JPH05262220A - ブレーキ装置 - Google Patents
ブレーキ装置Info
- Publication number
- JPH05262220A JPH05262220A JP9387092A JP9387092A JPH05262220A JP H05262220 A JPH05262220 A JP H05262220A JP 9387092 A JP9387092 A JP 9387092A JP 9387092 A JP9387092 A JP 9387092A JP H05262220 A JPH05262220 A JP H05262220A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- brake pedal
- brake
- impact force
- impact
- hydraulic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
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- Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)
- Braking Systems And Boosters (AREA)
- Regulating Braking Force (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 車両に設定値以上の後ろ向きの衝撃力が加え
られたときブレーキペダルから足に加えられる衝撃力を
緩和する。 【構成】 前面衝突等により車両に後ろ向きで設定値以
上の衝撃力が加えられ、これがエアバッグ装置のセンサ
により検出されれば、電磁開閉弁160,162が開か
れるとともに、電磁液圧制御弁146〜152が保持状
態に切り換えられる。そのため、衝撃発生時には運転者
の身体の慣性によりブレーキペダル26は液圧ブースタ
10の助勢限界を超えて踏み込まれるが、マスタシリン
ダ12の加圧室内のブレーキ液が電磁開閉弁160,1
62の絞りによって絞られつつリザーバ104に流出す
るため、ブレーキペダル26は踏込み方向とは逆向きの
反力を受けつつ通常移動しない領域へ移動することが許
容され、ブレーキペダル26から足に加えられる衝撃が
緩和される。
られたときブレーキペダルから足に加えられる衝撃力を
緩和する。 【構成】 前面衝突等により車両に後ろ向きで設定値以
上の衝撃力が加えられ、これがエアバッグ装置のセンサ
により検出されれば、電磁開閉弁160,162が開か
れるとともに、電磁液圧制御弁146〜152が保持状
態に切り換えられる。そのため、衝撃発生時には運転者
の身体の慣性によりブレーキペダル26は液圧ブースタ
10の助勢限界を超えて踏み込まれるが、マスタシリン
ダ12の加圧室内のブレーキ液が電磁開閉弁160,1
62の絞りによって絞られつつリザーバ104に流出す
るため、ブレーキペダル26は踏込み方向とは逆向きの
反力を受けつつ通常移動しない領域へ移動することが許
容され、ブレーキペダル26から足に加えられる衝撃が
緩和される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブレーキ装置に関するも
のであり、特に、ブレーキペダルから運転者の足に加え
られる衝撃力の緩和に関するものである。
のであり、特に、ブレーキペダルから運転者の足に加え
られる衝撃力の緩和に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両のブレーキ操作は足によって行われ
るのが普通である。例えば、実開平2−33773号公
報に記載されているブレーキ装置は、(a)ブレーキペ
ダルと、(b)ブレーキペダルの通常移動を予定されて
いる領域内での踏込み操作に基づいて車輪の回転を抑制
する制動力発生装置とを含むように構成されている。ブ
レーキペダルの移動領域は一般に、明瞭に決まるもので
はない。ブレーキペダルの戻り位置はストッパにより明
確に規定されるのが普通であるが、踏込み限度位置が明
確に決まらないのである。踏込み限度位置は、ブレーキ
の摩擦材の摩耗等に起因するブレーキクリアランスの変
化に伴って変わるし、ブレーキキャリパ等ブレーキ構成
部材の弾性変形量によっても変わるからである。
るのが普通である。例えば、実開平2−33773号公
報に記載されているブレーキ装置は、(a)ブレーキペ
ダルと、(b)ブレーキペダルの通常移動を予定されて
いる領域内での踏込み操作に基づいて車輪の回転を抑制
する制動力発生装置とを含むように構成されている。ブ
レーキペダルの移動領域は一般に、明瞭に決まるもので
はない。ブレーキペダルの戻り位置はストッパにより明
確に規定されるのが普通であるが、踏込み限度位置が明
確に決まらないのである。踏込み限度位置は、ブレーキ
の摩擦材の摩耗等に起因するブレーキクリアランスの変
化に伴って変わるし、ブレーキキャリパ等ブレーキ構成
部材の弾性変形量によっても変わるからである。
【0003】しかし、ブレーキペダルに踏込み限度がな
いわけではない。踏込みに伴ってブレーキペダルから運
転者の足に加えられる反力が増大するのが普通である
が、この反力の増大勾配が急激に大きくなって運転者が
それ以上ブレーキペダルを踏み込まなくなり、あるいは
反力が極めて大きくなって事実上踏み込めなくなる等に
より、踏込み限度が決まるのである。上記「ブレーキペ
ダルの通常移動を予定されている領域」とは、このよう
にして決まる踏込み限度位置と、前記戻り位置との間の
領域のことである。例えば、前記公報に記載の液圧ブレ
ーキ装置においては、ブレーキペダルの踏力が液圧ブー
スタにより倍力され、その倍力された力によってブレー
キマスタシリンダが作動させられるようになっている
が、液圧ブースタを作動させるパワー圧が液圧源の液圧
に等しくなり、液圧ブースタが助勢限界に達すると、ブ
レーキペダルから足への反力の増大勾配が急激に大きく
なる。したがって、運転者はそれ以上ブレーキペダルを
踏み込まなくなるのが普通であり、液圧ブースタが助勢
限界に達したときのブレーキペダルの位置が事実上の踏
込み限度位置となるのである。
いわけではない。踏込みに伴ってブレーキペダルから運
転者の足に加えられる反力が増大するのが普通である
が、この反力の増大勾配が急激に大きくなって運転者が
それ以上ブレーキペダルを踏み込まなくなり、あるいは
反力が極めて大きくなって事実上踏み込めなくなる等に
より、踏込み限度が決まるのである。上記「ブレーキペ
ダルの通常移動を予定されている領域」とは、このよう
にして決まる踏込み限度位置と、前記戻り位置との間の
領域のことである。例えば、前記公報に記載の液圧ブレ
ーキ装置においては、ブレーキペダルの踏力が液圧ブー
スタにより倍力され、その倍力された力によってブレー
キマスタシリンダが作動させられるようになっている
が、液圧ブースタを作動させるパワー圧が液圧源の液圧
に等しくなり、液圧ブースタが助勢限界に達すると、ブ
レーキペダルから足への反力の増大勾配が急激に大きく
なる。したがって、運転者はそれ以上ブレーキペダルを
踏み込まなくなるのが普通であり、液圧ブースタが助勢
限界に達したときのブレーキペダルの位置が事実上の踏
込み限度位置となるのである。
【0004】また、液圧ブースタ等ブレーキブースタを
備えない液圧ブレーキ装置においては、ブレーキクリア
ランスが消滅するまでは比較的小さい力でブレーキペダ
ルを踏み込むことができ、ブレーキクリアランスの消滅
後はブレーキ構成部材の弾性変形が増大するにれて所要
踏力が増大する。そして、容易に弾性変形し得る部材が
全て弾性変形してしまった後は、事実上ブレーキペダル
を踏み込むことができなくなる。
備えない液圧ブレーキ装置においては、ブレーキクリア
ランスが消滅するまでは比較的小さい力でブレーキペダ
ルを踏み込むことができ、ブレーキクリアランスの消滅
後はブレーキ構成部材の弾性変形が増大するにれて所要
踏力が増大する。そして、容易に弾性変形し得る部材が
全て弾性変形してしまった後は、事実上ブレーキペダル
を踏み込むことができなくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようにブレーキペ
ダルの移動領域が限られているブレーキ装置を備えた車
両において、運転者がブレーキペダルを踏み込んでいる
状態で車両が前面衝突するなどにより、後ろ向きの大き
な衝撃力が与えられた場合に、運転者が足に痛みを覚え
ることがあるという問題があった。後ろ向きの大きな衝
撃力が与えられた場合には車両に大きな減速度が生じ、
運転者の身体は慣性により前方へ移動しようとするた
め、運転者は足や手を突っ張って前方への移動を防止し
ようとする。また、前面衝突するような場合には、運転
者は殆ど踏込み限度までブレーキペダルを踏み込んでい
るのが普通であり、身体の慣性力の多くが足を介してブ
レーキペダルにより受けられる。そして、ブレーキペダ
ルは踏込み限度以上には事実上移動しないか、移動した
としてもその量は僅かであるため、運転者の身体が有し
ている大きな運動エネルギの相当部分が短い距離内で消
費されることとなり、ブレーキペダルから足に与えられ
る反力が過大となって、運転者に痛みを覚えさせること
になるのである。本発明は、車両に前面衝突などにより
後ろ向きの大きな衝撃力が加えられても運転者が足に痛
みを覚えることがないブレーキ装置を得ることを課題と
してなされたものである。
ダルの移動領域が限られているブレーキ装置を備えた車
両において、運転者がブレーキペダルを踏み込んでいる
状態で車両が前面衝突するなどにより、後ろ向きの大き
な衝撃力が与えられた場合に、運転者が足に痛みを覚え
ることがあるという問題があった。後ろ向きの大きな衝
撃力が与えられた場合には車両に大きな減速度が生じ、
運転者の身体は慣性により前方へ移動しようとするた
め、運転者は足や手を突っ張って前方への移動を防止し
ようとする。また、前面衝突するような場合には、運転
者は殆ど踏込み限度までブレーキペダルを踏み込んでい
るのが普通であり、身体の慣性力の多くが足を介してブ
レーキペダルにより受けられる。そして、ブレーキペダ
ルは踏込み限度以上には事実上移動しないか、移動した
としてもその量は僅かであるため、運転者の身体が有し
ている大きな運動エネルギの相当部分が短い距離内で消
費されることとなり、ブレーキペダルから足に与えられ
る反力が過大となって、運転者に痛みを覚えさせること
になるのである。本発明は、車両に前面衝突などにより
後ろ向きの大きな衝撃力が加えられても運転者が足に痛
みを覚えることがないブレーキ装置を得ることを課題と
してなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、前記(a)ブレーキペダルおよび
(b)制動力発生装置を備えたブレーキ装置において、
(c)当該ブレーキ装置を有する車両に設定値以上の衝
撃が加えられた場合に、ブレーキペダルに踏込み方向と
は逆向きの反力を加えつつ、ブレーキペダルが踏込み方
向において通常は移動しない領域まで移動することを許
容する移動許容手段を設けたことを要旨とするものであ
る。
解決するために、前記(a)ブレーキペダルおよび
(b)制動力発生装置を備えたブレーキ装置において、
(c)当該ブレーキ装置を有する車両に設定値以上の衝
撃が加えられた場合に、ブレーキペダルに踏込み方向と
は逆向きの反力を加えつつ、ブレーキペダルが踏込み方
向において通常は移動しない領域まで移動することを許
容する移動許容手段を設けたことを要旨とするものであ
る。
【0007】
【作用】このように、移動許容手段を備えたブレーキ装
置においては、車両が前面衝突するなどにより後ろ向き
の大きな衝撃力が加えられた場合、ブレーキペダルの通
常の踏込み限度位置を超えた移動が許容される。しか
も、この移動の間、移動許容手段はブレーキペダルに踏
込み方向とは逆向きの反力を加えるため、運転者の足は
この反力に抗してブレーキペダルを移動させることとな
り、比較的長い距離の間に運動者の身体が有している運
動エネルギが消費される。したがって、ブレーキペダル
のごく僅かな移動距離内において運動エネルギが消費さ
れていた従来のブレーキ装置に比較して、ブレーキペダ
ルから足に加えられる反力が小さくて済むことになる。
置においては、車両が前面衝突するなどにより後ろ向き
の大きな衝撃力が加えられた場合、ブレーキペダルの通
常の踏込み限度位置を超えた移動が許容される。しか
も、この移動の間、移動許容手段はブレーキペダルに踏
込み方向とは逆向きの反力を加えるため、運転者の足は
この反力に抗してブレーキペダルを移動させることとな
り、比較的長い距離の間に運動者の身体が有している運
動エネルギが消費される。したがって、ブレーキペダル
のごく僅かな移動距離内において運動エネルギが消費さ
れていた従来のブレーキ装置に比較して、ブレーキペダ
ルから足に加えられる反力が小さくて済むことになる。
【0008】
【発明の効果】このように本発明によれば、車両に後ろ
向きの大きな衝撃が加えられてもブレーキペダルから運
転者の足に加えられる衝撃力が軽減され、運転者に痛み
を感じさせることが少なくて済む。
向きの大きな衝撃が加えられてもブレーキペダルから運
転者の足に加えられる衝撃力が軽減され、運転者に痛み
を感じさせることが少なくて済む。
【0009】
【実施例】以下、本発明を四輪自動車のアンチスキッド
型液圧ブレーキ装置に適用した場合の実施例を図面に基
づいて詳細に説明する。
型液圧ブレーキ装置に適用した場合の実施例を図面に基
づいて詳細に説明する。
【0010】図2において、10は液圧ブースタ(以
下、単にブースタという)であり、12はタンデム型ブ
レーキマスタシリンダ(以下、単にマスタシリンダとい
う)である。マスタシリンダ12はハウジング14を備
えている。ハウジング14にはシリンダボア16が形成
され、これに第一加圧ピストン18および第二加圧ピス
トン20が液密かつ摺動可能に嵌合されている。それに
より各ピストン18,20の前方(図において左方)に
それぞれ第一加圧室22,第二加圧室24が形成され、
ブレーキペダル26(図1参照)の踏込みにより液圧を
発生する。
下、単にブースタという)であり、12はタンデム型ブ
レーキマスタシリンダ(以下、単にマスタシリンダとい
う)である。マスタシリンダ12はハウジング14を備
えている。ハウジング14にはシリンダボア16が形成
され、これに第一加圧ピストン18および第二加圧ピス
トン20が液密かつ摺動可能に嵌合されている。それに
より各ピストン18,20の前方(図において左方)に
それぞれ第一加圧室22,第二加圧室24が形成され、
ブレーキペダル26(図1参照)の踏込みにより液圧を
発生する。
【0011】第一加圧室22は、図1に示すように、プ
ロポーショニングバイパスバルブ28を介して左右後輪
30,32の各ブレーキのリヤブレーキシリンダ34,
36に接続され、第二加圧室24はプロポーショニング
バイパスバルブ28を介して左右前輪38,40の各ブ
レーキのフロントブレーキシリンダ42,44に接続さ
れている。本液圧ブレーキ装置は前後2系統式なのであ
り、第一,第二加圧室22,24に発生した液圧がブレ
ーキシリンダ34,36,42,44に供給されること
により車輪の回転が抑制されるとともに、第一,第二加
圧ピストン18,20に反力が加えられ、後述するよう
に液圧ブースタ10を介してブレーキペダル26に踏込
み方向とは逆向きの反力が加えられる。本実施例におい
ては、マスタシリンダ12およびブレーキシリンダ3
4,36,42,44が制動力発生装置を構成している
のである。
ロポーショニングバイパスバルブ28を介して左右後輪
30,32の各ブレーキのリヤブレーキシリンダ34,
36に接続され、第二加圧室24はプロポーショニング
バイパスバルブ28を介して左右前輪38,40の各ブ
レーキのフロントブレーキシリンダ42,44に接続さ
れている。本液圧ブレーキ装置は前後2系統式なのであ
り、第一,第二加圧室22,24に発生した液圧がブレ
ーキシリンダ34,36,42,44に供給されること
により車輪の回転が抑制されるとともに、第一,第二加
圧ピストン18,20に反力が加えられ、後述するよう
に液圧ブースタ10を介してブレーキペダル26に踏込
み方向とは逆向きの反力が加えられる。本実施例におい
ては、マスタシリンダ12およびブレーキシリンダ3
4,36,42,44が制動力発生装置を構成している
のである。
【0012】なお、プロポーショニングバイパスバルブ
28は、前輪系統および後輪系統のいずれにも正常に液
圧が発生する場合には、リヤブレーキシリンダ34,3
6に供給される液圧を、フロントブレーキシリンダ4
2,44に供給される液圧に対して一定の比率で減圧
し、前輪系統に正常に液圧が発生しなくなった場合には
第一加圧室22に発生した液圧を減圧することなくリヤ
ブレーキシリンダ34,36に供給するものである。
28は、前輪系統および後輪系統のいずれにも正常に液
圧が発生する場合には、リヤブレーキシリンダ34,3
6に供給される液圧を、フロントブレーキシリンダ4
2,44に供給される液圧に対して一定の比率で減圧
し、前輪系統に正常に液圧が発生しなくなった場合には
第一加圧室22に発生した液圧を減圧することなくリヤ
ブレーキシリンダ34,36に供給するものである。
【0013】前記ハウジング14にはブースタ10のハ
ウジング50が液密に嵌合されている。このハウジング
50内には前記シリンダボア16に連通したシリンダボ
ア54が形成され、これに段付状のパワーピストン56
の大径部58が液密かつ摺動可能に嵌合され、ハウジン
グ50内の空間がパワー圧室60と低圧室62とに区切
られている。パワーピストン56の後端の中央部から小
径部64が延び出させられており、ハウジング50の端
壁を液密かつ摺動可能に貫通して大気に臨まされてい
る。小径部64内にはそれの後端面に開口する段付孔6
6が形成されており、これの小径穴にリアクションピス
トン68が液密かつ摺動可能に嵌合されている。
ウジング50が液密に嵌合されている。このハウジング
50内には前記シリンダボア16に連通したシリンダボ
ア54が形成され、これに段付状のパワーピストン56
の大径部58が液密かつ摺動可能に嵌合され、ハウジン
グ50内の空間がパワー圧室60と低圧室62とに区切
られている。パワーピストン56の後端の中央部から小
径部64が延び出させられており、ハウジング50の端
壁を液密かつ摺動可能に貫通して大気に臨まされてい
る。小径部64内にはそれの後端面に開口する段付孔6
6が形成されており、これの小径穴にリアクションピス
トン68が液密かつ摺動可能に嵌合されている。
【0014】リアクションピストン68の後端は、パワ
ーピストン56と同心の入力ロッド70の先端にかしめ
付けられている。また、入力ロッド70の後端部は前記
ブレーキペダル26(図1参照)に連結されており、ブ
レーキペダル26の踏込みによりリアクションピストン
68がパワーピストン56に対して相対的に前進させら
れる。これらリアクションピストン68およびパワーピ
ストン56は、入力ロッド70とハウジング50との間
に配設されたスプリング74によって常時後退方向(図
において右方)に付勢されており、パワーピストン56
の後退端位置は、それの段部76がハウジング50に係
合することにより規定される。
ーピストン56と同心の入力ロッド70の先端にかしめ
付けられている。また、入力ロッド70の後端部は前記
ブレーキペダル26(図1参照)に連結されており、ブ
レーキペダル26の踏込みによりリアクションピストン
68がパワーピストン56に対して相対的に前進させら
れる。これらリアクションピストン68およびパワーピ
ストン56は、入力ロッド70とハウジング50との間
に配設されたスプリング74によって常時後退方向(図
において右方)に付勢されており、パワーピストン56
の後退端位置は、それの段部76がハウジング50に係
合することにより規定される。
【0015】また、リアクションピストン68のパワー
ピストン56に対する相対的な前進限度位置は、その後
端に形成されたフランジ部78に段付孔66の肩面80
が係合することにより規定され、相対的な後退限度位置
は、リアクションピストン68に軸方向に形成された長
穴82において、パワーピストン56に取り付けられた
ピン84に係合させられることにより規定される。
ピストン56に対する相対的な前進限度位置は、その後
端に形成されたフランジ部78に段付孔66の肩面80
が係合することにより規定され、相対的な後退限度位置
は、リアクションピストン68に軸方向に形成された長
穴82において、パワーピストン56に取り付けられた
ピン84に係合させられることにより規定される。
【0016】リアクションピストン68の先端部は、パ
ワーピストン56の大径部58に形成された有底穴86
に移動可能に嵌合され、有底穴86の底面との間に反力
室88が形成されている。反力室88は、長穴82,リ
アクションピストン68に形成された液通路90によっ
てパワー圧室60に連通させられており、パワー圧が導
入される。パワーピストン56の作動力は中継ロッド9
2により第一,第二加圧ピストン18,20に伝達さ
れ、ブレーキペダル26の踏込みが停止されれば、パワ
ーピストン56はパワー圧により前進させられる力とブ
レーキシリンダから加えられる力とが釣り合った位置に
おいて停止し、ブレーキペダル26にはリアクションピ
ストン68を介してパワー圧によって決まる反力が加え
られる。液圧ブースタ10の助勢限界を超えてブレーキ
ペダル26が踏み込まれれば、リアクションピストン6
8がパワーピストン56に当接し、パワー圧に基づく反
力に加えてパワーピストン56からの直接的な反力も受
ける状態となる。また、助勢限界到達後はブレーキペダ
ル26が踏み込まれてもパワー圧が増大しないため、反
力の増大勾配が大きくなる。本液圧ブレーキ装置におい
てブレーキペダル26の通常移動を予定されている踏込
み領域は、液圧ブースタ10が助勢限界に達するまでで
ある。
ワーピストン56の大径部58に形成された有底穴86
に移動可能に嵌合され、有底穴86の底面との間に反力
室88が形成されている。反力室88は、長穴82,リ
アクションピストン68に形成された液通路90によっ
てパワー圧室60に連通させられており、パワー圧が導
入される。パワーピストン56の作動力は中継ロッド9
2により第一,第二加圧ピストン18,20に伝達さ
れ、ブレーキペダル26の踏込みが停止されれば、パワ
ーピストン56はパワー圧により前進させられる力とブ
レーキシリンダから加えられる力とが釣り合った位置に
おいて停止し、ブレーキペダル26にはリアクションピ
ストン68を介してパワー圧によって決まる反力が加え
られる。液圧ブースタ10の助勢限界を超えてブレーキ
ペダル26が踏み込まれれば、リアクションピストン6
8がパワーピストン56に当接し、パワー圧に基づく反
力に加えてパワーピストン56からの直接的な反力も受
ける状態となる。また、助勢限界到達後はブレーキペダ
ル26が踏み込まれてもパワー圧が増大しないため、反
力の増大勾配が大きくなる。本液圧ブレーキ装置におい
てブレーキペダル26の通常移動を予定されている踏込
み領域は、液圧ブースタ10が助勢限界に達するまでで
ある。
【0017】本液圧ブースタ10は、制御弁100を備
えている。この制御弁100は前記ハウジング50に液
密かつ摺動可能に嵌合された弁子としてのスプール10
2を備えている。ハウジング50にはリザーバ104に
接続される低圧ポート106と、リリーフバルブ108
を介してアキュムレータ110に接続される高圧ポート
112とが形成されている。スプール102はスプリン
グ114によって後退方向(図において右方)に付勢さ
れ、図示の原位置にある状態ではパワー圧室60を高圧
ポート112から遮断し、連通孔116を経て低圧ポー
ト106に連通させる。スプール102はこの原位置か
ら一定距離前進(図において左方へ移動)することによ
り、パワー圧室60を低圧ポート106および高圧ポー
ト112の両方から遮断する保圧状態となり、さらに前
進することにより低圧ポート106から遮断して高圧ポ
ート112に連通させるパワー圧導入状態となり、パワ
ー圧の導入によりパワーピストン56が前進する。
えている。この制御弁100は前記ハウジング50に液
密かつ摺動可能に嵌合された弁子としてのスプール10
2を備えている。ハウジング50にはリザーバ104に
接続される低圧ポート106と、リリーフバルブ108
を介してアキュムレータ110に接続される高圧ポート
112とが形成されている。スプール102はスプリン
グ114によって後退方向(図において右方)に付勢さ
れ、図示の原位置にある状態ではパワー圧室60を高圧
ポート112から遮断し、連通孔116を経て低圧ポー
ト106に連通させる。スプール102はこの原位置か
ら一定距離前進(図において左方へ移動)することによ
り、パワー圧室60を低圧ポート106および高圧ポー
ト112の両方から遮断する保圧状態となり、さらに前
進することにより低圧ポート106から遮断して高圧ポ
ート112に連通させるパワー圧導入状態となり、パワ
ー圧の導入によりパワーピストン56が前進する。
【0018】スプール102はリンク機構120により
パワーピストン56とリアクションピストン68とに係
合させられていて、スプール102の移動がリアクショ
ンピストン68のパワーピストン56に対する相対的な
移動によって引き起こされるようになっている。リンク
機構120はピン122によって互に回動可能に連結さ
れた第一リンク124と第二リンク126とを備えたも
のであり、運動変換機構を構成しているが、これについ
ては特開昭62−149547号公報等により既に知ら
れているため、詳細な説明は省略する。
パワーピストン56とリアクションピストン68とに係
合させられていて、スプール102の移動がリアクショ
ンピストン68のパワーピストン56に対する相対的な
移動によって引き起こされるようになっている。リンク
機構120はピン122によって互に回動可能に連結さ
れた第一リンク124と第二リンク126とを備えたも
のであり、運動変換機構を構成しているが、これについ
ては特開昭62−149547号公報等により既に知ら
れているため、詳細な説明は省略する。
【0019】前記アキュムレータ110にはリザーバ1
04内のブレーキ液がモータ130により駆動されるポ
ンプ132によって供給される。アキュムレータ110
の液圧は、圧力センサ134の出力信号に基づいてモー
タ130の発停が制御されることにより、一定範囲に保
たれるようになっている。また、アキュムレータ110
の液圧の異常な低下は圧力スイッチ136により検出さ
れ、ブレーキウォーニングランプが点灯されるととも
に、ブザーが作動させられる。なお、アキュムレータ1
10の液圧が異常に高くなることは、前記リリーフバル
ブ108によって防止される。
04内のブレーキ液がモータ130により駆動されるポ
ンプ132によって供給される。アキュムレータ110
の液圧は、圧力センサ134の出力信号に基づいてモー
タ130の発停が制御されることにより、一定範囲に保
たれるようになっている。また、アキュムレータ110
の液圧の異常な低下は圧力スイッチ136により検出さ
れ、ブレーキウォーニングランプが点灯されるととも
に、ブザーが作動させられる。なお、アキュムレータ1
10の液圧が異常に高くなることは、前記リリーフバル
ブ108によって防止される。
【0020】本液圧ブレーキ装置は、パワー圧室60に
発生したパワー圧に基づいてアンチスキッド制御を行う
ようにされている。そのため、図1に示すように、前記
プロポーショニングバイパスバルブ28と左右前輪3
8,40との間には2個の電磁方向切換弁140,14
2が設けられるとともに、同バルブ28と左右後輪3
0,32との間には電磁方向切換弁144が設けられて
おり、ブレーキシリンダ34,36,42,44を第
一,第二加圧室22,24に連通させる状態と、パワー
圧室60に連通させる状態とに切り換えるようにされて
いる。また、電磁方向切換弁140,142と左右前輪
38,40との間にはそれぞれ3位置の方向切換弁であ
る電磁液圧制御弁146,148が設けられるととも
に、電磁方向切換弁144と左右後輪30,32との間
にもそれぞれ3位置の電磁方向切換弁である電磁液圧制
御弁150,152が設けられている。これら電磁液圧
制御弁146〜152は前記リザーバ104に接続され
ており、ブレーキシリンダ34,36,42,44をそ
れぞれ、パワー圧室60に連通させて液圧を増大させる
増圧状態と、リザーバ104に連通させて液圧を減少さ
せる減圧状態と、いずれにも連通させず、液圧が保持さ
れる保持状態とに切り換えられる。
発生したパワー圧に基づいてアンチスキッド制御を行う
ようにされている。そのため、図1に示すように、前記
プロポーショニングバイパスバルブ28と左右前輪3
8,40との間には2個の電磁方向切換弁140,14
2が設けられるとともに、同バルブ28と左右後輪3
0,32との間には電磁方向切換弁144が設けられて
おり、ブレーキシリンダ34,36,42,44を第
一,第二加圧室22,24に連通させる状態と、パワー
圧室60に連通させる状態とに切り換えるようにされて
いる。また、電磁方向切換弁140,142と左右前輪
38,40との間にはそれぞれ3位置の方向切換弁であ
る電磁液圧制御弁146,148が設けられるととも
に、電磁方向切換弁144と左右後輪30,32との間
にもそれぞれ3位置の電磁方向切換弁である電磁液圧制
御弁150,152が設けられている。これら電磁液圧
制御弁146〜152は前記リザーバ104に接続され
ており、ブレーキシリンダ34,36,42,44をそ
れぞれ、パワー圧室60に連通させて液圧を増大させる
増圧状態と、リザーバ104に連通させて液圧を減少さ
せる減圧状態と、いずれにも連通させず、液圧が保持さ
れる保持状態とに切り換えられる。
【0021】また、第一加圧室22および第二加圧室2
4とリザーバ104とはそれぞれ、液通路156,15
8によって接続されるとともに、それら液通路156,
158にはそれぞれ電磁開閉弁160,162が設けら
れている。これら電磁開閉弁160,162には絞りが
設けられており、電磁開閉弁160,162が開かれれ
ば、第一,第二加圧室22,24内のブレーキ液は絞ら
れつつリザーバ104に流出する。
4とリザーバ104とはそれぞれ、液通路156,15
8によって接続されるとともに、それら液通路156,
158にはそれぞれ電磁開閉弁160,162が設けら
れている。これら電磁開閉弁160,162には絞りが
設けられており、電磁開閉弁160,162が開かれれ
ば、第一,第二加圧室22,24内のブレーキ液は絞ら
れつつリザーバ104に流出する。
【0022】電磁開閉弁160,162の開閉は、本液
圧ブレーキ装置を有する自動車に設けられたエアバッグ
装置170(図3参照)において設定値を超える減速度
が検出されたか否かに基づいて制御される。エアバッグ
装置170は、車両衝突時にステアリングホイールある
いはインストルメントパネルと乗員との間にエアバッグ
を膨らませ、乗員が乗員前面の室内部品にぶつかること
によって生ずる障害を緩和するための装置であり、エア
バッグ172,インフレータ174およびエアバッグコ
ントローラ176を備えている。エアバッグ172はス
テアリングホイールのパッド内に内蔵され、インフレー
タ174は点火装置178の点火によりガス発生剤18
0にガスを発生させ、エアバッグ172を膨らませる。
圧ブレーキ装置を有する自動車に設けられたエアバッグ
装置170(図3参照)において設定値を超える減速度
が検出されたか否かに基づいて制御される。エアバッグ
装置170は、車両衝突時にステアリングホイールある
いはインストルメントパネルと乗員との間にエアバッグ
を膨らませ、乗員が乗員前面の室内部品にぶつかること
によって生ずる障害を緩和するための装置であり、エア
バッグ172,インフレータ174およびエアバッグコ
ントローラ176を備えている。エアバッグ172はス
テアリングホイールのパッド内に内蔵され、インフレー
タ174は点火装置178の点火によりガス発生剤18
0にガスを発生させ、エアバッグ172を膨らませる。
【0023】エアバッグコントローラ176は、2個の
フロントエアバッグセンサ182,センタエアバッグセ
ンサ184,セーフィングセンサ186および点火判定
回路188を備えている。センサ182,186は、前
面衝突等により車両に後ろ向きの過大な衝撃が加えら
れ、設定値を超える減速度が生じたときにONになって
電流を導通させるものである。また、センタエアバッグ
センサ184は、減速度をリニアに検出するものであ
り、設定値を超える減速度が生じたときに点火判定回路
188がONになり、電流を導通させる。これらセンサ
182,184,186が検出する減速度は、車両に加
えられる衝撃力により生ずるものであり、センサ18
2,184,186は設定値以上の後ろ向きの衝撃力を
検出することとなる。
フロントエアバッグセンサ182,センタエアバッグセ
ンサ184,セーフィングセンサ186および点火判定
回路188を備えている。センサ182,186は、前
面衝突等により車両に後ろ向きの過大な衝撃が加えら
れ、設定値を超える減速度が生じたときにONになって
電流を導通させるものである。また、センタエアバッグ
センサ184は、減速度をリニアに検出するものであ
り、設定値を超える減速度が生じたときに点火判定回路
188がONになり、電流を導通させる。これらセンサ
182,184,186が検出する減速度は、車両に加
えられる衝撃力により生ずるものであり、センサ18
2,184,186は設定値以上の後ろ向きの衝撃力を
検出することとなる。
【0024】2個のフロントエアバッグセンサ182の
いずれかとセーフィングセンサ186とがONになった
とき、あるいは点火判定回路188とセーフィングセン
サ186とがONになったときに点火装置178に電流
が供給され、ガス発生剤180が点火されてガスを発生
してエアバッグ172を膨らませる。フロントエアバッ
グセンサ182あるいはセンタエアバッグセンサ184
のいずれかが誤ってONになってもエアバッグ172が
膨らませられないようにされているのである。
いずれかとセーフィングセンサ186とがONになった
とき、あるいは点火判定回路188とセーフィングセン
サ186とがONになったときに点火装置178に電流
が供給され、ガス発生剤180が点火されてガスを発生
してエアバッグ172を膨らませる。フロントエアバッ
グセンサ182あるいはセンタエアバッグセンサ184
のいずれかが誤ってONになってもエアバッグ172が
膨らませられないようにされているのである。
【0025】上記のように点火装置178に電流が流れ
れば、その前後に電圧差が生ずる。そのため、この電圧
差が配線189,191によって電子制御ユニット19
0(以下、ECU190と略称する。)に供給され、電
圧差が生じた場合には設定値以上の後ろ向きの衝撃力が
生じたとして衝撃時ブレーキ制御開始信号がONとさ
れ、電圧差が生じていない場合には衝撃時ブレーキ制御
開始信号がOFFとされる。このようにエアバッグ装置
170の3個のセンサ182,184,186および点
火判定回路188による大きな減速度の検出を利用して
衝撃時ブレーキ制御開始信号をONにすれば、フロント
エアバッグセンサ182とセンタエアバッグセンサ18
4とのいずれかが誤動作しても、衝撃時ブレーキ制御開
始信号がONにされることがない。
れば、その前後に電圧差が生ずる。そのため、この電圧
差が配線189,191によって電子制御ユニット19
0(以下、ECU190と略称する。)に供給され、電
圧差が生じた場合には設定値以上の後ろ向きの衝撃力が
生じたとして衝撃時ブレーキ制御開始信号がONとさ
れ、電圧差が生じていない場合には衝撃時ブレーキ制御
開始信号がOFFとされる。このようにエアバッグ装置
170の3個のセンサ182,184,186および点
火判定回路188による大きな減速度の検出を利用して
衝撃時ブレーキ制御開始信号をONにすれば、フロント
エアバッグセンサ182とセンタエアバッグセンサ18
4とのいずれかが誤動作しても、衝撃時ブレーキ制御開
始信号がONにされることがない。
【0026】ECU190はコンピュータを主体とする
ものであり、図1に示すように、ブレーキペダル26の
踏込みを検出するブレーキスイッチ192の信号が供給
されるとともに、左右の前輪38,40および後輪3
0,32の各回転速度を検出する回転速度センサ19
4,196,198,200の検出結果が供給され、そ
れに基づいて車輪速度,車輪減速度,車体速度等を演算
し、その演算結果に基づいてアンチスキッド制御を行
う。そのため、コンピュータのROMにはアンチスキッ
ド制御を行うためのルーチンが格納されており、さら
に、図4にフローチャートで示す衝突時ブレーキ制御ル
ーチンが格納され、前面衝突等により車両に大きな後ろ
向きの衝撃力が加えられた場合にブレーキペダル26に
より運転者の足に加えられる衝撃力が緩和されるように
なっている。
ものであり、図1に示すように、ブレーキペダル26の
踏込みを検出するブレーキスイッチ192の信号が供給
されるとともに、左右の前輪38,40および後輪3
0,32の各回転速度を検出する回転速度センサ19
4,196,198,200の検出結果が供給され、そ
れに基づいて車輪速度,車輪減速度,車体速度等を演算
し、その演算結果に基づいてアンチスキッド制御を行
う。そのため、コンピュータのROMにはアンチスキッ
ド制御を行うためのルーチンが格納されており、さら
に、図4にフローチャートで示す衝突時ブレーキ制御ル
ーチンが格納され、前面衝突等により車両に大きな後ろ
向きの衝撃力が加えられた場合にブレーキペダル26に
より運転者の足に加えられる衝撃力が緩和されるように
なっている。
【0027】次に作動を説明する。非制動時には、電磁
方向切換弁140〜144,電磁液圧制御弁146〜1
52のソレノイドはいずれも消磁され、第一,第二加圧
室22,24に発生した液圧がブレーキシリンダ34,
36,42,44に供給される状態にあり、また、電磁
開閉弁160,162は閉じており、第一,第二加圧室
22,24とリザーバ104との連通は遮断されてい
る。液圧ブースタ10においては、リアクションピスト
ン68は図示の後退限度位置にあって長穴82の前端が
ピン84の前面に係合させられ、パワーピストン56は
図示の後退端位置にあって、段部76がハウジング50
に係合させられている。また、スプール102は図示の
原位置にあって、パワー圧室60をアキュムレータ11
0から遮断してリザーバ104に連通させている。
方向切換弁140〜144,電磁液圧制御弁146〜1
52のソレノイドはいずれも消磁され、第一,第二加圧
室22,24に発生した液圧がブレーキシリンダ34,
36,42,44に供給される状態にあり、また、電磁
開閉弁160,162は閉じており、第一,第二加圧室
22,24とリザーバ104との連通は遮断されてい
る。液圧ブースタ10においては、リアクションピスト
ン68は図示の後退限度位置にあって長穴82の前端が
ピン84の前面に係合させられ、パワーピストン56は
図示の後退端位置にあって、段部76がハウジング50
に係合させられている。また、スプール102は図示の
原位置にあって、パワー圧室60をアキュムレータ11
0から遮断してリザーバ104に連通させている。
【0028】この状態でブレーキペダル10が踏み込ま
れれば、リアクションピストン68がパワーピストン5
6に対して相対的に前進し、スプール102がパワー圧
導入位置に移動させられ、パワー圧室60にパワー圧が
導入されてパワーピストン56が前進するとともに第
一,第二加圧ピストン18,20が前進して第一,第二
加圧室22,24に液圧が発生してブレーキシリンダ3
4,36,42,44に供給され、車輪の回転が抑制さ
れる。
れれば、リアクションピストン68がパワーピストン5
6に対して相対的に前進し、スプール102がパワー圧
導入位置に移動させられ、パワー圧室60にパワー圧が
導入されてパワーピストン56が前進するとともに第
一,第二加圧ピストン18,20が前進して第一,第二
加圧室22,24に液圧が発生してブレーキシリンダ3
4,36,42,44に供給され、車輪の回転が抑制さ
れる。
【0029】路面の摩擦係数に対してブレーキペダル1
0の踏込み力が過大となり、車輪のスリップ状態が適正
状態を超えればアンチスキッド制御が行われる。今、左
前輪38のスリップ状態が適正状態を超えたとすれば、
電磁方向切換弁140の切換えによりパワー圧がフロン
トブレーキシリンダ42に供給される状態とされるとと
もに、電磁液圧制御弁146がまず減圧状態に切り換え
られてフロントブレーキシリンダ42内のブレーキ液が
リザーバ104に排出される。それにより左前輪38の
回転が回復すれば電磁液圧制御弁146は保持状態とさ
れ、更に回復すれば増圧状態に切り換えられるのであ
り、電磁液圧制御弁146が減圧状態,保持状態,増圧
状態に切り換えられることにより左前輪38のスリップ
率が適正範囲に保たれる。
0の踏込み力が過大となり、車輪のスリップ状態が適正
状態を超えればアンチスキッド制御が行われる。今、左
前輪38のスリップ状態が適正状態を超えたとすれば、
電磁方向切換弁140の切換えによりパワー圧がフロン
トブレーキシリンダ42に供給される状態とされるとと
もに、電磁液圧制御弁146がまず減圧状態に切り換え
られてフロントブレーキシリンダ42内のブレーキ液が
リザーバ104に排出される。それにより左前輪38の
回転が回復すれば電磁液圧制御弁146は保持状態とさ
れ、更に回復すれば増圧状態に切り換えられるのであ
り、電磁液圧制御弁146が減圧状態,保持状態,増圧
状態に切り換えられることにより左前輪38のスリップ
率が適正範囲に保たれる。
【0030】次に、車両が走行中に前面衝突等により後
ろ向きの衝撃力が加えられた場合にブレーキペダル26
から運転者の足に加えられる衝撃力の緩和について説明
する。車両に設定値を超える衝撃力が加えられればエア
バッグ172が膨らまされ、ステアリングホイールから
運転者の体に加えられる衝撃力が緩和されるが、これに
ついては本発明に直接関係がないため説明は省略する。
ろ向きの衝撃力が加えられた場合にブレーキペダル26
から運転者の足に加えられる衝撃力の緩和について説明
する。車両に設定値を超える衝撃力が加えられればエア
バッグ172が膨らまされ、ステアリングホイールから
運転者の体に加えられる衝撃力が緩和されるが、これに
ついては本発明に直接関係がないため説明は省略する。
【0031】ブレーキペダル26から運転者の足に加え
られる衝撃力の緩和は、図4に示すフローチャートに従
って行われる。まず、ステップS1(以下、S1と略称
する。他のステップについても同じ。)において衝撃時
ブレーキ制御開始信号がONであるか否かの判定が行わ
れる。前述のように車両に設定値を超える後ろ向きの衝
撃力が加えられ、フロントエアバッグセンサ182およ
びセーフィングセンサ186がONになり、あるいは点
火判定回路188およびセーフィングセンサ186がO
Nになって電流が流れれば衝撃時ブレーキ制御開始信号
がONになるが、衝撃力が加えられていない場合にはO
FFであり、S1の判定結果はNOとなる。
られる衝撃力の緩和は、図4に示すフローチャートに従
って行われる。まず、ステップS1(以下、S1と略称
する。他のステップについても同じ。)において衝撃時
ブレーキ制御開始信号がONであるか否かの判定が行わ
れる。前述のように車両に設定値を超える後ろ向きの衝
撃力が加えられ、フロントエアバッグセンサ182およ
びセーフィングセンサ186がONになり、あるいは点
火判定回路188およびセーフィングセンサ186がO
Nになって電流が流れれば衝撃時ブレーキ制御開始信号
がONになるが、衝撃力が加えられていない場合にはO
FFであり、S1の判定結果はNOとなる。
【0032】車両に設定値を超える後ろ向きの衝撃力が
加えられ、衝撃時ブレーキ制御開始信号がONになれば
S1の判定結果がYESになり、S2においてブレーキ
スイッチ192がONであるか否かにより、ブレーキペ
ダル26が踏み込まれているか否かの判定が行われ、ブ
レーキペダル26が踏み込まれていれば衝撃力が緩和さ
れる。ブレーキペダル26が踏み込まれていなければブ
レーキペダル26から運転者の足に衝撃力が加えられる
ことはなく、衝撃緩和制御を行う必要がないからであ
る。
加えられ、衝撃時ブレーキ制御開始信号がONになれば
S1の判定結果がYESになり、S2においてブレーキ
スイッチ192がONであるか否かにより、ブレーキペ
ダル26が踏み込まれているか否かの判定が行われ、ブ
レーキペダル26が踏み込まれていれば衝撃力が緩和さ
れる。ブレーキペダル26が踏み込まれていなければブ
レーキペダル26から運転者の足に衝撃力が加えられる
ことはなく、衝撃緩和制御を行う必要がないからであ
る。
【0033】ブレーキペダル26が踏み込まれていれば
S2の判定結果はYESとなり、S3において電磁液圧
制御弁146〜152を保持状態に切り換えるべく、保
持指令が出力される。次いで、S4において電磁開閉弁
160,162を開く指令が出力され、電磁開閉弁16
0,162が開かれて第一,第二加圧室22,24内の
ブレーキ液が絞られつつリザーバ104に流出する。そ
のため、前面衝突等により車両に後ろ向きの大きな衝撃
力が加えられ、運転者の身体の慣性によりブレーキペダ
ル26が液圧ブースタ10の助勢限界を超えて踏み込ま
れても、ブレーキ液が絞られつつ流出することにより、
ブレーキペダル26の踏込みが踏込み方向とは逆向きの
反力が与えられつつ許容される。この反力はブレーキペ
ダル26の移動が許容されない場合に比較して小さく、
ブレーキペダル26から運転者の足に加えられる衝撃力
が軽減される。
S2の判定結果はYESとなり、S3において電磁液圧
制御弁146〜152を保持状態に切り換えるべく、保
持指令が出力される。次いで、S4において電磁開閉弁
160,162を開く指令が出力され、電磁開閉弁16
0,162が開かれて第一,第二加圧室22,24内の
ブレーキ液が絞られつつリザーバ104に流出する。そ
のため、前面衝突等により車両に後ろ向きの大きな衝撃
力が加えられ、運転者の身体の慣性によりブレーキペダ
ル26が液圧ブースタ10の助勢限界を超えて踏み込ま
れても、ブレーキ液が絞られつつ流出することにより、
ブレーキペダル26の踏込みが踏込み方向とは逆向きの
反力が与えられつつ許容される。この反力はブレーキペ
ダル26の移動が許容されない場合に比較して小さく、
ブレーキペダル26から運転者の足に加えられる衝撃力
が軽減される。
【0034】車両が急激に減速されるとき、運転者の身
体も急激に減速される必要があり、そのためには運転者
の身体が有している運動エネルギが消費されることが必
要である。したがって、単にブレーキペダル26の通常
移動領域を超えた移動が許容されるのみでは意味がな
く、運転者の足に痛みを与えない程度の反力を加えつつ
ブレーキペダル26の移動が許容されることが必要であ
る。
体も急激に減速される必要があり、そのためには運転者
の身体が有している運動エネルギが消費されることが必
要である。したがって、単にブレーキペダル26の通常
移動領域を超えた移動が許容されるのみでは意味がな
く、運転者の足に痛みを与えない程度の反力を加えつつ
ブレーキペダル26の移動が許容されることが必要であ
る。
【0035】通常移動を予定されている領域を超えて踏
み込まれるときのブレーキペダル26の移動速度および
ブレーキペダル26が受ける反力の大きさは、電磁開閉
弁160,162の絞り径の大きさによって異なる。ま
た、ブレーキペダル26の通常移動領域を超えた移動に
より消費されるべき運動エネルギは、運転者の体重,ブ
レーキペダル26の踏込み時の姿勢,車両減速度等によ
って異なる。そのため、それらに基づいて衝撃発生時に
消費されるべき運動エネルギが求められ、その運動エネ
ルギと運転者に強い足の痛みを感じさせない反力の大き
さとからブレーキペダル26の通常は移動しない領域に
おいて移動すべき距離や移動速度が決定され、さらに、
移動速度および反力の大きさから電磁開閉弁160,1
62の絞り径が決定されている。
み込まれるときのブレーキペダル26の移動速度および
ブレーキペダル26が受ける反力の大きさは、電磁開閉
弁160,162の絞り径の大きさによって異なる。ま
た、ブレーキペダル26の通常移動領域を超えた移動に
より消費されるべき運動エネルギは、運転者の体重,ブ
レーキペダル26の踏込み時の姿勢,車両減速度等によ
って異なる。そのため、それらに基づいて衝撃発生時に
消費されるべき運動エネルギが求められ、その運動エネ
ルギと運転者に強い足の痛みを感じさせない反力の大き
さとからブレーキペダル26の通常は移動しない領域に
おいて移動すべき距離や移動速度が決定され、さらに、
移動速度および反力の大きさから電磁開閉弁160,1
62の絞り径が決定されている。
【0036】また、第一,第二加圧室22,24内のブ
レーキ液がリザーバ104に流出して衝撃力が緩和され
るとき、電磁液圧制御弁146〜152は保持状態とさ
れているため、衝突時にブレーキシリンダ34,36,
42,44が第一,第二加圧室22,24に連通する状
態にあってもブレーキ液がリザーバ104に流出するこ
とがなく、車両の制動が支障なく行われる。
レーキ液がリザーバ104に流出して衝撃力が緩和され
るとき、電磁液圧制御弁146〜152は保持状態とさ
れているため、衝突時にブレーキシリンダ34,36,
42,44が第一,第二加圧室22,24に連通する状
態にあってもブレーキ液がリザーバ104に流出するこ
とがなく、車両の制動が支障なく行われる。
【0037】このように衝撃力が緩和される際のペダル
ストロークおよびブレーキシリンダ圧と時間との関係を
グラフにして図5に示す。このグラフにおいて実線は本
液圧ブレーキ装置における衝撃発生時のペダルストロー
クおよびブレーキシリンダ圧を表し、破線は衝撃発生時
における従来のペダルストロークおよびブレーキシリン
ダ圧を表す。このグラフから明らかなように、衝撃発生
時に第一,第二加圧室22,24内のブレーキ液を絞り
つつリザーバ104に流出させれば、ブレーキペダル2
6の踏込みが許容されてそのストロークが長くなり、衝
撃力が緩和されるのであり、また、衝撃緩和時にブレー
キシリンダ圧が保持されて車両の制動が支障なく行われ
る。
ストロークおよびブレーキシリンダ圧と時間との関係を
グラフにして図5に示す。このグラフにおいて実線は本
液圧ブレーキ装置における衝撃発生時のペダルストロー
クおよびブレーキシリンダ圧を表し、破線は衝撃発生時
における従来のペダルストロークおよびブレーキシリン
ダ圧を表す。このグラフから明らかなように、衝撃発生
時に第一,第二加圧室22,24内のブレーキ液を絞り
つつリザーバ104に流出させれば、ブレーキペダル2
6の踏込みが許容されてそのストロークが長くなり、衝
撃力が緩和されるのであり、また、衝撃緩和時にブレー
キシリンダ圧が保持されて車両の制動が支障なく行われ
る。
【0038】電磁開閉弁160,162の開指令が出力
された後S5が実行され、ブレーキスイッチ192がO
FFであるか否かにより、ブレーキペダル26の踏込み
が解除されたか否かの判定が行われ、ブレーキペダル2
6が踏み込まれている間はS5が繰り返し実行される。
ブレーキペダル26の踏込みが解除されればS6が実行
され、電磁開閉弁160,162が閉じられるととも
に、電磁液圧制御弁146〜152が増圧状態とされ
る。ブレーキペダル26の踏込みが解除され、運転者が
ブレーキペダル26から足を下ろせば、衝撃力が加えら
れることはないため、電磁開閉弁160,162を閉じ
てもよく、また、閉じればブレーキシリンダ34,3
6,42,44からブレーキ液が流出することはないた
め、第一,第二加圧室22,24に連通する状態に戻さ
れるのである。それにより、次にブレーキペダル26が
踏み込まれたとき、第一,第二加圧室22,24に発生
した液圧によって車輪の回転を抑制することができる。
された後S5が実行され、ブレーキスイッチ192がO
FFであるか否かにより、ブレーキペダル26の踏込み
が解除されたか否かの判定が行われ、ブレーキペダル2
6が踏み込まれている間はS5が繰り返し実行される。
ブレーキペダル26の踏込みが解除されればS6が実行
され、電磁開閉弁160,162が閉じられるととも
に、電磁液圧制御弁146〜152が増圧状態とされ
る。ブレーキペダル26の踏込みが解除され、運転者が
ブレーキペダル26から足を下ろせば、衝撃力が加えら
れることはないため、電磁開閉弁160,162を閉じ
てもよく、また、閉じればブレーキシリンダ34,3
6,42,44からブレーキ液が流出することはないた
め、第一,第二加圧室22,24に連通する状態に戻さ
れるのである。それにより、次にブレーキペダル26が
踏み込まれたとき、第一,第二加圧室22,24に発生
した液圧によって車輪の回転を抑制することができる。
【0039】このように本実施例によれば、車両に前面
衝突等により大きな衝撃力が加えられても、運転者の足
に加えられる衝撃力が緩和され、痛みを与えないか軽減
し得る。また、電磁開閉弁160,162は前後2系統
の各系統に設けられているため、通常走行時に電磁開閉
弁160,162のいずれかが誤作動により開いてブレ
ーキ液がリザーバ104に流出しても、他方の系統につ
いては流出せず、制動力を確保することができる。さら
に、本実施例においては、車両に加えられる設定値以上
の衝撃力がエアバッグ装置170のフロントエアバッグ
センサ182,センタエアバッグセンサ184,セーフ
ィグセンサ186および点火判定回路188を用いて検
出されるため、専用のセンサを設ける場合に比較してコ
ストの増大を低く抑えることができる。
衝突等により大きな衝撃力が加えられても、運転者の足
に加えられる衝撃力が緩和され、痛みを与えないか軽減
し得る。また、電磁開閉弁160,162は前後2系統
の各系統に設けられているため、通常走行時に電磁開閉
弁160,162のいずれかが誤作動により開いてブレ
ーキ液がリザーバ104に流出しても、他方の系統につ
いては流出せず、制動力を確保することができる。さら
に、本実施例においては、車両に加えられる設定値以上
の衝撃力がエアバッグ装置170のフロントエアバッグ
センサ182,センタエアバッグセンサ184,セーフ
ィグセンサ186および点火判定回路188を用いて検
出されるため、専用のセンサを設ける場合に比較してコ
ストの増大を低く抑えることができる。
【0040】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、エアバッグコントローラ176,点火装置
178,電磁開閉弁160,162,ECU190のコ
ンピュータのROMのうちS1〜S5を記憶する部分お
よびCPUのそれらステップを実行する部分が移動許容
手段を構成しているのである。
においては、エアバッグコントローラ176,点火装置
178,電磁開閉弁160,162,ECU190のコ
ンピュータのROMのうちS1〜S5を記憶する部分お
よびCPUのそれらステップを実行する部分が移動許容
手段を構成しているのである。
【0041】なお、上記実施例においては、電磁開閉弁
160,162は、衝撃力緩和のため一旦開かれた後、
ブレーキペダル26の踏込みが解除されたときに閉じら
れるようにされていたが、図6に示す衝撃時ブレーキ制
御ルーチンのS5′におけるように、電磁開閉弁16
0,162が開かれた後、設定時間tが経過したか否か
を判定し、経過したときに閉じるようにしてもよい。こ
のようにすれば、ブレーキペダル26の踏込みが解除さ
れても、設定時間t以内であれば車両の制動が続行さ
れ、衝撃発生後に運転者の足がブレーキペダル26から
離れることがあっても車両が移動を再開することがな
い。
160,162は、衝撃力緩和のため一旦開かれた後、
ブレーキペダル26の踏込みが解除されたときに閉じら
れるようにされていたが、図6に示す衝撃時ブレーキ制
御ルーチンのS5′におけるように、電磁開閉弁16
0,162が開かれた後、設定時間tが経過したか否か
を判定し、経過したときに閉じるようにしてもよい。こ
のようにすれば、ブレーキペダル26の踏込みが解除さ
れても、設定時間t以内であれば車両の制動が続行さ
れ、衝撃発生後に運転者の足がブレーキペダル26から
離れることがあっても車両が移動を再開することがな
い。
【0042】上記実施例において、電磁開閉弁160,
162に代えてリリーフバルブを設ければ、車両に設定
値以上の後ろ向きの衝撃力が加えられたときにブレーキ
ペダルから足に加えられる衝撃力を緩和することができ
る。足に加えられる衝撃力はリリーフバルブのリリーフ
圧を変えることにより変えることができる。この態様
は、衝撃力の大きさが検出されることなく、第一,第二
加圧室22,24の液圧が設定値を超えればブレーキペ
ダル26の通常移動しない領域への移動が許容されるも
のであるが、そのような液圧が発生するのは車両に設定
値以上の後ろ向きの衝撃力が加えられたときであり、ブ
レーキペダル26の移動は衝撃時に許容され、運転者の
足に加えられる衝撃力が緩和されることとなる。
162に代えてリリーフバルブを設ければ、車両に設定
値以上の後ろ向きの衝撃力が加えられたときにブレーキ
ペダルから足に加えられる衝撃力を緩和することができ
る。足に加えられる衝撃力はリリーフバルブのリリーフ
圧を変えることにより変えることができる。この態様
は、衝撃力の大きさが検出されることなく、第一,第二
加圧室22,24の液圧が設定値を超えればブレーキペ
ダル26の通常移動しない領域への移動が許容されるも
のであるが、そのような液圧が発生するのは車両に設定
値以上の後ろ向きの衝撃力が加えられたときであり、ブ
レーキペダル26の移動は衝撃時に許容され、運転者の
足に加えられる衝撃力が緩和されることとなる。
【0043】また、上記実施例において、電磁開閉弁1
60,162の絞り径は同じ大きさとされていたが、異
なる大きさにしてもよい。例えば、第一,第二加圧室2
2,24に液圧が発生した状態で、第一,第二加圧室2
2,24内のブレーキ液の残量が同じになるように設計
されている場合、電磁開閉弁160,162の絞り径を
異ならせることにより、一方の加圧室からのブレーキ液
の流出速度と他方の加圧室からのブレーキ液の流出速度
とを異ならせ、一方の加圧室から全部のブレーキ液が流
出しても他方の加圧室内にブレーキ液が残るようにする
のである。このブレーキ液は、その加圧室とリザーバと
の間に設けられた電磁開閉弁の絞り径によって決まる速
度で流出し、2個の加圧室の両方からブレーキ液が絞ら
れつつ流出する場合よりブレーキペダルに加えられる反
力が大きくなる。ブレーキペダルから足に加えられる反
力の大きさを2段階に変えることができるのである。
60,162の絞り径は同じ大きさとされていたが、異
なる大きさにしてもよい。例えば、第一,第二加圧室2
2,24に液圧が発生した状態で、第一,第二加圧室2
2,24内のブレーキ液の残量が同じになるように設計
されている場合、電磁開閉弁160,162の絞り径を
異ならせることにより、一方の加圧室からのブレーキ液
の流出速度と他方の加圧室からのブレーキ液の流出速度
とを異ならせ、一方の加圧室から全部のブレーキ液が流
出しても他方の加圧室内にブレーキ液が残るようにする
のである。このブレーキ液は、その加圧室とリザーバと
の間に設けられた電磁開閉弁の絞り径によって決まる速
度で流出し、2個の加圧室の両方からブレーキ液が絞ら
れつつ流出する場合よりブレーキペダルに加えられる反
力が大きくなる。ブレーキペダルから足に加えられる反
力の大きさを2段階に変えることができるのである。
【0044】さらに、電磁開閉弁160,162のソレ
ノイドが応答速度の高いものであれば、デューティ制御
することによりブレーキ液の流出速度を任意に調節する
ことができ、1回の衝撃緩和中においてブレーキペダル
26から足に加えられる反力の大きさを漸変させること
ができる。
ノイドが応答速度の高いものであれば、デューティ制御
することによりブレーキ液の流出速度を任意に調節する
ことができ、1回の衝撃緩和中においてブレーキペダル
26から足に加えられる反力の大きさを漸変させること
ができる。
【0045】また、上記実施例においては、車両に加え
られる設定値以上の後ろ向きの衝撃力はエアバッグ装置
170のセンサ182,184,186および点火判定
回路188により検出されるようになっていたが、衝撃
緩和のために専用の衝撃力検出手段を設けてもよく、あ
るいは車両の停止時のショックを低減するための装置
等、他の装置用に設けられた減速度センサを利用して衝
撃を検出するようにしてもよい。
られる設定値以上の後ろ向きの衝撃力はエアバッグ装置
170のセンサ182,184,186および点火判定
回路188により検出されるようになっていたが、衝撃
緩和のために専用の衝撃力検出手段を設けてもよく、あ
るいは車両の停止時のショックを低減するための装置
等、他の装置用に設けられた減速度センサを利用して衝
撃を検出するようにしてもよい。
【0046】本発明の更に別の実施例を図7および図8
に示す。本実施例は、電気・マニュアル2系統式液圧ブ
レーキ装置に本発明を適用したものである。この電気・
マニュアル2系統式ブレーキ装置の構成は、ブレーキペ
ダルから足に加えられる衝撃力の緩和を除いて本出願人
に係る特願平3−24097号に記載の装置と同じであ
り、簡単に説明する。
に示す。本実施例は、電気・マニュアル2系統式液圧ブ
レーキ装置に本発明を適用したものである。この電気・
マニュアル2系統式ブレーキ装置の構成は、ブレーキペ
ダルから足に加えられる衝撃力の緩和を除いて本出願人
に係る特願平3−24097号に記載の装置と同じであ
り、簡単に説明する。
【0047】このブレーキ装置は、電磁方向切換弁20
8,210,212,214,216の切換えにより、
マニュアルモードと電気制御モードとに切り換えられ
る。マニュアルモードは、左右前輪218,220,左
右後輪222,224にそれぞれ設けられたブレーキの
ブレーキシリンダ226,228,230,232がマ
スタシリンダ234の加圧室に連通させられ、ブレーキ
ペダル236の踏込みに基づいてマスタシリンダ234
の加圧室に発生した液圧により車輪の回転が抑制される
モードである。また、電気制御モードは、ブレーキシリ
ンダ226〜232に、アキュムレータ238の液圧が
電磁液圧制御弁240,242,244,246により
調整されて供給され、車輪の回転が抑制されるモードで
ある。電磁液圧制御弁240〜246は、励磁電流に基
づく磁気的な駆動力と液圧に基づく反力との相対的な関
係に基づいてスプールを移動させ、ブレーキ液がアキュ
ムレータ238からブレーキシリンダ226〜232に
供給される状態と、ブレーキシリンダ226〜232か
らリザーバ248に排出される状態と、ブレーキシリン
ダ226〜232に供給,排出されない状態に切り換わ
り、液圧を制御するスプール式電磁液圧制御弁である。
8,210,212,214,216の切換えにより、
マニュアルモードと電気制御モードとに切り換えられ
る。マニュアルモードは、左右前輪218,220,左
右後輪222,224にそれぞれ設けられたブレーキの
ブレーキシリンダ226,228,230,232がマ
スタシリンダ234の加圧室に連通させられ、ブレーキ
ペダル236の踏込みに基づいてマスタシリンダ234
の加圧室に発生した液圧により車輪の回転が抑制される
モードである。また、電気制御モードは、ブレーキシリ
ンダ226〜232に、アキュムレータ238の液圧が
電磁液圧制御弁240,242,244,246により
調整されて供給され、車輪の回転が抑制されるモードで
ある。電磁液圧制御弁240〜246は、励磁電流に基
づく磁気的な駆動力と液圧に基づく反力との相対的な関
係に基づいてスプールを移動させ、ブレーキ液がアキュ
ムレータ238からブレーキシリンダ226〜232に
供給される状態と、ブレーキシリンダ226〜232か
らリザーバ248に排出される状態と、ブレーキシリン
ダ226〜232に供給,排出されない状態に切り換わ
り、液圧を制御するスプール式電磁液圧制御弁である。
【0048】マスタシリンダ234にはシミュレーショ
ン装置254が接続されており、電気制御モードによっ
て車輪の回転が抑制されるとき、ブレーキペダル236
にその踏込みストロークに応じた反力を与えるようにさ
れている。シミュレーション装置254は、図8に示す
ように、ハウジング256内に液密にかつ軸方向に移動
可能に嵌合されたシミュレーションピストン258を備
えている。シミュレーションピストン258とハウジン
グ256との間には液圧室260が形成され、マスタシ
リンダ234の加圧室に接続されており、シミュレーシ
ョンピストン258はスプリング262によって液圧室
260側に付勢されている。液圧室260は、マスタシ
リンダ234との間に設けられた電磁方向切換弁208
の切換えにより、電気制御モード時に加圧室に連通させ
られ、ブレーキペダル26に反力を加える。本実施例に
おいてブレーキペダル236の通常移動を予定されてい
る領域はシミュレーションピストン258の移動可能範
囲に対応している。
ン装置254が接続されており、電気制御モードによっ
て車輪の回転が抑制されるとき、ブレーキペダル236
にその踏込みストロークに応じた反力を与えるようにさ
れている。シミュレーション装置254は、図8に示す
ように、ハウジング256内に液密にかつ軸方向に移動
可能に嵌合されたシミュレーションピストン258を備
えている。シミュレーションピストン258とハウジン
グ256との間には液圧室260が形成され、マスタシ
リンダ234の加圧室に接続されており、シミュレーシ
ョンピストン258はスプリング262によって液圧室
260側に付勢されている。液圧室260は、マスタシ
リンダ234との間に設けられた電磁方向切換弁208
の切換えにより、電気制御モード時に加圧室に連通させ
られ、ブレーキペダル26に反力を加える。本実施例に
おいてブレーキペダル236の通常移動を予定されてい
る領域はシミュレーションピストン258の移動可能範
囲に対応している。
【0049】ハウジング256内のシミュレーションピ
ストン258に対して液圧室260とは反対側に、衝撃
緩和ピストン270がシミュレーションピストン258
と同心に液密かつ摺動可能に嵌合されている。衝撃緩和
ピストン270とハウジング256との間には液室27
2が形成されるとともに、その液室272内に配設され
たスプリング274によってシミュレーションピストン
258側に付勢されている。スプリング274の付勢
は、シミュレーションピストン258がハウジング25
6の肩面276に当接することにより規定されている。
ストン258に対して液圧室260とは反対側に、衝撃
緩和ピストン270がシミュレーションピストン258
と同心に液密かつ摺動可能に嵌合されている。衝撃緩和
ピストン270とハウジング256との間には液室27
2が形成されるとともに、その液室272内に配設され
たスプリング274によってシミュレーションピストン
258側に付勢されている。スプリング274の付勢
は、シミュレーションピストン258がハウジング25
6の肩面276に当接することにより規定されている。
【0050】液室272は液通路284によって前記リ
ザーバ248に接続されている。この液通路284には
電磁開閉弁286が設けられるとともに、電磁開閉弁2
86とリザーバ248との間には絞り288が設けられ
ている。これら電磁開閉弁286,電磁方向切換弁20
8,210〜216,電磁液圧制御弁240〜246は
ECU290によって制御される。292,294,2
96,298は、左右の前輪218,220および後輪
222,224の各回転速度を検出する回転速度センサ
であり、300はブレーキスイッチである。なお、本実
施例においても車両に加えられる設定値以上の衝撃力は
エアバッグ装置のセンサによって検出され、検出時には
衝撃時ブレーキ制御開始信号がONにされることとす
る。
ザーバ248に接続されている。この液通路284には
電磁開閉弁286が設けられるとともに、電磁開閉弁2
86とリザーバ248との間には絞り288が設けられ
ている。これら電磁開閉弁286,電磁方向切換弁20
8,210〜216,電磁液圧制御弁240〜246は
ECU290によって制御される。292,294,2
96,298は、左右の前輪218,220および後輪
222,224の各回転速度を検出する回転速度センサ
であり、300はブレーキスイッチである。なお、本実
施例においても車両に加えられる設定値以上の衝撃力は
エアバッグ装置のセンサによって検出され、検出時には
衝撃時ブレーキ制御開始信号がONにされることとす
る。
【0051】本液圧ブレーキ装置において通常の制動時
には、電磁開閉弁286が閉じられ、液室272からの
ブレーキ液の流出が阻止されて衝撃緩和ピストン270
は移動を阻止され、ブレーキペダル236の踏込みに伴
ってシミュレーションピストン258が液圧室260に
液圧を発生させ、ブレーキペダル236にその踏込みス
トロークに応じた反力が加えられる。それに対し、前面
衝突等により車両に設定値以上の後ろ向きの衝撃力が加
えられれば、衝撃時ブレーキ制御開始信号がONにさ
れ、それに基づいて電磁開閉弁286が開かれ、液室2
72からブレーキ液が絞り288によって絞られつつリ
ザーバ248に流出する。そのため、衝撃緩和ピストン
270およびシミュレーションピストン258が後退
し、ブレーキペダル236は踏込み方向とは逆向きの反
力を受けつつ通常移動を予定されている領域を超えて移
動することとなる。このときブレーキペダル236に加
えられる反力は衝撃緩和ピストン270が後退しない場
合に比較して小さく、ブレーキペダル236から運転者
の足に加えられる衝撃力が緩和される。本実施例におい
ては、衝撃緩和ピストン270,電磁開閉弁286,絞
り288およびECU290の衝撃時ブレーキ制御開始
ON信号に基づいて電磁開閉弁286の開閉等を行う部
分が移動許容手段を構成しているのである。
には、電磁開閉弁286が閉じられ、液室272からの
ブレーキ液の流出が阻止されて衝撃緩和ピストン270
は移動を阻止され、ブレーキペダル236の踏込みに伴
ってシミュレーションピストン258が液圧室260に
液圧を発生させ、ブレーキペダル236にその踏込みス
トロークに応じた反力が加えられる。それに対し、前面
衝突等により車両に設定値以上の後ろ向きの衝撃力が加
えられれば、衝撃時ブレーキ制御開始信号がONにさ
れ、それに基づいて電磁開閉弁286が開かれ、液室2
72からブレーキ液が絞り288によって絞られつつリ
ザーバ248に流出する。そのため、衝撃緩和ピストン
270およびシミュレーションピストン258が後退
し、ブレーキペダル236は踏込み方向とは逆向きの反
力を受けつつ通常移動を予定されている領域を超えて移
動することとなる。このときブレーキペダル236に加
えられる反力は衝撃緩和ピストン270が後退しない場
合に比較して小さく、ブレーキペダル236から運転者
の足に加えられる衝撃力が緩和される。本実施例におい
ては、衝撃緩和ピストン270,電磁開閉弁286,絞
り288およびECU290の衝撃時ブレーキ制御開始
ON信号に基づいて電磁開閉弁286の開閉等を行う部
分が移動許容手段を構成しているのである。
【0052】ブレーキペダル236の踏込みが解除され
れば、液圧室260の液圧が低下し、衝撃緩和ピストン
270がスプリング274により付勢されて戻される。
その状態で電磁開閉弁286が閉じられて液室272と
リザーバ248との連通が遮断される。
れば、液圧室260の液圧が低下し、衝撃緩和ピストン
270がスプリング274により付勢されて戻される。
その状態で電磁開閉弁286が閉じられて液室272と
リザーバ248との連通が遮断される。
【0053】本発明の更に別の実施例を図9に示す。本
実施例は、衝撃緩和ピストン270,電磁開閉弁286
および絞り288の代わりに、移動許容装置310を設
けたものであり、車両に設定値以上の後ろ向きの衝撃力
が加えられたとき、電磁開閉弁の開閉を行うことなく、
ブレーキペダルに踏込み方向とは逆向きの反力を加えつ
つ、踏込み方向において通常は移動しない領域まで移動
することを許容するようにするとともに、移動許容手段
をマスタシリンダの作動とは関係なく作動するようにし
たものである。
実施例は、衝撃緩和ピストン270,電磁開閉弁286
および絞り288の代わりに、移動許容装置310を設
けたものであり、車両に設定値以上の後ろ向きの衝撃力
が加えられたとき、電磁開閉弁の開閉を行うことなく、
ブレーキペダルに踏込み方向とは逆向きの反力を加えつ
つ、踏込み方向において通常は移動しない領域まで移動
することを許容するようにするとともに、移動許容手段
をマスタシリンダの作動とは関係なく作動するようにし
たものである。
【0054】本実施例の移動許容手段である移動許容装
置310は、車体312のブレーキペダル314に対向
する位置に設けられている。移動許容装置310の円筒
状のハウジング316には衝撃緩和ピストン318が軸
方向に移動可能にかつハウジング316から抜け出し不
能に嵌合されており、それの先端部とハウジング316
の車体312に取り付けられた側の端部との間に配設さ
れた多数の皿ばね322により、突出方向に付勢されて
いる。本ブレーキ装置においてブレーキペダル314の
通常移動を予定されている領域は、ブレーキペダル31
4がクッション324に当接するまでであり、シミュレ
ーション装置は、前記図8に示すシミュレーション装置
254のうち、衝撃緩和ピストン270が設けられず、
ハウジング256,シミュレーションピストン258,
液圧室260およびスプリング262から成るものとさ
れるとともに、ブレーキペダル314がクッション32
4に当接した後も更にシミュレーションピストン258
がスプリング262の付勢力に抗して後退可能なように
構成されている。
置310は、車体312のブレーキペダル314に対向
する位置に設けられている。移動許容装置310の円筒
状のハウジング316には衝撃緩和ピストン318が軸
方向に移動可能にかつハウジング316から抜け出し不
能に嵌合されており、それの先端部とハウジング316
の車体312に取り付けられた側の端部との間に配設さ
れた多数の皿ばね322により、突出方向に付勢されて
いる。本ブレーキ装置においてブレーキペダル314の
通常移動を予定されている領域は、ブレーキペダル31
4がクッション324に当接するまでであり、シミュレ
ーション装置は、前記図8に示すシミュレーション装置
254のうち、衝撃緩和ピストン270が設けられず、
ハウジング256,シミュレーションピストン258,
液圧室260およびスプリング262から成るものとさ
れるとともに、ブレーキペダル314がクッション32
4に当接した後も更にシミュレーションピストン258
がスプリング262の付勢力に抗して後退可能なように
構成されている。
【0055】衝撃緩和ピストン318は、ブレーキペダ
ル314の踏込み力が皿ばね322の付勢力を超えれば
後退し、ブレーキペダル314の踏込みを許容するが、
ブレーキペダル314の踏込み力が皿ばね322の付勢
力を超えるほど大きくなるのは、車両に設定値以上の後
ろ向きの衝撃力が加えられたときである。そのため、衝
撃発生時に生ずる踏込み力が推定され、その推定に基づ
いて皿ばね322の付勢力は、通常の制動時にはブレー
キペダル314が当接しても衝撃緩和ピストン318が
後退せず、設定値以上の衝撃力が加えられたときに後退
する大きさに設定されている。それにより移動許容装置
310は、車両に設定値以上の後ろ向きの衝撃力が加え
られたとき、ブレーキペダル314が踏込み方向とは逆
向きの反力を受けつつ通常は移動しない領域へ移動する
ことを許容し、ブレーキペダル314から運転者の足に
加えられる衝撃力が緩和されることとなる。
ル314の踏込み力が皿ばね322の付勢力を超えれば
後退し、ブレーキペダル314の踏込みを許容するが、
ブレーキペダル314の踏込み力が皿ばね322の付勢
力を超えるほど大きくなるのは、車両に設定値以上の後
ろ向きの衝撃力が加えられたときである。そのため、衝
撃発生時に生ずる踏込み力が推定され、その推定に基づ
いて皿ばね322の付勢力は、通常の制動時にはブレー
キペダル314が当接しても衝撃緩和ピストン318が
後退せず、設定値以上の衝撃力が加えられたときに後退
する大きさに設定されている。それにより移動許容装置
310は、車両に設定値以上の後ろ向きの衝撃力が加え
られたとき、ブレーキペダル314が踏込み方向とは逆
向きの反力を受けつつ通常は移動しない領域へ移動する
ことを許容し、ブレーキペダル314から運転者の足に
加えられる衝撃力が緩和されることとなる。
【0056】その他、特許請求の範囲を逸脱することな
く、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した
態様で本発明を実施することができる。
く、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した
態様で本発明を実施することができる。
【図1】本発明の一実施例である液圧ブレーキ装置の系
統図である。
統図である。
【図2】上記液圧ブレーキ装置のマスタシリンダおよび
液圧ブースタを示す正面断面図である。
液圧ブースタを示す正面断面図である。
【図3】上記液圧ブレーキ装置を備えた自動車に設けら
れたエアバッグ装置を示す図である。
れたエアバッグ装置を示す図である。
【図4】上記液圧ブレーキ装置を制御する電子制御ユニ
ットのコンピュータのROMに格納された衝撃時ブレー
キ制御ルーチンを示すフローチャートである。
ットのコンピュータのROMに格納された衝撃時ブレー
キ制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】上記液圧ブレーキ装置において衝撃発生時の時
間とブレーキシリンダ圧およびブレーキペダルの踏込み
ストロークとの関係を従来と比較しつつ示すグラフであ
る。
間とブレーキシリンダ圧およびブレーキペダルの踏込み
ストロークとの関係を従来と比較しつつ示すグラフであ
る。
【図6】衝撃時ブレーキ制御ルーチンの別の例を示すフ
ローチャートである。
ローチャートである。
【図7】本発明の別の実施例である電気・マニュアル2
系統式液圧ブレーキ装置の系統図である。
系統式液圧ブレーキ装置の系統図である。
【図8】上記電気・マニュアル2系統式液圧ブレーキ装
置に設けられた移動許容手段を示す図である。
置に設けられた移動許容手段を示す図である。
【図9】移動許容手段の更に別の例を示す正面断面図で
ある。
ある。
12 マスタシリンダ 26 ブレーキペダル 30 左後輪 32 右後輪 34,36 リヤブレーキシリンダ 38 左前輪 40 右前輪 42,44 フロントブレーキシリンダ 160,162 電磁開閉弁 190 電子制御ユニット 218 左前輪 220 右前輪 222 左後輪 224 右後輪 226,228,230,232 ブレーキシリンダ 234 マスタシリンダ 236 ブレーキペダル 270 衝撃緩和ピストン 286 電磁開閉弁 288 絞り 290 電子制御ユニット 310 移動許容装置 314 ブレーキペダル 318 衝撃緩和ピストン 322 皿ばね
Claims (1)
- 【請求項1】 ブレーキペダルと、 ブレーキペダルの通常移動を予定されている領域内での
踏込み操作に基づいて車輪の回転を抑制する制動力発生
装置とを含むブレーキ装置において、 当該ブレーキ装置を有する車両に設定値以上の後ろ向き
の衝撃力が加えられた場合に、前記ブレーキペダルに踏
込み方向とは逆向きの反力を加えつつ、ブレーキペダル
が踏込み方向において通常は移動しない領域まで移動す
ることを許容する移動許容手段を設けたことを特徴とす
るブレーキ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09387092A JP3275357B2 (ja) | 1992-03-19 | 1992-03-19 | ブレーキ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09387092A JP3275357B2 (ja) | 1992-03-19 | 1992-03-19 | ブレーキ装置 |
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---|---|
JPH05262220A true JPH05262220A (ja) | 1993-10-12 |
JP3275357B2 JP3275357B2 (ja) | 2002-04-15 |
Family
ID=14094498
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP09387092A Expired - Fee Related JP3275357B2 (ja) | 1992-03-19 | 1992-03-19 | ブレーキ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3275357B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100440327B1 (ko) * | 2002-05-20 | 2004-07-15 | 현대자동차주식회사 | 운전자 보호장치 |
KR100466129B1 (ko) * | 2002-11-08 | 2005-01-13 | 현대자동차주식회사 | 차량 충돌시 정강이 상해 방지장치 |
JP2005289353A (ja) * | 2004-03-10 | 2005-10-20 | Advics:Kk | 車両用制動装置 |
JP2009166735A (ja) * | 2008-01-17 | 2009-07-30 | Advics Co Ltd | ブレーキ装置 |
JP2013032115A (ja) * | 2011-08-02 | 2013-02-14 | Mazda Motor Corp | 車両の制動装置 |
JP2013199177A (ja) * | 2012-03-23 | 2013-10-03 | Toyota Motor Corp | 電子制御ブレーキシステム |
-
1992
- 1992-03-19 JP JP09387092A patent/JP3275357B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP4670349B2 (ja) * | 2004-03-10 | 2011-04-13 | 株式会社アドヴィックス | 車両用制動装置 |
JP2009166735A (ja) * | 2008-01-17 | 2009-07-30 | Advics Co Ltd | ブレーキ装置 |
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Publication number | Publication date |
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JP3275357B2 (ja) | 2002-04-15 |
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