JPH05263171A - 水素吸蔵合金とその電極および水素吸蔵合金電池 - Google Patents

水素吸蔵合金とその電極および水素吸蔵合金電池

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JPH05263171A
JPH05263171A JP5016985A JP1698593A JPH05263171A JP H05263171 A JPH05263171 A JP H05263171A JP 5016985 A JP5016985 A JP 5016985A JP 1698593 A JP1698593 A JP 1698593A JP H05263171 A JPH05263171 A JP H05263171A
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JP
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alloy
battery
hydrogen storage
electrode
hydrogen
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JP5016985A
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Inventor
Hiroaki Ono
博昭 小野
Shoichiro Tateishi
昭一郎 立石
Masayuki Hirota
正幸 廣田
Shuichi Wada
秀一 和田
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 下記のラ−ベス相化合物を第一相として含む
複数相より構成して、水素吸蔵量が多く、高率での放電
特性や低温での放電特性に優れるとともに、自己放電が
少ない水素吸蔵合金とその電極を提供し、この水素吸蔵
合金および電極を使用して、高容量、高エネルギ−密度
のアルカリ蓄電池(水素吸蔵合金電極)を得る。 【構成】 第一成分をNi、第二成分をZr、第三成分
をMn、第四成分をTiとし、さらに第五成分以下とし
て少なくとも一種の前記以外の元素を含み、Ni、Z
r、MnおよびTiの含有量をそれぞれa、b、cおよ
びd(いずれも原子比率)としたとき、b/a>5/8
かつc/a>11/20かつd/a>2/5を満たすラ
−ベス相化合物を第一相として含む複数相より構成され
ている水素吸蔵合金と、この水素吸蔵合金を用いた電極
並びに水素吸蔵合金電池

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気化学的に水素を吸
蔵および放出することが可能な水素吸蔵合金とそれを活
物質として用いた電極、およびその電極を用いた水素吸
蔵合金電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりアルカリ蓄電池として広く一般
に利用されてきたニッケル−カドミウム電池は、負極活
物質としてカドミウムが使用されていることから、これ
による環境汚染が指摘され、この電池に替わる低公害な
蓄電池が求められている。また、電子機器の小型化、コ
−ドレス化を進める上で、より高容量な小型二次電池が
必要とされるようになったこととあわせ、負極に水素吸
蔵合金を用いたニッケル−水素電池の研究、開発が急速
に進められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この負極用の水素吸蔵
合金としては、Ti−Ni系合金、Zr−Mn系合金や
希土類系合金などがよく知られている。Ti−Ni系や
Zr−Mn系では比較的高容量な合金が得られるもの
の、高率での放電において充分な特性が得られなかった
り、−20℃のような低温下において放電が困難になる
などの問題がある。
【0004】また、希土類系合金の容量は、Zr−Mn
系などの合金と比較して小さいため、それを用いたニッ
ケル−水素電池の重量エネルギ−密度は、高容量のニッ
ケル−カドミウム電池と同程度であり、さらなる高容量
化、高エネルギ−密度化が必要とされている。
【0005】アルカリ蓄電池の高容量化、高エネルギ−
密度化のためには、正極および負極のいずれかまたは両
方の高エネルギ−密度化を必要とする。しかしニッケル
−水素電池においては、正極に水酸化ニッケルを使用す
る限り、正極の大幅な高エネルギ−密度化は難しいた
め、負極の高容量化、高エネルギ−密度化が重要となっ
てくる。
【0006】本発明は上述の問題点を考慮し、水素吸蔵
量が多く、高率での放電特性や低温での放電特性に優
れ、また自己放電が少ないなど優れた特性を有する水素
吸蔵合金を開発し、さらに、高容量、高エネルギ−密度
のアルカリ蓄電池(水素吸蔵合金電池)を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の合金は、第一成
分をNi、第二成分をZr、第三成分をMn、第四成分
をTiとし、さらに第五成分以下として少なくとも1種
の前記以外の元素を含む合金、すなわち、Ni、Zr、
MnおよびTiの含有量をそれぞれa、b、cおよびd
(いずれも原子比率)としたとき、それぞれの含有量が
a>b>c>dの順になっており、さらにこれら以外の
含有量(原子比率)がTiよりも少ない元素を少なくと
も一種含む合金において、b/a>5/8かつc/a<
11/20かつd/a<2/5を満たすラ−ベス相化合
物を、主体(第一相)とする複数相より構成されている
ことを特徴とする水素吸蔵合金である。
【0008】この種の合金では、一般に、水素を可逆的
に吸蔵、放出させるために、多量の水素と容易に結合す
る元素とそれに可逆性をもたせる元素、すなわち水素の
放出を可能にする元素との組み合わせよりなる。そこで
水素と容易に結合する元素としてZrとTiを、水素の
放出を可能にする元素としてNiとMnを選択し、ラ−
ベス相化合物を形成する合金を得ることが提案されてい
る(特開昭60−241652、特開平4−26732
など)。
【0009】その理由は、Niは合金表面での反応の触
媒として作用し、特に電気化学的に水素を吸蔵、放出さ
せる際にはその速度すなわち放電特性の向上に役立つ
し、Zrは水素吸蔵の基となる元素で、水素吸蔵量、水
素平衡圧など水素吸蔵合金の基本的な特性の決定に大き
く影響するなどのためである。
【0010】しかし、かかる合金は必ずしも充分な特性
を有するものではなく、さらに空気中で発火しやすく、
電極作製における成形性にも劣るきらいがあった。
【0011】そこで本発明者らは、各構成元素の相互の
量的関係について考察した。すなわち、まずZrはNi
との関係においては、Zr、TiおよびNiを主体とす
るラ−ベス相以外の化合物をも形成し、その析出量は主
としてZrとNiの含有量に依存すること、すなわち、
Niの含有量をZrの含有量より多くする(つまりa>
bとする)ことにより、その析出量を好適な範囲に制御
できることを見い出した。
【0012】またこれにより、Zrの電解液中への溶出
が制御され、サイクル特性も向上させることができ、さ
らにZrとNiの量比b/aを5/8より大とすると、
水素平衡圧およびその温度特性が水素吸蔵合金電池の負
極活物質として特に好適となり、水素吸蔵量も多くする
ことができることを見い出した。
【0013】さらに、MnはZrとともに水素吸蔵合金
の第一相であるラ−ベス相化合物の形成に関与し、その
結晶構造を安定化させる役割をはたすため、水素平衡圧
とそのヒステリシスの大小および水素吸蔵量はMnとZ
rの含有量に大きく依存する。すなわち、Zrの含有量
をMnの含有量より多くする(つまりb>cとする)こ
とにより、広い組成範囲で、水素平衡圧を負極活物質と
して好適な範囲(例えば30℃において 0.1気圧〜3気
圧程度)に制御することが容易となり、この圧力範囲で
の水素吸蔵量を多くすることができることを見い出し
た。
【0014】またこれにより、水素吸蔵、放出における
ヒステリシスを小さくすることができるため、電極とし
て使用する際の放電率の向上につながり、合金の放電容
量を大きくすることができるし、さらに、MnとNiの
量比c/aを11/20より小とすることで、Mnの電
解液中への溶出が適度に制御され、サイクル特性が向上
し、自己放電特性も改善される。また、電極作製におけ
る成形性も良好となることを見い出した。
【0015】さらに本発明においては、次の諸点につい
ても明らかにすることができた。すなわち、TiはZr
と同じく水素吸蔵に関与し、またZrと共存させること
でラ−ベス相化合物の水素平衡圧の温度特性を改善した
りヒステリシスを小さくする効果がある。さらに、合金
粉末の表面に酸化物を形成し、合金粉末の耐酸化性を向
上させる役割をはたす。この酸化物の性質はTiとMn
の含有量に依存する。すなわち、Mnの含有量をTiの
含有量より多くする(つまりc>dとする)ことによ
り、表面でのNiの触媒反応に支障をきたさない程度の
疎な酸化膜となる。また、空気中より不純物として取り
込む窒素の量も少なくなる。さらに、TiとNiの量比
d/aを2/5より小とすることで酸化膜の厚さが好適
となり、優れた触媒能と耐酸化性を有する合金粉末とす
ることができることを見い出したのである。
【0016】そして驚くべきことに、以上の諸要件を満
たすことによって得られる合金は、ラ−ベス相を第一相
とする複数相となることである。かかる複数相とするこ
とにより、特に放電特性、サイクル特性に優れ、また空
気中での発火を抑制することができ、さらに電極からの
合金の脱落を防止することができるという特有の利点を
有することを発見した。
【0017】従来は、この種の合金においては、ラ−ベ
ス相単相の合金を目指して開発が進められてきたのに対
し、逆に本発明では複数相の合金を得ることを目指して
いる。合金の相が単相になるか複数相になるかは、上記
四元素の相互の量比とバランスに依存するので、微妙な
量の相違により析出する相の数およびその割合が変化す
るのである。
【0018】よって本発明者らは、種々の比率の試料に
より、複数相となる要件を見い出したのである。いいか
えれば、本発明者らは、a、b、c、dの各添加量を種
々に変化させて得た多くの実験試料において、特に複数
相のものは単相のものに比べて、放電特性のみならず、
空気中での発火や電極からの合金の脱落も制御できるこ
とを見い出した。
【0019】この理由は明らかではないが、粒界が多
く存在することにより粒子内の水素の拡散が速くなり、
放電特性やサイクル特性が向上する、第二相以下の相
として特にNiを多く含む相が析出することにより、そ
の相がラ−ベス相の表面で触媒の役割をはたし、放電特
性が向上する、第二相以下の相が発火しやすいラ−ベ
ス相同士を隔離したり、その表面の一部を被覆すること
により、その発火性を制御できる、ラ−ベス相より融
点が低い相が析出する場合、電極を焼結処理する際に粒
子相互のバインダとして作用し、粉末成形体の強度を保
ち合金の脱落を防止するなどの理由によるものと考えら
れる。
【0020】また、の理由からは、第一相であるラ−
ベス相自体も単一相よりは複数相(例えばC14型ラ−
ベス相とC15型ラ−ベス相の共存)であるほうが好ま
しいと考えられるが、本発明合金では、広い組成範囲で
ラ−ベス相も複数相となることがわかっている。
【0021】そして多くの実験例から、合金が複数相よ
り構成されかつ第二相以下の相の析出量を好適なものに
するためのa〜dの条件を見い出したものである。さら
に、合金の放電容量、高率および低温での放電特性、自
己放電特性をよりいっそう向上させるために、上記以外
の少なくとも一種の元素の添加が必要とされる。この元
素としては、V、Co、Cr、Moなどが特に好適であ
る。
【0022】Vは、合金の水素吸蔵量を増大させ放電容
量を大きくする作用をする。また、Crとともにあると
きには、これらの元素を主体とする相が析出することも
ある。Coは、特にMnとともにあることにより高率お
よび低温での放電特性の向上に効果を有する。Crおよ
びMoは合金の耐酸化性を向上させ、自己放電特性の向
上に役立つ。こられの元素は、単独で用いても効果があ
るが、共存させることでより優れた特性の水素吸蔵合金
とすることができる。
【0023】ただし、これら第五成分以下の元素の含有
量は、それぞれTiの含有量より少なくなければならな
い。かかる元素の量いかんによっては、第二相以下の相
の析出量が好適な範囲を逸脱したり、合金の水素平衡圧
が好適な範囲を逸脱するためである。
【0024】またそのような場合、特に、Vにおいては
電解液中への溶出が問題となり、自己放電特性が急に低
下してしまうこと、Coにおいては、充電時の電池内圧
の上昇が大きくなりすぎたり、電解液中に溶出したCo
がセパレ−タ表面に酸化膜を形成し、その保水性、絶縁
性などの機能が損なわれること、Crにおいては低温で
の放電特性が急に低下してしまうこと、Moにおいては
水素吸蔵量が減少してしまうことなどの問題が生じてし
まう。
【0025】また、本発明の合金は、単に特性が優れ、
発火性が制御され、成形性にも優れるというだけでな
く、従来公知の水素吸蔵合金電池の高容量化、高エネル
ギ−密度化を実現することもできる。例えば、単三サイ
ズ(AAサイズ)で容量1100mAhのニッケル−水
素電池では、正極の容量はおよそ1120〜1200m
Ahであり、負極の容量はサイクル寿命などを考慮して
その 1.5倍程度にするのが普通である。
【0026】従って、このときの負極合金1gあたりの
放電容量としては、およそ270mAhくらいあればよ
い。しかし、同じサイズで容量1300mAhの電池を
作るためには、負極合金1gあたりの放電容量としては
およそ380mAh以上(または1ccあたり2800
mAh以上)の高容量合金が必要となる。本発明によれ
ば、このような高容量の蓄電池にも使用可能な水素吸蔵
合金を得ることができるので、負極活物質として水素吸
蔵合金を用いるアルカリ蓄電池の高容量化、高エネルギ
−密度化に大いに貢献することができる。
【0027】上記アルカリ蓄電池(水素吸蔵合金電池)
は、水素吸蔵合金粉末を、その合金の第一成分で少なく
とも表面が構成された金綱、エキスパンドメタルなどの
金属多孔質体(支持体)と一体にして圧縮成形を行い、
焼結して、シ−ト状の負極とし、一方では、水酸化ニッ
ケル粉末を導電助剤や結着剤などと共にペ−ストにして
金属多孔質体のシ−トに充填したのち、乾燥、熟成、調
厚して正極とし、正極には集電端子を取りつけ、この両
者を合成繊維不織布からなるセパレ−タを介して、渦巻
状に巻回して渦巻状電極体とし、それを電池ケ−スに収
納し、電解液を注入し、封口した後、活性化処理および
化成処理をして、電池として完成する。
【0028】金網やエキスパンドメタルなどの金属多孔
質体において、少なくともその表面を水素吸蔵合金の第
一成分と同一の元素で構成することにより、焼結時にお
いて水素吸蔵合金と支持体とが容易に結合し、良好な導
電状態が得られるため電極の特性向上につながる。本発
明の合金はニッケルを第一成分としているので、少なく
ともその表面がニッケルで構成されている金網やエキス
パンドメタルなどの支持体を用いることが好ましい。ま
た、本発明の合金は成形性が優れているため、上記のよ
うな構成の電極には特に好適である。
【0029】以下、本発明の水素吸蔵合金電池につい
て、負極の作製、正極の作製、セパレ−タ、電解液、電
池の組み立ての順に詳細に説明する。
【0030】<負極の作製>負極活物質として用いる水
素吸蔵合金は、本発明合金のような多相系の合金である
ことが好ましい。すなわち、負極中の水素吸蔵合金粒子
がこのような多相合金で50体積%以上が構成されてい
ると優れた特性を示し、3相以上が存在する場合に特に
効果が顕著である。
【0031】そして、多相合金となっている部分におい
て、第2相以下の相の存在割合は10〜40体積%が好
ましい。この時、水素吸蔵合金は粒子径10〜75μm
のものを用いると、良好な特性の負極が構成可能であ
る。
【0032】水素吸蔵合金中の微量の炭素や窒素の不純
物は、電池中でのメタンや窒素ガスの生成を招き、内圧
上昇の原因となったり、電池の長期信頼性を損なうおそ
れがあるので、これら元素は最も多い場合でも合金中で
0.02重量%以下に制限するのが好ましい。本発明の合金
ではこれら不純物を多く含みやすいTiの含有量をMn
より少なくすることにより、合金中の炭素および窒素の
量を低く抑えている。
【0033】一般に水素吸蔵合金では、溶解過程で炭素
ルツボ(坩堝)を用いる場合、炭素の多量侵入が起こる
ので、溶解方法の選択が重要であり、ア−ク溶解あるい
は炭素汚染の低減をはかった装置の使用が望ましいが、
本発明合金では炭素汚染に関係するZrの含有量をNi
より少なくし、さらにTi含有量も低く抑えてあるた
め、このような装置を使用しない場合でも炭素汚染が少
なくてすむ。もっとも、窒素は水素吸蔵合金を粉末化す
る工程で空気中から侵入してくるため、窒素を排除した
雰囲気中で粉末化するのが好ましい。
【0034】また、負極に用いる合金粉末はその反応性
を向上させるため、ある程度比表面積の大きな粉末を用
いることが好ましい。一般に、金属粉の表面積が大きく
なり反応性が高くなると、空気中で発火するなどの危険
が生じやすくなるが、本発明合金では第二相以下の相が
ラ−ベス相同士を隔離したり、その表面の一部を被覆す
るため、合金粉の発火を防ぐことができる。
【0035】このようにして作製された水素吸蔵合金粉
末は、金網、エキスパンドメタル、パンチングメタル、
金属ファイバ−などの金属多孔質体と一体にされる。金
属多孔質体としては、母材厚み0.12〜0.17mm、網目サ
イズはSWが 1.1〜1.5 mm、LWが 1.5〜2.5 mm、
坪量0.03〜0.05g/cm2 の、少なくともその表面が本
発明合金の第一成分であるニッケルで構成されているも
のが好適であり、ニッケルエキスパンドメタルが特に好
適に使用される。
【0036】このように一体化したシ−ト状の負極にお
いて、水素吸蔵合金の充填密度(金属多孔質体を除いた
部分)は 5.2〜5.7 g/cm3 となるようにロ−ル圧延
するのが好ましい。本発明合金によれば、上記充填密度
を有する電極が容易に得られる。このような充填密度で
は、電池の負荷特性と充電時の内圧を適切にバランスさ
せた好ましい特性の電池が得られる。この時、負極の支
持体(金属多孔質体)を除いた空孔率は15〜26体積
%であり、空孔の分布は1〜20μmのものが40%以
上である。
【0037】負極は、ロ−ル圧延後、5体積%程度以下
の水素を含むアルゴンなどの不活性ガスの雰囲気中で8
00℃以上に加熱して焼結し、常温近くまで冷却したの
ち焼結炉から取り出される。このとき、合金の第一成分
(ニッケル)と金属多孔質体の表面を構成する元素が同
一であることから、合金粉と金属多孔質体とが容易に結
合するため、良好な導電状態が得られるだけでなく、電
極の巻回時に合金粉の脱落を防ぐこともできる。
【0038】焼結時の不活性ガス雰囲気中に5体積%程
度以下の微量の水素を含ませておくと、焼結炉内部の極
微量の酸素による負極表面の酸化が防止され、放電リザ
−ブとしての水素をあらかじめ負極に含ませ得る。これ
によって負極中にはPCT特性(水素の吸蔵、放出特
性)に応じた水素が焼結終了時に含有される。このよう
にして得られる負極は、厚さ 0.2〜0.4 mmのシ−ト状
で0.07〜0.2g/cm2 の充填量を持つものが望まし
い。
【0039】<正極の作製>上記のようにして作製され
る負極と組み合わせる正極は、以下に示すようにして作
製されるものが好適である。すなわち、ニッケルの多孔
質体シ−トを基体とし、これに活物質となる水酸化ニッ
ケル粉末と、導電助剤、結着剤、増粘剤および水を混合
してペ−ストにしたものを基体の空隙に充填する工程を
経て正極として仕上げられる。
【0040】放電容量を大きくするという観点から、基
体にはできるだけ多量の水酸化ニッケル粉末を保持させ
ることが望まれる。そのため、基体としては空孔率90
〜98体積%の繊維状ニッケル多孔質体シ−トを用いる
ことが好ましい。
【0041】このような繊維状ニッケル多孔質体シ−ト
としては、特に化学繊維不織布の表面にニッケルメッキ
を施した後、内部の化学繊維を還元雰囲気中で加熱分解
して除去するなどの方法で作製されたものが、90体積
%以上の高空孔率が得られ、充填密度が550mAh/
cc以上に高まるので、好適である。
【0042】このような繊維状ニッケル多孔質体シ−ト
への水酸化ニッケル粉末の充填密度を向上させるため
に、多孔質体シ−トの原料となる化学繊維不織布として
繊維密度の疎なものを用いることが考えられるが、この
場合、基体のニッケル繊維間に保持された水酸化ニッケ
ル粉末と基体との相対距離が大きくなるため、充放電時
の活物質利用率の低下を招くことがあり、注意を要す
る。
【0043】活物質となる水酸化ニッケル粉末は、平均
粒子径3〜25μmのものが好ましい。水酸化ニッケル
の細孔分布曲線には6Å付近の主ピ−クと5、8、10
Å付近の副ピ−クが現れるが、経験的に副ピ−ク/主ピ
−クの高さ比率が0.05以上のものを使用すると、充填密
度が高くなり負荷特性の優れた電池となる。
【0044】また、水酸化ニッケル粉末の粒子内に亜鉛
を 0.5〜10重量%含有させると、充放電サイクルに伴
う正極の膨潤を抑制し、高温での充電効率を高めるな
ど、特性の良好な電池が得られるようになる。水酸化ニ
ッケル粉末の粒子内にさらにコバルトを同時に含有させ
る場合は亜鉛添加量の0.05〜30倍にするのが好まし
い。
【0045】活物質となる水酸化ニッケル粉末自体は、
導電性に劣るので、導電助剤として別に金属ニッケル粉
末を添加することが好ましい。この金属ニッケル粉末と
しては、平均粒子径 0.5〜3μmのものが適している。
この金属ニッケル粉末が水酸化ニッケル粉末と基体の繊
維状ニッケル多孔質体シ−トのニッケル繊維との間の導
通を助けることになる。
【0046】さらに、ニッケル以外の金属粉末を副導電
助剤として用いることが好ましい。これには、金属ニッ
ケルは充放電サイクルを続けていくと、水酸化ニッケル
に変化してしまい、電導度が低下して導電助剤としての
役割をなさなくなるという理由がある。したがって、こ
の副導電助剤としては、当然そのような懸念のないもの
であることが必要である。このような副導電助剤として
は、たとえばコバルト粉末などを用いることができ、サ
イズ的には平均粒子径 0.5〜3μmのものが好ましい。
【0047】これらの導電助剤粉末は、水酸化ニッケル
100重量部に対して5〜20重量部添加するのが好ま
しく、ニッケル粉末と、コバルトなどのニッケル以外の
金属粉末を併用する場合には、(ニッケル粉末/コバル
トなどのニッケル以外の金属粉末)の原子比が3以下の
範囲内であることが好ましい。すなわち、上記原子比が
3以下の範囲で活物質の利用率がより向上し、放電容量
密度が大きくなるからである。
【0048】導電助剤粉末と水酸化ニッケル粉末とは、
あらかじめ乾式混合した後、ついでカルボキシルメチル
セルロ−スのナトリウム塩(CMC)水溶液、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)ディスパ−ジョンを加
えて正極活物質ペ−ストにすることが好ましい。このよ
うにすると、カルボキシメチルセルロ−スのナトリウム
塩の水溶液中に直接上記の粉末を加えて混合する場合に
比べて分散性が向上し、従来より高い利用率が得られ
る。
【0049】また、使用するポリテトラフルオロエチレ
ンはフィブリル化していることが好ましい。このうよな
ポリテトラフルオロエチレンのフィブリル化は正極活物
質ペ−ストの混合を充分に行うことによって達成でき
る。フィブリル化したポリテトラフルオロエチレンを使
用すると、正極としたときの厚みが 0.9mm以下という
薄い場合でも、正極を半径 1.5mm程度あるいはそれ以
下の曲率に巻回する場合にも、正極活物質の脱落を抑制
できるという利点がある。
【0050】正極は、繊維状ニッケル多孔質体シ−ト
に、主導電助剤としてのニッケル粉末はもとより、副導
電助剤として金属コバルト粉末を含有させた正極活物質
ペ−ストを含浸や塗布などにより充填した後、アルカリ
浸漬後に加熱するという工程を経ることによって、利用
率の向上の達成と充放電サイクルに伴う正極の膨潤を2
5%以下に押さえることが可能になる。
【0051】アルカリ浸漬後の加熱工程は、金属コバル
トが一旦溶解し、正極構成物質すべての表面をその溶解
物で被覆するので、充放電によって正極表面に比較的導
電性の優れたオキシ水酸化コバルトの被膜を形成するこ
とができる。その結果、電池の放電容量密度が高くな
る。
【0052】アルカリ浸漬用のアルカリ水溶液として
は、たとえば水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム
水溶液、水酸化リチウム水溶液などが好適であり、それ
らのアルカリ濃度は5〜40重量%程度が好ましい。
【0053】また、加熱温度は40〜100℃が好まし
い。オキシ水酸化コバルトの被膜形成には 0.1時間以上
の反応が効果があり、被膜の成長には20時間以下で充
分である。
【0054】このようにすると、ペ−スト中に添加した
金属コバルトのうち50重量%以上が電池組立前にコバ
ルト酸化物またはコバルト水酸化物に変化し、コバルト
化合物の導電性被膜の形成が充分に行われ、放電時の利
用率を向上させることができる。
【0055】上記処理後のペ−スト式正極は、色調が茶
色から黒色の範囲にあり、厚み方向の比抵抗は25Ω・
cm以下(1kg/cm2 圧力印加時:正極の両面に直
径37mmのSUS板を押し当て、その間の抵抗を抵抗
計で測定した時)で、濃度30重量%の水酸化カリウム
水溶液(ただし、17g/1の水酸化リチウムを溶解さ
せている)に浸漬した時の平衡電位は水銀/酸化水銀参
照極に対して0V以上となる。
【0056】上記のペ−スト式正極を用いた電池は、充
放電の第1回目から充填容量の90%以上という高利用
率が得られ、化成処理後の放電容量もAA電池で110
0mAh以上と大きくなる。
【0057】このようにして作製されたシ−ト状の正極
の長辺の一方の端部から約20mmの部分に設けられた
活物質が無い部分(この活物質のない部分は、幅4mm
で約0.2mmの厚みにあらかじめ圧縮してある)に厚さ
0.1mm、幅3mm、長さ50mmのニッケルリボンを
集電端子として取り付ける。
【0058】この集電端子の取付けには種々の方法が採
用できるが、溶接、特にスポット溶接が好ましく、スポ
ット溶接時の溶接径を正極面積で割った値が 0.00015〜
0.00063 /mmでスポット部の総面積が 0.4mm2 以上
になるようにすると良好な端子接続ができる。
【0059】このような条件を選ぶと、正極の溶接強度
が充分で、かつスポット溶接作業時の位置精度の管理が
容易になり、溶接総面積が充分に得られ、電気抵抗が小
さくなり(1kHzで測定時の電池のインピ−ダンスが
AA電池の場合で40mΩ以下に抑制できる)、良好な
放電特性を得ることができる。
【0060】また、スポット溶接はその上端が正極上端
から正極高さの5%以内の上端に近い所から開始するの
がよい。これは、電池組立時にこの集電端子を封口蓋の
封口板に接続する際、折り曲げ加工を行うが、その時の
短絡を防止するのに適しているからである。
【0061】<セパレ−タ>セパレ−タとしては、ポリ
アミドやポリプロピレンなどの合成繊維の不織布が好ん
で使用される。これはセパレ−タからの電解溶液中への
溶出物が自己放電特性などに大きく影響するので、その
ような電解液中への溶出物が少ないものを使用するのが
好ましいという理由によるものである。
【0062】特に窒素化合物の溶出があると、自己放電
が生じやすくなるので、窒素化合物の溶出の少ないもの
を使用する必要がある。この点からは、濃度30重量%
の水酸化カリウム水溶液(ただし、水酸化リチウムを1
7g/1溶解させている)からなる電解液100mlに
セパレ−タ(面積=1075cm2 )を45℃で3日間
保存した後に、その電解液がネスラ−反応を実質的に示
さないもの、または水銀/酸化水銀を参照極にして、作
用極、対極共に白金電極を用いてサイクリックボルタン
メトリ−を行った時に−0.3 V付近の酸化ピ−クが下記
に示すような一定値以下であると良好な電池特性を示
す。
【0063】上記のサイクリックボルタンメトリ−の条
件は以下の通りである。スキャン速度10mV/秒で、
−0.95Vから+0.65Vまでの走査を3回繰り返して、−
0.95Vで30分間保持した後、次の−0.3 V付近の酸化
ピ−クが100μA/cm2以下、望ましくは20μA
/cm2 以下であることが好ましい。また、セパレ−タ
中の全窒素量は500ppm以下、望ましくは200p
pm以下にすることが好ましいが、700ppmをこえ
る場合でも、本発明の合金を用いると自己放電を低く抑
えることができる。
【0064】<電解液>電解液としては、水酸化カリウ
ムまたは水酸化ナトリウムの水溶液が好んで使用され
る。電解液中における水酸化カリウムや水酸化ナトリウ
ム濃度は25〜35重量%が好ましい。この時、水酸化
カリウムや水酸化ナトリウムはそれぞれ単独で用いても
良いし、また両者を混合して用いても良い。また、この
中に水酸化リチウムを電解液1リットル中に好ましくは
20g以下添加すると、正極の充放電特性が向上する。
【0065】<電池の組立>上記のようにして得られた
正極と負極は、セパレ−タを介して、電池ケ−スの内側
と密着、導通させるべく最外周が負極となるように渦巻
状に巻回され、渦巻状電極体にしてから電池ケ−ス内に
挿入される。ついで、電解液を注入した後、封口蓋を用
いて、電池ケ−スの開口部を封口することによって、電
池組立が完成する。電池ケ−スの表面も本発明合金の第
一成分であるニッケルで構成されているため、負極と電
池ケ−スとの導通も良好である。
【0066】ここに正極と負極の寸法をどのように決定
するかは、単に形状設計だけでなく、正極と負極の充填
量の問題として直接電池の性能に係ることになる。すな
わち、実際の電池作製時には正極と負極の各シ−トの寸
法は、各々の充填量として決定される。
【0067】充填量は正極の活物質充填量が100%の
利用率としたときに正極と向かいあった部分の負極が満
充電時に60℃での平衡水素圧が5気圧以下となるよう
に決定される。これは特に1CA程度の急速充電を行う
場合、内圧が必要以上に上昇して電池寿命などの信頼性
を低下させないようにするためである。
【0068】また、巻回時には正極の全面が所定厚みの
負極と対向しているようにすると、内圧が低く抑制でき
る。正極/負極の厚みの比率は1〜2が好ましい。正極
の片面の厚みが負極と対向しかつその正極と対向する負
極の裏面が正極と対向している場合には、その部分の負
極が所定よりも深く充電されて内圧上昇が顕著になる場
合があるため注意を要する。また、放電リザ−ブは正極
の初充電時の不可逆率を調整することでも確保できる。
【0069】電池は組立後、活性化処理と化成処理を行
って安定化させるのが一般的である。活性化処理は、通
常45〜80℃で12〜120時間保存することによっ
て行われるが、本発明合金は45〜65℃で10〜20
時間と低温、短時間の処理でよい。このような活性化処
理を経ることにより、電池はBET法で測定したときの
負極表面積が約 1.5m2 /g以上になり、電池の総合特
性が確保されるようになる。
【0070】化成処理は充放電を数回繰り返すことによ
って行われる。特に1、2回目の充電時に電池容量の2
〜5倍程度の過充電を行うと早期に所定の容量が得られ
るが、本発明合金では、電池容量の 1.5倍程度の過充電
で充分である。また、高温での保存前に2日以上0〜4
0℃で放置して電解液の分布を安定させることも効果的
である。
【0071】これら以外にも、化成処理時に通常の放電
終了後、電池の端子間に− 0.2V〜+ 0.5Vの電圧を1
時間程度印加する処理を行うか、強制的に− 0.2V付近
まで0.01CA程度の定電流で放電させる処理を組み合わ
せると、さらに低温特性が改良される。これは主に負極
の表面の酸化物層が処理によって除去されるためである
と考えられる。
【0072】また、化成処理時には、巻回状態の正極
は、特に厚み方向に5〜10%の膨潤が生じ、それ以降
の充放電ではこの膨潤が合計で充放電前に比べて25%
以下と少なくなる。
【0073】また、巻回後の渦巻状電極体(正極+負極
+セパレ−タ)の外径は、電池ケ−スへの挿入が容易な
ように電池ケ−スの内径よりも小さく形成されるが、電
解液の注入や上記のような充放電による化成処理によっ
て膨張し、最外周の負極と電池ケ−スの内壁とは約2k
g/cm2 の圧力で接触して集電効果が高まるため、高
電流による放電が可能になるばかりでなく電極活物質の
脱落も防止できる。
【0074】
【実施例】以下に本発明の実施例を記載してより具体的
に説明する。 実施例1 Ni、Zr、Mn、Ti、V、Coなどの原料をアルゴ
ンガスア−ク溶解炉により溶解、合金化した後、950
℃の還元雰囲気中で5時間焼鈍処理を行い、下記の表1
および表2に示す組成の合金を作製した。表1の合金は
本発明の合金であり、表2の合金は組成が本発明の請求
範囲より逸脱している合金である。すなわち、No.1
1はa>bを満たしていないもの、No.12はb>c
を満たしていないもの、No.13はc>dを満たして
いないもの、No.14は特開昭60−241652に
記載の合金でb/aの値が小さすぎるもの、No.15
は特開平4−26732に記載の合金でc/aおよびd
/aの値が大きすぎるもの、No.16はTiが第四成
分とならないものである。
【0075】
【0076】
【0077】各試料合金の一部を用いてPCT特性の測
定、顕微鏡による組織観察およびX線回析の測定を行っ
たところ、本発明の水素吸蔵合金は、30℃において
0.1〜3気圧の圧力範囲での水素吸蔵量が多く、またラ
−ベス相を主体としており、他の結晶相の析出も好適な
範囲に制御されていた。
【0078】さらに、PCT特性の測定を終えた後の合
金粉末を用い、各合金の発火性を調べた。すなわち、試
料容器内を真空引きすることにより合金粉末中の水素を
放出させた後、アルゴンガスを導入したグロ−ブボック
ス中で、合金粉末を容量20mlのガラス容器に約2g
分け入れ、この粉末をAとした。
【0079】一方試料容器は、中に残りの粉末約2gを
入れたまま再び密閉し、グロ−ブボックスより取り出し
た。つぎに、試料容器の中を真空にした後、0.01気圧の
空気を導入し、合金粉末を0.01気圧の空気にさらした。
この状態で1分間放置し、次いで容器の中を再び真空に
した後、上記グロ−ブボックス中で容量20mlのガラ
ス容器に上記粉末を入れ、この粉末をBとした。
【0080】グロ−ブボックスの蓋を開けて中のアルゴ
ンガスを空気と置換し、粉末AおよびBを空気にさらし
た。このとき、AおよびBの発火の有無を調べ、各合金
の発火性を評価した。結果を下記の表3に示す。なお、
発火性は、A、Bとも発火しなかったものを(○)、A
は発火し、Bは発火しなかったものを(△)、A、Bと
も発火したものを(×)として評価した。
【0081】
【0082】上記表3から明らかなように、本発明の合
金は発火性が充分抑制されており、粉末表面の簡単な緩
酸化処理を行うか、あるいは全く処理を行わなくとも、
空気中で充分安全に取り扱うことができる。
【0083】つぎに、各合金について、上記の測定に使
用したインゴットの残りを用い、以下に示すようにして
負極を作製した。合金のインゴットにまず水素の吸蔵脱
蔵を2回繰り返した後、ボ−ルミルで機械的に粉砕し
た。粉砕後の粉末を分級し粒子径10〜75μm(平均
粒子径は45μm)に揃えた。操作はすべてアルゴン雰
囲気中で行った。
【0084】上記のようにして得られた水素吸蔵合金粉
末と母材厚み0.15mm、網目サイズSW1.3 mm、LW
2.0mm、坪量0.037 g/cm2 のニッケルエキスパン
ドメタルを同時に供給しながらロ−ルミルで圧縮して一
体化させ、シ−ト状の負極を得た。この時の負極の厚み
は0.30mmであり、水素吸蔵合金の充填密度は 5.3〜5.
5 g/cm3 であった。
【0085】つぎに、上記シ−ト状の負極を焼結炉内に
入れ、アルゴン/水素=99/1の混合ガスを1分間に
焼結炉内の1/10が置換する量で流しながら常温から
900℃まで1時間で昇温し、900℃で15分間焼結
した。焼結後、30℃まで降温してから負極を焼結炉か
ら取り出した。上記焼結時の雰囲気は酸素濃度20pp
mで、湿度は露点換算で−55℃であった。焼結後の負
極の密度は焼結前と比べ、ほとんど変化していなかっ
た。
【0086】焼結完了後、炭素および窒素の量を確認し
たところ、合金成分中には、炭素が0.007〜0.011 重量
%、窒素が 0.012〜0.015 重量%含まれていた。焼結後
の放電リザ−ブ量は0.03重量%程度であった。このシ−
ト状負極を41mm×111mm(厚さ 0.3mm)に切
断して、電池組立に供する状態にした。
【0087】一方、正極は以下に示すような方法で作製
した。基体となる繊維状ニッケル多孔質体シ−トとして
は、片山特殊工業社製のFibel(商品名)を用い
た。この繊維状ニッケル多孔質体シ−トは厚さが 1.6m
m、空孔率が96体積%であった。
【0088】水酸化ニッケル粉末としては、亜鉛 1.9重
量%とコバルト5重量%を同時に固溶させた粒子で、細
孔分布曲線における6Å付近の主ピ−クと5、8、10
Å付近の副ピ−クとの(副ピ−ク/主ピ−ク)の高さ比
率が 0.2であるものを用いた。また、導電助剤として
は、インコ社製のニッケル(Ni)粉末タイプ255
(平均粒子径 2.2μm)と、MHO社製コバルト(C
o)微粉末(平均粒子径 1.5μm)を用いた。
【0089】上記水酸化ニッケル100重量部に対し
て、上記ニッケル粉末を11.6重量部および上記コバルト
粉末を4.4 重量部添加して、乾式で1時間混合した。こ
の混合物に、濃度2重量%のカルボキシメチルセルロ−
スのナトリウム塩水溶液50重量部および濃度60重量
%のポリテトラフルオロエチレンディスパ−ジョン〔ダ
イキン工業社製のポリフロンD−1(商品名)〕5重量
部を加え、混合して活物質ペ−ストを得た。
【0090】得られた活物質ペ−ストをビ−カ−に入
れ、活物質ペ−スト中に50mm×100mmの繊維状
ニッケル多孔質体シ−ト(ただし、あらかじめ中央付近
に短辺方向に幅4mmの圧縮部を設け、その部分には活
物質が充填されないようにテ−ピングを施している)を
浸漬し、それら全体をデシケ−タ中に入れ、減圧にした
後、常圧に戻した。これによって活物質ペ−ストが繊維
状ニッケル多孔質体シ−トに充填された。
【0091】繊維状ニッケル多孔質体シ−トへの活物質
ペ−ストの充填後、85℃で1時間加熱乾燥した。その
後、 0.7mmの厚さになるまでプレスし、80℃のアル
カリ水溶液(濃度30重量%の水酸化カリウム水溶液)
に30分間浸漬した。浸漬後、充分に水洗し、再び85
℃で1時間加熱乾燥して、シ−ト状の正極を得た。
【0092】得られた正極の色調は黒っぽい茶色であ
り、電解液中での平衡電位は水銀/酸化水銀参照極に対
して50mVであった。また、金属コバルトの残存量は
30%であり、厚み方向の比抵抗は24Ω・cmであっ
た。
【0093】上記シ−ト状の正極を39mm×82mm
(厚さ 0.7mm)に切断し、テ−ピングを除去した部分
に集電端子兼リ−ド体として幅3mm、長さ51mmの
ニッケルリボンをスポット溶接して、電池組立に供する
状態にした。上記のスポット溶接は正極の上端から 0.5
mm離れた部分から開始し直径1mmで5箇所行った。
スポット部分の総面積は 3.9mm2 であった。この正極
の充填容量(理論容量)は1150mAhであった。
【0094】セパレ−タとしては、グラフト化ポリプロ
ピレン不織布(サイマット社製の700番、厚さ0.13m
m)を用い、これを長さ250mm、幅43mmに切断
し中央で折り曲げて使用した。
【0095】このセパレ−タを45℃の電解液中に3日
間浸漬したのち、電解液のサイクリックボルタンメトリ
−の測定を前記条件下で行ったところ、−0.3 V付近の
ピ−クはわずかに15μA/cm2 であった。また、セ
パレ−タ中の全窒素分は100ppmであった。
【0096】上記のようにして作製した正極と負極とを
セパレ−タを介して下記に示すように渦巻状に巻回して
渦巻状電極体とした。巻芯として直径 3.5mmの網棒を
中央で切断した一対の半円柱状の棒を用い、この巻芯に
二つに折り曲げたセパレ−タを挟み、セパレ−タを巻芯
の周囲に1回転巻き付け、その後、負極をセパレ−タに
挟み1回転巻き付けた。その後、セパレ−タを介して正
極を配置し、完全に巻き付けた。巻回回数は約 3.5回で
あった。得られた渦巻状電極体は、外径が13.2mmで最
外周に負極が露出していた。
【0097】まず、この渦巻状電極体により、負極の成
形性の評価を行った。すなわち、一度巻回した電極体の
巻回を解き、取り出した負極の重量を測定し、巻回前の
重量との差から巻回により脱落した合金粉の重量を求め
た。各合金につき、10個ずつの電極体で脱落した合金
粉の重量を測定し、その平均の大小から各合金の成形性
を評価した。この結果を下記表4に示す。
【0098】
【0099】上記表4から明らかなように、本発明の合
金は、巻回の際に電極から脱落する合金の量が少なく、
成形性に優れているため、焼結により合金と支持体を一
体化させるような電極には特に好適である。
【0100】また、上記と同様の渦巻状電極体を鉄にニ
ッケルメッキを施した内径13.4mmの電池ケ−スに挿入
し、濃度30重量%の水酸化カリウム水溶液(ただし、
水酸化リチウムを17g/1溶解させている)2mlを
注入し、電池ケ−スの開口部を封口蓋を用いて封止する
ことにより単三サイズ(AAサイズ)の電池とした。
【0101】このようにして得られた電池の構造を図1
に示す。図1において、1は正極、2は負極、3はセパ
レ−タ、4は渦巻状電極体、5は電池ケ−ス、6は環状
ガスケット、7は封口蓋、8は端子板、9は封口板、1
0は金属バネ、11は弁体、12は正極リ−ド体、13
は絶縁体、14は絶縁体である。
【0102】正極1は上記のようにして作製されたペ−
スト式のニッケル電極であり、活物質として水酸化ニッ
ケル(ただし、放電時で、充電時にはオキシ水酸化ニッ
ケルになる)が用いられている。負極2は上記のように
して作製された水素吸蔵合金電極であり、活物質として
表1および表2に示される組成の水素吸蔵合金がそれぞ
れ用いられている。
【0103】セパレ−タ3はグラフト化ポリプロピレン
不織布からなり、上記正極1と負極2はこのセパレ−タ
3を介して重ね合わせられ渦巻状に巻回されて渦巻状電
極体4にされている。
【0104】上記渦巻状電極体4は電池ケ−ス5内に収
容され、該渦巻状電極体4の上部には絶縁体14が配置
されている。また、上記渦巻状電極体4の電池ケ−ス5
内への収容に先立って、電池ケ−ス5の底部に絶縁体1
3が配置され、電池ケ−ス5と正極1との接触を防止で
きるようにされている。
【0105】環状ガスケット6はナイロン66で作製さ
れ、封口蓋7は端子板8と封口板9とで構成され、電池
ケ−ス5の開口部はこの封口蓋7と上記環状ガスケット
6とで封口されている。
【0106】端子板8にはガス排出孔8aが設けられ、
封口板9にはガス検知孔9aが設けられ、この端子板8
と封口板9とは封口板9の外周部を折り曲げて端子板8
の外周部を挟み込むことによって固定されている。そし
て、これらの端子板8と封口板9とで構成される封口蓋
7の内部には金属バネ10と弁体11とが収容されてい
る。
【0107】電池ケ−ス5は冷間圧延鋼製で表面にニッ
ケルメッキを施したものであり、その内部への渦巻状電
極体4などの挿入後、その開口端近傍の一部を全周にわ
たって内方へ突出させて内方突出部5aを形成し、該内
方突出部5aで環状ガスケット6の下部を支えている。
つまり、電池ケ−ス5の開口部に環状ガスケット6と封
口蓋7とを配置し、環状ガスケット6の下部を上記内方
突出部5aで支え、電池ケ−ス5の開口端部を内方に折
り曲げて環状ガスケット6を封口蓋7に圧接させて電池
ケ−ス5の開口部を封口している。
【0108】正極1は正極リ−ド体12によって封口板
9の下側部分に接続され、その結果、封口蓋7の端子板
8は正極端子を兼ね、負極2はその外周部で電池ケ−ス
5の内周面に圧接し、その結果、電池ケ−ス5は負極端
子を兼ねている。そして、この電池には前記のように濃
度30重量%の水酸化カリウム水溶液(ただし、水酸化
リチウムを17g/1溶解させている)が電解液として
注入されている。
【0109】この電池では、通常の状況下では金属バネ
10の押圧力により弁体11がガス検知孔9aを閉塞し
ているので、電池内部は密閉状態に保たれているが、電
池内部にガスが発生して電池内圧が上昇した場合には、
金属バネ10が収縮して弁体11とガス検知孔9aとの
間に隙間が生じ、電池内部のガスはガス検知孔9aおよ
びガス排出孔8aを通過して電池外部に放出され、電池
破裂が防止できるように構成されている。
【0110】得られた電池を60℃で17時間保存して
活性化処理した後、 0.1Aで15時間充電し、 0.2Aで
1.0Vまで放電する充放電を5回繰り返して化成処理を
行った。このとき、5回目の放電における放電容量をそ
の電池の標準容量とした。
【0111】化成処理を行った電池の特性を、以下に示
す高率放電試験、低温放電試験および自己放電試験によ
り測定した。それぞれの試験は20℃において、 0.1A
の電流で15時間充電を行った後に、各測定条件で電池
電圧が 1.0Vに低下するまで放電させ、そのときの放電
容量を測定することにより行った。
【0112】高率放電試験では、充電後20℃において
3.0Aの電流で放電を行い、放電容量の測定を行った。
低温放電試験では、0℃および−20℃で放電容量の測
定を行った。0℃での測定では、充電した電池を0℃で
18時間保持した後、0℃において1.0 Aの電流で放電
を行い、放電容量を測定した。−20℃での測定では、
充電した電池を−20℃で18時間保持した後、−20
℃において 0.5Aの電流で放電を行い、放電容量を測定
した。自己放電試験は、充電した電池を20℃で30日
間保持した後、20℃において 0.2Aの電流で放電を行
い、残存容量を測定した。そして、それぞれの測定で得
られた容量の標準容量に対する割合(放電率)を求め
た。
【0113】一方、これとは別に以下に示す負極容量規
制のモデルセルを作製し、各試料合金1gあたりの電気
化学的な放電容量を測定した。前記と同様、焼結により
得られた負極(厚さ 0.3mm)を40mm×50mmの
大きさに切断し、その一端にニッケルのリ−ド線を取り
つけた。つぎに、同じくニッケルのリ−ド線を取り付け
た、負極よりも容量の大きな従来公知の焼結式ニッケル
正極を、この負極の両側に配置し、これら負極および正
極を、十分な量の濃度30重量%の水酸化カリウム水溶
液(ただし、水酸化リチウムを17g/1溶解させてい
る)中に浸して、負極容量規制のモデルセルとした。
【0114】作製したモデルセルを60℃で20時間保
存して活性化した後、20℃で充放電を行った。充電
は、150mAで10時間、放電は100mAで、水銀
/酸化水銀参照極に対して負極電位が−0.5 Vとなった
時点で放電を終了した。この充放電サイクルをくり返
し、5サイクル目の放電容量からその合金1gあたりの
放電容量を求めた。電池およびモデルセルの測定結果を
併せて下記の表5に示す。
【0115】
【0116】上記表5から明らかなように、本発明合金
は、合金1gあたりの放電容量が300mAh以上と大
きく、高率放電、0℃や−20℃のような低温での放電
でも高い放電率を示し、また自己放電が少ないなど優れ
た特性を示している。これに対し、比較例として記載し
た合金は、合金の放電量、高率での放電特性、低温での
放電特性、自己放電特性のうちいずれかにおいて満足な
値が得られていない。
【0117】従って、総合的に優れた特性とするために
は、合金中のNi、Zr、MnおよびTiの含有割合
(原子比率)をそれぞれa、b、cおよびdとしたと
き、a>b>c>dの順になり、Tiより少ない量の前
記以外の元素を少なくとも一種含み、さらにb/a>5
/8かつc/a<11/20かつd/a<2/5を満た
す必要があることがわかる。
【0118】実施例2 No.4の水素吸蔵合金を用い、実施例1と同様な方法
で厚さ0.25mmのシ−ト状負極を作製し、同様に焼結処
理を行った。この電極を41mm×127mmの大きさ
に切断して、電池組立に供する状態にした。
【0119】正極は、実施例1と同様な方法で、中央付
近に短辺方向に幅4mmの圧縮部を有する厚さ0.65mm
のシ−ト状とし、これを39mm×98mmに切断し、
幅3mm、長さ51mmのニッケルリボンをスポット溶
接して、電池組立に供する状態にした。この正極の充填
容量(理論容量)は1370mAhであった。セパレ−
タとしては、実施例1と同じものを用い、これを長さ2
50mm、幅43mmに切断し中央で折り曲げて使用し
た。
【0120】上記のようにして作製した正極と負極とを
実施例1と同様にセパレ−タを介して渦巻状に巻回して
渦巻状電極体とし、これを鉄にニッケルメッキを施した
内径13.4mmの電池ケ−スに挿入し、濃度30重量%の
水酸化カリウム水溶液(ただし、水酸化リチウムを17
g/1溶解させている)2.1 mlを注入し、電池ケ−ス
の開口部を封口蓋を用いて封止することにより単三サイ
ズ(AAサイズ)の電池(電池重量は25.5g)とした。
【0121】得られた電池を60℃で17時間保存して
活性化処理した後、 0.1Aで17時間充電し、 0.2Aで
1.0Vまで放電する充放電を5回繰り返して化成処理を
行った。このとき、5回目の放電における放電容量は1
330mAhであり、この値をこの電池の標準容量とし
た。
【0122】化成処理を行った電池の特性を、以下に示
す高率放電試験、低温放電試験および自己放電試験によ
り測定した。それぞれの試験は20℃において、 0.1A
の電流で17時間充電を行った後に、各測定条件で電池
電圧が 1.0Vに低下するまで放電させ、そのときの放電
容量を測定することにより行った。
【0123】高率放電試験では、充電後20℃において
3.0Aの電流で放電を行い、放電容量の測定を行った。
低温放電試験では、0℃および−20℃で放電容量の測
定を行った。0℃での測定では、充電した電池を0℃で
18時間保持した後、0℃において1.0 Aの電流で放電
を行い、放電容量を測定した。−20℃での測定では、
充電した電池を−20℃で18時間保持した後、−20
℃において 0.5Aの電流で放電を行い、放電容量を測定
した。自己放電試験は、充電した電池を20℃で30日
間保持した後、20℃において 0.2Aの電流で放電を行
い、残存容量を測定した。そして、それぞれの測定で得
られた容量の標準容量に対する割合を求めた。これらの
結果を下記の表6に示す。
【0124】
【0125】上記表6から明らかなように、この水素吸
蔵合金電池は、単三サイズで1300mAh以上と高い
放電容量を有しており、高率放電特性、低温放電特性お
よび自己放電特性も優れている。さらに、この電池のエ
ネルギ−密度は約63Wh/kg(単位容量あたりでは
約198Wh/l)であり、従来公知の単三サイズ(放
電容量1100mAh)での値約51Wh/Kgと比較
して、より高エネルギ−密度の電池となっている。
【0126】
【発明の効果】本発明の水素吸蔵合金は、発火性が十分
抑制され成形性にも優れており、これを負極活物質とし
て用いることにより、高率放電特性、低温放電特性に優
れ、自己放電が少ないなど優れた特性を有する水素吸蔵
合金を得ることができるだけでなく、従来より高容量
化、高エネルギ−密度化された蓄電池を構成することも
できる。また、水素貯蔵やヒ−トポンプなど電池以外の
用途に利用する際にも、優れた特性を示すことが期待さ
れるためその工業的価値は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素吸蔵合金電池の一実施例を示す縦
断面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレ−タ 4 渦巻状電極体 5 電池ケ−ス 6 環状ガスケット 7 封口蓋 8 端子板 8a ガス排出孔 9 封口板 9a ガス検知孔 10 金属バネ 11 弁体 12 正極リ−ド体 13,14 絶縁体
フロントページの続き (72)発明者 和田 秀一 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一成分をNi、第二成分をZr、第三
    成分をMn、第四成分をTiとし、さらに第五成分以下
    として少なくとも1種の前記以外の元素を含み、Ni、
    Zr、MnおよびTiの含有量をそれぞれa、b、cお
    よびd(いずれも原子比率)としたとき、b/a>5/
    8かつc/a<11/20かつd/a<2/5を満たす
    ラ−ベス相化合物を第一相として含む複数相より構成さ
    れていることを特徴とする水素吸蔵合金
  2. 【請求項2】 Vを含有していることを特徴とする請求
    項1記載の水素吸蔵合金
  3. 【請求項3】 Coを含有していることを特徴とする請
    求項1記載の水素吸蔵合金
  4. 【請求項4】 Crを含有していることを特徴とする請
    求項1記載の水素吸蔵合金
  5. 【請求項5】 Moを含有していることを特徴とする請
    求項1記載の水素吸蔵合金
  6. 【請求項6】 水素吸蔵合金の第一成分で少なくともそ
    の表面が構成された支持体と水素吸蔵合金とを一体化さ
    せた電極
  7. 【請求項7】 少なくとも表面がニッケルで構成された
    支持体と請求項1ないし5記載の水素吸蔵合金とを一体
    化させた請求項6記載の電極
  8. 【請求項8】 水素吸蔵合金粉末を支持体と一体化した
    負極と、正極と、セパレ−タと、電解液を有する水素吸
    蔵合金電池において、前記負極の水素吸蔵合金の粒子中
    に、第二相以下の相を含む粒子が50体積%以上含まれ
    ていることを特徴とする水素吸蔵合金電池
  9. 【請求項9】 前記負極が請求項6および7記載の電極
    である請求項8記載の水素吸蔵合金電池
JP5016985A 1992-01-24 1993-01-06 水素吸蔵合金とその電極および水素吸蔵合金電池 Pending JPH05263171A (ja)

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JP3420492 1992-01-24
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5753054A (en) * 1995-04-27 1998-05-19 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Hydrogen storage alloy and electrode therefrom
JP2019052916A (ja) * 2017-09-14 2019-04-04 富士電機株式会社 高Cr鋼のラーベス相検出方法
WO2022250093A1 (ja) * 2021-05-27 2022-12-01 愛知製鋼株式会社 ハイエントロピー水素吸蔵合金、アルカリ蓄電池用負極及びアルカリ蓄電池

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JP2019052916A (ja) * 2017-09-14 2019-04-04 富士電機株式会社 高Cr鋼のラーベス相検出方法
WO2022250093A1 (ja) * 2021-05-27 2022-12-01 愛知製鋼株式会社 ハイエントロピー水素吸蔵合金、アルカリ蓄電池用負極及びアルカリ蓄電池

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