JPH0526613A - 走査トンネル顕微鏡用探針の製造方法 - Google Patents

走査トンネル顕微鏡用探針の製造方法

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JPH0526613A
JPH0526613A JP3184471A JP18447191A JPH0526613A JP H0526613 A JPH0526613 A JP H0526613A JP 3184471 A JP3184471 A JP 3184471A JP 18447191 A JP18447191 A JP 18447191A JP H0526613 A JPH0526613 A JP H0526613A
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JP
Japan
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probe
tungsten wire
wire
tip
etching
Prior art date
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Pending
Application number
JP3184471A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Kusumoto
修 楠本
Takao Toda
隆夫 任田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 先端の曲率半径が小さく、表面が清浄な探針
の製造方法を提供する。 【構成】 タングステン線2の側方よりタングステン線
の特定部分にのみ粒子線を照射し、ドライエッチングに
より切断する。切断した後、少なくとも切断された一方
の金属細線への粒子線照射を停止する。 【効果】 クリーンプロセスであるドライエッチングを
用いるため、表面が清浄な探針を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は走査トンネル顕微鏡(以
後STMと記す)用探針の製造方法に関し、とりわけ先
端曲率半径が小さく、表面が清浄な金属探針の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】固体表面を原子オーダで観察できる装置
としてSTMが開発されている。STMは先端の尖った
探針を試料表面から約10オングストロームの高さに保
ち、探針と試料との間に電圧を印加し、その時に流れる
トンネル電流を検知しながら試料表面を走査することに
より、試料表面上の原子の配置や状態を観察するもので
ある。このSTMの分解能や再現性は、探針の先端部の
曲率半径や清浄度に大きく依存する。
【0003】従来、この様な探針の作製には、タングス
テン細線をKOH水溶液を用いて特定部を電解エッチン
グし、切断する方法[ジャーナル・オブ・バキュウム・
サイエンス・アンド・テクノロジーA8(4)(1990年)第357
0頁から第3575頁(J.Vac.Sci.Technol.A8(4),3570-357
5,1990)]や、Mo単結晶を電解エッチングして作製し
た探針の先端に、高速イオンを照射してエッチングする
方法[ジャーナル・オブ・バキュウム・サイエンス・ア
ンド・テクノロジーA9(1)(1991年)第167頁から第169頁
(J.Vac.Sci.Technol.A9(1),167-169,1991)]が用いら
れていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】金属細線をKOHなど
の電解液を用いて特定部を電解エッチングし、切断する
方法においては、探針先端の曲率半径が5nm程度の極め
て優れたものが得られているが、表面に酸化層が形成さ
れ、安定したSTM像が再現性よく得られないという課
題がある。
【0005】電解エッチングなどで作製した探針の先端
に、高速イオンを照射してスパッタエッチングする方法
においては、探針の酸化層は除去できるが、スパッタエ
ッチング時間の最適値の検出が困難であり、長時間スパ
ッタエッチングした場合、探針先端の曲率半径がかえっ
て大きくなったり、先端が荒れたりするという課題があ
る。
【0006】本発明は、探針先端部の曲率半径が小さ
く、表面が酸化層などの汚染物質で覆われていない清浄
なSTM用探針を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】金属または非金属の細線
を真空中で固定し、前記細線の側方より、前記細線の特
定部分にのみ粒子線を照射し、前記特定部分をエッチン
グする第1の工程と、前記第1の工程により前記細線を
切断した後、切断された細線のうち少なくとも一方への
粒子線照射を瞬時に停止する第2の工程とを含むことを
特徴とする走査トンネル顕微鏡用探針の製造方法により
前記目的を達成できる。
【0008】
【作用】上記の製造方法においては、基本的にドライプ
ロセスであるため、探針表面の汚染を効果的に防止する
ことができる。さらにドライエッチングにより細線が切
断された後、瞬時に粒子線の照射を停止するためため、
探針先端の曲率半径のきわめて小さなSTM用探針を形
成できるものである。
【0009】
【実施例】
(実施例1)図1に、本実施例で用いたドライエッチン
グ装置の断面図を示す。真空容器1の中央部には、タン
グステン線2を保持する細線保持具3が配置されてい
る。細線保持具3は外部のモーター4に磁気的に結合さ
れている。イオン源5は、タングステン線2の側方に置
かれている。イオン源5の前には、静電型レンズ6およ
びアパーチャ7が配置されている。タングステン線2の
下には細線(探針)を倒れないように保持するための、
くぼみ部を形成した探針保持具8がタングステン線2の
下端から少しはなれて設置されている。真空容器1に
は、真空排気系11が設けられている。
【0010】ドライエッチングによるタングステン線の
エッチング・切断は、以下のように行った。直径0.1mm
のタングステン線2を細線保持具3に固定した。細線保
持具3はモーター4によって回転数1rpmで回転させ
た。真空容器1を5×10ー6Torr以下の圧力に排気した
後、イオン源5により加速電圧2kV、イオン電流100mAの
アルゴンイオンビームを発生させた。このイオンビーム
を、500Vの電圧をかけた静電型レンズにより絞り、直径
1mmのアパーチャを通してタングステン線に照射した。
この状態を約10時間保持することにより、タングステン
線2はイオンビームを照射した部分で切断された。切断
された部分は、切断されると同時にイオンビーム軌道か
ら離れ、探針保持具8のくぼみに落下した。
【0011】探針保持具によって保持されている部分の
切断部を、TEMで観察したところ、探針先端の曲率半
径は10nm以下であることが判明した。またTEM観察と
同時に行った探針先端部分の電子線プローブマイクロ分
析による元素分析から、探針表面に酸化層は形成されて
いないことが判明した。この探針が取り付けられたST
MによりSi表面の原子像を安定に、かつ再現性よく観
察することができた。
【0012】なお、細線保持具33を回転させない状態
でもエッチングを行ったが、この場合も先端曲率半径10
nm以下の探針を作成することができた。ただし、探針の
先端部分の左右対称性は、細線保持具33を回転させて
作成した探針よりも劣っていた。
【0013】細線への粒子線照射を瞬時に停止する手段
として、本実施例ではタングステン線の上部のみを固定
し、切断時に下方に落下してイオンビームの軌道から離
れたタングステン線を探針として使用したが、光学的、
あるいは電気的にタングステン線が切断されたことを検
出し、瞬時にイオン源からのイオン放出を停止する、あ
るいはタングステン線の手前に置いたシャッターを瞬時
に閉じて、エッチングを停止させることも可能であっ
た。これらの場合は細線保持具に残っているタングステ
ン線も探針として使用することができた。
【0014】また、イオン源の前に電荷中和用フィラメ
ントを置き、中性のアルゴン粒子線を用いたときも同様
な効果が得られた。この場合はCrO2,TiCなどの非金属の
探針を作成することも可能であった。
【0015】また、2組のイオン源を対向させ、その中
心にタングステン線を配置してエッチングを行った場合
は約5時間で切断することができた。
【0016】(実施例2)あらかじめタングステン線に
くびれを形成してから、ドライエッチングにより切断し
た例を以下に示す。
【0017】図2に、ドライエッチングを行う前に、タ
ングステン線にくびれを形成するために用いた、電解エ
ッチング装置の断面図を示す。ビーカー21には1規定
のKOH水溶液22が入れられている。この水溶液中に
設置された円状の白金電極23の中心に、タングステン
線24が置かれている。白金電極23とタングステン線
24の間には、交流電源25が接続されている。この装
置によって、以下のようにしてタングステン線にくびれ
を形成した。
【0018】直径0.2mmのタングステン線の先端10mm程
度を、1規定のKOH水溶液中に浸し、白金電極とタン
グステン線との間に5Vの交流電圧を印加した。この状
態を約1分間保持することにより、タングステン線の、
KOH水溶液と空気の界面付近に位置する部分にくびれ
を形成した。このタングステン線をSEM観察したとこ
ろ、このくびれ部分の直径は約50μmであった。
【0019】このようにして作成した、くびれを有する
タングステン線のドライエッチング・切断は以下のよう
に行った。
【0020】図3に、くびれを有するタングステン線
を、くびれ部分で切断するためのドライエッチング装置
の断面図を示す。真空容器31の中央部には、くびれを
有するタングステン線310を、保持する細線保持具3
3が配置されている。細線保持具33は、外部のモータ
ー34に磁気的に結合されている。イオン源35は、く
びれを有するタングステン線310の側方に置かれてい
る。イオン源35の前には、イオンビームがタングステ
ン線310のくびれ部分に照射されるように、静電型レ
ンズ36およびアパーチャ37が配置されている。タン
グステン線の下には、細線(探針)を倒れないように保
持するための、くぼみ部を形成した探針保持具38が、
くびれを有するタングステン線310の下端から少しは
なれて設置されている。真空容器31には、真空排気系
39が設けられている。この装置を用いて、ドライエッ
チングを以下のように行った。
【0021】くびれを有するタングステン線310を細
線保持具33に固定した。細線保持具33は、モーター
34によって回転数1rpmで回転させた。真空容器3
1を5×10ー6Torr以下の圧力に排気した後、イオン源3
5により加速電圧2kV、イオン電流100mAのアルゴンイオ
ンビームを発生させた。このイオンビームを、500Vの電
圧をかけた静電型レンズにより絞り、直径1mmのアパー
チャ37を通してタングステン線のくびれ部分に照射し
た。この状態を約2時間保持することにより、くびれを
有するタングステン線310はイオンビームを照射した
部分で切断された。切断されたタングステン線くびれ下
部分は、切断されると同時に落下し、イオンビーム軌道
から離れ、探針保持具38のくぼみに落下した。この方
法では、あらかじめくびれを形成しない方法に比べ、半
分以下の時間で切断することができた。
【0022】くぼみに落ち込んだ探針の切断部をTEM
で観察したところ、探針先端の曲率半径は10nm以下であ
ることが判明した。またTEM観察と同時に行った探針
先端部分の電子線プローブマイクロ分析による元素分析
から、探針表面に酸化層は形成されていないことが判明
した。この探針が取り付けられたSTMにより、Si表
面の原子像を安定に、かつ再現性よく観察することが出
来た。
【0023】なお、細線保持具33を回転させない状態
でもエッチングを行ったが、この場合も先端曲率半径10
nm以下の探針を作成することができた。ただし、探針の
先端部分の左右対称性は、細線保持具33を回転させて
作成した探針よりも劣っていた。
【0024】細線への粒子線照射を瞬時に停止する手段
として、本実施例ではタングステン線の上部のみを固定
し、切断時に下方に落下してイオンビームの軌道から離
れたタングステン線を探針として使用したが、光学的、
あるいは電気的にタングステン線が切断されたことを検
出し、瞬時にイオン源からのイオン放出を停止する、あ
るいはタングステン線の手前に置いたシャッターを瞬時
に閉じて、エッチングを停止させることも可能であっ
た。これらの場合は細線保持具に残っているタングステ
ン線も探針として使用することができた。
【0025】また、イオン源の前に電荷中和用フィラメ
ントを置き、中性のアルゴン粒子線を用いたときも同様
な効果が得られた。この場合はCrO2,TiCなどの非金属の
探針を作成することも可能であった。
【0026】また、2組のイオン源を対向させ、その中
心にタングステン線を配置してエッチングを行った場合
は約1時間で切断することができた。
【0027】
【発明の効果】本発明によって、従来、作製困難であっ
た100Å以下の先端曲率半径を有し、酸化層などの表
面の汚染がないSTM用探針を容易に作製することが可
能となり、STMにより、分解能が非常に高く、安定
に、再現性よく試料表面を原子オーダで観察することが
可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるSTM用探針の製造
プロセスで用いたドライエッチング装置の断面図
【図2】本発明の他の実施例におけるSTM用探針の製
造プロセスで用いた電解エッチング装置の断面図
【図3】本発明の他の実施例におけるSTM用探針の製
造プロセスで用いたドライエッチング装置の断面図
【符号の説明】
1 真空容器 2 タングステン線 3 細線保持具 4 モーター 5 イオン源 6 静電型レンズ 7 アパーチャ 8 探針保持具 9 真空排気系

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属または非金属の細線を真空中で固定
    し、前記細線の側方より、前記細線の特定部分にのみ粒
    子線を照射し、前記特定部分をエッチングする第1の工
    程と、前記第1の工程により前記細線を切断した後、切
    断された前記細線のうち少なくとも一方への粒子線照射
    を瞬時に停止する第2の工程とを含むことを特徴とする
    走査トンネル顕微鏡用探針の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の第1の工程を行う前に、金
    属または非金属の細線にくびれ部分を予め形成しておく
    ことを特徴とする請求項1記載の走査トンネル顕微鏡用
    探針の製造方法。
  3. 【請求項3】金属または非金属の細線を回転させながら
    エッチングを行う請求項1、2に記載の走査トンネル顕
    微鏡用探針の製造方法。
  4. 【請求項4】複数の方向から粒子線を照射する請求項1
    または2記載の走査トンネル顕微鏡用探針の製造方法。
JP3184471A 1991-07-24 1991-07-24 走査トンネル顕微鏡用探針の製造方法 Pending JPH0526613A (ja)

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JP3184471A JPH0526613A (ja) 1991-07-24 1991-07-24 走査トンネル顕微鏡用探針の製造方法

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JP3184471A Pending JPH0526613A (ja) 1991-07-24 1991-07-24 走査トンネル顕微鏡用探針の製造方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017067570A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 学校法人金沢工業大学 試料保持・走査機構、走査型プローブ顕微鏡及び探針の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017067570A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 学校法人金沢工業大学 試料保持・走査機構、走査型プローブ顕微鏡及び探針の製造方法

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