JPH05270956A - セラミックス摺動部材 - Google Patents
セラミックス摺動部材Info
- Publication number
- JPH05270956A JPH05270956A JP9851092A JP9851092A JPH05270956A JP H05270956 A JPH05270956 A JP H05270956A JP 9851092 A JP9851092 A JP 9851092A JP 9851092 A JP9851092 A JP 9851092A JP H05270956 A JPH05270956 A JP H05270956A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sliding member
- ceramic
- film
- sintered body
- ceramic sliding
- Prior art date
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- Pending
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- Sliding-Contact Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 セラミックス焼結体の表面平滑性を向上させ
たセラミックス摺動部材を提供する。 【構成】 セラミックス焼結体で構成される摺動部材表
面に1〜50μmの膜厚でA12 O3 又はTiの窒化
物、炭化物、炭窒化物の中から選ばれる1種以上のCV
D被膜を形成したことを特徴とする。
たセラミックス摺動部材を提供する。 【構成】 セラミックス焼結体で構成される摺動部材表
面に1〜50μmの膜厚でA12 O3 又はTiの窒化
物、炭化物、炭窒化物の中から選ばれる1種以上のCV
D被膜を形成したことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性に優れるCVD
被膜を施されたセラミックス摺動部材に関する。
被膜を施されたセラミックス摺動部材に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、機械部品等を構成する部品類に
は、その用途により各種の材料が採用されている。近
年、これらの機器の軽量化の要求が高まり、その部品に
ついても軽量の材料が採用され始めている。軽量の材料
の代表的なものとしてプラスチックが挙げられる。プラ
スチック材料は機械的、熱的、化学的特性が改良された
多くのエンジニアリングプラスチックが開発されている
が、摩耗され易いので摺動部材には使いにくいという問
題点がある。一方、その他の軽量材料としては、軽量合
金やセラミック焼結体などがあるが、ジュラルミンのよ
うな軽量合金は重量がプラスチックよりやや重く、アル
ミナや炭化ケイ素のようなセラミックス焼結体の場合に
は表面の平滑性の点で問題がある。セラミックス焼結体
は、セラミックスの粉末と焼結用の助剤などを混合、成
型して焼結したものであるが、その焼結体は基本的には
原料粒子とその間隙を埋めるマトリックスより構成され
る。従って、焼結体の表面にも原料セラミックス粉末の
粒子が露出し、そのために部品表面の平滑性が損なわれ
る傾向にある。摺動部品ではその表面に露出した原料粒
子により部品自身や相手材の摩耗が進行すると言う問題
が発生する。
は、その用途により各種の材料が採用されている。近
年、これらの機器の軽量化の要求が高まり、その部品に
ついても軽量の材料が採用され始めている。軽量の材料
の代表的なものとしてプラスチックが挙げられる。プラ
スチック材料は機械的、熱的、化学的特性が改良された
多くのエンジニアリングプラスチックが開発されている
が、摩耗され易いので摺動部材には使いにくいという問
題点がある。一方、その他の軽量材料としては、軽量合
金やセラミック焼結体などがあるが、ジュラルミンのよ
うな軽量合金は重量がプラスチックよりやや重く、アル
ミナや炭化ケイ素のようなセラミックス焼結体の場合に
は表面の平滑性の点で問題がある。セラミックス焼結体
は、セラミックスの粉末と焼結用の助剤などを混合、成
型して焼結したものであるが、その焼結体は基本的には
原料粒子とその間隙を埋めるマトリックスより構成され
る。従って、焼結体の表面にも原料セラミックス粉末の
粒子が露出し、そのために部品表面の平滑性が損なわれ
る傾向にある。摺動部品ではその表面に露出した原料粒
子により部品自身や相手材の摩耗が進行すると言う問題
が発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
セラミックス焼結体の表面平滑性を向上させたセラミッ
クス摺動部材を提供することである。
セラミックス焼結体の表面平滑性を向上させたセラミッ
クス摺動部材を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、セラミックス焼結体で構成される摺動部材
表面に1〜50μmの膜厚でAl2 O3 又はTiの窒化
物、炭化物、炭窒化物の中から選ばれる1種以上のCV
D被膜を形成した点に特徴がある。
に本発明は、セラミックス焼結体で構成される摺動部材
表面に1〜50μmの膜厚でAl2 O3 又はTiの窒化
物、炭化物、炭窒化物の中から選ばれる1種以上のCV
D被膜を形成した点に特徴がある。
【0005】
【作用】各セラミックス焼結体としては、Al2 O3 ,
ZrO2 ,MgO等の単純酸化物およびムライト(3A
l2 O3 ,・2SiO2 ) 等の硅酸塩およびスピネル
(MgAl2 O4 )等の複酸化物、窒化物、炭化ケイ素
等の炭化物およびカーボン等が挙げられ、これらの材料
を常法により焼結したものである。
ZrO2 ,MgO等の単純酸化物およびムライト(3A
l2 O3 ,・2SiO2 ) 等の硅酸塩およびスピネル
(MgAl2 O4 )等の複酸化物、窒化物、炭化ケイ素
等の炭化物およびカーボン等が挙げられ、これらの材料
を常法により焼結したものである。
【0006】該摺動部材としては、軸受け、プーリー、
ベアリング等の動力伝達用機械部品、線巻き業における
案内車、糸車、ライナー、プランジャー等のポンプ部
品、整流子ブラシおよびその他の電気接点材料、ボール
ミルのボールおよびミル内張、研磨性スラグ、スラリー
を処理する部品、メカニカルシール等が挙げられる。ま
た該摺動部材が全体がセラミックスで形成されていても
良く、表面だけの場合でも良い。
ベアリング等の動力伝達用機械部品、線巻き業における
案内車、糸車、ライナー、プランジャー等のポンプ部
品、整流子ブラシおよびその他の電気接点材料、ボール
ミルのボールおよびミル内張、研磨性スラグ、スラリー
を処理する部品、メカニカルシール等が挙げられる。ま
た該摺動部材が全体がセラミックスで形成されていても
良く、表面だけの場合でも良い。
【0007】CVD法により形成する被膜としては、T
iN,TiC,TiCNおよびAl2 O3 の単層もしく
は複層の被覆層が挙げられ、これらを1種類あるいは2
種類以上に積層しても差し支えない。ここで、TiCN
膜中のCとNの比は任意の割合で良く、更にこのCとN
の比を膜厚方向へ順次変えながら成膜を行う傾斜組成の
膜も好適である。該被膜の厚さは1〜50μmが好まし
い。1μm未満では表面の平滑化の効果が小さく、50
μmを越えると被膜の内部に大きな応力が発生し被膜の
剥離の原因になる。
iN,TiC,TiCNおよびAl2 O3 の単層もしく
は複層の被覆層が挙げられ、これらを1種類あるいは2
種類以上に積層しても差し支えない。ここで、TiCN
膜中のCとNの比は任意の割合で良く、更にこのCとN
の比を膜厚方向へ順次変えながら成膜を行う傾斜組成の
膜も好適である。該被膜の厚さは1〜50μmが好まし
い。1μm未満では表面の平滑化の効果が小さく、50
μmを越えると被膜の内部に大きな応力が発生し被膜の
剥離の原因になる。
【0008】CVDによる被膜形成は通常の熱励起型C
VD装置を用いれば十分であり、特に耐摩耗性硬質被膜
を形成するのに実績のある、例えば超硬合金製スローア
ウエイチップなどを処理する市販のCVD装置を採用す
るのが好適である。CVDによる被膜の形成はスローア
ウエイチップと同じ条件で処理を行えば良く、例えば、
Al2 O3 の場合にはAlCl3 −H2 −CO2 系、T
iNの場合にはTiCl4 −H2 −N2 系、TiCの場
合にはTiCl4 −H2 −N2 −CH4 系等を使用し
て、これらの原料に不活性ガスもしくは微量の添加成分
を加えても良い。被膜を形成する際のガス圧は大気圧ま
たは1Torrまでの減圧が採用される。また加熱する
温度は被膜によって異なるが800〜1300℃が良
い。
VD装置を用いれば十分であり、特に耐摩耗性硬質被膜
を形成するのに実績のある、例えば超硬合金製スローア
ウエイチップなどを処理する市販のCVD装置を採用す
るのが好適である。CVDによる被膜の形成はスローア
ウエイチップと同じ条件で処理を行えば良く、例えば、
Al2 O3 の場合にはAlCl3 −H2 −CO2 系、T
iNの場合にはTiCl4 −H2 −N2 系、TiCの場
合にはTiCl4 −H2 −N2 −CH4 系等を使用し
て、これらの原料に不活性ガスもしくは微量の添加成分
を加えても良い。被膜を形成する際のガス圧は大気圧ま
たは1Torrまでの減圧が採用される。また加熱する
温度は被膜によって異なるが800〜1300℃が良
い。
【0009】
【実施例】外径10mm、内径5mmおよび厚さ5mmのAl
2 O3 製リング状成型品を基材とし、この基材を市販の
CVD装置に500個設置し真空排気後H2 気流中で1
000℃まで昇温した。その後TiCl4 ;1%,CH
4 ;9%,H2 ;90%、として60Torrの圧力下
で1時間TiCの成膜を行った。その後ガス組成をTi
Cl4 ;1%、N2 39%、H2 ;60%で500To
rrとして1時間TiNの成膜を行った。冷却後取り出
した部材表面には黄色TiNの被膜が均一に形成されて
いた。基材を切断し断面を観察した所、全膜厚は約8μ
mであった。
2 O3 製リング状成型品を基材とし、この基材を市販の
CVD装置に500個設置し真空排気後H2 気流中で1
000℃まで昇温した。その後TiCl4 ;1%,CH
4 ;9%,H2 ;90%、として60Torrの圧力下
で1時間TiCの成膜を行った。その後ガス組成をTi
Cl4 ;1%、N2 39%、H2 ;60%で500To
rrとして1時間TiNの成膜を行った。冷却後取り出
した部材表面には黄色TiNの被膜が均一に形成されて
いた。基材を切断し断面を観察した所、全膜厚は約8μ
mであった。
【0010】上記の制作したリングをナイロン糸のガイ
ドとして耐久性試験を行った。直径0.5mmのナイロ
ン糸を10kgの張力をかけてガイドにより90度の角
度で走行方向を変えて毎分10mの線速度で500km
の走行をさせた。その結果糸切れは起きず、ガイドの表
面も接触による摩耗が認められなかった。CVD処理を
行わないAl2 O3 焼結体リングを用いて実施例と同じ
ように耐久性試験を行ったところ、糸の走行距離100
〜300kmで糸が切断された。また、ガイドの表面が
約0.5mm程度の溝として摩耗が認められた。
ドとして耐久性試験を行った。直径0.5mmのナイロ
ン糸を10kgの張力をかけてガイドにより90度の角
度で走行方向を変えて毎分10mの線速度で500km
の走行をさせた。その結果糸切れは起きず、ガイドの表
面も接触による摩耗が認められなかった。CVD処理を
行わないAl2 O3 焼結体リングを用いて実施例と同じ
ように耐久性試験を行ったところ、糸の走行距離100
〜300kmで糸が切断された。また、ガイドの表面が
約0.5mm程度の溝として摩耗が認められた。
【0011】
【発明の効果】本発明を行うことにより、セラミックス
焼結体の表面平滑性を向上させたセラミックス摺動部材
を得ることができ、軽量で摩耗に対して耐久性が優れて
いる。
焼結体の表面平滑性を向上させたセラミックス摺動部材
を得ることができ、軽量で摩耗に対して耐久性が優れて
いる。
Claims (1)
- 【請求項1】 セラミックス焼結体で構成される摺動部
材表面に1〜50μmの膜厚でAl2 O3 又はTiの窒
化物、炭化物、炭窒化物の中から選ばれる1種以上のC
VD被膜を形成したことを特徴とするセラミック摺動部
材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9851092A JPH05270956A (ja) | 1992-03-26 | 1992-03-26 | セラミックス摺動部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9851092A JPH05270956A (ja) | 1992-03-26 | 1992-03-26 | セラミックス摺動部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05270956A true JPH05270956A (ja) | 1993-10-19 |
Family
ID=14221650
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9851092A Pending JPH05270956A (ja) | 1992-03-26 | 1992-03-26 | セラミックス摺動部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05270956A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53131285A (en) * | 1977-01-21 | 1978-11-15 | Lab Suise De Reshiyaarushie Ho | Precision roller bearing applicable under extreme conditions |
JPH01123073A (ja) * | 1987-11-05 | 1989-05-16 | Toshio Hirai | 表面被覆部材 |
JPH0380171A (ja) * | 1989-08-23 | 1991-04-04 | Isuzu Ceramics Kenkyusho:Kk | セラミックス製摺動部材とその製造方法 |
-
1992
- 1992-03-26 JP JP9851092A patent/JPH05270956A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53131285A (en) * | 1977-01-21 | 1978-11-15 | Lab Suise De Reshiyaarushie Ho | Precision roller bearing applicable under extreme conditions |
JPH01123073A (ja) * | 1987-11-05 | 1989-05-16 | Toshio Hirai | 表面被覆部材 |
JPH0380171A (ja) * | 1989-08-23 | 1991-04-04 | Isuzu Ceramics Kenkyusho:Kk | セラミックス製摺動部材とその製造方法 |
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