JPH05258376A - 光磁気記録方法及び装置 - Google Patents

光磁気記録方法及び装置

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JPH05258376A
JPH05258376A JP5289392A JP5289392A JPH05258376A JP H05258376 A JPH05258376 A JP H05258376A JP 5289392 A JP5289392 A JP 5289392A JP 5289392 A JP5289392 A JP 5289392A JP H05258376 A JPH05258376 A JP H05258376A
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magnetic
film
recording medium
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Application number
JP5289392A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Onishi
良彦 大西
Motoharu Sato
元治 佐藤
Masahito Otsu
雅人 大津
Takayuki Hirano
貴之 平野
Shinichi Manabe
伸一 真鍋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来に比して高密度で情報を記憶しこの情報
を高S/N比で再生することができる光磁気記録方法及
び装置を提供することを目的とする。 【構成】 記録媒体1には第1の磁性膜及びこの第1の
磁性膜上に形成された第2の磁性膜が設けられており、
第2の磁性膜にはトラッキングデータが記録される。記
録媒体1に情報を記録する場合は、記録媒体1を回転さ
せることにより磁気ヘッド3に発生するトラッキング信
号に基づいて、磁気ヘッド3を所定のトラック上に移動
させ、磁気ヘッド3から記録媒体1に磁場を印加する。
この場合に、情報の記録周波数をトラッキングデータの
記録周波数に比して十分に高く設定しておくことによ
り、情報記録時におけるトラッキングデータの消去を回
避することができる。また、記録媒体1に記録された情
報は、カー効果及びファラデー効果等の磁気光学効果を
利用して、再生用光学ヘッド4により行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータ等のOA
(オフィスオートメーション)機器の情報記憶端末装置
として使用される光磁気記録装置において、情報の高密
度記録に好適の光磁気記録方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等のOA機器に接続される
情報記憶端末装置としては、ハードディスクドライブ
(HDD)及びフロッピーディスクドライブ(FDD)
等の磁気記録装置が広く使用されている。これらの磁気
記録装置においては、磁性膜を備えた円板状の磁気記録
媒体を回転させつつ、磁気ヘッドからこの記録媒体に磁
場を印加して記録媒体に情報を記録する。また、磁気記
録媒体から情報を再生する場合は、磁気記録媒体を回転
させつつ、例えば電磁誘導により磁気ヘッドに発生する
電圧信号を利用して情報を再生する。
【0003】ところで、近時、光学的に情報の記録及び
再生を行なう光磁気ディスク装置が開発され、新しい情
報記録手段として注目されている。この光磁気ディスク
装置においては、記録媒体にレーザ光を照射して記録媒
体の温度を保磁力が低下するキュリー温度近傍まで上昇
させ、弱い印加磁場で照射部分の磁化を反転させること
により記録媒体に情報を記録する。また、記録媒体から
情報を再生する場合は、記録媒体に低出力の直線偏光レ
ーザ光を照射し、磁気光学効果(カー効果又はファラデ
ー効果)を利用して情報を再生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た磁気記録装置においては、記録密度が高密度になるに
伴って、以下に示す欠点が顕在化する。
【0005】(1)トラック密度が向上するほど再生出
力が低下して、S/N比(信号とノイズとの比)が低下
する。
【0006】(2)記録媒体と再生ヘッドとの相対速度
が低くなると、例えば再生ヘッドとして磁気誘導型ヘッ
ドを使用した場合に、再生出力が低下する。また、再生
ヘッドとして磁気抵抗素子を使用した場合も、磁区構造
の不安定性に起因するバルクハウゼンノイズが大きくな
る。
【0007】(3)長手磁気記録方式において線記録密
度を高くすると、記録媒体の磁化反転部分が記録方向に
直交する方向に対して鋸歯状になるため、媒体ノイズが
大きくなる。
【0008】(4)垂直磁気記録方式においては、Co
Cr合金膜及びBaフェライト膜等の垂直磁気異方性が
大きい記録膜を使用することにより、媒体ノイズを小さ
くできて高密度に情報を記録することができる。しか
し、このような記録膜は、一般的に飽和磁化が小さいた
め、媒体からの漏れ磁界を検出して十分な再生出力を得
るためには、再生ヘッドのギャップ長又はポール長を短
くすると共に、ヘッドと記録媒体との間隔を 500Å以下
にすることが必要である。このように、ヘッドと記録媒
体とが殆ど接触している状態で情報を再生しようとする
と、ヘッドクラッシュの虞れがある。
【0009】一方、光磁気ディスク装置においても、以
下に示す本質的な問題点がある。
【0010】(1)記録部分の温度を制御しつつ情報を
記録するため、環境温度の影響を強く受ける。即ち、同
一のレーザ出力で情報を記録した場合に、環境温度が異
なると、記録ピットの大きさが異なってしまう。このた
め、磁気記録方式において容易に実現できるピットエッ
ジ記録が、光磁気ディスクの場合は困難である。
【0011】(2)情報の重ね書きを1回のレ−ザ光走
査で行なうことが困難である。例えば、情報の重ね書き
が可能な方式として、磁界変調方式及び光強度変調方式
等が提案されている。しかし、磁界変調方式において
は、高周波磁界とレーザ光とを同時に記録媒体の同一箇
所に印加する必要があるため、記録媒体の片面にしか情
報を記録することができないという欠点がある。一方、
光強度変調方式においては、記録膜として2乃至4層の
磁性膜を使用し、各膜のキュリー温度を精密に制御する
ことが必要であるため、記録媒体の製造歩留りが低いと
いう欠点がある。また、情報記録時に高出力のレーザ光
を必要とする。更に、記録ピットの大きさを制御するこ
とが困難であるため、ピットエッジ記録には不向きであ
る。
【0012】(3)転送速度を大きくするほど、記録時
に高出力のレーザ光を必要とする。
【0013】このように、従来の磁気記録装置において
は、情報再生時のS/N比が低いという問題点があり、
光磁気ディスク装置においては、情報記録時の昇温過程
に起因する記録磁区の不安定性という問題点がある。
【0014】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、環境温度による記録ピットの変動を回避で
きると共に高出力レーザを必要とせず、記録媒体に高密
度で情報を記録することが可能であり、且つ、記録媒体
から高S/N比で情報を再生できる光磁気記録方法及び
装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光磁気記録
方法は、第1及び第2の磁性膜が積層形成された記録媒
体に対し、前記第1の磁性膜にトラッキング用信号を磁
気的に書き込み、前記第2の磁性膜に磁場のみを印加す
ることにより情報信号を書き込み、磁気光学効果を利用
して前記情報信号を読み取り、前記トラッキング用信号
を読み取ってこれを記録ヘッドの位置決めに使用するこ
とを特徴とする。
【0016】本発明に係る光磁気記録装置は、トラッキ
ングデータが記録される第1の磁性膜及び情報が記録さ
れる第2の磁性膜を積層した記録媒体と、この記録媒体
に磁場のみを印加することにより前記第2の磁性膜に情
報を記録する磁気ヘッドと、光源を備えておりこの光源
からの出力光を前記記録媒体に照射し磁気光学効果を利
用して前記第2の磁性膜に記録された情報を再生する情
報再生手段と、前記第1の磁性膜に記録された前記トラ
ッキングデータを再生するトラッキングデータ再生手段
と、このトラッキングデータ再生手段の出力に基づいて
前記記録ヘッドを所定の位置に移動させるヘッド位置決
め手段とを有することを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明方法においては、記録媒体に磁場のみを
印加することで記録媒体に情報信号を書き込む。磁場の
みを印加することにより記録媒体に情報を記録する方法
は、環境温度等により記録ピットサイズが変動すること
なく、情報を比較的容易に高密度で記録することができ
ると共に、記録媒体に新たな情報を容易に重ね書きする
ことができるという利点がある。
【0018】また、本発明方法においては、カー効果及
びファラデー効果等の磁気光学的効果を利用して記録媒
体に書き込まれた情報を読み出す。磁気光学的に情報を
再生する方式においては、高密度に記録された情報を高
S/N比で再生することができるという利点がある。
【0019】このように、本発明においては、情報の記
録は磁気的に行ない、情報の再生は磁気光学的に行なう
ため、記憶媒体に高密度で情報を記録でき、この記録し
た情報を高S/N比で再生することができる。
【0020】ところで、記録媒体に高密度で情報を記録
しようとすると、記録ヘッドの位置決めを高精度で実施
する必要がある。本発明方法においては、記録媒体に第
1及び第2の磁性膜が積層形成されており、第1の磁性
膜にはトラッキング用信号が書き込まれ、第2の磁性膜
には情報信号が書き込まれる。そして、この第1の磁性
膜に書き込まれたトラッキング用信号を記録ヘッドの位
置決めに使用する。これにより、記録ヘッドの位置決め
を高精度で実現することができる。
【0021】また、本発明装置においては、磁気媒体に
磁場のみを印加して情報を記録する記録ヘッド及び磁気
光学的に情報を再生する情報再生手段を備えている。即
ち、本発明装置においては、磁気的に情報を記録し、磁
気光学的に情報を再生する。従って、本発明に係る光磁
気記録装置は、記録媒体に高密度で情報を記録できると
共に、記録媒体から情報を高S/N比で再生することが
できる。更に、本発明装置においては、記録媒体に第1
及び第2の磁性膜が積層されて形成されている。そし
て、この第1の磁性膜にはトラッキングデータが記録さ
れ、第2の磁性膜には前記情報が記録される。この第1
の磁性膜に記録されたトラッキングデータは、トラッキ
ングデータ再生手段により再生され、ヘッド位置決め手
段はこのトラッキングデータ再生手段の出力に基づいて
前記記録ヘッドを所定の位置に移動させる。これによ
り、記録ヘッドの位置決めを高精度で実施することがで
きる。
【0022】なお、前記第1の磁性膜と第2の磁性膜と
の間に非磁性体物質からなる中間膜を設けることによ
り、第1及び第2の磁性膜の交換結合力が弱くなり、第
2の磁性膜に情報を記録する際に、第1の磁性膜からの
磁界の影響を低減することができる。従って、第1及び
第2の磁性膜の間には、非磁性体物質からなる中間層を
設けることが好ましい。
【0023】また、前記第1の磁性膜の保磁力は、前記
第2の磁性膜の保磁力に比して大きいことが好ましい。
これにより、第2の磁性膜に情報を記録する場合に、第
1の磁性膜に記録されたトラック情報が消去されること
をより確実に回避することができる。
【0024】
【実施例】次に、本発明の実施例について添付の図面を
参照して説明する。
【0025】図1は本発明の実施例に係る光磁気記録装
置を示す模式的平面図である。
【0026】記録媒体1は円板状の部材であり、スピン
ドルモータ2により所定の回転数で回転するようになっ
ている。この記録媒体1は、図2にその断面図を示すよ
うに、基板15上にCoCrからなるトラッキング膜1
6、非磁性体物質からなる中間膜17、TbFeCOか
らなる記録膜18及びSiNからなる保護膜19が積層
されて設けられている。
【0027】情報記録用磁気ヘッド3は記録媒体1上に
配置され、トラッキングサーボ(図示せず)により駆動
されて記録媒体1の半径方向に移動可能になっている。
この磁気ヘッド3には、図3に示す電気回路が接続され
ている。即ち、端子Tinには、例えば記録周波数が1乃
至10MHzの情報信号が与えられる。この情報信号は記
録アンプ20により増幅され、磁気ヘッド3に与えられ
る。磁気ヘッド3では、この情報信号により磁場が発生
する。
【0028】この磁気ヘッド3には、ローパスフィルタ
21が接続されている。このローパスフィルタ21は、
例えば周波数が 100kHzを超える信号を遮断するもの
であり、周波数が 100kHz以下の信号が次段の再生ア
ンプ22に与えられる。この再生アンプ22により増幅
された信号は、端子Tout を介して前記トラッキングサ
ーボに与えられる。
【0029】情報再生用光学ヘッド4も記録媒体1上に
配置されている。この光学ヘッド4は半導体レーザ5を
備えており、この半導体レーザ5から出力されたレーザ
光はレンズ6a、ビームスプリッター8、反射鏡7及び
対物レンズ6を介して磁気記録媒体1の表面に集光され
る。この照射光は直線偏光であり、磁気記録媒体1から
の反射光は磁気記録媒体に記録された情報に基づくカー
効果により直線偏光角度が変化している。
【0030】この反射光はレンズ6により集光され、ビ
ームスプリッター8を透過して1/2波長板9に到達す
る。そして、この1/2波長板9を透過した光はレンズ
6bを介して偏光ビームスプリッター10に入射し、偏
光角によりこの偏光ビームスプリッター10を透過する
光と反射する光とに分離される。これらの光は夫々光検
出器11a,11bに入射し、電気信号に変換される。
【0031】再生用光学ヘッド4の半導体レーザ5の発
振波長は例えば 830nmであり、対物レンズ6の開口数
(NA)は例えば0.55である。
【0032】この光学ヘッド4も、駆動装置(図示せ
ず)により駆動されて、記録媒体1の半径方向に移動す
るようになっている。
【0033】図4(a)乃至(c)は、本実施例装置の
動作を示す模式図である。
【0034】本実施例装置においては、情報を記録する
前に、記録媒体1にトラッキングデータを記録する。即
ち、記録媒体1を回転させつつ、磁気ヘッド3にトラッ
キング信号を与える。このトラッキング信号の記録周波
数は、例えば 100kHz以下である。これにより、図4
(a)に示すように、記録媒体1のトラッキング膜16
及び記録膜18にはトラッキングデータが記録される。
【0035】情報を記録する場合は、先ず、記録媒体1
を所定の回転数で回転させる。そうすると、磁気ヘッド
3には、トラッキング膜16に記録されたトラッキング
データにより電気信号(トラッキング信号)が発生す
る。このトラッキング信号は、周波数が 100kHz以下
であるため、ローパスフィルタ21を通過して再生アン
プ22に入力される。そして、この再生アンプ22によ
り増幅された後、トラッキングサーボに与えられる。ト
ラッキングサーボは、このトラッキング信号に基づい
て、磁気ヘッド3を所定のトラック上に移動させる。磁
気ヘッド3が所定のトラック上に移動すると、磁気ヘッ
ド3には情報信号が与えられる。この情報信号の記録周
波数は、例えば1乃至10MHzである。磁気ヘッド3は
この情報信号に基づく磁場を発生し、図4(b)に示す
ように、記録媒体1の記録膜18には情報が記録され
る。
【0036】この情報記録時においては、磁気ヘッド3
は情報を記録すると同時に、トラッキングデータを検出
している。つまり、磁気ヘッド3に与えられる情報信号
は高周波信号であるため、ローパスフィルタ21で遮断
され、再生アンプ22側には伝達されない。一方、トラ
ッキングデータの記録信号は低周波信号であるため、ロ
ーパスフィルタ21及び再生アンプ22を介してトラッ
キングサーボに与えられる。トラッキングサーボは、こ
のトラッキング信号に基づいて、磁気ヘッド3を所定の
トラック上に保持する。
【0037】なお、情報信号は、記録媒体1の表面近傍
に配置された記録膜18のみに記録される。この場合
に、トラッキング膜16に記録されているトラッキング
データは情報を記録することにより消去されることはな
い。
【0038】情報再生時においては、図4(c)に示す
ように、記録膜18に記録された情報は光学ヘッド4に
より、磁気光学効果を利用して再生される。即ち、半導
体レーザ5から出力された光を対物レンズ6を介して記
憶媒体1に照射する。この光学ヘッド4から出力された
光は直線偏光のレーザ光である。一方、記録媒体1から
反射されて光学ヘッド4に入射した反射光は、カー効果
により直線偏光の回転角が変化している。この反射光を
光検出器11a,11bで検出して電気信号に変換する
ことにより、情報を再生することができる。
【0039】本実施例においては、以下に示す利点があ
る。
【0040】(1)情報記録用のヘッドが磁気ヘッドで
あるため、ピットエッジ記録が可能であり、高い線記録
密度を得ることができる。
【0041】(2)情報記録用のヘッドが磁気ヘッドで
あるため、記録媒体に情報を容易に重ね書きすることが
できる。
【0042】(3)磁気ヘッドにより情報を記録しつ
つ、記録媒体に記録されているトラッキングデータを再
生して磁気ヘッドの位置を制御するため、磁気ヘッドの
位置決めを高精度で実施することができる。例えば、ト
ラックピッチが約1μmの場合も、本実施例装置は情報
の記録及び再生を行なうことができる。
【0043】(4)磁気ヘッドは情報の記録に使用し、
情報の再生は光学ヘッドにより行なうため、磁気ヘッド
と記録媒体との間隔及びギャップ長(長手記録用リング
ヘッドの場合)又はポール長(垂直磁気記録用単磁極ヘ
ッドの場合)を低減する必要がない。
【0044】(5)再生用光学ヘッドは情報の再生のみ
に使用するため、光源の出力を低減できる。このため、
光源として、SHG(Secondary Harmonic wave Genera
tion;2次高調波発生)素子を用いた高調波レーザ等の
低出力短波長レーザ光源や、光導波路とグレーティング
とを使用した微小光学素子を利用することが可能にな
る。
【0045】(6)記録膜として、例えば飽和磁束密度
が低く垂直磁気異方性が大きい非晶質又は微細結晶の磁
性膜を用いることができるため、媒体ノイズを低減でき
ると共に、線記録密度を従来に比して大幅に向上でき
る。
【0046】(7)温度変化を利用した記録方式でない
ため、磁性膜としてキュリー温度が高い磁性体を使用す
ることができ、記録ピットの大きさが環境温度の影響を
受けない。
【0047】なお、記録媒体のトラッキング膜の保磁力
は、記録膜の保磁力よりも十分に大きいことが好まし
い。これにより、記録膜に情報を記録する場合にトラッ
キング膜に記録されたトラッキングデータが消去される
ことをより確実に回避することができる。
【0048】また、磁気ヘッドとして垂直磁気記録用単
極ヘッドを使用し、トラッキング膜としてCoCr等の
垂直磁気記録膜を用いると、ヘッドから磁界の発散が少
ないため、隣接するトラック間のトラッキングデータの
クロストークを低減できる。この場合は、トラッキング
膜の下方にパーマロイ等の軟磁性下地膜を設けることが
好ましい。一方、情報記録用磁気ヘッドとしてリング型
ヘッドを使用する場合は、トラッキング膜は垂直磁気記
録膜及びCoNiCr等の長手磁気記録膜のどちらを使
用してもよい。
【0049】更に、本実施例においては、トラッキング
膜と記録膜との間に非磁性体からなる中間膜が設けられ
ているが、この中間膜は必ずしも必要なものではない。
しかし、上述の如く中間膜を設けることにより、トラッ
キング膜と記録膜との間の交換結合が弱くなり、記録膜
へ記録する際のトラッキング膜からの磁界の影響を低減
することができる。
【0050】更にまた、本実施例においては1つの磁気
ヘッドにより情報の記録とトラッキングデータの再生と
を行なうが、情報記録用磁気ヘッドとは別にトラッキン
グデータ再生用の磁気ヘッドを設け、これらの2つの磁
気ヘッドが常に同一のトラック上に配置されるようにし
てもよい。この場合は、情報信号とトラッキング信号と
を分離するためのローパスフィルタが不要となる。
【0051】次に、本実施例に係る光磁気記録装置を実
際に製造し、その特性を調べた結果について説明する。
【0052】記録媒体として、Al基板上に下地膜とし
てのNiFe膜、トラッキング膜としてCoCr膜、中
間膜としてのAl膜、情報記録膜としてのTbFeCo
膜及び保護膜としてのSiN膜をスパッタリング法によ
り順次形成した。なお、NiFe膜の膜厚は約5000Å、
CoCr膜の膜厚は約2000Å、TbFeCo膜の膜厚は
200Åである。なお、NiFe膜はトラッキング膜の一
部として作用する。更に、Al膜は、CoCr膜とTb
FeCo膜との交換結合力を弱める作用を有していると
共に、見掛け上のカー効果を増大させる反射膜としての
作用を有している。更にまた、SiN膜もカー効果を増
大させる効果を有している。
【0053】トラッキング膜及び情報記録膜の特性を下
記表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】磁気ヘッドとして、単磁極型の垂直磁気記
録用ヘッドを使用した。この磁気ヘッドのポール長は1
μm、コイル巻き数は30ターンである。また、この磁気
ヘッドには、図3に示す回路が接続されている。また、
再生用光学ヘッドとして、波長が 830nm、出力は1m
Wの半導体レーザを備えた光磁気光学ヘッドを使用し
た。
【0056】先ず、磁気ヘッドにより、記録媒体にトラ
ッキングデータを記録した。この場合に、トラック幅は
1.5μm、記録媒体の周速は10m/秒、ヘッド浮上高さ
は 0.2μm、トラッキング信号の記録周波数は 100kH
z、記録電流は30mA0-p である。
【0057】次に、前記磁気ヘッドにより記録媒体に記
録したトラッキングデータを検出し、トラックサーボに
より磁気ヘッドを所定のトラック上に保持しつつ、記録
周波数が5MHz、記録電流が15mA0-p の条件で情報
を記録した。この情報記録中においても、磁気ヘッドか
らトラッキング信号を得ることができた。
【0058】次に、光学ヘッドにより、記録媒体に記録
された情報を再生した。この場合の再生出力のキャリア
対ノイズ比(C/N)は50dB以上と優れていた。な
お、情報記録膜に記録された信号により、光学ヘッドの
トラッキングを行なうことができる。
【0059】次いで、上述の情報が記録されたトラック
に、記録周波数が7MHz、記録電流が15mA0-p の条
件で情報を記録した。その結果、記録周波数が5MHz
の情報は消去され、記録媒体には記録周波数が7MHz
の情報が書き込まれた。これにより、本実施例に係る光
磁気記録装置において、情報の重ね書きが可能であるこ
とを確認した。この場合に、記録信号周波数が5MHz
の情報の重ね書き前の振幅に対する重ね書き後の信号振
幅の比は−25dB以下であった。
【0060】また、再生信号のジッター(ビットエラー
率が10-4となる時間幅)を調べたところ、5ナノ秒以下
であった。このことから、本実施例に係る光磁気記録装
置は、ピットエッジ記録が可能であることが明らかであ
る。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明方法において
は、記録媒体の第1の磁性膜に記録されたトラッキング
用信号を読み取って記録ヘッドの位置を決定すると共
に、磁場のみを印加して記録媒体の第2の磁性膜に情報
信号を書き込むから、記録媒体に情報を高密度で記録す
ることができると共に、新たな情報を記録媒体に容易に
重ね書きすることができる。また、本発明方法において
は、前記記録媒体に記録された情報信号を磁気光学的に
読み出すから、高S/N比で情報を再生することができ
る。
【0062】また、本発明に係る光磁気記録装置におい
ては、記録媒体の第1の磁性膜にトラッキングデータが
記録され、ヘッド位置決め手段はトラッキングデータ再
生手段の出力に基づいて記録ヘッドを所定の位置に移動
させるから、記録ヘッドの位置決めを高精度で実施でき
る。また、本発明に係る光磁気記録装置においては、記
録ヘッドから磁場のみを印加することにより記録媒体の
第2の磁性膜に情報を記録し、情報再生手段により磁気
光学効果を利用して前記情報を再生するから、記録媒体
に高密度で情報を記録できると共に、この記録した情報
を高S/N比で再生することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る光磁気記録装置を示す模
式的平面図である。
【図2】同じくその記録媒体を示す断面図である。
【図3】同じくその磁気ヘッドに接続された電気回路を
示す回路図である。
【図4】(a)乃至(c)は、いずれも本発明の実施例
に係る光磁気記録装置の動作を示す模式図である。
【符号の説明】
1;記録媒体 2;スピンドルモータ 3;情報記録用磁気ヘッド 4;情報再生用光学ヘッド 5;半導体レーザ 6,6a,6b;レンズ 7;反射鏡 8,10;ビームスプリッター 9;1/2波長板 11a,11b;光検出器 15;基板 16;トラッキング膜 17;中間膜 18;記録膜 19;保護膜 20,22;アンプ 21;ローパスフィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 貴之 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所西神総合研究地区内 (72)発明者 真鍋 伸一 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所西神総合研究地区内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1及び第2の磁性膜が積層形成された
    記録媒体に対し、前記第1の磁性膜にトラッキング用信
    号を磁気的に書き込み、前記第2の磁性膜に磁場のみを
    印加することにより情報信号を書き込み、磁気光学効果
    を利用して前記情報信号を読み取り、前記トラッキング
    用信号を読み取ってこれを記録ヘッドの位置決めに使用
    することを特徴とする光磁気記録方法。
  2. 【請求項2】 トラッキングデータが記録される第1の
    磁性膜及び情報が記録される第2の磁性膜を積層した記
    録媒体と、この記録媒体に磁場のみを印加することによ
    り前記第2の磁性膜に情報を記録する記録ヘッドと、光
    源を備えておりこの光源からの出力光を前記記録媒体に
    照射し磁気光学効果を利用して前記第2の磁性膜に記録
    された情報を再生する情報再生手段と、前記第1の磁性
    膜に記録された前記トラッキングデータを再生するトラ
    ッキングデータ再生手段と、このトラッキングデータ再
    生手段の出力に基づいて前記記録ヘッドを所定の位置に
    移動させるヘッド位置決め手段とを有することを特徴と
    する光磁気記録装置。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の磁性膜の間に非磁性
    体物質からなる中間膜が設けられていることを特徴とす
    る請求項2に記載の光磁気記録装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の磁性膜の保磁力は前記第2の
    磁性膜の保磁力に比して大きいことを特徴とする請求項
    2又は3に記載の光磁気記録装置。
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