JPH05261141A - 医薬用水溶液の安定化方法及び収容容器 - Google Patents

医薬用水溶液の安定化方法及び収容容器

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JPH05261141A
JPH05261141A JP4133705A JP13370592A JPH05261141A JP H05261141 A JPH05261141 A JP H05261141A JP 4133705 A JP4133705 A JP 4133705A JP 13370592 A JP13370592 A JP 13370592A JP H05261141 A JPH05261141 A JP H05261141A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、炭酸水素イオンを含有する医薬用水
溶液をプラスチック製容器に充填し、これをガスバリア
性を有する包装材にて包装し、上記容器と包装材との空
間部を炭酸ガスを含有するガス雰囲気とする上記医薬用
水溶液の安定化方法及びかくして安定化された医薬水溶
液収容容器を提供する。 【効果】本発明により安定化された水溶液は、その炭酸
水素イオン濃度及びpHが経時的に変化せず一定に保持
されており、またその収容容器は破損しにくく大容量化
が容易で、軽量化を図り得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬用水溶液、より詳し
くは炭酸水素イオンを含有する該医薬用水溶液の安定化
方法及び該水溶液を収容した容器に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】炭酸水素イオンを含有する医薬
用水溶液は、例えば解毒剤、人工腎臓灌流用剤、根管拡
大剤(歯科用)等の分野で汎用されているが、かかる医
薬用水溶液中において、炭酸水素イオンは次式(1)
【0003】
【化1】
【0004】で表わされるように平衡関係にあり、開放
系では上記式(1)の右辺の炭酸ガスの揮散によって反
応が右側に進行し、これに伴われて炭酸水素イオンの減
少及び炭酸イオンの増加が起こり、水溶液のpHが次第
に上昇する。
【0005】この経時変化は、該水溶液の価値を著しく
低下させ、殊に炭酸イオンが増加した液を注射すると、
皮下組織の壊死が引起こされることが知られており[Ho
wland, J. and Marriot, W. M., Am. J. Dis. Child.,
11, 309 (1916)等参照]、この弊害のために、炭酸水素
ナトリウム注射液のpHを、日本薬局方12では7.9
〜8.6の範囲に、またUSP XXII では7.0〜8.
5の範囲にそれぞれ規定して、炭酸イオンの濃度を規制
している。
【0006】また、従来よりかかる医薬用水溶液は、上
記経時変化を防止するために、例えばガラスアンプル等
の密閉容器に充填され、発生する炭酸ガスの揮散を防止
することにより一定の平衡状態を保ち、炭酸水素イオン
濃度及び液pHの安定化を図っている。しかしながら、
ガラス製容器は破損し易く、また大容量化が困難であ
り、非常に重いという致命的欠点があるに加えて、上記
医薬用水溶液の加熱滅菌時に炭酸ガスの発生は避けられ
ず、この発生ガスにより容器内圧が上昇し、これがガラ
ス容器の破損を誘発するおそれも多々ある。この傾向は
特に炭酸水素イオン濃度の高い水溶液、例えば通常用い
られる8.4%炭酸水素ナトリウム注射液等の場合に特
に重大な問題となる。
【0007】しかして、上記ガラス製容器に見られる破
損の問題等を解決し、より軽量化を図り得るものとし
て、近年、プラスチック製容器が種々研究され、医療用
としても、例えばポリエチレン製、ポリプロピレン製、
ポリ塩化ビニル製等の各種の容器が開発されているが、
之等はいずれも気体透過性を有しており、従って之等の
容器に上記炭酸水素イオンを含有する医薬用水溶液を収
容すると、発生する炭酸ガスが経時的に上記容器壁を経
て大気中に揮散するを避け得ず、このためかかるプラス
チック製容器の利用では前記経時変化は免れ得ない欠点
があった。又、上記医薬用水溶液を収容するプラスチッ
ク製容器を減菌するときも同様に、炭酸ガスが揮散する
ため、液のpHが上昇し、所定の範囲外になることがあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上記従
来技術に見られる欠点を悉く解消して、炭酸水素イオン
を含有する医薬用水溶液を安定に収容でき、しかもその
際、ガラス容器に見られる如き破損や、大容量化、軽量
化等のできない不利をも伴わない、新しい安定化された
収容方法及びそのための容器を提供することにある。
【0009】本発明者らは、上記目的より鋭意研究を重
ねた結果、炭酸水素イオンを含有する医薬用水溶液をま
ず気体透過性を有する通常のプラスチック製容器に収容
し、通常の高圧蒸気滅菌後に、ガスバリア性を有する包
装材で二次包装すると共に、上記容器と包装材との空間
部を炭酸ガス雰囲気とする時には、前記目的に合致する
水溶液の安定化を図り得、また安定化された水溶液の収
容容器が提供できることを見出し、ここに本発明を完成
するに至った。
【0010】即ち本発明によれば、炭酸水素イオンを含
有する医薬用水溶液を、プラスチック製容器に充填し、
高圧蒸気滅菌後にこれをガスバリア性を有する包装材に
て包装し、上記容器と包装材との空間部を炭酸ガスを含
有するガス雰囲気とすることを特徴とする上記医薬用水
溶液の安定化方法、及び炭酸水素イオンを含有する医薬
用水溶液を充填したプラスチック製容器と、該容器を包
装したガスバリア性を有する包装材とからなり、上記容
器と包装材との空間部が炭酸ガス含有雰囲気とされてい
ることを特徴とする安定化された上記医薬用水溶液収容
容器が提供される。
【0011】本発明の安定化方法及び容器によれば、上
記構成を採用することによって、以下の如き種々の利点
がある。
【0012】(1) 容器が気体透過性を有するプラスチッ
ク製容器であることに基づいて、破損しにくく大容量化
が容易で、しかも軽量化を図り得るに加えて、加熱滅菌
時に炭酸ガスが発生しても容器自体が柔軟であるため内
圧がかからず、これによる破損の心配も回避できる。
【0013】(2) ガスバリア性を有する包装材を用いた
ことに基づいて、内容液から発生する炭酸ガスが大気中
に揮散するのを防止できる。
【0014】(3) 気体透過性を有するプラスチック製容
器と、ガスバリア性を有する包装材の利用に基づいて、
内容液から発生する炭酸ガスと二次包装中の炭酸ガス雰
囲気とを平衡化させることが可能となる。
【0015】(4) 二次包装中の空間部を所定の炭酸ガス
雰囲気とすることによって、上記平衡化に基づき、内容
液の炭酸水素イオン濃度とpHを一定値に保持できる。
すなわち、炭酸水素イオンを含む医薬用水溶液を注射薬
の製造方法にしたがって規定するpHに調整した場合、
このpHを長期間安定に維持し、内容液の経時変化を防
ぐことができる。
【0016】(5) 二次包装中の空間部の炭酸ガス濃度を
調節することによって、製造直後の内容液のpH及び炭
酸水素イオン濃度を所定の範囲に調節でき、さらにその
値を保持できる。すなわち、炭酸水素イオンを含む医薬
用水溶液を注射薬の製造方法にしたがってpHを規定し
ないで調整した場合でも、得られた内容液が所定のpH
でなければこれを所定のpHに調節し、しかも調節後の
pHを長期間安定に維持し、内容液の経時変化を防ぐこ
とができる。
【0017】これに対して、上記医薬用水溶液を単に多
層容器等のガスバリア性を有するプラスチック製包装材
の容器中に直接収容する時には、炭酸ガスの大気中への
揮散はある程度避けられるものの、この包装材自体から
の溶出物等(接着剤等)が内容液中に混入し、日本薬局
方12に定められる輸液用プラスチック容器試験に適合
しなくなる。従って、かかる手段は本発明の目的には合
致し得ない。
【0018】以下、本発明方法及び容器について詳述す
れば、本発明において炭酸水素イオンを含有する医薬用
水溶液としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモ
ニウム、炭酸水素カリウム、その他の炭酸水素塩の単独
の水溶液や之等各塩と他の成分とからなる水溶液等のい
ずれも利用できる。之等各水溶液の炭酸水素イオン濃度
は、特に限定されるものではないが、通常0.01〜1
M程度の範囲にあり、本発明ではかかる範囲の炭酸水素
イオン濃度を有する水溶液のいずれも安定化させること
ができる。
【0019】上記医薬用水溶液を収容、充填するための
気体透過性を有するプラスチック製容器としては、従来
より医療分野で用いられている各種のものをいずれも使
用できる。その具体例としては、例えばポリエチレン
製、ポリプロピレン製、ポリ塩化ビニル製のものや之等
を適当な比率で配合あるいはラミネートしたもの等を例
示できる。之等容器の形状、大きさ等には特に制限はな
いが、一般には長方形や円筒形のものがよく用いられ、
それらの内容量は一般的には約20ml程度から3l程度
の範囲が汎用され、本発明でもかかる容器を用いるのが
好ましい。
【0020】ガスバリア性を有する包装材としては、通
常のもの例えばポリエチレンテレフタレート(PE
T)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVO
H)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等の材質のもの
や之等各種材質の多層フィルムからなるものを例示でき
る。之等包装材の形状、大きさ等は上記プラスチック製
容器を収容できることを前提として特に制限されるもの
ではないが、この収容後に容器との間に炭酸ガス含有ガ
スを封入できる充分な空間部を形成させ得る形状、大き
さとする必要があり、一般には、上記プラスチック製容
器の約1.2〜2倍容量程度の大きさであるのが望まし
い。
【0021】上記容器と包装材との空間部を炭酸ガスを
含有するガス雰囲気とするためには、例えば炭酸ガスと
空気との混合ガスや炭酸ガスと窒素ガスとの混合ガス等
の炭酸ガスを含有する混合ガスを上記空間部に封入する
方法が採用できる。この方法において、用いられる混合
ガスの炭酸ガス濃度は、プラスチック製容器に充填され
る医薬用水溶液の種類、特にその炭酸水素イオン濃度及
びpHに応じて適宜決定される。例えば上記水溶液とし
て血液濾過用補充液として汎用される、炭酸水素ナトリ
ウム8.4g及び塩化ナトリウム2.69gを注射用水
に溶解させて全量を1lとした水溶液を選ぶ場合、該水
溶液の炭酸水素イオン濃度は100mMであり且つpH
は8.21であり、この値を保持するためには、上記混
合ガス雰囲気の炭酸ガス濃度を約3〜5%程度とするの
がよい。
【0022】より詳しくは、炭酸水素イオンは、pH
8.3以下では次式(2)で表わされる平衡関係にあ
る。
【0023】
【化2】
【0024】このpKa値は、37℃、イオン強度0.
15では6.1であり、PCO2 をmmHg単位で表わすと、
次式(3)
【0025】
【数1】
【0026】[上記式中、3.01×10-5は、溶存C
2 と気相中のCO2 との平衡定数である。]なる関係
がある。従って、この式から炭酸水素イオン濃度とpH
とを一定とするための炭酸ガス分圧を求めることがで
る。またこの式から、炭酸ガス分圧を調整することによ
って、水溶液のpHを容易に調節できることも判る。
【0027】本発明方法において安定化され得る医薬用
水溶液の炭酸水素ガス濃度及びpHは一般に0.01〜
1M程度及び6.5〜8.6程度であるため、上記炭酸
ガス分圧は通常約1mmHg〜760mmHgの範囲に調整され
るのがよく、これに応じて上記混合ガス中の炭酸ガスの
含有比率を選択するのが好ましい。より詳しくは、製造
後の内容液のpHが所定の範囲内にある場合には、空間
部に封入する炭酸ガスは内容液の炭酸ガス分圧にほぼ等
しくなるようにすればよい。製造後の内容液のpHが所
定の範囲より高い場合には、空間部に封入する炭酸ガス
は内容液に吸収される量と所定pH範囲に平衡が移動し
た時の炭酸ガス分圧に等しい量の合計量にほぼ等しくな
るようにすればよい。
【0028】本発明方法に従う、医薬用水溶液の容器へ
の充填、滅菌、包装材による包装、空間部への炭酸ガス
の封入等は、通常の注射液の製造方法に従って容易に行
なうことができる。
【0029】かくして本発明所期の安定化された医薬用
水溶液を得ることができる。
【0030】本発明方法により得られる安定化された医
薬用水溶液を収容した容器の好ましい一実施態様は添付
図面(図1)に示す通りであり、これは炭酸水素イオン
を含有する医薬用水溶液(内容液、1)を充填したプラ
スチック製容器2と、該容器を包装したガスバリア性を
有する包装材3とからなり、上記容器と包装材との空間
部4が炭酸ガス含有雰囲気とされていることを特徴とし
ており、この構成によって、本発明所期の優れた内容液
の安定化を図り得ると共に、前述した各種の効果を奏し
得る。
【0031】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、実
施例を挙げる。
【0032】
【実施例1】炭酸水素ナトリウム8.4g及び塩化ナト
リウム2.69gを注射用水に溶解させて全量を1lと
した水溶液を調製し、ポリエチレン製容器(内容積:約
1600cm3 、膜厚:約0.5mm)に充填し、高圧蒸気
滅菌(105℃、40分間)後、ガスバリア性包装材
(ポリビニルアルコールよりなるフィルム、商品名:ボ
ブロン(商標)フィルム、膜厚約60〜80μm、内容
積:2000cm3 )に収容し、空間部を真空脱気し、次
いで炭酸ガス濃度3%、5%及び7%の各炭酸ガス/空
気の混合ガス1lを、上記容器と包装材との空間部に封
入して、本発明方法を実施し、図1に示す本発明の医薬
用水溶液収容容器(二次包装品)を得た。
【0033】上記二次包装容器を、室温にて保存し、経
時的に容器内水溶液をサンプリングして、そのpH及び
炭酸水素イオン濃度を測定した。また、対照として二次
包装を行なうことなく、同様にして得られた容器につい
ても同一試験を行なった。
【0034】得られた結果を、下記第1表(pH値)及
び第2表(炭酸水素イオン濃度(mM))に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】上記第1表より明らかなように、内容液の
pHは、対照(無包装)品で、経時的に上昇したのに対
して、本発明(二次包装)品は、試験開始7日後よりほ
ぼ一定の値に維持された。また、本発明品の内では混合
ガスの炭酸ガス比率(濃度)が高い程、内容液のpHが
低くなり、従って、この混合ガス中の炭酸ガス濃度を調
節することによって、内容液のpHを調節できることが
判った。
【0038】炭酸水素イオン濃度は、第2表に示すよう
に、試験開始時はいずれも約99mMであり、43日後
には対照(無包装)品で約90mMまで低下したのに対
して、本発明(二次包装)品では試験期間中いずれも9
9〜101mMであり、試験開始時の濃度を安定して維
持していることが判った。
【0039】
【実施例2】実施例1と同様にして調製した医薬用水溶
液、容器及び包装材を用いて、炭酸ガス濃度1%、2%
及び3%のそれぞれの炭酸ガス/空気混合ガス1lを容
器と包装材との空間部に封入して、本発明方法を実施
し、図1に示す本発明の医薬用水溶液収容容器(二次包
装品)を得た。
【0040】得られた製品を室温にて9カ月間保存し、
保存期間中、実施例1と同様にして内容液のpHを経時
的に測定した。
【0041】結果を第3表に示す。
【0042】
【表3】
【0043】上記第3表に示すように、本発明方法によ
り安定化された医薬用水溶液では、室温保存中のpHの
経時的変化は実質的に認められず、極めて安定であるこ
とが判った。このことから、本発明方法によれば人工腎
臓灌流用剤、根管拡大剤、解毒剤等の炭酸水素イオンを
含有する医薬用水溶液を極めて安定化させ得ることが明
らかである。
【0044】
【実施例3】炭酸水素ナトリウム5.8g及び塩化ナト
リウム12.22g及び塩化カリウム0.3gを注射用
水に溶解させて全量を1lとした水溶液を調製し、これ
をA液とする。また、塩化カルシウム・2水塩0.51
4g、塩化マグネシウム・6水塩0.204g及びブド
ウ糖2.0gを上記A液と同様にして調製し、これをB
液とする。
【0045】上記A液及びB液を、2室を有し用時混合
可能なポリエチレン製容器(内容積:各室約1500cm
3 、膜厚:約0.5mm)の各室内にそれぞれ充填し、高
圧蒸気滅菌(105℃、40分間)後、実施例1と同様
にして包装した。次いで、炭酸ガス濃度30%の窒素−
炭酸ガス混合ガス1lを、上記容器と包装材との空間部
に封入して、本発明方法を実施して、本発明の医薬用水
溶液収容容器(二次包装品)を得た。
【0046】上記二次包装容器を、室温にて12カ月間
保存し、経時的に炭酸水素イオンを含むA液及びA液と
B液との用時混合溶液をサンプリングして、それらのp
Hを測定した。
【0047】得られた結果を、下記第4表に示す。
【0048】
【表4】
【0049】上記第4表より、この例における本発明
(二次包装)品は、pH7.2〜7.4付近であること
が必要な人工腎臓透析液の処方として、有機酸等のpH
調整剤を用いないでも、長期に亘って一定のpHを維持
でき、使用時に必要なpHを安定して得られることが明
らかである。
【0050】
【実施例4】炭酸水素ナトリウム8.4gを注射用水に
溶解させて全量を100mlとした水溶液を調製し、ポ
リエチレン製容器(内容積:約150cm3 、膜厚:約
0.5mm)に充填し、高圧蒸気滅菌(105℃、40分
間)後、ガスバリア性包装材(ポリビニルアルコールよ
りなるフィルム、商品名:ボブロン(商標)フィルム、
膜厚約60/80μm、内容積:200cm3 )にて収容
し、空間部を真空脱気し、次いで炭酸ガス濃度65%の
炭酸ガス/空気混合ガス50mlを、上記容器と包装材
との空間部に封入して、本発明を実施し、図1に示す本
発明の医薬用水溶液収容容器(二次包装品)を得た。
【0051】上記二次包装容器を、室温にて保存し、経
時的に容器内水溶液をサンプリングして、そのpHを測
定した。
【0052】得られた結果を、下記第5表(pH値)に
示す。
【0053】
【表5】
【0054】上記第5表より明らかなように、内容液の
pHは、試験開始0.5ヶ月後よりほぼ一定の値に維持
された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施により得られる本発明医薬用
水溶液収容容器の一実施態様を示す概略図である。
【符号の説明】
1 医薬用水溶液(内容液) 2 プラスチック製気密容器 3 ガスバリア性を有する包装材 4 上記容器2と包装材3との空間部
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】削除
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】削除
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】削除
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】削除
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】削除

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭酸水素イオンを含有する医薬用水溶液
    を、プラスチック製容器に充填し、これをガスバリア性
    を有する包装材にて包装し、上記容器と包装材との空間
    部を炭酸ガスを含有するガス雰囲気とすることを特徴と
    する上記医薬用水溶液の安定化方法。
  2. 【請求項2】炭酸水素イオンを含有する医薬用水溶液を
    充填したプラスチック製容器と、該容器を包装したガス
    バリア性を有する包装材とからなり、上記容器と包装材
    との空間部が炭酸ガス含有雰囲気とされていることを特
    徴とする安定化された上記医薬用水溶液収容容器。
JP4133705A 1991-06-10 1992-05-26 医薬用水溶液の安定化方法及び収容容器 Expired - Lifetime JP2750373B2 (ja)

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JP13762991 1991-06-10
JP3-137629 1992-01-21
JP4-8646 1992-01-21
JP864692 1992-01-21

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JP2750373B2 JP2750373B2 (ja) 1998-05-13

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1994016663A1 (en) * 1993-01-22 1994-08-04 Otsuka Pharmaceutical Factory, Inc. Bicarbonate-containing powdered medicine storage container and method of stabilizing the same medicine
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JP2013220834A (ja) * 2012-04-17 2013-10-28 Green Package:Kk 包装構造

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