JPH05258234A - 複合磁気ヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複合磁気ヘッドの位置ズレを回避することが
できる。 【構成】 録音再生用ヘッドと消去用ヘッドより成る磁
気ヘッド本体を台座に組み込んでなる複合磁気ヘッドに
おいて、前記録音再生用ヘッドと消去用ヘッドの隣接部
分に沿って、台座から延設されてテープ摺接面を挟む、
少なくとも一対の規制部材を設け録音再生用ヘッド及
び、又は消去用ヘッドの位置を規制部材で規制してなる
ことを特徴とする複合磁気ヘッド。 【効果】 磁気記録特性の劣化を回避することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、記録及び再生ができる
複合磁気ヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年では、操作の簡便のために、カセッ
トテープ方式のテープレコーダーの普及が目覚ましく、
従来より使用されてきたオープンリール方式のテープレ
コーダーに代えて一般に広く普及している。そして、こ
うしたカセット方式のテープレコーダーにおいて、その
操作の簡便さのために、カセットテープを装着したまま
で正・逆方向に再生できる自動反転方式のカセットテー
プレコーダーが急速に普及するに至っている。

【０００３】しかし、自動反転方式では、１方向式と同
一の機能をもたせようとすれば、ヘッドの数が２倍にな
りヘッド部が大きなスペースをとるようになるので、複
合磁気ヘッドを用い、ヘッドを回転させたり、上下に動
かす機械を採用してヘッドの数を少なくする必要があっ
た。特にカセットテープレコーダーの場合は、ヘッドを
取り付けるスペースが限られているために、ヘッドを増
やすことは非常に困難であって、従来では、図１３に示
すような録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２を別体に
それぞれ台座に組み込んでなる複合磁気ヘッドを、また
は前記録音再生用ヘッドと消去用ヘッド２を一体化させ
たユニットを組み込んだ複合磁気ヘッドを、回転させる
ことによって、自動回転方式としていた。

【０００４】従来の複合磁気ヘッドの一例として、図１
４に示されるものが知られている。この図において、符
号１は録音再生用ヘッドを示しており、符号２は消去用
ヘッドを示している。そして、前記録音再生用ヘッド１
と消去用ヘッド２は、別体にそれぞれ台座に組み込まれ
ている。なお、前記録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド
２は、両者を一体化したユニットが、台座３に組み込ま
れてなる場合もある。

【０００５】こうした磁気ヘッドの位置決め固定が複合
磁気ヘッドの製造過程で必要となるのは、カセットテー
プレコーダーを組み立てた時の仕様として、次の事項が
定められているからである。 フルリールで片側のリールの最大摩擦係トルクは、２
×１０^-3Ｎｍとされている。 片側のリールをフルリールとした時の両リールの最大
摩擦トルクは２．７×１０^-3Ｎｍとされている。 ヘッドの位置が規格化されており、その規定の位置に
録音再生ヘッドが挿入された時のパット圧力は０．０１
〜０．０１５Ｎ／ｍｍ²とされている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従って、上記従来の複
合磁気ヘッドは、台座３の規定の位置に録音再生用ヘッ
ドと消去用ヘッドがそれぞれ別体に、又は前記両者を一
体化したユニットの磁気ヘッド本体が、台座に組み込ま
れ、接着剤によって固定してなるものであったが、こう
した構成からなる前記従来の複合磁気ヘッドを自動回転
方式のテープレコーダーに使用すると、ヘッド回転時の
振動により、規定の位置に固定されていた録音再生用ヘ
ッド１と消去用ヘッド２から成る磁気ヘッド本体Ａの前
記両者のヘッドの隣接部分において、ズレを生じ易く、
特に、録音再生用ヘッド１が位置ずれを起こすと、磁気
記録特性の劣化を生じる問題を有していた。

【０００７】つまり、上記のような複合磁気ヘッドを自
動回転方式のテープレコーダーに使用して位置ずれを生
じると、録音時のヘッドギャップの角度と、再生時のヘ
ッドギャップの角度にずれを生じやすく、こうしたヘッ
ドのギャップの位置ずれは、周波数特性の高域の損失を
生じる要因となっていた。

【０００８】また、上記のような従来の複合磁気ヘッド
では、録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２を固定し、
これらを台座３に組み込む際、規定の位置に位置決めす
るために外部からの位置決め手段を必要とし、こうした
位置決め工程のために取り付け工程数が多くなり作業能
率が悪くなるという課題があった。

【０００９】さらに、上記のような構成からなる複合磁
気ヘッドに、長期間の使用により曲りぐせが付いて変形
したテープを使用した場合、録音再生用ヘッド１と消去
用ヘッド２の隣接部分でテープテンションによるテープ
のヘッドへの適切な圧着力が得られず、テープがたるん
でしまうという問題を有していた。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は上記課
題を解決するために、録音再生用ヘッドと消去用ヘッド
より成る磁気ヘッド本体を台座に組み込んでなる複合磁
気ヘッドにおいて、前記録音再生用ヘッドと消去用ヘッ
ドの隣接部分に沿って、台座から延設されてテープ摺接
面を挟む、少なくとも一対の規制部材を設け録音再生用
ヘッド及び、又はの消去用ヘッドの位置を規制部材で規
制してなることを特徴とする複合磁気ヘッドである。

【００１１】請求項２の発明は上記課題を解決するため
に、録音再生用ヘッドと消去用ヘッドより成る磁気ヘッ
ド本体を台座に組み込んでなる複合磁気ヘッドにおい
て、複合磁気ヘッドの磁気テープ走行方向の少なくとも
一方に、テープガイドが設けられており、前記録音再生
用ヘッドと消去用ヘッドの隣接部分に沿って、台座から
延設されて、テープ摺接面を挟む少なくとも一対の規制
部材を設け、さらに前記テープガイドに規制部材を設け
て、録音再生用ヘッド及び、又は消去用ヘッドの位置を
規制部材で規制してなることを特徴とする複合磁気ヘッ
ドである。

【００１２】請求項３の発明は上記課題を解決するため
に、請求項１または請求項２の複合磁気ヘッドにおい
て、録音再生用ヘッドと消去用ヘッドの少なくとも一方
の磁気テープ摺接面の一部に、磁気テープ押圧用パッド
受け部を突設したことを特徴とする複合磁気ヘッドであ
る。

【００１３】

【作用】本発明の複合磁気ヘッドによれば、前記複合磁
気ヘッド本体の前記各磁気ヘッドの隣接部分に沿って台
座から延設されてテープ摺接面を挟む少なくとも一対の
規制部材を設け、録音再生用ヘッドの位置を規制部材で
規制することによって、前記複合磁気ヘッドの録音再生
用ヘッド及び消去用ヘッドを、それぞれ規定の位置に位
置規制するとともに、前記複合磁気ヘッドの位置ズレを
回避することができる。

【００１４】さらに、前記磁気ヘッドの隣接部分に沿っ
て台座から延設されてテープ摺接面を挟む少なくとも一
対の規制部材を設け、さらに録音再生用ヘッド側のテー
プガイドに規制部材を設けることによって、録音再生用
ヘッド及び、又は消去用ヘッドの位置を前記各々の規制
部材で規制し、前記複合磁気ヘッドを規定の位置に寸法
規制するとともに、前記複合磁気ヘッドにおける録音再
生用ヘッドの位置ズレを回避し、磁気記録特性の劣化を
防止することが可能である。そしてさらに、前記テープ
ガイドの規制部材は、録音時のヘッドギャップの角度
と、再生時のヘッドギャップの角度のずれによるアジマ
ス損失を低減することができる。

【００１５】そして、上述したような前記規制部材を有
する複合磁気ヘッドにおいて、前記規制部材を台座に延
設することにより、録音再生用ヘッド及び消去用ヘッド
を、それぞれを別体で台座に挿入し、又は一体化したユ
ニットを台座に挿入し、位置決め固定する際、従来のよ
うな前記各磁気ヘッドを位置決めするための特別な工程
を必要とせず複合磁気ヘッドの取り付け作業の簡略化を
図ることができる。

【００１６】さらに、前記複合磁気ヘッドの一方の磁気
ヘッドシールドケースの磁気テープ摺接面の一部に磁気
テープ押圧用パッド受け部を設けることにより、本発明
による複合磁気ヘッドでは、録音再生用ヘッドと消去用
ヘッドの隣接部分でテープがたるむことなく、スムーズ
に始動することができ、充分な特性を得ることができ
る。また、カールしたテープやくせのついたテープであ
っても充分な特性を得ることが可能である。

【００１７】

【実施例】以下、本発明による実施例を図面を参照しな
がら説明する。なお、これらの図において、従来例の複
合磁気ヘッドを示す図１３及び図１４と同一の要素につ
いては同一符号を付して説明を省略する。

【００１８】（実施例１）図１は実施例１における複合
磁気ヘッドを示すものである。この例において、台座３
は相互に対向して設けられた基台部３ａと、基台部３ａ
の両側に立設されて、これらを連結した支柱部３ｃ、３
ｃとを具備して構成されている。そして、基台部３ａと
支柱部３ｃ、３ｃとで囲まれて構成されている四角形状
の収納空所に録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２が、
それぞれ別体に挿入され、若しくは一体化されたユニッ
トとして挿入され、前記録音再生用ヘッド１及び消去用
ヘッド２は、接着剤によって台座３に固定されている。

【００１９】そして、規制部材９ａ、９ｂが、台座３に
延設されている。前記規制部材９ａ、９ｂは台座３の基
台部３ａから録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２の隣
接部分に沿って延設されたＬ字型の突片状であり、その
突片状の先端部で、前記録音再生ヘッド１と消去用ヘッ
ド２の隣接部分における録音再生用ヘッド１の前面の２
つの隅部を押さえて、前記録音再生用ヘッド１の台座３
からの突き出し高さ位置を規制している。

【００２０】このように、規制部材９ａ、９ｂが台座３
に延設された実施例１の複合磁気ヘッドは、複合磁気ヘ
ッド本体Ａの突き出し高さ位置を規制し、これを台座３
に位置決めする際、規制部材９ａ、９ｂの先端部に、録
音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２からなる磁気ヘッド
本体Ａにおける前記ヘッドの隣接部分の録音再生用ヘッ
ド１の前面の２点の隅部を当接させることによって、位
置決めできるため、前記磁気ヘッド本体Ａを台座３に位
置決めするための特別な工程を必要とせず、複合磁気ヘ
ッド本体Ａの取り付け作業の簡素化を図ることができ
る。

【００２１】なお、規制部材９ａ、９ｂは、上述したよ
うな前記録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２の隣接部
分における前記録音再生用ヘッド１の前面の２点の隅部
の規制のみならず、消去用ヘッド２側の前面の２点の隅
部に当接させた場合、又は前記録音再生用ヘッド１及び
消去用ヘッド２の隣接部分において、前記録音再生用ヘ
ッド１及び消去用ヘッド２の両ヘッドにおける、それぞ
れの前面の隅部に当接された場合の規制によって、前記
録音再生用ヘッド１及び、又は消去用ヘッド２における
突き出し高さ位置を規制することができる。また、前記
実施例１の複合磁気ヘッドにおいて、録音再生用ヘッド
１及び消去用ヘッド２の間にアース機能を持たせた金属
製のスペーサを介在させても良い。

【００２２】 （実施例２）図２は、実施例２におけ
る複合磁気ヘッドを示すものである。図２に示すように
実施例２の複合磁気ヘッドは、台座３は相互に対向して
設けられた基台部３ａと、基台部３ａの両側に立設さ
れ、これらを連結した支柱部３ｃ、３ｃとを具備して構
成されている。そして、基台部３ａと支柱部３ｃ、３ｃ
とで囲まれて構成されている四角形状の収納空所に、録
音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２が、それぞれ別体に
挿入され、若しくは一体化されたユニットとして挿入さ
れ、さらに消去用ヘッド２側のテープガイド１１ａが挿
入され、前記録音再生用ヘッド１及び消去用ヘッド２か
らなる磁気ヘッド本体Ａは、接着剤により台座３に固定
されている。

【００２３】そして、前記録音再生用ヘッド１と消去用
ヘッド２の隣接部分には、規制部材９ａ、９ｂが形成さ
れており、さらに前記録音再生用ヘッド側のテープガイ
ド１１ａが前記台座と一体化されて、かつこのテープガ
イド１１ａの支持部１３ａ、１３ｂに規制部材１０ａ、
１０ｂが延設されている。

【００２４】前記規制部材９ａ、９ｂは台座３の基台部
３ａから録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２の隣接部
分に沿って延設されたＬ字型の突片状であり、その先端
部は録音再生用ヘッド１側に向いて折り曲げられ、折り
曲げられた先端部分によって前記録音再生用ヘッド１と
消去用ヘッド２の隣接部分における録音再生用ヘッド１
の前面の隅部２点を規制し、その台座３からの突き出し
高さの位置を規制している。そして、前記規制部材１０
ａ、１０ｂは、台座３と一体形成されたテープガイド１
１ａの支持部１３ａ、１３ｂに一体連設されたＬ字型の
突片状であって、これらの先端部は録音再生用ヘッド１
の中央部側に向いて折り曲げられ、折り曲げられた先端
部側が、録音再生用ヘッド１の台座３からの突き出し高
さ位置を規制している。

【００２５】従って、このように上記のような規制部材
９ａ、９ｂ及び１０ａ、１０ｂが設けられることによっ
て、前記録音再生用ヘッド１の前面の四隅を固定し、前
記録音再生用ヘッド１を確実に位置規制できるととも
に、前記録音再生用ヘッド１を前記台座３に対して位置
決めする際、特別な工程を必要とせず、その取り付け作
業の簡素化を図ることができる。

【００２６】なお、規制部材９ａ、９ｂは、上述したよ
うな前記録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２の隣接部
分における前記録音再生用ヘッド１の前面の２点の隅部
の規制のみならず、消去用ヘッド２側の前面の２点の隅
部に当接させた場合、又は前記録音再生用ヘッド１及び
消去用ヘッド２の隣接部分において、前記録音再生用ヘ
ッド１及び消去用ヘッド２の両ヘッドにおける、それそ
れの前面の隅部に当接された場合の規制によって、前記
録音再生用ヘッド１及び、又は消去用ヘッド２における
突き出し高さ位置を規制することができる。また、前記
実施例２の複合磁気ヘッドにおいて、録音再生用ヘッド
１及び消去用ヘッド２の間にアース機能を持たせた金属
製のスペーサを介在させても良い。

【００２７】（実施例３）図３は、実施例３における複
合磁気ヘッドを示すものである。図３に示すように実施
例３の複合磁気ヘッドは、台座３は相互に対向して設け
られた基台部３ａと、基台部３ａの両側に立設され、こ
れらを連結した支柱部３ｃ、３ｃとを具備して構成され
ている。そして、基台部３ａと支柱部３ｃ、３ｃとで囲
まれて構成されている四角形状の収納空所に録音再生用
ヘッド１と消去用ヘッド２からなる磁気ヘッド本体Ａ
が、それぞれ挿入され、若しくは一体化されて挿入さ
れ、さらに消去用ヘッド側のテープガイド１１ａを挿入
し、前記録音再生用ヘッド１及び消去用ヘッド２からな
る前記磁気ヘッド本体Ａは、接着剤により台座３に固定
されている。

【００２８】そして、前記録音再生用ヘッド１と消去用
ヘッド２の隣接部分には、規制部材９ａ、９ｂが形成さ
れており、さらに前記録音再生用ヘッド側のテープガイ
ド１１ａが前記台座と一体化されて、かつこのテープガ
イド１１ａの支持部１３ａ、１３ｂの間のテープ摺動面
１４ａに規制部材１２ａが延設されている。

【００２９】前記規制部材９ａ、９ｂは、台座３の基台
部３ａから録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２の隣接
部分に沿って延設されたＬ字型の突片状であり、その先
端部は録音再生用ヘッド１側に向いて折り曲げられ、折
り曲げられた先端部分によって前記録音再生用ヘッド１
と消去用ヘッド２の隣接部分における録音再生用ヘッド
１の前面の隅部２点を規制し、その台座３からの突き出
し高さの位置を規制している。そして、前記規制部材１
２ａは、台座３と一体形成されたテープガイド１１ａの
支持部１３ａ、１３の間に一体連設され、前記録音再生
用ヘッド１の中央部側に前記録音再生用ヘッド１の前面
に沿うようような曲面であって、この規制部材１２ａが
前記録音再生用ヘッド１の台座３からの突き出し高さ位
置を規制している。

【００３０】従って、上述したような実施例３の複合磁
気ヘッドは、前記録音再生用ヘッド１の前面を規制部材
９ａ、９ｂと規制部材１２ａの３ヶ所で確実に支持して
いるので、前記録音再生用ヘッド１を確実に位置規制で
きるとともに、前記録音再生用ヘッド１を前記台座３に
対して位置決めする際、特別な工程を必要とせず、その
取り付け作業の簡素化を図ることができる。

【００３１】なお、規制部材９ａ、９ｂは、上述したよ
うな前記録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２の隣接部
分における前記録音再生用ヘッド１の前面の２点の隅部
の規制のみならず、消去用ヘッド２側の前面の２点の隅
部に当接させた場合、又は前記録音再生用ヘッド１及び
消去用ヘッド２の隣接部分において、前記録音再生用ヘ
ッド１及び消去用ヘッド２の両ヘッドにおける、それそ
れの前面の隅部に当接された場合の規制によって、前記
録音再生用ヘッド１及び、又は消去用ヘッド２における
突き出し高さ位置を規制することができる。また、前記
実施例３の複合磁気ヘッドにおいて、録音再生用ヘッド
１及び消去用ヘッド２の間にアース機能を持たせた金属
製のスペーサを介在させても良い。

【００３２】（実施例４）図４は、実施例４における複
合磁気ヘッドを示すものである。この例において、台座
３は相互に対向して設けられた基台部３ａと、基台部３
ａの両側に立設されて、これらを連結した支柱部３ｃ、
３ｃとを具備して構成されている。そして、基台部３ａ
と支柱部３ｃ、３ｃとで囲まれて構成されている四角形
状の収納空所に録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２か
らなる磁気ヘッド本体Ａが、それぞれ挿入され、若しく
は一体化されて挿入され、前記録音再生用ヘッド１と消
去用ヘッド２からなる磁気ヘッド本体Ａは、接着剤によ
って台座３に固定されている。

【００３３】そして、前記録音再生用ヘッド１と消去用
ヘッド２の隣接部分には、規制部材９ａ、９ｂが形成さ
れており、さらに前記録音再生用ヘッド１側のテープガ
イド１１ａ及び消去用ヘッド２側のテープガイド１１ａ
が、前記台座３と一体形成されて、かつ前記テープガイ
ド１１ａの支持部１３ａ、１３ｂの間のテープ摺動面１
４ａには規制部材１２ａが延設されており、前記テープ
ガイド１１ｂの支持部１６ａ、１６ｂの間のテープ摺動
面１４ｂには、規制部材１２ｂが延設されている。

【００３４】前記規制部材９ａ、９ｂは、台座３の基台
部３ａから録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２の隣接
部分に沿って延設されたＬ字型の突片状であり、その先
端部は録音再生用ヘッド１側に向いて折り曲げられ、折
り曲げられた先端部分によって前記録音再生用ヘッド１
と消去用ヘッド２の隣接部分における録音再生用ヘッド
１の前面の隅部２点を規制し、その台座３からの突き出
し高さの位置を規制している。そして、前記規制部材１
２ａ及び１２ｂは、台座３と一体形成されたテープガイ
ド１１ａ、１１ｂの支持部１３ａ、１３ｂ及び１６ａ、
１６ｂの間に一体連設され、前記録音再生用ヘッド１及
び前記消去用ヘッド２の中央部側に前記録音再生用ヘッ
ド１の前面に沿うようような曲面であって、前記録音再
生用ヘッド１及び消去用ヘッド２の台座３からの突き出
し高さ位置を規制している。

【００３５】従って、上述したような実施例４の複合磁
気ヘッドは、前記録音再生用ヘッド１の前面を規制部材
９ａ、９ｂと規制部材１２ａの３ヶ所で確実に支持して
おり、かつ消去用ヘッド２の前面を前記規制部材１２ｂ
で支持しているため、前記録音再生用ヘッド１及び消去
用ヘッド２を確実に位置規制できるとともに、前記録音
再生用ヘッド１及び消去用ヘッド２を前記台座３に対し
て位置決めする際、特別な工程を必要とせず、その取り
付け作業の簡素化を図ることができる。

【００３６】なお、規制部材９ａ、９ｂは、上述したよ
うな前記録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２の隣接部
分における前記録音再生用ヘッド１の前面の２点の隅部
の規制のみならず、消去用ヘッド２側の前面の２点の隅
部に当接させた場合、又は前記録音再生用ヘッド１及び
消去用ヘッド２の隣接部分において、前記録音再生用ヘ
ッド１及び消去用ヘッド２の両ヘッドにおける、それそ
れの前面の隅部に当接された場合の規制によって、前記
録音再生用ヘッド１及び、又は消去用ヘッド２における
突き出し高さ位置を規制することができる。また、前記
実施例４の複合磁気ヘッドにおいて、録音再生用ヘッド
１及び消去用ヘッド２の間にアース機能を持たせた金属
製のスペーサを介在させても良い。

【００３７】（実施例５）図５は、実施例５における複
合磁気ヘッドを示すものである。この例において、台座
３は相互に対向して設けられた基台部３ａと、基台部３
ａの両側に立設されて、これらを連結した支柱部３ｃ、
３ｃとを具備して構成されている。そして、基台部３ａ
と支柱部３ｃ、３ｃとで囲まれて構成されている四角形
状の収納空所に録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２か
らなる磁気ヘッド本体Ａが、それぞれ挿入され、若しく
は一体化されて挿入され、前記録音再生用ヘッド１と消
去用ヘッド２からなる磁気ヘッド本体Ａは、接着剤によ
って台座３に固定されている。

【００３８】そして、前記録音再生用ヘッド１と消去用
ヘッド２の隣接部分には、規制部材９ａ、９ｂが形成さ
れており、さらに前記録音再生用ヘッド１側のテープガ
イド１１ａ及び消去用ヘッド２側のテープガイド１１ａ
が、前記台座と一体形成されて、かつ前記消去用ヘッド
２側のテープガイド１１ｂの支持部１３ａ、１３ｂには
規制部材１０ａ、１０ｂが延設されている。そしてま
た、前記テープガイド１１ａの支持部１３ａ、１３ｂの
間のテープ摺動面１４ａには規制部材１２ａが延設され
ており、前記テープガイド１１ｂの支持部１６ａ、１６
ｂの間のテープ摺動面１４ｂには規制部材１２ｂが延設
されている。

【００３９】前記規制部材９ａ、９ｂは、台座３の基台
部３ａから録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２の隣接
部分に沿って延設されたＬ字型の突片状であり、その先
端部は録音再生用ヘッド１側に向いて折り曲げられ、折
り曲げられた先端部分によって前記録音再生用ヘッド１
と消去用ヘッド２の隣接部分における録音再生用ヘッド
１の前面の隅部２点を規制し、その台座３からの突き出
し高さの位置を規制している。そして、前記規制部材１
０ａ、１０ｂは、台座３と一体形成されたテープガイド
１１ａの支持部１３ａ、１３ｂに一体連設されたＬ字型
の突片状であって、これらの先端部は録音再生用ヘッド
１の中央部側に向いて折り曲げられ、折り曲げられた先
端部側が、録音再生用ヘッド１の台座３からの突き出し
高さ位置を規制している。さらに、前記規制部材１２ｂ
は、台座３と一体形成されたテープガイド１１ｂの支持
部１６ａ、１６ｂの間に一体連設され、前記消去用ヘッ
ド２の中央部側に前記消去用ヘッド２の前面に沿うよう
ような曲面であって、この規制部材１２ｂが、前記消去
用ヘッド２の台座３からの突き出し高さ位置を規制して
いる。

【００４０】従って、上述したような実施例５の複合磁
気ヘッドは、前記録音再生用ヘッド１の前面を規制部材
９ａ、９ｂと規制部材１０ａ、１０ｂの４ヶ所で確実に
支持しており、かつ、消去用ヘッド２の前面を前記規制
部材１２ｂで支持しているため、前記録音再生用ヘッド
１及び消去用ヘッド２を確実に位置規制できるととも
に、前記録音再生用ヘッド１及び消去用ヘッド２を前記
台座３に対して位置決めする際に特別な工程を必要とせ
ず、その取り付け作業の簡素化を図ることができる。

【００４１】なお、規制部材９ａ、９ｂは、上述したよ
うな前記録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２の隣接部
分における前記録音再生用ヘッド１の前面の２点の隅部
の規制のみならず、消去用ヘッド２側の前面の２点の隅
部に当接させた場合、又は前記録音再生用ヘッド１及び
消去用ヘッド２の隣接部分において、前記録音再生用ヘ
ッド１及び消去用ヘッド２の両ヘッドにおける、それそ
れの前面の隅部に当接された場合の規制によって、前記
録音再生用ヘッド１及び、又は消去用ヘッド２における
突き出し高さ位置を規制することができる。また、前記
実施例５の複合磁気ヘッドにおいて、録音再生用ヘッド
１及び消去用ヘッド２の間にアース機能を持たせた金属
製のスペーサを介在させても良い。

【００４２】（実施例６）実施例６における複合磁気ヘ
ッドを図６〜図１２に示す。この例において、台座３は
相互に対向して設けられた基台部３ａと、基台部３ａの
両側に立設されて、これらを連結した支柱部３ｃ、３ｃ
とを具備して構成されている。そして、基台部３ａと支
柱部３ｃ、３ｃとで囲まれて構成されている四角形状の
収納空所に録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２からな
る磁気ヘッド本体Ａが、それぞれ挿入され、若しくは一
体化されたユニットとして挿入され、前記録音再生用ヘ
ッド１と消去用ヘッド２からなる磁気ヘッド本体Ａは、
接着剤によって台座３に固定されている。

【００４３】そして、前記録音再生用ヘッド１と消去用
ヘッド２の隣接部分には、規制部材９ａ、９ｂが形成さ
れており、さらに前記録音再生用ヘッド１側のテープガ
イド１１ａ及び消去用ヘッド２側のテープガイド１１ａ
が、前記台座と一体形成されて、かつ前記テープガイド
１１ａ、１１ｂの支持部１３ａ、１３ｂ及び１６ａ、１
６ｂには規制部材１０ａ、１０ｂ及び２１ａ、２１ｂが
延設されている。

【００４４】前記規制部材９ａ、９ｂは、台座３の基台
部３ａから録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２の隣接
部分に沿って延設されたＬ字型の突片状で、その先端部
は録音再生用ヘッド１側に向いて折り曲げられ、折り曲
げられた先端部分によって前記録音再生用ヘッド１と消
去用ヘッド２の隣接部分における録音再生用ヘッド１の
前面の隅部２点を規制し、その台座３からの突き出し高
さの位置を規制している。そして、前記規制部材１０
ａ、１０ｂ及び２１ａ、２１ｂは、台座３と一体形成さ
れたテープガイド１１ａ及び１１ｂの支持部１３ａ、１
３ｂ及び１６ａ、１６ｂに一体連設されたＬ字型の突片
状であって、これらの先端部は録音再生用ヘッド１及び
消去用ヘッド２の中央部側に向いて、それぞれ折り曲げ
られ、折り曲げられた先端部側が、録音再生用ヘッド１
及び消去用ヘッド２の台座３からの突き出し高さ位置を
規制している。

【００４５】なお、規制部材９ａ、９ｂは、上述したよ
うな前記録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２の隣接部
分における前記録音再生用ヘッド１の前面の２点の隅部
の規制のみならず、消去用ヘッド２側の前面の２点の隅
部に当接させた場合、又は前記録音再生用ヘッド１及び
消去用ヘッド２の隣接部分において、前記録音再生用ヘ
ッド１及び消去用ヘッド２の両ヘッドにおける、それそ
れの前面の隅部に当接された場合の規制によって、前記
録音再生用ヘッド１及び、又は消去用ヘッド２における
突き出し高さ位置を規制することができる。

【００４６】さらに、録音再生用ヘッド１が磁気テープ
摺接面６において、磁気コア５よりも消去用ヘッド２に
近い部分に磁気テープ押圧用のパット受け部２０が形成
されている。また、図７及び図８に示すように、前記テ
ープガイド１１ａ、１１ｂは、上側テープ支持部１３
ａ、１６ａが磁気ヘッドに対して垂直に立ち上がった面
を有する形状となっており、下側テープ支持部１３ｂ、
１６ｂが傾斜した面を有する形状となっている。

【００４７】なお、図７及び図８に示されているテープ
ガイド１１ａ、１１ｂにおける上側テープ支持部１３
ａ、１６ａの形状、そして下側テープ支持部１３ｂ、１
６ｂの形状は、上述した図７及び図８に示されている形
状のものに限らず、以下に示す形状のものを用いても良
い。

【００４８】先ず、図９に示すように、上部テープ支持
部１３ａ、１６ａが磁気ヘッドに対して垂直に立ち上が
った面を有する形状となっており、下側テープ支持部１
３ｂ、１６ｂは、傾斜面を有するがその端部では、前記
上部テープ支持部１３ａ、１６ａと同様に立ち上がった
形状となっているものである。

【００４９】又は、図１０に示すように、上部テープ支
持部１３ａ、１６ａが磁気ヘッドに対して垂直に立ち上
がった面を有する形状となっており、下側テープ支持部
１３ｂ、１６ｂは、２段傾斜を有する面を有する形状と
なっているものである。

【００５０】従って、上述したような実施例５の複合磁
気ヘッドは、前記録音再生用ヘッド１の前面を規制部材
９ａ、９ｂと規制部材１０ａ、１０ｂの４ヶ所で確実に
支持しており、かつ消去用ヘッド２の前面を前記規制部
材２１ａ、２１ｂの２点で支持しているため、前記録音
再生用ヘッド１及び消去用ヘッド２を確実に位置規制で
きるとともに、前記録音再生用ヘッド１及び消去用ヘッ
ド２を前記台座３に対して位置決めする際、前記録音再
生用ヘッド１及び消去用ヘッド２からなる磁気ヘッド本
体Ａを位置決めするための特別な工程を必要とせず、そ
の取り付け作業の簡素化を図ることができる。

【００５１】さらに、前記録音再生用ヘッド１の磁気テ
ープ摺接面６の一部にパッド受け部２０を設けることに
より、この例の複合磁気ヘッドでは、録音再生用ヘッド
１と消去用ヘッド２の隣接部分で磁気テープ７を、たる
ませることがなくなるので、磁気テープ７と各ヘッド
１、２との密着性を充分に確保することができ、充分な
記録再生特性を得ることができる。また、カールしたテ
ープや、くせのついたテープでも、このパッド受け部２
０が確実にテープのたるみを除去するので、充分な特性
を得ることが可能である。

【００５２】そして、さらにテープガイド１１ａ、１１
ｂの上側テープ支持部１３ａ、１６ｂを磁気ヘッドに対
して垂直に立ち上がった面を有する形状とし、下側テー
プ支持部１３ｂ、１６ｂに傾斜面Ｒを形成することによ
りアジマスの無調整化を行ない、テープの密着性の向上
を図り、アジマス損失を低減することが可能である。

【００５３】なお、本実施例６の複合磁気ヘッドにおい
て、録音再生用ヘッド１と消去用ヘッド２の間にアース
機能を持たせた金属製のスペーサを介在させても良い。

【００５４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合磁気
ヘッドによれば、複合磁気ヘッド本体の各磁気ヘッドの
隣接部分に沿って台座から延設されテープ摺接面を挟む
少なくとも一対の規制部材を設けることによって、複合
磁気ヘッドを自動的に規定の位置に規制することができ
るとともに、前記複合磁気ヘッドは、振動・回転等の衝
撃による各ヘッドの位置ずれを防止することが可能であ
る。従って、上記本発明の複合磁気ヘッドを自動反転方
式のヘッドとして使用した場合においても、その反復的
な回転振動による各ヘッドの位置ズレを回避することが
できる。

【００５５】また、録音再生用ヘッド側のテープガイド
の支持部の間に磁気ヘッドの位置を規制する規制部材を
台座と一体形成した場合、前記録音再生用ヘッドの位置
を規制し、前記録音再生用ヘッドの規定位置からのずれ
を防止することができ、磁気記録特性の劣化を回避する
ことができるとともに、前記テープガイドの規制部材
は、録音時のヘッドギャップの角度と、再生時のヘッド
ギャップの角度のずれによるアジマス損失を低減するこ
とができる。

【００５６】従って、上述したような前記規制部材を有
する複合磁気ヘッドにおいて、前記規制部材を台座に延
設することにより、前記複合磁気ヘッド本体を台座に位
置決め固定する際、従来のように前記各磁気ヘッドを位
置決めするための特別な工程を必要とせず前記複合磁気
ヘッドの取り付け作業の簡略化を図ることができる。

【００５７】さらに、前記複合磁気ヘッドの一方の磁気
ヘッドシールドケースの磁気テープ摺接面の一部に磁気
テープ押圧用パッド受け部を設けることにより、本発明
による複合磁気ヘッドでは、録音再生用ヘッドと消去用
ヘッドの隣接部分でテープがたるむことなく、スムーズ
に始動することができ、充分な特性を得ることができ
る。また、カールしたテープやくせのついたテープであ
っても充分な特性を得ることが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明における実施例１の複合磁気ヘ
ッドを示す斜視図である。

【図２】図２は、本発明における実施例２の複合磁気ヘ
ッドを示す斜視図である。

【図３】図３は、本発明における実施例３の複合磁気ヘ
ッドを示す斜視図である。

【図４】図４は、本発明における実施例４の複合磁気ヘ
ッドを示す斜視図である。

【図５】図５は、本発明における実施例５の複合磁気ヘ
ッドを示す斜視図である。

【図６】図６は、本発明における実施例６の複合磁気ヘ
ッドを示す斜視図である。

【図７】図７は、図６の複合磁気ヘッドの側面図であ
る。

【図８】図８は、図６の要部拡大図である。

【図９】図９は、図８の変形例である。

【図１０】図１０は、図８の変形例である。

【図１１】図１１は、図６の複合磁気ヘッドの正面図で
ある。

【図１２】図１２は、図６の複合磁気ヘッドの上面図で
ある。

【図１３】図１３は、従来の複合磁気ヘッド本体を示す
斜視図である。

【図１４】図１４は、従来の複合磁気ヘッドを示す斜視
図である。

【符号の説明】

１ 録音再生用ヘッド ２ 消去用ヘッド ３ 台座 ３ａ 基台部 ３ｃ 支柱部 ６ テープ摺接面 ７ 磁気テープ ９ａ 規制部材 ９ｂ 規制部材 １０ａ 規制部材 １０ｂ 規制部材 １１ａ テープガイド １１ｂ テープガイド １２ａ 規制部材 １２ｂ 規制部材 １３ａ 上側テープ支持部 １３ｂ 下側テープ支持部 １４ テープ摺動面 １６ａ 上側テープ支持部 １６ｂ 下側テープ支持部 ２０ パッド受け部 ２１ａ 規制部材 ２１ｂ 規制部材 Ａ 磁気ヘッド本体

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 録音再生用ヘッドと消去用ヘッドより成
   る磁気ヘッド本体を台座に組み込んでなる複合磁気ヘッ
   ドにおいて、前記録音再生用ヘッドと消去用ヘッドの隣
   接部分に沿って、台座から延設されてテープ摺接面を挟
   む、少なくとも一対の規制部材を設け録音再生用ヘッド
   及び、又は消去用ヘッドの位置を規制部材で規制してな
   ることを特徴とする複合磁気ヘッド。
2. 【請求項２】 録音再生用ヘッドと消去用ヘッドより成
   る磁気ヘッド本体を台座に組み込んでなる複合磁気ヘッ
   ドにおいて、複合磁気ヘッドの磁気テープ走行方向の少
   なくとも一方にテープカイドが設けられており、前記録
   音再生用ヘッドと消去用ヘッドの隣接部分に沿って台座
   から延設されてテープ摺接面を挟む、少なくとも一対の
   規制部材を設け、さらに前記テープガイドに規制部材を
   設けて録音再生用ヘッド及び、又は消去用ヘッドの位置
   を規制部材で規制してなることを特徴とする複合磁気ヘ
   ッド。
3. 【請求項３】 請求項１または請求項２の複合磁気ヘッ
   ドにおいて、録音再生用ヘッドと消去用ヘッドの少なく
   とも一方の磁気テープ摺接面の一部に、磁気テープ押圧
   用パッド受け部を突設したことを特徴とする複合磁気ヘ
   ッド。