JPH0526153U - 噴射液体の分岐構造 - Google Patents

噴射液体の分岐構造

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JPH0526153U
JPH0526153U JP2242091U JP2242091U JPH0526153U JP H0526153 U JPH0526153 U JP H0526153U JP 2242091 U JP2242091 U JP 2242091U JP 2242091 U JP2242091 U JP 2242091U JP H0526153 U JPH0526153 U JP H0526153U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1本の主導管に多数の分岐管を接続し、主導
管から分岐管を通じてノズルに高圧液体を供給して噴射
させるための分岐構造、特に、主導管から直角に分岐管
が立上るような場合、ノズルから噴射された液体が拡散
し易い。また、各ノズル間における噴射の均一性も損な
われ易い。本考案は、ノズルから噴射された液体が拡散
し難く、各ノズル間における噴射の均一性にも優れ、し
かも、主導管からノズルまでの距離が小さくて済む、設
計自由度の高い分岐構造を提案する。 【構成】 ノズルと主導管の間に整流管を配置する。整
流管は、多数の開口の下流側を該開口の合計よりも大き
な流路面積の管路にまとめたものである。整流管内で
は、ノズルに向って流れ込むうずが小さな多数のうずに
分解された後に、急速に減衰される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、主導管の液体流を分流して噴射用ノズルに導入する噴射液体の分岐 構造、詳しくは、分岐による流線の乱れ(うず)を短い距離で整流し、噴射され た液体の分散を低減させ、多数のノズルに分岐した場合にもノズル相互間の噴射 がばらつかない構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧力を高めた液体をノズルから噴射して高速の液体流を形成し、該液体流を用 いて機械部品の洗浄およびバリ取り、燃料等の供給、電子部品等の洗浄、切断や 研磨等の加工を行う種々の技術が実用化されている。例えば、砥粒を分散させ数 百kg/cm2に圧力を高めた常温水をノズルから噴射して金属パイプを切断する、ま た、回転する半導基板の表面に加熱した超純水の噴射流を衝突させて洗浄する技 術が知られる。これらの用途の多くの場合、スプリンクラ−等の散布用を別にす ると、ノズルから噴射された液体流に対して、長い飛行距離を経ても拡散するこ となく、その流速と密度が維持され、しかも時間的な振動を持たないことが望ま れる。
【0003】 ノズルから噴射された液体流に対して非拡散性、非振動性が求められる用途の 中には、1本の主導管に対して複数個のノズルを接続して、分岐を伴う多数の噴 射を行わせる場合がある。例えば、広い平面、凹凸起伏の著しい面、孔の円筒 面を一括処理する場合や、多数の試料を同時に平行処理する場合である。この とき、複数個のノズル相互間における液体流の均一性もまた望まれる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
主導管に多数の分岐管を接続して液体流の分岐を行う場合、特に、主導管から 直角に分岐管を立ち上げるような場合には、分岐を行わないで1個のノズルから 直接に噴射させた場合と比較して、ノズルから噴射された液体流の非拡散性、非 振動性が大幅に損なわれることとなり、ノズル相互間における液体流の均一性も 実用性の範囲を逸脱して悪化することが知られている。特に、主導管の基部に近 い側の分岐管では、主導管の端末に近い側の分岐管に比べ、噴射された液体流の 非拡散性、非振動性が大幅に劣っていた。
【0005】 一方、このような場合、主導管および分岐管の形状を流体力学的に多少とも工 夫すれば、噴射された液体流の非拡散性、非振動性、およびノズル相互間におけ る液体流の均一性が著しく回復することが知られている。例えば、分岐管の基 部を円弧状に曲げて、主導管から斜め進行方向に分岐する、分岐管を細長く形 成して、主導管−ノズル管の距離を拡大するような方法である。ここで、は分 岐による流線の乱れ(うずの発生)を抑制し、は分岐で乱れた流線を分岐管中 で回復(発生したうずを減衰)させている。
【0006】 すなわち、ノズルを設けた多数の分岐管を1本の主導管に接続して、液体流を 直角方向にそれぞれ分岐するような場合、主導管内を進む液体流と分岐管内に進 む液体流との向きが急速に変わることにより、各分岐点の近傍には強いうずが発 生する。うずは分岐された液体流とともに次々とノズルに流れ込んで、噴射形状 の悪化、すなわち噴射された液体流は収束せず、噴射後、ほどなく拡散してしま い、少し長い飛行距離を設定した場合には、非拡散性の欠如により、必要な液体 流の流速と密度を確保できなくなる。主導管の基部に近い側の分岐管の入口近傍 では、端末に近い側のものにおけるよりも主導管内を進む液体流の流速が大きく て該流体流と分岐管内に進む液体流との速度差も大きいため、強いうずが発生す ると考えられる。
【0007】 しかし、上述の、の流体力学的に好ましい形状や寸法の工夫は、分岐によ る流線の乱れ(うずの発生)に起因する問題を完全には解決できない。、の 対策を施しても、ノズルから噴射された液体流の非拡散性、非振動性、およびノ ズル相互間における液体流の均一性は、分岐を行わないで1個のノズルから直接 に噴射させた場合と比較して依然として劣るのである。
【0008】 また、コストおよび空間的な制約によって、これらの対策が望ましくないと判 断される場合もある。例えば、の曲りを含む分岐管は高価な配管材料と容易で ない加工を、また、の細長い分岐管は主導管からノズル先端までの距離の拡大 を意味する。現在においては、装置内に収納されるべき被処理物の寸法や個数が 増加し、被処理物を扱う自動化機構までが装置内に新たに収納される一方で、装 置全体の寸法に対しては現状維持、さらには縮小が求められる。加えて、装置お よび運転コストの削減については言うまでもない。このような状況下においては 採用できる対策も限定され、上述の高価な配管材料や容易でない加工、主導管− ノズル間距離の拡大が容認されない場合もある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案は、従来の方法では分岐による流線の乱れ(うずの発生)に起因する問 題が完全には解決されず、空間的な制約やコストの削減の観点からも実用的と言 えない事実を鑑みてなされたもので、ノズルから噴射された液体流に対して非 拡散性、非振動性が確保され、ノズルを多数配置した場合のノズル相互間にお ける液体流の均一性にも優れ、しかも、構造がより簡単で主導管からノズル先 端までの距離も短くて済む、配管の空間的な制約が少ない、噴射液体の分岐構 造を提供することを目的としている。
【0010】 請求項1の噴射液体の分岐構造は、主導管の液体流を分流して噴射用ノズルに 導入する噴射液体の分岐構造において、多数の開口の下流側を該開口の合計より も大きな流路面積の管路にまとめた整流管を、主導管とノズルの間に配置したも のである。
【0011】
【作用】
請求項1の噴射液体の分岐構造においては、主導管を進行する液体流と分岐管 に進む液体流との相互作用によりうずが発生して、うずが分岐管内に流れ込んだ 場合であっても、整流管内でうずが急速に減衰されるから、ノズルにおけるうず の影響が軽減される。すなわち、多数の開口において、大きな渦は分解されて小 さな多数のうずとして開口を通過し、開口の下流に配置された開口の合計よりも 大きな流路面積の管路内に放出される。また、開口の出口では、多数の小さな渦 が発生する。しかし、該管路の断面に高密度に分散され、連続的に多数発生する 小さなうずは相互に干渉して急速に減衰し、該管路中を余り進行しないうちに消 失する。従って、ノズルに至る以前に整流が完了する。
【0012】
【実施例】
本考案の実施例を図面を参照して説明する。
【0013】 図1は、実施例の噴射液体の分岐構造の断面図である。これは、高圧力の水を ノズルから噴射して鋳造製品の表面洗浄およびバリ取りを行う装置に採用された 分岐構造であって、主導管とノズルの間には、それぞれ7個の開口を有する整流 管が配置されている。
【0014】 図1において、ノズル・ヘッドHには、出口側にテ−パねじを形成した段付き の分岐口Bが8個、平行に配列されている。分岐口B内には、円筒状の整流管A が挿入され、整流管Aはテ−パねじを有するノズルNを用いて、分岐口B内に出 口側から位置固定される。ノズル・ヘッドHの内部には、分岐口Bを共通に連絡 する主導管Mが形成され、主導管Mの両端に形成したテ−パねじ部にはめくら栓 Eが取付けられる。主導管Mには、その一方を図示しない高圧ポンプに接続した 導水管Dが接続される。整流管Aは、中心および該中心から放射状に6個、合計 7個の開口a1を有し、該開口a1の下流側には、開口a1の合計よりも大きな 断面積の整流部a2が形成されている。ノズルNの口径は0.1〜0.8mmであ る。
【0015】 このように形成された噴射液体の分岐構造において、ノズル・ヘッドHに対し て、導水管Dを通じて100〜3000kg/cm2、主に500〜2500kg/cm2に まで圧力を高めて防錆剤を混入した常温(0〜50度の場合もある)の高圧水が 0.4〜20l/min の流量で供給されると、従来同様に、各分岐点の近傍では、 主導管M内を進行する水流と分岐口B内に進む水流の向きが急速に変わりうずが 発生する。ここで、各分岐により、主導管M内の水流の流量はめくら栓Eに向っ て次第に減少するから、導水管Dに近い分岐点ではより強いうずが発生する。
【0016】 一方、強いうずとなって分岐口B内に流れ込むが、うずは7個の開口a1によ り解体され、開口a1を進行する間に相互の位相をずらせて、小さな多数のうず として整流部a2に放出される。これに加えて、開口a1の出口側では新たに小 さな多数のうずが発生する。整流部a2の断面積内に高密度に分散され、連続的 に供給されるこれらの小さい多数のうずは、整流部a2を進行する間に相互干渉 して打ち消し合い、また、急速に減衰する。この減衰の割合は、強いうずがノズ ルに向って進行していた従来の機構の場合と比較して極めて大きい。
【0017】 かくして、広い流量、流速の範囲における安定したノズルへの水供給が可能と なり、時間的に一定した、長い飛行距離を経ても拡散しないで水流の流速と密度 を維持した、ノズル相互間のばらつきが少ない噴射水が得られる。これにより、 洗浄効果および洗浄の信頼性が著しく高まる。また、主導管M−ノズルN間の距 離のさらなる短縮も可能である。
【0018】 本実施例の整流管ANの圧損は0.2kg/cm2程度で、ノズルの吐出圧力と比較 して0.2%以下であるため、該圧損による悪影響(流速の低下)はほとんど無 い。
【0019】 図2は、整流管構造の側面図である。ここでは、図1の実施例における整流管 構造(a) とともに、(b)、(c) 2つの別の例が示される。
【0020】 図2の(a) において、前述のように、整流管Aは、中心および該中心から放射 状に6個、合計7個の開口a1を有し、該開口a1の下流側には、開口a1の合 計よりも大きな断面積の整流部a2が形成されている。
【0021】 図2の(b) において、整流管A2は、パイプa4の上流側に多孔質かつ軟質な スポンジa3を固定したものである。ここでは、図1の実施例と比較して整流管 A2の圧損は多少増すが、うずがさらに細分化されるため、うずの減衰効果が大 である。また、軟質な材料による圧力振動の減衰効果も期待される。
【0022】 図2の(c) において、整流管A3は、パイプa4の上流側に開口密度の異なる 2層の金網を固定したものである。ここでは、2段階にうずを細分化するように している。
【0023】 図3は、整流管構造の正面図である。ここでは、図1の実施例における整流管 構造(a) とともに、(b)、(c) 2つの別の例が示される。
【0024】 図3の(a) において、前述のように、整流管Aは、中心および該中心から放射 状に6個、合計7個の開口a1を有する。
【0025】 図3の(b) において、整流管A5は、図2の(b)、(c) と同様なパイプa4の上 流側に多数の短い小口径パイプを束ねた部材a9を固定したものである。部材a 9の下流側は、図2の(b)、(c) と同様な管路にまとめられている。
【0026】 図3の(c) において、整流管A6は、図2の(b)、(c) と同様なパイプa4の上 流側にハニカム構造の部材a10を固定したものである。部材a9の下流側は、 図2の(b)、(c) と同様な管路にまとめられている。
【0027】 このように、整流管の多数の開口の形状および材料は、図1の実施例に限定さ れず、要は、均一な小さいうずが数多く形成され、しかも圧力損失が少ない形状 および材料が選択されていれば良い。従って、流速(圧損)、流量、噴射液体の 種類等の条件を考慮した上で、種々の材料(多孔質材料、金網、ハニカム材、細 管を束ねたもの等)から適当なものが選択できる。これらは、また、複数段に設 けても良い。
【0028】 また、整流管の多数の開口に続く管路の直径および軸方向の断面形状は図1の 実施例の直管状のものに限定されず、うずを発生せず、ノズル動作に悪影響を与 えない範囲で自由に選択できる。
【0029】 さらに、図1、図2、図3の実施例では、整流管がノズル・ヘッドH内に挿入 されているが、整流管を主導管とノズルの間に溶接して、それぞれ分岐管を構成 するようにしても良い。
【0030】
【考案の効果】
請求項1の噴射液体の分岐構造においては、分岐管内に流れ込んだうずが細分 化されて急速に減衰し、ノズルにまで到達しない。従って、分岐による流線の乱 れ(うずの発生)に起因する問題が従来の方法よりも効果的に解決され、それぞ れのノズルから噴射された液体流の非拡散性、非振動性が確保され、ノズル相互 間における液体流の均一性にも優れる。
【0031】 また、配管構造の空間的な制約やコストの削減の観点からは、構造がより簡単 で主導管からノズル先端までの距離も短くて済む等、設計上の自由度が高くて実 用性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の噴射液体の分岐構造の断面図である。
【図2】図1の実施例における整流管の別の例の断面図
である。
【符号の説明】
A 整流管 B 分岐口 D 導水管 E ネジ H ノズル・ヘッド M 主導管 N ノズル a1 開口 a2 整流部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月28日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の噴射液体の分岐構造の断面図である。
【図2】図1の実施例における整流管の別々の例を示す
断面図である。
【図3】整流管の構造の別々の例を示す正面図である。
【符号の説明】 A 整流管 B 分岐口 D 導水管 E ネジ H ノズル・ヘッド M 主導管 N ノズル a1 開口 a2 整流部

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主導管の液体流を分流して噴射用ノズル
    に導入する噴射液体の分岐構造において、多数の開口の
    下流側を該開口の合計よりも大きな流路面積の管路にま
    とめた整流管を、主導管とノズルの間に配置したことを
    特徴とする噴射液体の分岐構造。
JP2242091U 1991-03-15 1991-03-15 噴射液体の分岐構造 Expired - Lifetime JP2539179Y2 (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007301561A (ja) * 1999-11-15 2007-11-22 Aura Tec:Kk 気泡粉砕ノズル
JP2011245392A (ja) * 2010-05-25 2011-12-08 Aquaintec Corp ノズルヘッダー
JP2014147933A (ja) * 2014-04-30 2014-08-21 Aquaintech Corp 液体分配ヘッダー
KR101501372B1 (ko) * 2013-09-09 2015-03-12 한국항공우주연구원 세정제 분사장치

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