JPH0526056B2

JPH0526056B2 -

Info

Publication number: JPH0526056B2
Application number: JP61101544A
Authority: JP
Inventors: Yasushi Kadota; Hiroshi Arao
Original assignee: Koyo Seiko Co Ltd
Current assignee: Koyo Seiko Co Ltd
Priority date: 1986-04-30
Filing date: 1986-04-30
Publication date: 1993-04-14
Also published as: JPS62258252A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野この発明は、ベルト用オートテンシヨナ、さら
に詳しくは、自動車のエンジンのクランクシヤフ
トのプーリとカムシヤフトのプーリの間に掛けら
れたタイミングベルトなどに所定の張力を付与す
るオートテンシヨナに関する。

従来の技術とその問題点上記のようなタイミングベルトには、エンジン
の温度変化によるベルトの伸縮や使用によるベル
トの伸びを吸収して、ベルトに所定の張力を付与
するために、アイドラをばねなどの弾性力により
ベルトに押付けるオートテンシヨナが設けられ
る。また、このようなオートテンシヨナには、ベ
ルトの振動やエンジンの振動によるアイドラの共
振を抑制するために、油圧ダンパが設けられてい
る。ところが、油圧ダンパ式のオートテンシヨナ
では、油洩れが生じるため、油を補給する必要が
あり、メンテナンスが面倒である。また、油洩れ
を防止する機構、オリフイスの穴加工やその大き
さを調節する機構などが必要なため、油圧ダンパ
の構造が複雑で高価なものとなる。

一方、上記油圧ダンパ式のオートテンシヨナの
問題点を解消するものとして、たとえば特開昭58
−65357号公に記載されているような油の粘性剪
断抵抗をダンパとして利用するようにしたオート
テンシヨナが知られている。

この粘性剪断抵抗式のダンパを用いたオートテ
ンシヨナの場合には、上記油圧ダンパ式のオート
テンシヨナと比べてダンパ構造はかなり簡素化さ
れるのであるが、それでもダンパ構造自体がテン
シヨナに付加される分、テンシヨナが大型化し、
コスト的にも高価なものにならざるをえない。

この発明の目的は、上記の問題を解決し、コン
パクトで安価なベルト用オートテンシヨナを提供
することにある。

問題点を解決するための手段この発明によるベルト用オートテンシヨナは、固定部分に対して揺動可能なアイドラが弾性力
によりベルトに押付けられて、ベルトに所定の張
力を付与するオートテンシヨナであつて、固定部分側に固定された支持軸にアイドラを支
持するブラケツトの軸受部が回転自在に軸受支持
され、この支持軸とブラケツトの軸受部との軸受
支持部分のラジアル負荷によつて生じる〓間に高
粘度の油が封入されているものである。

温度変化や使用などによりベルトが伸びて張力
が小さくなろうとすると、アイドラを支持するブ
ラケツトが弾性力により張力を増す方向に回転
し、張力が所定の値に保持される。逆に、温度変
化などによりベルトが縮んで張力が大きくなろう
とすると、弾性力に抗してブラケツトが張力を減
らす方向に回転し、張力が所定の値に保持され
る。このとき、ベルトの伸びまたは縮みは非常に
緩やかであるから、ブラケツトの回転速度も非常
に小さく、油がブラケツトの回転を拘束すること
はない。また、ベルトの振動やエンジンの振動に
よるアイドラおよびブラケツトの振動は、高粘度
の油の粘性剪断抵抗により抑制される。

固定部分側に固定された支持軸とブラケツトの
軸受部との軸受支持部分においては、ラジアル方
向の負荷により、両者が周面の一部で接触して、
この接触部がラジアル方向の負荷を受ける軸受部
となるが、この接触部以外では、両者の周面間に
〓間が生じ、この〓間の部分は〓間として存在し
ている間は何の作用もしていないことになる。そ
して、このように支持軸とブラケツトの軸受部と
の軸受支持部分にあつて何の作用もしないラジア
ル方向の負荷による〓間をダンパ用の高粘度の油
を封入するための〓間として利用しているので、
ダンパ用の〓間を特別に設ける必要がなく、テン
シヨナ自体がコンパクトになり、コスト的にも安
価なものとなる。

油の粘度は、ベルトなどの振動の特性、支持軸
およびブラケツトの軸受部の形状、寸法などを考
慮して決定されるが、粘度の高いものを使用する
ほどオートテンシヨナを小形にすることができ
る。

実施例以下、図面を参照して、この発明を自動車のエ
ンジンのタイミングベルトに適用した実施例を説
明する。

第１図および第２図は、第１実施例を示す。

エンジンの固定部分（たとえばエンジンブロツ
ク）１０に、略ひし形のベース１１が２本のボル
ト１２により固定されている。ベース１１には軸
１３が一体に形成され、ベース１１側にフランジ
１４を有するブラケツト支持軸１５とフランジ１
４と同径の円板１６がこの軸１３にはめられ、止
め輪１７により固定されている。軸１３ならびに
これにはまる支持軸１５および円板１６の穴の断
面形状は長円形であり、これらが相互に回転する
ことはない。ブラケツト支持軸１５には、アイド
ラ取付ブラケツト１８の基端部の軸受部１９が回
転自在に軸受支持されている。ブラケツト１８の
中間部には軸２０が固定され、この軸２０にアイ
ドラ２１が回転自在に取付けられている。エンジ
ンの固定部分１０とブラケツト１８の先端部との
間に引張りコイルばね２２が設けられ、これによ
り、アイドラ２１がタイミングベルト２３の歯２
４のない面に押付けられている。

ブラケツト支持軸１５とブラケツト１８の軸受
支持部分の〓間すなわちブラケツト支持軸１５の
外周面とブラケツト１８の穴２５の内面との〓間
は最小に抑えられており、この部分にはたとえば
粘度が100000cSt（25℃）以上のシリコーンオイル
が封入されている。そして、このオイルを介し
て、ブラケツト１８がブラケツト支持軸１５に回
転自在に軸受支持され、このオイルにより、ブラ
ケツト１８の揺動トルクが大きくされている。な
お、この揺動トルクは、オイルの粘度の他に支持
軸１５の外径および長さ、ブラケツト１８との軸
受面間の〓間によつて設定される。また、ブラケ
ツト１８の軸受部１９の両端面に対向する支持軸
１５のフランジ１４および円板１６の端面には、
シリコーンオイルを密封するためのＯリング２
６，２７が設けられている。

温度変化や使用などによりベルト２３が伸びて
張力が小さくなろうとすると、ばね２２によりブ
ラケツト１８が張力を増す方向（第１図の時計方
向）に回転し、張力が所定の値に保持される。逆
に、温度変化などによりベルト２３が縮んで張力
が大きくなろうとすると、ばね２２に抗してブラ
ケツト１８が張力を減らす方向（第１図の反時計
方向）に回転し、張力が所定の値に保持される。
このとき、ベルト２３の伸びまたは縮みは非常に
緩やかであるから、ブラケツト１８の回転速度も
非常に小さく、シリコーンオイルがブラケツト１
８の回転を拘束することはない。また、ベルト２
３の振動やエンジンの振動によるアイドル２１お
よびブラケツト１８の振動は、シリコーンオイル
の回転に対する粘性剪断抵抗により抑制される。

このようにシリコーンオイルの粘性剪断抵抗に
より制振効果が発揮されるので、性能が長期にわ
たつて安定しており、オイルの補給の必要がな
い。

第３図は、第１図のブラケツト支持軸１５とブ
ラケツト１８の軸受支持部分を拡大して示したも
のである。

支持軸１５とブラケツト１８の軸受支持部分に
おいては、ラジアル方向の負荷により、両者が周
面の一部で接触して、この接触部Ａがラジアル方
向の負荷を受ける部分となるが、この接触部Ａ以
外では、両者の周面間に〓間Ｂが生じる。なお、
第３図には、〓間Ｂを誇張して示してある。〓間
Ｂの部分は〓間として存在している間は何の作用
もしていないことになり、この〓間Ｂにシリコー
ンオイルＯが封入されている。そして、このよう
に支持軸１５とブラケツト１８の軸受支持部分に
あつて何の作用もしていないラジアル方向の負荷
による〓間Ｂをダンパ用のシリコーンオイルＯを
封入するための〓間として利用しているので、ダ
ンパ用の〓間を特別に設ける必要がなく、テンシ
ヨナ自体がコンパクトになり、コスト的にも安価
なものとなる。

支持軸１５とブラケツト１８の〓間にシリコー
ンオイルを介在させるには、支持軸１５の外周面
およびブラケツト１８の穴２５の内面のいずれか
一方または両方にシリコーンオイルを塗布したの
ち、これらをはめ合わせればよい。なお、ブラケ
ツト支持軸１５の外周面またはブラケツト１８の
穴２５の内面にらせん状の小さいみぞまたは軸心
と平行な小さいみぞを設け、このみぞにシリコー
ンオイルを入れたのちブラケツト１８を支持軸１
５にはめて回転させることによりシリコーンオイ
ルを容易に全体に行きわたらせるようにすること
もできる。また、ブラケツト支持軸１５の外周面
またはブラケツト１８の穴２５の内面に環状みぞ
を設けてシリコーンオイルを溜めておくようにす
ることもできる。

第４図は、第１実施例と少し異なる第２実施例
を示す。

この場合、ブラケツト支持軸２８および円板２
９が、これらの中心を貫通する１本のボルト３０
により、エンジンの固定部分１０に固定されてい
る。そして、固定部分１０と接触する支持軸２８
のフランジ３１の端面３１ａには、図示は省略し
たが、ローレツト加工や放射状のみぞなどによる
凹凸が形成されている。このため、ボルト３０を
締付けることにより、これらの凹凸が固定部分１
０とかみ合うことになり、振動などにより支持軸
２８が滑つて回転したりボルト３０が緩んだりす
ることがない。他は第１実施例と同様であり、同
じものには同一の符号を付している。

また、第２実施例の場合、次のように、第１実
施例に比べて組付作業が容易であるという利点が
ある。すなわち、第１実施例の場合、固定部分１
０に対するベース１１および支持軸１５の取付角
度は一定である。このため、何らかの原因で支持
軸１５とブラケツト１８の相対角度が変つてしま
うと、ブラケツト１８を適正な位置に戻すため
に、これを支持軸１５に対して回転させる必要の
生じることがあるが、シリコーンオイルの粘性剪
断抵抗が大きいため、作業性があまり良くない。
これに対し、第２実施例の場合は、１本のボルト
３０が支持軸２８の中心を貫通しているだけであ
るから、固定部分１０に対する支持軸２８の取付
角度を任意に変えることができる。したがつて、
何らかの原因で支持軸２８とブラケツト１８の相
対角度が変つてしまつても、ボルト３０を緩く締
めた状態でブラケツト１８が適正な位置にくるよ
うに支持軸２８を回転させたのちボルト３０を締
付けるだけで簡単に組付けることができる。

なお、この発明によるオートテンシヨナは、自
動車のエンジンのタイミングベルト以外のベルト
にももちろん適用できる。

発明の効果この発明のベルト用オートテンシヨナによれ
ば、高粘度の油の粘性剪断抵抗によりアイドラの
振動が抑制されるので、性質が長期間にわたつて
安定している。また、固定部分側に固定された支
持軸とアイドラを支持するブラケツトの軸受との
軸受支持部分にあつて何の作用もしていないラジ
アル方向の負荷による〓間をダンパ用の高粘度の
油を封入するための〓間として利用しているの
で、ダンパ用の〓間を特別に設ける必要がなく、
テンシヨナ自体がコンパクトになり、コスト的に
も安価なものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の第１実施例を示すオートテ
ンシヨナの部分切欠き正面図、第２図は第１図
−線の断面図、第３図は第１図のブラケツト支
持軸とブラケツトの軸受支持部分を拡大して示す
断面図、第４図はこの発明の第２実施例を示す主
要部の第２図相当の図面である。１５，２８…ブラケツト支持軸、１８…ブラケ
ツト、１９…軸受部、２１…アイドラ、２３…ベ
ルト。

Claims

【特許請求の範囲】１固定部分に対して揺動可能なアイドラが弾性
力によりベルトに押付けられて、ベルトに所定の
張力を付与するオートテンシヨナであつて、固定部分側に固定された支持軸にアイドラを支
持するブラケツトの軸受部が回転自在に軸受支持
され、この支持軸とブラケツトの軸受部との軸受
支持部分のラジアル負荷によつて生じる〓間に高
粘度の油が封入されているベルト用オートテンシ
ヨナ。