JPH05261107A - 光断層イメージング装置 - Google Patents

光断層イメージング装置

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JPH05261107A
JPH05261107A JP6230392A JP6230392A JPH05261107A JP H05261107 A JPH05261107 A JP H05261107A JP 6230392 A JP6230392 A JP 6230392A JP 6230392 A JP6230392 A JP 6230392A JP H05261107 A JPH05261107 A JP H05261107A
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tomographic imaging
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Motoki Oda
元樹 小田
Yutaka Yamashita
豊 山下
Kazuyoshi Ota
和義 太田
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Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生体の光断層イメージングを良好に行ない得
る装置を提供する。 【構成】 被検体に向けて少なくとも2波長のパルス光
を投射する投光手段と、被検体を透過して当該被検体の
所定位置から外部に出射したパルス光を選択的に検出す
る透過光検出手段と、前記被検体で反射されたパルス光
を、投光手段による投光光軸と略同一軸上で検出する反
射光検出手段と、透過光検出手段の出力にもとづき、パ
ルス光の被検体への入射位置と透過光の出射した所定位
置とを結ぶ線上およびその近傍における被検体内部の波
長間吸光度差分布を求める内部情報演算手段と、反射光
検出手段の出力にもとづき、パルス光が前記被検体表面
に照射された空間的位置を求める外形情報演算手段と、
パルス光が被検体の複数の位置に入射されたときの内部
情報演算手段および外形情報演算手段のの演算出力を蓄
積し、蓄積されたデータにもとづいて被検体の光断層イ
メージングを実行するイメージング手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生体などの内部を光によ
ってイメージングする光断層イメージング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光を用いた生体観察装置として、例えば
特開昭61−37227号公報のものが知られている。
これは、生体に連続光の光ビームを投射し、その透過光
を反対方向で受光して断層像を求めるものである。
【0003】一方、生体が強い光散乱媒質であることを
利用して、ピコ秒光パルスの入射と光強度の時間分解計
測とを組合わせた方法が提案されている。これは、ピコ
秒光パルスが生体等の散乱媒質内で十分拡散されると、
時間的に測定された光の強度パターンが時間に対して指
数関数的に減少し、且つその減少の度合が散乱媒質内の
吸光物質の濃度の依存することを利用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術では、生体の内部情報はある程度推定できて
も、その外形情報は別途に計測しなければならなかっ
た。また、内部情報が推定できるとは言っても、例えば
上記光ピコ秒パルスが生体の散乱によって指数関数的に
拡がることを利用した測定方法では、得られる光の強度
パターンが測定対象の散乱状況に大きく影響され、必ず
しも指数関数的な現象を示さず、複雑なパターンとなっ
て観測されることが多く、正確な測定を安定して行うこ
とができないという問題点がある。
【0005】本発明は、このような問題点を克服できる
光断層イメージング装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光断層イメ
ージング装置は、被検体に向けて少なくとも2波長のパ
ルス光を投射する投光手段と、被検体を透過して当該被
検体の所定位置から外部に出射したパルス光を選択的に
検出する透過光検出手段と、被検体で反射された前記パ
ルス光を、投光手段による投光光軸と略同一軸上で検出
する反射光検出手段と、透過光検出手段の出力にもとづ
き、パルス光の被検体への入射位置と透過光の出射した
所定位置とを結ぶ線上およびその近傍における被検体内
部の波長間吸光度差分布を求める内部情報演算手段と、
反射光検出手段の出力にもとづき、パルス光が被検体表
面に照射された空間的位置を求める外形情報演算手段
と、パルス光が被検体の複数の位置に入射されたときの
内部情報演算手段および外形情報演算手段の演算出力を
蓄積し、蓄積されたデータにもとづいて光断層イメージ
ングを実行するイメージング手段とを備えることを特徴
とする。
【0007】ここで、内部情報演算の第1の態様とし
て、被検体は吸光物質を含む散乱媒質であり、投光手段
は異なる波長λ1 ,λ2 のパルス光を被検体に入射し、
内部情報演算手段はこの入射パルス光に基づく散乱媒質
からの光の時間応答関数における波長λ1 光の時刻
1 ,t2 での光強度f1 (t1 )、f1 (t2 )、波
長λ2 光の時刻t1 ,t2 での光強度f2 (t1 )、f
2 (t2 )を測定し、波長λ1 ,λ2 光の吸光物質にお
ける吸光の定数をK、散乱媒質中での光の速度をCとし
たとき、吸光物質の濃度Vを、 次式 V=1/KC・1/(t1 −t2 ) ×[log{f1 (t1 )/f2 (t1 )} −log{f1 (t2 )/f2 (t2 )}] で算出することを特徴とすることが望ましく、また、内
部情報演算の第2の態様として、披検体が吸光物質を含
む散乱媒質であり、投光手段は異なる波長λ1 ,λ2
パルス光を被検体に入射し、内部情報演算手段はこれら
λ1 ,λ2 光における吸光物質の吸光度A1 ,A2 を求
める過程と、吸光物質の光路長Lを測定する過程と、こ
れらA1 ,A2 ,L及びλ1 ,λ2 における吸光係数ε
1 ,ε2 に基づいて、吸光物質の濃度Vを V=(A1 −A2 )/{L(ε1 −ε2 )} から演算する過程とを実行することを特徴とすることも
望ましい。
【0008】さらに、投光手段の投光部、透過光検出手
段の受光部および反射光検出手段の受光部が、被検体の
回りを回転する支持体に取り付けられていることを特徴
とし、あるいは透過光検出手段の受光部が複数個であっ
て、それぞれ支持体に取り付けられていることを特徴と
し、あるいは投光手段の投光部が被検体を囲むように複
数個配設され、透過光検出手段および反射光検出手段の
受光部が投光手段の投光部のそれぞれと近接して設けら
れていることを特徴としてもよい。
【0009】
【作用】本発明によれば、パルス光を投光手段から被検
体に向けて投射することで、被検体の内部情報と空間位
置情報が同時に得られる。すなわち、被検体の透過光に
より内部情報が、反射光により外形情報が求まり、これ
らは同一のパルス光照射の結果として得られるので、正
確な光断層イメージングを行ない得る。
【0010】ここで、内部情報演算手段を第一の態様と
する場合は、下記の点を利用する。すなわち、吸光物質
を含む散乱媒質内に光パルスを入射させた場合、縦軸に
光強度を対数でとり、横軸を時間としたときの、散乱媒
質を通過した光パルスの光強度は、図1(A)に示され
るような、散乱媒質内に吸光物質がないときの光強度
(散乱プロファイル)と、図1(B)に示されるよう
な、吸光物質がある場合の光強度(吸収プロファイル)
の積として、図1(C)のように、次式(1)で表され
ることを利用したものである。
【0011】
【数1】
【0012】ここで、図1(B)のεは吸光係数(波長
により変わる)、Vは吸光物質のモル濃度、Cは散乱媒
質内における光速である。
【0013】更に上記に加えて、散乱プロファイルが光
パルスの波長によって変化せず、また、吸収プロファイ
ルが波長によって変化することを利用する。すなわち、
散乱媒質内に吸光物質がない場合の散乱プロファイルが
波長によって変化しないことを利用して、吸光物質が1
種類の場合は2種類の異なる波長のパルス光を入射さ
せ、得られた波長毎の光強度の時間的プロファイルと散
乱プロファイルとの式との連立方程式から、散乱プロフ
ァイルを除去して吸光物質の濃度を測定する。
【0014】これに対し、内部情報演算手段を第2の態
様とするときは、吸光物質を含む散乱媒質に異なる波長
λ1 ,λ2 のピコ秒パルス光を照射し、それぞれに対応
する吸光度A1 ,A2 を求め、これらの差△A=A1
2 を求め、また、散乱媒質の実際の光路長Lを時間計
測法を導入して求め、更に演算回路により V=△A/L(ε1 −ε2 ) を演算してモル濃度Vを求めるものである。
【0015】これらの態様とした内部情報演算手段で
は、吸光物質の濃度は実測値として正確に測定できる。
また、データの蓄積量も少なくて済み、演算方法及びそ
の装置の構成も簡単である。更に、入力光強度が一定で
なくても、吸光物質の濃度を測定できる。また、多波長
化により複数種類の吸光物質が散乱媒質内にある場合で
も、各吸光物質についての濃度を正確に測定できる。こ
のため、被検体の内部情報をパルス光の照射位置と、検
出透過光の被検体からの出射位置とを変えたものについ
て蓄積することで、正確な光断層イメージングが可能に
なる。
【0016】なお、投光手段の投光部を単数(シングル
ビーム)とし、あるいは複数(マルチビーム)とした
り、透過光あるいは反射光の検出手段を単数としたり複
数としたりすることは、適宜に組み合わせ得る。すなわ
ち、投光部が単数のときは、被検体の回りで回転駆動さ
れることで内部および外形情報が蓄積され、投光部が複
数のときは、順次にパルス点灯駆動されることで被検体
の回りで回転駆動されたのと等価になり、したがって正
確な光断層イメージングが可能となる。
【0017】
【実施例】以下、添付図面により本発明の実施例を説明
する。
【0018】まず、基本原理について説明する。図2に
おいて、被検体(生体)には部分的に吸光物質が含まれ
ていると考える。このとき、図2(a)の点Aから光パ
ルスを入射し、点Bから出射される光について時間分解
計測を行なって測定すれば、A〜B間の光軸上の平均の
吸光物質の濃度、あるいは平均の波長間の吸光度差を計
測できる。
【0019】一方、光CT(コンピュータ・トモグラフ
ィ)化を考えるにあたり、画像再構成を行うにあたって
は、A〜B間の物質濃度または吸光度差の線積分が必要
である。よって、A〜B間の物理的距離を知る(計測す
る)必要が生じてくる。そこで、図2(b)に示すよう
に、光パルスと時間分解計測を用いて、図中の符号Cの
光入射部から光パルスを生体に向けて発射し、生体表面
(G)より反射してきた光が符号Dの光検出部にもどっ
て来る時間遅れを検出し、この時間遅れを光の進む距離
に換算すれば、ガントリーの内面の点Eから生体の表面
Gまでの距離が求められる。これをガントリーの内周全
体について行えば生体の外形がわかり、G、H間の距離
を求めることができる。よってこの2種類の計測を行え
ば、生体内(測定対象物内)の吸光物質の濃度分布又は
波長間の吸光度差分布を得ることができ、光CTが可能
となる。
【0020】本発明は、後に詳述する散乱媒質内吸光物
質の濃度測定原理を用いて、光ピコ秒パルスと光時間分
解計測によって生体表面のある2点間の2波長間吸光度
差を求める第1の計測と、生体(測定対象物)のガント
リー内での空間位置と外形を、同様に光ピコ秒パルスと
光時間分解計測を用いて測定し、上記第1の計測におけ
る2点間の空間的距離を算出する第2の計測とからな
る。そして、これら計測結果を蓄積して光断面を求める
装置であり、これら2つの計測は共通の光源部、ガント
リー部、光時間分解計測部で行える。
【0021】まず、はじめに第1の計測より説明する。
図3に示すように、ガントリー内部に測定対象物として
生体がセットされているが、ガントリー内周の1点Mよ
りガントリ−の中心Rに向けて、ビ−ム状の光パルスを
生体に向けて入射する。ここで、上記の光の入射部は、
同じくガントリーの中心方向に向けてコリメートされた
受光部と組になっている。このように入射部と受光部が
コリメートされているのは、特に第2の計測を行なえる
ようにするためである。
【0022】点Mより入射された光パルスは、ガントリ
ーの中心Rと内面Mとの間の生体の表面Oで生体内に入
り、生体内に拡散する。そして、その中で生体の表面P
より外に出た光パルスは、P点とガントリーの中心Rを
結ぶ直線を延長した線とガントリーの内面との交点Nの
受光部(光検出部)に入る。光検出部は線NーR方向に
向いてコリメートされており、P点以外より出た光は点
Nの検出部には感知されない。そして、N点の光検出部
に入った光パルスについて、光強度時間分解計測を行
う。これを2波長または多波長で行い、OP間の波長間
吸光度差Co−pを求める。この計測をガントリー内の
生体表面の各2点間について行う。
【0023】次に、第2の計測について説明する。図4
(a)に示すように、ガントリー内面の1点Iより第1
の計測と同様に、ガントリーの中心Rに向けてビーム状
の光パルスを入射する。光パルスはI−R間の生体表面
上の1点Jで生体に入射されるが、一部は生体外に拡散
反射される。この拡散反射された光パルスのうち、I点
に戻ってきたものを、図4(b)のように光強度時間分
解計測する。すなわち、I点から光パルスが入射された
時から、生体の表面Jで拡散反射されて光パルスがIに
戻ってきた時間までの遅れを測定すれば、I−J間の空
間的距離が求められる。ここで、光検出部は第1の計測
の場合と共通でよい。これをガントリーの内周全体につ
いて行えば、測定対象物である生体のガントリー内での
位置と外形がわかる。
【0024】上記のように生体の位置と外形が判明する
と、当然のこととして、パルス光の入射点Oと出射点P
の間の空間的距離Lo−pが判明する。ここで、点O−
P間の波長間平均吸光度差(または吸光物質の平均濃
度)は第1の計測でわかっているので、再像再構成に必
要な線積分要素は図5のようになる。
【0025】このようにして、任意の生体表面の2点間
(生体表面に凹凸がない場合)においても、同様な値が
算出でき、ガントリー内の波長間吸光度差の断層像が得
られる。この一連の計測を多波長で行えば、生体内吸光
物質の濃度分布の断層像が得られる。
【0026】光CTにおいては、生体等の測定対象物を
透過するとき、光が測定対象物の中で多重散乱されるの
で、光が実際に測定対象物内を走る距離と、測定対象物
表面の光入射位置と出射位置との間の直線距離は異なっ
ている。よって、時間分解計測を用いて光の実際の走行
距離を得て定量化計測を行う手法では、測定対象物への
光入射位置から出射位置までの直線距離を得なければ、
断層像再構成のための投影データを得られない。
【0027】次に、本発明の測定対象物の外形(断層面
の周囲の形)を計測する機能を有した光CTの実施例を
次に示す。
【0028】図6に第1の実施例の構成を示す。この実
施例では、光パルスの入射部と反射光および透過光の受
光部とが、一組だけ設けられ、これらが往復および回転
移動される点に特徴がある。すなわち、一組のセンシン
グ系で1ライン分のデータがとられ、駆動されることで
多数ラインのデータがとられて蓄積され、これによって
イメージングがされることになる。
【0029】光パルス光源1は制御部2からのトリガー
信号によって光パルスを発生する。入射光用光ファイバ
3は光パルス光源1より発生された光パルスをガントリ
ー4,5に導き、入射部6より細いビーム状にして測定
対象物7に入射する。受光部8には入射部6より出射す
る光パルスと平行方向で逆向きの光を選別して入射する
コリメータが取り付けられており、入射部6より出た光
パルスが測定対象物7の表面で拡散反射した光パルスの
うち、ほぼ逆向き(180°方向のずれた)成分を選別
して受光できるように、入射部6の十分近くに設置され
ている。
【0030】コリメータ付受光部8で受けた光パルス
は、受光用光ファイバ9によって多チャンネル光強度時
間分解計測装置10の1つのチャンネルに導かれ、この
多チャンネル光強度時間分解計測装置10において制御
部2からのトリガー信号によって光強度時間分解計測が
行なわれる。この測定データにもとづいて、外形演算部
13において入射部6より光パルスが出た時からコリメ
ータ付受光部8に入った時までの時間遅れを求め、この
時間遅れによりA−B間の距離を求める。
【0031】受光部11は入射部6と向き合って設置さ
れており、測定対象物7を透過してきた光パルスを受光
する。受光された光パルスは受光用光ファイバ12によ
って多チャンネル光強度時間分解計測装置10の別のチ
ャンネルに導かれ、光強度時間分解計測される。この光
強度時間分解計測をいくつかの波長の光パルスで行うこ
とにより、B−C間の波長間平均吸光度差または吸光物
質濃度を投影データ演算部14において求める。
【0032】ここで、ガントリー4は制御部2の制御信
号にしたがって、入射部6、コリメータ付受光部8およ
び受光部11を対にして往復運動させ、かつガントリー
5は制御部2からの信号にしたがって入射部6、コリメ
ータ付受光部8および受光部11を含めたガントリー4
を360°変化させて以上の測定を繰り返すことによ
り、外形演算部13では測定対象物7の外形情報を得
る。この外形データにもとづいて、投影データ演算部1
4で測定対象物7の断層像再構成に必要な投影データが
算出され、断層像再構成部15で断層像を得て表示部1
6で表示する。
【0033】図7に第2の実施例の構成を示す。この場
合には、1個の光パルス入射部に対して1個の反射光受
光部と、複数個の透過光受光部が設けられている。そし
て、これらをマウントしたガントリー5が回転駆動可能
となっている。なお、測定を繰り返してデータを蓄積
し、断層像を再構成する点は同じである。
【0034】この実施例のシステムにおいては、入射部
6よりビーム状に測定対象物7に入射された光パルス
が、測定対象物7の表面で拡散反射され内部に拡がって
ファンビーム状になるのを利用して、ガントリー5に多
数設置された受光部11によって、一度にB−C1 間か
らB−Cn 間の光パルスの時間分解計測データを得るこ
とを可能としている。なお、ガントリー5は入射部6、
コリメータ付受光部8および11と共に、制御部2の信
号を受けて回転する。
【0035】図8に第3実施例の構成を示す。この実施
例においては、ガントリーを回転させる必要をなくして
いる。入射部6とコリメータ付受光部8を対としたプロ
ーブ17を、固定ガントリー18に規則的に多数設置す
る。光パルス光源1より出射された光パルスを送る入射
光用光ファイバは、制御部2の信号にもとづき光ロータ
リースイッチ19によって決定される。この操作が第
1、第2実施例でのガントリーの回転の代りとなって、
入射部6が決定される。
【0036】コリメーター付受光部8は、対となってい
る入射部6から光パルスが測定対象物7へ入射される時
は、外形演算のための測定対象物7の表面からの反射を
受光することになり、それ以外の時は測定対象物7の透
過してきた光パルスを受光する。
【0037】次に、上記第1、第2および第3の実施例
での内部情報演算手段による処理について説明する。こ
の処理は、被検体である生体が吸光物質を含む散乱媒質
であることを前提とし、これには前述の第1の態様と第
2の態様とがある。
【0038】まず、第1の態様において、散乱媒質内の
吸光物質が1種類の場合の、吸光物質の濃度を測定する
過程について説明する。
【0039】光の散乱は、入射する光の波長と、散乱の
原因となる物質に依存する。2波長で測定する場合、測
定対象(生体)に対して等しい条件で2種類の波長光が
入射し、等しい条件で観測したとすれば、入射光に対す
る散乱媒質による影響は等しいと考えられる。また、散
乱媒質自体が同時に吸光物質であっても同様に考えられ
る。更に、入射する異なる波長光の波長が充分に近けれ
ば、散乱媒質内での散乱はほぼ等しいと考えることがで
きる。
【0040】そこで、図1(A)に示される散乱プロフ
ァイルf0 (t)が共通であり、吸光係数ε1 ,ε2
異なっている波長λ1 ,λ2 の光を選び、前述の(1)
式を、波長毎にたてると次のようになる。
【0041】
【数2】
【0042】
【数3】
【0043】ここで、f1 (t)、f2 (t)は波長λ
1 ,λ2 光の観測された時間的プロファイルであり、I
1 ,I2 は入射光強度であり、ε1 ,ε2 は波長λ1
λ2光における吸光物質の光吸収係数、Vは吸光物質の
濃度であり、Cは光速、tは時間をそれぞれ示す。な
お、f1 (t)とf2 (t)については、入射光パルス
のプロファイルに違いがあるときは補正する必要があ
る。
【0044】前述の(2)式及び(3)式の両辺で対数
をとると、次式のようになる。
【0045】 log{f1 (t)}=logI1 +log{f0 (t)} +(−ε1 VCt) …(2´) log{f2 (t)}=logI2 +log{f0 (t)} +(−ε2 VCt) …(3´) (2´)−(3´)式は、次の(4)式となる。
【0046】 log{f1 (t)/f2 (t)}=log{I1 /I2 } +(ε2 −ε1 )VCt …(4) 上記の(4)式は、図2に示されるように、全てのtに
ついて成立するので、t=t1 〜tn のそれぞれで、
(4)式に準じて式をたてると次のようになる。
【0047】 log{f1 (t1 )/f2 (t1 )} =log{I1 /I2 }+(ε2 −ε1 )VCt1 : : log{f1 (tn )/f2 (tn )} =log{I1 /I2 }+(ε2 −ε1 )VC・tn …(5) 上記(5)式では、log(I1 /I2 )と吸光物質の
濃度Vが未知数であり、従って、log(I1 /I2
を消去する連立方程式により、濃度Vが求められること
になる。
【0048】例えば、時間t1 ,t2 の式を使って濃度
Vを求めると次のようになる。
【0049】 log{f1 (t1 )/f2 (t1 )} −log{f1 (t2 )/f2 (t2 )} =(ε2 −ε1 )VC(t1 −t2 ) …(6) 従って、 V=[1/{C(ε2 −ε1 )(t1 −t2 )}] ×[log{f1 (t1 )/f2 (t1 )} −log{f1 (t2 )/f2 (t2 )}] …(7) となる。
【0050】上記は吸光物質が1種類の場合であるが、
吸光物質がn種類についてはN+1種の波長光における
測定を行うことで求めることができ、更に多くの種類の
波長光を使えば、最小自乗法を用いても濃度ベクトルを
決定できる。
【0051】また、上記では、各波長毎の測定対象物質
の吸光係数εを既知のものとしているが、これは、吸光
係数が予め判明していない場合も、例えば、測定対象物
質にパルス光を入射させて、そのときの透過光に基づい
て、当該吸光物質における吸光の定数Kを測定して、こ
れを利用するようにしてもよい。この場合は、(7)式
におけるC(ε2 −ε1 )=Kと置き換えることができ
る。
【0052】次に、光波長及び吸光度から、吸光物質濃
度を測定する第2態様について説明する。
【0053】まず、第2態様を理論的な面から考察す
る。一般に不透明物質の吸光度Aは次式で表される。
【0054】 A=log(I0 /I1 )=εVL+B …(15) I0 :入射光強度 I1 :出射光強度 ε:吸光物質のモル吸光係数 V:吸光物質のモル濃度 L:光路長 B:散乱強度 不透明物質の吸光測定は散乱光の影響Bを除くためにλ
1 とλ2 における2波長計測を行う。
【0055】 A1 =ε1 VL+B …(16) A2 =ε2 VL+B …(17) ε1 :λ1 におけるモル吸光係数 ε2 :λ2 におけるモル吸光係数 (16),(17)式から次式が得られる。
【0056】 △A=A1 −A2 =(ε1 −ε2 )VL ∴V=△A/L(ε1 −ε2 ) …(18) (18)式において、光路長Lは、図12に示すように
幾何学的光路長Lよりも散乱によって長くなっているた
め、実際の光路長Lを求めなければ絶対濃度Vを求める
ことができない。
【0057】ここで、実際の光路長Lを求めるため、時
間計測を導入すると、次式から求めることができる。
【0058】 L=C・t=C0 /n・t …(19) C:試料中の光速 C0 :真空中の光速 n:試料の屈折率 t:試料内平均走行時間 この(19)式から実際の光路長Lを求めることによっ
て、吸光物質の絶対濃度Vを測定することができる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、パルス光を投光手段か
ら被検体に向けて投射することで、被検体の内部情報と
位置情報が同時に得られる。すなわち、被検体の透過光
により内部情報が、反射光により外形情報が求まり、こ
れらは同一のパルス光照射の結果として得られるので、
正確な光断層イメージングを行ない得る。
【0060】ここで、内部情報演算手段を第1の態様あ
るいは第2の態様とする場合は、吸光物質の濃度実測値
として正確に測定できる。また、データの蓄積量も少な
く演算方法及びその装置の構成も簡単である。更に、入
力光強度が一定でなくても、吸光物質の濃度を測定でき
る。
【0061】このため、投光部が単数のときは、被検体
の回りで回転駆動し、投光部が複数のときは、順次にパ
ルス点灯駆動することにより、被検体の内部情報をパル
ス光の照射位置および検出透過光の被検体からの出射位
置と変えたものについて蓄積することで、正確な光断層
イメージングが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】散乱媒質内吸光物質の濃度測定方法の原理を示
す図。
【図2】本発明の原理の説明図。
【図3】本発明における内部情報計測の原理説明図。
【図4】本発明における外形情報計測の原理説明図。
【図5】本発明における内部情報計測の原理説明図。
【図6】第1実施例の構成図。
【図7】第2実施例の構成図。
【図8】第3実施例の構成図。
【符号の説明】
1…光パルス光源、2…制御部、3…入射光用光ファイ
バ、4…ガントリー、(往復運動用)、5…ガントリー
(回転運動用)、6…入射部、7…測定対象物、8…コ
リメータ付受光部、9…受光用光ファイバ、10…多チ
ャンネル光強度時間分解計測装置、11…受光部、12
…受光用光ファイバ、13…外形演算部、14…投影デ
ータ演算部、15…断層像再構成部、16…表示部、1
7…プローグ、18…固定ガントリー、19…光ロータ
リースイッチ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体に向けて少なくとも2波長のパル
    ス光を投射する投光手段と、 前記被検体を透過して当該被検体の所定位置から外部に
    出射した前記パルス光を選択的に検出する透過光検出手
    段と、 前記被検体で反射された前記パルス光を、前記投光手段
    による投光光軸と略同一軸上で検出する反射光検出手段
    と、 前記透過光検出手段の出力にもとづき、前記パルス光の
    前記被検体への入射位置と前記透過光の出射した所定位
    置とを結ぶ線上およびその近傍における前記被検体内部
    の波長間吸光度差分布を求める内部情報演算手段と、 前記反射光検出手段の出力にもとづき、前記パルス光が
    前記被検体表面に照射された空間的位置を求める外形情
    報演算手段と、 前記パルス光が前記被検体の複数の位置に入射されたと
    きの前記内部情報演算手段および前記外形情報演算手段
    の演算出力を蓄積し、蓄積されたデータにもとづいて前
    記被検体の光断層イメージングを実行するイメージング
    手段とを備えることを特徴とする光断層イメージング装
    置。
  2. 【請求項2】 前記被検体は吸光物質を含む散乱媒質で
    あり、前記投光手段は異なる波長λ1 ,λ2 のパルス光
    を出射し、 前記内部情報演算手段はこの入射パルス光に基づく散乱
    媒質からの光の時間応答関数における波長λ1 光の時刻
    1 ,t2 での光強度f1 (t1 )、f1 (t2 )、波
    長λ2 光の時刻t1 ,t2 での光強度f2 (t1 )、f
    2 (t2 )を測定し、波長λ1 ,λ2 光の吸光物質にお
    ける吸光の定数をK、散乱媒質中での光の速度をCとし
    たとき、吸光物質の濃度Vを、 次式 V=1/KC・1/(t1 −t2 ) ×[log{f1 (t1 )/f2 (t1 )} −log{f1 (t2 )/f2 (t2 )} で算出することを特徴とする請求項1記載の光断層イメ
    ージング装置。
  3. 【請求項3】 前記被検体が吸光物質を含む散乱媒質で
    あり、 前記投光手段は異なる波長λ1 ,λ2 のパルス光を出射
    し、 前記内部情報演算手段はこれらλ1 ,λ2 光における前
    記被検体内の前記吸光物質による吸光度A1 ,A2 を求
    める過程と、前記被検体内の光路長Lを測定する過程
    と、これらA1 ,A2 ,L及びλ1 ,λ2 における吸光
    係数ε1 ,ε2 に基づいて、吸光物質の濃度Vを V=(A1 −A2 )/{L(ε1 −ε2 )} から演算する過程とを実行することを特徴とする請求項
    1記載の光断層イメージング装置。
  4. 【請求項4】 前記投光手段の投光部、前記透過光検出
    手段の受光部および前記反射光検出手段の受光部が、前
    記被検体の回りを回転する支持体に取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の光断層イメージング装
    置。
  5. 【請求項5】 前記透過光検出手段の受光部が複数個で
    あって、それぞれ前記支持体に取り付けられていること
    を特徴とする請求項4記載の光断層イメージング装置。
  6. 【請求項6】 前記投光手段の投光部が前記被検体を囲
    むように複数個配設され、前記透過光検出手段および前
    記反射光検出手段の受光部が前記投光手段の投光部のそ
    れぞれと近接して設けられていることを特徴とする請求
    項1記載の光断層イメージング装置。
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