JPH0526537Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、受変電設備における高電圧線路の
線路電圧の有無を検出する検電装置に関するもの
である。

〔従来の技術〕

第６図は、例えば実開昭58−172877号公報に示
された従来の検電装置を示す側面図である。

図において、１はアンテナ、２は架台、３はア
ンテナ１を架台２から絶縁して固定する碍管など
の絶縁部材、４は、アンテナ１の静電誘導電流を
検出して、線路電圧の有無を表示する検電器本
体、５はアンテナ１と検電器本体４とを接続する
同軸ケーブル、６は受変電設備の高電圧線路であ
る。

次に動作について説明する。

受変電設備の高電圧線路６に高電圧が印加され
ていると、アンテナ１には、上記高電圧線路６と
の間の静電容量Ｃにより、静電誘導電流が流れ
る。

この静電誘導電流は、同軸ケーブル５を通つて
検電器本体４に伝えられ、検電器本体４で上記静
電誘導電流を検出し、高電圧線路６に高電圧が課
電されていることを表示する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の検電装置は以上のように構成されている
ので、アンテナ１を架台２に固定した絶縁部材３
は外気に曝されており、汚損物が付着したり、降
雨時に水滴の付着によつて絶縁抵抗が低下するこ
とがある。この絶縁抵抗の低下は静電誘導電流の
架台２への分流を発生させる原因となつて検電器
本体４の感度を低下させ、極端な場合には高電圧
線路６に高電圧が印加されていても、検電器本体
４は、「線路無課電」の表示をすることがあると
いう問題点があつた。

この考案は、上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、汚損が激しい場所や、屋外
の降雨時においても高電圧線路６の電圧の有無を
正確に表示できる装置を得ることを目的する。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係る検電装置は、絶縁部材を貫通し
て絶縁部材で支持されたアンテナを電線路から所
定の距離をあけて配置し、絶縁部材の上端を密閉
して絶縁部材の上端でアンテナと電気的に接続さ
れて下端が開口し、絶縁部材の外周から所定の間
隔をあけた金属製カバーで絶縁部材を囲繞したも
のである。

〔作用〕

この考案における検電装置は、絶縁部材の上端
を密閉した金属製のカバーをアンテナと電気的に
接続したので、絶縁部材の表面に異物や雨滴が付
着するのを防止し、絶縁抵抗の低下を防止でき
る。さらに、電線路とアンテナとの間の静電容量
を増大できる。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。第１図において、１〜３は従来と同様であ
る。１０は金属製のカバーで、シール材１１によ
り絶縁部材３の上端部において、アンテナ１及び
絶縁部材３と水密に固着され、絶縁部材３の上端
でアンテナ１と接触して電気的に接続されてい
る。カバー１０は、端縁部が下方に折り曲げられ
たスカート部１０ａを有する筒状でスカート部１
０ａの下端と架台２との間には、降雨時でも水滴
でつながらない充分な距離ｄがあけられている。

次に動作について説明する。第１図における検
電装置は、絶縁部材３の上部がカバー１０で覆わ
れているので、汚損の激しい場所で使用される場
合や、降雨時においても、この部分に、汚損物や
水滴の付着を防止する。さらに、金属製のカバー
がアンテナと電気的に接続されているので、電線
路との対向面積が増えて電線路とアンテナとの間
に発生する静電容量が増大する。

第２図〜第４図は他の実施例によるカバーを示
すもので、何れの形状のものを用いても上記実施
例と同様の動作を期待できる。

第５図はさらに他の実施例を示すもので、アン
テナ１と密着して絶縁部材３の外周を囲繞したカ
バー１０すなわち第１のカバーの外周に一端がア
ンテナ１を挿入できる開口１２ａが設けられた第
２のカバー１２を配置し、この第２のカバー１２
の他端を架台２に取付けるようにしている。

これによつて、第２のカバー１２で雨水や塵埃
の侵入を防止し、開口１２ａから侵入した雨水
は、第２のカバー１２の他端に排水口１２ｂを設
けることにより、外部に排出できるようにされて
いる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば、絶縁部材の
表面抵抗を常に高い値に保持することができるの
で、汚損の激しい場所や、屋外の降雨時において
も、高電圧線路の電圧の有無を正確に検出するこ
とができる。さらに、電線路とアンテナとの間の
静電容量が増大するので、電線路の電圧の有無を
検出するのが容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す正面図、
第２図〜第５図はそれぞれこの考案の他の実施例
を示す正面図、第６図は、従来の検電装置を示す
正面図である。図において、１はアンテナ、２は
架台、３は絶縁部材、６は電線路、１０はカバー
である。なお各図中同一符号は同一又は相当部分
を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 受変電装置に電力を供給する電線路と大地との
   間に、絶縁部材を貫通して上記絶縁部材で支持さ
   れたアンテナを上記電源路から所定の距離をあけ
   て配置し、上記電線路の充電状態を検出する検電
   装置において、上記絶縁部材の上端を密閉して上
   記絶縁部材の上端で上記アンテナと電気的に接続
   されて下端が開口し、上記絶縁部材の外周から所
   定の間隔をあけた金属製のカバーで上記絶縁部材
   を囲繞したことを特徴とする検電装置。