JPH05268935A - 培養装置 - Google Patents

培養装置

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JPH05268935A
JPH05268935A JP6872992A JP6872992A JPH05268935A JP H05268935 A JPH05268935 A JP H05268935A JP 6872992 A JP6872992 A JP 6872992A JP 6872992 A JP6872992 A JP 6872992A JP H05268935 A JPH05268935 A JP H05268935A
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JP
Japan
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filter
culture
culture solution
sterilizing
tank
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Application number
JP6872992A
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English (en)
Inventor
Toshio Yasunaka
敏男 安中
Takahiko Takeuchi
宇彦 武内
Mika Igawa
美香 井川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokimec Inc
Original Assignee
Tokimec Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】培養液の補充が容易な培養装置を提供すること
を目的とする。 【構成】培養槽1のフタ部分に滅菌フィルタ5aを配置
し、培養液の補充は、該フィルタを通じて行う構成とす
る。また、滅菌フィルタ5aの更に外界側位置には、培
養液中の不溶物を取り除くためのプレフィルタ50を配
置する。 【効果】クリ−ンベンチを使用しなくても、培養装置内
を無菌状態に保ったまま培養液の補充が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生物、特に植物を、そ
の環境を制御しつつ成育する培養装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】分子生物学的手法の適用により1970
年代、80年代に大きく進歩したバイオテクノロジ−
は、90年代に入った現在、多くの分野でその成果の実
用化が図られている。このように実験室のみで行われて
いた技術を実用化する場合に重要になってくるのが、”
装置”である。
【0003】このような”装置”の一つとして培養装置
がある。培養装置とは、培養条件を精密に制御しながら
生物を飼育・培養する装置である。この培養装置では、
生物に与える栄養分や炭酸ガスは培養液を通じて生物に
供給されることが多い。当然ながら、生物の成長・繁殖
に伴い、これら栄養分等は消費され、また、老廃物が排
出されるため、培養液等は必要に応じて補充交換する必
要がある。この場合、培養生物の成育状況に影響を与え
る可能性のある、雑菌やゴミ等が培養装置内に侵入しな
いようにしなければならない。
【0004】そのため、従来は、培養液を注入するのに
使用するシリンジの先端部に滅菌用のフィルタを設置
し、該フィルタを通過させることにより培養液中の雑菌
を除去していた。さらに、培養装置そのものをクリ−ン
ベンチ内に入れた上で、作業を行うことにより、空気中
の雑菌の侵入を防いでいた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
では、クリ−ンベンチ内に入れて作業を行う関係上、実
用化に際し必要となる大型の培養装置には適していなか
った。また、クリ−ンベンチを用いての作業は操作が容
易ではなかった。
【0006】本発明は、簡易な方法でありながら培養液
の補充を無菌的に行うことができる培養装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたもので、その一態様としては、生物
を培養するため培養系を構成する培養装置において、上
記培養系の内界と外界と隔てる隔壁と、上記内界と外界
とを連通する連通路と、上記連通路を通過する流体を濾
過するように設けられた濾過材を含んで構成される1ま
たは2以上のフィルタとを有することを特徴とする培養
装置が提供される。
【0008】なお、上記フィルタの処理能力は、内界側
に配置されているものほど大きいことが好ましい。
【0009】本発明の他の態様としては、生物を培養す
るため培養系を構成する培養装置において、上記培養系
の内界と外界とを隔てる隔壁と、上記隔壁部の少なくと
も一部を構成する濾過材、を含んで構成されるフィルタ
と、を備えたことを特徴とする培養装置が提供される。
【0010】以上説明した各態様については、上記濾過
材のうち少なくとも一つは、その孔径が、0.2 〜
0.5 μm であることが好ましい。あるいは、上記濾
過材のうち少なくとも一つは、滅菌フィルタであること
が好ましい。
【0011】
【作用】槽に培養液をいれる場合、滅菌フィルタを通じ
て行うことにより、槽内に細菌、バクテリアなどが侵入
するのを防ぐことができる。この場合、該培養液の補充
作業は、クリ−ンベンチ内で行う必要はない。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0013】本実施例の全体構成を図1に示した。
【0014】該培養装置は、培養槽1内に坦体Mを設
け、該坦体M上において、培養生物Xを無菌状態で培養
するものである。培養生物Xが成育する上で必要な栄養
等は、培養液を通じて供給される構成である。該培養液
の供給は、該培養槽1とは別個に設けられた補助槽8に
蓄えられた培養液を、ポンプ9により流入管91を通じ
て、培養槽1に送りこむことによりなされる。また、こ
の図には示していない水位調整機構により、ある一定量
の培養液のみが該培養槽1内に保持され、これを越えた
分は、流出管92を通じて、補助槽8に戻される構成で
ある。なお、該培養液中には、培養生物Xが排出する老
廃物などが含まれるため、補助槽8の前に設けられたフ
ィルタ7によりこれを取り除く構成となっている。この
図には示していないが、補助槽8には、培養生物Xにと
って必須のガス、例えば炭酸ガスを培養液に溶解させる
ための機構を有している。
【0015】また、培養液中の栄養分は、培養生物Xに
より消費されるため、これを補給する必要がある。本実
施例においては、該培養液の補充を培養槽1に設けた、
滅菌フィルタ5、プレフィルタ50等を通じてシリンジ
3により行う構成となっている。該機構について詳細に
説明する。
【0016】培養槽1は、その上面に、該培養槽1の内
部と外部とをつなぐ連通路である孔部を有している(図
1には示していない)。そして、該孔部には、滅菌フィ
ルタ5が取り付けられている。また、更に、該滅菌フィ
ルタ5の外界側位置には、別の滅菌フィルタ5’、プレ
フィルタ50が設けられている。
【0017】滅菌フィルタ5、滅菌フィルタ5’のポア
サイズは細菌やバクテリアを除去するに十分な大きさ、
例えば、0.2〜0.5μmである。該プレフィルタ5
0は、滅菌フィルタ5とは異なり、培養液中の不溶物な
どを除去することを目的としたものであり、そのポアサ
イズは、滅菌フィルタ5ほど小さいものを使用する必要
はない。また、各フィルタ間に培養液が長時間滞留しな
いようにするため、フィルタを通過する培養液の量が各
フィルタでほぼ等しくなるように(あるいは、内側に位
置するものの方が大きくなるように)、フィルタの面積
等が調整されている。
【0018】滅菌フィルタ5の培養槽1への取付けは、
完全に密に行われており、該取付け部から細菌等が該培
養槽1内に侵入しない構造となっている。なお、該構造
そのものは、十分な密閉状態を実現できるものであれ
ば、如何なる機構であっても構わない。
【0019】また、本実施例においていう滅菌フィルタ
5、滅菌フィルタ5’、プレフィルタ50とは、単に濾
過能力を有する濾過材のみからなるものではなく、これ
を支えるケ−スを含んで構成されている。そして、滅菌
フィルタ5のケ−ス部分は、培養槽1と接合しない側に
ネジ等のジョイント部が設けられている。一方、その外
側に配置される滅菌フィルタ5’には、その両側に、同
様のジョイント部が設けられている。従って、該ジョイ
ント部を使用して、容易に、滅菌フィルタ5’を任意の
段数だけ重ねて使用することができる構成となってい
る。更に、最外界側に位置する滅菌フィルタ5’には、
同様の機構によりプレフィルタ50が取り付けられてい
る。また、該プレフィルタ50の滅菌フィルタ5’と接
合していない側には、当然ながら、シリンジ3を取り付
けるための孔部やジョイント部を有している。
【0020】なお、該滅菌フィルタ5、滅菌フィルタ
5’、プレフィルタ50の間の接触は、必ずしも細菌や
バクテリア等が通過できないようにする必要はない。し
かし、培養液をこれらフィルタを通過させるためには、
ある程度の圧力を加える必要があるため、この圧力を維
持できる程度の密着性を持ってなされている。また、同
様の趣旨から、プレフィルタ50とシリンジ3との間の
接触も、該圧力を維持できる程度の密着性を持ってなさ
れている。
【0021】培養液の補充動作を説明する。
【0022】培養液を入れたシリンジ3を、上述のプレ
フィルタ50の孔部に挿入あるいは取り付ける。そし
て、加圧部40を押すことにより、該シリンジ3内の培
養液がプレフィルタ50、滅菌フィルタ5’、滅菌フィ
ルタ5を通過して、培養槽1内に補充される。この場
合、培養液内の不溶物は、途中通過するプレフィルタ5
0により除去される。また、培養液内の細菌、バクテリ
ア等も、滅菌フィルタ5等により除去される。
【0023】長期間の培養においては、繰返し培養液の
補充を行うため、プレフィルタ50や滅菌フィルタ5’
が目づまりを起こす場合がある。この場合には、プレフ
ィルタ50、滅菌フィルタ5’を新規なものと取り替え
てやれば良い。あるいは、滅菌フィルタ5’をあらかじ
め多数重ねて使用し、目づまりを起こしたものから、す
なわち、プレフィルタ50に近い側から順次取外してい
けばよい。なお、この時にも、滅菌フィルタ5により培
養槽1内の無菌状態は維持されるため、該交換はクリ−
ンベンチ内で行う必要はない。また、滅菌フィルタ5’
の存在により、滅菌フィルタ5自身が目づまりすること
もほとんどないため、長期間の培養に耐えることができ
る。
【0024】該実施例においては、滅菌フィルタ5など
は培養槽1に取り付けているが、その取付け位置はこれ
に限定されるものではなく、例えば補助槽8、流入管9
1等に取り付けても良い。また、滅菌フィルタ5は、こ
れら各部に直接取り付ける必要はなく、パイプやチュ−
ブを介して取り付けても構わない。この場合には、必要
に応じてフィルタを移動できるという利点がある。
【0025】補助槽8、ポンプ9等は必ずしも必要では
なく、単に培養槽1のみからなる培養装置にも滅菌フィ
ルタ5などを取り付けて適用することが可能である。ま
た、培養生物Xの培養形態も任意であり、坦体Mを使用
しなくてもよい。
【0026】なお、シリンジ3は、培養液を補充する場
合のみ使用するものであるから、常にプレフィルタ50
に取り付けている必要はない。また、滅菌フィルタ
5’、プレフィルタ50については必要とあれば取外し
ても差し支えない。但し、その場合には、滅菌フィルタ
5にゴミなどが付着し目づまりが生じないように蓋をす
るなどの配慮をすることが好ましい。一方、滅菌フィル
タ5は培養中は、常に培養槽1に取り付けていなければ
ならない。
【0027】他の実施例を説明する。
【0028】本実施例は、図2にその概要を示すとお
り、滅菌フィルタ5aそのものが、培養槽1の上面を形
成するように構成した点に特徴を有するものである。こ
れ以外の点については、基本的には上記実施例と同じで
ある。
【0029】そのため、ここでは、該滅菌フィルタ5a
の構成を中心に説明する。
【0030】滅菌フィルタ5aと培養槽1との取付け部
断面を、図3に示した。
【0031】該滅菌フィルタ5aは、濾過材505と、
フィルタ押さえ510と、圧入フタ555とから主に構
成される。
【0032】濾過材505は、少なくとも培養槽1の上
面を覆うことができる大きさと形状を有しており、その
ポアサイズは細菌、バクエリア等を濾過できるように
0.2〜0.5μmのものを使用している。但し、ポア
サイズはこれに限定されるものではなく、目的に応じて
適したものを使用すれば良い。
【0033】濾過材505の上側位置にはフィルタ押さ
え510が配置されている。該フィルタ押さえ510
は、濾過材505を培養槽1に押しつけて、濾過材50
5と培養槽1との間の密着性を確保するためのものであ
る。該フィルタ押さえ510は、図4にその全体形状を
示すとおり、外形が培養槽1の上面とほぼ一致する枠状
の部材であり、その中央部には、培養液が滞留・通過す
るための中央孔540が設けられている。なお、フィル
タ押さえ510は、中央孔540部に滞留する培養液が
溢れないように十分な高さを有している。フィルタ押さ
え510下側面には、培養槽1の上縁と対応する位置に
シ−ル材530が設けられている(図3参照)。さら
に、該フィルタ押さえ510は、その外側側面部にカギ
部材520と、耳部550とを有している。カギ部材5
20は、該フィルタ押さえ510本体に設けられた軸を
中心として回動可能に構成されている。培養槽1、濾過
材505の上にフィルタ押さえ510を載せた状態で、
該カギ部材520を培養槽1の耳部100にかけること
により、シ−ル材530、濾過材505、培養槽1の接
触部分を圧接し、該接触部の密着性を高めている。これ
により細菌等の侵入を防ぐことができる。
【0034】圧入フタ555は、フィルタ押さえ510
のさらに上側に配置されている。圧入フタ555は、図
5にその全体形状を示すとおり、外形が上記フィルタ押
さえ510を覆うことができる大きさ、形状となってい
る。該圧入フタ555も、外周部にカギ部材560を有
している。フィルタ押さえ510の場合と同様に、該カ
ギ部材560をフィルタ押さえ510の耳部550にか
けることによって、シ−ル材570をフィルタ押さえ5
10の枠部上面に押しつけ、ある程度の密着性を確保す
る構成となっている。また、圧入フタ555の上面に
は、プレフィルタ50と圧入フタ555とを結ぶ管をつ
なぐための連結部580が設けられている。該連結部5
80は、該管をつなぐことのできる大きさ形状であれば
良く、その大きさ等についてはとくに限定されない。ま
た、脱着を容易にするために、ジョイントを設けること
も自由である。
【0035】以上説明した各部の接触部のうち、培養槽
1の上縁部と濾過材505との接触部は、上記第1の実
施例における、滅菌フィルタ5と培養槽1との間の接触
と同様完全に密着させて、空気中の細菌等が侵入できな
いように保つ必要があることは、上述したとおりであ
る。一方、濾過材505とシ−ル材530との間、シ−
ル材530とフィルタ押さえ510との間、また、フィ
ルタ押さえ510とシ−ル材570との間、更には、シ
−ル材570と圧入フタ555との間は、上記第1の実
施例における滅菌フィルタ5と滅菌フィルタ5’との間
の接触と同様に、培養液補充時に加えられる圧力を維持
できる程度の密着性があれば十分である。
【0036】なお、上述した、濾過材505と、フィル
タ押さえ510と、圧入フタ555とは、それぞれ必要
に応じて取外し可能になっている。そのため、培養液を
補充する時以外において、(細菌等は除去しつつ)空気
の流通を確保したい場合は、図6のように圧入フタ55
5を外した状態で使用することもできる。この場合で
も、濾過材505はその面積が大きいため、空気中のゴ
ミ等による目づまりが生じる恐れは少ない。
【0037】また、本実施例においては、濾過材505
の面積が大きいため、濾過材505を多数重ねて使用す
る必要性は少ないが、重ねて使用することも当然可能で
ある。この場合には、図3、図4に示したフィルタ押さ
え510の上部の外側の大きさ、形状を、該フィルタ押
さえ510自身の下部の内側面と対応する形状とするこ
とが好ましい。
【0038】本実施例においては、培養槽1の上面全体
を滅菌フィルタにより形成しているが、これに限ったも
のではなく、上面の一部であっても構わない。また、培
養槽1内の培養液が外部に流出する恐れのない位置であ
れば、横面であっても構わない。
【0039】他の実施例を説明する。
【0040】本実施例の培養装置は、培養液補充の自動
化を目的としてなされたものである。
【0041】培養槽1には、培養液中の各成分毎の濃度
を検出する、センサ2が設けられている。本実施例にお
いては、カリウム(K)イオンの濃度を選択的に検出す
るセンサ2aと、チッソ(N)イオン濃度を選択的に検
出するセンサ2bと、リン(P)イオン濃度を選択的に
検出するセンサ2cとを有している。但し、センサ2の
種類はこれに限定されるものではない。
【0042】制御装置60は、各センサ2の検出した結
果に応じて、後述するバルブ42、押圧装置44を制御
して、培養槽1内において不足している成分を自動的に
補充させる機能を有している。なお、該制御装置60に
プログラミング機能を備えて、目標とする成分組成を自
動的に変更して行くことも可能である。
【0043】シリンジ3は、補充用の培養液をいれるも
のである。シリンジ3aにはカリウム(K)イオンを含
んだ成分が、シリンジ3bにはチッソ(N)イオンを含
んだ成分が、また、シリンジ3cにはリン(P)イオン
を含んだ成分が入れられている。該シリンジ3は、その
下側に、上述の制御装置60からの信号に応じて作動す
るバルブ42を有している。
【0044】さらに、シリンジ3には培養液の注入量を
より正確に制御するために押圧装置44を有している。
該押圧装置44は、上述した制御装置60からの信号に
応じて、各加圧部40’a、,b,cに加える圧力ある
いは、各加圧部40’a,b,cの移動量を独立して制
御する構成となっている。
【0045】バルブ42と培養槽1の間には、フィルタ
ユニット52が配置されている。該フィルタユニット5
2内には、滅菌フィルタおよびプレフィルタが、上記実
施例と同じ位置関係で、すなわち、滅菌フィルタが培養
槽1に近い側に配置した状態で格納されている。培養槽
1に直接取り付けられる該滅菌フィルタと培養槽1との
間の接触が完全に密着されている必要があること等につ
いても上記実施例と同様である。なお、フィルタユニッ
ト52をバルブ42よりも下流側に配置したのは、バル
ブ42の部分からの細菌等の侵入や、バルブ42自身か
ら生じるゴミ等の侵入を、より完全に防ぐためである。
但し、これに限定されるものではない。
【0046】培養液補充の動作を説明する。
【0047】制御装置60は各センサ2の検出結果に基
づいて、各バルブ42や各加圧部40’の動きを制御す
る。例えば、センサ2aからの出力が、目標とするカリ
ウムイオン濃度よりも低いことを示している場合には、
制御装置60は、バルブ42aを開くと共に、押圧装置
44により加圧部40’aを作動させて、カリウムイオ
ン成分を含む培養液のみを補充する。一方、該補充動作
により、センサ2aの出力が、目標とするカリウムイオ
ン濃度に達したことを確認すると、制御装置60は、バ
ルブ42aを閉め、また、加圧部40’aを停止させ
る。
【0048】シリンジ3内の培養液が無くなった場合に
は、シリンジ3そのものを交換するかあるいは培養液を
シリンジ3に注入する。シリンジ3そのものを交換する
場合には、シリンジ3のみならずバルブ42も同時に交
換するような構成としていても構わない(但し、バルブ
42を交換することができるのは、本実施例のように、
バルブ42をフィルタユニット52よりも上流側に配置
している場合に限られる。)。
【0049】なお、加圧部40’、押圧装置44の機構
については、具体的には図8に示すようなものも考えら
れる。
【0050】図8(a)に示したのは、ガスを用いた例
である。この例では、ガスボンベ48から供給される高
圧の不活性ガス(あるいは、培養液や培養生物の成育に
なんらの影響も与えないガス)をレギュレ−タ46によ
り減圧し、これを密閉されたシリンジ3’内に送りこむ
構成となっている。従って、レギュレ−タ46を制御装
置60により制御することにより、シリンジ3’内の圧
力を所望の値に制御することができる。この例は、ある
程度継続的に少量づつ培養液を補充する場合に適してい
る。また、この例では、機械的な動きを有する部分が少
なくため、静音性に優れている。更に、ガスボンベ4
8、レギュレ−タ46は、培養装置近辺に設ける必要は
ないため、装置の配置の自由度が大きいという利点も有
する。なお、この図では、不活性ガスが直接培養液と接
する構成となっているため、使用する不活性ガスは純度
の高いものを使用する必要がある。但し、培養液補充ボ
トル31に代わって、通常のシリンジを用いて、ガスは
該シリンジのピストン部にのみ接する構成とすれば、必
ずしも純度の高いガスを使用する必要はない。
【0051】図8(b)に示したのは、シリンジ3”
と、該シリンジ3”のピストンとの接触部33をネジ構
造とすることにより、ピストンの動きをより精密に制御
可能とした例である。この場合、制御装置60からの信
号に応じて、モ−タ49により該ピストンを回転させる
ことにより、ピストンの上下方向の移動量を制御するこ
とができる。従って、この例は、補充する培養液の量
(体積)を特に正確に制御したい場合に適している。
【0052】以上説明した上記第1の実施例において
は、滅菌用フィルタを培養槽1側に設けたことにより、
空気中の細菌、バクテリア等が侵入する余地がない。
【0053】また、滅菌用フィルタの上流側にプレフィ
ルタを設けたことに、滅菌フィルタの目づまりもある程
度防ぐことができる。
【0054】また、シリンジ側と、培養装置側との間で
の接続部は、濾過時に加える圧力をある程度保持できれ
ば十分であり、特別、密に、行う必要はないため実験操
作上の取扱が容易である。また、これにより、培養液の
補充の自動化が容易となる。これは、長期間継続して培
養をする場合や大量の培養液を補充する場合など、シリ
ンジの交換をも必要とするような場合の自動化にとって
特に有効である。
【0055】さらに、培養液の補充時以外においても、
培養槽1内に送りこまれた炭酸ガス等の排出口としても
機能することができる。この場合、培養槽1内部の圧力
を常に大気圧よりも高くすることに、空気中の酸素等が
培養槽内に入ることを防止することもできる。
【0056】第2の実施例においては、上記効果に加え
て、フィルタの面積を大きくすることができるため、一
度に大量の培養液を補充する必要がある場合にも対応す
ることができる。また、フィルタは、圧力を高くする
と、濾過対象物がフィルタを通過してしまう場合がある
が、大面積のフィルタ場合には、圧力を高くしなくても
ある程度のフィルタ通過量を期待できるため、バクテリ
アなどの除去率を高く保つことができる。さらには、同
じ量の培養液を補充してもフィルタ面積が大きいため、
目づまりが生じる回数が少なくなる。
【0057】滅菌フィルタに較べて目の荒いプレフィル
タは、比較的濾過抵抗が少ないため、同じ圧力を加えて
も滅菌フィルタよりも多量の培養液を濾過することがで
きる。そのため、滅菌用フィルタとプレフィルタとのフ
ィルタ面積を同じにすると、滅菌用フィルタとプレフィ
ルタとの間位置に、培養液が滞留してしまうが、上記実
施例においては、滅菌用フィルタの面積を大きくするこ
とにより、滅菌用フィルタとプレフィルタとの濾過能力
のバランスをとることができる。従って、培養液の滞留
が原因となって、培養液補充に長時間を要するといった
こともない。
【0058】更に、無菌状態のまま空気を流通させる場
合、フィルタ面積が大きいため、空気の流通量を大きく
することができる。
【0059】第3の実施例においては、培養液の補充を
自動的に行うことができる。特に、培養液の各成分ごと
の濃度制御が可能となる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
培養液の補充の際に、空気中、培養液中のバクテリア、
ゴミ等を除去し、無菌的に行うことができる。また、装
置も簡易で済むため、コスト的にも有利である。更に、
操作も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体構成図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す全体構成図である。
【図3】滅菌フィルタの取付け部を示す断面図である。
【図4】フィルタ押さえ510を示す斜視図である。
【図5】圧入フタ555を示す斜視図である。
【図6】圧入フタ555を取外した状態での滅菌フィル
タの取付け部を示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す説明図である。
【図8】各種加圧機構を示す説明図である。
【符号の説明】
1:培養槽、2:センサ、 3:シリンジ、 5:滅菌
フィルタ、 7:フィルタ、 8:補助槽、 9:ポン
プ、 31:培養液補充ボトル、 33:接触部、 4
0:加圧取っ手、 42:バルブ、 44:押圧装置、
46:レギュレ−タ、 48:ガスボンベ、 49:
モ−タ、 50:プレフィルタ、 52:フィルタユニ
ット、 60:制御装置、 91:流入管、 92:流
出管、100:耳部、 505:濾過材、 510:フ
ィルタ押さえ、 520:カギ部材、 530:シ−ル
材、 540:中央孔、 550:耳部、 555:圧
入フタ、 560:カギ部材、 570:シ−ル材、
580:連結部、 M:坦体、 X:培養生物。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生物を培養するため培養系を構成する培養
    装置において、 上記培養系の内界と外界とを隔てる隔壁と、 上記内界と外界とを連通する連通路と、 上記連通路を通過する流体を濾過するように設けられた
    濾過材を含んで構成される1または2以上のフィルタ
    と、 を有することを特徴とする培養装置。
  2. 【請求項2】生物を培養するため培養系を構成する培養
    装置において、 上記培養系の内界と外界とを隔てる隔壁と、 上記隔壁部の少なくとも一部を構成する濾過材、を含ん
    で構成されるフィルタと、 を備えたことを特徴とする培養装置。
  3. 【請求項3】上記濾過材のうち少なくとも一つは、その
    孔径が、0.2 〜 0.5 μm であることを特徴とす
    る請求項1または2記載の培養装置。
  4. 【請求項4】上記濾過材のうち少なくとも一つは、滅菌
    フィルタであることを特徴とする請求項1または2記載
    の培養装置。
  5. 【請求項5】上記フィルタの処理能力は、内界側に配置
    されているものほど大きいことを特徴とする請求項1記
    載の培養装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017169518A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 株式会社Ihi 培養システム
US11421195B2 (en) 2017-09-19 2022-08-23 Ihi Corporation Culture device

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