JPH05256963A - 計器の指針照明装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】バルブからの光を導いて、良好に指針を照明す
る計器の指針照明装置を提供するにある。 【構成】円形の表示文字盤11の中心孔部に回転軸13が貫
通する状態で、透明導光体によって構成された指針12が
設定される。この文字盤11の裏面には、外周面を楕円面
171 〜174 によって構成した第１の導光板17を設定し、
楕円面171 〜174の焦点位置に前記回転軸が設定され、
光源バルブ18からの光が回転軸13部に集光され、指針12
に導かれるようにする。ここで、文字盤11にはオドメー
タ用窓15が形成され、この窓15に対応して第１の導光板
17に切り欠き19が形成されて、楕円面171 と173 との間
に楕円分断部が形成される。このため、第１の導光板の
裏面に第２の導光板20を突設し、楕円分断部に対応する
楕円面201 を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば自動車のフロ
ントパネル部分に設置される速度計、回転計等の計器の
照明装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車等の車両にあっては、車両走行速
度を表示する速度計、エンジンの回転数を表示する回転
計等の計器類が装備されているもので、これらの計器類
は夜間等の照度の低い状況においても確実に表示数値が
読み取れるように各種照明が施されるようになってい
る。

【０００３】この様な計器照明の手段として、指針に対
して光を与え、この指針自身が光るようになる発光指針
が存在する。この様な発光指針は、透明樹脂等の導光体
によって構成されるもので、この導光体によって構成さ
れた指針の一端に光源からの光を導入して、指針内で生
ずる乱反射によって指針が浮き上がるように表示させて
いる。

【０００４】発光指針に対して光源であるバルブからの
光を導くために、表示数字等の表記された表示文字盤の
裏面部に導光板を設置し、この導光板の一端部に発光バ
ルブを設置するように構成することが考えられている。
この場合導光板を楕円周面を有するように構成し、この
楕円周面で反射された光が発光指針の例えば回転軸部に
集められるようにしている。

【０００５】具体的には、楕円形に構成される導光板の
一対の楕円焦点位置に、それぞれ光源および導光体によ
って構成された指針の回転軸を設定し、楕円周面で反射
された光が指針の回転軸部から導入されるようにしてい
る。

【０００６】しかし、この種計器類を考察すると、文字
盤部分に目的とする表示機能のための表記と共に、例え
ばオドメータ等のための開口が形成されているものであ
り、この開口部に対応して数値表示器等が取り付けられ
ている。このオドメータのための開口は、文字盤と共に
その裏面部に設定される導光板を含んで形成されるもの
で、この導光板の一部が欠落されるようになる。特に、
光を指針の回転軸部分に集めるための楕円周面の一部が
開口によって分断される。

【０００７】このため、指針が回転する全範囲にわたっ
て均一に光を集めることができない状態となり、指針の
回転に伴って、この指針の発光照度が変化するような状
況となり、また指針の全長にわたって均一に光り難い状
態となって、計器照明効果が著しく損なわれるようにな
る。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】この発明は上記のよう
な点に鑑みなされたもので、表示文字盤面で回転する発
光指針において、この指針の全体が安定して発光される
ようにすると共に、その表示位置にかかわらず均一な発
光表示機能が発揮されて、計器照明効果が確実に発揮さ
れ、計器の読取りが常に安定して行われるようにする計
器の指針照明装置を提供しようとするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明に係る計器の指
針照明装置は、表示文字盤の中心部に回転軸が設定され
るようにして透明導光体による指針を設けると共に、表
示文字盤の裏面に光源からの光を導く第１の導光板を設
置し、さらにこの第１の導光板面に突出するようにして
第２導光板を形成する。この場合、前記第１の導光板は
前記指針の回転軸部を焦点とした楕円周面を有するよう
に構成すると共に、前記第２の導光板は少なくとも前記
第１の導光板の楕円周面の欠落部に対応して、前記指針
の回転軸部を焦点とした楕円周面を有するように構成す
るようにしている。

【００１０】

【作用】この様に構成される計器の指針照明装置におい
ては、光源からの光は第１の導光板を介して発光指針の
回転軸部に集められ、この指針が光の乱反射によって光
輝表示されるようになり、明確な表示機能が発揮される
ようになる。この場合、表示文字盤面に形成した例えば
オドメータ等のための開口に対応して、第１の導光板の
楕円周面の一部が分断されると、この分断部分に対応す
る反射光が指針の回転軸部に導かれず、この指針の発光
機能が均一に発揮されない。しかし、この第１の導光板
に対して第２の導光板が設けられ、この第２の導光板に
対して前記分断された楕円周面部に対応する楕円周面が
形成されるものであり、したがって指針の回転する全範
囲にわたって均一に光を集めることができるようにな
り、指針照明効果が確保されるようになる。

【００１１】

【実施例】以下、図面を参照してこの発明の一実施例を
説明する。図１はその構成を示すもので、円形の表示文
字盤11には適宜表示文字等が表記されている。そして、
この文字盤11の中心部には貫通孔が形成され、この貫通
孔を介して指針12の回転軸13が文字盤11の裏面方向に突
設されている。この回転軸13は計器駆動機構14の駆動軸
141 に取り付けられ、駆動機構14によって指針12が回転
され、例えば車両の走行速度を表示するようになってい
る。

【００１２】ここで、指針12は例えば透明合成樹脂等の
導光体によって構成されているもので、回転軸13の端面
から導入された光が反射面121 で反射されて指針12の本
体部122 に導かれ、文字盤11の表面に垂直の方向に反射
されて指針12の本体部122 が光るように表示されるよう
にしている。すなわち、この指針12は発光指針を構成し
ている。

【００１３】この様な速度表示計器において、表示文字
盤11にはオドメータ用の表示窓15が開口され、この表示
窓15に対応して文字盤11の裏面部に数値表示器16が設け
られる。そして、この計器において指針12による走行速
度表示と共に、表示器16によって走行距離が表示される
ようになっている。

【００１４】文字盤11の裏面には、第１の導光板17が対
設設定される。この第１の導光板17は、文字盤11の裏面
で、この文字盤11の外周部に位置して設定される光源バ
ルブ18からの光を、発光指針12の回転軸13部に導く機能
が設定される。このため、第１の導光板17の外周面は楕
円に構成されるもので、その楕円面171 〜174 で反射さ
れた光が、指針12の回転軸13部に集められるようにして
いる。

【００１５】すなわち、第１の導光板17の楕円周面の焦
点位置に、指針12の回転軸13が設定され、また展開した
状態で示す楕円周面の他の焦点位置181 に光源バルブ18
が設定されるもので、バルブ18からの光が楕円面171 〜
174 に反射して回転軸13部に集光されるようにしてい
る。この回転軸13の端面に導入されて光は、反射面121
で反射して指針本体部122 に導かれる。

【００１６】ここで、文字盤11にはオドメータ用の表示
窓15が開口され、この表示窓15に対応して数値表示器16
が取り付けられるものであるため、第１の導光板17に対
しても表示窓15と共通となる位置に対応して切り欠き19
が形成され、この切り欠き19によって楕円面171 と173
との間が分断される。すなわち、第１の導光板17の楕円
周面の一部が欠落した状態となり、この欠落部に対応し
た部分の楕円面に相当する反射光が、指針12に導入され
なくなる。

【００１７】このためこの実施例においては、第１の導
光板17の裏面部にさらに第２の導光板20を突設形成す
る。そして、この第２の導光板20の外周面に、第１の導
光板17の楕円欠落部に対応した楕円面201 を形成し、バ
ルブ18からの光がこの第２の導光板20の楕円面201 で反
射され、指針12の回転軸13部に集められるようにするも
ので、この楕円面201 の焦点位置が、回転軸13の位置と
されるようする。

【００１８】ここで、この第２の導光板20は切り欠き19
部に接触しない範囲の、第１の導光板17に比較して幅狭
に構成されるもので、この第２の導光板20の楕円面201
は、切り欠き19の位置とは異なる位置に形成されるよう
にしている。

【００１９】第１および第２の導光板17および20は、そ
れぞれ図２の（Ａ）および（Ｂ）に取り出して示すよう
になるもので、第１の導光板17は文字盤11の外周縁に対
応する部分で、斜めに文字盤11からの離れる方向に折曲
され、この折曲片175 の先端部に光源バルブ18が設定さ
れるようになっている。そして、光路Ｒで示すようにバ
ルブ18からの光は第１の反射面Ｏで反射され、さらに第
２の反射面Ｐ1 で反射して指針12の反射面121 に導かれ
るようになる。図１においては第１の導光板17の折曲片
部を展開した状態における光源181 からの光路Ｒを示し
ている。

【００２０】また、第２の導光板20は（Ｂ）図で示すよ
うに第１の導光板17の下部に突設して形成されるもの
で、バルブ18からの光が導かれる折曲片175 部は第１の
導光板17と共通に構成される。そして、第１の反射面Ｏ
で反射された光は、光路Ｑで示すように第３の反射面Ｐ
2 で反射されて、指針12の回転軸13の反射面12に導かれ
るようにしている。

【００２１】図３は第１の導光板17および第２の導光板
20部分を斜視図の状態で取り出して示したもので、第１
の導光板17の外周面が楕円面171 〜174 によって構成さ
れている。そして、この第１の導光板17の裏面に第２の
導光板20が突設した状態で一体に構成されるもので、こ
の第２の導光板20に楕円面201 が形成されている。そし
て、折曲片175 部分にはさらに第１の導光板17部分に良
好に光が導かれるようにした凸条体176 が形成されてい
る。また、第２の導光板20の楕円面201 に連続する先端
部には、指針12の回転軸13部に導く導光路202 が形成さ
れている。

【００２２】

【発明の効果】以上のようにこの発明に係る計器の指針
照明装置によれば、透明体によって構成された回転する
指針に対して、この指針の回転する全範囲にわたって光
源からの光を均一に集めることができるものであり、こ
のため指針が表示値の変化に伴って回転しても、この指
針の明るさが変わることがない。また、指針の全体にわ
たって均一に光輝させることができるもので、計器の表
示効果が確実に安定して向上される。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例に係る計器の指針照明装置
の構成を説明するもので、（Ａ）は一部切り欠いて示し
た正面図、（Ｂ）は同じく側面図。

【図２】上記実施例の指針照明を行う導光板を説明する
もので、（Ａ）は第１の導光板部を示す図、（Ｂ）は第
２の導光板部を示す図。

【図３】導光板部を取り出して示す斜視図であり、
（Ａ）は光導入部を示す図、（Ｂ）はその裏面から見た
図、（Ｃ）は第１および第２の導光板の光取り出し部を
裏面から見た図。

【符号の説明】

11…表示文字盤、12…指針、121 …反射面、13…回転
軸、14…計器駆動機構、15…表示窓、17…第１の導光
板、171 〜174 楕円面、18…光源バルブ、19…切り欠
き、20…第２の導光板、201 …楕円面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 他の表示用窓の形成された表示文字盤
   と、 この表示文字盤の中心軸部に回転軸が貫通して設定さ
   れ、この回転軸部から照明光が導入されるようにした導
   光性の指針と、 前記文字盤の裏面部に対設設定され、前記文字盤の外周
   部に対応して設定された光源からの光を前記発光指針の
   回転軸部に導く、前記窓部に対応して切り欠きの形成さ
   れた第１の導光板と、 この第１の導光板の裏面部に前記切り欠き部を外した位
   置に突設形成され、前記光源からの光を前記発光指針の
   回転軸部に導く第２の導光板とを具備し、 前記第１の導光板は前記指針の回転軸部を焦点とした楕
   円周面を有するように構成すると共に、前記第２の導光
   板は少なくとも前記切り欠き部に対応する第１の導光板
   の楕円周面の欠落部に対応して、前記指針の回転軸部を
   焦点とした楕円周面を有するように構成したことを特徴
   とする計器の指針照明装置。