JPH05261613A - ドリル製造用のブランク材とドリル - Google Patents

ドリル製造用のブランク材とドリル

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JPH05261613A
JPH05261613A JP4102789A JP10278992A JPH05261613A JP H05261613 A JPH05261613 A JP H05261613A JP 4102789 A JP4102789 A JP 4102789A JP 10278992 A JP10278992 A JP 10278992A JP H05261613 A JPH05261613 A JP H05261613A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高精度であり且つ耐磨耗性の優れたドリルが
容易に製造できるドリル製造用ブランク材を提供するこ
と、及び、耐磨耗性に優れ高性能なドリルを提供するこ
と。 【構成】 ドリル製造用ブランク材に関して、円柱状の
母材焼結体の外周面に形成されたねじれ溝に、超高圧焼
結体が充填・埋設されており、前記超高圧焼結体と母材
焼結体とが焼結固着されている第1ブランク材と、一端
面が前記第1ブランク材の端面とほぼ同一形状の母材焼
結体で構成されている第2ブランク材とを具備し、前記
第1ブランク材と第2ブランク材の上記端面相互が超高
圧・高温度で焼結固着されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ねじれ刃を有するド
リルを製造するためのブランク材(ドリル製造用のブラ
ンク材)及び、このブランク材から製造したドリルに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より切削性能の向上や工具寿命の延
長という要請に応えるため、切部に硬度が非常に高く且
つ耐磨耗性に優れた多結晶ダイヤモンド焼結体(PC
D)又は立方晶窒化硼素焼結体(CBN)の焼結体を用
いたものが開発されている。この種の切削工具として
は、例えば、図12及び図13に示すように、薄板チッ
プ状に形成された焼結体から切刃体80を形成し、この
切刃体80を母材8の外周コーナ部にろう付け81した
ものがあるが、このものでは、切刃体80の母材8への
張り付け面積が小さいことから、ろう付けによる接着
力の不足や切削によって発生する熱により、短期間で
母材8から切刃体80が外れてしまうという問題が発生
していた。
【0003】上記問題を解決した切削工具としては、図
15に示すようなブランク材や、図16に示すようなブ
ランク材を使用したものがある。前者のものは、図15
に示すように、超硬合金の母材82の先端部分のみ超高
圧焼結体83を焼結固着したもので、図14に示すよう
に超高圧焼結体83部分に先端部84が形成されるもの
である。ところが、この工具では、超高圧焼結体83よ
り成る刃部が先端のみに有するものであることから、上
記問題は解決できるものの切削性能が特別に優れたとい
うほどのものではなかった。
【0004】後者のものは、図16に示すように、超硬
合金の母材82に形成したねじれ溝に超高圧焼結体83
を充填・埋設すると共に両者を一体的に焼結固着したも
のであり、ドリルの製造工程において前記超高圧焼結体
83にねじれ刃を形成するようにしている。ところが、
このブランク材をドリルに使用する場合には、超高圧焼
結体83を有する先端部をドリル先端形状に削り落とす
必要があることから、加工が非常に困難であり、更に
は、両端を支持した状態での機械加工ができないので高
精度のドリルを製造することが困難であった。
【0005】尚、先端部の機械加工を容易ならしめるた
めに上記した後者のブランク材のねじれ溝を一端から他
端にいたるまでの途中で止めたものとすることが考えら
れるが、実際に加工をしてみれば判ることであるが前記
機械加工は容易なものとはならない。即ち、前記ねじれ
溝の加工はある程度の直径(例えば直径150mm)を
有した円盤状の砥石を使用して行うが、砥石で加工した
場合にはねじれ溝の先端部側端部が一定の深さとならず
(端部になるほど溝が浅くなる)、その結果、超高圧焼
結体83の前記先端部側端部は薄くなってしまう。した
がって、この薄い超高圧焼結体83部分はねじれ刃を形
成することができないため、ドリルの先端部を形成する
ためのものとなり、結局は先端部を形成するための機械
加工が困難なものとなってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明で
は、高精度であり且つ耐磨耗性の優れたドリルが容易に
製造できるドリル製造用ブランク材を提供することを課
題とし、更には、耐磨耗性に優れ高性能なドリルを提供
することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】 .この発明のドリル製造用のブランク材は、円柱状の
母材焼結体の外周面に形成されたねじれ溝に、超高圧焼
結体が充填・埋設されており、前記超高圧焼結体と母材
焼結体とが焼結固着されている第1ブランク材と、一端
面が前記第1ブラング材の端面とほぼ同一形状の母材焼
結体で構成されている第2ブランク材とを具備し、前記
第1ブランク材と第2ブラング材の上記端面相互が超高
圧・高温度で焼結固着されている。 .そして、この発明のドリルは、に記載したドリル
製造用のブランク材にシャンク材を固着し、前記ブラン
ク材部分にねじれ刃及びこれと連続する先端部を形成し
て成るドリルであって、前記ブランク材における第1ブ
ランク材の超高圧焼結体にねじれ刃が形成されていると
共に第2ブランク材側に先端部が形成されている。 .この発明のドリル製造用のブランク材は、円柱状の
母材焼結体の外周面に形成されたねじれ溝に、超高圧焼
結体が充填・埋設されており、前記超高圧焼結体と母材
焼結体とが焼結固着されている第1ブランク材と、一端
面が前記第1ブランク材の端面とほぼ同一形状の母材焼
結体で構成されている二つの第2ブランク材とを具備
し、前記第1ブランク材の両端面にそれぞれ第2ブラン
ク材が超高圧・高温度で焼結固着されている。 .そして、この発明のドリルは、に記載したドリル
製造用のブランク材を二分割したものにシャンク材を固
着し、前記ブランク材部分にねじれ刃及びこれと連続す
る先端部を形成して成るドリルであって、前記ブランク
材における第1ブランク材の超高圧焼結体にねじれ刃が
形成されていると共に第2ブランク材側に先端部が形成
されている。 .尚、に記載した第2ブランク材が短円柱状に形
成されたものとすることが望ましい。
【0008】又、に記載した母材焼結体が超硬合金
であり、超高圧焼結体が多結晶ダイヤモンド又は立方晶
窒化硼素であるものすることができる。 .又、に記載したドリルにおいて、ねじれ刃と先
端部との接続部(一般に外周コーナと呼ばれる部分)が
超高圧焼結体により構成されていることが望ましい。
【0009】
【作用】この発明は次のように作用する。この発明のド
リルは、ねじれ刃は超高圧焼結体により構成され、この
ねじれ刃を構成する超高圧焼結体は母材焼結体に超高圧
・高温度で焼結固着されているから、切削熱によるねじ
れ刃の外れがなく、更に、ねじれ刃が磨耗しにくいもの
となる。即ち、工具として非常に寿命の長いものとな
る。
【0010】特に、ドリル性能で最も重要である外周コ
ーナ部を、超高圧焼結体により構成させたときには、工
具寿命は更に長いものとなる。他方、この発明のドリル
製造用のブランク材から上記したドリルを形成すると、
上述した作用を有するものとなり、更に、第1ブランク
材が超硬合金により構成されていることからこの第1ブ
ランク材に機械取付け用のセンター部を形成することが
容易となり、その結果、高性能なドリルが経済的に製造
できるという作用を有する。
【0011】そして、第1ブランク材の両端部に第2ブ
ランク材を焼結固着して成るドリル製造用のブランク材
を使用した場合、これを二分割したものにシャンク材を
固着するようにすれば、一つのブランク材から高性能な
二個のドリルを製造することができる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の構成を実施例として示した
図面に従って説明する。この実施例のドリルは、図1に
示すように、刃部Hとこれの一端に接合せしめられたシ
ャンク部Sとから構成されている。刃部Hは、図1及び
図2に示すように、二本のねじれ溝15と二つのランド
14とが交互に配設される構成としてあり、図1に示す
ように各ランド14の一端縁に形成された螺旋状のねじ
れ刃10と、このねじれ刃10の先端と連続する直線状
の先端部20とを有するものとしてある。そして、刃部
Hの母材を超硬合金により構成すると共に上記したねじ
れ刃10の先端側部分(一定範囲)を超硬合金よりも硬
度が高く耐磨耗性に優れた、高硬度・耐磨耗性の焼結体
(この明細書では超高圧焼結体12という)により構成
させている。尚、前記超高圧焼結体12としては、超硬
合金よりも硬度が高く耐磨耗に優れた焼結体であれば、
公知の任意のものを使用できるが、特にPCDやCNB
の粉末を高温・超高圧下で焼結させてなるものを採用す
ることが望ましい。
【0013】シャンク部Sは、超硬合金により構成され
ており、図1に示すように、上記刃部Aとほぼ同径の円
柱状に設定してある。尚、この実施例ではシャンク部S
を超硬合金により構成するが、一定の剛性を有する材
料、例えば鋼製等としてもよい。この実施例のドリルは
上記のように構成されているが、刃部Hの先端部分(一
定範囲を有する)を構成するブランク材Bは第1ブラン
ク材1と第2ブランク材2とから構成されている。ここ
で、前記ブランク材Bの製造方法について、図面に基づ
いて説明する。第1工程 先ず、超硬合金の母材焼結体の外周面に二本のねじれ溝
11を形成し、図3に示すようなブランク材1’を構成
させる。尚、前記ねじれ溝11は、図1に示すねじれ刃
10が形成される箇所に対応させて設定されている。
【0014】尚、第2ブランク材2としては、前記第1
ブランク材1と同径であり且つドリルの先端部より少し
長い円柱状に形成されている。第2工程 次に、図3に示したブランク材1’と第2ブランク材2
とを図4の如く接触(相互管にコバルト粉を介在)させ
ると共にブランク材1’のねじれ溝11に超高圧焼結体
12となる原料粉末に適当な焼結助材を混合したものを
充填し、全体形状がほぼ完全な円柱状となるようにす
る。第3工程 続いて、第2工程で製造したものをカプセル(容器)K
にいれて、図5に示す加熱・加圧装置9に入れ、圧力約
45,000気圧以上、温度約1,300〜1,600
℃の条件で3分以上保持する。すると、ブランク材1’
と第2ブランク材2相互が焼結固着されると共に前記ブ
ランク材1’のねじれ溝11に充填されていた原料粉末
が焼結され、ねじれ溝11内に超高圧焼結体12が形成
される。即ち、ブランク材1’と先端側ブランク材2と
超高圧焼結体12とが焼結固着せしめられ、図6に示す
ようなブランク材Bが完成する。
【0015】尚、図5に示す加熱・加圧装置9は、X、
Y、Zの三軸線上から加圧できる(六方向から加圧でき
る)構造を有しており、立体的形状の焼結体の製造が可
能なものである。次に、上記第1〜第3の工程により製
造されたブランク材Bを利用してドリルの製造方法を説
明する。第1工程 先ず、上記の如く製造されたブランク材Bにおける先端
側ブランク材2を、超高圧焼結体12の端部に至るま
で、ダイヤモンド砥石によって研削加工し、図7に示す
ような凸状のセンター部19を形成させる。そして、こ
れの他端にシャンク材S’をろう付けし、図8に示すよ
うなドリルの半完成品Pを製造する。尚、この実施例で
はセンター部19を凸状とするが、必要に応じた形状と
することができる。第2工程 次に、上記したドリルの半完成品Pにおける第1ブラン
ク材1部分の外周面に、図1及び図2に示す如くねじれ
溝15とねじれ刃10を加工する。
【0016】先ず、半完成品Pを工具研削盤等に装着
し、ダイヤモンド砥石により、ブランク材B部分の外周
面に、各超高圧焼結体12に仕上げ用の取り代が残るよ
うに二本のねじれ溝15及びランド14を研削加工す
る。第3工程 そして、第2工程で加工したねじれ溝15及びランド1
4を、放電加工、電解研磨加工等によって超高圧焼結体
12に対して精密且つ高精度に仕上げ加工を行い、ねじ
れ刃10及び先端部20を形成させると、図1及び図2
に示すドリルが完成することとなる。尚、この実施例で
は、ねじれ刃10と先端部20との接続部分が超高圧焼
結体のエンド部となるように機械加工してある。
【0017】この実施例のドリルは、上記のようにして
構成されているから、作用・効果の欄にも記載されてい
るように耐磨耗性に優れ高性能なものとなる。他方、上
記実施例のドリルは、上記したドリル製造用のブランク
材Bにかえて、図9に示すブランク材Baを採用すること
ができる。このブランク材Baは、同図に示すように、第
1ブランク材1aを、上記実施例の第1ブランク材の二倍
の長さに設定されていると共に、前記第1ブランク材1a
の両端面にそれぞれ第2ブランク材2を超高圧・高温度
で焼結固着して構成してあり、上記実施例のブランク製
造のための第1〜第3工程をほぼ同様に施せば図10→
図11→図9の順序で製造することができる。
【0018】そして、前記ブランク材Baから上記実施例
のドリル(図1及び図2参照)を製造する場合には、こ
れを図11に示す二点鎖線の位置で分割したものに、上
記実施例のドリルを製造するための第1〜第3工程を施
せばよく、この場合、一つのブランク材から高性能な二
個のドリルを製造することができる。
【0019】
【発明の効果】この発明は上記のような構成であるか
ら、次の効果を有する。作用の欄に記載した内容から、
この発明のドリル製造用ブランク材を利用すると耐磨耗
性に優れ高性能なドリルを提供できた。そして、第1ブ
ランク材の両端部に第2ブランク材を焼結固着して成る
ドリル製造用のブランク材を使用した場合、これを二分
割したものにシャンク材を固着するようにすれば、一つ
のブランク材から高性能な二個のドリルを製造すること
ができ、耐磨耗性に優れ高性能なドリルを安価で提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例のドリルの側面図。
【図2】前記ドリルの刃先部の詳細図。
【図3】第1ブランク材と、第2ブランク材の母材を示
した図。
【図4】第1ブランク材と第2ブランク材とを当接させ
た状態を示す図。
【図5】前記ドリルの製造に使用する加熱・加圧装置の
概念説明図。
【図6】この発明の実施例のドリルを製造するためのブ
ランク材を示す図。
【図7】前記ブランク材を機械加工して機械加工用のセ
ンター部を形成させたものを示した図。
【図8】図7に示した機械加工済みのブランク材にシャ
ンク材を固着したものを示した図。
【図9】この発明の実施例のドリルを製造するための他
の構成のブランク材を示す図。
【図10】前記ブランク材における第1ブランク材と、
第2ブランク材の母材を示した図。
【図11】前記ブランク材における、第1ブランク材と
第2ブランク材とを当接させた状態を示す図。
【図12】従来の技術の欄において示したドリルの側面
図。
【図13】図12に示したドリルの刃先部の詳細図。
【図14】従来の技術の欄において示したドリルの要部
説明図。
【図15】図14のドリルの先端部用のブランク材を示
した図。
【図16】従来の技術の欄において示したエンドミル用
のブランク材にシャンクを固着したものの図。
【符号の説明】
B ブランク材 Ba ブランク材 1 第1ブランク材 2 第2ブランク材 10 ねじれ刃 11 ねじれ溝 12 超高圧焼結体 20 先端部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円柱状の母材焼結体の外周面に形成され
    たねじれ溝に、超高圧焼結体が充填・埋設されており、
    前記超高圧焼結体と母材焼結体とが焼結固着されている
    第1ブランク材と、一端面が前記第1ブランク材の端面
    とほぼ同一形状の母材焼結体で構成されている第2ブラ
    ンク材とを具備し、前記第1ブランク材と第2ブランク
    材の上記端面相互が超高圧・高温度で焼結固着されてい
    ることを特徴とするドリル製造用のブランク材。
  2. 【請求項2】 円柱状の母材焼結体の外周面に形成され
    たねじれ溝に、超高圧焼結体が充填・埋設されており、
    前記超高圧焼結体と母材焼結体とが焼結固着されている
    第1ブランク材と、一端面が前記第1ブランク材の端面
    とほぼ同一形状の母材焼結体で構成されている二つの第
    2ブランク材とを具備し、前記第1ブランク材の両端面
    にそれぞれ第2ブランク材が超高圧・高温度で焼結固着
    されていることを特徴とするドリル製造用のブランク
    材。
  3. 【請求項3】 第2ブランク材が、短円柱状に形成され
    たものであることを特徴とする請求項1又は2記載のド
    リル製造用のブランク材。
  4. 【請求項4】 母材焼結体が、超硬合金であることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のドリル製造
    用のブランク材。
  5. 【請求項5】 超高圧焼結体が、多結晶ダイヤモンド又
    は立方晶窒化硼素であることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載のドリル製造用のブランク材。
  6. 【請求項6】 請求項1、3、4、5のいずれかに記載
    のドリル製造用のブランク材にシャンク材を固着し、前
    記ブランク材部分にねじれ刃及びこれと連続する先端部
    を形成して成るドリルであって、前記ブランク材におけ
    る第1ブランク材の超高圧焼結体にねじれ刃が形成され
    ていると共に第2ブランク材側に先端部が形成されてい
    ることを特徴とするドリル。
  7. 【請求項7】 請求項2、3、4、5のいずれかに記載
    のドリル製造用のブランク材を二分割したものにシャン
    ク材を固着し、前記ブランク材部分にねじれ刃及びこれ
    と連続する先端部を形成して成るドリルであって、前記
    ブランク材における第1ブランク材の超高圧焼結体にね
    じれ刃が形成されていると共に第2ブランク材側に先端
    部が形成されていることを特徴とするドリル。
  8. 【請求項8】 ねじれ刃と先端部との接続部が超高圧焼
    結体により構成されていることを特徴とする請求項6又
    は7記載のドリル。
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