JPH05269109A - 核磁気共鳴を用いた検査装置 - Google Patents

核磁気共鳴を用いた検査装置

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JPH05269109A
JPH05269109A JP4068615A JP6861592A JPH05269109A JP H05269109 A JPH05269109 A JP H05269109A JP 4068615 A JP4068615 A JP 4068615A JP 6861592 A JP6861592 A JP 6861592A JP H05269109 A JPH05269109 A JP H05269109A
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JP
Japan
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magnetic resonance
nuclear magnetic
magnetic field
coil
inspection
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JP4068615A
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Yukio Yabusaki
征雄 薮崎
Munetaka Tsuda
宗孝 津田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 核磁気共鳴を利用した水平磁場方式による検
査装置において、被検者の肘を対象にした場合に高感
度、高分解能に撮像し検査を無侵襲に行うことができる
送受信兼用コイルを提供する。 【構成】 送受信兼用コイル4において被検者5の肘5
aが入る形状の電極巻線34,35,36を設け、当該
電極巻線に対して磁束方向が直交する他の電極巻線3
2,33を用いる。これらの電極巻線は、被検者の腕の
肘部5aを入れることのできる窓30aを有したボビン
30に装着される。必要に応じて、肘部分を圧迫する機
構51,52,61,62又は肘部分を保護する機構を
設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は核磁気共鳴を用いた検査
装置に係り、特に、生体中の水素や燐等からの核磁気共
鳴(以下「NMR」という)信号を測定し、核の密度分
布や緩和時間分布等を映像化するNMR現象を用いた肘
部等を検査する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、人体の頭部や腹部などの内部構造
を非破壊的に検査する装置として、X線CTや超音波撮
像装置が広く利用されている。近年では、NMR現象を
用いて同様の検査を行う試みが成功し、X線CTや超音
波撮像装置では得られなかった多種類の情報を取得でき
るようになってきた。
【0003】まず、NMR現象の基本原理について、以
下に簡単に説明する。
【0004】今、水素の原子核を取り上げて考える。原
子核は陽子と中性子から構成され、全体で角運動量Iで
回転する核スピンとみなされる。水素原子核は1個の陽
子からなり、スピン量子数1/2で表される回転を行っ
ている。陽子は正の電荷があるため、原子核が回転する
に伴って磁気モーメントμが生じ、原子核の一つ一つを
非常に小さな磁石と考えることができる。
【0005】例えば、鉄のような強磁性体では、上述し
た磁石の方向が揃っているために全体として磁化が生じ
る。一方、水素などでは、上述した磁石の方向がバラバ
ラであり、全体として磁化は生じない。しかし、この場
合でも、静磁場Hを印加すると、それぞれの原子核は静
磁場の方向に揃うようになる。
【0006】水素原子核の場合には、スピン量子数は1
/2であるので、−1/2と+1/2の二つのエネルギ
ー準位に分かれる。このエネルギー準位間の差ΔEは、
一般的に次式で示される。
【0007】
【数1】ΔE=γhH/2π ここで、γ:磁気回転比、h:プランク定数、H:静磁
場強度である。
【0008】ところで、一般に原子核には静磁場Hによ
ってμ×Hの力が加わるため、原子核は静磁場の軸の回
りを、次式で示す角速度ω(ラーモア角速度)で歳差運
動する。
【0009】
【数2】ω=γH このような状態の系に周波数ωの電磁波(ラジオ波)を
印加すると、核磁気共鳴現象が起こり、一般に原子核は
上記(数1)で表されるエネルギー差ΔEに相当するエ
ネルギーを吸収し、エネルギー準位が高い方に遷移す
る。この時、種々の原子核が多数存在していても、すべ
ての原子核が核磁気共鳴現象を起こすわけではない。こ
れは原子核毎に磁気回転比γが異なるため、(数2)で
示される共鳴周波数が原子核毎に異なり、印加された周
波数に対応するある特定の原子核だけが共鳴するためで
ある。
【0010】次に、ラジオ波によって高い準位に遷移さ
せられた原子核はある時定数(緩和時間と呼ばれる)で
決まる時間の後に元の準位に戻る。この時、ラジオ波に
よって高い準位に遷移させられた原子核から角周波数ω
の核磁気共鳴信号が放出される。
【0011】ここで、上述した緩和時間は、更にスピン
−格子緩和時間(縦緩和時間)T1 とスピン−スピン緩
和時間(横緩和時間)T2 に分けられる。一般に、固体
の場合にはスピン同士の相互作用が生じ易いためにスピ
ン−スピン緩和時間T2 は短くなる。また、吸収したエ
ネルギーはまずスピン系に、次に格子系に移っていくた
めスピン−格子緩和時間T1 はスピン−スピン緩和時間
2 に比べて非常に大きい値となる。ところが、液体の
場合には分子が自由に運動しているためスピン−スピン
とスピン−格子のエネルギー交換の生じ易さは同程度で
ある。
【0012】上述した現象は、水素原子核以外に、リン
原子核、炭素原子核、ナトリウム原子核、フッ素原子核
や酸素原子核などについても同様である。
【0013】上述した基本原理に基づくNMR現象を用
いた検査装置では、検査物体からの信号を分離・識別す
る必要がある。従来では、その一つとして、検査物体に
傾斜磁場を印加し、物体各部の置かれた磁場を異なら
せ、次に各部の共鳴周波数又はフェーズエンコード量を
異ならせることで位置情報を得ていた。この方法の基本
原理に関しては特開昭55−20495号やジャーナル
・オブ・マグネティック・レゾナンス誌(J. Magn. Res
on. )第18巻,第69〜83頁(1975年)、フィ
ジックス・オブ・メディスン・アンド・バイオロジー誌
(Phys.Med. &Biol. )第25巻,第751〜756頁
(1980年)等に報告されているので、詳細な説明は
省略する。
【0014】ここで、もっとも多く用いられているスピ
ンエコーの手法の原理を、図15を参照して簡単に説明
する。
【0015】図15の全体構成図に示すように、被検者
5は、静磁場Hを発生するコイル16と、互いに直交す
る3方向(X,Y,Z)の傾斜磁場を発生するの傾斜磁
場コイル9,10,11と、高周波磁場を発生する高周
波磁場コイル4とによって形成される空間の中に設置さ
れる。傾斜磁場コイル9,10,11の配置形態は、図
16に示す如くなる。静磁場の方向をZ軸とすることが
一般的である。Z軸、X軸、Y軸の各方向の関係は、図
15及び図16に示される。
【0016】被検者5の横断面(X−Y面)を撮像する
には、図17に示すスピンエコーシーケンスに従って傾
斜磁場と高周波磁場を駆動する。
【0017】以下、図17のシーケンスを説明する。期
間Aでは被検者5に傾斜磁場Gz を印加した状態で振幅
変調された高周波電力を高周波コイル4に印加する。横
断面の磁場強度は静磁場Hと位置zの傾斜磁場強度zG
z の和H+zGz で示される。一方、振幅変調された周
波数ωの高周波電力は特定の周波数帯域ω±Δωを有し
ているので
【0018】
【数3】ω±Δω=γ(H+zGz ) を満足するように、周波数ω又は傾斜磁場強度Gz を選
ぶことで、横断面の部分の水素原子核スピンを励起する
ことになる。ここで、γは水素原子核の磁気回転比を示
す。期間Bでは、傾斜磁場Gy をΔtの間印加すること
で、先に励起された核スピンはyの位置により、
【0019】
【数4】Δω′=γyGy Δt で示される周波数変移が、その共鳴信号に起きる。期間
Dでは、傾斜磁場Gx を印加した状態で共鳴信号を収集
する。このとき、期間Aで励起された核スピンは位置x
によって、
【0020】
【数5】Δω”=γxGx で示される周波数差を有することになる。期間Cでは、
励起された核スピンのスピンエコーを得るために180
度の高周波磁界と傾斜磁場Gz が印加される。期間Eで
は、核スピンが平衡に戻るまでの待ち時間である。期間
Bの傾斜磁場Gy の振幅値を256ステップ変化させて
繰り返し、共鳴信号を収集することによって256×2
56のデータが得られる。これらのデータを2次元フー
リエ変換することで画像が得られる。
【0021】前述のようにNMR現象を用いた検査装置
によるイメージングでは、高周波磁場を発生又は受信す
るコイルの効率を向上させることが、画質の向上,撮像
時間短縮につながる重要な課題となっている。
【0022】ところで、NMR現象を用いた検査装置に
おけるSN比は、静磁場強度Hの1〜1.5乗に比例し
て増加するため、静磁場強度を少しでも高くし、SN比
の向上を図る試みがなされつつある。これまで用いられ
てきた送受信コイル(以下単に「コイル」という)は鞍
型コイルである。しかし、静磁場強度の増加に伴って原
子核の共鳴周波数も増大するため、コイルの自己共鳴周
波数とNMR周波数が接近又は逆転する状況が生じ、受
信時における感度低下、又は送信時における高周波磁場
の発生効率低下という問題が発生するようになった。
【0023】これに対してAlderman等により新しい形状
のコイル(「アルダーマン型コイル」と呼ばれる)が提
案され、上記問題点が解決されるようになった。このコ
イルについてはジャーナル・オブ・マグネティック・レ
ゾナンス誌(J.Magn.Reson.)第36巻,第447〜4
51頁(1979年)に詳細な記述がある。
【0024】図18及び図19に示すように、アルダー
マン型コイルは、ガードリング電極131,132、ア
ーム電極111,112、アーム電極111に接続され
たウイング電極121,122,125,126、アー
ム電極112に接続されたウイング電極123,12
4,127,128、ウイング電極121,124間に
設けられるキャパシタ141、ウイング電極122,1
23間に設けられるキャパシタ142、ウイング電極1
25,128間に設けられるキャパシタ143、ウイン
グ電極126,127間に設けられるキャパシタ144
から構成される。図20(a),(b)に示す同調・整
合回路は、キャパシタ201,202で構成されてお
り、図18及び図19のH点及びG点に接続される。図
21は、図18及び図19におけるアーム電極111,
112及びウイング電極121〜128とキャパシタ1
41〜144から構成される外側の部分を、平面に展開
した図である。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来技術は、静
磁場Hが水平で、静磁場方向に被検体を挿入する水平磁
場方式において、高磁場すなわち高周波における受信感
度の低下及び高周波磁場の発生効率の低下という問題に
関しては有効なコイル構成である。
【0026】しかし、従来の核磁気共鳴検査装置のコイ
ル構成では、特に被検者の肘部等の局部を対象にして高
感度で撮像する場合については配慮されていない。
【0027】本発明の目的は、水平磁場方式の核磁気共
鳴検査装置において前記従来技術が配慮していない被検
者の肘部を撮影する場合に、高感度、高分解能に撮像す
ることができ、検査を無侵襲に行うことができるコイル
構成を有する核磁気共鳴を用いた検査装置を提供するこ
とにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明に係る核磁気共鳴
を用いた検査装置は、上記目的を達成するために、次の
ように構成される。
【0029】静磁場、傾斜磁場、高周波磁場のそれぞれ
を所定のシーケンスに従って被検者に与える各々の磁場
発生手段と、被検者の選択された部位から発生する核磁
気共鳴信号を検出する信号検出手段と、信号検出手段が
出力する検出信号の演算を行う演算手段と、演算手段の
演算結果を出力する出力手段を備え、水平磁場方式に基
づく核磁気共鳴を用いた検査装置であり、信号検出手段
は、被検者の肘部が入る空間部を有するベース部材と、
ベース部材上で同心円位置に配置された第1の電流通路
と、ベース上で第1の電流通路に対して所定の位置関係
で配置された第2の電流通路とから構成される。
【0030】前記の構成において、好ましくは、ベース
部材は円筒部材であり、この円筒部材の円筒面上に沿っ
て第1及び第2の電流通路を設け、第2の電流通路は、
第1の電流通路が作る磁束に対し直交する磁束を発生又
は受信するように円筒面上に設けられた電流通路である
ことを特徴とする。
【0031】前記の構成において、好ましくは、信号検
出手段は、円筒部材と、この円筒部材の円筒面上に沿っ
て螺旋状の電流通路又は同心円上に設けられた複数の電
流通路のいずれかと、電流通路が作る磁束に直交する磁
束を発生又は受信するように円筒面上に設けられた複数
の電流通路とから構成される。また、それぞれの電流通
路の先端が容量結合されることも可能である。
【0032】前記の各構成において、好ましくは、信号
検出手段を複数個設け、それぞれを直列又は並列に接続
したことを特徴とする。
【0033】前記の構成において、好ましくは、信号検
出手段のベース部材の内側に局部圧迫手段を設けたこと
を特徴とする。
【0034】前記の構成において、好ましくは、圧迫手
段として流体を用いたことを特徴とする。
【0035】前記の構成において、好ましくは、信号検
出手段のベース部材の内側に緩衝材を設けたことを特徴
とする。
【0036】前記の構成において、好ましくは、信号検
出手段のベース部材の内側を肌触りの良いものとしたこ
とを特徴とする。
【0037】
【作用】一般に核磁気共鳴を用いた検査装置では、静磁
場の方向とコイルの感度方向は直交していなければなら
ない。水平磁場方式の核磁気共鳴を用いた検査装置で
は、被検体の挿入方向と静磁場の方向が一致してしまう
ために、頭部、腹部用コイルに鞍型コイルなどが考案さ
れ用いられてきた。
【0038】しかし、肘を撮像する場合には、核磁気共
鳴の原理から対象とする部位からの磁束変化を効率よく
電気信号に変換できるソレノイド型のコイルが適用可能
である。換言すれば、肘は被検体の体軸に対して垂直に
した状態で撮像が可能である。しかも撮像部位がコイル
の中に納まるような構成をとることができるため磁束が
集束されている。また、ソレノイドコイルと磁束方向が
直交するコイルを組み合わせることで回転磁場を発生し
且つ受信できるQD(QUADRATURE DETECTION)コイル
(CIRCULAR POLARIZATION COILとも呼ばれる)の構成が
可能となる。従って、撮像部位を通る磁束を効率よく捕
捉することができるため高感度に受信できる。本発明で
は、ソレノイドコイルを、螺旋状の電極又は同心円上に
配置した複数の電極を結合したものを利用して実現し
た。
【0039】また、コイルの内側に膨張・収縮する機構
を設け、肘を圧迫又は動かないように固定することが可
能となり、分解能がよい画像を得ることができる。
【0040】また、高速撮影を行うことにより、肘関節
の動的観察が可能となる。
【0041】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て詳細に説明する。
【0042】ここで、先の説明で参照した図15を再び
参照してNMRを用いた検査装置の構成を概略的に説明
する。図15において、1は制御装置、2は高周波パル
ス発生器、3は電力増幅器、4は高周波磁場を発生する
と共に対象物体(被検者)5から生ずる信号を検出する
ための送受信兼用コイル、6は増幅器、7は検波器、8
は信号処理装置を示している。本実施例ではコイル4を
送受信兼用コイルとしているが、送信及び受信を別々の
コイルで行っても良い。また9,10,11は、それぞ
れ、Z方向及びこれに直角の方向(X方向及びY方向)
の傾斜磁場を発生させるコイル、12,13,14はそ
れぞれコイル9,10,11を駆動する電源部を示して
いる。これらのコイルにより発生する傾斜磁場に基づ
き、検査対象の置かれる空間の磁場分布を所望の傾斜を
有する分布とするものである。図15では、コイル4,
10,11の順に大きさが小さくなっているように描い
てあるが、全体構成を示すための便宜的なものであり、
この大きさ、順番である必要はない。
【0043】制御装置1は、各装置に種々の命令を一定
のタイミングで出力する機能を有するものである。高周
波パルス発生器2の出力は、電力増幅器3で増幅され、
コイル4を励振する。コイル8で受信された信号成分
は、増幅器6を通り、検波器7で検波後、信号処理装置
8で画像に変換される。
【0044】なお静磁場の発生は、電源15により駆動
されるコイル16による。本実施例では静磁場の発生は
コイル16による常電導方式としたが、電源15が不要
な超電導方式でも良い。検査対象である被検者5はベッ
ド17上に載置され、ベッド17は支持台18上を移動
可能に構成されている。
【0045】図16は図15における傾斜磁場コイルの
構成及び電流の方向を示した例である。コイル9でZ方
向傾斜磁場を、コイル10でX方向傾斜磁場を、コイル
11でY方向傾斜磁場を発生する。コイル10とコイル
11は同じ形のコイルであって、Z軸回りに90度回転
した構成を有する。実際には、コイル9,10,11を
1つの円筒形ボビンに巻いて用いられる。これらの傾斜
磁場コイルは、静磁場と同一方向(Z軸方向)磁場を発
生し、それぞれZ,X,Y軸に沿って直線勾配(傾斜)
を持つ磁場を発生するものである。
【0046】本発明は、上記コイル4の改良に関するも
のである。ここで、コイル4は、例えば頭部用コイルで
あれば直径300mm、長さ300mm程度の大きさを
有する。本発明の場合には、局部用コイル、特に肘用コ
イルであるため、頭部用コイルよりも小さく、大きい場
合でも直径200mm、長さ200mm程度のものであ
る。
【0047】本実施例では、以下においてコイル形状を
円筒形として説明するが、楕円形などの形状の変形も可
能である。
【0048】図2は、本発明による肘専用の送受信兼用
コイルの基本構成を概略的に示した斜視図を示し、特に
使用される電極の形態及び配置関係を示している。図2
は図1に示す肘用コイルの等価回路図である。図1に示
す実施例は、円筒形ボビン30に銅線からなる電極31
を巻き付け、更に円筒形ボビン30の軸方向と直交する
方向に感度を持つように銅線からなる矩形の電極32,
33を円筒形ボビン30に巻き付けた構成である。図1
に示す実施例では、電極31,32,33は銅線で形成
した場合について示しているが、銅パイプ、銅箔又は銅
板で形成しても良い。図1では電極31として2ターン
のソレノイドコイルとしているが、ターン数を2ターン
に限定するものではない。共鳴周波数と感度によってタ
ーン数を変化させる必要がある場合がある。図1では、
矩形の電極32,33を円筒形ボビン30に巻き付けた
構成であるが、電極32,33として円形や楕円形など
でも良い。また、電極32,33を円筒形ボビン30に
巻き付けた構成でなくても良い。矩形の電極32,33
を円筒形ボビン30に巻き付けない場合の実施例を図3
に示す。図1及び図3では矩形電極32,33を並列に
接続した例について示している。
【0049】更に、図1では電極31を螺旋状に巻いた
場合の構成を示したが、図4に示すように円形状の2つ
の電極34,35のそれぞれを、まずボビン30に巻き
付け、互いの電極を電極36で斜めに接続するようにす
る。このようにすることによって、ある角度をつけて電
極31をボビン30に巻き付け、螺旋状の形状にする必
要がなくなるために、作製が容易になるという利点があ
る。
【0050】図4に示す実施例では、電極31について
のみ着目し、電極31の構造が明確になるように電極3
2,33は省略しているが、図1に示す実施例と同様の
構成を有している。
【0051】図5〜図7は、図4に示した肘用コイルに
おいて、被検者5の肘5aの部分が入るように窓をあけ
た構造を模式的に示している。円筒形ボビン30は被検
者5の肘5aが入るようにボビンの途中は空いた構造に
なっている。図6は図5のA−A′面で切断した断面
図、図7は図5のB−B′面で切断した断面図を表して
いる。更に、図6及び図7では、図5で図示を省略した
被検者5の腕5aが円筒形ボビン30の窓30aに挿入
された状態を示している。図から明らかなように、円筒
形ボビン30の外側に電極32,33,34,35を巻
き付けた構成のため、被検者5の肘5aが電極32,3
3,34,35に直接触れ、感電するという心配はな
い。この際、円筒形ボビン30の窓の縁部分にクッショ
ンなどの緩衝材を張り付けることによって被検者5が快
適に検査を受けられるようにできる。更に、緩衝材を肌
触りの良い材質とすることで、より快適に検査を受けら
れるようにできる。
【0052】図8及び図9には、電極34,35からな
るコイル41と、電極32,33からなるコイル42
と、電力増幅器3及び増幅器6との接続の一実施例を示
す。図8及び図9では接続関係を示すのが主な目的であ
るから、コイル41,42は簡略化して示している。ま
た本実施例では、電力増幅器及び増幅器を2組(電力増
幅器3a,3b、増幅器6a,6b)用いて構成した例
について示している。
【0053】図8に示す実施例では、回転磁場の方向が
時計回りの方向である場合について示している。照射時
には照射信号は2系統に分離され、一方は電力増幅器3
aへ、もう一方は移相器43で照射信号の位相を90゜
遅らせた後電力増幅器3bへ入力される。電力増幅器3
a,3bで増幅された信号がコイル41,42を駆動す
る。
【0054】次に、受信時には、コイル41,42で受
信された信号は、それぞれ増幅器6a,6bで増幅され
た後、コイル41で受信された信号を移相器44で90
゜位相をずらし合成器45で合成する。
【0055】回転磁場の方向が逆方向(反時計回り)の
場合には、図9に示すようにそれぞれの移相器43,4
4の挿入場所がもう一方のチャンネルに変わるだけで、
基本的な構成は同じである。
【0056】図8及び図9で示した実施例では、電力増
幅器3a,3bと増幅器6a,6bの間の信号の分離に
ついて明示していないが、λ/4ケーブルと交差ダイオ
ードを用いる公知の方法で分離することができる。回転
磁場で励起及び受信する場合の駆動及び受信の構成の仕
方には、本実施例以外に、外部からの信号で能動的に行
う方法など種々の構成方法があり、図示した構成以外で
もよく、任意の構成が可能である。
【0057】また、図1ではコイルのキャパシタによる
分割は行わない場合について示しているが、共鳴周波数
が高くなりコイルの同調がとれない場合や被検体の影響
が大きい場合にはキャパシタによってコイルを分割する
ことでこれらの問題を回避できる。このような構成の一
実施例を図10及び図11に示す。
【0058】図10(a),(b)に示す実施例では、
螺旋状電極の各部分3101〜3105と矩形状電極の
各部分3201〜3205,3301〜3305、図1
1(a),(b)に示す実施例では、円形電極の各部分
3401〜3403,3501〜3503と矩形状電極
の各部分3201〜3205,3301〜3305のそ
れぞれについて、キャパシタ421〜424,4301
〜4304,4311〜4314で分割した場合につい
て示している。図11(b)に示す実施例は、全体の構
成が見やすくなるように、図10(b)に示す構成を9
0度回転して示している。キャパシタによる分割数につ
いては、共鳴周波数及び被検体による影響の度合いによ
って適時変更する必要がある。
【0059】図12は2組の電極32,33の接続方法
を示した一実施例である。図12では、矩形電極の接続
方法を示すのが目的であるため、矩形電極についてのみ
示した。具体的な構成は図1〜図4に示すようなもので
ある。図12(a)は2組の電極を直列に接続する場
合、また、図12(b)は2組の電極を並列に接続する
場合について示している。図12の中で、磁場方向は電
極32,33の感度の方向を示している。図12のH点
とG点には、図20で示す同調・整合回路が接続され、
これによって同調及び整合をとることができる。
【0060】図13は、肘を圧迫する機構の概略構成を
示す断面図で、図6に示す断面図に対応するものであ
る。但し、図6では円筒形ボビン30の上下には蓋がな
いようにしたが、圧迫機構を設けるためには円筒形ボビ
ン30の上下に蓋がある構造に変更される。この実施例
では、空気等の流体によって圧迫する機構の概略構成断
面図を示す。すなわち、円筒形ボビン30の内側に伸縮
する材料からなる圧迫用気密袋51,52を設け、それ
ぞれに外部から内部へ適当な圧力の空気などの流体を注
入することで圧迫する構成を形成している。本実施例で
は、説明のために圧迫用気密袋が2個から構成される場
合について示した。この気密袋の個数を増減することで
部分的な圧迫等、圧迫部位を自由に設定できるようにな
る。また、この気密袋をいくつかの部分に分割すること
でより微妙な圧迫が可能となる。
【0061】図14では機械的に圧迫する機構の概略構
成断面図を示している。この実施例に示す構成では、2
枚の圧迫用平板61,62を、それぞれ円筒形ボビン3
0の内側に設け、これらの平板61,62をネジ63,
64で機械的に動かすことで、圧迫を行っている。図1
4では図示を省略したが、平板61,62の肘に接触す
る部分はクッションなどの緩衝材を張り付ける必要があ
る。図14に示す実施例の場合には、前述の気密袋の場
合に比べ、微妙な圧迫を行う場合には機構が複雑となる
が、単純な圧迫でよい場合には構造が簡単で容易に作製
できるという利点がある。
【0062】以上の説明では、各実施例を別々に説明し
たが、これらの実施例を適宜に組み合わせても良いこと
はもちろんである。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、水平磁場方式の核磁気
共鳴を用いた検査装置において、局所的な部位、特に被
検者の肘を対象にした場合に高感度、高分解能に撮像す
ることができ、検査を無侵襲に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の送受信兼用コイルの基本構成を示す斜
視図である。
【図2】図1に示したコイルの等価回路を立体的に示し
た斜視図である。
【図3】本発明の送受信兼用コイルの他の実施例を示す
斜視図である。
【図4】本発明の送受信兼用コイルの他の実施例を示す
斜視図である。
【図5】肘用コイルの実際的構成を示す斜視図である。
【図6】肘用コイルに腕をセットした状態を示す縦断面
図である。
【図7】肘用コイルに腕をセットした状態を示す横断面
図である。
【図8】送受信兼用コイルと電力増幅器及び増幅器の接
続関係を示す回路図である。
【図9】送受信兼用コイルと電力増幅器及び増幅器の接
続関係の他の例を示す回路図である。
【図10】図1に示したコイルに関するキャパシタによ
る分割を行った等価回路の回路図である。
【図11】図4に示したコイルに関するキャパシタによ
る分割を行った等価回路の回路図である。
【図12】2組みの矩形コイルの直列接続と並列接続の
構成を示した回路図である。
【図13】送受信機能を有する肘用コイルの他の実施例
を示す構成図である。
【図14】送受信機能を有する肘用コイルの更なる他の
実施例を示す構成図である。
【図15】NMR検査装置の全体構成を示す構成図であ
る。
【図16】傾斜磁場を発生する各種のコイルを示す図で
ある。
【図17】検査装置の検査動作を制御するシーケンスを
示す図である。
【図18】アルーダマン型コイルの外観を示す斜視図で
ある。
【図19】アルーダマン型コイルの等価コイルを示す回
路図である。
【図20】同調・整合回路の回路図である。
【図21】アルーダマン型コイルの展開して示した図で
ある。
【符号の説明】
4 …送受信兼用コイル 30 …円筒形ボビン 31 …電極 32,33 …電極 34,35 …電極 36 …電極

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静磁場、傾斜磁場、高周波磁場のそれぞ
    れを所定のシーケンスに従って被検者に与える磁場発生
    手段と、前記被検者の選択された部位から発生する核磁
    気共鳴信号を検出する信号検出手段と、前記信号検出手
    段が出力する検出信号の演算を行う演算手段と、前記演
    算手段の演算結果を出力する出力手段を備える水平磁場
    方式の核磁気共鳴を用いた検査装置において、 前記信号検出手段は、前記被検者の関節部が入る空間部
    を有するベース部材と、前記ベース部材上で同心円位置
    に配置された第1の電流通路と、前記ベース上で前記電
    流通路に対して所定の位置関係で配置された第2の電流
    通路とからなることを特徴とする核磁気共鳴を用いた局
    部検査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の核磁気共鳴を用いた検査
    装置において、前記ベース部材は円筒部材であり、この
    円筒部材の円筒面上に沿って前記第1及び第2の電流通
    路を設け、前記第2の電流通路は、前記第1の電流通路
    が作る磁束に対し直交する磁束を発生又は受信するよう
    に前記円筒面上に設けられたことを特徴とする核磁気共
    鳴を用いた検査装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の核磁気共鳴を用いた検査
    装置において、前記信号検出手段は、円筒部材と、この
    円筒部材の円筒面上に沿って螺旋状の電流通路又は同心
    円上に設けられた複数の電流通路と、前記電流通路が作
    る磁束に直交する磁束を発生又は受信するように前記円
    筒面上に設けられた複数の電流通路からなることを特徴
    とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の核
    磁気共鳴を用いた検査装置において、前記信号検出手段
    を複数個設け、それぞれを直列又は並列に接続したこと
    を特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の核
    磁気共鳴を用いた検査装置において、前記信号検出手段
    の前記ベース部材の内側に圧迫手段を設けたことを特徴
    とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の核磁気共鳴を用いた検査
    装置において、前記圧迫手段として流体を用いたことを
    特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の核
    磁気共鳴を用いた検査装置において、前記信号検出手段
    の前記ベース部材の内側に緩衝材を設けたことを特徴と
    する核磁気共鳴を用いた検査装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の核
    磁気共鳴を用いた検査装置において、前記信号検出手段
    の前記ベース部材の内側を肌触りの良いものとしたこと
    を特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101435943B1 (ko) * 2012-12-11 2014-09-01 삼성전자 주식회사 위상 배열 코일 모듈 및 상기 위상 배열 코일 모듈을 이용한 자기 공명 영상 장치

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