JPH0526012A - 可変バルブタイミング装置 - Google Patents

可変バルブタイミング装置

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Publication number
JPH0526012A
JPH0526012A JP17995791A JP17995791A JPH0526012A JP H0526012 A JPH0526012 A JP H0526012A JP 17995791 A JP17995791 A JP 17995791A JP 17995791 A JP17995791 A JP 17995791A JP H0526012 A JPH0526012 A JP H0526012A
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JP
Japan
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ring gear
negative pressure
pressure
oil
pressure chamber
Prior art date
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Application number
JP17995791A
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English (en)
Inventor
Koji Ichinose
幸治 一ノ瀬
Masami Yamazaki
正己 山崎
Atsushi Watanabe
敦 渡辺
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 可変バルブタイミング装置において、リング
ギアの移動速度を速くして作動応答性を向上させる。 【構成】 リングギア17の軸方向両脇に油圧室19及
び負圧室21を形成する。リングギア17を移動させる
際、油圧室19には油圧を作用させる。負圧室21には
VSV(バキュームスイッチングバルブ)41の切換に
より、スロットルバルブ39下流側の負圧ポート36a
に発生する負圧を作用させる。油圧室19に作動油圧が
作用することにより、リングギア17の一端側が押圧さ
れる。このとき、負圧室21に負圧が作用することによ
り、リングギア17が押圧方向と同方向へ引かれる。従
って、前記押圧力に加えて、リングギア17の他端側に
は負圧が作用し、リングギア17には油圧による押圧力
と負圧による引張力が同時に働いてリングギア17の移
動がより迅速なものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エンジン運転中に吸
気バルブあるいは排気バルブの作動タイミングを可変に
する可変バルブタイミング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術として、例えば特開
昭63−131808号公報に開示された「可変バルブ
タイミング装置」が知られている。この装置は、図3に
示すように、シリンダヘッド51とその上部に配置され
た図示しないベアリングキャップとの間にバルブ駆動用
のカムシャフト52が回転可能に支持されている。この
カムシャフト52の一端部には、タイミングプーリアッ
シィ53が設けられている。このタイミングプーリアッ
シィ53はタイミングベルト54を介して図示しないエ
ンジンのクランクシャフトに駆動連結されている。これ
らタイミングプーリアッシィ53とカムシャフト52と
の間には筒状歯車(リングギア)55が噛合された状態
で設けられている。そして、そのリングギア55を介し
てタイミングプーリアッシィ53の回転力がカムシャフ
ト52に伝達可能となっている。このリングギア55
は、その内外周の歯のうち少なくとも一方がヘリカル歯
となっている。そして、その外周側の外歯55aがタイ
ミングプーリアッシィ53の内側に設けられた内歯53
aに噛合されている。また、リングギア55の内周側の
内歯55bがカムシャフト52の外側に設けられた外歯
52aに噛合されている。
【0003】タイミングプーリアッシィ53の内部にお
いて、リングギア55の軸方向の両脇には、油圧室5
6,57が形成されている。そして、各油圧室56,5
7には、図示しないオイルポンプからの油圧を供給する
ために、シリンダヘッド51内及びカムシャフト52内
等に形成された2系統の異なる油通路58,59が連通
されている。
【0004】一方の油通路58は電磁弁60を介してリ
ターン通路61及びメインギャラリ62に、他方の油通
路59はメインギャラリ62及び電磁弁63を介してリ
ターン通路64にそれぞれ連通されている。このメイン
ギャラリ62は前記オイルポンプに連通されており、ま
た、リターン通路61,64は図示しないオイルパンに
連通されている。電磁弁60は3方弁であって、この電
磁弁60を切換えることにより、油通路58がリターン
通路61又はメインギャラリ62のいずれか一方に連通
されるようになっている。また、他方の電磁弁63は流
量調整弁であって、この電磁弁63を切換えることによ
り、油通路59とリターン通路64との間が開閉され
る。
【0005】従って、油通路58をリターン通路61に
連通させるよう電磁弁60を切換えるとともに、油通路
59をリターン通路64に対し閉となるよう電磁弁63
を切換えた場合、これにより、オイルポンプからの油圧
がメインギャラリ62から油通路59を通じて油圧室5
7内に供給される。一方、油圧室56内の油は油通路5
8を通じてリターン通路61から図示しないオイルパン
へと戻される。その結果、リングギア55が図3におい
て左側へ移動され、タイミングプーリアッシィ53とカ
ムシャフト52との相対位相がずれ、それによってバル
ブタイミングが変更される。
【0006】逆に、油通路58をメインギャラリ62に
連通させるよう電磁弁60を切換えるとともに、油通路
59をリターン通路64に対し、開となるよう電磁弁6
3を切換えることにより、オイルポンプからの油圧がメ
インギャラリ62から油通路58を通じて油圧室56内
に供給される。一方、油圧室57内の油は油通路59を
通じてリターン通路64からオイルパンへと戻される。
その結果、リングギア55が右側へ移動され、タイミン
グプーリアッシィ53とカムシャフト52の相対位相が
ずれ、それによってバルブタイミングが変更される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術においては、その構造上の理由から、作動応答性の向
上が充分ではなかった。すなわち、前記従来技術におい
ては、リングギア55を移動させるために作用させる力
は、リングギア55の軸方向両脇にある油圧室56,5
7のどちらか一方に加わる油圧となっている。このと
き、他方の油圧室56,57には、その内部の油が背圧
となって存在している。そのため、リングギア55の移
動時には、移動方向側の油圧室56,57の背圧が抵抗
となってリングギア55の移動を速くできず、その結果
として可変バルブタイミング装置としての作動応答性の
点で未だ充分ではなかった。
【0008】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、リングギアの移動速度が速
くて作動応答性に優れた可変バルブタイミング装置を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明においては、エンジンのシリンダヘッドに
て回転可能に支持されたバルブ駆動用のカムシャフト
と、前記カムシャフトの一端部に設けられ、前記エンジ
ンに駆動連結されたタイミングプーリアッシィと、内外
周に設けられた歯の少なくともいずれか一方がヘリカル
歯であり、前記カムシャフトと前記タイミングプーリア
ッシィとの間に介在されて両者を連結するリングギアと
を備え、前記リングギアの軸方向の両脇に形成された第
1及び第2の圧力室の圧力変化に応じ、前記リングギア
が軸方向に移動し、前記タイミングプーリとカムシャフ
トとが相対回動することにより、バルブタイミングが変
更される可変バルブタイミング装置において、前記両圧
力室のうち、第1の圧力室を油圧供給源に連通可能に設
けるとともに、第2の圧力室をスロットルバルブ下流の
吸気通路に対し連通可能に設け、バルブタイミング変更
のためにリングギアを移動させるときには、前記両圧力
室を通じて前記リングギアの両脇に油圧及び吸気負圧を
それぞれ同時に作用させるようにしている。
【0010】
【作用】上記の構成によれば、第1の圧力室の内部は、
油圧供給源に対し連通可能となっている。また、第2の
圧力室の内部は、スロットルバルブ下流の吸気通路に対
し連通可能となっている。
【0011】従って、第1の圧力室が油圧供給源に連通
されることにより、この第1の圧力室内に油圧が供給さ
れてリングギアが押圧されて移動する。このとき、反対
側の第2の圧力室にスロットルバルブ直下流の吸気通路
を通じて負圧が作用することにより、リングギアが移動
方向へ引かれてリングギアの移動がより一層促進され
る。
【0012】
【実施例】以下、この発明における可変バルブタイミン
グ装置を具体化した一実施例を図1,2に基づいて詳細
に説明する。
【0013】図1はこの実施例における可変バルブタイ
ミング装置を説明する概略構成図である。この実施例で
は、図示しない吸気バルブを開閉するためのカムを有す
る吸気用のカムシャフト1に、可変バルブタイミング装
置が備えられているものとする。そして、吸気弁のバル
ブタイミングは、軽負荷時には遅れ側に変わるように設
定され、高負荷時には進み側に変わるように設定され、
可変バルブタイミング装置が制御されるようになってい
る。
【0014】前記吸気用のカムシャフト1は、そのジャ
ーナル2にてシリンダヘッド3の軸受部4とベアリング
キャップ5との間で回転可能に支持されている。そし
て、カムシャフト1の一端部には、タイミングプーリア
ッシィ6が設けられている。
【0015】このタイミングプーリアッシィ6は、外周
に複数の外歯7を有するとともに、一側に収容凹部8を
有するプーリ本体9と、同プーリ本体9の収容凹部8を
覆うようにカムシャフト1の先端にてボルト10及び位
置決め用のノックピン11により固定されたキャップ1
2とを備えている。また、プーリ本体9の開口端とキャ
ップ12の外周との間には、緩衝用の粘性継手(ビスカ
スカップリング)13が設けられている。このビスカス
カップリング13はプーリ本体9に圧入固定されたアウ
タープレート14と、同アウタープレート14に組込ま
れ、キャップ12に形成されたインナープレート15と
からなり、両者14,15の間には図示しない高粘度の
粘性流体が封入されている。また、この粘性流体は前記
インナープレート15の内側とアウタープレート14の
外側に設けられたシール部材16A,16Bによって封
止されている。
【0016】前記タイミングプーリアッシィ6とカムシ
ャフト1との間には、リングギア17が介在されてお
り、両者1,6が連結されている。すなわち、前記キャ
ップ12により密閉されたプーリ本体9の収容凹部8に
リングギア17が収容されている。リングギア17は、
その内外周に設けられた複数の歯17a,17bの両方
がヘリカル歯となっており、軸方向への移動によってカ
ムシャフト1と相対回動可能となっている。リングギア
17の内外周の歯17a,17bはプーリ本体9の内歯
9a及びキャップ12の外歯12aにそれぞれ噛合して
いる。そして、前記タイミングプーリアッシィ6は、プ
ーリ本体9の外歯7に掛装されたタイミングベルト18
を介してエンジンに駆動連結されている。
【0017】従って、エンジンからタイミングプーリア
ッシィ6に駆動伝達されることにより、リングギア17
で相互に連結されたプーリ本体9とキャップ12とが一
体的に回転され、カムシャフト1が回転駆動される。
【0018】プーリ本体9の収容凹部8において、リン
グギア17の軸方向一端側は、作動油圧が作用する第1
の圧力室としての油圧室19となっている。また、同じ
く収容凹部8において、リングギア17の他端側は、釣
合用のスプリング20を収容するとともに、内部に気圧
が作用する第2の圧力室としての負圧室21となってい
る。そして、前記リングギア17の内外周には、ゴム製
のOリング22A,22Bが周設されており、油圧室1
9から負圧室21内に油が洩れたり、逆に負圧室21か
ら油圧室19に気体が洩れたりするのを防ぐようになっ
ている。
【0019】前記油圧室19に作動油圧を供給するため
に、シリンダヘッド3及びカムシャフト1には、ジャー
ナル2を経由し、カムシャフト1の内部を通ってタイミ
ングプーリアッシィ6に至る作動油専用通路23が形成
されている。この作動油専用通路23は、シリンダヘッ
ド3に形成された第1ヘッド通路24Aと、カムシャフ
ト1に形成された第1シャフト通路25と、これら両通
路24A,25を連通させるためにジャーナル2の周方
向に形成された第1ジャーナル溝26とからなってい
る。なお、上記通路はドレイン通路としても機能する。
【0020】この可変バルブタイミング装置では、エン
ジンの潤滑油圧がタイミングプーリアッシィ6へ供給さ
れる作動油圧として利用されている。すなわち、潤滑油
供給用の油圧回路27は、エンジンに連結された油圧供
給手段としてのオイルポンプ28、オイルパン29及び
図示しないオイルフィルタ等を備えている。また、オイ
ルポンプ28と第1ヘッド通路24Aとの間には、作動
油圧制御用の油圧制御弁30が設けられている。なお、
カムシャフト1には、その周方向に第2ジャーナル溝3
1が形成されているとともに、シリンダヘッド3に形成
された第2ヘッド通路24B等よりなり、前記作動油専
用通路23とは別経路の潤滑油専用通路が形成され、カ
ムシャフト1のジャーナル2に対し潤滑油が供給される
ようになっている。そして、エンジンの運転に連動して
オイルポンプ28が作動することにより、オイルポンプ
28から潤滑油が吸い上げられ、第2ヘッド通路24B
に潤滑油圧が供給されるとともに、油圧制御弁30を介
して第1ヘッド通路24Aに潤滑油圧が作動油圧として
供給される。
【0021】一方、前記負圧室21に対して負圧をかけ
るために、ベアリングキャップ5及びカムシャフト1に
は、ジャーナル2を経由し、カムシャフト1の内部を通
ってタイミングプーリアッシィ6に至る気圧専用通路3
2が形成されている。この気圧専用通路32はベアリン
グキャップ5に形成されたキャップ通路33と、カムシ
ャフト1に形成された第2シャフト通路34と、これら
両通路33,34を連通させるためにジャーナル2の周
方向に形成された第3ジャーナル溝35とからなってい
る。
【0022】この実施例において、エンジンの吸気系に
は吸気通路36に連通するサージタンク37が設けら
れ、同タンク37が吸気用開閉バルブ38を介してエン
ジン本体に連通可能となっている。サージタンク37の
上流側にて、吸気通路36にはスロットルバルブ39が
設けられている。このスロットルバルブ39の直下流側
位置には、同位置にて発生する負圧を得るための負圧ポ
ート36aが設けられている。そして、この負圧ポート
36aが、パイプ40a,40bを介してキャップ通路
33に連通可能となっている。
【0023】前記パイプ40a,40bの間には3方式
のバキュームスイッチングバルブ(VSV)41が設け
られている。また、このVSV41の残りのポートはパ
イプ40cを介してクランクケース42に連通可能とな
っている。そして、前記パイプ40a,40bを連通さ
せるようVSV41を切り換えることにより、負圧ポー
ト36aにて発生する負圧がVSV41及びパイプ40
bを介してキャップ通路33に作用する。一方、クラン
クケース42の内部はほぼ大気圧となっているので、パ
イプ40b,40cを連通させるようVSV41を切り
換えることにより、負圧に代わってクランクケース42
の大気圧がパイプ40b,40cを介してキャップ通路
33に作用する。
【0024】前記油圧制御弁30及びVSV41は、電
子制御装置(ECU)43に対して電気的に接続されて
いる。そして、この実施例において、ECU43は各種
センサの検出によって求められるエンジン負荷に応じた
バルブタイミングとなるよう油圧制御弁30及びVSV
41を好適に切換制御するようになっている。
【0025】次に、この可変バルブタイミング装置の作
用について説明する。今、図1の状態において、エンジ
ンによって駆動されるタイミングプーリアッシィ6によ
りカムシャフト1が回転駆動されているとき、例えば吸
気弁のバルブタイミングを遅れ側のタイミングとすべ
く、ECU43が油圧制御弁30を切換制御して開かせ
る。これにより、オイルポンプ28からの作動油圧は作
動油専用通路23を通じてタイミングプーリアッシィ6
の油圧室19に供給される。そして、リングギア17の
一端側に作動油圧が加えられ、同リングギア17は図2
に示すように、スプリング20の付勢力に抗して軸方向
(図中右方向)へ移動しながら回動される。
【0026】このとき、負圧ポート36a付近では負圧
が発生しているものとして、ECU43がパイプ40a
と40bを連通させるようにVSV41を切換える。こ
れにより、負圧ポート36a付近で生じた負圧が気圧専
用通路32を介してタイミングプーリアッシィ6の負圧
室21に作用する。そして、リングギア17の他端側に
負圧が作用し、リングギア17はより一層円滑に、か
つ、迅速に軸方向へ移動しながら回動される。
【0027】この結果、カムシャフト1には、タイミン
グプーリアッシィ6に対する捩りが付与され、カムシャ
フト1とタイミングプーリアッシィ6との回転方向にお
ける相対位置(回転位相)が迅速に変えられ、吸気バル
ブの作動タイミングが俊敏に変えられる。
【0028】また、リングギア17の内外周にはOリン
グ22A,22Bが設けられているので、リングギア1
7の移動の際には、油圧室19から負圧室21内に油が
洩れたり、逆に負圧室21から油圧室19に気体が洩れ
たりすることはない。さらに、このカムシャフト1の捩
りの際には、通常リングギア17にはバックラッシが生
じるのであるが、このガタツキは前記ビスカスカップリ
ング13の作用により緩衝されて異音の発生が抑制され
る。
【0029】前記リングギア17を元に戻す場合には、
ECU43が油圧制御弁30を閉じるように切換制御す
る。また、ECU43はパイプ40bと40cを連通さ
せるようにVSV41を切換制御する。これにより、油
圧室19内の作動油圧は作動油専用通路23を経てオイ
ルパン29へ戻される。これと同時に、負圧室21には
負圧ポート36aからの負圧に代わってクランクケース
42内からの大気圧が作用することになり、前記リング
ギア17はスプリング20の付勢力により速やかに元の
位置に戻される。従って、負圧がリングギア17の戻り
を阻害するような支障をきたすことがない。
【0030】以上詳述したように、この実施例では、前
記可変バルブタイミング装置作動時、すなわち、リング
ギア17を移動させる場合において、このリングギア1
7に対し油圧による押圧力を作動させるとともに、その
反対側からは押圧力と同方向へ負圧力を作用させるよう
にしている。従って、従来例のようにリングギア55の
両脇に対する油圧力の作用を切換えるようにしたものと
は異なり、本実施例では、リングギア17の一端側に移
動抵抗となる背圧が作用することはなく、むしろ負圧力
により移動が助長される。その結果、リングギア17は
迅速に移動し、可変バルブタイミング装置としての作動
応答性を向上させることができる。
【0031】また、この実施例では負圧室21内に負圧
を作用させるために、スロットルバルブ39直下流の負
圧ポート36aで発生する負圧を利用しているので、作
動応答性改善のためにエンジンオイルポンプとは別に負
圧を発生させるような手段を設ける必要がなく、既存の
エンジンシステムに対し大幅に手を加える必要がない。
【0032】また、パイプ40a,40b,40c等を
空気通路としていることから、油をはじめとする液体の
ような粘性の影響を無視できるとともに、温度変化によ
る影響も受けることはない。しかも、パイプ40a,4
0b,40c等の孔径は液体に対するよりも細くするこ
とができる。従って、スペースの効率化を図ることがで
きるとともに、コストの低減を図ることができる。
【0033】さらに、エンジン回転数の低いアイドリン
グ時には、オイルポンプ28の吐出圧も低いのである
が、この実施例においては、エンジン回転数が低い状態
ほど負圧ポート36aにて発生する負圧が大きくなる。
従って、リングギア17を移動方向へ引く力も大きくな
り、リングギア17を押すための作動油圧が低くても充
分な移動力が得られ、このため、リングギア17の移動
に対してエンジン回転数の高低がほとんど影響を及ぼす
ことがない。従って、この可変バルブタイミング装置に
おいては、いかなるエンジン回転数であっても常にほぼ
同じような作動応答性を期待することができる。
【0034】ここで、本実施例にかかわる実験例を示
す。アイドリング状態での作動油圧を0.5kg/cm2
負圧ポート36aにて発生する負圧を−200mmHgとす
ると、リングギア17には、さらに0.25kg/cm2
作動力が加勢され、負圧による効果の大きいことがわか
る。
【0035】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成
の一部を適宜変更することもできる。例えば、前記収容
凹部8内に図示しないストッパを設け、リングギア17
を任意の中間位置で停止させるようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明の可変バ
ルブタイミング装置によれば第1の圧力室を油圧供給源
に対し連通可能とするとともに、第2の圧力室を吸気通
路に対し連通可能とし、リングギアに油圧を作動させる
際に、反対方向から負圧を作用させるようにしたので、
油圧による押圧力にさらに負圧が加勢され、リングギア
の移動速度を速くすることができ、もって可変バルブタ
イミング装置としての作動応答性を向上させることがで
きるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を具体化した一実施例における可変バ
ルブタイミング装置を説明する概略構成図である。
【図2】一実施例において図1の作用を示す可変バルブ
タイミング装置の概略構成図である。
【図3】従来の可変バルブタイミング装置を示す部分断
面図である。
【符号の説明】
1…カムシャフト、3…シリンダヘッド、6…タイミン
グプーリアッシィ、17…リングギア、17a,17b
…歯、19…第1の圧力室としての油圧室、21…第2
の圧力室としての負圧室、28…油圧供給源としてのオ
イルポンプ、36…吸気通路、39…スロットルバル
ブ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 エンジンのシリンダヘッドにて回転可能
    に支持されたバルブ駆動用のカムシャフトと、 前記カムシャフトの一端部に設けられ、前記エンジンに
    駆動連結されたタイミングプーリアッシィと、 内外周に設けられた歯の少なくともいずれか一方がヘリ
    カル歯であり、前記カムシャフトと前記タイミングプー
    リアッシィとの間に介在されて両者を連結するリングギ
    アとを備え、前記リングギアの軸方向の両脇に形成され
    た第1及び第2の圧力室の圧力変化に応じ、前記リング
    ギアが軸方向に移動し、前記タイミングプーリとカムシ
    ャフトとが相対回動することにより、バルブタイミング
    が変更される可変バルブタイミング装置において、 前記両圧力室のうち、第1の圧力室を油圧供給源に連通
    可能に設けるとともに、第2の圧力室をスロットルバル
    ブ下流の吸気通路に対し連通可能に設け、バルブタイミ
    ング変更のためにリングギアを移動させるときには、前
    記両圧力室を通じて前記リングギアの両脇に油圧及び吸
    気負圧をそれぞれ同時に作用させるようにしたことを特
    徴とする可変バルブタイミング装置。
JP17995791A 1991-07-19 1991-07-19 可変バルブタイミング装置 Pending JPH0526012A (ja)

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