JP2001133396A - 光計測装置 - Google Patents

光計測装置

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JP2001133396A
JP2001133396A JP31653499A JP31653499A JP2001133396A JP 2001133396 A JP2001133396 A JP 2001133396A JP 31653499 A JP31653499 A JP 31653499A JP 31653499 A JP31653499 A JP 31653499A JP 2001133396 A JP2001133396 A JP 2001133396A
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JP31653499A
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Mamoru Tamura
守 田村
Yukio Yamada
幸生 山田
Yutaka Tsuchiya
裕 土屋
Ichiro Oda
一郎 小田
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Technology Research Association of Medical and Welfare Apparatus
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Technology Research Association of Medical and Welfare Apparatus
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Publication date
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検体の散乱吸収の内部分布を、内部の散乱
・吸収状態や、送光部と受光部との間の距離による影響
を受けずに求める。 【解決手段】 被検体1に光を送光する送光手段2と被
検体からの透過光を受光する受光手段3との複数の組み
合わせと、被検体を透過した透過光の光強度信号を検出
する光信号強度検出手段4と、透過光の送受光手段間に
おける平均光路長による規格化によって光強度信号を補
正し、吸収状態にのみに依存する光強度信号を得る光信
号補正手段5と、送受光手段の配列と補正された光強度
信号とに基づく演算により被検体の内部分布を求める内
部分布演算手段6とを備える。平均光路長を用いて光強
度信号を規格化して、内部の散乱・吸収状態や、送光部
と受光部との間の距離による影響を補正し、吸収状態に
のみに依存する光強度信号を求め、送受光手段の配列に
応じた処理を行って被検体の内部分布を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光計測装置に関
し、被検体の散乱吸収の内部分布を光を用いて測定する
装置であり、生体の脳機能診断や循環器系障害診断等の
医療分野に用いられる光診断画像装置に適用することが
できる。
【0002】
【従来の技術】生体内部の特定色素(ヘモグロビン等)
などの光吸収体の濃度は光(可視光から近赤外領域の波
長)の吸収量から求められ、生体内部の酸素代謝機能は
この光吸収体の濃度に対応することを利用して、光を用
いて生体内部を簡便に無侵襲で測定する生体計測が知ら
れている。この光計測において、可視光から近赤外領域
の波長の光を生体に照射し、生体を透過して得られる光
を用いたものが知られている。生体の光計測は、例え
ば、脳の血液量変化や酸素代謝の活性化状態を測定し、
運動や感覚や思考等の脳機能等の計測に適用することが
できる。このような計測では、計測結果を画像として表
示することによって、生体の脳機能診断や循環器系障害
診断等の医療分野への適用効果を高めることができる。
【0003】従来、このような光計測による光診断画像
装置では、可視光から近赤外領域の波長の光を被検体に
照射し、被検体内部を透過した光を検出してその光強度
を測定し、この光強度信号を画像表示している(例え
ば、特開平9−19408号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】生体のような光散乱吸
収体を透過して得られる透過光強度は、光散乱吸収体の
内部の吸収や吸収変化のみならず、内部の散乱・吸収状
態や、送光部と受光部との間の距離による影響を受け
る。そのため、従来の光計測装置のように光強度信号の
みを用いて画像表示を行う場合には、以下のような問題
がある。
【0005】被検体内部の散乱・吸収状態が一様である
と仮定し、送光点と受光点との間の距離が同一となるよ
うに送光手段と受光手段とを配置する必要が有り、送光
手段及び受光手段の配置位置に制限がある。図12は被
検体内を透過する光の軌跡を説明する図であり、図13
は送光手段及び受光手段の配置関係を示す図である。図
12において、送光手段2に対して異なる距離に配置し
た受光手段3a,3bで受光される光はそれぞれ飛行距
離La及びLbを経ており、検出される光強度飛行距離
La及びLbに応じた影響を受けることになる。なお、
La,Lbは各々ジグザグの光路長を合計したものの平
均となる。
【0006】一例として、図13に示すような送受光配
置において、CH1を送光点としCH3,CH4,CH
5を受光点とすると、各送受光間距離は4.50cm,
1.75cm,2.85cmとなる。このとき、均一散
乱、均一吸収のファントムの被検体を例に挙げて説明す
る。散乱が等しく吸収が異なる(吸収係数の差Δμaが
0.0025/mm)二つのファントムを測定した場
合、送光点CH1と各受光点CH3,CH4,CH5と
の間における二つのファントムの測定吸光度差Absは、
実測値で以下の表1のようになる。
【0007】
【表1】
【0008】上記表1から、均一な吸収であっても、送
受光間距離が長くなるほど吸収の影響を強く受けること
がわかる。
【0009】図14は従来の送光手段及び受光手段の配
置位置を説明するための図である。図14において、符
号3a〜3pは受光手段を示し符号2a〜2iは送光手
段を示しており、隣接する送光手段と受光手段とが同一
の距離Dとなるように配置している。送受光間の距離を
異ならせて配置した送光手段によって計測した場合に
は、得られたデータを用いて同一の画像を構成すること
ができない。また、被検体内部の散乱状態が一様とみな
せない場合には、得られたデータでは被検体の散乱吸収
の内部分布を正確に画像表示することができない。ま
た、送光手段及び受光手段の配置間距離が同一であるた
め、長方形の配列に制限され、配置間距離を任意とし
て、測定対象に合わせた任意の配列とすることができな
い。
【0010】そこで、本発明は前記した従来の問題点を
解決し、被検体の散乱吸収の内部分布を、内部の散乱・
吸収状態や、送光部と受光部との間の距離による影響を
受けずに求めることを目的とし、また、プローブ配列の
制約をなくして任意のプローブ配列を可能とすることを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】測定される透過光の光強
度は、被検体内に吸収を表す吸光度、あるいは被検体内
に吸収変化を表す吸光度変化として測定することができ
る。通常用いられる吸光度は吸収変化に基づいて求めら
れるため、以下では、吸光度は被検体内の吸収変化を表
すものとする。測定で得られる透過光強度は、内部の吸
収変化のみならず、内部の散乱・吸収状態や送受光間の
距離に応じて変化する。これは、検出光の光強度が、被
検体内部を透過する距離(飛行距離)に依存することに
基づいている。送光部と受光部との間において内部の散
乱・吸収状態が異なると、送受光間距離が同じであって
も透過光が被検体内を透過する飛行距離は異なるものと
なる。また、送光部と受光部の配置距離が異なれば、透
過光が被検体内を透過する飛行距離も異なる。飛行距離
の変化は、受光部で検出される透過光の光信号強度に影
響を与える。送光部から入射された透過光は、被検体内
部において種々の光路を経て受光部に到達するため、同
一の送受光間に複数の飛行距離が存在する。
【0012】そこで、本発明は、透過光の平均的な飛行
距離を平均光路長として求め、この平均光路長を用いて
光強度信号を除算して、内部の散乱・吸収状態や、送光
部と受光部との間の距離による影響を補正し、吸収状態
にのみに依存する光強度信号を得る。そして、補正した
光強度信号を送受光手段の配列に応じた処理を行って被
検体の内部分布を求める。求めた内部分布は画像表示す
ることができる。
【0013】本発明の光計測装置は、被検体に光を送光
する送光手段と被検体からの透過光を受光する受光手段
との複数の組み合わせと、被検体を透過した透過光の光
強度信号を検出する光信号強度検出手段と、透過光の送
受光手段間における平均光路長による除算によって光強
度信号を補正し、吸収状態にのみに依存する光強度信号
を得る光信号補正手段と、送受光手段の配列と補正され
た光強度信号とに基づく演算により被検体の内部分布を
求める内部分布演算手段とを備える。
【0014】図1は本発明の光計測装置を説明するため
の概略ブロック図である。送光手段及び受光手段である
発光部2及び受光部3はそれぞれ複数個設けることがで
き、各発光部2から被検体1に照射された光は被検体内
部を透過した後に各受光部3で検出することができる。
送光手段と該送光手段の光を検出する受光手段とは任意
の組合せとすることができ、それぞれの組み合わせで定
まる送光手段と受光手段との区間で検出する光信号強度
によってその区間での内部分布を求めることができる。
光信号強度検出手段4は、受光手段(受光部3)で受光
した透過光の光強度信号を検出する。この光強度信号
は、送受光間における被検体1の内部の吸収変化の他
に、内部の散乱・吸収状態や送受光間の距離に依存す
る。光強度信号は、透過光の吸収の程度を表す吸光度Ab
sとして数値化することができる。通常、吸光度Absは吸
収の変化を対数表示によって表されるため、ここでは吸
収の絶対値ではなく二つの状態での吸収の相対変化、つ
まり吸光度差を吸光度とする。なお、対数の底を10と
するかeとするかによって吸光度に定数倍(2.30)
の違いが含まれる。
【0015】測定される吸光度Absは、被検体1の内部
の吸収変化と内部を飛行した距離との積であると考えら
れ、測定された平均飛行距離である平均光路長Lmで吸
光度Absを除算することによって、吸収変化のみに依存
した値を求めることができる。光信号補正手段5は、測
定される吸光度Absを平均光路長Lmで除算して得られ
る値を平均吸収係数μa (=Abs/Lm)を算出する演
算を行う。以下、平均吸収係数、つまりμa で表すもの
とする。算出された平均吸収係数μa は吸収変化のみに
依存した値であり、送受光間の距離に依存しない値とな
る。光信号補正手段5の演算で用いる平均光路長Lm
は、被検体についてあらかじめ求めておいた値を用いる
ことも、また、光信号強度検出手段4で検出した光強度
信号を時間解析して得た値を用いることもできる。光強
度信号の時間解析による場合には、送光手段からパルス
光を入射し、受光手段で検出した透過光の光信号強度の
時間変化に被検体における光速度を乗じて得られる飛行
距離分布から平均飛行距離Lmを求めることができる。
【0016】光信号補正手段5で得られる平均吸収係数
μa は、計測に用いた送光手段及び受光手段の間におけ
る値を表しており、送光手段と受光手段の配置関係によ
っては平均吸収係数μa を求めることができない場所が
発生する。内部分布演算手段6は、このような場所の平
均吸収係数を算出する手段であり、光信号補正手段5で
得られた平均吸収係数μa と送受光手段の配列関係に基
づいて演算により被検体の内部分布を求める。内部分布
演算手段6で求めた被検体の内部分布は、表示手段7に
画像表示することができる。
【0017】本発明の光計測装置の第1の態様は、光強
度信号を時間解析して平均光路長を求める平均光路長演
算手段を備える。平均光路長演算手段による時間解析処
理の一例では、光強度信号を飛行距離分布を表すものと
して信号強度を時間積分し、飛行距離分布の重心点を平
均飛行距離として求め、この平均飛行距離を被検体の平
均光路長とするものである。また、時間解析処理の他の
例では、ストリークカメラや時間相関単一光子計数法な
どの既知の方法を用いることができる。
【0018】本発明の光計測装置の第2の態様では、光
信号強度検出手段及び平均光路長演算手段は、パルス光
の照射時点を基準とする所定ゲート時間内に存在する透
過光の光強度信号を用いる。
【0019】本発明の光計測装置の第3の態様では、送
光手段は異なる波長の光を照射する光源を備え、異なる
波長による計測で得たデータを用いることによって、被
検体内の複数種類の分布を求めることができる。
【0020】本発明によれば、送受光間距離が異なるデ
ータを用いて、点送受光の設置位置に制限されることな
く分布画像を得ることができる。被検体内部の散乱・吸
収状態が一様でない場合であっても、内部分布を求める
ことができる。被検体の内部吸収のみに依存する平均吸
収係数を求めることができるため、被検体内の測定対象
物質のモル吸収係数から平均濃度を換算することができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
を参照しながら詳細に説明する。図2は本発明の光計測
装置の一構成例を説明するためのブロック図である。図
2に、被検体1に発光部2及び受光部3を配置する。発
光部2及び受光部3の設置個数及び設置位置は任意とす
ることができ、また、発光点と受光点の組み合わせも任
意とすることができる。発光点は、切換部20で発光部
2を切換え選択することによって変更することができ
る。また、切換部20は、波長の異なる複数の光源(第
1極短パルス光源21,第2極短パルス光源22,第3
極短パルス光源23)を切換えて、被検体1に入射する
光の波長を変更することができる。被検体1内部を透過
した光は受光部3で受光され、複数の光信号検出器(第
1光信号検出器41,第2光信号検出器42,・・・,
第k光信号検出器4k,・・・,第n光信号検出器4
n)によって光信号検出を行うことができる。なお、切
換器20と送光部2との間、及び受光部3と光信号検出
器41〜4nとの間は光ファイバー等の導光手段によっ
て接続することができる。
【0022】発光部2に送る光の波長の選択や、発光を
行う発光部2の選択や、光信号検出を行う光信号検出器
の選択は、制御部9からの制御信号によって行うことが
でき、各波長光において任意の送受光点の組み合わせに
ついて光信号検出を行うことができる。各光信号検出器
41〜4nで検出された光信号は演算部8に送られ、被
検体の内部分布を求める演算が行われる。演算部8にお
いて、入力された光信号は光信号強度演算部40で信号
強度の算出が行われ、光信号補正部5に送られる。光信
号補正部5には被検体の平均光路長データが入力され、
光信号強度の補正演算を行う。平均光路長データは平均
光路長演算部10によって求めた値を用いることができ
る。平均光路長演算部10は、各光信号検出器41〜4
nからの光信号を用いて、各送受光間における平均飛行
距離分布から平均光路長を求める。光信号補正部5で補
正した光信号強度は記憶部51に格納することができ
る。
【0023】内部分布演算部6は、補正した光信号強度
を用いて被検体1内部の分布を求める。求めた内部分布
は画像表示部7に画像表示することができる。平均光路
長データは、平均光路長演算部10で求める構成の他
に、あらかじめ求めておいた既知データを用いる構成と
することもできる。図3は、既知の平均光路長データを
用いる場合の演算部の一構成例を示すブロック図であ
る。この構成例では、演算部8’は図2に示す平均光路
長演算部10に代えて平均光路長記憶部11を備える。
平均光路長記憶部11には、被検体1の平均光路長をあ
らかじめ求めて記憶しておき、光信号補正部5に平均光
路長データを送る。平均光路長記憶部11は、被検体1
の送受光の組み合わせ位置に対応させてデータを格納さ
せることができ、この場合には、制御部から送受光の組
み合わせに関するデータを受け取り、対応する送受光の
組み合わせ位置の平均光路長データを選択する。
【0024】以下、本発明の光計測装置の動作について
図4のフローチャートを用いて説明する。なお、以下で
は一つの発光波長について説明し、発光波長を変更した
場合の動作は同様に行うことができるため省略する。制
御部9は、切換部20に切換制御信号を送って複数の発
光部2から発光を行う発光部を選択する。なお、発光を
行う発光部は、被検体1に配置された全ての発光部とす
ることも任意に選択したものとすることもでき、選択す
る場合には被検体1に配置した発光部と受光部との組み
合わせの中からあらかじめ制御部9に定めておくことが
できる(ステップS1)。制御部9は切換部20を制御
して、選択した発光部2を発光させ、所定波長の光を被
検体1内に入射する。入射された光は、被検体1の内部
において吸収や散乱を受けながら進行する(ステップS
2)。
【0025】被検体1に配置された各受光部3は、被検
体1内部を透過した光を受光する。受光される光信号強
度は、被検体1の内部で受けた吸収や散乱の程度や送受
光間距離に応じて減少する。各受光部3で受光された光
は対応して設けられた光信号検出器41〜4nによって
光信号が検出される(ステップS3)。光信号強度演算
部40は、光信号出器41〜4nで検出した光信号の光
信号強度を用いて吸光度Absを求める演算を行う。吸収
変化を表す場合の吸光度Absは、−log(I/I0) で表
される。なお、Iは測定された光信号強度であり、I0
は基準の光信号強度である。また、対数に底は10ある
いはeとすることができる。なお、吸光度Absを求める
際に用いる光信号強度は、例えば、光信号検出器から入
力した信号強度を時間積分することによって求めること
ができる(ステップS4)。
【0026】また、被検体の平均光路長Lmは、測定し
た光信号強度の時間分解波形から求めることができる。
図5は平均光路長Lmを説明するための図である。図5
(a)は測定した光信号強度の時間分解波形を示してい
る。ここで、原点の時間において送光点からパルス光を
入射すると、横軸は被検体内を透過する光の飛行時間を
表す。したがって、入射された光は様々な飛行時間を経
て受光点に到達することになる。この飛行時間に被検体
内の光速度を乗じることによって飛行距離とすることが
できる。そこで、この光信号強度を時間積分して平均を
とることによって平均光路長Lmを得ることができる。
なお、平均光路長Lmは光信号強度曲線の重点で表され
る。図5(b),(c)は、前記したファントムにおい
て、図13に示す送受光間における平均光路長Lmを示
している。図5(b)において、実線で示す光信号強度
曲線はCH3で検出される光信号強度を示し、破線及び
一点鎖線で示す光信号強度曲線はCH4,CH5で検出
される光信号強度を示し、L1-3 ,L1-4,L1-5はそれ
ぞれCH1とCH3,CH4,及びCH5との間の平均
光路長を示している。また、各平均光路長の実測値は、
以下の表2で表される値となる。
【0027】
【表2】
【0028】なお、平均光路長Lmは、ストリークカメ
ラや時間相関単一光子計数法を用いて計算された時間分
解波形から求めることができる(ステップS5)。
【0029】次に、測定吸光度Absを平均光路長Lmで
除算し、平均吸収係数μa を求める。平均吸収係数μa
は測定吸光度Absを平均光路長Lmで除算する以下の演
算により求めることができる。 平均吸収係数μa =測定吸光度Abs/平均光路長Lm 前記した実測データ表1,2の場合の各平均吸収係数μ
a は、以下の表3で表される値となる。
【0030】
【表3】
【0031】ここで求めた平均吸収係数μa は、送受光
間において吸収・拡散及び距離の影響を除去し、被検体
の吸収状態のみに依存する値となる(ステップS6)。
【0032】複数の発光部において、他の発光部につい
ても発光を行い各受光部との間で平均吸収係数μaを求
める場合には、前記ステップS1〜S6を繰り返す(ス
テップS7)。図6,7は、平均吸収係数μa のデータ
位置を説明するための図である。なお、図6,7では格
子状に区切った領域によって分布状態を表している。図
6において、CH1とCH3との間にある領域の平均吸
収係数は、CH1を送光部としCH3を受光部とする送
受光間で求めた平均吸収係数μa13 =Abs13/L13)に
よって表す。同様に、CH1とCH4との間にある領域
の平均吸収係数及びCH1とCH5との間にある領域の
平均吸収係数は、それぞれ平均吸収係数μa14 (=Abs1
4/L14 )及びμa15(=Abs15/L15)によって表す。
また、図7において、CHP及びCHRを送光部とし、
CHQ及びCHSを受光部とした場合には、CHP,C
HQ,CHR,CHSで囲まれる領域の平均吸収係数μ
a は、各送受光間で求まる平均吸収係数μaPSと平均吸
収係数μaRQとの平均(=(μaPS+μaRQ)/2)によ
って表す。
【0033】送光部と受光部との配置に限りがあるた
め、上記した演算だけでは、全領域について平均吸収係
数μa を求めることができない場合がある。そこで、求
めた平均吸収係数μa を用いて補間処理を行う。図8は
補間処理を説明するための図である。図8(a)は、両
端の領域の平均吸収係数μap及びμaqが既知であると
き、中間の領域の平均吸収係数を求める場合を示してい
る。この場合には、両端の領域の平均吸収係数μapとμ
aq の 平均値(=(μap +μaq )/2)を求め、この
値を平均吸収係数とする。図8(b)は、四方の領域の
平均吸収係数μap ,μaq ,μar ,μas が既知である
とき、中央の領域の平均吸収係数を求める場合を示して
いる。この場合には、4つの領域の平均吸収係数μap
,μaq ,μar ,μasの 平均値(μap +μaq +μar
+μas )/4を求め、この値を平均吸収係数とする。
図8(c)は、2つの領域の平均吸収係数μap ,μaq
が既知でとき、2つの領域に挟まれない領域の平均吸収
係数を求める場合を示している。この場合には、2つの
領域の平均吸収係数μap ,μaqを用いて外挿値(=
(2μap−μaq )を求め、この値を平均吸収係数とす
る。
【0034】上記処理により、送受光の組み合わせによ
って、各領域には複数の平均吸収係数μa が求まる。そ
こで、これらの平均吸収係数μa を、各領域において平
均を求めることによって領域全体の分布状態を求めるこ
とができる。図9は領域全体の分布状態を求める処理を
説明するための図である。図9において、(a)はCH
Pを送光部とした場合に得られる平均吸収係数μa の分
布を示し、同様に図9(b),(c),(d)は それ
ぞれCHQ,CHR,CHSを送光部とした場合に得ら
れる平均吸収係数μa の分布を示している。図9(e)
は領域全体の分布状態を示しており、図9(b),
(c),(d)の平均吸収係数μa のデータを各領域で
平均することによって求めることができる(ステップS
8)。求めた平均吸収係数μa の分布は、表示装置に画
像表示させることができる。また、求めた平均吸収係数
μa は被検体の内部吸収にのみ依存する値であるため、
被検体のモル吸収係数を該平均吸収係数で除算すること
によって平均濃度を換算することができる(ステップS
9)。
【0035】前記処理において、測定した光信号の時間
分解波形から吸光度や平均光路長を求める場合、全時間
について信号処理を行わずに、図10に示すように送光
時点から所定時間にゲート時間を設け、このゲート時間
内にある時間分解波形についてのみ信号処理を行う構成
とすることもできる。また、送光する波長を変更するこ
とによって、被検体内で内部吸収を行う物質に対応した
分布状態を求めることができる。たとえば、ヘモグロビ
ン濃度の変化測定において、酸化ヘモグロビン濃度及び
還元ヘモグロビン濃度の分布を求めることができる。
【0036】図11は本発明の光計測装置の配置例を示
す図である。本発明の光計測装置では、送受光点の配置
距離を異ならせることができるため、台形や三角形等の
任意の配置とすることができる。図11に示すように、
額などの複雑な立体的な形状であっても光計測装置を配
置し、測定対象面全体を計測することができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光計測装
置によれば、被検体の散乱吸収の内部分布を、内部の散
乱・吸収状態や、送光部と受光部との間の距離による影
響を受けずに求めることができる。本発明の光計測装置
によれば、プローブの送光点及び受光点を等距離で配置
する制約がないため、被検体の形状に応じて、不等間隔
のプローブ配置であっても、自動的に正しい吸収係数の
演算を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光計測装置を説明するための概略ブロ
ック図である。
【図2】本発明の光計測装置の一構成例を説明するため
のブロック図である。
【図3】既知の平均光路長データを用いる場合の演算部
の一構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の光計測装置の動作を説明するためのフ
ローチャートである。
【図5】平均光路長Lmを説明するための図である。
【図6】平均吸収係数μa のデータ位置を説明するため
の図である。
【図7】平均吸収係数μa のデータ位置を説明するため
の図である。
【図8】補間処理を説明するための図である。
【図9】領域全体の分布状態を求める処理を説明するた
めの図である。
【図10】ゲート時間による信号処理を説明する図であ
る。
【図11】本発明の光計測装置の配置例を示す図であ
る。
【図12】被検体内を透過する光の軌跡を説明する図で
ある。
【図13】送光手段及び受光手段の従来の配置関係を示
す図である。
【図14】従来の送光手段及び受光手段の配置位置を説
明するための図である。
【符号の説明】
1…被検体、2…発光部、3…受光部、4…光信号強度
検出手段、5…光信号補正手段、6…内部分布演算手
段、7…表示装置、8,8’…演算部、9…制御部、1
0…平均光路長演算部、11…平均光路長記憶部、20
…切換部、21,22,23…極短パルス光源、41〜
4k〜4n…光信号検出器、51…記憶部。
フロントページの続き (72)発明者 山田 幸生 茨城県つくば市並木1−2 通商産業省工 業技術院 機械技術研究所内 (72)発明者 土屋 裕 静岡県浜松市平口5000 浜松ホトニクス株 式会社中央研究所内 (72)発明者 小田 一郎 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内 Fターム(参考) 2G059 AA01 BB12 CC18 EE01 EE11 FF01 JJ17 KK04 LL01 MM01 MM03 MM10 MM14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体に光を送光する送光手段と被検体
    からの透過光を受光する受光手段との複数の組み合わせ
    と、被検体を透過した透過光の光強度信号を検出する光
    信号強度検出手段と、前記透過光の送受光手段間におけ
    る平均光路長による除算によって光強度信号を補正し、
    吸収状態にのみに依存する光強度信号を得る光信号補正
    手段と、送受光手段の配列と補正された光強度信号とに
    基づく演算により被検体の内部分布を求める内部分布演
    算手段とを備える、光計測装置。
  2. 【請求項2】 前記光強度信号を時間解析して平均光路
    長を求める平均光路長演算手段を備える、請求項1記載
    の光計測装置。
  3. 【請求項3】 補正された光強度信号は、光信号強度か
    ら求めた被検体の吸光度を平均光路長で除算して得た平
    均吸収係数である、請求項1,及び2記載の光計測装
    置。
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