JPH05261816A - 熱収縮性ポリエステルフィルム - Google Patents

熱収縮性ポリエステルフィルム

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JPH05261816A
JPH05261816A JP11096592A JP11096592A JPH05261816A JP H05261816 A JPH05261816 A JP H05261816A JP 11096592 A JP11096592 A JP 11096592A JP 11096592 A JP11096592 A JP 11096592A JP H05261816 A JPH05261816 A JP H05261816A
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JP
Japan
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film
heat
ethylene oxide
shrinkage
glycol
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JP11096592A
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Tatsushi Fukuzumi
達志 福住
Takayuki Tajiri
象運 田尻
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的高い収縮率を有し、収縮ムラの発生の
殆どない実用性に優れた熱収縮性ポリエステルフィルム
を得る。 【構成】 芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成
誘導体を主成分とするジカルボン酸成分と、エチレング
リコールおよびビスフェノール化合物またはその誘導体
のエチレンオキサイド付加物を主成分とするジオール成
分よりなり、ビスフェノール化合物またはその誘導体の
エチレンオキサイド付加物の含有量が全ジオール成分中
に0.1〜50モル%であって、3価以上の多価カルボ
ン酸および/または多価アルコールを樹脂中に0.01
〜1重量%含有し、さらに必要に応じてポリオキシテト
ラメチレングリコールおよび/またはポリエチレングリ
コールを樹脂中に0.1〜20重量%含有することを特
徴とする熱収縮性ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の包装材料等に用
いられる熱収縮性ポリエステルフィルムに関し、さらに
詳しくは高い収縮率を有し、収縮ムラが発生しにくい等
の優れた熱収縮特性を有するポリエステルフィルムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】熱収縮性プラスチックフィルムは、容器
類、釣竿、コンデンサー、棒状蛍光灯等の標示、保護、
結束、商品付加価値向上等に用いられるほか、本やノー
ト等の集積包装や密着包装用として用いられている。現
在、この他にも多くの分野でこの熱収縮性フィルムの収
縮性及び収縮応力を利用した種々の用途展開が期待され
ている。
【0003】従来、熱収縮性プラスチックフィルムの素
材としては、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリオレ
フィン等の樹脂が用いられてきた。しかし、このような
樹脂は耐熱性、耐候性、耐薬品性などにおいて問題点が
あった。例えば、ポリ塩化ビニルフィルムは種々の収縮
特性を有する熱収縮性フィルムとなし得るものの、フィ
ッシュアイが多発しやすく、これに印刷したフィルムを
包装材とした商品は美観が損なわれ、商品価値が低下し
たものとなりやすかった。また、フィッシュアイのない
熱収縮性フィルムを得るためには過度の品質管理が必要
となるため、フィルム製造コストが著しく増大する等の
問題を有していた。さらに、ポリ塩化ビニルは廃棄の際
に焼却すると公害問題を起こすこと、及びポリ塩化ビニ
ル樹脂中の可塑剤等の添加剤が経時的にブリードアウト
し塵埃の付着等により汚れが生ずると共に、安全性の点
でも好ましくなかった。
【0004】一方、ポリスチレンから得られる熱収縮性
フィルムは、収縮後の仕上りは良好であるものの、耐溶
剤性が低いために印刷の際には特殊インクを使用しなけ
ればならないことや、室温でも自然収縮が起こるために
冷所に保存しなければならなかった。また、高温での焼
却を必要とし、焼却時に多量の黒煙と異臭を発生する
等、その廃棄にも大きな問題があった。これらの問題を
解決できる素材として、ポリエステルフィルムは非常に
期待され、その使用量も著しく増加してきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の熱収縮
性ポリエステルフィルムは、その熱収縮特性において充
分満足できるものではなかった。特に、収縮時に収縮ム
ラが発生し易く、ボトル等の容器に被覆収縮する際に、
フィルムに印刷した文字や模様が歪んだり、容器に対す
るフィルムの密着性が十分でなかったりする等の問題点
を有していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な状況に鑑み、ポリエステルフィルムの熱収縮挙動につ
いて鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムは、
芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体を主
成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコールお
よびビスフェノール化合物またはその誘導体のエチレン
オキサイド付加物を主成分とするジオール成分よりな
り、ビスフェノール化合物またはその誘導体のエチレン
オキサイド付加物を全ジオール成分中に0.1〜50モ
ル%含有するとともに、3価以上の多価カルボン酸およ
び/または多価アルコールを含有することを特徴とする
ものである。
【0007】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムに
使用するポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分として
芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体を主
成分とし、ジオール成分としてエチレングリコールおよ
びビスフェノール化合物またはその誘導体のエチレンオ
キサイド付加物を主成分とするものである。
【0008】本発明において、ポリエステル樹脂を構成
するジカルボン酸成分の主成分である芳香族ジカルボン
酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン
−1,4−もしくは−2,6−ジカルボン酸等が挙げら
れる。また、これらのエステル誘導体としてはジアルキ
ルエステル、ジアリールエステル等の誘導体が挙げられ
る。これらの芳香族ジカルボン酸あるいはそのエステル
形成誘導体は、ジカルボン酸成分中に80モル%以上含
有されることが好ましく、さらに好ましくは85モル%
以上の範囲である。これは、芳香族ジカルボン酸あるい
はそのエステル形成誘導体の含有量が80モル%未満で
あると、製膜したポリエステルフィルムの機械的強度が
低下する傾向があるためである。
【0009】本発明のポリエステル樹脂においては、本
発明の効果を高め、熱収縮量を増加させる目的で、上記
以外の脂肪族ジカルボン酸あるいはそのエステル誘導体
を20モル%未満、好ましくは15モル%未満の範囲で
含有させてもよい。これは、これら脂肪族ジカルボン酸
が20モル%以上含有されると、フィルムの機械的特性
の低下を招くおそれがあるためである。本発明で使用で
きる脂肪族ジカルボン酸としては、グルタル酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、アゼライン酸、シュウ酸、コハク酸
等が挙げられる。
【0010】本発明のポリエステル樹脂を構成するジオ
ール成分は、エチレングリコールおよびビスフェノール
化合物またはその誘導体のエチレンオキサイド付加物を
主成分とし、ビスフェノール化合物またはその誘導体の
エチレンオキサイド付加物は全ジオール成分中に0.1
〜50モル%の範囲で含有されることが必要で、好まし
くは0.5〜30モル%の範囲である。これは、ビスフ
ェノール化合物またはその誘導体のエチレンオキサイド
付加物の含有量が0.1モル%未満であると収縮ムラの
低減効果がなく、逆に、50モル%を超えると低温収縮
性が低下するためである。ビスフェノール化合物または
その誘導体のエチレンオキサイド付加物としては、次の
一般式(1)および一般式(2)に示される構造を有す
るものが挙げられるが、
【0011】
【化1】
【0012】(式中、XはCH2 、C(CH32 、C
(CF32、O、SおよびSO2 を示し、nおよびm
は、2≦n+m≦6を満足する。)
【0013】
【化2】
【0014】(式中、XはCH2 、C(CH32 、C
(CF32、O、SおよびSO2 を、RはC1 〜C5
のアルキル基またはハロゲン基を示し、nおよびmは、
2≦n+m≦6を満足し、aおよびbは1〜4の整数を
示す。)中でも次の一般式(3)の構造を有するビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド付加物が好ましい。
【0015】
【化3】
【0016】(式中、nおよびmは、2≦n+m≦6を
満足する。)また、本発明においては、ジオール成分と
してエチレングリコールおよびビスフェノール化合物ま
たはその誘導体のエチレンオキサイド付加物とともに、
ポリオキシテトラメチレングリコールおよび/またはポ
リエチレングリコールを含有してもよい。ポリオキシテ
トラメチレングリコールあるいはポリエチレングリコー
ルを含有させることにより、熱収縮性フィルムの収縮ム
ラの低減により優れた効果をもたらすものである。これ
らポリオキシテトラメチレングリコールあるいはポリエ
チレングリコールは、樹脂中に0.1〜20重量%の範
囲で含有することが好ましく、さらに好ましくは0.3
〜15重量%の範囲である。これは、ポリオキシテトラ
メチレングリコールあるいはポリエチレングリコールの
含有量が0.1重量%未満では収縮ムラの低減効果が少
なく、逆に、20重量%を超えると樹脂の融点やガラス
転移温度が低くなり、製膜性の低下を招くためである。
使用されるポリオキシテトラメチレングリコールの分子
量は300〜4000の範囲のものが好ましく、ポリエ
チレングリコールの分子量は300〜20000の範囲
のものが好ましい。これは、これ未満の分子量のものは
収縮ムラの低減効果示さず、逆に、これを超える分子量
では樹脂との相溶性が悪く好ましくないためである。
【0017】さらに、本発明においては、ジオール成分
としてプロピレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等を
本発明の効果を損なわない範囲で使用することもでき
る。本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムに使用され
るポリエステル樹脂は、3価以上の多価カルボン酸、多
価アルコールあるいはその両者を0.01〜1重量%含
有し、好ましくは0.05〜0.7重量%の範囲であ
る。これは、3価以上の多価カルボン酸および/または
多価アルコールの含有量が0.01重量%未満では収縮
ムラの低減効果が少なく、逆に1重量%を超えるとポリ
エステル樹脂の重合の途中でゲル化が起こるためであ
る。
【0018】本発明で使用される多価カルボン酸として
は、トリメリット酸、ピロメリット酸等、あるいはこれ
らの無水物が挙げられ、多価アルコールとしてはトリメ
チロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール
等が挙げられる。これらの中で、製膜性や熱安定性等の
点からトリメリット酸、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトールが特に好ましい。本発明におけるポリ
エステル樹脂は、公知の直接重合法やエステル交換法等
により製造することができ、その重合度は特に制限され
るものではないが、フィルム原反の成形性から、固有粘
度(フェノール/テトラクロロエタン等重量混合溶液中
で25℃にて測定)が0.5〜1.2のものが好まし
い。
【0019】得られたポリエステル樹脂は、キャスティ
ングローラー法やカレンダー法等の公知の製膜法によっ
てフィルム原反として製膜される。次いで、この原反フ
ィルムを該ポリエステル樹脂のガラス転移温度より3℃
以上高い温度、好ましくは5℃以上高い温度で縦方向あ
るいは横方向に1.5〜5.0倍、好ましくは1.5〜
4.8倍に延伸し、高い収縮率をフィルムに付与する。
さらに、必要に応じて前記延伸方向と直角方向に1.0
〜1.8倍、好ましくは1.0〜1.5倍に延伸する。
これは、フィルムの引張強度を高め、前記延伸方向の収
縮を必要以上に収縮させないために有効である。フィル
ムの延伸は、同時二軸延伸、逐次二軸延伸、一軸延伸等
の方法により行われ、縦方向の延伸と横方向の延伸はど
ちらを先に行ってもよい。
【0020】延伸された熱収縮性ポリエステルフィルム
は、そのまま製品として使用することも可能であるが、
寸法安定性などの点から50〜150℃の温度で、数秒
から数十秒の熱処理を行ってもよい。このような熱処理
を行うことにより、本発明のポリエステルフィルムの収
縮方向の収縮率の調整、未収縮フィルムの保存時の経時
収縮の減少、収縮斑の減少などの好ましい性質を発現さ
せることができる。
【0021】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムの
厚さは特に限定されるものではないが、1〜600μm
の範囲のものが実用的には使われる。包装用途、特に食
品、飲料、医薬品等の包装においては、6〜380μm
の範囲のものが用いられる。またPETボトル、ガラス
瓶等のラベルに用いる場合には、20〜70μmの範囲
のものが用いられる。
【0022】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムに
は、特定の性能を付与するために従来公知の各種の加工
処理を施したり、適当な添加剤を配合することができ
る。加工処理の例としては、紫外線、α線、β線、γ線
あるいは電子線等の照射、コロナ処理、プラズマ照射処
理、火炎処理等の処理、塩化ビニリデン、ポリビニルア
ルコ−ル、ポリアミド、ポリオレフィン等の樹脂の塗
布、ラミネ−ト、あるいは金属の蒸着等が挙げられる。
添加剤の例としては、ポリアミド、ポリオレフィン、ポ
リメチルメタクリレート、ポリカーボネート等の樹脂、
シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒
子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、紫外線吸
収剤、離型剤、難燃剤等が挙げられる。
【0023】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。実施例における収縮率は、延伸方向に150m
m、その直角方向に20mmの大きさに切り出したポリ
エステルフィルムに、標線を間隔100mmに設けて8
0℃および100℃の温風中にて無荷重で60秒間加熱
させ、フィルムの延伸方向について、それぞれ収縮前の
長さ(L)と収縮後の長さ(L’)を測定し、次式によ
り求めた。 収縮率(%)={(L−L’)/L}×100 熱収ムラは、延伸方向に150mm、その直角方向に2
0mmの大きさに切り出したポリエステルフィルムを、
100℃の温風中にて無荷重で30秒間加熱収縮させた
後、フィルムへの収縮ムラの発生を以下の基準で評価し
た。 ○:殆ど収縮ムラの発生が見られなかったもの △:少し収縮ムラが発生したもの ×:収縮ムラの著しかったもの なお、以下の実施例においては、ビスフェノール化合物
またはその誘導体のエチレンオキサイド付加物として、
前記一般式(3)のビスフェノールAのエチレンオキサ
イド付加物あるいは前記一般式(1)のビスフェノール
Sのエチレンオキサイド付加物でn+m=2のものを使
用した。
【0024】実施例1 テレフタル酸100モル部、ビスフェノールAエチレン
オキサイド付加物2モル部、エチレングリコール147
モル部、トリメチロールプロパン0.01重量%(対ポ
リマー)とポリオキシテトラメチレングリコール(分子
量1000)10重量%(対ポリマー)を反応容器に入
れ、重合触媒として三酸化アンチモンを全酸成分に対し
て450ppm添加して、直接重合法により重合した。
得られたポリエステル樹脂を270℃で溶融押出し、原
反フィルムを作成した。この原反フィルムを、65℃で
延伸方向(TD方向)に3.8倍の一軸延伸を行い、厚
さ35μmの熱収縮性ポリエステルフィルムを得た。得
られたフィルムの収縮率の測定結果および収縮ムラの評
価結果を表1に示した。
【0025】実施例2 ジメチルテレフタレート100モル部、ビスフェノール
Aエチレンオキサイド付加物30モル部、エチレングリ
コール148モル部、トリメリット酸無水物0.09重
量%(対ポリマー)とポリエチレングリコール(分子量
10000)20重量%(対ポリマー)を反応容器に入
れ、エステル交換触媒として酢酸亜鉛を全酸成分に対し
て350ppm、重合触媒として二酸化ゲルマニウムを
全酸成分に対して450ppm、安定剤としてトリメチ
ルフォスフェートを全酸成分に対して350ppm添加
して、エステル交換法により重合した。得られたポリエ
ステル樹脂を270℃で溶融押出し、原反フィルムを作
成した。この原反フィルムを、60℃で延伸方向(TD
方向)に3.8倍の一軸延伸を行い、厚さ35μmの熱
収縮性ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルム
の収縮率の測定結果および収縮ムラの評価結果を表1に
示した。
【0026】実施例3 テレフタル酸90モル部、イソフタル酸10モル部、ビ
スフェノールAエチレンオキサイド付加物0.2モル
部、エチレングリコール141モル部、ペンタエリスリ
トール0.5重量%(対ポリマー)とポリオキシテトラ
メチレングリコール(分子量650)0.1重量%(対
ポリマー)を反応容器に入れ、実施例1と同様の方法で
重合し延伸し、厚さ40μmの熱収縮性ポリエステルフ
ィルムを得た。得られたフィルムの収縮率の測定結果お
よび収縮ムラの評価結果を表1に示した。
【0027】実施例4 テレフタル酸83モル部、イソフタル酸17モル部、ビ
スフェノールSエチレンオキサイド付加物48モル部、
エチレングリコール145モル部、トリメチロールプロ
パン0.7重量%(対ポリマー)とポリエチレングリコ
ール(分子量300)12重量%(対ポリマー)を反応
容器に入れ、重合触媒として二酸化ゲルマニウムを全酸
成分に対して450ppm添加して、直接重合法により
重合した。得られたポリエステル樹脂を実施例1と同様
の方法で、厚さ40μmの熱収縮性ポリエステルフィル
ムを得た。得られたフィルムの収縮率の測定結果および
収縮ムラの評価結果を表1に示した。
【0028】比較例1 テレフタル酸100モル部とエチレングリコール150
モル部を反応容器に入れ、重合触媒として二酸化ゲルマ
ニウムを全酸成分に対して450ppm、安定剤として
トリメチルフォスフェートを全酸成分に対して350p
pm添加して、直接重合法により重合した。得られたポ
リエステル樹脂を270℃で溶融押出し、原反フィルム
を作成した。この原反フィルムを、85℃で延伸方向
(TD方向)に3.8倍の一軸延伸を行い、厚さ40μ
mの熱収縮性ポリエステルフィルムを得た。得られたフ
ィルムの収縮率の測定結果および収縮ムラの評価結果を
表1に示した。
【0029】比較例2 テレフタル酸100モル部、ビスフェノールAエチレン
オキサイド付加物60モル部、エチレングリコール14
0モル部、トリメリット酸0.005重量%(対ポリマ
ー)とポリエチレングリコール(分子量1000)0.
05重量%(対ポリマー)を反応容器に入れ、実施例1
と同様の方法で重合した。得られたポリエステル樹脂を
270℃で溶融押出し、原反フィルムを作成した。この
原反フィルムを、85℃で延伸方向(TD方向)に3.
8倍の一軸延伸を行い、厚さ40μmの熱収縮性ポリエ
ステルフィルムを得た。得られたフィルムの収縮率の測
定結果および収縮ムラの評価結果を表1に示した。
【0030】比較例3 テレフタル酸100モル部、ビスフェノールAエチレン
オキサイド付加物50モル部、エチレングリコール10
0モル部、トリメチロールプロパン10重量%(対ポリ
マー)とポリオキシテトラメチレングリコール(分子量
1000)10重量%(対ポリマー)を反応容器に入
れ、重合触媒として三酸化アンチモンを全酸成分に対し
て450ppm、安定剤としてトリメチルフォスフェー
トを全酸成分に対して350ppm添加して、直接重合
法により重合したが、重合途中でゲル化が起こり、フィ
ルムに製膜するためのポリエステル樹脂とはならなかっ
た。
【0031】比較例4 テレフタル酸90モル部、イソフタル酸10モル部、ビ
スフェノールAエチレンオキサイド付加物42モル部、
エチレングリコール110モル部とポリオキシテトラメ
チレングリコール(分子量1000)10重量%(対ポ
リマー)を反応容器に入れ、安定剤としてトリメチルフ
ォスフェートを全酸成分に対して300ppm、重合触
媒として三酸化アンチモンを全酸成分に対して450p
pm添加して、直接重合法により重合した。得られたポ
リエステル樹脂を270℃で溶融押出し、原反フィルム
を作成した。この原反フィルムを、85℃で延伸方向
(TD方向)に3.8倍の一軸延伸を行い、厚さ40μ
mの熱収縮性ポリエステルフィルムを得た。得られたフ
ィルムの収縮率の測定結果および収縮ムラの評価結果を
表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】なお、表中に示した成分は、それぞれ以下
の通りである。
【0034】TPA : テレフタル酸 IPA : イソフタル酸 EG : エチレングリコール BPAE: ビスフェノールAエチレンオキサイド付加
物 BPSE: ビスフェノールSエチレンオキサイド付加
物 PEG : ポリエチレングリコール PTMG: ポリオキシテトラメチレングリコール TMA : トリメリット酸 TMP : トリメチロールプロパン PEN : ペンタエリスリトール 本発明である実施例1〜4の熱収縮性ポリエステルフィ
ルムは、表1に示した通り、80℃で30%以上、10
0℃で40%以上の収縮率を示し、収縮ムラの発生は殆
ど見られなかった。これに対して、比較例1、2および
4の熱収縮ポリエステルフィルムは収縮率は大きいが、
収縮ムラの発生があり実用性に劣るものであった。
【0035】
【発明の効果】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルム
は、比較的高い熱収縮率を有するとともに、収縮ムラの
発生が殆どなく、各種の包装用材料として実用性に優れ
たものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:02 B29L 7:00 4F

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸またはそのエステル
    形成誘導体を主成分とするジカルボン酸成分と、エチレ
    ングリコールおよびビスフェノール化合物またはその誘
    導体のエチレンオキサイド付加物を主成分とするジオー
    ル成分よりなり、ビスフェノール化合物またはその誘導
    体のエチレンオキサイド付加物を全ジオール成分中に
    0.1〜50モル%含有するとともに、3価以上の多価
    カルボン酸および/または多価アルコールを樹脂中に
    0.01〜1重量%含有することを特徴とする熱収縮性
    ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 ポリオキシテトラメチレングリコールお
    よび/またはポリエチレングリコールを0.1〜20重
    量%含有することを特徴とする請求項1記載の熱収縮性
    ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 ビスフェノール化合物またはその誘導体
    のエチレンオキサイド付加物が、ビスフェノールAのエ
    チレンオキサイド付加物であることを特徴とする請求項
    1記載の熱収縮性ポリエステルフィルム。
JP11096592A 1991-08-28 1992-04-30 熱収縮性ポリエステルフィルム Pending JPH05261816A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018110439A1 (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 東レ株式会社 共重合ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法

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WO2018110439A1 (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 東レ株式会社 共重合ポリエステル樹脂組成物及びその製造方法

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