JPH0526864B2 - - Google Patents
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- JPH0526864B2 JPH0526864B2 JP60189315A JP18931585A JPH0526864B2 JP H0526864 B2 JPH0526864 B2 JP H0526864B2 JP 60189315 A JP60189315 A JP 60189315A JP 18931585 A JP18931585 A JP 18931585A JP H0526864 B2 JPH0526864 B2 JP H0526864B2
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- Coating With Molten Metal (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明はAlキルド鋼鋼板を素材に用いて、高
温におけるめつき層の光沢保持特性が優れた溶融
Alめつき鋼板を製造する方法に関する。 (従来技術) 鋼板にシリコン含有アルミニウムをめつきした
溶融Alめつき鋼板は高温においても銀白色の光
沢を保持する機能が優れているため、従来より
種々の耐熱用途に使用されている。この溶融Al
めつき鋼板は従来リムド鋼鋼板を素材に使用して
製造されていたが、近年スラブ連続鋳造化に伴い
Alキルド鋼鋼板を素材に使用して製造される割
合が著しく多くなつてきた。 しかし溶融Alめつき鋼板はいずれの素材を使
用したものでも、使用温度が550℃近辺になると、
めつき層が短時間に合金化し、黒色に変色する性
質がある。 めつき層のこの合金化による黒変色を改善する
方法としては、特公昭56−34629号公報や特公昭
57−36346号公報に開示されているが、いずれも
素材がリムド鋼やキヤツプド鋼の鋼板を使用して
製造する場合を対象とするものである。 例えば特公昭57−36346号公報の方法は、溶融
Alめつき鋼板を特定の温度範囲で所定時間加熱
処理して、(Al、Fe、Si)Mの金属間化合物を鋼
素地とめつき層の中間に形成させて、550℃近辺
でも銀白色の光沢を保持するようにしたものであ
るが、「一般に溶融アルミめつき鋼板は高温での
使用でも素材鋼の酸化を防止すると共に光沢保持
特性がすぐれているために、自動車マフラー、反
射板、フライパン等の光沢の要求される高温部材
に適用されることが多く、500℃以下の温度では
長時間の使用でも変色しないで銀白色の光沢を保
持し、酸化増量も微量である。」と従来の溶融Al
めつき鋼板は通常500℃の温度でめつき層の光沢
が保持されるように記載されている。しかしAl
キルド鋼鋼板を素材とする溶融Alめつき鋼板で
は350℃でもめつき層の合金化が進行して、黒変
色してしまうので、この方法の素材鋼板はリムド
鋼またはキヤツプド鋼の場合であり、このため実
施例では素材をすべてリムド鋼鋼板を素材として
いる。 また加熱処理で(Al、Fe、Si)Mの金属間化
合物が生じるのはリムド鋼またはキヤツプド鋼で
ある。例えばAlキルド鋼とN添加キヤツプド鋼
に溶融Alめつきを施して、500℃に加熱すること
により合金化の過程を調査した「加熱時における
Alめつき鋼板のめつき層合金化におよぼす鋼中
Nの影響」(鉄と鋼、70、5、1984、S475)に
は、素材鋼板がN添加キヤツプド鋼であると、
(Al、Fe、Si)Mの金属間化合物が生じるが、Al
キルド鋼では生じないと報告されている。 また特公昭57−36346号公報の方法は鋼板中の
総炭素量と固溶窒素量とを所定の範囲内に調整し
て、550℃近辺でも銀白色の光沢を保持するよう
にしたものであるが、固溶窒素は0.006重量%以
上含有させることを必須の条件としている。しか
し一般にAlキルド鋼の固溶窒素量を0.006重量%
以上にすることは工業上極めて困難であるので、
この方法の場合も素材鋼板はリムド鋼またはキヤ
ツプド鋼を対象とするものである。 (発明が解決しようとする問題点) このように従来示されているめつき層の黒変色
改善方法はいずれも素材鋼板がリムド鋼やキヤツ
プド鋼である溶融Alめつき鋼板を対象とするも
ので、Alキルド鋼を素材鋼板とする溶融Alめつ
き鋼板のめつき層黒変色改善方法はまだ確立され
ていないものであつた。 (問題点を解決するための手段) そこで本発明者らはAlキルド鋼を素材鋼板と
する溶融Alめつき鋼板で、高温でもめつき層が
黒変色しないものの製造方法を確立すべく、種々
検討した結果、素材鋼板として、Alを0.02%未満
と低くして、フリーNを残存させたAlキルド鋼
を用いて、この鋼板を溶融Alめつき後加熱処理
すれば、フリーNが鋼板表面に拡散されて、めつ
き層と鋼板との境界に合金化を抑制するAlNの
バリヤー層が形成され、使用温度が550℃近辺と
高温であつても、めつき層が黒変色しないことを
見出した。 かくして本発明者らはC0.20%以下、Mn0.10〜
0.40%、Al0.005%以上0.02%未満、N0.0005〜
0.0060%、残部Feおよび不可避的不純物である
Alキルド鋼鋼板にSiを1〜15%含有させたAlの
溶融めつきを施し、その後昇温速度300℃/hr以
下で加熱して、350〜500℃の温度に30分以上保持
することを特徴とする高温におけるめつき層光沢
保持特性に優れた溶融Alめつき鋼板の製造法を
開発したのである。 次に本発明の鋼板成分と製造条件の限定理由を
述べる。 (1) 鋼板成分限定理由 Cはあまり高すぎると、鋼の加工性やAl−
Si溶融めつき性を低下させるので、0.20%以下
とした。 Mnは0.10%未満であると、SをMnSとして
固定できず、鋼の熱間加工性を低下させ、また
0.40%を越えると、鋼の加工性を低下させるの
で、0.10〜0.40%とした。 Alは鋼板の脱酸、Nの固定のために添加す
るものであるが、添加量を0.02%未満と通常の
Alキルド鋼の0.02〜0.08%より低くすると、
AlNの生成が極めて緩慢になり、フリーNが
残存した状態になることが見出されたのであ
る。このフリーNは溶融Alめつきの際のヒー
トサイクルによつても全部がAlNとならず、
めつき後加熱されたときめつき層と鋼板との境
界にAlNを形成して、合金化を抑制し、めつ
き層を光沢のある状態に保つのである。Alが
0.02%以上であると、溶融Alめつき完了時まで
にすべてAlNとなつてしまい、めつき後加熱
すると、めつき層は合金化し、黒変色してしま
う。一方Alは0.005%未満であると、脱酸力が
弱く、Alキルド鋼を連続鋳造法により安定し
て製造することが困難となる。以上の理由によ
りAlは0.005%以上、0.02%未満としたのであ
る。 Nはめつき層の光沢保持性を向上させるため
に重要な元素で、溶融Alめつき鋼板にフリー
Nが存在すると、加熱時に鋼板表面に拡散し、
めつき層のAlと反応して、鋼板とめつき層と
の境界にAlNのバリヤー層を形成し、合金化
を抑制する。Nは0.0005%未満であると、これ
らの効果が小さく、0.0060%を越えると、鋼の
加工性が低下するので、0.0005〜0.0060%とし
た。 (2) Alめつき層の限定理由 Siが1.0%未満であると、めつき層の金属間
化合物成長を抑制する効果がなくなり、金属間
化合物が著しく厚くなつて、めつき層の加工性
が低下してしまう。一方15%を越えると、めつ
き層中に板状のSiが点在するようになつて、め
つき層の加工性が低下してしまう。このためSi
は1.0〜15%とした。 (3) 溶融Alめつき鋼板の加熱処理条件限定理由 加熱速度を300℃/hrより速くすると、めつ
き層の光沢保持特性が低下し、めつき層が黒変
色してしまう。この理由は必ずしも明確ではな
いが、加熱速度が速いと、鋼中のフリーNが鋼
板表面に拡散してめつき層合金化抑制効果を発
揮する前に鋼中Alと鋼中で反応してしまうた
めと考えられる。 加熱温度は350℃未満であると、鋼板表面へ
のフリーNの拡散が不十分となり、また500℃
を越えると、鋼中のNとAlとが反応して、鋼
中でAlNが形成されるため、フリーNが減少
する。このためいずれの場合もめつき層合金化
抑制効果が低下する。 加熱時間は30分未満であると、フリーNが鋼
板表面へ十分拡散せず、めつき層の合金化を抑
制できない。 次に実施例により本発明を説明する。 (実施例) 転炉、RH脱ガス、連続鋳造の工程により
C0.03%、Si0.01%、Mn0.26%、P0.015%、
S0.010%、Al0.008〜0.04%、N0.0003〜0.0050%
のAlキルド鋼鋳片を製造して、仕上圧延温度890
〜920℃、巻取温度500〜530℃で板厚2.7mmに熱延
した後、酸洗して、0.8mmの厚さに冷延した。 次に得られた冷延鋼帯をセンジマー型連続溶融
Alめつきラインに通板して、Siを9%添加した
Alめつき浴でめつきして、片面当りの付着量が
30g/m2である溶融Alめつき鋼板を製造した。 その後この溶融Alめつき鋼板をOCA焼鈍炉に
入れて、表1に示す条件で加熱処理し、冷却後伸
び率1.0%の調質圧延を施した。 一方比較材として、転炉、造塊、分塊の工程に
よりC0.06%、Si tr、Mn0.28%、P0.014%、
S0.014%、Al0.001%、N0.0035%のリムド鋼鋳片
を製造し、これを前記Alキルド鋼の場合と同一
要領で熱延、冷延、Alめつきして、溶融Alめつ
き鋼板とした。 次に以上のようにして製造したAlキルド鋼鋼
板およびリムド鋼鋼板を素材とする溶融Alめつ
き鋼板をともに大気中で350℃で1000時間、500℃
で1000時間、550℃で100時間加熱することにより
耐熱試験を行ない、表面外観を調査した。表1に
この結果を示す。
温におけるめつき層の光沢保持特性が優れた溶融
Alめつき鋼板を製造する方法に関する。 (従来技術) 鋼板にシリコン含有アルミニウムをめつきした
溶融Alめつき鋼板は高温においても銀白色の光
沢を保持する機能が優れているため、従来より
種々の耐熱用途に使用されている。この溶融Al
めつき鋼板は従来リムド鋼鋼板を素材に使用して
製造されていたが、近年スラブ連続鋳造化に伴い
Alキルド鋼鋼板を素材に使用して製造される割
合が著しく多くなつてきた。 しかし溶融Alめつき鋼板はいずれの素材を使
用したものでも、使用温度が550℃近辺になると、
めつき層が短時間に合金化し、黒色に変色する性
質がある。 めつき層のこの合金化による黒変色を改善する
方法としては、特公昭56−34629号公報や特公昭
57−36346号公報に開示されているが、いずれも
素材がリムド鋼やキヤツプド鋼の鋼板を使用して
製造する場合を対象とするものである。 例えば特公昭57−36346号公報の方法は、溶融
Alめつき鋼板を特定の温度範囲で所定時間加熱
処理して、(Al、Fe、Si)Mの金属間化合物を鋼
素地とめつき層の中間に形成させて、550℃近辺
でも銀白色の光沢を保持するようにしたものであ
るが、「一般に溶融アルミめつき鋼板は高温での
使用でも素材鋼の酸化を防止すると共に光沢保持
特性がすぐれているために、自動車マフラー、反
射板、フライパン等の光沢の要求される高温部材
に適用されることが多く、500℃以下の温度では
長時間の使用でも変色しないで銀白色の光沢を保
持し、酸化増量も微量である。」と従来の溶融Al
めつき鋼板は通常500℃の温度でめつき層の光沢
が保持されるように記載されている。しかしAl
キルド鋼鋼板を素材とする溶融Alめつき鋼板で
は350℃でもめつき層の合金化が進行して、黒変
色してしまうので、この方法の素材鋼板はリムド
鋼またはキヤツプド鋼の場合であり、このため実
施例では素材をすべてリムド鋼鋼板を素材として
いる。 また加熱処理で(Al、Fe、Si)Mの金属間化
合物が生じるのはリムド鋼またはキヤツプド鋼で
ある。例えばAlキルド鋼とN添加キヤツプド鋼
に溶融Alめつきを施して、500℃に加熱すること
により合金化の過程を調査した「加熱時における
Alめつき鋼板のめつき層合金化におよぼす鋼中
Nの影響」(鉄と鋼、70、5、1984、S475)に
は、素材鋼板がN添加キヤツプド鋼であると、
(Al、Fe、Si)Mの金属間化合物が生じるが、Al
キルド鋼では生じないと報告されている。 また特公昭57−36346号公報の方法は鋼板中の
総炭素量と固溶窒素量とを所定の範囲内に調整し
て、550℃近辺でも銀白色の光沢を保持するよう
にしたものであるが、固溶窒素は0.006重量%以
上含有させることを必須の条件としている。しか
し一般にAlキルド鋼の固溶窒素量を0.006重量%
以上にすることは工業上極めて困難であるので、
この方法の場合も素材鋼板はリムド鋼またはキヤ
ツプド鋼を対象とするものである。 (発明が解決しようとする問題点) このように従来示されているめつき層の黒変色
改善方法はいずれも素材鋼板がリムド鋼やキヤツ
プド鋼である溶融Alめつき鋼板を対象とするも
ので、Alキルド鋼を素材鋼板とする溶融Alめつ
き鋼板のめつき層黒変色改善方法はまだ確立され
ていないものであつた。 (問題点を解決するための手段) そこで本発明者らはAlキルド鋼を素材鋼板と
する溶融Alめつき鋼板で、高温でもめつき層が
黒変色しないものの製造方法を確立すべく、種々
検討した結果、素材鋼板として、Alを0.02%未満
と低くして、フリーNを残存させたAlキルド鋼
を用いて、この鋼板を溶融Alめつき後加熱処理
すれば、フリーNが鋼板表面に拡散されて、めつ
き層と鋼板との境界に合金化を抑制するAlNの
バリヤー層が形成され、使用温度が550℃近辺と
高温であつても、めつき層が黒変色しないことを
見出した。 かくして本発明者らはC0.20%以下、Mn0.10〜
0.40%、Al0.005%以上0.02%未満、N0.0005〜
0.0060%、残部Feおよび不可避的不純物である
Alキルド鋼鋼板にSiを1〜15%含有させたAlの
溶融めつきを施し、その後昇温速度300℃/hr以
下で加熱して、350〜500℃の温度に30分以上保持
することを特徴とする高温におけるめつき層光沢
保持特性に優れた溶融Alめつき鋼板の製造法を
開発したのである。 次に本発明の鋼板成分と製造条件の限定理由を
述べる。 (1) 鋼板成分限定理由 Cはあまり高すぎると、鋼の加工性やAl−
Si溶融めつき性を低下させるので、0.20%以下
とした。 Mnは0.10%未満であると、SをMnSとして
固定できず、鋼の熱間加工性を低下させ、また
0.40%を越えると、鋼の加工性を低下させるの
で、0.10〜0.40%とした。 Alは鋼板の脱酸、Nの固定のために添加す
るものであるが、添加量を0.02%未満と通常の
Alキルド鋼の0.02〜0.08%より低くすると、
AlNの生成が極めて緩慢になり、フリーNが
残存した状態になることが見出されたのであ
る。このフリーNは溶融Alめつきの際のヒー
トサイクルによつても全部がAlNとならず、
めつき後加熱されたときめつき層と鋼板との境
界にAlNを形成して、合金化を抑制し、めつ
き層を光沢のある状態に保つのである。Alが
0.02%以上であると、溶融Alめつき完了時まで
にすべてAlNとなつてしまい、めつき後加熱
すると、めつき層は合金化し、黒変色してしま
う。一方Alは0.005%未満であると、脱酸力が
弱く、Alキルド鋼を連続鋳造法により安定し
て製造することが困難となる。以上の理由によ
りAlは0.005%以上、0.02%未満としたのであ
る。 Nはめつき層の光沢保持性を向上させるため
に重要な元素で、溶融Alめつき鋼板にフリー
Nが存在すると、加熱時に鋼板表面に拡散し、
めつき層のAlと反応して、鋼板とめつき層と
の境界にAlNのバリヤー層を形成し、合金化
を抑制する。Nは0.0005%未満であると、これ
らの効果が小さく、0.0060%を越えると、鋼の
加工性が低下するので、0.0005〜0.0060%とし
た。 (2) Alめつき層の限定理由 Siが1.0%未満であると、めつき層の金属間
化合物成長を抑制する効果がなくなり、金属間
化合物が著しく厚くなつて、めつき層の加工性
が低下してしまう。一方15%を越えると、めつ
き層中に板状のSiが点在するようになつて、め
つき層の加工性が低下してしまう。このためSi
は1.0〜15%とした。 (3) 溶融Alめつき鋼板の加熱処理条件限定理由 加熱速度を300℃/hrより速くすると、めつ
き層の光沢保持特性が低下し、めつき層が黒変
色してしまう。この理由は必ずしも明確ではな
いが、加熱速度が速いと、鋼中のフリーNが鋼
板表面に拡散してめつき層合金化抑制効果を発
揮する前に鋼中Alと鋼中で反応してしまうた
めと考えられる。 加熱温度は350℃未満であると、鋼板表面へ
のフリーNの拡散が不十分となり、また500℃
を越えると、鋼中のNとAlとが反応して、鋼
中でAlNが形成されるため、フリーNが減少
する。このためいずれの場合もめつき層合金化
抑制効果が低下する。 加熱時間は30分未満であると、フリーNが鋼
板表面へ十分拡散せず、めつき層の合金化を抑
制できない。 次に実施例により本発明を説明する。 (実施例) 転炉、RH脱ガス、連続鋳造の工程により
C0.03%、Si0.01%、Mn0.26%、P0.015%、
S0.010%、Al0.008〜0.04%、N0.0003〜0.0050%
のAlキルド鋼鋳片を製造して、仕上圧延温度890
〜920℃、巻取温度500〜530℃で板厚2.7mmに熱延
した後、酸洗して、0.8mmの厚さに冷延した。 次に得られた冷延鋼帯をセンジマー型連続溶融
Alめつきラインに通板して、Siを9%添加した
Alめつき浴でめつきして、片面当りの付着量が
30g/m2である溶融Alめつき鋼板を製造した。 その後この溶融Alめつき鋼板をOCA焼鈍炉に
入れて、表1に示す条件で加熱処理し、冷却後伸
び率1.0%の調質圧延を施した。 一方比較材として、転炉、造塊、分塊の工程に
よりC0.06%、Si tr、Mn0.28%、P0.014%、
S0.014%、Al0.001%、N0.0035%のリムド鋼鋳片
を製造し、これを前記Alキルド鋼の場合と同一
要領で熱延、冷延、Alめつきして、溶融Alめつ
き鋼板とした。 次に以上のようにして製造したAlキルド鋼鋼
板およびリムド鋼鋼板を素材とする溶融Alめつ
き鋼板をともに大気中で350℃で1000時間、500℃
で1000時間、550℃で100時間加熱することにより
耐熱試験を行ない、表面外観を調査した。表1に
この結果を示す。
【表】
【表】
○ 銀白色の光沢保持
× 灰黒色に変色
表1の結果より本発明法により製造した溶融
Alめつき鋼板は550℃に加熱してもめつき層は黒
変色せず、高温での光沢保持特性に優れている。 また比較材のリムド鋼鋼板を素材とする溶融
Alめつき鋼板よりも光沢保持特性は優れている。 (効果) 以上のごとく、本発明によれば、リムド鋼より
安価で、加工性の優れたAlキルド鋼の鋼板を素
材として、高温における光沢保持特性の優れた溶
融Alめつき鋼板を製造することができるので、
溶融Alめつき鋼板の耐熱用途への使用を拡大す
ることができる。
× 灰黒色に変色
表1の結果より本発明法により製造した溶融
Alめつき鋼板は550℃に加熱してもめつき層は黒
変色せず、高温での光沢保持特性に優れている。 また比較材のリムド鋼鋼板を素材とする溶融
Alめつき鋼板よりも光沢保持特性は優れている。 (効果) 以上のごとく、本発明によれば、リムド鋼より
安価で、加工性の優れたAlキルド鋼の鋼板を素
材として、高温における光沢保持特性の優れた溶
融Alめつき鋼板を製造することができるので、
溶融Alめつき鋼板の耐熱用途への使用を拡大す
ることができる。
Claims (1)
- 1 C0.20%以下、Mn0.10〜0.40%、Al0.005%以
上0.02%未満、N0.0005〜0.0060%、残部Feおよ
び不可避的不純物であるAlキルド鋼鋼板にSiを
1〜15%含有させたAlの溶融めつきを施し、そ
の後昇温速度300℃/hr以下で加熱して、350〜
500℃の温度に30分以上保持することを特徴とす
る高温におけるめつき層光沢保持特性に優れた溶
融Alめつき鋼板の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18931585A JPS6250454A (ja) | 1985-08-28 | 1985-08-28 | 高温におけるめつき層光沢保持特性に優れた溶融a1めつき鋼板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18931585A JPS6250454A (ja) | 1985-08-28 | 1985-08-28 | 高温におけるめつき層光沢保持特性に優れた溶融a1めつき鋼板の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6250454A JPS6250454A (ja) | 1987-03-05 |
JPH0526864B2 true JPH0526864B2 (ja) | 1993-04-19 |
Family
ID=16239297
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18931585A Granted JPS6250454A (ja) | 1985-08-28 | 1985-08-28 | 高温におけるめつき層光沢保持特性に優れた溶融a1めつき鋼板の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6250454A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01279739A (ja) * | 1988-04-30 | 1989-11-10 | Nisshin Steel Co Ltd | 耐熱性にすぐれた溶融アルミニウムめっき鋼板の製造方法 |
FR2754544B1 (fr) | 1996-10-10 | 1998-11-06 | Lorraine Laminage | Tole aluminiee a faible emissivite |
US7968210B2 (en) | 2005-02-10 | 2011-06-28 | Nippon Steel Corporation | Aluminum type plated steel sheet and heat shrink band using the same |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5736346A (ja) * | 1980-08-12 | 1982-02-27 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | Maikuropuroguramuseigyohoshiki |
JPS5849620A (ja) * | 1981-09-17 | 1983-03-23 | Sumitomo Chem Co Ltd | ガリウムの回収法 |
-
1985
- 1985-08-28 JP JP18931585A patent/JPS6250454A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5736346A (ja) * | 1980-08-12 | 1982-02-27 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | Maikuropuroguramuseigyohoshiki |
JPS5849620A (ja) * | 1981-09-17 | 1983-03-23 | Sumitomo Chem Co Ltd | ガリウムの回収法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6250454A (ja) | 1987-03-05 |
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