JPH05259514A - 熱電装置、その製造方法及び製造装置 - Google Patents

熱電装置、その製造方法及び製造装置

Info

Publication number
JPH05259514A
JPH05259514A JP4058247A JP5824792A JPH05259514A JP H05259514 A JPH05259514 A JP H05259514A JP 4058247 A JP4058247 A JP 4058247A JP 5824792 A JP5824792 A JP 5824792A JP H05259514 A JPH05259514 A JP H05259514A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
etching
shausen
magnetic
magnetic thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4058247A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Nakagiri
康司 中桐
Yoshiaki Yamamoto
義明 山本
Hisaaki Gyoten
久朗 行天
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP4058247A priority Critical patent/JPH05259514A/ja
Publication of JPH05259514A publication Critical patent/JPH05259514A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造コストを大幅に低減することができ、小
型化が可能であり、高効率で、湾曲面への利用が可能で
あり、生産性を向上することができる熱電装置、その製
造方法及び製造装置を提供すること。 【構成】 絶縁性管状基板4と、その絶縁性管状基板4
の表面上に所定の間隔をおいて螺旋帯状に形成されたエ
ッチングスハウゼン素子薄膜6と、エッチングスハウゼ
ン素子薄膜6の間に帯状に形成され、絶縁性管状基板4
の軸方向に磁化された磁性薄膜5と、エッチングスハウ
ゼン素子薄膜6中を磁性薄膜5により発生した磁場方向
に実質上垂直な方向に電流が流れるように、エッチング
スハウゼン素子薄膜6の所定の場所に接続された電極
7,8とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気的に冷房もしくは
暖房を行なう空調装置、または冷蔵庫等に用いる、熱電
素子と磁石を使用し、エッチングスハウゼン効果を利用
した熱電装置、その製造方法及び製造装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】 従来、磁場をかけて電気
を熱に変換、もしくはその逆を行うエッチングスハウゼ
ン熱電変換素子は、例えば図6に示すように、特開昭6
3−257282に示されている。図において、台形状
のエッチングスハウゼン素子1はN極とS極が向かい合
って配置された磁石2に挟まれており、これが絶縁台3
上に設置されている。エッチングスハウゼン効果は、Y
方向に磁束密度Byの磁場がかかっている場合に、エッ
チングスハウゼン素子1に電流Ixを、その磁場と垂直
な方向のX方向に流すと、Z方向に温度勾配が生じるも
のである。
【0003】また、このようなエッチングスハウゼン熱
電変換素子の製造方法は以下のように行われている。ま
ず、エッチングスハウゼン素子材料としてBi元素やB
i−Sb合金等を用いて、溶融、焼成等の手段を用いて
所定の形状に成形する。このようにして得られたエッチ
ングスハウゼン素子1と磁石2を絶縁台3上に設置す
る。
【0004】このようにして製造したエッチングスハウ
ゼン熱電変換素子のX軸方向に電流を流すことによりZ
軸方向の上下面で冷却および発熱を行うことができる。
そして冷却能力の拡大は、素子数を増加させることによ
り行い、冷却部と発熱部の温度差の拡大は、それらを多
段に積層することによって行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成の場合、 (a)上記従来例に示すバルク物質の形状をしたエッチ
ングスハウゼン熱電変換素子では、湾曲した部分を冷却
することが難しい。
【0006】また、素子の並列、積層により物体の加
熱、冷却を行う場合に、 (b)電流値に対して電圧値を大きくとるためには、素
子を直列に電気的に接続することが必要であるが、それ
ぞれの素子の電流方向を磁場に対して一定にしながら直
列に電気的連結を行うことが困難である。 (c)デバイスが大型化してしまう。 (d)熱的に良好な接触が得られにくく効率が悪くな
る。
【0007】また、このような製造方法の場合は、 (e)製造工程が連続的ではなく、素子や個々の部品を
それぞれ作製して組み立てるので、大量に製造する場
合、時間と手間がかかり、製造コストを下げられない。 (f)エッチングスハウゼン素子材料にとって性能を高
くするために、磁場方向に対するエッチングスハウゼン
素子材料結晶の結晶軸方向をそろえる場合に、簡便で時
間のかからない製造方法をとることが困難である。
【0008】従って、従来のエッチングスハウゼン素子
を用いる方法は、装置が大型化し、湾曲面への利用が難
しく、効率が悪く、生産性が低く、製造コストが高いと
いう課題がある。
【0009】本発明は、従来のこのような課題を考慮
し、製造コストを大幅に低減することができ、小型化が
可能であり、高効率で、湾曲面への利用が可能であり、
生産性を向上することができる熱電装置、その製造方法
及び製造装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、絶
縁性基板と、その絶縁性基板の面上に、所定の隙間離れ
て形成され、所定の方向に磁化された磁性薄膜と、それ
ら磁性薄膜の所定の隙間に形成されたエッチングスハウ
ゼン素子薄膜と、磁性薄膜の磁化方向と実質上直交する
方向に電流を流すために、そのエッチングスハウゼン素
子薄膜の所定の場所に接続された電極とを備えた熱電装
置である。
【0011】請求項2の本発明は、絶縁性基板上に、磁
性薄膜を所定の隙間離して形成する工程と、それら磁性
薄膜を所定の方向に磁化する工程と、磁性薄膜の所定の
隙間に、エッチングスハウゼン素子薄膜を形成する工程
と、磁性薄膜の磁化方向と実質上直交する方向に電流を
流すために、そのエッチングスハウゼン素子薄膜の所定
の場所に電極を接続する工程とを備えた熱電装置の製造
方法である。
【0012】請求項3の本発明は、絶縁性管状基板と、
その絶縁性管状基板の表面上に所定の間隔をおいて螺旋
帯状に形成されたエッチングスハウゼン素子薄膜と、そ
れらエッチングスハウゼン素子薄膜の間の絶縁性管状基
板上に帯状に形成され、絶縁性管状基板の軸方向に磁化
された磁性薄膜と、エッチングスハウゼン素子薄膜中を
磁性薄膜により発生した磁場方向に実質上垂直な方向に
電流が流れるように、エッチングスハウゼン素子薄膜の
所定の場所に接続された電極とを備えた熱電装置であ
る。
【0013】請求項5の本発明は、絶縁性管状基板の表
面に、絶縁性管状基板を軸方向への移動と軸周りの回転
を同時に行いながら、磁性薄膜を所定間隔で帯状に形成
する工程と、絶縁性管状基板の軸方向に磁性薄膜を磁化
させる工程と、磁性薄膜が形成されている絶縁性管状基
板を軸方向への移動と軸周りの回転を同時に行いなが
ら、エッチングスハウゼン素子薄膜を磁性薄膜の間に螺
旋帯状に形成する工程と、エッチングスハウゼン素子薄
膜中を磁性薄膜により発生した磁場方向に実質上垂直な
方向に電流が流れるように、エッチングスハウゼン素子
薄膜の所定の場所に金属電極を形成する工程とを備えた
熱電装置の製造方法である。
【0014】請求項6の本発明は、真空容器中で絶縁性
管状基板を軸方向への移動と軸周りの回転を同時に行え
る機構と、エッチングスハウゼン素子用材料、磁性材料
を蒸発させる機構と、絶縁性管状基板の一部にそれら材
料の蒸発粒子を到達させるためのスリットをもつマスク
と、磁性材料によって形成された磁性薄膜を絶縁性管状
基板の軸方向に磁化させる電磁石を備えた熱電装置の製
造装置である。
【0015】
【作用】請求項1、2の本発明は、エッチングスハウゼ
ン素子薄膜の所定の場所に接続された電極間に、所定の
方向に磁化された磁性薄膜の磁化方向と実質上直交する
方向に電流を流すことにより、絶縁性基板の表と裏の面
に温度差が生じる。
【0016】請求項3、5の本発明は、エッチングスハ
ウゼン素子薄膜の所定の場所に接続された電極間に、磁
化された磁性薄膜で発生する磁場方向に実質上垂直な方
向に電流を流すことにより、絶縁性管状基板の内側と外
側に温度差が生じる。
【0017】請求項6の本発明は、真空容器中で絶縁性
管状基板を軸方向への移動と軸周りの回転を同時に行な
い、エッチングスハウゼン素子用材料、磁性材料を蒸発
させ、スリットを持つマスクが、絶縁性管状基板の一部
にそれら材料の蒸発粒子を到達させ、絶縁性管状基板の
表面に帯状のエッチングスハウゼン素子薄膜及び磁性薄
膜を交互に形成し、電磁石が、形成された磁性薄膜を絶
縁性管状基板の軸方向に磁化させる。
【0018】
【実施例】以下に、本発明をその実施例を示す図面に基
づいて説明する。
【0019】(実施例1)図1は、本発明にかかる第1
の実施例における熱電装置の斜視図である。すなわち、
電気絶縁性円筒状基板4の外表面には、螺旋帯状(半周
毎に分割されている)の磁化されたFe薄膜5と螺旋帯状
のBi88Sb12薄膜6が交互に縞状に付着されている。さら
に、金属電極7、8が、Fe薄膜5と接触せず、Bi88Sb12
薄膜6中を電気的導通ができるように、Bi88Sb12薄膜6
の両端部にそれぞれ設置されている。もちろん、電気絶
縁性円筒状基板4の図1の裏側にあたる外表面にも螺旋
帯状の一部の磁化されたFe薄膜(図示せず)とBi88Sb12
薄膜(図示せず)とが同様に形成されている。又、それ
ぞれのFe薄膜は電気絶縁性円筒状基板4の軸方向に磁化
され、その磁場の方向がBi88Sb12薄膜6を流れる電流の
方向とほぼ直交するようになっている。
【0020】次に上記実施例の動作について説明する。
【0021】以上のような構成において、金属電極7と
金属電極8の間に直流電流を流すと、エッチングスハウ
ゼン効果によりBi88Sb12薄膜6の表裏に温度差をつける
ことができる。この場合Fe薄膜5による磁場の向きに対
して、どのBi88Sb12薄膜6の電流も直交して同方向に流
れているので、それぞれの表裏には同じように高温部と
低温部ができる。つまり、電気絶縁性円筒状基板4の内
部と外部に温度差をつけることになる。流す電気の方向
や電流値を制御することにより、円筒内部に存在する流
体の加熱もしくは冷却を行うことができる。また、逆に
円筒内部と外部に温度差をつけることによって金属電極
7、8間に電圧を発生させることも可能である。
【0022】上記実施例における効果は、次の通りであ
る。 (ア) 構造上、円筒部材の内部に流体を流した場合に流体
の加熱、冷却を行うことが可能となる。 (イ) コンパクトなスペースに、電極間に存在するエッチ
ングスハウゼン素子薄膜を細長く設置することができる
ので、電流値に対して電圧値を大きく取ることができ
る。 (ウ) 真空製膜プロセスを用いて連続的、大量に製造を行
うことができる。 (エ) 電気絶縁性円筒状基板に薄膜を直接的に付着させて
いるので、熱的な接触が良好である。 (オ) 製膜条件を制御し、Bi88Sb12における菱面体型結晶
格子のバイセクトリクス(bisectrix)軸を磁場の向きと
平行になるように結晶成長面を優先的に配向させること
により、磁気ゼーベック係数を高くし、高効率の出力を
得ることも可能となる。これは結晶軸の方向の揃った結
晶製の基板上に真空蒸着により薄膜を形成させることに
よって達成でき、その際基板温度を高めるとさらにその
効果がある。 (カ) 円筒径の違う同様の熱電装置を重ねることにより温
度差の拡大を図ることができる。
【0023】以上のように電気絶縁性基板上に設けられ
たエッチングスハウゼン素子薄膜と薄膜磁石を用いた構
成であるため、それらを多重に形成した場合でもデバイ
スを小型にすることが出来き、また積層、並列等の装置
の複合化を行うことにより、冷却能力を拡大できるとい
うような効果が期待できる。更に用いる材料も非常に少
なくて済み、コストが低減できるという効果が期待でき
る。
【0024】なお、上記実施例では、絶縁性基板に円筒
状基板を用いたが、これに限らず、例えば平面基板、波
板状基板などであってもよい。その場合に、エッチング
スハウゼン素子薄膜及び磁性薄膜をそれぞれ別の絶縁性
基板上に形成して後、それぞれの絶縁性基板を接合する
ようにしてもよい。
【0025】また、上記実施例では、エッチングスハウ
ゼン素子薄膜及び磁性薄膜を絶縁性円筒状基板4上に直
接形成したが、これに代えて、エッチングスハウゼン素
子薄膜又は磁性薄膜、あるいはそれら両者をフィルム状
の絶縁性基板に形成させ、そのフィルムを円筒状基板に
巻き付けるようにして構成もよい。
【0026】また、上記実施例では、磁性薄膜を円筒状
基板の半周毎に分割した帯状に形成したが、これに限ら
ず、連続した螺旋帯状であってもよく、あるいはもっと
短く分割するようにしてもよい。要するにエッチングス
ハウゼン素子薄膜を流れる電流の方向に対して、磁性薄
膜によってできる磁場の方向ができるだけ垂直に交差す
るように形成すればよい。例えば連続した螺旋帯状の場
合、フィルム状に形成した磁性薄膜を円筒状基板に巻き
付ける前に、その磁性薄膜をまっすぐに延ばした状態
で、短手方向に磁化を行い、その磁化された磁性薄膜を
円筒状基板に巻き付けて形成すればよい。
【0027】また、上記実施例で用いる電気絶縁性円筒
状基板4は、正確な円筒形状である必要はなく、回転軸
を持っている形状であればよく、材質に関しては電気絶
縁性で高熱伝導性のものが望ましい。
【0028】(実施例2)図2(a)は、本発明にかか
る第2の実施例の熱電装置の正面図、同図(b)は、そ
の側面図である。すなわち、電気絶縁性U字型円筒状基
板9の外表面には、螺旋帯状(第1の実施例と同様半周
毎に分割されている)の磁化されたFe薄膜10と螺旋帯
状Bi88Sb12薄膜11が交互に縞状に付着されている。さ
らに、金属電極12、13が、Fe薄膜10と接触せず、
Bi88Sb12薄膜11中を電気的導通ができるように、Bi88
Sb12薄膜6の両端部にそれぞれ設置されている。
【0029】次に上記実施例の動作について説明する。
【0030】以上のような構成において、金属電極12
と金属電極13の間に直流電流を流すことにより、Bi88
Sb12薄膜11の表裏に温度差をつけることができる。こ
の場合、Fe薄膜10による磁場の向きに対して、それぞ
れのBi88Sb12薄膜11中を、直交した電流が同方向に流
れているので、第1の実施例と同様それぞれの表裏には
同じように高温部と低温部ができる。つまり、U字型円
筒状基板9の内部と外部に温度差をつけることができ
る。
【0031】上記実施例における効果は、上述の第1の
実施例に加えて次のものがある。 (キ) 特殊な形状をしている管状部材に対しても、上記の
ようにエッチングスハウゼン素子薄膜と磁性薄膜を形成
し、電流を流すことにより前述の円筒状熱電装置と同様
に、管の内部と外部に温度差をつけることができる。
【0032】(実施例3)図3は、本発明にかかる第3
の実施例の熱電装置の略示構成図である。すなわち、第
1の実施例で示した円筒状熱電装置14が並列に配置さ
れ、これらの並列に配置された円筒の開口部は、第2の
実施例で示したU字型熱電装置(図示せず)により連結
されている。さらに、それぞれのエッチングスハウゼン
素子薄膜の電極端子15は、電源制御ボックス16の各
電極に接続されている。
【0033】以上のような構成において、配管中に矢印
の向きに流体を流しながら、電源制御を行うことによ
り、流体を多段的に冷却もしくは加熱を行うことが可能
となる。
【0034】上記実施例における効果は、前述の第2の
実施例に加えて次のものがある。 (ク) コンパクトなスペースで効率よく流体の加熱、冷却
を行うことができる。 (ケ)流体の温度変化と対応させながらそれぞれの円筒状
熱電装置に流す電流値を変えることにより、電力消費の
無駄がなくなる。 (コ) エッチングスハウゼン効果の効率は使用した材料の
作動温度によるので、流体の温度変化に沿って、それぞ
れの円筒状熱電装置に使用するエッチングスハウゼン材
料の種類をその温度に適するように変えて並列にするこ
とにより、加熱もしくは冷却の効果をより大きくとるこ
とができる。例えば高温で作動させるのに適した材料と
してはBi2(Se,Te)3、低温には前述のBi88Sb12が好まし
い。
【0035】なお、上記第3の実施例では、円筒状熱電
装置を並列に配置したが、これに限らず、設置場所に応
じて円筒状熱電装置を直列に配置してそれぞれの円筒状
熱電装置に流す電流値の制御をしても勿論よい。
【0036】(実施例4)図4は、本発明にかかる第4
の実施例における熱電装置の製造装置の略示構成図であ
る。すなわち、電気絶縁性円筒状基板17は、シャフト
18に固定されており、シャフト駆動部19の駆動によ
って、シャフト18の軸方向に沿った前進とシャフト1
8の軸周りの回転を同時に行うことができる。電気絶縁
性円筒状基板17の下方には、坩堝20及び坩堝21が
回転台22上に設けられ、その坩堝20にはエッチング
スハウゼン薄膜用材料(図示せず)が収納され、坩堝2
1には磁性薄膜用材料(図示せず)が収納されている、
それら坩堝20,21を加熱することにより、それらの
蒸発粒子が発生し、電気絶縁性円筒状基板17に蒸着が
行えるようになっている。又回転台22は、回転台駆動
部23により回転され、電気絶縁性円筒状基板17と回
転台22の間に配置されたシャッター24とマスク25
の下方に、坩堝20又は坩堝21を配置させ、それぞれ
の材料を独立に、電気絶縁性円筒状基板17表面に蒸着
することができる。
【0037】さらに、電気絶縁性円筒状基板17に形成
された磁性薄膜を磁化するために、電磁石27,28が
上下方向に移動可能なように配置され、それら電磁石2
7,28には電磁石用電源26が接続されている。又電
磁石27,28は、シャフト18によって妨げられるこ
となく円筒状基板17を挟み込むことができる構造とな
っている。また、上記の機構はすべて高真空を保つこと
ができる真空容器(図示せず)の中に設置され、さら
に、シャフト駆動部19、回転台駆動部23などの全て
の装置の動作を制御するコントロール部29が真空容器
(図示せず)外に設置されている。
【0038】次に上記構成の製造装置による、熱電装置
の製造方法について図5(a)〜(d)を併用しながら
説明する。
【0039】まず、電気絶縁性円筒状基板17をシャフ
ト18に固定し、坩堝20にエッチングスハウゼン素子
薄膜用材料を供給し、坩堝21に磁性薄膜用材料を供給
して、真空容器の真空排気(真空度10-5〜10-7To
rr)を行う。
【0040】続いて、シャッター24を閉じておいて磁
性薄膜用材料が挿入されている坩堝21を、回転台22
を回転させてシャッター24とマスク25の下部の位置
に移動し、そこで停止させて加熱を行う。坩堝21が蒸
着の行える所定温度まで加熱されたら、シャッター24
を開き、シャフト18の回転および前進駆動を行い電気
絶縁性円筒状基板17の移動及び回転を開始する。そし
て、シャッター24とマスク25中のスリット部分を通
して螺旋帯状(半周毎に分割するため、半周毎に一定時
間シャッターを閉める)に蒸着を行う。そうすると、図
5(a)に示すように、電気絶縁性円筒状基板17の外
表面に磁性薄膜30を螺旋帯状に所定の間隔を確保しな
がら形成できる。
【0041】次に、シャッター24を閉じ、シャフト駆
動部19を操作して、磁性薄膜30が付着された円筒状
基板17を電磁石27、28の位置まで移動する。電気
絶縁性円筒状基板17を所定位置で停止させた後、電磁
石27、28を下方に移動して電気絶縁性円筒状基板1
7を挟み込み、図5(b)に示すように、電磁石用電源
26により電磁石27、28間に強磁場を発生させて磁
性薄膜30を軸方向に磁化する。
【0042】磁性薄膜30が磁化された後、電磁石用電
源26を停止して電磁石27、28を上方に移動させ、
電気絶縁性円筒状基板17を再び最初の位置に復帰させ
る。次に、回転台駆動部23により回転台22を回転さ
せ、エッチングスハウゼン薄膜用材料が挿入されている
坩堝20をシャッター24とマスク25の下部まで移動
させて加熱を行う。坩堝20が蒸着の行える所定温度ま
で加熱されたら、シャッター24を開き、先ほどと同様
にシャフト18の回転および前進駆動を行い、電気絶縁
性円筒状基板17の移動及び回転を開始する。そして、
シャッター24とマスク25中のスリット部分を通して
螺旋帯状に蒸着を行う。そうすると図5(c)に示すよ
うに、エッチングスハウゼン素子薄膜31が、磁化され
た磁性薄膜30の間に螺旋帯状に所定の間隔を確保しな
がら形成される。この場合、磁性薄膜30とエッチング
スハウゼン素子薄膜31の膜厚はほぼ同程度とすること
が望ましい。これらの工程はコントロール部29によっ
て全自動または半自動で行うことができる。
【0043】最後に真空容器(図示せず)外に電気絶縁
性円筒状基板17を取り出し、図5(d)に示すよう
に、金属電極32、33を磁性薄膜30と接触させずに
エッチングスハウゼン素子薄膜31の両端に接続する。
【0044】以上のような工程の製造方法の結果、第1
の実施例で示した熱電装置を連続工程により作製するこ
とが可能となる。
【0045】このように本実施例の製造方法では、エッ
チングスハウゼン素子薄膜を電気絶縁性円筒状基板の表
面に直接的に形成する製造方法としている。したがって
従来の製造方法と比較して準備が簡便で、また熱電装置
完成までの工程も少なく、使用する金属の量も非常にわ
ずかで済ますことが可能となる。この結果、熱電装置の
生産性が大きく向上し、コストの低減を図ることが可能
となる。
【0046】なお、上記いずれの実施例においても、エ
ッチングスハウゼン素子薄膜としては、Bi88Sb12やBi
2(Se,Te)3に限定されることはなく、他の金属または半
導体、例えばHgTe、HgSe、ヒ化カドミウム等、エッチン
グスハウゼン効果を示す材料が使用可能であることは言
うまでもない。
【0047】また、上記実施例では、磁性薄膜としてFe
を用いたが、これに限定されることはなく、例えばCr,M
n,Co,Ni等の3d遷移金属やNi-Fe,Cu-Ni,Pd-Ni等の合金
等の磁化されて磁石となり得る材料が使用可能である。
【0048】また、上記実施例では、エッチングスハウ
ゼン素子薄膜および磁性薄膜の作製方法を坩堝の加熱蒸
着としたが、これに限らず、例えばEB加熱法、スパッ
タ法、ICB法等の方法を用いても構わない。
【0049】また、上記実施例では、エッチングスハウ
ゼン素子薄膜用材料及び磁性薄膜材料をそれぞれ別に蒸
着させたが、これに限らず、2種類以上の材料の同時蒸
着としてもよい。
【0050】また、上記実施例では、坩堝部は回転方式
であったが、これに代えて、例えば直線的に移動させる
方法、あるいは又、坩堝部を固定しシャッターを切り換
える方法を用いてもよい。
【0051】また、上記実施例では、磁性薄膜の形成工
程後にエッチングスハウゼン素子薄膜の形成工程を行っ
たが、これに限らず、工程を逆にしてもよい。あるいは
又、磁性薄膜の磁化の工程を、磁性薄膜の形成工程及び
エッチングスハウゼン素子薄膜の形成工程の終了後に行
うようにしてもよい。要するに可能な範囲で各工程の順
序は問わない。
【0052】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、製造コストを大幅に低減することができ、小型
化が可能であり、高効率で、湾曲面への利用が可能であ
り、生産性を向上することができるという長所を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1の実施例における熱電装置
の斜視図である。
【図2】同図(a)は、本発明にかかる第2の実施例に
おける熱電装置の正面図、同図(b)は、その側面図で
ある。
【図3】本発明にかかる第3の実施例における熱電装置
の略示構成図である。
【図4】本発明にかかる第4の実施例における熱電装置
の製造装置の略示構成図である。
【図5】同図(a)、(b)、(c)及び(d)は、第
4の実施例の熱電装置の製造装置による製造方法の工程
図である。
【図6】従来の熱電装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 エッチングスハウゼン素子 2 磁石 3 絶縁台 4、17 電気絶縁性円筒状基板 5、10、30 Fe薄膜 6、11、31 Bi88Sb12薄膜 7、8、12、13、32、33 金属電極 20、21 坩堝 22 回転台 24 シャッター 25 マスク 27、28 電磁石 29 コントロール部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板と、その絶縁性基板の面上
    に、所定の隙間離れて形成され、所定の方向に磁化され
    た磁性薄膜と、それら磁性薄膜の前記所定の隙間に形成
    されたエッチングスハウゼン素子薄膜と、前記磁性薄膜
    の磁化方向と実質上直交する方向に電流を流すために、
    そのエッチングスハウゼン素子薄膜の所定の場所に接続
    された電極とを備えたことを特徴とする熱電装置。
  2. 【請求項2】 絶縁性基板上に、磁性薄膜を所定の隙間
    離して形成する工程と、それら磁性薄膜を所定の方向に
    磁化する工程と、前記磁性薄膜の前記所定の隙間に、エ
    ッチングスハウゼン素子薄膜を形成する工程と、前記磁
    性薄膜の磁化方向と実質上直交する方向に電流を流すた
    めに、そのエッチングスハウゼン素子薄膜の所定の場所
    に電極を接続する工程とを備えたことを特徴とする熱電
    装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 絶縁性管状基板と、その絶縁性管状基板
    の表面上に所定の間隔をおいて螺旋帯状に形成されたエ
    ッチングスハウゼン素子薄膜と、それらエッチングスハ
    ウゼン素子薄膜の間の前記絶縁性管状基板上に帯状に形
    成され、前記絶縁性管状基板の軸方向に磁化された磁性
    薄膜と、前記エッチングスハウゼン素子薄膜中を前記磁
    性薄膜により発生した磁場方向に実質上垂直な方向に電
    流が流れるように、前記エッチングスハウゼン素子薄膜
    の所定の場所に接続された電極とを備えたことを特徴と
    する熱電装置。
  4. 【請求項4】 エッチングスハウゼン素子薄膜は、前記
    基板面に対してある特定の結晶面を優先的に配向させた
    ことを特徴とする請求項1又は3記載の熱電装置。
  5. 【請求項5】 絶縁性管状基板の表面に、前記絶縁性管
    状基板を軸方向への移動と軸周りの回転を同時に行いな
    がら、磁性薄膜を所定間隔で帯状に形成する工程と、前
    記絶縁性管状基板の軸方向に前記磁性薄膜を磁化させる
    工程と、前記磁性薄膜が形成されている前記絶縁性管状
    基板を軸方向への移動と軸周りの回転を同時に行いなが
    ら、エッチングスハウゼン素子薄膜を前記磁性薄膜の間
    に螺旋帯状に形成する工程と、前記エッチングスハウゼ
    ン素子薄膜中を前記磁性薄膜により発生した磁場方向に
    実質上垂直な方向に電流が流れるように、前記エッチン
    グスハウゼン素子薄膜の所定の場所に金属電極を形成す
    る工程とを備えたことを特徴とする熱電装置の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 真空容器中で絶縁性管状基板を軸方向へ
    の移動と軸周りの回転を同時に行える機構と、エッチン
    グスハウゼン素子用材料、磁性材料を蒸発させる機構
    と、前記絶縁性管状基板の一部にそれら材料の蒸発粒子
    を到達させるためのスリットをもつマスクと、前記磁性
    材料によって形成された磁性薄膜を前記絶縁性管状基板
    の軸方向に磁化させる電磁石を備えたことを特徴とする
    熱電装置の製造装置。
JP4058247A 1992-03-16 1992-03-16 熱電装置、その製造方法及び製造装置 Pending JPH05259514A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4058247A JPH05259514A (ja) 1992-03-16 1992-03-16 熱電装置、その製造方法及び製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4058247A JPH05259514A (ja) 1992-03-16 1992-03-16 熱電装置、その製造方法及び製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05259514A true JPH05259514A (ja) 1993-10-08

Family

ID=13078798

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4058247A Pending JPH05259514A (ja) 1992-03-16 1992-03-16 熱電装置、その製造方法及び製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05259514A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002017406A1 (fr) * 2000-08-24 2002-02-28 Sumitomo Special Metals Co., Ltd. Matiere de conversion thermoelectrique du groupe bi et element de conversion thermoelectrique
EP1899659A1 (en) * 2005-06-24 2008-03-19 Carrier Corporation A combination thermo-electric and magnetic refrigeration system
WO2012049790A1 (ja) * 2010-10-13 2012-04-19 パナソニック株式会社 ガスセンサとこれを用いて流体に含有されるガスを検出する方法および流体に含有されるガスの濃度を測定する方法、ガス検出器ならびにガス濃度測定器
WO2022176966A1 (ja) * 2021-02-17 2022-08-25 国立大学法人東京大学 熱電装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002017406A1 (fr) * 2000-08-24 2002-02-28 Sumitomo Special Metals Co., Ltd. Matiere de conversion thermoelectrique du groupe bi et element de conversion thermoelectrique
EP1899659A1 (en) * 2005-06-24 2008-03-19 Carrier Corporation A combination thermo-electric and magnetic refrigeration system
EP1899659A4 (en) * 2005-06-24 2009-03-04 Carrier Corp COMBINED THERMO ELECTRICAL AND MAGNETIC COOLING SYSTEM
WO2012049790A1 (ja) * 2010-10-13 2012-04-19 パナソニック株式会社 ガスセンサとこれを用いて流体に含有されるガスを検出する方法および流体に含有されるガスの濃度を測定する方法、ガス検出器ならびにガス濃度測定器
JP4942859B1 (ja) * 2010-10-13 2012-05-30 パナソニック株式会社 ガスセンサとこれを用いて流体に含有されるガスを検出する方法および流体に含有されるガスの濃度を測定する方法、ガス検出器ならびにガス濃度測定器
US8646310B2 (en) 2010-10-13 2014-02-11 Panasonic Corporation Method for detecting a gas contained in a fluid with use of a gas sensor
WO2022176966A1 (ja) * 2021-02-17 2022-08-25 国立大学法人東京大学 熱電装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0496530B1 (en) A static magnetic refrigerator
JP4622179B2 (ja) 磁気冷凍作業物質および蓄冷式熱交換器ならびに磁気冷凍装置
US6096965A (en) Quantum well thermoelectric material on organic substrate
WO2013029328A1 (zh) 一种摆动式室温磁制冷机
US20120031109A1 (en) Magnetocaloric refrigerator
CA2622221C (en) Superconducting systems
CN105190200A (zh) 用于磁冷却装置的转动式磁屏蔽系统
JP2009500843A (ja) 永久電流用超伝導磁石及びその製造方法
JPH09107129A (ja) 半導体素子及びその製造方法
JP2008544200A (ja) 連続回転磁気冷凍機またはヒートポンプ
US20100269879A1 (en) Low-cost quantum well thermoelectric egg-crate module
JPH05259514A (ja) 熱電装置、その製造方法及び製造装置
Polash et al. Infinite-stage Nernst-Ettingshausen cryocooler for practical applications
JPS6326312B2 (ja)
JPH02299482A (ja) 発電方法及び発電装置
JP4089281B2 (ja) 磁気冷凍作業物質および蓄冷式熱交換器ならびに磁気冷凍装置
JPH03295281A (ja) 熱電装置及びその製造方法
KR102026972B1 (ko) 서멀 링크
JPH1197766A (ja) 強磁性トンネル接合素子
JP2512213B2 (ja) 熱電装置およびその製造方法
JPH04206884A (ja) 熱電装置及びその製造方法
JPH04242901A (ja) 磁気冷凍用磁性体材料
JP5884431B2 (ja) 磁気冷暖房装置
US20190355892A1 (en) Apparatus and method for converting thermal energy into electrical energy
JPH02198181A (ja) 熱電素子の製造方法