JPH0527122U - 護岸用コンクリート法面 - Google Patents

護岸用コンクリート法面

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JPH0527122U
JPH0527122U JP1403691U JP1403691U JPH0527122U JP H0527122 U JPH0527122 U JP H0527122U JP 1403691 U JP1403691 U JP 1403691U JP 1403691 U JP1403691 U JP 1403691U JP H0527122 U JPH0527122 U JP H0527122U
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recess
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 護岸用コンクリート法面の表面に植物を繁茂
させて、より自然に近い景観にすると共に、昆虫や小動
物が生息できるようにする。 【構成】 護岸用コンクリート法面10の表面11に、
長辺約50cm、短辺約20cm、深さ約10cmの長
方形状の凹部20を、上下左右の間隔約20cmで複数
設ける。凹部20には増水時などに土30が滞留し植物
40が繁茂する。法面上部の凹部20には土30を供給
してもよい。さらに、凹部20の上端に突起枠を設けた
り、あるいは凹部20の下端部に水抜き孔を設けたりす
ると、凹部20内の土30の流出を防ぐことができて植
物40が繁茂しやすくなる。また、護岸用コンクリート
法面10を緩勾配とすることにより土30が滞留しやす
くなるし、法面上を移動して水際に近づき自然と親しむ
ことができるようになる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、河川の堤防を保護するために施工される護岸用コンクリート法面に 関するものである。
【0002】
【従来の技術】
河川が集中豪雨などにより異常増水すると、その水流によって堤防法面が洗掘 されることがある。洗掘された堤防法面は、修復するために多大の労力を必要と するばかりか、最悪の事態に至っては堤防の決壊、さらには河川の氾濫を招きか ねない。 このため、従来より、堤防法面を保護するために種々の護岸工事が行われてき た。一般的には、図7にて示されるようなコンクリート法面による護岸が行われ てきた。このような護岸用コンクリート法面は、まず堤防法面を整地して平坦な 法面を造成し、この法面上に型枠を組みコンクリートを打設することにより施工 される。あるいは、前記の法面上に、あらかじめ成型されたコンクリートブロッ クを敷設することにより施工される。 このように、護岸用コンクリート法面を施工することによって堤防法面は保護 され、異常増水によって洗掘されることはなく、したがって堤防の決壊や河川の 氾濫といった事態は回避できるようになったのである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の護岸用コンクリート法面は、あくまでも護 岸を目的としており、その表面は平坦であって、コンクリート地肌がむき出しに なったままであった。あるいは、護岸用コンクリート法面の施工時に、自然の多 くが失われてしまった。このため、人工的な風景となり、自然景観としては必ず しも良いとはいえなかった。特に景勝地にあっては周囲の景観に対して違和感が あり、せっかくの景色が台無しになることがあった。
【0004】 本考案は以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると ころは、護岸用コンクリート法面としての強度を保持すると共に、周囲の景観と 融合して大切な景色を何ら損うことなく、また自然界の昆虫や小動物が生息でき るような護岸用コンクリート法面を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決するために本考案が採った手段は、図面に付した符号 を用いて説明すると、 まず、本考案の請求項1に係る護岸用コンクリート法面10は、 「河川の堤防を保護するための護岸用コンクリート法面10であって、 当該護岸用コンクリート法面10の表面11に植物40を繁茂させるための凹 部20を設けたことを特徴とする護岸用コンクリート法面10。」を内容とする 。
【0006】 次に、請求項2に係る護岸用コンクリート法面10は、 「前記凹部20の上端に突起枠21を設けたことを特徴とする請求項1記載の 護岸用コンクリート法面10。」を内容とする。
【0007】 そして、請求項3に係る護岸用コンクリート法面10は、 「前記凹部20の下端部付近に一端を開口し、護岸用コンクリート法面10の 表面11に他端を開口する下り勾配の水抜き孔22を設けたことを特徴とする請 求項1または請求項2記載の護岸用コンクリート法面10。」を内容とする。
【0008】
【作用】
上記のような手段を採ることにより、本考案の請求項1に係る護岸用コンクリ ート法面10は次のように作用する。 すなわち、護岸用コンクリート法面10の表面11に設けられた凹部20には 土30を滞留させることができる。そして、この土30に植物40を繁茂させる ことができる。また、繁茂した植物40には自然界の昆虫や小動物が生息するこ とができる。
【0009】 次に、請求項2に係る護岸用コンクリート法面10については、請求項1にお ける作用に加え、凹部20の上端に設けられた突起枠21は護岸用コンクリート 法面10の表面11より高位にあるので、降雨時に護岸用コンクリート法面10 の表面11を流れる雨水が凹部20に流入するのを防止する。
【0010】 そして、請求項3に係る護岸用コンクリート法面10については、請求項1ま たは請求項2における作用に加え、凹部20内の水が該凹部20の下端部付近に 一端を開口する下り勾配の水抜き孔22を通して護岸用コンクリート法面10の 表面11に排出されるという作用がある。
【0011】
【実施例】
以下に、本考案に係る護岸用コンクリート法面10について、図面に示した一 実施例に従って詳細に説明する。
【0012】 図1は、本考案の請求項1に係る護岸用コンクリート法面10の一実施例を示 す断面図であり、図2はその斜視図である。これらの図に示されるように、本考 案の請求項1に係る護岸用コンクリート法面10の表面11には、複数の凹部2 0が形成されている。本実施例にあっては、長方形状の凹部20が上下左右に規 則的に配設されており、該凹部20の短辺は約20cm、長辺は約50cm、深 さは約10cmである。また、凹部20間の間隔は上下左右共約20cmである 。尚、凹部20の形状としては、本考案にあっては実施例に示されるものの他、 円形状あるいは帯形状などでも良く、護岸用コンクリート法面10として必要な 強度を満足していれば特に限定されるものではない。
【0013】 次に、護岸用コンクリート法面10の表面11に形成された凹部20のうち、 水際付近の凹部20には、河川の増水時に堆積する土砂などにより土30が自然 に滞留し、植物40も自然に繁茂するようになる。上部の凹部20には土30を 供給し、必要に応じて植物40を植えたり播種することにより、人為的に植物4 0を繁茂させることができる。あるいは、図6のように、あらかじめ植物40を 繁茂させたプランター50を凹部20に配設してもよく、この場合にはすぐに、 しかもいつでも植物40を繁茂させた状態にすることができる。
【0014】 また、凹部20の大きさや深さによって、繁茂に適する植物40や繁茂に適さ ない植物40の種類をある程度限定することができるので、凹部20の形状を特 定することにより、繁茂する植物40を調整することができる。
【0015】 尚、河川が異常に増水し、凹部20内の土30や植物40が洗掘されて流失し ても、護岸用コンクリート法面10は洗掘されず護岸の役目を果たす。そして、 増水が治まったときには、凹部20には増水により堆積した土砂が滞留し、植物 40も再び自然に繁茂するようになる。さらに、上記のように凹部20に土30 を供給し、必要に応じて植物40を植えたり播種することにより人為的に植物4 0を繁茂させても良いし、あらかじめ植物40を繁茂させたプランター50を凹 部20に配設しても良い。
【0016】 図1にて示される本実施例においては、護岸用コンクリート法面10は図7に て示されるような従来の護岸用コンクリート法面に比べて緩勾配とした場合を示 しているが、このように護岸用コンクリート法面10を緩勾配とすることによっ て、凹部20に土30が滞留しやすくなり、植物40も繁茂しやすくなる。さら に、護岸用コンクリート法面10上をより容易かつ安全に移動できるようになる ので、水際に近づき水に触れて自然に親しむことができるなど、護岸用コンクリ ート法面10をより自然に近い状態にすることができる。
【0017】 図3は、本実施例に係る護岸用コンクリート法面10を施工した河川堤防の断 面を示しているが、本考案にあっては護岸用コンクリート法面10の形状は、実 施例に示される場合の他、特に限定されるものではない。
【0018】 尚、上記実施例に係る護岸用コンクリート法面10は、本考案にあっては、堤 防法面上に型枠を組み立ててコンクリートを打設して施工される場合や、あらか じめ成型されたコンクリートブロックを堤防法面上に配設し固化剤を充填して施 工される場合など、施工方法においては特に限定されない。
【0019】 次に、請求項2に係る護岸用コンクリート法面10は、請求項1に係る護岸用 コンクリート法面10に加えて図4に示すように、凹部20の上端に突起枠21 が形成されている。降った雨は護岸用コンクリート法面10の表面11を流れる が、該突起枠21によってその流れを遮られ、凹部20内への雨水の流入は妨げ られる。突起枠21は、流れを遮られた雨水が外方へ流れやすくするために、あ る程度の傾斜をもって形成されることが好ましい。尚、本考案にあっては、突起 枠21は、護岸用コンクリート法面10と一体的に形成される場合の他、別部材 であっても良い。また、突起枠21の高さは、護岸用コンクリート法面10上を 歩行する場合にさしつかえず、また増水時に流出物がひっかからない程度であれ ば、特には限定されない。
【0020】 さらに、請求項3に係る護岸用コンクリート法面10は、請求項1または請求 項2に係る護岸用コンクリート法面10に加えて図5に示すように、凹部20の 下端部付近に一端を開口して護岸用コンクリート法面10の表面11に他端を開 口する下り勾配の水抜き孔22が形成されている。凹部20内の水は、水抜き孔 22を通って護岸用コンクリート法面10の表面11へ流出する。尚、本考案に あっては、凹部20の形状によって複数の水抜き孔22が形成されていても良い 。また水抜き孔22の内径は、土30が該水抜き孔22を通って流出しないよう に、できるだけ細いことが望まれるが特には限定されない。
【0021】
【考案の効果】
以上、詳述したように、本考案の請求項1に係る護岸用コンクリート法面10 は、 「河川の堤防を保護するための護岸用コンクリート法面10であって、 当該護岸用コンクリート法面10の表面11に植物40を繁茂させるための凹 部20を設けたことを特徴とする護岸用コンクリート法面10。」をその構成上 の特徴としている。 したがって、この護岸用コンクリート法面10によれば、凹部20には土30 を滞留させることができる。そして、この土30に植物40を繁茂させることが できるので、より自然に近い景観とすることができ、見る者に安らぎと潤いを与 えることができる。さらに、景勝地にあっては、護岸用コンクリート法面10が 周囲の景観と融合して違和感がなく、大切な景色が損なわれるようなことはない 。また、繁茂した植物40には自然界の昆虫や小動物が生息できるようになり、 さらに自然に近い状態にすることができる。
【0022】 次に、請求項2に係る護岸用コンクリート法面10は、 「前記凹部20の上端に突起枠21を設けたことを特徴とする請求項1記載の 護岸用コンクリート法面10。」をその構成上の特徴としている。 従って、この護岸用コンクリート法面10によれば、請求項1に係る護岸用コ ンクリート法面10の効果に加えて、凹部20の上端に設けられた突起枠21は 、降雨時に護岸用コンクリート法面10の表面11を流れる雨水が凹部20に流 入するのを防止し、凹部20内の土30の流出を防ぐので、植物40がより繁茂 しやすくなるという効果を有する。
【0023】 そして、請求項3に係る護岸用コンクリート法面10は、 「前記凹部20の下端部付近に一端を開口し、護岸用コンクリート法面10の 表面11に他端を開口する下り勾配の水抜き孔22を設けたことを特徴とする請 求項1または請求項2記載の護岸用コンクリート法面10。」をその構成上の特 徴としている。 従って、この護岸用コンクリート法面10によれば、請求項1または請求項2 に係る護岸用コンクリート法面10の効果に加えて、凹部20内の水が水抜き孔 22を通して排出されるので、凹部20内に水が滞留することを防止するという 効果がある。これにより、凹部20内の土30の流出を防ぐことができると共に 、植物40の成育に適した環境を与えることができるので、さらに植物40が繁 茂しやすくなるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の護岸用コンクリート法面の一実
施例を示す断面図である。
【図2】図1に示した護岸用コンクリート法面の斜視図
である。
【図3】請求項1記載の護岸用コンクリート法面を施工
した河川堤防の断面図である。
【図4】請求項2記載の護岸用コンクリート法面の一実
施例を示す部分拡大斜視図である。
【図5】請求項3記載の護岸用コンクリート法面の一実
施例を示す部分拡大断面図である。
【図6】プランターを配設した状態の請求項1記載の護
岸用コンクリート法面の部分拡大断面図である。
【図7】従来の護岸用コンクリート法面を示す断面図で
ある。
【符号の簡単な説明】
10 護岸用コンクリート法面 11 表面 20 凹部 21 突起枠 22 水抜き孔 30 土 40 植物 50 プランター

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 河川の堤防を保護するための護岸用コン
    クリート法面であって、 当該護岸用コンクリート法面の表面に植物を繁茂させる
    ための凹部を設けたことを特徴とする護岸用コンクリー
    ト法面。
  2. 【請求項2】 前記凹部の上端に突起枠を設けたことを
    特徴とする請求項1記載の護岸用コンクリート法面。
  3. 【請求項3】 前記凹部の下端部付近に一端を開口し、
    護岸用コンクリート法面の表面に他端を開口する下り勾
    配の水抜き孔を設けたことを特徴とする請求項1または
    請求項2記載の護岸用コンクリート法面。
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CN114657942A (zh) * 2022-04-21 2022-06-24 福建领路建设工程有限公司 一种水利工程生态护岸结构及其施工方法

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