に調整し、超純水
で850mlにする。培地は120℃で45分間オートク
レーブに入れる。 溶液番号2 K2HPO45gを超純水約40mlに溶解し、次に同じ溶
媒で50mlに調整する。得られた溶液を0.2μmの有孔
性のフィルターを通して濾過する。 溶液番号3 グリセロール20.7gを十分量の超純水に溶解し、容量
を同じ溶媒で100mlに調整する。110℃で30分
間、オートクレーブに入れる。 培地D 緩衝液20g(pH=7.2):泡止め剤添加後3−モルホォ
リノプロパンスルホン酸を加えるのが望ましいという違
いは別にして、培地Dは培地Cと同等に調整する。
【0046】製造V ヘパロサン(40%N−脱アセチル化誘導体)の製造 製造IVで記載したN−アセチルヘパロサン(バッチD)
3.7gを1N NaOH74mlに溶解する。溶液を50
℃にし、この温度で8時間、窒素下で攪拌しながら反応
させる。次に2N HCl溶液でpH約8に調整し、得ら
れた溶液を超純水で透析し、凍結乾燥する。凍結乾燥
後、2.91gの産生物(バッチE)を得る。 N−脱アセチル化の程度 凍結乾燥後に得た産生物の遊離アミノ基(NH2)を定量
すると、N−アセチルヘパロサンの40%がN−脱アセ
チル化されたことが示される。
【0047】製造VI N−硫酸化ヘパロサン(80%N−脱アセチル化誘導体)
の製造 製造IIに記載した方法に準じて製造したN−アセチル
ヘパロサンをバッチFと称し、これを出発物質として種
々の化学的修飾のために使用する。この産生物のウロン
酸水準は2.41マイクロモル/mgである。 段階a−部分的N−脱アセチル化 バッチF1.9gを2N NaOH38.5mlに溶解する。
溶液を50℃にし、この温度で8時間、窒素下で反応さ
せる。次に2N HClを添加してpH8.25に調整す
る。溶液を超純水で透析し、次いで凍結乾燥する。この
ようにして産生物1.6gを得る。 N−脱アセチル化の程度 遊離アミノ基(NH2)の定量により、N−アセチルヘパ
ロサンの80%がN−脱アセチル化されたことが示され
る。 段階b−N−硫酸化 上記段階で得た産生物1.33gを超純水57mlに溶解
し、Na2CO31.9gおよび三酸化イオウ/トリメチル
アミン複合体1.9gを混合物に加え、2時間55℃にす
る。次に、脱ミネラル水を添加して、溶液の伝導度を
0.5M NaClの伝導度に調整し、4容量のエタノー
ルで固体を沈澱させる。この固体を遠心し、小塊を0.
5M NaCl溶液にとり、4容量のエタノールで固体を
沈澱させ、遠心する。小塊を超純水に溶解し、溶液を製
造Iに記載された方法に準じて透析し、次いで凍結乾燥
する。このようにしてN−硫酸化ヘパロサン(バッチ
1)1.809gを得る。
【0048】製造VII 亜硝酸での脱重合化による低分子量N−硫酸化ヘパロサ
ン(80%N−脱アセチル化誘導体)の製造:(最終亜硝酸
濃度:0.04M) 段階a−亜硝酸ナトリウムでの開裂 製造VIで得られた産生物1gを超純水8mlに溶解す
る。溶液のpHを2N HClで2.5に調整する。10
0mg/ml亜硝酸ナトリウム水溶液0.276mlを、室温
で窒素流下、激しく攪拌した溶液に加える(最終亜硝酸
塩モル濃度:0.04M)。pHを2N HClで即座に再
調整し、溶液の全容量10mlにする。窒素流下で2時
間、攪拌を続ける。 段階b−形成した2,5−アンヒドロマンノース基の還元 溶液のpHを2N 水酸化ナトリウム溶液で7.0に調整
し、次に水素化ホウ素ナトリウム0.2gを加え、混合物
を空気にさらしながら室温で15時間攪拌する。過剰の
水素化ホウ素を10%酢酸でpH3.5に酸性化すること
により加水分解する。反応溶液を15分間攪拌し、次に
pHを2N 水酸化ナトリウム溶液で7.0に調整する。
反応産生物を4容量のエタノールで沈澱し、遠心し、純
粋なエタノールで洗浄し、減圧下60℃で乾燥する。こ
のようにして低分子量脱重合比N−硫酸化ヘパロサン
(80%N−脱アセチル化誘導体)980mgを得、これは
還元末端が2,5−アンヒドロマンニトール基である(バ
ッチG)。
【0049】立体排除高速液体クロマトグラフィー(H
PLC)による分子量分布の決定 以下の条件下で、立体排除HPLCにより、分子量分布
を決定する: TSK2000(トーヨー・ソーダ)カラム 移動相:0.5M硫酸ナトリウム水溶液 流速:1ml/分 λ=205nmの紫外線検出器 計測は、製造I[3)種々精製段階から得たN−アセチル
ヘパロサンの特性化:立体排除クロマトグラフィーによ
る分子量分布の決定−第1の方法]に記載したのと同様
に、ヘパリンから誘導した一連のオリゴ糖類を用いて行
う。溶出プロフィールから導かれた結果のいくつかは、
以下の表IVに照合する。MW1は、MW1よりも高分子
量であるのが、産生物の1重量パーセント分画であるよ
うな分子量を表す。MW2派、MW2よりも高分子量であ
るのが、産生物の10重量パーセント分画であるような
分子量を表す。MW4は、NW4よりも低分子量であるの
が、産生物の10重量パーセント分画であるような分子
量を表す。MW5は、MW5よりも低分子量であるのが、
産生物の1重量パーセント分画であるような分子量を表
す。MW3は、最大吸収に相当する分子量を表す。
【表4】 表IV 製造VIIで得た産生物の分子量分布(バッチG) MW1 MW2 MW3 MW4 MW5 16,939 8843 3716 1757 925
【0050】製造VIII 亜硝酸での脱重合による低分子量N−硫酸化ヘパロサン
(80%N−脱アセチル化誘導体)の製造:(最終亜硝酸塩
濃度:0.03M) 製造VIIに記載のとおり、100mg/ml亜硝酸ナトリ
ウム0.276mlの代わりに0.208mlを添加すること
により、製造する。このようにして産生物990mg(バ
ッチH)を得る。分子量分布を、製造VIIに記載する
とおり、立体排除HPLCにより決定する。溶出プロフ
ィールから導かれる結果のいくつかを、表Vに照合させ
る。MW1、MW2、MW3、MW4およびMW5は表IV
に示す意味である。
【表5】 表V 製造VIIIで得た産生物の分子量分布(バッチH) MW1 MW2 MW3 MW4 MW5 19,856 12,146 5377 2460 1536 N,O−硫酸化ヘパロサン
【0051】実施例1 N,O−硫酸化ヘパロサン:硫酸化の過程が2.6である
80%N−脱アセチル化誘導体 段階a−テトラブチルアンモニウム塩の形成 製造VIに準じて得られたN−硫酸化ヘパロサン800
mg(出発物質として用いるN−アセチルヘパロサンは製
造IVに準じて製造される)を水100mlに溶解する。
この溶液を、ジビニルベンゼンで交叉架橋したポリスチ
レン(商標ダウケミカル、ドウェックス50W8 20
−50メッシュ)を基礎とし、予め酸性溶媒で条件付け
したイオン交換カラムに載せ、産生物を再び酸性の形態
にする。溶出液のpHを水酸化テトラブチルアンモニウ
ム溶液(40%重量/容量)で7にする。溶出液が完全に
中性になったとき(pH=7)溶液の添加をやめる。溶液
を凍結乾燥する。凍結乾燥後、約1.3gの塩を得る。 段階b−O−硫酸化 上記段階で得た塩をホルムアミド80mlに溶解し、三酸
化イオウ/ピリジン複合体(参照番号S755−6で商
標アルドリッヒより市販)5.6gを加える。混合物を3
0℃で6時間反応させ、次に2M NaCl 16mlを加
える。5N NaOH溶液でpHを7にし、エタノール2
容量で沈澱させる。沈澱を0.5M NaCl溶液にと
り、エタノール2容量で再沈澱させ、超純水で透析し、
ロータバポールで濃縮する。
【0052】段階c−ゲル濾過 段階bで得た濃縮溶液を、セファクリルS300HRカ
ラムを用い、溶出液に0.5M NaCl溶液を用いてゲ
ル濾過して分画化する。平均分子量が100000−2
00000ダルトンの鎖から成るN,O−硫酸化ヘパロ
サンを含有する分画、および平均分子量約50000ダ
ルトンおよび約12000ダルトンの鎖から成るN,O
−硫酸化ヘパロサンを含有する分画を集める。エタノー
ル5容量とこれら3つの分画の各々に加え、超純水での
透析に供し、透析後に得られた溶液を凍結乾燥に供す
る。N,O−硫酸化ヘパロサンの3バッチは以下のよう
にして得られる: −バッチ1Aは、平均分子量150000〜20000
0ダルトンの鎖から成るN,O−硫酸化ヘパロサンであ
る。このN,O−硫酸化ヘパロサンは、少なくとも70
%量が1.0×105〜5.0×105ダルトンの分子量の
鎖から成る。このN,O−硫酸化ヘパロサン0.140g
を単離する。 −バッチ1Bは、平均分子量が約50000ダルトンの
鎖から成るN,O−硫酸化ヘパロサンである。このN,O
−硫酸化ヘパロサンは、少なくとも70%量が分子量
2.0×104〜1.0×105ダルトンの鎖から成る。こ
のN,O−硫酸化ヘパロサンの0.350gを単離する。 −バッチ1Cは、平均分子量が12000ダルトンの鎖
から成るN,O−硫酸化ヘパロサンである。この最後の
産生物を約0.100gを単離する。この実施例に記載し
たN,O−硫酸化ヘパロサンの3つのバッチの特性は表
VIに照合する。
【表6】 表VI バッチ1A、1Bおよび1Cに対応するN,O−硫酸化 ヘパロサンの特性 ウロン酸水準 NH2水準 脱アセチル化 硫酸化の程度 (マイクロ (マイクロ の程度 (サルフェート/ モル/mg) モル/mg) カルボキシル比) バッチ1A 1.48 <0.01 80% 2.6 バッチ1B 1.45 <0.01 80% 2.6 バッチ1C 1.45 <0.01 80% 2.6 硫酸化の程度は、サルフェート/カルボキシル化とも称
し、二糖類構造中に含まれるカルボキシル基あたりの、
この同一構造中に含まれるサルフェート基の数の平均で
ある;これはB.カシューらによりカルボハイドレート
・リサーチ39巻168−176頁(1975年)に報告
された、サルフェート基およびカルボキシル基の定量用
の伝導度測定法により測定する
【0053】実施例2 N,O−硫酸化ヘパロサン:硫酸化の程度が2.1である
40%N−脱アセチル化誘導体 段階a−テトラブチルアンモニア塩の形成 製造Vに準じて製造したヘパロサン(バッチE)を出発物
質として用い、実施例1、段階aに記載した方法に準じ
て塩を製造する。ヘパロサンの製造のために出発物質と
して用いたN−アセチルヘパロサンは、製造Iの方法に
準じて製造した。 段階b−部分的N,O−硫酸化:上記段階で得た塩421m
gをジメチルホルムアミド35mlに溶解し、三酸化イオ
ウ/ピリジン複合体3.71gを加える。混合物を室温で
6時間攪拌しながら反応させる。塩化ナトリウムを1容
量の反応混合物に、溶液の塩化ナトリウム濃度が0.3
3Mになるまで加え、次にエタノール2容量を加える。
沈澱を形成させる。混合物を遠心し、上清を捨てる。遠
心小塊を中性にした0.5M NaCl溶液中にとる。次
にエタノール2容量を加える。沈澱を形成させ、混合物
を遠心し、遠心小塊を超純水中にとる。溶液を超純水で
透析し、凍結乾燥する。得られた凍結乾燥は、以下の特
性を有する: *遊離NH2水準:0.10マイクロモル/mg *硫酸化の過程:二糖単位あたり1.9
【0054】段階c−完全なN−硫酸化 N,O−硫酸化産生物を重量で1パート、炭酸水素ナト
リウムを重量で1パートおよび三酸化イオウ/トリメチ
ルアミン複合体を重量で1パートを、用いるN,O−硫
酸化産生物グラムあたり20mlの容量の超純水中で混合
し、混合物を55℃で20時間攪拌しながら反応させ
る。次に反応混合物を希釈し(希釈係数10)、次いで得
られた溶液の伝導度を、0.5Mの塩化ナトリウム溶液
の伝導度に調整する。次に2容量のエタノールを加えて
沈澱させ、次いで遠心し、その後遠心小塊を0.5M
NaCl溶液中にとり、次いで2容量のエタノールの添加
して2回めの沈澱を行う。超純水にとった後、超純水で
透析し、産生物凍結乾燥し、減圧下40℃で乾燥する。
得られた凍結乾燥物(バッチ2)には以下の特性がある: *遊離NH2水準:0.02マイクロモル/mg *硫酸化の程度:二糖単位あたり2.1 残留NH2水準(0.02マイクロモル/mg)は低く、部分
的N,O−硫酸化段階で得られたN,O−硫酸化ヘパロサ
ンのNH2水準よりも低いことが観察される。このこと
は、N−硫酸化反応特性が完結したことを示す。バッチ
2は少なくとも70%量が分子量が2.0×104ダルト
ン〜2.5×105ダルトンである鎖を含有する。
【0055】実施例3 N,O−硫酸化ヘパロサン:硫酸化の程度が2.6である
80%脱アセチル化誘導体 製造VI(段階aおよびbに記載した方法に準じて製造し
たN−硫酸化ヘパロサン3.35gを出発物質として使用
する。この化合物は、製造IIIで記載した方法に準じ
て製造したN−アセチルヘパロサン4gから得られた。
出発物質として用いた70%のN−硫酸化ヘパロサン
は、分子量20000〜150000ダルトンの鎖から
成り、以下の特性がある: *ウロン酸水準:1.5マイクロモル/mg *遊離NH2水準:0.10マイクロモル/mg *脱アセチル化の程度:80% 段階a−テトラブチルアンモニウム塩の形成 N−硫酸化ヘパロサンを超純水400mlに溶解し、塩を
実施例1(段階a)に記載のとおり製造する。凍結乾燥
後、6.66gの塩を得る。 段階b−O−硫酸化 上記段階で得た塩297mgをホルムアミド20mlに溶解
し、三酸化イオウ/ピリジン複合体1gを加え、次に実
施例1(段階b)記載のとおり製造する。このようにして
N,O−硫酸化ヘパロサン260mgを得る。このN,O−
硫酸化ヘパロサン(バッチ3)の特性を表VIIに示す。
【表7】 表VII バッチ3に相当する産生物の特性 ウロン酸水準 NH2水準 脱アセチル化 硫酸化の程度 (マイクロ (マイクロ の程度 (サルフェート/ モル/mg) モル/mg) カルボキシル比) バッチ3 1.50 <0.02 80% 2.60 バッチ3のN,O−硫酸化ヘパロサンを構成する鎖の分
子量分布を、製造I(第1の方法)に記載した技術に準じ
て、立体排除クロマトグラフィーにより決定する。最大
吸収に相当する分子量は、80000−150000ダ
ルトンと概算される。バッチ3は少なくとも70%量が
分子量2.5×104ダルトン〜2.5×105ダルトンの
鎖を含有し、少なくとも60%量が分子量4.5×104
〜2.5×105ダルトンの鎖を含有する。
【0056】低分子量N,O−硫酸化ヘパロサンの製造
のための高分子量N−硫酸化ヘパロサンおよびN,O−
硫酸化ヘパロサンの使用 実施例4 高分子量N,O−硫酸化ヘパロサンからの低分子量N,O
−硫酸化ヘパロサンの製造:硫酸化の程度が2.5である
80%脱アセチル化誘導体 段階a−テトラブチルアンモニウム塩の形成 実施例1、段階aに記載するとおりに、製造VIに準じ
て得たN−硫酸化ヘパロサン5gおよび十分量の溶媒お
よび反応物を用いて製造する。凍結乾燥後、約9.3gの
塩を得る。 段階b−O−硫酸化 前に得られたテトラブチルアンモニウム塩8.10gを無
水ホルムアミド450mlに溶解する。溶液を4Å分子ふ
るいを有する290mlカラムを通す。次に三酸化イオウ
/ピリジン複合体27gをそこに加え、混合物を30℃
で6時間恒温培養する。次に2M NaCl溶液の十分量
を加え、反応混合物の最終塩化ナトリウム濃度が0.5
Mになるようにする。次に混合物を1N NaOHで中
性にし、2容量のエタノールで沈澱させる。沈澱物を
0.5M NaCl溶液でとり、2容量のエタノールで沈
澱させる。遠心後、小塊を最低容量の水でとり、15時
間透析する。透析後に得られた溶液を次に凍結乾燥に供
する。このようにして、産生物5.8gを得る。 段階c−亜硝酸による脱重合(最終亜硝酸濃度:0.035
M) 段階bで得た産生物2gを22℃で超純水17mlに溶解す
る。溶液を1時間減圧に置き、脱ガスする。次に窒素流
下激しく攪拌し、5N HClでpHを2.5まで下げ、
100mg/mg亜硝酸ナトリウム0.484mlを加える。p
Hを即座に2.5に再調整し、容量を超純水で90mlに
する(反応溶液中の最終亜硝酸濃度を0.035Mと同等
にする)。窒素流下室温で3時間攪拌する。次にpHを5
N 水酸化ナトリウム溶液を用いて7.0にし、水素化
ホウ素ナトリウム0.4gを加える。溶液を空気にさらし
ながら15時間攪拌する。過剰の水素化ホウ素ナトリウ
ムを30%酢酸でpH3.5まで酸性にすることにより分
解する。次に反応溶液を空気にさらしながら15分間激
しく攪拌し、5N水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを
7に調整する。断片化したヘパロサンを4容量のエタノ
ールで沈澱し、遠心し、焼結しブュッハナーロート上で
エタノール洗浄し、減圧下60℃で乾燥して回収する。
このようにして8.7gの産生物を得る。
【0057】段階d−ゲル濾過 段階cで得た産生物1.6gを0.5M NaCl 15mlに
溶解し、予め0.5MNaClで平衡にした5cm×100c
mセファクリルS200HR(ファルマシア)カラムでゲ
ル濾過する(流速8ml/分)。溶出液を30個の40ml分
画に収集する。各分画のN,O−硫酸化ヘパロサン開裂
産生物の分子量を、製造VIIに記載した方法に準じて
TSK2000カラムの立体排除HPLCにより評価す
る。平均分子量が約5500〜8000ダルトンである
分画を組み合わせる。これらの分画に含有される産生物
は、エタノール4容量で沈澱させ、遠心し、透析し、凍
結乾燥して回収する。低分子量N,O−硫酸化ヘパロサ
ン(バッチ4)の特性を表VIIIに示す。
【表8】 表VIII バッチ4に相当する産生物の特性 ウロン酸水準 NH2水準 脱アセチル化 硫酸化の程度 (マイクロ (マイクロ の程度 (サルフェート/ モル/mg) モル/mg) カルボキシル比) バッチ4 1.40 <0.02 80% 2.50 低分子量N,O−硫酸化ヘパロサン(バッチ4)を構成す
る鎖の分子量分布を表IXに示す。これは、製造VII
に記載したように立体排除HPLCにより評価した。M
1、MW2、MW3、MW4およびMW5は、表IVで示
した意味である。
【表9】 表IX バッチ4に相当する産生物の分子量分布 MW1 MW2 MW3 MW4 MW5 14,887 9445 6912 5067 2754
【0058】実施例5 高分子量N,O−硫酸化ヘパロサンからの低分子量N,O
−硫酸化ヘパロサンの製造:硫酸化の程度が2.9である
80%脱アセチル化誘導体 段階a−80%N−脱アセチル化誘導体であるN−硫酸
化ヘパロサンの亜硝酸での脱重合化(最終亜硝酸塩濃度
0.035M) 製造VIと同一のN−硫酸化ヘパロサン9gを22℃で
超純水85mlに溶解する。溶液を減圧下に1時間置いて
脱ガス化する。次にこれを窒素流下激しく攪拌し、pH
を5N HClを用いて2.5まで下げ、100mg/ml亜
硝酸ナトリウム2.17mlを加える。pHを即座に2.5
に再調整し、容量を超純水で90mlにする(反応混合物
中の亜硝酸ナトリウムの最終濃度は0.035Mに等し
い。)窒素流下室温で3時間、攪拌し続ける。次にpH
を、5N NaOHを用いて7.0にし、水素化ホウ素ナ
トリウム1.8gを加える。溶液を空気にさらしながら1
5時間攪拌する。次に過剰の水素化ホウ素を、30%酢
酸でpH3.5まで酸性にすることにより、分解する。次
に反応溶液を空気にさらしながら15分間激しく攪拌す
る。5N NaOHを添加してpHを7.0に調整する。
断片化したN−硫酸ヘパロサンを4容量エタノールで沈
澱し、遠心し、焼結ビュフナーロート上でエタノール洗
浄し、減圧下60℃で乾燥して回収する。最終的に8.
7gの産生物が得られる。得られた低分子量(バッチ5
A)N−硫酸化ヘパロサン(80%N−脱アセチル化誘導
体)を構成する鎖の分子量分布を、製造VIIに記載す
るように、立体排除HPLCにより評価した。クロマト
グラフィーのプロフィールより導かれる結果を表Xに示
す。MW1、MW2、MW3、MW4およびMW5は表IV
で示した意味である。
【表10】 表X バッチ5Aに相当する産生物の分子量分布 MW1 MW2 MW3 MW4 MW5 14,282 8999 3805 2177 1536 バッチ5AのN−硫酸化ヘパロサンを構成する全ての鎖
は、還元末端で式(C)(式中、Gは水素原子を表す)の構
造を含む。
【0059】段階b−ゲル濾過 上記段階で得た産生物1.6gを0.5M NaCl 15ml
に溶解し、0.5MNaClで予め平衡にした5cm×10c
mセファクリルS200HR(ファルマシア)カラムで、
流速8ml/分でゲル濾過する。溶出した液を30×40
ml分画に収集する。各分画のヘパロサン開裂産生物の分
子量を、製造VIIに記載した方法に準じてTSK20
00カラムの立体排除HPLCにより評価する。一方は
約5000〜7000ダルトン(バッチ5B1)および他
方は3500〜5000ダルトン(バッチ5B2)の平均
分子量を有する分画を組み合わせる。バッチ5B1およ
び5B2に含有される分画化N−硫酸化ヘパロサンを、
4容量のエタノールで沈澱し、遠心し、透析し、凍結乾
燥して回収する。バッチ5B1に相当するものが0.5
g、バッチ5B2に相当するものが0.45g、最終的に
得られる。これらの2つのヘパロサンの分子量分布を立
体排除HPLCにより、製造VIIに記載するように分
析し、結果を表XIに示す。MW1、MW2、MW3、M
4およびMW5は表IVの意味である。
【表11】 表XI バッチ5B1および5B2に相当する産生物の分子量分布 MW1 MW2 MW3 MW4 MW5 バッチ 5B1 9943 8051 6357 4611 2460 バッチ 5B2 7800 6236 4088 2400 1536 段階C−低分子量N−硫酸化、N−脱アセチル化ヘパロ
サン開裂産生物のO−硫酸化 バッチ5B1の840mgを、予め酸性にし、水酸化テト
ラブチルアンモニウムで中性にしたドウェックス樹脂を
通して、テトラブチルアンモニウム塩に転換する。テト
ラブチルアンモニウム塩を回収し、凍結乾燥する。
【0060】方法I:三酸化イオウ/ピリジン複合体に
よる硫酸化 上記で得たテトラブチルアンモニウム塩の形態のN−硫
酸化、N−脱アセチル化ヘパロサン420mgを無水ホル
ムアミド42mlに溶解する(示した分子量は塩の形態に
していないN−硫酸化、N−脱アセチル化ヘパロサンに
相当する)。溶液は4Å分子ふるいを有する15mlカラ
ムを通す。次に三酸化イオウ/ピリジン複合体をそこへ
加え、混合物を30℃で6時間恒温培養する。2M N
aCl溶液9mlを加え、次いで1N NaOHで中性にす
る。N,O−硫酸化ヘパロサンをエタノール2容量で沈
澱させ、遠心し、0.5MNaCl 10mlに再溶解し、
再び、2容量のエタノールで沈澱させる。遠心後、小塊
を最低容量の水にとり、15時間透析する。最後に、産
生物を凍結乾燥する。N,O−硫酸化ヘパロサン471m
gを得る(バッチ5C1a)。この産生物の特性は、実施例
4で記載したN,O−硫酸化ヘパロサン(バッチ4)の特
性と同等である。
【0061】方法II:クロロスルホン酸による硫酸化 テトラブチルアンモニウム塩の形態のN−硫酸化、N−
脱アセチル化ヘパロサンの残りの420mgを無水ホルム
アミド8mlに溶解する(示した分子量は、塩の形態にし
ていないN−硫酸化、N−脱アセチル化ヘパロサンに相
当する)。溶液を4Å分子ふるいを有する15mlカラム
に通し、塩化カルシウム乾燥管の付いた三首丸底フラス
コ中で回収する。次に無水ピリジン346μlを加え
る。次にクロロスルホン酸256mlのジクロロメタン1
ml溶液を、混合物を激しく攪拌しながら、および反応混
合物の温度が35℃を越えないように注意しながら、非
常にゆっくりと通す(添加時間:15分)。次に溶液を室
温で2時間攪拌する。0.5MNaClを加え、溶液を1
N 水酸化ナトリウム溶液で中性にする。N,O−硫酸
化ヘパロサンを2容量エタノールで沈澱させ、遠心し、
0.5MNaCl 10mlに再溶解する。続いて、再びエタ
ノールを2容量で沈澱させ、遠心する。小塊を最低容量
の水にとり、15時間十分に透析する。凍結乾燥後、4
30mgの産生物を得、これをバッチ5C1bと称する。
この低分子量N,O−硫酸化ヘパロサンの特性を表XI
Iに示す。
【表12】 表XII バッチ5C1bに相当する産生物の特性 ウロン酸水準 NH2水準 脱アセチル化 硫酸化の程度 (マイクロ (マイクロ の程度 (サルフェート/ モル/mg) モル/mg) カルボキシル比) バッチ 5C1b 1.50 <0.02 80% 2.90 バッチA5C16のN,O−硫酸化ヘパロサンを構成す
る鎖の分子量分布を、製造VIIに記載した方法に準じ
て立体排除HPLCにより評価した。これを表XIII
に示す。MW1、MW2、MW3、MW4およびMW5は表
IVに示した意味である。
【表13】 表XIII バッチ5C1bに相当する産生物の分子量分布 MW1 MW2 MW3 MW4 MW5 11,881 9116 7253 5513 3056 この産生物は、70%が8792〜5900ダルトンの
分子量の鎖から成る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) (72)発明者 マルク・ルイ・ヴィクトール・サロム フランス31320カスタネ−トローザン、レ ジダーンス・“レゾルム−スゴン”・エフ 1番

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 [式中、Eは、このN,O−硫酸化ヘパロサンの二糖単
    位の0〜80%ではアセチル基、残りの二糖単位ではサ
    ルフェート基、所望により水素原子、Gは水素原子およ
    びサルフェート基を表わす]で示される繰返し二糖構造
    を特徴とする、1.5×104〜4.0×106Dの分子量
    を有する連鎖、または連鎖の混合物からなるN,O−硫
    酸化ヘパロサン類、およびそれらのN,O−硫酸化ヘパ
    ロサンの製薬上許容し得る塩類。
  2. 【請求項2】 Eがアセチル基およびサルフェート基を
    表わす請求項1記載のN,O−硫酸化ヘパロサン類。
  3. 【請求項3】 サルフェート/カルボキシル比として表
    わされる硫酸化度が1.5〜3.0である請求項1および
    2の何れか1項記載のN,O−硫酸化ヘパロサン類。
  4. 【請求項4】 式(I): 【化2】 [式中、Eは、このN,O−硫酸化ヘパロサンの二糖単
    位の0〜80%ではアセチル基、残りの二糖単位ではサ
    ルフェート基、所望により水素原子、Gは水素原子およ
    びサルフェート基を表わす]で示される繰返し二糖構造
    であって、サルフェート/カルボキシル比で表わされる
    硫酸化度が1.5〜3.0、N,O−硫酸化ヘパロサンの
    連鎖の2つの還元および非還元末端が、硫酸化または非
    硫酸化ウロン酸単位、硫酸化または非硫酸化グルコサミ
    ン、または硫酸化または非硫酸化N−アセチルグルコサ
    ミンであることを特徴とする、1.5×104〜4.0×
    106Dの分子量を有する連鎖、または連鎖の混合物か
    らなる請求項1に記載のN,O−硫酸化ヘパロサン類、
    およびそれらのN,O−硫酸化ヘパロサンの製薬上許容
    し得る塩類。
  5. 【請求項5】 二糖単位のアセチル基が60%に等しい
    か、またはそれ以下の水準で存在する、請求項1〜4の
    何れか1項記載のN,O−硫酸化ヘパロサン類。
  6. 【請求項6】 含有する遊離アミノ基(NH2)が0.2
    μM/mgを超えない、請求項1記載のN,O−硫酸化ヘ
    パロサン類。
  7. 【請求項7】 1.0×105〜5.0×105Dの分子量
    を有する連鎖を少なくとも70質量%を含有する、請求
    項1〜3の何れか1項記載のN,O−硫酸化ヘパロサン
    類。
  8. 【請求項8】 2.5×104〜2.5×105Dの分子量
    を有する連鎖を少なくとも70質量%を含有する、請求
    項1〜3の何れか1項記載のN,O−硫酸化ヘパロサン
    類。
  9. 【請求項9】 2.0×104〜1.0×105Dの分子量
    を有する連鎖を少なくとも70質量%を含有する、請求
    項1〜3の何れか1項記載のN,O−硫酸化ヘパロサン
    類。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の何れか1項記載のN,
    O−硫酸化ヘパロサンを少なくとも70質量%を含有す
    る、N,O−硫酸化ヘパロサン組成物。
  11. 【請求項11】 (段階a)エシェリキア・コリ(Esche
    richia coli)(K5)株を培養し、 (段階b)式(II): 【化3】 で示される繰返し二糖構造を特徴とし、1.0×104
    2.0×106Dの分子量を有する連鎖の混合物からなる
    高分子量N−アセチルヘパロサン70〜100%を含有
    する組成物を得るため、生成したN−アセチルヘパロサ
    ンを、所望によ予備精製し、単離し、精製し、 (段階c)式(III): 【化4】 [式中、R'は二糖単位の0〜80%ではアセチル基、
    残りの二糖単位では水素原子を表わす]で示される繰返
    し二糖構造を特徴とする、1.0×104D〜2.0×1
    6Dの分子量を有する連鎖の混合物からなる高分子量
    N−アセチルヘパロサン70〜100%を含有する組成
    物を得るため、このN−アセチルヘパロサンを部分的に
    脱アセチル化し、 (段階d)式(IV): 【化5】 [式中、Eは、二糖単位の0〜80%ではアセチル基、
    残りの二糖単位ではサルフェート基、所望により水素原
    子を表わす]で示される繰返し二糖構造を特徴とする、
    1.0×104〜2.0×106Dの分子量を有する連鎖の
    混合物からなるN−硫酸化ヘパロサン70〜100%を
    含有する組成物を得るため、完全または部分的にN−硫
    酸化し、ついでこの部分的または完全なN−硫酸化段階
    に続いて、部分的または完全にO−硫酸化するか、また
    はこのヘパロサン組成物の部分的にN,O−硫酸化、ま
    たはこのヘパロサン組成物の部分的なN,O−硫酸化に
    続いて、完全にN−硫酸化する何れかの段階を実施し、
    所望によりa、b、c、およびd段階の終わりに分子量
    を分別する1またはそれ以上の段階を含むことを一連の
    段階を含む請求項1に記載のN,O−硫酸化ヘパロサン
    70〜100%を含有する組成物の製造方法。
  12. 【請求項12】 エシェリキア・コリ(K5)株がSE
    BR3282株(CNCM(ザ・パスツール・インスチ
    チュート(The Pasteur Institute)、パリ、フランス)
    でNo.I−1013の番号のもとに寄託されてい
    る)、またはこの株の自然変異株または誘導変異株であ
    る、請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 エシェリキア・コリ(K5)株の培養
    をグリセリンに富んだ培地で実施する、請求項11記載
    の方法。
  14. 【請求項14】 N−アセチルヘパロサンの分離および
    精製が少なくともアルコール沈殿の1段階および少なく
    ともイオン交換クロマトグラフィーの1段階を含む、請
    求項11記載の方法。
  15. 【請求項15】 N−アセチルヘパロサンの単離および
    精製を (段階a1)エタノール沈殿、 (段階b1)透析、 (段階c1)エタノール沈殿、ついで脱水、乾燥 (段階d1)アニオン交換クロマトグラフィーによる精
    製、 (段階e1)段階d1で得られた溶出液のエタノール沈
    殿、脱水、乾燥、および粉砕する一連の段階を含み、こ
    こで段階a1またはc1の1つを省くことができる操作を
    用いて実施する、請求項11記載の方法。
  16. 【請求項16】 N−アセチルヘパロサンの単離および
    精製を (段階a'1)透析、 (段階b'1)酸性媒質で精製、pH3.5およびpH1.
    8の水溶液で不溶性である不純物の除去、 (段階c'1)エタノール沈殿、ついで脱水、乾燥、 (段階d'1)アルカリ性加水分解および透析、 (段階e'1)アニオン交換クロマトグラフィーによる精
    製、 (段階f'1)排除クロマトグラフィーによる精製する一
    連の段階を含む操作を用いて実施する、請求項11記載
    の方法。
  17. 【請求項17】 単離および精製の前に、エシェリキア
    ・コリ(K5)株の培養から得られたN−アセチルヘパ
    ロサンを (段階a"1)培養の終わりに得られた懸濁液を遠心し、 (段階b"1)上清をアルカリ性溶液と接触させ、 (段階c"1)予備濾過し、 (段階d"1)あらかじめ測定した限界カットオフ値を有
    する膜で濃縮し、所望により (段階e"1)透析する一連の段階を含む操作を用いて実
    施する予備精製に掛ける、請求項11記載の方法。
  18. 【請求項18】 不活性な製薬上許容し得る賦形剤と組
    合せ、またはこれとの混合物として、請求項1〜9の何
    れか1項記載のN,O−硫酸化ヘパロサンを有効主成分
    として含有する医薬組成物。
  19. 【請求項19】 不活性な製薬上許容し得る賦形剤と組
    合せ、またはこれとの混合物として、請求項10に記載
    のN,O−硫酸化ヘパロサンを有効主成分として含有す
    る医薬組成物。
  20. 【請求項20】 血液凝固の抑制に使用できる請求項1
    8および19の何れか1項記載の医薬組成物。
  21. 【請求項21】 切断後、1.5×104D以下、および
    1.5×103〜1.5×104Dである低分子量を有する
    N,O−硫酸化ヘパロサンを製造する請求項1に記載の
    式(I)の高分子量N,O−硫酸化ヘパロサンの用途。
  22. 【請求項22】 切断後、1.5×104D以下、および
    1.5×103〜1.5×104Dである低分子量を有する
    N,O−硫酸化ヘパロサンを製造する請求項11に記載
    の式(IV)の化合物、N−硫酸化ヘパロサンの用途。
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