JPH05260398A - 電子スチル・カメラおよびその制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子カメラにおいて，被写体の記録のための
制御線を少なくする。 【構成】 露光，スミア電荷の掃出し，および信号電荷
の読出しは，トリガ信号ＴＲＧの発生後一定の期間内に
あらかじめ定められる。記録スイッチ58が押されると，
トリガ信号ＴＲＧがタイミング制御部55から出力され
る。トリガ信号ＴＲＧの発生により，その後一定期間後
に露光，スミア電荷の掃出し，および信号電荷の読出し
が自動的に行なわれる。それぞれの処理が独立に制御さ
れないため制御線の数を少なくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】この発明は，固体電子撮像装置を用いて被
写体の撮像を行なう電子スチル・カメラおよびその制御
方法に関する。

【０００２】

【背景技術】ＣＣＤのような固体電子撮像装置は小型で
あるという特長を有するため電子スチル・カメラなどに
利用されている。しかしながら固体電子撮像装置からは
スミアなどの偽信号の出力がある，フィールドの読出し
時間が異なることにより暗電流の大きさが異なりフリッ
カが発生することがあるため固体電子撮像装置を電子ス
チル・カメラに利用した場合には偽信号の出力防止，フ
ィールドごとに暗電流を一致させる撮影処理を行なう必
要がある。

【０００３】従来のスミア電荷の掃出し，暗電流の大き
さを合わせる撮影処理は電子スチル・カメラに含まれる
撮像処理部によってそれぞれ別個に制御されていた。こ
のため電子スチル・カメラにおいて記録制御線のほかに
制御線の数が増えてしまうという問題がある。これはと
くにカメラ・ヘッド分離型の電子スチル・カメラでは解
消しなければならない。

【０００４】

【発明の開示】この発明は，固体電子撮像装置を用いて
被写体の撮像を行なう電子スチル・カメラにおいて，被
写体の記録のための制御線の数を少なくするようにする
ことを目的とする。

【０００５】第１の発明の電子スチル・カメラは，被写
体を撮像するための固体電子撮像装置，撮影指令後の所
定の基準時点から露光開始までの第１の時間，上記基準
時点から固体電子撮像装置において生じる偽信号の消去
処理開始までの第２の時間，および上記基準時点から撮
影により上記固体電子撮像装置に蓄積された信号電荷の
読出し開始までの第３の時間があらかじめ定められる時
間設定手段，偽信号の消去処理が行なわれる偽信号消去
手段，上記固体電子撮像装置を駆動する駆動手段，撮影
指令が与えられる撮影指令手段，上記撮影指令手段に与
えられる撮影指令に応答して，上記基準時点から上記第
１の時間が経過したときに上記固体電子撮像装置の露光
が開始され，上記第２の時間が経過したときに上記偽信
号消去手段による偽信号の消去処理が開始され，上記第
３の時間が経過したときに上記駆動手段を用いて信号電
荷の読出し処理が開始されるよう制御する制御手段，な
らびに上記信号電荷の読出し処理により得られる被写体
像を表わす映像信号を記録媒体に記録する記録手段を備
えていることを特徴とする。

【０００６】またこの発明は上記電子スチル・カメラの
制御方法を提供している。

【０００７】第１の発明によると，電子スチル・カメラ
の操作者により撮影指令が与えられるとそれぞれの一定
期間後に露光，偽信号の消去，および信号電荷の読出し
が行なわれ，記録媒体に記録される。撮影指令が与えら
れると自動的に一定のそれぞれの期間後に露光，偽信号
の消去処理，および信号電荷が読出され被写体像の記録
が行なわれるようになる。したがって記録のための制御
線の数を少なくすることができるようになる。

【０００８】第２の発明の電子スチル・カメラは，行方
向および列方向に光電変換素子が多数配列された固体電
子撮像装置，記録指令後の所定の基準時点から記録のた
めの撮影開始までの第１の時間，上記基準時点から固体
電子撮像装置において生じる偽信号の消去処理開始まで
の第２の時間，および上記基準時点から記録のための撮
影により上記固体電子撮像装置に蓄積された信号電荷の
読出し開始までの第３の時間があらかじめ定められる時
間設定手段，偽信号の消去処理が行なわれる偽信号消去
手段，上記固体電子撮像装置を駆動する駆動手段，記録
指令が与えられる記録指令手段，上記記録指令手段に記
録指令が与えられていないときには上記固体電子撮像装
置を用いた被写体の撮影により得られる上記光電変換素
子に蓄積された信号電荷を，第（４ｎ＋１）行（ｎは０
または正の整数）または第（４ｎ＋２）行の上記光電変
換素子については第１フィールド信号として読出し，こ
の第１フィールド信号の読出し終了後に，第（４ｎ＋
３）行または第（４ｎ＋４）行の上記光電変換素子につ
いては第２フィールド信号として読出すことにより，第
１フィールド信号および第２フィールド信号によって構
成される１画面分の映像信号として得，撮影と上記読出
しとを一定の周期で繰返すよう上記駆動手段を制御する
第１の制御手段，上記記録指令手段に与えられる記録指
令に応答して，上記基準時点から上記第１の時間が経過
したときに記録のための撮影を開始し，上記第２の時間
が経過したときに上記偽信号消去手段による偽信号の消
去処理が開始されるよう制御する第２の制御手段，上記
記録指令手段に与えられる記録指令に応答して，上記第
３の時間が経過したときに第（４ｎ＋１）行の上記光電
変換素子に蓄積された信号電荷の表わす信号を第１フィ
ールド信号として読出しが開始され，第１フィールド信
号の読出し終了後に第（４ｎ＋２）行の上記光電変換素
子に蓄積された信号電荷の表わす信号を第２フィールド
信号として読出しが開始され，第２フィールド信号の読
出し終了後に第（４ｎ＋３）行の上記光電変換素子に蓄
積された信号電荷の表わす信号を第３フィールド信号と
して読出しが開始され，第３フィールド信号の読出し終
了後に第（４ｎ＋４）行の上記光電変換素子に蓄積され
た信号電荷の表わす信号を第４フィールド信号として読
出しが開始されるよう上記駆動手段を制御する第３の制
御手段，ならびに読出された第１フィールド信号から第
４フィールド信号によって構成される１画面分の映像信
号を記録媒体に記録する記録手段を備えていることを特
徴とする。

【０００９】またこの発明は上記電子スチル・カメラの
制御方法を提供している。

【００１０】上記駆動手段は，たとえば第１フィールド
信号および第２フィールド信号によって構成される１画
面分の映像信号を得るときには，各行において１列おき
の上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を読出すよう
に読出しクロック信号を上記固体電子撮像装置に与え，
第１フィールド信号から第４フィールド信号によって構
成される１画面分の映像信号を得るときには，各行にお
いてすべての列の上記光電変換素子に蓄積された信号電
荷を読出すように高速の読出しクロック信号を上記固体
電子撮像装置に与えるものである。

【００１１】第２の発明によると，記録媒体に記録を行
なうときには第１フィールド信号から第４フィールド信
号によって１画面を構成する１画面分の映像信号が記録
媒体に記録される。したがって解像度の高い映像信号を
記録媒体に記録することができる。

【００１２】上記偽信号の消去処理はスミア電荷の掃出
し処理を含む概念である。

【００１３】

【実施例】図１はこの発明の実施例を示すもので，撮像
システムの構成を示している。

【００１４】撮像システムは，被写体ＯＢを撮影し被写
体像を表わす画像データを生成する電子カメラ（電子ス
チル・カメラ）10および電子カメラ10と通信路により接
続されたホスト・コンピュータ30とから構成されてい
る。

【００１５】電子カメラ10には被写体像を表示するため
のモニタ表示装置25が接続されている。モニタ表示装置
25は電子カメラ10と一体化されたビューファインダであ
ってもよい。

【００１６】ホスト・コンピュータ30には表示装置40が
接続されており，表示装置40に電子カメラ10を用いて撮
影した被写体像や，後に詳述するカメラ制御パラメー
タ，キャプチャ・コマンド等が表示される。またホスト
・コンピュータ30には入力装置としてのキーボード36お
よびマウス37，ならびに画像データの記録のための光デ
ィスク装置38が接続されている。

【００１７】図２は図１に示す撮像システムの電気的構
成を示すブロック図である。

【００１８】電子カメラ10の撮影動作，画像データの加
工および送信処理等はホスト・コンピュータ30から送信
されるコマンドに基づいて動作するＣＰＵ17によって統
括される。ホスト・コンピュータ30から送信されるコマ
ンドの受信およびホスト・コンピュータ30への画像デー
タの送信のために，電子カメラ10には通信インターフェ
イス22が含まれている。

【００１９】電子カメラ10にはシャッタ８，被写体像を
結像するための絞り，ズーム・レンズ機構等を含む撮像
光学系11，被写体像の結像位置に配置され，撮影した被
写体像を表わす映像信号を出力するＣＣＤ12，ＣＣＤ12
から出力される映像信号に，色分離，白バランス調整，
黒バランス調整等を施してＲＧＢ信号を得るプロセス回
路13が含まれている。シャッタ８の制御，撮像光学系11
における絞りの制御およびズーム量の調整，ならびにプ
ロセス回路13における白バランスおよび黒バランスの調
整はカメラ制御レジスタ16から出力される制御信号にも
とづいて行なわれる。

【００２０】電子カメラ10にはさらに，プロセス回路13
から出力されるＲＧＢ信号をディジタル画像データに変
換するアナログ／ディジタル（Ａ／Ｄ）変換回路14，Ａ
／Ｄ変換回路14において変換されたディジタル画像デー
タを記憶する画像メモリ15，画像を縮小するために適当
な割合で１画素分の画像データを間引く間引回路21なら
びに主メモリ20が含まれている。主メモリ20にはホスト
・コンピュータ30に送信する画像データを一時的に記憶
する転送バッファ20Ａ，ならびにズーム量の調整，シャ
ッタ制御，白バランスおよび黒バランスの調整のための
カメラ制御パラメータを記憶するカメラ制御パラメータ
記憶部20Ｂが設けられている。画像メモリ15は少なくと
も１フレーム分の画像データを記憶できる容量をもつ。

【００２１】さらに電子カメラ10には撮影した被写体像
をモニタ表示装置25に表示するためにディジタル画像デ
ータをアナログ映像信号に変換するディジタル／アナロ
グ（Ｄ／Ａ）変換回路23が含まれている。

【００２２】ホスト・コンピュータ30にはＣＰＵ31が含
まれており，ＣＰＵ31によってホスト・コンピュータ30
の動作が統括される。ホスト・コンピュータ30に接続さ
れたキーボード36およびマウス37からＣＰＵ31に与えら
れる入力信号にもとづいてＣＰＵ31は後述する各種のデ
ータ，コマンド等を作成する。

【００２３】またホスト・コンピュータ30には通信イン
ターフェイス33が含まれており，ＣＰＵ31によって作成
されたデータやコマンドの電子カメラ10への送信および
電子カメラ10から送信される画像データの受信がこの通
信インターフェイス33を通して行なわれる。

【００２４】さらにホスト・コンピュータ30には主メモ
リ32および表示メモリ34が含まれている。主メモリ32に
は，電子カメラ10から送信される画像データを記憶する
転送バッファ32Ａ，およびキーボード36またはマウス37
によって表示装置40の画面上に設定された露光量，黒バ
ランス，白バランスなどのカメラ制御パラメータを記憶
するカメラ制御パラメータ記憶部32Ｂが含まれている。
表示メモリ34には表示装置40に表示される画像，文字お
よび記号を表わすデータが記憶される。

【００２５】ホスト・コンピュータ30には光ディスク装
置38が接続され，光ディスク装置38において画像データ
が光ディスクに記録される。

【００２６】鎖線で示すようにホスト・コンピュータ30
にモニタ表示装置25Ａを付属させ，このモニタ表示装置
25Ａと電子カメラ10とを直接に接続し，電子カメラ10に
おいて撮影した被写体像をこのモニタ表示装置25Ａに表
示してホスト・コンピュータ30を操作しながら見ること
ができるようにしてもよい。

【００２７】図３は電子カメラの詳細な電気的構成を示
すブロック図，図４はＣＣＤの模式図，図５は電子カメ
ラの撮像時のタイム・チャートである。これらの図３か
ら図５については後述する。

【００２８】図６および図７はこの撮像システムにおけ
る撮像，伝送，表示，記録等の処理手順を示すフローチ
ャートであり，図６はホスト・コンピュータ30における
処理手順を，図７は電子カメラにおける処理手順をそれ
ぞれ示している。図８は表示装置40の画面に設定される
各種領域を示すものである。図９は表示装置40の画面に
設定される各種領域のうち一部の領域の表示例を示すも
ので，主としてセットアップ領域の表示例を示してい
る。図10から図24は表示装置40に表示される画面の例を
示している。

【００２９】ホスト・コンピュータ30の電源が入れられ
ると表示装置40に初期画面が表示される（図６ステップ
61）。

【００３０】表示装置40の画面には，図８に示すように
メニュー表示領域106 ，セットアップ領域100 ，キャプ
チャ・コマンド入力領域102 ，プレビュー画像表示領域
101，カメラ制御パラメータ表示領域104 ，パラメータ
設定領域105 および主画像表示領域103 が必要に応じて
表示される。また図８には示されていないが，後述する
ようにプレビュー画像表示領域101 にプレビュー画像を
表示したときにプレビュー画像の画素レベル・ヒストグ
ラムを表示するためのヒストグラム・ウィンドウが表示
装置40の画面に表示される。初期画面にはメニュー表示
領域106 ，セットアップ領域100 ，キャプチャ・コマン
ド入力領域102 ，プレビュー画像表示領域101 およびカ
メラ制御パラメータ表示領域104 が表示される。

【００３１】メニュー表示領域106 には「ファイル」，
「エディット」，「セットアップ」などのメニューが表
示される。「ファイル」は光ディスクに記録されている
データを主メモリ32に転送する処理，主メモリ32に記憶
されているデータを光ディスクに転送する処理などを行
なうときにマウス37を用いてクリックされる。「エディ
ット」は光ディスクに記録されているデータを読出して
そのデータによって表わされる画像を特定の領域に表示
するときにマウス37を用いてクリックされる。「セット
アップ」はカメラ制御パラメータを設定するときにクリ
ックされる。

【００３２】「セットアップ」をクリックすることによ
り始まるカメラ制御データのセットアップ処理（図６ス
テップ62）について，図９から図20を参照して以下に説
明する。カメラ制御パラメータのセットアップはホスト
・コンピュータ30と電子カメラ10とが通信しながら行な
われる。

【００３３】セットアップの項目には大別すると図９に
示すように，セレクトとアジャストとがある。セレクト
にはインプット，フラッシュ，露出，ポジ／ネガおよび
ＬＵＴ（ルックアップテーブル）の各項目が含まれる。
アジャストには露出，黒バランスおよび白バランスが含
まれる。「セットアップ」がクリックされると，これら
の項目がセットアップ領域に表示される。

【００３４】「インプット」は入力される画像データの
発生源，態様等を選択するときにクリックされる。「イ
ンプット」がクリックされると，上記発生源，態様等を
表わす項目が表示される。図９には画像データの発生源
の一例として「カメラ」（電子カメラ10を意味する）が
示されている。電子カメラ10から画像データを取込むと
きにはこの「カメラ」がクリックされる。

【００３５】「フラッシュ」はフラッシュ発光をさせる
かどうかを設定するもので，「フラッシュ」がクリック
されると「オン」および「オフ」が表示され，マウス37
を用いていずれか一方を選択することができる。

【００３６】露光量の調整に関しては，電子カメラ10に
おいて露出を自動的に調整するオート（ＡＥ）機能，ホ
スト・コンピュータ30において操作者が露出を設定する
リモート機能および電子カメラ10において操作者が露出
を設定するマニュアル機能の３種類がある。「露出」は
上記の３種類の機能のいずれかを選択するときにクリッ
クされる。セレクトの「露出」がクリックされると，
「ＡＥ」，「リモート」および「マニュアル」が表示さ
れ，操作者はマウス37を用いてこれらのうちのいずれか
の機能を選択することができる。

【００３７】「ポジ／ネガ」はポジティブ撮影（通常の
撮影）とするか，ネガティブ撮影（白，黒レベルを反転
したもので，ネガフィルムの撮影などに適している）と
するかを設定するもので，「ポジ／ネガ」がクリックさ
れると「ポジ」および「ネガ」が表示され，いずれか一
方を選択することができる。

【００３８】「ＬＵＴ」は階調特性を設定するものであ
る。調整可能な階調特性には「デフォルト」および「Ｌ
ＵＴ１」〜「ＬＵＴ５」がある。「デフォルト」はあら
かじめ定められた最も一般的な階調特性であり，「ＬＵ
Ｔ１」〜「ＬＵＴ５」はこの撮影システムの利用者が任
意に定めることができる階調特性の種類を示す。「ＬＵ
Ｔ」がクリックされると，「デフォルト」および「ＬＵ
Ｔ１」〜「ＬＵＴ５」が表示され，いずれかが選択され
る。

【００３９】アジャストの「露出」は「リモート」モー
ドで，すなわちホスト・コンピュータ30において露光量
を設定するときにクリックされる。「露出」がクリック
されることにより表示装置40の表示画面のパラメータ設
定領域105 に露光量設定のために適した内容が表示さ
れ，露出の設定がホスト・コンピュータ30において可能
となる。

【００４０】「黒バランス」は黒バランスを調整するも
のである。「黒バランス」がクリックされることにより
表示装置40の表示画面のパラメータ設定領域105 に黒バ
ランス調整に適した画面が表示され，黒バランス調整が
可能となる。

【００４１】「白バランス」は白バランス調整をするた
めのものである。「白バランス」がクリックされること
により表示装置40の表示画面のパラメータ設定領域105
に白バランス調整に適した画面が表示され，白バランス
調整が可能となる。

【００４２】図10は，上述したセットアップ項目のセレ
クトのうち，「インプット」について「カメラ」が，
「フラッシュ」について「オフ」が，「ポジ／ネガ」に
ついて「ポジ」が，「ＬＵＴ」について「ＬＵＴ１」が
それぞれ設定された状態の表示例を示しており，これら
の設定された項目はカメラ制御パラメータ表示領域104
に表示される。「セレクト」の５項目はどの順序で設定
してもよいが，ここでは最後に「露出」が設定されるこ
とになるものとする。

【００４３】露光量の調整のために「ＡＥ」，「リモー
ト」または「マニュアル」のいずれかのモードを設定す
るために，セットアップ領域100 に表示されるセレクト
の「露出」をクリックすると，「ＡＥ」，「リモート」
および「マニュアル」が表示される。マウス37を用いて
いずれかのモードが選択される。

【００４４】たとえば，「リモート」がクリックされた
とすると，図11に示すようにカメラ制御パラメータ表示
領域104 の「露出」に「リモート」と表示される。

【００４５】上述したように「リモート」はホスト・コ
ンピュータ30において操作者が露光量を調整するモード
であるから，操作者は，図12に示すように「アジャス
ト」の「露出」をクリックする。すると，図13に示すよ
うに表示装置40の表示画面のパラメータ設定領域105
に，露光量の調整に適した画面が表示される。

【００４６】露光量はこの実施例においては絞り値およ
びシャッタ速度により調整される。

【００４７】図13に示すパラメータ設定領域105 におい
て，絞り値のレンジ（開放絞り値：オープンＦおよび全
閉絞り値：クローズＦ）および現在の絞り値（現在値
Ｆ）が表示される。現在値Ｆは電子カメラ10における絞
りの現在の絞り値であり，電子カメラ10からホスト・コ
ンピュータ30に伝送されてきたものが表示される。

【００４８】操作者はマウス37を用いてスクロール・バ
ー105 Ａの長さを変えることにより所望の絞り値を設定
することができる。スクロール・バー105 Ａの長さによ
って表わされる絞り値は現在値として数字で表示され
る。操作者が「ＯＫ」の表示をクリックすると，そのと
きのスクロール・バー105 Ａの長さによって表わされる
絞り値に設定される。設定された絞り値は，図14に示す
ようにカメラ制御パラメータ表示領域104 に表示され
る。設定された絞り値についてのセットアップ・データ
は電子カメラ10に送信され，カメラ制御パラメータ記憶
領域20Ｂに記憶され，設定絞り値になるように絞りが調
整される（図７ステップ81，82）。

【００４９】パラメータ設定領域105 には「取消」の表
示もあり，これをクリックすることにより設定絞り値を
キャンセルすることができる。

【００５０】次に黒バランス調整について説明する。

【００５１】図15に示すようにセットアップ領域100 に
表示される「黒バランス」がクリックされると，図16に
示すようにパラメータ設定領域105 に黒バランス調整に
適した内容が表示される。

【００５２】「露出」に関しては上述したように「セレ
クト」の項目で「ＡＥ」，「リモート」および「マニュ
アル」のいずれかを選択することができたが，黒バラン
スに関しては「セレクト」の項目に含まれていない。そ
こで，黒バランス調整についても自動調整が選択できる
ようにパラメータ設定領域105 には「オート」の表示が
含まれている。操作者が「オート」をクリックすると，
その旨がホスト・コンピュータ30から電子カメラ10に伝
送され，電子カメラ10において自動的に黒バランス調整
が行なわれる（図７ステップ81，82）。

【００５３】黒バランス調整は赤と青について行なわれ
る。絞り値の設定と同じように，マウス37を操作してス
クロール・バー105 Ｒ，105 Ｂの長さを所望の値となる
ように調整することにより黒バランス調整が行なわれ
る。スクロール・バー105 Ｒ，105 Ｂの長さによって表
わされる赤，青についての設定値はそれぞれ数字で表示
される。

【００５４】「ＯＫ」の表示がクリックされると，これ
らの設定値は電子カメラ10に送信される。電子カメラ10
において黒バランス設定値が受信され，この設定値にし
たがって黒バランス調整が行なわれる（図７ステップ8
1，82）。パラメータ設定領域105 には「取消」も表示
される。

【００５５】黒バランス設定値は図17に示すようにカメ
ラ制御パラメータ表示領域104 に表示される。白バラン
ス調整も黒バランス調整と同様にして行なわれる。

【００５６】図18に示すようにセットアップ領域100 に
表示される「白バランス」がクリックされると，図19に
示すようにパラメータ設定領域105 に白バランス調整に
適した内容が表示される。

【００５７】白バランス調整についても黒バランス調整
と同様に自動調整が選択できるようにパラメータ設定領
域105 に「オート」の表示が含まれている。操作者が
「オート」をクリックすると，その旨がホスト・コンピ
ュータ30から電子カメラ10に伝送され，電子カメラ10に
おいて自動的に黒バランス調整が行なわれる（図７ステ
ップ81，82）。

【００５８】白バランス調整も赤と青について行なわれ
る。白バランス調整においてもマウス37を操作してスク
ロール・バー105 Ｒ，105 Ｂの長さを所望の値となるよ
うにして行なわれる。スクロール・バー105 Ｒ，105 Ｂ
の長さによって表わされる赤，青についての設定値はそ
れぞれ数字で表示される。

【００５９】「ＯＫ」の表示がクリックされると，これ
らの設定値は電子カメラ10に送信される。電子カメラ10
において白バランス設定値が受信されると，この設定値
にしたがって白バランス調整が行なわれる（図７ステッ
プ81，82）。

【００６０】このようにしてセットアップ・モードにお
いて設定されたすべてのカメラ制御データは図20に示す
ようにカメラ制御データ表示領域104 に表示されるとと
もに，ホスト・コンピュータ30の主メモリ30のカメラ制
御パラメータ記憶部32Ｂおよび電子カメラ10の主メモリ
20のカメラ制御パラメータ記憶部20Ｂに記憶される。電
子カメラ10においてはカメラ制御パラメータ記憶部20Ｂ
に記憶されたカメラ制御データにもとづいた調整が行な
われる。

【００６１】さらにフォーカシングのためのレンズ位
置，ズーム倍率などもカメラ制御パラメータ記憶部32Ｂ
に記憶するようにしてもよい。

【００６２】続いてキャプチャ・コマンド入力領域102
について説明する。

【００６３】図21に示すようにキャプチャ・コマンド入
力領域102 には，「インプット」，「フレーム」，「シ
ョット」，「ゲット」，「ウィンドウ」，「ファイ
ル」，「Ｘ」，「Ｙ」，「Ｗ」，「Ｈ」，「残容量」，
「データ量」および「倍率」が表示され，プレビュー画
像表示領域101 には電子カメラ10が撮影している被写体
像が表示される。

【００６４】「インプット」および「フレーム」はモニ
タ表示装置25に表示する画像を表わす映像信号をどこか
ら得るかということを選択するためのものである。「イ
ンプット」モードでは，ＣＣＤ12から得られる映像信号
がプロセス回路13を経て，画像メモリ15を通すことな
く，直接にモニタ表示装置25に与えられる。ＣＣＤ12は
通常のＮＴＳＣ駆動（640 ×480 画素）とハイビジョン
駆動（1280×960 画素）とを選択的に切替えることが可
能なものである。モニタ表示装置25はＮＴＳＣレートで
動作するので，「インプット」モードではＣＣＤ12はＮ
ＴＳＣ駆動される。これに対して「フレーム」モード
は，画像メモリ15に蓄えられている画像データをＤ／Ａ
変換回路23を経てモニタ表示装置25に与え，その画像デ
ータによって表わされる画像を表示させるものである。
プロセス回路13から出力されるスルーの映像信号（「イ
ンプット」モード）と，Ｄ／Ａ変換回路23から出力され
る映像信号（「フレーム」モード）とを切替えるため
に，ＣＰＵ17によって制御される切替回路26が設けられ
ている。

【００６５】図21においては「フレーム」に黒丸の表示
が加えられており，「フレーム」モードが設定されてい
ることを表わす。図７に示すステップ83〜90の処理も
「フレーム」モードにおける動作を示している。

【００６６】「ショット」は電子カメラ10に被写体を撮
影させ，かつこの撮影により得られた画像データを間引
いてホスト・コンピュータに伝送させる指令を与えるも
のである。「ショット」のクリックに応答して電子カメ
ラ10で撮影されることにより得られる画像データは一旦
画像メモリ15に蓄えられ，後述するように１／８に縮小
されてホスト・コンピュータ30に伝送され，プレビュー
画像表示領域101 にプレビュー画像として表示される。
被写体像の撮影はＣＣＤ12のハイビジョン駆動により行
なわれる。また，「ショット」指令が与えられると自動
的に「フレーム」モードになり，モニタ表示装置25には
画像メモリ15に蓄えられた画像データによって表わされ
る画像が表示される。

【００６７】「ショット」がクリックされることにより
表示装置40の画面にプレビュー画像の画素レベル・ヒス
トグラムを表示するヒストグラム・ウィンドウ107 が表
示される。ヒストグラム・ウィンドウ107 にプレビュー
画像の色レベル分布が表示されるので，最適な撮影条件
の設定に利用できる。

【００６８】「ゲット」は電子カメラ10において撮影に
より得られた画像データを最終的にホスト・コンピュー
タ30に取込むことを指令するものであり，「フレーム」
モードにおいて意義がある。一般的には，後述するよう
に，「ショット」のクリックによりプレビュー画像表示
領域101 に表示させ，領域や倍率（解像度）を指定した
のちに「ゲット」がクリックされる。

【００６９】「ウィンドウ」および「ファイル」は「ゲ
ット」指令によって取込むべき画像データの行先を指定
するものである。「ウィンドウ」がクリックされると，
電子カメラ10から伝送された画像データは主メモリ32の
転送バッファ32Ａに格納されるとともに，表示装置40の
主画像表示領域103 にその画像データによって表わされ
る像が表示される。「ファイル」がクリックされると，
電子カメラ10から伝送された画像データは主メモリ32の
転送バッファ32Ａに格納されたのち，必要に応じて加工
されながら，光ディスク装置38によって光ディスクに格
納される。

【００７０】「Ｘ」，「Ｙ」，「Ｗ」および「Ｈ」はプ
レビュー画像上において，「ゲット」指令によって取込
むべき画像領域を指定するためのものである。図22に示
すように「Ｘ」および「Ｙ」は指定領域の一角の点の
Ｘ，Ｙ座標を表わし，「Ｗ」は指定領域の幅を，「Ｈ」
は指定領域の高さをそれぞれ表わしている。マウス37の
操作によってこれら「Ｘ」，「Ｙ」，「Ｗ」および
「Ｈ」の値を入力することにより所望の領域を指定する
ことができる。

【００７１】倍率は「ゲット」指令によって取込むべき
画像の解像度を選択するためのもので，この実施例では
１倍，0.5 倍，0.25倍および0.125 倍のうちのいずれか
をマウス37により選択することができる。撮像光学系11
に含まれるズーム機構における拡大率をホスト・コンピ
ュータ30において設定可能であれば撮影倍率を１倍を超
える値にすることも可能となる。この実施例では，電子
カメラ10のズーム機構を操作者が手動で操作して拡大し
たときのみ，倍率として１を超える値が設定される。

【００７２】「残容量」はホスト・コンピュータ30の主
メモリ32の転送バッファ32Ａの残容量を示すものであ
る。

【００７３】「データ量」は「ゲット」指令に応答して
電子カメラ10から送信される画像データの量を示すもの
である。

【００７４】再び図６および図７を参照して，ホスト・
コンピュータ30のキャプチャ・コマンド入力領域102 か
らの各種指令の入力に応答して，電子カメラ10で被写体
を撮像し，撮像により得られた画像データをホスト・コ
ンピュータ30に伝送して，表示装置40に表示する処理に
ついて統一的に説明する。

【００７５】上述したセットアップ処理（図６ステップ
62）が終了すると，ホスト・コンピュータ30は，「ショ
ット」のクリック待ち（ステップ63）または領域指定，
倍率および撮影した画像データの取込み先の指定待ち
（ステップ68）になる。

【００７６】「ショット」がクリックされると（ステッ
プ63），ＣＰＵ31によってショット・コマンドが作成さ
れる（ステップ64）。作成されたショット・コマンドは
電子カメラ10に送信される。

【００７７】続いて，プレビュー・コマンドが作成され
る（図６ステップ65）。このプレビュー・コマンドは，
撮像により得られた画像データを縮小（この実施例では
一律に１／８）した上で送信せよという指令であり，電
子カメラ10に送られる。

【００７８】電子カメラ10においてショット・コマンド
が受信されると（図７ステップ83），既に設定されてい
るカメラ制御パラメータの条件下で被写体ＯＢの撮影お
よび必要な画像データ処理が行なわれる。

【００７９】撮像，処理により得られる画像データは画
像メモリ15に記憶される（図７ステップ84）。

【００８０】続いて，電子カメラ10においてプレビュー
・コマンドが受信されると（図７ステップ85），インプ
ット・モードであればフレーム・モードとなり，画像メ
モリ15に記憶されている画像データが読出され間引回路
21に与えられる。間引回路21において，水平方向に160
画素，垂直方向に120 画素の画像データとなるように画
像データが１／８に均一に間引かれる。間引かれた画像
データは間引回路21から転送バッファ20Ａに与えられ一
時記憶される（図７ステップ86）。転送バッファ20Ａに
一時記憶された画像データが，ホスト・コンピュータ30
に送信される。

【００８１】ホスト・コンピュータ30において電子カメ
ラ10から送信された１／８に縮小された画像データが受
信されると，このプレビュー画像データは転送バッファ
32Ａに一時記憶される（図６ステップ66）。転送バッフ
ァ32Ａに記憶されている画像データは転送バッファ32Ａ
から読出され表示メモリ34に与えられ，この画像データ
によって表わされるプレビュー画像がプレビュー画像表
示領域101 に表示される（図６ステップ67）。プレビュ
ー画像表示領域101 に表示されたプレビュー画像の一例
が図21に示されている。

【００８２】操作者はこのプレビュー画像を見て，所望
のアングル，大きさ，画質等の像が得られているかどう
かを確認することができる。もし必要ならばカメラ制御
パラメータの再設定（図６ステップ62）を行なってもよ
い。

【００８３】所望の画像データが得られたかどうかをホ
スト・コンピュータ30において見るためには電子カメラ
10からホスト・コンピュータ30に撮像画像データを伝送
する必要がある。一駒分の画像データは上述のように12
80×960 画素（１画素当り１バイトとすると1228Ｋバイ
ト，カラーの場合にはこの３倍）とデータ量がきわめて
多いので，データ伝送に長い時間がかかる。上述のよう
にプレビュー画像データについては１／８に縮小して電
子カメラ10からホスト・コンピュータ30に伝送している
ので伝送時間を短くすることができる。

【００８４】操作者がプレビュー画像を見て良好な画像
が得られていることを確認すると，撮像した画像データ
を最終的に取込む必要がある。一駒全体（1280×960 ）
の画像データを取込んでもよいが，一般には一部分のみ
が必要な場合が多い。そこで操作者はプレビュー画像上
で図22に示すように，取込むべき画像の領域，倍率およ
び取込み先を指定する（図６ステップ68でYES ）。続い
て操作者は「ゲット」をクリックする（図６ステップ69
でYES ）。すると，指定された領域，倍率を含むゲット
・コマンドが作成され，電子カメラ10に送信される（図
３ステップ70）。

【００８５】上述したように，拡大画像が欲しい場合に
は操作者は電子カメラ10のズーム機構を手動操作して所
望の倍率に設定することができる。この場合には操作者
は再び「ショット」をクリックして，被写体の撮影，プ
レビューを繰返す。

【００８６】電子カメラ10においてゲット・コマンドが
受信されると（図７ステップ88），指定された領域の画
像データが画像メモリ15から読出される。

【００８７】倍率が１より小さいときには画像メモリ15
から読出された画像データは間引回路21に与えられ，設
定された倍率に応じた間引きが行なわれる。画像データ
は転送バッファ20Ａに一時記憶されたのち（図７ステッ
プ89），ホスト・コンピュータ30に送信される（図７ス
テップ90）。

【００８８】このように真に必要な領域についての画像
データのみが電子カメラ10から送信されるので，画像デ
ータの伝送時間を短縮することができる。

【００８９】電子カメラ10から送信された画像データは
ホスト・コンピュータ30において受信される（図６ステ
ップ71）。画像データが受信されると，この画像データ
は先に指定されている取込み先に転送される。すなわ
ち，取込み先が「ウィンドウ」（主メモリ）の場合に
は，受信した画像データは主メモリ32の転送バッファ32
Ａに記憶されるとともに，その画像データによって表わ
される画像が図20に示すように表示装置40の主画像表示
領域103 に表示される（図６ステップ73）。取込み先が
「ファイル」の場合には，受信した画像データは一旦主
メモリ32に記憶されたのち，必要に応じ加工され，光デ
ィスク装置38に転送されて，光ディスクに記録される
（図６ステップ75）。このときには主画像表示領域103
には画像は表示されない（図24参照）が，表示するよう
にしてもよい。

【００９０】操作者は取込み先を「ウィンドウ」にして
おいて主画像表示領域103 に表示された被写体像を見た
のちに，「ファイル」をクリックしてもよい。それに応
答して主メモリ32に記憶されている画像データは光ディ
スクに記録される（図６ステップ74でYES ，ステップ7
5）。「ファイル」をクリックすることなく，再度「シ
ョット」指令からやり直すようにしてももちろんよい。

【００９１】キャプチャ・コマンド入力領域102 には主
メモリ32の残容量および伝送されてきた画像データのデ
ータ量が表示されているので，これらの量を見ながら操
作者は上述したような各種の指令を入力することができ
る。主メモリ32の残容量が電子カメラ10から伝送されて
くる画像データのデータ量よりも少ないときには「ゲッ
ト」指令の入力を禁止するようにすることが好ましい。

【００９２】図３から図５を参照して，被写体を表わす
画像データを記録するときの処理について説明する。

【００９３】図３を参照して電子カメラ10はカメラ・ヘ
ッド部49とカメラ制御部59とに分けることができる。こ
のように電子カメラ10を分割することによりカメラ・ヘ
ッド分離型の電子カメラ10となる。

【００９４】ＣＣＤ12から信号電荷の読出しを行なうた
め，所定のタイミングで水平（Ｈ）駆動パルスおよび垂
直（Ｖ）駆動パルスを発生するタイミング・パルス発生
器44がカメラ制御部49に含まれている。カメラ制御部49
にはＰＬＬ回路43も含まれており，タイミング・パルス
発生器49はＰＬＬ回路43から与えられる水平帰線信号
（ＨＤ），垂直帰線信号（ＶＤ）に基いて動作する。フ
ラッシュ48もタイミング・パルス発生器44によってフラ
ッシュ発光が制御される。

【００９５】ＣＣＤ12から信号電荷の読出しを行なうた
めカメラ・ヘッド部49にはＨドライバ45およびＶドライ
バ46が含まれている。Ｈドライバ45はＨ駆動パルスを入
力し，水平転送パルスφＨを出力し，Ｖドライバ46はＶ
駆動パルスを入力し，垂直転送パルスφＶを出力するも
のである。またカメラ・ヘッド部49には前置増幅回路41
およびドライバ42が含まれており，ＣＣＤ12から出力さ
れる信号が増幅される。

【００９６】さらにカメラ・ヘッド部49には電源回路47
が含まれており，各回路に動作電圧が供給される。

【００９７】カメラ制御部59には記録のタイミングを制
御するタイミング制御部55，水平帰線信号，垂直帰線信
号などの信号をＰＬＬ回路43に与えるタイミング・パル
ス発生器56が含まれている。

【００９８】タイミング制御部55からは，記録タイミン
グの基準となるトリガ信号ＴＲＧ，モード・チェンジ信
号M.C.，ならびにフィールド・インデックス信号ＦＩお
よび２ＦＩが出力されタイミング・パルス発生器44に与
えられる。

【００９９】モード・チェンジ信号M.C.は後述のように
２つのフィールド信号によって１画面を構成するときと
４つのフィールド信号によって１画面を構成するときと
を切替える信号である。

【０１００】フィールド・インデックス信号ＦＩは，２
つのフィルード信号によって１画面を構成するときにフ
ィールド信号の識別に用いられる信号である。

【０１０１】フィールド・インデックス信号２ＦＩは，
４つのフィールド信号によって１画面を構成するときに
先頭フィールド信号の識別に用いられる信号である。

【０１０２】もっともフィールド・インデックス信号Ｆ
Ｉおよび２ＦＩは垂直帰線信号ＶＤから作成できるの
で，必ずしもタイミング制御部55において作成する必要
はない。

【０１０３】カメラ制御部59にはまた，プロセス処理回
路13，Ａ／Ｄ変換回路14，メモリ制御およびメモリ部5
3，Ｄ／Ａ変換回路23，および電源回路57が含まれてい
る。プロセス処理回路13には色バランス回路51およびガ
ンマ処理回路52が含まれており，上述の白バランスおよ
び色バランス処理ならびにガンマ補正処理が行なわれ
る。

【０１０４】カメラ制御部59には記録スイッチ58が設け
られている。記録スイッチ58は被写体の画像データを光
ディスクに記録するときにオンとされるものである。こ
れは図２においてはキーボード36およびマウス37によっ
て達成されており，「ショット」がクリックされること
によりオンとなるものである。

【０１０５】図３において，ＰＬＬ回路43，タイミング
・パルス発生回路44，タイミング制御部55，タイミング
・パルス発生回路56が図２におけるＣＰＵ17によって構
成され，メモリ制御およびメモリ部53はＣＰＵ17および
画像メモリ15によって構成される。

【０１０６】また図３において示されている前置増幅回
路41，ドライバ42，Ｈドライバ45，Ｖドライバ46，電源
回路47は図２においては図示が省略されている。さらに
図２において示されているカメラ制御レジスタ16，主メ
モリ20，間引回路21，および通信インターフェイス22は
図３においては図示が省略されている。

【０１０７】図４に示すようにＣＣＤ12は行方向および
列方向に多数のフォトダイオード５が配置されている。
ＣＣＤ12には列方向のフォトダイオード５に隣接して配
置され，フォトダイオード５に蓄積された信号電荷を垂
直方向に転送する垂直転送路６，信号電荷を水平方向に
転送する水平転送路７が含まれている。

【０１０８】この電子カメラ10では記録時と非記録時と
ではＣＣＤ12のフォトダイオード５に蓄積された信号電
荷の読出し方法が変わっている。

【０１０９】非記録時においては第（４ｎ＋１）（ｎは
０以上の整数）行のフォトダイオード５に蓄積された信
号電荷によって表わされるフィールド信号が第１フィー
ルド信号，第（４ｎ＋３）行のフォトダイオード５に蓄
積された信号電荷によって表わされるフィールド信号が
第２のフィールド信号とされ，これらの第１フィールド
信号および第２フィールド信号によって１画面が構成さ
れる。

【０１１０】記録時においては第（４ｎ＋１）行のフォ
トダイオード５に蓄積された信号電荷によって表わされ
るフィールド信号が第１フィールド信号，（４ｎ＋２）
行のフォトダイオード５に蓄積された信号電荷によって
表わされるフィールド信号が第２フィールド信号，（４
ｎ＋３）行のフォトダイオード５に蓄積された信号電荷
によって表わされるフィールド信号が第３フィールド信
号，（４ｎ＋４）行のフォトダイオード５に蓄積された
信号電荷によって表わされるフィールド信号が第４フィ
ールド信号とされ，これらの第１フィールド信号から第
４フィールド信号によって１画面が構成される。

【０１１１】記録時と非記録時に応じて水平転送パルス
φＨおよび垂直転送パルスφＶの出力タイミングも変化
するようタイミング発生器44が動作する。記録時におい
ては非記録時の２倍の水平転送パルスφＨが出力され
る。

【０１１２】電子カメラ10では，スミア電荷の掃出しお
よびフィールドごとの暗電流のレベル合わせが行なわれ
る。撮影指令後の垂直帰線信号ＶＤの立上りからフラッ
シュ発光までの時間，垂直帰線信号ＶＤの立上りからス
ミア電荷の掃出しまでの時間および垂直帰線信号ＶＤの
立上りから信号電荷の読出しまでの時間がキーボード36
およびマウス27を用いてあらかじめ定められる。信号電
荷の読出し時間は暗電流による信号電荷の蓄積量がフィ
ールドごとに異ならないようにそれぞれのフィールド信
号の読出し時間が４Ｖ（１Ｖは１垂直帰線期間）の整数
倍となるように定められる。撮影指令からフラッシュ発
光，撮影指令からスミア電荷の掃出しおよび撮影指令か
ら信号電荷の読出しはそれぞれあらかじめ定められた時
間に行なわれる。

【０１１３】記録スイッチ53が押される，または「ショ
ット」がクリックされるまではシャッタ８は開放されて
おり撮影および信号電荷の読出しが２倍の垂直帰線期間
ごとに繰返される。このとき第１フィールド信号および
第２フィールド信号によって１画面が構成されモニタ表
示装置25に表示されている。

【０１１４】記録スイッチ53が押される，または上述の
ように「ショット」がクリックされるとその後の最初の
垂直帰線信号ＶＤに同期して，タイミング制御部55から
トリガ信号ＴＲＧが出力される。トリガ信号ＴＲＧが出
力されると，第１フィールド信号から第４フィールド信
号によって１画面が構成されるようにモード・チェンジ
が行なわれる。

【０１１５】トリガ信号ＴＲＧが発生すると，トリガ信
号ＴＲＧ発生後あらかじめ定められた一定期間後にＣＣ
Ｄ12から不要電荷の掃出しが行なわれたあとにフラッシ
ュ48が発光され露光が行なわれる。露光が行なわれると
その後シャッタ８は全閉とされスミア電荷の掃出しが行
なわれる。スミア電荷の掃出しが終了すると，信号電荷
が読出されメモリ部53への画像データの書込みが４Ｖか
けて行なわれる。

【０１１６】画像データの記録が終了すると，トリガ信
号ＴＲＧは立下り，シャッタ８は再び開放され第１フィ
ールド信号および第２フィールド信号によって１画面が
構成される。

【０１１７】トリガ信号ＴＲＧの立上り後，あらかじめ
定められている期間においてフラッシュ発光，露光，ス
ミア電荷の掃出し，信号電荷の読出し，および記録と制
御される。このため従来のようにそれぞれ独立にストロ
ボ発光，露光，スミア電荷の掃出し，信号電荷の読出し
および記録を行なう場合に比べて制御線の数を少なくす
ることができる。

【０１１８】また記録時には４フィールドかけて高画素
の信号電荷を読出しているので高精度に記録することが
できるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】撮像システムの全体構成を示している。

【図２】撮像システムの電気的構成を示すブロック図で
ある。

【図３】電子カメラの電気的構成を示すブロック図であ
る。

【図４】ＣＣＤの模式図である。

【図５】被写体の撮影のタイム・チャートである。

【図６】ホスト・コンピュータにおける処理手順を示す
フローチャートである。

【図７】電子カメラにおける処理手順を示すフローチャ
ートである。

【図８】表示装置に表示される複数の表示領域を示して
いる。

【図９】表示装置の一部の領域に表示される内容を示し
ている。

【図１０】表示装置における表示例を示している。

【図１１】表示装置における表示例を示している。

【図１２】表示装置における表示例を示している。

【図１３】表示装置における表示例を示している。

【図１４】表示装置における表示例を示している。

【図１５】表示装置における表示例を示している。

【図１６】表示装置における表示例を示している。

【図１７】表示装置における表示例を示している。

【図１８】表示装置における表示例を示している。

【図１９】表示装置における表示例を示している。

【図２０】表示装置における表示例を示している。

【図２１】表示装置における表示例を示している。

【図２２】表示装置における表示例を示している。

【図２３】表示装置における表示例を示している。

【図２４】表示装置における表示例を示している。

【符号の説明】

10 電子カメラ 11 撮像光学系 12 ＣＣＤ 13 プロセス回路 14 Ａ／Ｄ変換回路 15 画像メモリ 17，31 ＣＰＵ 20，32 主メモリ 21 間引回路 22，33 通信インターフェイス 30 ホスト・コンピュータ 36 キーボード 37 マウス 40 表示装置 44，56 タイミング・パルス発生回路 55 タイミング制御部

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 撮影指令後の所定の基準時点から露光開
   始までの第１の時間，上記基準時点から固体電子撮像装
   置において生じる偽信号の消去処理開始までの第２の時
   間，および上記基準時点から撮影により上記固体電子撮
   像装置に蓄積された信号電荷の読出し開始までの第３の
   時間をあらかじめ定めておき， 撮影指令を与え， 上記撮影指令に応答して，上記基準時点から上記第１の
   時間が経過したときに露光を開始し，上記第２の時間が
   経過したときに偽信号の消去処理を開始し，上記第３の
   時間が経過したときに信号電荷の読出し処理を開始し， 上記信号電荷の読出し処理により得られる被写体像を表
   わす映像信号を記録媒体に記録する， 電子スチル・カメラの制御方法。
2. 【請求項２】 行方向および列方向に光電変換素子が多
   数配列された固体電子撮像装置を用い， 記録指令後の所定の基準時点から記録のための撮影開始
   までの第１の時間，上記基準時点から固体電子撮像装置
   において生じる偽信号の消去処理開始までの第２の時
   間，および上記基準時点から記録のための撮影により上
   記固体電子撮像装置に蓄積された信号電荷の読出し開始
   までの第３の時間をあらかじめ定めておき， 上記固体電子撮像装置を用いた被写体の撮影により得ら
   れる上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を， 第（４ｎ＋１）行（ｎは０または正の整数）または第
   （４ｎ＋２）行の上記光電変換素子については第１フィ
   ールド信号として読出し， この第１フィールド信号の読出し終了後に，第（４ｎ＋
   ３）行または第（４ｎ＋４）行の上記光電変換素子につ
   いては第２フィールド信号として読出すことにより第１
   フィールド信号および第２フィールド信号によって構成
   される１画面分の映像信号を得， 撮影と上記読出しとを一定の周期で繰返し， 記録指令が与えられたときにこれに応答して，上記基準
   時点から上記第１の時間が経過したときに記録のための
   撮影を開始し，上記第２の時間が経過したときに偽信号
   の消去処理を開始し，上記第３の時間が経過したときに
   第（４ｎ＋１）行の上記光電変換素子に蓄積された信号
   電荷を第１フィールド信号として読出し開始し， 第１フィールド信号の読出し終了後に第（４ｎ＋２）行
   の上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を第２フィー
   ルド信号として読出し開始し，第２フィールド信号の読
   出し終了後に第（４ｎ＋３）行の上記光電変換素子に蓄
   積された信号電荷を第３フィールド信号として読出し開
   始し，第３フィールド信号の読出し終了後に第（４ｎ＋
   ４）行の上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を第４
   フィールド信号として読出し開始し， 読出された第１フィールド信号から第４フィールド信号
   によって構成される１画面分の映像信号を記録媒体に記
   録する， 電子スチル・カメラの制御方法。
3. 【請求項３】 第１フィールド信号および第２フィール
   ド信号によって構成される１画面分の映像信号を得ると
   きには，各行において１列おきの上記光電変換素子に蓄
   積された信号電荷を読出すように読出しクロック信号を
   上記固体電子撮像装置に与え， 第１フィールド信号から第４フィールド信号によって構
   成される１画面分の映像信号を得るときには，各行にお
   いてすべての列の上記光電変換素子に蓄積された信号電
   荷を読出すように高速の読出しクロック信号を上記固体
   電子撮像装置に与える， 請求項２に記載の電子スチル・カメラの制御方法。
4. 【請求項４】 被写体を撮像するための固体電子撮像装
   置， 撮影指令後の所定の基準時点から露光開始までの第１の
   時間，上記基準時点から固体電子撮像装置において生じ
   る偽信号の消去処理開始までの第２の時間，および上記
   基準時点から撮影により上記固体電子撮像装置に蓄積さ
   れた信号電荷の読出し開始までの第３の時間があらかじ
   め定められる時間設定手段， 偽信号の消去処理が行なわれる偽信号消去手段， 上記固体電子撮像装置を駆動する駆動手段， 撮影指令が与えられる撮影指令手段， 上記撮影指令手段に与えられる撮影指令に応答して，上
   記基準時点から上記第１の時間が経過したときに上記固
   体電子撮像装置の露光が開始され，上記第２の時間が経
   過したときに上記偽信号消去手段による偽信号の消去処
   理が開始され，上記第３の時間が経過したときに上記駆
   動手段を用いて信号電荷の読出し処理が開始されるよう
   制御する制御手段，ならびに上記信号電荷の読出し処理
   により得られる被写体像を表わす映像信号を記録媒体に
   記録する記録手段， を備えた電子スチル・カメラ。
5. 【請求項５】 行方向および列方向に光電変換素子が多
   数配列された固体電子撮像装置， 記録指令後の所定の基準時点から記録のための撮影開始
   までの第１の時間，上記基準時点から固体電子撮像装置
   において生じる偽信号の消去処理開始までの第２の時
   間，および上記基準時点から記録のための撮影により上
   記固体電子撮像装置に蓄積された信号電荷の読出し開始
   までの第３の時間があらかじめ定められる時間設定手
   段， 偽信号の消去処理が行なわれる偽信号消去手段， 上記固体電子撮像装置を駆動する駆動手段， 記録指令が与えられる記録指令手段， 上記記録指令手段に記録指令が与えられていないときに
   は上記固体電子撮像装置を用いた被写体の撮影により得
   られる上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を，第
   （４ｎ＋１）行（ｎは０または正の整数）または第（４
   ｎ＋２）行の上記光電変換素子については第１フィール
   ド信号として読出し，この第１フィールド信号の読出し
   終了後に，第（４ｎ＋３）行または第（４ｎ＋４）行の
   上記光電変換素子については第２フィールド信号として
   読出すことにより，第１フィールド信号および第２フィ
   ールド信号によって構成される１画面分の映像信号とし
   て得，撮影と上記読出しとを一定の周期で繰返すよう上
   記駆動手段を制御する第１の制御手段， 上記記録指令手段に与えられる記録指令に応答して，上
   記基準時点から上記第１の時間が経過したときに記録の
   ための撮影を開始し，上記第２の時間が経過したときに
   上記偽信号消去手段による偽信号の消去処理が開始され
   るよう制御する第２の制御手段， 上記記録指令手段に与えられる記録指令に応答して，上
   記第３の時間が経過したときに第（４ｎ＋１）行の上記
   光電変換素子に蓄積された信号電荷の表わす信号を第１
   フィールド信号として読出しが開始され，第１フィール
   ド信号の読出し終了後に第（４ｎ＋２）行の上記光電変
   換素子に蓄積された信号電荷の表わす信号を第２フィー
   ルド信号として読出しが開始され，第２フィールド信号
   の読出し終了後に第（４ｎ＋３）行の上記光電変換素子
   に蓄積された信号電荷の表わす信号を第３フィールド信
   号として読出しが開始され，第３フィールド信号の読出
   し終了後に第（４ｎ＋４）行の上記光電変換素子に蓄積
   された信号電荷の表わす信号を第４フィールド信号とし
   て読出しが開始されるよう上記駆動手段を制御する第３
   の制御手段，ならびに読出された第１フィールド信号か
   ら第４フィールド信号によって構成される１画面分の映
   像信号を記録媒体に記録する記録手段， を備えた電子スチル・カメラ。
6. 【請求項６】 上記駆動手段が，第１フィールド信号お
   よび第２フィールド信号によって構成される１画面分の
   映像信号を得るときには，各行において１列おきの上記
   光電変換素子に蓄積された信号電荷を読出すように読出
   しクロック信号を上記固体電子撮像装置に与え，第１フ
   ィールド信号から第４フィールド信号によって構成され
   る１画面分の映像信号を得るときには，各行においてす
   べての列の上記光電変換素子に蓄積された信号電荷を読
   出すように高速の読出しクロック信号を上記固体電子撮
   像装置に与えるものである， 請求項５に記載の電子スチル・カメラ。