JPH05256669A - ロータリーエンコーダー - Google Patents

ロータリーエンコーダー

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JPH05256669A
JPH05256669A JP8975992A JP8975992A JPH05256669A JP H05256669 A JPH05256669 A JP H05256669A JP 8975992 A JP8975992 A JP 8975992A JP 8975992 A JP8975992 A JP 8975992A JP H05256669 A JPH05256669 A JP H05256669A
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JP
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light
scale
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rotation
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Application number
JP8975992A
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English (en)
Inventor
Masaru Chichii
勝 乳井
Akira Ishizuka
公 石塚
Masahiko Igaki
正彦 井垣
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転体の回転情報と共に回転基準位置を高精
度に検出することができるトルボット干渉を利用したロ
ータリーエンコーダーを得ること。 【構成】 円筒部材の周囲に一定周期の格子より成る光
学スケールを設けた回転体の該光学スケールに光照射手
段からの光束を照射し、該光学スケールで光変調された
光束を第1受光手段で受光し、該第1受光手段からの信
号を用いて該回転体の回転情報を検出する際、該円筒部
材の一部に設けた回転基準位置検出用の標識部に光束を
入射させ、該標識部を介した光束を複数の受光素子より
成る第2受光手段で受光し、該複数の受光素子からの出
力信号差を利用して該回転体の回転基準位置を検出する
ようにしたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はロータリーエンコーダー
に関し、特に円筒状物体の外周面又は内周面上に例えば
凹凸形状の透光性の格子を複数個、周期的に設けた光学
スケールを有する回転体に光束を入射させ、該光学スケ
ールを介した光束を利用することにより、該回転体の回
転情報を検出するようにしたロータリーエンコーダーに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりフロッピーディスクの駆動等の
コンピューター機器、プリンター等の事務機器、あるい
はNC工作機械、更にはVTRのキャプステンモーター
や回転ドラム等の回転機構の回転速度や回転速度の変動
量を検出する為の手段として光電的なロータリーエンコ
ーダーが利用されてきている。図44は所謂トルボット
干渉を利用したロータリーエンコーダーの要部概略図で
ある。
【0003】同図において1は半導体レーザであり、波
長λの可干渉性光束を発する。2は半導体レーザ1から
の発散光束を収束光束に変換するレンズ系であり、半導
体レーザ1とレンズ系2とで光照射手段LRが構成され
ている。3は円筒状の内周面に複数のV溝を周期的に設
けた透光性の格子部を有した光学スケールであり、矢印
に示す方向に回転している。
【0004】光学スケール3は透光性の光学材料より成
っている。光学スケール3を挟んで光照射手段LRと対
向する位置には、受光手段4を構成する3つのフォトデ
ィテクタ4a,4b,4cが配置されている。そして各
フォトディテクタの出力は信号処理回路5に接続されて
いる。信号処理回路5はパルスのカウント回路、回転方
向の判別回路、信号内挿処理回路等を有している。
【0005】同図のロータリーエンコーダーは光照射手
段LRからの光束を光学スケール3の一領域に入射さ
せ、該光学スケール3で光変調(回折)した光束を更に
光学スケール3の他の領域に入射させて光変調(偏向)
させている。そして光学スケール3の他の領域から射出
した複数(3つ)の光束を受光手段4で受光し、該受光
手段4からの出力信号を利用して光学スケール3の回転
情報を検出している。
【0006】このようなトルボット干渉を利用したロー
タリーエンコーダーにおいて、光学スケールの回転基準
位置信号を得るようにしたロータリーエンコーダーを本
出願人は特願平2−280695号で提案している。
【0007】図45は本出願人が先の特願平2−280
695号で提案したロータリーエンコーダーの要部断面
図である。尚図45において図44で示す要素と同一要
素には同符番を付している。
【0008】図45においては光学スケール3で光変調
(回折)された光束の一部をハーフミラー7により回転
軸6a方向に反射させて回転基準位置信号を得る為の光
学検出ユニットLPに導光している。
【0009】同図において光学スケール3の底部6の光
束入射側の面8は光拡散面より成り、該光拡散面8の裏
側には回転基準位置信号を発生させる為の標識部9が円
周の一か所に設けられている。該標識部9はV溝構造か
ら成り、該V溝部は光学スケール3の円周方向と直交す
る方向に細長く形成されている。また、その下方には光
学検出ユニットLPが固定配置され、該光学検出ユニッ
トは固定スリット10、回転基準位置信号を得るための
フォトディテクタ11を有している。
【0010】図46(A)は、フォトディテクタ11に
入射する光量が光学スケール3の回転動作により変化す
る様子を示している。通常は所定強度の出力が得られる
が標識部9が通過する短期間はフォトディテクタ11に
入射する光量が減少する。図46(B)は、その信号を
基に作成される基準位置信号を示す。このようにして光
学スケール3の1回転360°の中の所定の一点で絶対
的な基準位置信号を得ている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来のトルボット干渉
を利用したロータリーエンコーダーにおいて回転基準位
置信号を得る構成は (1−イ)通常の所定強度の出力信号に比べ、標識部が
通過する短期間にフォトディテクタ11に入射する光量
が減少するときの信号の変化を検知することは標識部の
スリット幅と信号処理回路の応答性を考慮すると非常に
困難である。
【0012】(1−ロ)標識部が通過するときのフォト
ディテクタ11に入射する光量が減少するときの信号の
変化は1つなので、回転方向の判別が難しい。
【0013】(1−ハ)標識部が通過するときのフォト
ディテクタ11に入射する光量が減少するときの信号の
変化は1つなので、予め決めたレベルに達した時、回転
基準位置信号(Z相信号)を発生させると回転方向によ
って異なるタイミングで回転基準位置信号が発生してし
まう。等の問題点があった。
【0014】本発明はトルボット干渉を利用したロータ
リーエンコーダーにおいて回転基準位置信号を得る為の
標識部及び該標識部を介した光束を受光する為の受光手
段の構成を適切に設定することにより、装置全体の簡素
化を図りつつ回転基準位置信号を高精度に検出すること
ができるロータリーエンコーダーの提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のロータリーエン
コーダーは、 (2−イ)円筒部材の周囲に一定周期の格子より成る光
学スケールを設けた回転体の該光学スケールのうちの第
1スケールに光照射手段からの光束を照射し、該第1ス
ケールで光変調された光束を該光学スケールのうちの第
2スケールに入射させ、該第2スケールで光変調された
光束を第1受光手段で受光し、該第1受光手段からの信
号を用いて該回転体の回転情報を検出する際、該円筒部
材の一部に回転基準位置検出用の標識部を設け、該光照
射手段からの光束の一部を光学部材により該標識部に導
光し、該標識部を介した光束を複数の受光素子より成る
第2受光手段で受光し、該複数の受光素子からの出力信
号差を利用して該回転体の回転基準位置を検出するよう
にしたこと。
【0016】(2−ロ)円筒部材の周囲に一定周期の格
子より成る光学スケールを設けた回転体の該光学スケー
ルのうちの第1スケールに第1光照射手段からの光束を
照射し、該第1スケールで光変調された光束を該光学ス
ケールのうちの第2スケールに入射させ、該第2スケー
ルで光変調された光束を第1受光手段で受光し、該第1
受光手段からの信号を用いて該回転体の回転情報を検出
する際、該円筒部材の一部に回転基準位置検出用の標識
部を設け、第2光照射手段からの光束を光学部材により
該標識部に導光し、該標識部を介した光束を複数の受光
素子より成る第2受光手段で受光し、該複数の受光素子
からの出力信号差を利用して該回転体の回転基準位置を
検出するようにしたこと。
【0017】(2−ハ)円筒部材の周囲に一定周期の格
子より成る光学スケールを設けた回転体の該光学スケー
ルのうちの第1スケールに光照射手段からの光束を照射
し、該第1スケールで光変調された光束を該光学スケー
ルのうちの第2スケールに入射させ、該第2スケールで
光変調された光束を第1受光手段で受光し、該第1受光
手段からの信号を用いて該回転体の回転情報を検出する
際、該円筒部材の一部に回転基準位置検出用の凹面又は
凸面の曲面より成る標識部を設け、第2光照射手段から
の光束を光学部材により該標識部に導光し、該標識部を
介した光束を複数の受光素子より成る第2受光手段で受
光し、該複数の受光素子からの出力信号差を利用して該
回転体の回転基準位置を検出するようにしたこと。
【0018】(2−ニ)円筒部材の周囲に一定周期の格
子より成る光学スケールを設けた回転体の該光学スケー
ルのうちの第1スケールに光照射手段からの光束を照射
し、該第1スケールで光変調された光束を該光学スケー
ルのうちの第2スケールに入射させ、該第2スケールで
光変調された光束を第1受光手段で受光し、該第1受光
手段からの信号を用いて該回転体の回転情報を検出する
際、該円筒部材の一部に回転基準位置検出用のV溝形状
の標識部を設け、1つの発光部と1つの受光素子より成
るセンサーユニットを複数個、該回転体の回転方向に沿
って、該標識部に対向配置し、該複数のセンサーユニッ
トからの光束を該標識部に導光し、該標識部を介した光
束を該複数のセンサーユニットの受光素子で受光し、該
複数の受光素子からの出力信号差を利用して該回転体の
回転基準位置を検出するようにしたこと。
【0019】(2−ホ)円筒部材の周囲に一定周期の格
子より成る光学スケールを設けた回転体の該光学スケー
ルのうちの第1スケールに光照射手段からの光束を照射
し、該第1スケールで光変調された光束を該光学スケー
ルのうちの第2スケールに入射させ、該第2スケールで
光変調された光束を第1受光手段で受光し、該第1受光
手段からの信号を用いて該回転体の回転情報を検出する
際、該円筒部材の一部に該回転体の円周方向と垂直な方
向で互いに逆方向に傾いた2つの傾斜面を有する回転基
準位置検出用の標識部を設け、第2光照射手段からの光
束を該標識部に導光し、該標識部の2つの傾斜面で分離
した2つの光束を各々受光素子で検出し、該2つの受光
素子で得られる光量変化の出力信号差を利用して該回転
体の回転基準位置を検出するようにしたこと。
【0020】
【実施例】図1は本発明の実施例1の要部断面図、図2
は図1の回転基準位置検出用の各要素に関するA−A´
の要部断面図、図3は図1の回転体6(光学スケール
3)の回転情報検出用の各要素に関するB−B´の要部
断面図、図4は図1の光学スケール3の要部斜視図であ
る。
【0021】図中LRは光照射手段であり、半導体レー
ザ1とレンズ2とを有している。3は光学スケールであ
り、円筒部材3cの内周面又は外周面に一定周期で複数
の格子(格子部)3dを設けた構成より成っている。光
学スケール3は透光性の光学材料より成り、回転体6の
一部として設けられており、回転体6と一体的に回転軸
6aを中心に回転している。
【0022】104は光学スケール3の回転基準位置信
号を得る為の標識部であり、円筒部材3cの一部に設け
ている。格子3dと標識部104は図4、図5(A),
(B)に示すように光学スケール3の矢印3fで示す回
転方向に対して垂直方向(回転軸6a方向)に長い、互
いに逆方向に傾けた2つの傾斜面を有するV溝(V溝
部)と円筒状に基づく僅かに曲率を有した略平面に近い
曲面部(以下、「平面部」と称する)より成っている。
【0023】特に本実施例では、標識部104を格子3
dのV溝の一部を回転軸6a方向に延長した一部分より
構成している。これにより格子3dと標識部104との
境界部分(図4の領域B)の散乱による後述する受光手
段4,103への悪影響を少なくしている。
【0024】図5(A),(B)は光学スケール3の格
子の詳細図であり、V溝部30b−1,30b−2と平
面部30aが交互に配列されて格子を形成している。円
筒部材3cの内側面にV溝を等間隔にn個、円周方向に
ピッチPで等間隔に配列している。V溝幅は1/2・
P、又V溝を形成する2つの平面部は各々1/4・Pの
幅を有し、各々の傾斜面はV溝の底部と中心とを結ぶ直
線に対し各々臨界角以上、本実施例ではθ=45°で傾
いている。
【0025】光学スケール3の第1スケール(第1領
域)3aと第2スケール(第2領域)3bの光軸に沿っ
た間隔d(光学スケール内側の直径)は、本実施例では
格子ピッチがP、波長がλとして d=N・P2 /λ (N;自然数) P=πd/n (nはスリット(V溝)の総数) を満たすように設定されている。
【0026】このように光学スケール3の直径dを設定
することにより、光学スケール3の中空部に結像光学系
を設けることなく、光学スケール3の側面の第1領域3
aの格子の像を直接第2領域3bの格子へ投影してい
る。ここで投影される格子像はフーリエ像と呼ばれるも
のであり、光回折現象に伴う格子の自己結像作用により
生じる。
【0027】本実施例の光学スケール3は円筒状を成し
ているため、フーリエ像が多少湾曲してコントラストが
低下する傾向があるが、以下に示す条件を満たすように
光照射手段(LR)と光学スケール3を構成すれば実用
上問題はない。
【0028】(N−1/4)P2 /λ<d<(N+1/
4)P2 /λ (Nは自然数) 尚、本実施例では光学スケール3の材質をプラスチック
とし、射出成型若しくは圧縮成型等の製法によって容易
に作成することができるようにしている。
【0029】図1に戻り、100はマスクであり、光照
射手段LRと光学スケール3との間に設けている。マス
ク100は2つの開口部100a,100bを有してい
る。このうち開口部100bは光学スケール3(回転体
6と同様である。以下同じ)の回転情報を検出する為に
光照射手段LRからの光束の一部を通過させている。開
口部100bを通過した光束101は光学スケール3の
第1スケール(第1領域)3aに入射させている。
【0030】開口部100aは光学スケール3の回転基
準位置信号を得る為に光照射手段LRからの光束の一部
を通過させている。開口部100aを通過した光束10
2は後述するように回転軸6aと垂直方向に屈折力を有
する2つのシリンドリカルレンズ105,106を介し
て標識部104に導光している。
【0031】本実施例ではマスク100を用いることに
より、光照射手段LRからの光束を2つの光束101,
102に分けて、これにより光照射手段LRの共通化を
図っている。
【0032】4は第1受光手段であり、光学スケール3
で光変調され射出した3つの光束を各々受光する為の3
つのフォトディテクタ(受光素子)4a,4b,4cを
有している。103は第2受光手段であり、標識部10
4で光変調された射出した2つの光束を各々受光する為
の2つのフォトディテクタ(受光素子)103a,10
3bを有している。5は信号処理回路であり、パルスカ
ウント回路や回転方向の判別回路そして信号内挿処理回
路等を有しており、第1受光手段4からの信号を用いて
光学スケール3の回転情報を検出している。
【0033】次に本実施例における光学スケール3(回
転体6)の回転情報の検出方法について図3を中心に説
明する。
【0034】半導体レーザ1からの光束はレンズ系2の
位置を調整して収束光に変換され、この収束光束を光学
スケール3の第1スケール(第1領域)3aに入射させ
る。ここで収束光とした理由は、光学スケール3の側面
部は外側面と内側面の曲率差により凹レンズ相当の屈折
力を有する為であり、凹レンズ作用によって光学スケー
ル3内に進入した光は略平行光になる。
【0035】この収束光束は、第1領域3aの格子3d
において図5(A)に示すように、格子部30aに到達
した光線は格子部30aを通過して円筒内に進む。又、
格子部30b−1面に到達した光線は、傾斜面が臨界角
以上に設定されているので、図に示したように全反射し
て30b−2面に向けられ、30b−2面でも全反射す
ることになるので、結局30b−1面へ到達した光線は
光学スケール3の円筒部材の内部に進入することなく、
略入射方向に戻されることになる。同様に30b−2面
に到達した光線も全反射を繰り返して戻される。
【0036】従って第1領域3aにおいてV溝を形成す
る2つの傾斜面30b−1、30b−2の範囲に到達す
る光束は、円筒部材内に進入することなく反射され、格
子部30aに到達した光線のみが円筒部材の内部に進む
ことになる。即ち、第1領域3aにおいてV溝型の格子
3dは透過型の振幅回折格子と同様の作用を有する。
【0037】この第1領域3aの格子3dで光束は回折
され、格子の作用により0次、±1次、、±2次・・・
の回折光が生じ、0次光及び±1次光の2つ若しくは3
つの光束同士の干渉の結果、第1領域3aの格子のフー
リエ像が光学スケール3の内部に結像される。フーリエ
像は格子面より後方に距離L(L=P2 /λ)を基本と
してその整数倍の位置に繰り返し結像される。
【0038】本実施例においては3番目(N=3)のフ
ーリエ像が第2領域3bの格子面上に結像されるよう
に、光源波長λ、格子ピッチP、レンズ系2の位置が設
定されている。このフーリエ像の明暗ピッチは第1領域
3a及び第2領域3bの格子ピッチPと等しくなる。
【0039】第2領域3bにおいて面30aに入射した
光束は図5(B)に示すように略垂直入射するため直線
透過してフォトディテクタ4cに到達する。又、V溝面
を形成する2つの傾斜面30b−1及び30b−2に到
達した光線は、各々の面に略45°の入射角をもって入
射するためそれぞれ異なる方向に大きく屈折して各々デ
ィテクタ4a及び4bに到達する。
【0040】このように第2領域3bにおいては、入射
光束に対して異なる方向に傾斜した2つの傾斜面、及び
V溝とV溝の間の平面の合計3種の傾き方向の異なる面
により、光束は3つの方向に別れて進み、各々の面に対
応した位置に設けられた各フォトディテクタ4a,4
b,4cに到達する。即ち第2領域3bにおいてV溝格
子は光波波面分割素子として機能する。
【0041】ここで光学スケール3が回転すると各フォ
トディテクタ4a,4b,4cで検出される光量が変化
する。格子の位置とフーリエ像の位置の相対的変位に応
じ、各フォトディテクタに入射する光量バランスが変化
し、その結果、光学スケール3が反時計廻りに回転した
とすると、図6(A)に示すような光学スケール3の回
転に伴う光量変化が得られる。
【0042】ここで横軸は光学スケール3の回転量、縦
軸は受光光量である。信号a,b,cはそれぞれフォト
ディテクタ4a,4b,4cに対応している。尚、逆に
光学スケール3が時計廻りに回転した場合はaは4b,
bは4a,cは4cの出力となる。
【0043】尚、図6(A)はフーリエ像のコントラス
トが非常に高く理想に近い場合の理論的な光量変化の様
子を示したものであり、実際にはフーリエ像のコントラ
ストがもっと低い為、図6(B)のように各光量は略正
弦波状に変化する。これらの信号を基に光学スケール3
(回転体6)の回転角度や回転量あるいは回転速度や回
転加速度等の回転情報を得ている。
【0044】次に本実施例において光学スケール3の回
転基準位置信号の検出方法について図2を中心に説明す
る。
【0045】図2において105,106はシリンドリ
カルレンズであり、回転軸6aを垂直方向に屈折力を有
している。シリンドリカルレンズ105,106は光照
射手段LR側の基準位置検出側の光束102の回転軸6
aと垂直方向の光束径をφ1、基準位置検出用の標識部
104側の光束102の回転軸6aと垂直方向の光束径
をφ2 とし、各々の焦点距離をf1 ,f2 とすると次の
関係を満たすように各要素が設定されている。
【0046】f1 /f2 =φ1 /φ2 本実施例では光照射手段LRからの光束のうち、マスク
100の開口部100aを通過した光束102をシリン
ドリカルレンズ105,106で集光し、所定の光束径
として標識部104に入射させている。そして標識部1
04で光変調された光束を第2受光手段103で受光し
て、該第2受光手段103からの出力信号を用いて光学
スケール3の回転基準位置信号を得ている。
【0047】図7(A)に示すように基準位置検出用の
標識部104のV溝部の幅をK、基準位置検出用の標識
部104側の光束をφ2 (K=φ2 )としたときのフォ
トディテクタ103a,103bからの出力信号103
aa,103bbの変化は図7(B)のようになる。
【0048】図7(B)の横軸は光学スケール3の回転
量を、縦軸はフォトディテクタの出力値Iを示してい
る。又、図8(A)に示すように基準位置検出用の標識
部104のV溝部の幅を2K、基準位置検出用の標識部
104側の光束をφ2 としたときのフォトディテクタ1
03a,103bからの出力信号103aa,103b
bの変化は図8(B)のようになる。
【0049】出力信号103aa,103bbの波形が
交叉する点Pは図7(B)、図8(B)から分かるよう
に標識部104のV溝部の幅と標識部104側の光束幅
の相対的な値で変化し、出力信号の最大強度が先鋭な波
形になる為にはV溝部の幅が基準位置検出用の標識部1
04側の光束幅に対して大きくすれば良い。このとき波
形が交叉する点Pが明確になり回転基準位置信号が求ま
る。
【0050】本実施例では基準位置検出精度と信号処理
回路の応答性を考慮して両者の幅を設定している。ま
た、フォトディテクタ103a,103bの出力信号の
立ち上がり、立ち下がりを判別することで光学スケール
3の回転方向の判断をしている。本実施例ではV溝部の
幅をd、標識部に入射する光束径をφとしたとき d/4≦φ≦3d となるようにしている。
【0051】図9、図10、図11は本発明の実施例
2,3,4の回転基準位置信号の検出系の各要素を有す
る図1のA−A´断面に相当する要部平面図である。
【0052】図9の実施例2では1つのシリンドリカル
レンズ107で光照射手段LR側の基準位置検出側の光
束φ1 を基準位置検出用の標識部104側で光束の幅が
φ2になるように設定し、V溝幅をKとして少なくとも
K≧φ2 になるように設定し、シリンドリカルレンズが
1つで実施例1と同じ作用になる点が特徴でその他の構
成は同じである。
【0053】図10の実施例3では2つのシリンドリカ
ルレンズ105,106を用いる代わりに円筒部材3c
の内面の一部をシリンドリカルレンズ108,109と
している。
【0054】そしてシリンドリカルレンズ108,10
9の回転軸6aと垂直方向の焦点距離をf1,f2とし
たとき前述の(1)式を満足するように各要素を設定し
ている点が実施例1と異なりその他の構成は同じであ
る。
【0055】図11の実施例4は回転基準位置検出側の
光束φ2 がある程度の幅をもつ場合に適する方法であ
り、回転基準位置検出用として、2つの標識部110
a,110bを有している。又、フォトディテクター1
03a,103bの前面にはスリット111が配されて
いて幅Gの矩形開口112a,112bが間隔La隔て
て設けられている。
【0056】図12は回転基準位置検出側の拡大図でV
溝幅が2t、その間隔をGとしてある。(但し、各長さ
は次の関係を満たす。La≧φ2 ≧G+2t)。
【0057】図13は図12のフォトディテクター10
3a,103bからの出力信号103aa,103bb
の変化を示している。本実施例では例えば出力信号が先
鋭になる位置q1〜q4を適切に組み合わせてサンプリ
ングを行ない回転基準位置を設定している。
【0058】図14は本発明の実施例5の要部断面図で
ある。本実施例では円筒部材3cの外部に標識部113
を設け、光照射手段LRと円筒部材3cの間に標識部1
13と平行に母線をもつシリンドリカルレンズ115a
の付いたビームスプリッター115を設けている。
【0059】図15(A)は図14の円筒部材3cの要
部斜視図である。本実施例では光照射手段LRから分岐
した回転基準位置検出用の光束を透過して、標識部11
3に対して該標識部113の幅の約2倍の幅になるよう
に集光し、その反射光をビームスプリッター115で2
分割されたフォトディテクター116側に反射させてい
る。この時の2分割されたフォトディテクター116か
らの出力信号は、図7(B)、図8(B)に示されるよ
うな波形になる。
【0060】本実施例ではこのとき得られる波形を利用
して実施例1と同様にして回転基準位置信号を得てい
る。
【0061】尚、本実施例において標識部として図15
(B)に示すように図15(A)の標識部113のV溝
部の代わりに、それと同じ幅の反射面でなる標識部11
4に置き換えてもよい。
【0062】図16は本発明の実施例6の要部断面図で
ある。本実施例では円筒部材3cの底面の一部に標識部
113を設けており、その他の構成は図14と略同じで
ある。
【0063】図17(A)は図16の円筒部材3cの要
部斜視図である。本実施例では実施例1で示したマスク
100に代わってビームスプリッター115と標識部1
13の配置により格子と回転基準位置検知用の標識部の
境界部分による散乱によるフォトディテクター116へ
の影響を効果的に防止している。
【0064】尚、本実施例において標識部として図17
(B)に示すように図17(A)の標識部113のV溝
部の代わりにそれと同じ幅の反射面でなる標識部114
に置き換えてもよい。
【0065】図18(A)は本発明の実施例7の要部平
面図である。本実施例では円筒部材3cの光学スケール
3を有する回転体の中に前記回転基準位置信号用の光束
101と光束102の両光束を分岐する手段107を設
けている点が実施例1と異っており、その他の構成は実
施例1と同じである。
【0066】図18(A)において光照射手段LRから
の光束のうち光学スケール3を通過した回転基準位置検
出系の光束102はシリンドリカルレンズを射出側に有
するビームスプリッター107により基準位置検出用の
標識部104に指向される。103a,103bは、回
転基準位置信号を得るためのフォトディテクターであ
る。
【0067】ここでビームスプリッター107は、トル
ボット干渉型のロータリーエンコーダーとしての作用を
果たすための格子と回転基準位置検知用の標識部104
が重なり合わないように傾斜をつけて設置している。こ
の傾斜の方向と回転基準位置検知用の標識部104が垂
直になるように、円筒部材3cの一部にはテーパー状の
斜面部3eを設けている。
【0068】光学スケール3を有する回転体の中に前記
光束101と光束102の両光束を分岐する手段を設け
ることにより、光源の共通化が図られると同時に、実施
例1で考慮した格子と回転基準位置検知用の標識部の境
界部分による散乱によるフォトディテクターへの影響を
より効果的に防止している。
【0069】図19は本発明の実施例8の要部断面図で
ある。本実施例では半導体レーザー1とレンズ系2より
なる光照射手段LRと円筒状の光学スケール3を有する
回転体6及び第1受光手段4である2つのフォトディテ
クター4a,4bによりトルボット干渉型のロータリー
エンコーダーとしての光学系がB−B´方向に示されて
いる。
【0070】これに対して、該光照射手段LRとは異な
る第2光照射手段としての光源200より発する光束が
レンズ201及びシリンドリカルレンズ202により線
状の平行光束となり円筒状の光学スケール3を有する回
転体6上の格子部と異なる領域に設けられた回転基準位
置信号の検出用の標識部204に指向されている。該標
識部204を介した光を第2受光手段205の2つのフ
ォトディテクター(205a,205b)により検知
し、その出力信号差に基づいて光学スケール3の回転基
準位置信号を得る検出系が設けられている。
【0071】図20は図19の光学スケール3部分斜視
図であり、各構成部は省略してある。2つのフォトディ
テクター205a,205bで得られる信号波形は図7
(B)、図8(B)に示す実施例1と同様であり、実施
例1で説明したのと同様の方法により回転基準位置信号
及び光学スケール3の回転方向を検出している。
【0072】図21は本発明の実施例9の要部断面図で
ある。本実施例では光源200からの光束をレンズ20
1で集光し、シリンドリカルレンズを有するビームスプ
リッター203を通過させて図17(B)と同様の平面
反射面より成る標識部204に入射させている。
【0073】このとき標識部204の回転方向の幅をk
/2、標識部204に入射する光束径をφ2 としてい
る。そして標識部204からの反射光束をビームスプリ
ッター203で反射させて第2受光手段205に入射さ
せている。
【0074】図22はこのときの第2受光手段205で
得られる出力信号の波形である。2つのフォトディテク
ター205a,205bで得られる出力信号を利用して
実施例1と同様にして光学スケール3の回転基準位置信
号と回転方向を検出している。
【0075】図23は本発明の実施例10の要部平面図
である。本実施例ではトルボット干渉型のロータリーエ
ンコーダーとしての光学系B−B´に対し、回転基準位
置信号の検出系が円筒状の光学スケール3の側面であっ
てかつ光学スケール3の格子部と異なる領域に設けられ
ている。回転基準位置信号の検出用の標識部204のV
溝部の幅をK、回転基準位置信号の検出用の標識部20
4側の光束をφ2 (K=φ2 )とした時のフォトディテ
クター105a,105bからの出力信号の変化は図7
(B)と同様である。
【0076】図24は本発明の実施例11の要部平面図
である。本実施例ではトルボット干渉型のロータリーエ
ンコーダーとしての光学系B−B´に対し、回転基準位
置信号の検出系が円筒状の光学スケール3の外部側面に
設けている。そして回転基準位置信号の検出用の標識部
204は円筒部材3cの外側に凸のV型の反射面を有し
ている。
【0077】標識部204側の光束径をφ2 (K=φ
2 )とした時のフォトディテクター205a,205b
からの出力信号の変化は図7(B)と同様である。
【0078】図25(A)は本発明の実施例12の要部
概略図である。図25(B)は同図(A)の一部分の拡
大説明図である。本実施例では半導体レーザー1とレン
ズ系2によりなる光照射手段LRと円筒状の光学スケー
ル3を有する回転体、及び第1受光手段4である2つの
フォトディテクター4a,4bにより干渉型のロータリ
ーエンコーダーとしての光学系がB−B´方向に示され
ている。
【0079】これに対して、回転基準位置信号の検出系
がB−B´方向とは異なる方向に設けられている。回転
基準位置信号の検出系は光源301と複数の受光素子3
02,302b、及び円筒部材3cの格子部と異なる領
域3gにもうけられた凹面からなる回転基準位置信号の
検出用の標識部303により構成されている。
【0080】図26(A)〜(D)は図25の回転基準
位置信号の検出系のみを光学スケール3(標識部30
3)の回転に伴う光束の変化として示している。本実施
例では図26(A)〜(D)に示すように光学スケール
3の回転移動する過程で、光源301の標識部303に
よる反射像の位置はI1 ,I2 ,I3 のように変化し、
複数の受光素子302a,302b上を横断することに
よって、その相互の出力信号302aa,302bbの
変化は図27のようになる。
【0081】これら複数の受光素子302a,302b
からの信号が交叉する点を回転基準位置とすることによ
り、ひとつの受光素子による出力信号変化に比べて精度
の高い検出が可能となる。前記標識部303の回転の周
方向の移動量をLb、光源301と反射像I間の倍率を
β(<0)とすると、反射像Iの移動量Δは、Δ=(1
−β)Lbとなり、倍率βの設定により回転位置検出精
度を変化させることができる。絞り304は標識部30
3の回転移動する過程で、標識部303がない時に光源
301の反射光が複数の受光素子302a,302b上
に到達しないように光束を規制している。
【0082】図28は本発明の実施例13の回転基準位
置信号の検出系部分の概略図である。本実施例では図2
5の実施例12に比べて凹面反射鏡より成る標識部30
3の代わりに凸面反射鏡より標識部306を用いている
点が異なり、その他の構成は実質的に実施例12と同じ
である。
【0083】図29(A)〜(B)は図28の光源30
1から発した光束がレンズ305(矢印で表示)を介し
て標識306で反射し再度レンズ305を介して受光手
段302(302a,302b)に入射する光路を、光
学スケール3の回転に伴う光路として示している。
【0084】本実施例では光学スケール3上の格子部と
異なる領域にもけられた凸面からなる回転基準位置信号
の検出用の標識部306と光源301の間に正の屈折力
を有するレンズ305を挿入してある。光源301によ
り発した光束はレンズ305を介して凸面の焦点位置
(凸面の曲率半径rの1/2の距離:r/2)上で、軸
aからyの点に集光される。従って凸面306で反射し
た光束は平行光束となって再度レンズ305を通過しレ
ンズ305の焦点位置に配された受光素子302a,3
02b上再結像する。
【0085】図29(A)〜(D)は、この具体的な様
態を示している。標識部306がない場合は(図29
(A))はyの点に集光した光束はレンズ305を通過
し光源301に再結像する。凸面からなる標識部306
(光学スケール3)の回転移動する過程で、図29
(C)に示すようにその凸面の中心軸と軸aが一致する
時、その凸面306からの反射光がレンズ305の焦点
上に設けられた受光素子302a,302bの中心に結
像するようにし、この時を回転基準位置とする。
【0086】光源301の標識部306による反射像の
位置は光学スケール3の回転に伴いI1 ,I2 ,I3
ように変化し、複数の受光素子302a,302b上を
横断することによって、その相互の出力信号の変化は図
27と同じようになる。これら複数の受光素子302
a,302bの信号が交叉する点を回転位置基準とする
ことにより、ひとつの受光素子による出力信号変化に比
べて精度の高い検出が可能となる。
【0087】前記標識部306の回転の周方向の移動量
をLc、凸面からなる標識部306の曲率半径r、レン
ズ305の焦点距離をFとすると、反射像Iの移動量Δ
はΔ=F/f・Lc(f=r/2)Lcとなり凸面から
成る標識部306の曲率半径rの設定により回転位置検
出精度を変化させることができる。
【0088】図30は本発明の実施例14の要部概略図
である。本実施例では標識部として立体形状の標識部を
用いると共に光照射手段と受光手段とを1つの筐体に設
けたセンサーユニットを用いることを特徴としている。
【0089】本実施例では半導体レーザー1とレンズ系
2よりなる光照射手段LRと円筒状の光学スケール3を
有する回転体及び第1受光手段4である2つのフォトデ
ィテクター4a,4bにより干渉型のロータリーエンコ
ーダーとしての光学系がB−B´方向に示されている。
【0090】これに対して、回転基準位置信号の検出系
がB−B´方向とは異なる方向に設けられている。回転
基準位置信号の検出系は1つの光源401と1つの受光
素子402から成るセンサーユニットと光学スケール3
上の格子部と異なる領域に設けられた回転基準位置信号
の検出量の標識部403から成り、光学スケール3の回
転方向に沿って複数個(2個)のセンサーユニット40
4a,404bを配置してある。
【0091】図31(A)〜(E)はひとつのセンサー
ユニット404aにおいて、このセンサーユニット40
4aに対応する標識部403a(光学スケール3)が回
転移動する過程での光源401aからの光束が標識部4
03aで反射し受光素子402aへ向かう光路の変化を
示している。
【0092】図32は図31において光学スケール3の
回転に伴い受光素子402aに入射する光束の変化に伴
う受光素子402aからの出力信号Iの変化を示してい
る。本実施例では受光素子402aからの出力信号の変
化が回転移動方向に対して逆向きの変化を示すように、
標識部403aとセンサーユニット404aに対して対
称になるように標識部403bとセンサーユニット40
4bを配置している。これら複数の受光素子402a,
402bの相互の出力信号変化は図33に表わされてい
る。これらの信号が交叉する点を回転基準位置とするこ
とにより、ひとつのセンサーユニットによる出力信号変
化に比べて精度の高い検出が可能となる。
【0093】図30では標識部403aとセンサーユニ
ット404a、標識部403bとセンサーユニット40
4bが同一箇所に並列して配置されていたが、例えば、
径方向に180°対称に配置しても同じ効果が得られ
る。また、受光素子402a,402bの出力信号の立
ち上り、立ち下がりを判別することで回転方向の判断を
している。
【0094】図34(A)〜(E)は本発明の実施例1
5に係る回転基準位置信号を検出する際の1つのセンサ
ーユニットと標識部の相対的位置関係の変化に伴う光束
の光路を示す説明図である。
【0095】即ち、同図(A)〜(E)は光束の反射を
防止する処理をした凹状の標識部403が回転移動する
過程で光源401からの光束を標識部403で遮断し、
受光素子402へ向かう光束を減少させ、その出力信号
の変化を前記と同じ方法で検知する手段を示している。
【0096】尚、本実施例14,15においては図35
(A),(B)に示すようにセンサーユニット404と
回転基準位置検出のための標識部403との間に正の屈
折率を有するレンズ405を挿入しても良い。センサー
ユニット404はレンズ405の焦点位置に置かれ、標
識部403はレンズ405のもう一方の焦点位置付近に
置かれる。光源401からの光束は基準位置検出のため
の標識部403(光学スケール3)が回転移動する過程
で、図35(A)、図35(B)で示されるような変化
をする。このようにすることにより、受光素子402の
必要面積が小さくなり、また受光素子402の感度を増
加させることができる。
【0097】図36(A)は本発明の実施例16の要部
概略図、図36(B)は同図(A)の一部分の拡大説明
図である。本実施例では回転基準位置信号を検出する為
の標識部を2つの傾斜面を有し、かつ該2つの傾斜面の
境界が円周方向(回転方向)と直交する方向に配置して
構成したことを特徴としている。
【0098】本実施例では半導体レーザー1とレンズ系
2よりなる光照射手段LRと円筒状の光学スケール3を
有する回転体、及び第1受光手段であるフォトディテク
ター4a,4bにより干渉型のロータリーエンコーダー
としての光学系がB−B´方向に示されている。
【0099】これに対して、回転基準位置信号の検出系
がB−B´方向とは異なる方向に設けられている。回転
基準位置信号の検出系は光源501と受光素子502
(502a,502b)及び円筒部材3cの格子部と異
なる領域3hに設けられた回転基準位置信号の検出用の
標識部503により構成されている。
【0100】該標識部503は2つの傾斜面503a,
503bを有し、該2つの傾斜面(503a,503
b)の境界は円周方向(回転方向)と直交する方向に向
くように配置されている。
【0101】図37(A),(B)は、図36の回転基
準位置信号の検出系のみを光学スケール3(標識部50
3)の回転に伴う光束の変化として示している。回転基
準位置信号の検出用の光源501からの光束は該標識部
の傾斜面503a,503bで反射した後、2つの光束
に分離し受光素子502a,502bに指向している。
【0102】図38(A)〜(G)はこのときの2つの
傾斜面503a,503bに入射する光束501aが光
学スケール3の回転(矢印で示す方向)に伴って変化す
る様子を示している。
【0103】図39は光学スケール3の回転に伴って2
つの受光素子502a,503から得られる出力信号5
02aa,502bbの変化を示している。
【0104】図39に示す2つの出力信号502aa,
502bbが交叉する点を回転基準位置としている。こ
れにより精度の高い回転基準位置の検知を可能にしてい
る。又出力信号502aa,502bbの立ち上がり、
立ち下がりを判別することで光学スケール3の回転方向
の判断をしている。
【0105】尚、本実施例においては図40(A),
(B)に示すように回転基準位置信号の検出用の光源5
01と標識部503a,503bの間に正の屈折力を有
するレンズ504を挿入しても良い。光源501と受光
素子502a,502bはレンズ504の焦点位置に置
かれ、標識部503a,503bはレンズ504のもう
一方の焦点位置付近に置かれる。光源501からの光束
は標識部503(光学スケール3)が回転移動する過程
で、図40(A),(B)で示されるような変化をす
る。このようにすることにより、受光素子502の必要
面積が小さくなり、又受光素子502の感度を増加させ
ることができる。
【0106】図41(A)は本発明の実施例17の回転
基準位置信号の検出系部分を示した要部断面図、図41
(B)は同図(A)の一部分の拡大説明図である。本実
施例の標識部503は図41(C)に示すように実施例
16の標識部と同様の形状の透過材料より構成してい
る。
【0107】本実施例では回転基準位置信号の検出用の
標識部503a,503bと受光素子502a,502
bの間に正の屈折力を有するレンズ505を挿入してい
る。線状光源506を発した光束501bは線状矩形マ
スク507(図40(C)参照)を通過後、偏角作用を
持つ標識部503a,503bにより屈折透過し受光素
子102a,102bへ指向される。
【0108】図42(A)〜(G)はことのきの2つの
傾斜面503a,503bに入射する線状光束501b
が光学スケール3の回転(矢印で示す方向)に伴って変
化する様子を示している。
【0109】図43は光学スケール3の回転に伴って2
つの受光素子502a,502bから得られる出力信号
502aa,502bbの変化を示している。
【0110】図43に示すように2つの出力信号の50
2a,502bbを利用して光学スケール3の回転基準
位置信号の検出及び回転情報の検出方法は実施例16と
同じである。
【0111】
【発明の効果】本発明によれば以上のようにトルボット
干渉を利用したロータリーエンコーダーにおいて、回転
基準位置信号を得る為の標識部及び該標識部を介した光
束を受光する為の受光手段の構成を適切に設定すること
により、装置全体の簡素化を図りつつ回転基準位置信号
を高精度に検出することができるロータリーエンコーダ
ーを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の要部断面図
【図2】 図1のA−A´断面図
【図3】 図1のB−B´断面図
【図4】 図1の一部分の説明図
【図5】 図1の一部分の説明図
【図6】 図1の第1受光手段からの出力信号波形の
説明図
【図7】 図1の一部分の説明図
【図8】 図1の一部分の説明図
【図9】 本発明の実施例2の回転基準位置信号の検
出系の要部概略図
【図10】 本発明の実施例3の回転基準位置信号の検
出系の要部概略図
【図11】 本発明の実施例4の回転基準位置信号の検
出系の要部概略図
【図12】 図11の一部分の説明図
【図13】 図11の第2受光手段からの出力信号波形
の説明図
【図14】 本発明の実施例5の要部断面図
【図15】 図14の一部分の説明図
【図16】 本発明の実施例6の要部断面図
【図17】 図16の一部分の説明図
【図18】 本発明の実施例7の要部平面図
【図19】 本発明の実施例8の要部断面図
【図20】 図19の一部分の説明図
【図21】 本発明の実施例9の要部断面図
【図22】 図21の第2受光手段からの出力信号波形
の説明図
【図23】 本発明の実施例10の要部平面図
【図24】 本発明の実施例11の要部平面図
【図25】 本発明の実施例12の要部概略図
【図26】 図25の一部分の説明図
【図27】 図25の第2受光手段からの出力信号波形
の説明図
【図28】 本発明の実施例13の回転基準位置信号の
検出系部分の概略図
【図29】 図28の一部分の説明図
【図30】 本発明の実施例14の要部概略図
【図31】 図30の一部分の説明図
【図32】 図30の第2受光手段からの出力信号波形
の説明図
【図33】 図30の第2受光手段からの出力信号波形
の説明図
【図34】 本発明の実施例15の回転基準位置信号の
検出系の要部概略図
【図35】 図30、図34の一部分を改良した説明図
【図36】 本発明の実施例16の要部概略図
【図37】 図36の一部分の説明図
【図38】 図36の一部分の説明図
【図39】 図36の第2受光手段から得られる出力信
号波形の説明図
【図40】 図36の一部分を改良した説明図
【図41】 本発明の実施例17の回転基準位置信号の
検出系の要部概略図
【図42】 図41の一部分の説明図
【図43】 図41の第2受光手段からの出力信号波形
の説明図
【図44】 従来のトルボット干渉を利用したロータリ
ーエンコーダーの説明図
【図45】 従来のトルボット干渉を利用したロータリ
ーエンコーダーの説明図
【図46】 図45の受光手段からの出力信号波形の説
明図
【符号の説明】
LR 光照射手段 1 半導体レーザー 2 レンズ 3 光学スケール 3a 第1スケール 3b 第2スケール 3c 円筒部材 3d 格子 4 第1受光手段 5 信号処理回路 6 回転体 6a 回転中心 100 マスク 103 第2受光手段 104,113,114 標識部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒部材の周囲に一定周期の格子より成
    る光学スケールを設けた回転体の該光学スケールのうち
    の第1スケールに光照射手段からの光束を照射し、該第
    1スケールで光変調された光束を該光学スケールのうち
    の第2スケールに入射させ、該第2スケールで光変調さ
    れた光束を第1受光手段で受光し、該第1受光手段から
    の信号を用いて該回転体の回転情報を検出する際、該円
    筒部材の一部に回転基準位置検出用の標識部を設け、該
    光照射手段からの光束の一部を光学部材により該標識部
    に導光し、該標識部を介した光束を複数の受光素子より
    成る第2受光手段で受光し、該複数の受光素子からの出
    力信号差を利用して該回転体の回転基準位置を検出する
    ようにしたことを特徴とするロータリーエンコーダー。
  2. 【請求項2】 円筒部材の周囲に一定周期の格子より成
    る光学スケールを設けた回転体の該光学スケールのうち
    の第1スケールに第1光照射手段からの光束を照射し、
    該第1スケールで光変調された光束を該光学スケールの
    うちの第2スケールに入射させ、該第2スケールで光変
    調された光束を第1受光手段で受光し、該第1受光手段
    からの信号を用いて該回転体の回転情報を検出する際、
    該円筒部材の一部に回転基準位置検出用の標識部を設
    け、第2光照射手段からの光束を光学部材により該標識
    部に導光し、該標識部を介した光束を複数の受光素子よ
    り成る第2受光手段で受光し、該複数の受光素子からの
    出力信号差を利用して該回転体の回転基準位置を検出す
    るようにしたことを特徴とするロータリーエンコーダ
    ー。
  3. 【請求項3】 円筒部材の周囲に一定周期の格子より成
    る光学スケールを設けた回転体の該光学スケールのうち
    の第1スケールに光照射手段からの光束を照射し、該第
    1スケールで光変調された光束を該光学スケールのうち
    の第2スケールに入射させ、該第2スケールで光変調さ
    れた光束を第1受光手段で受光し、該第1受光手段から
    の信号を用いて該回転体の回転情報を検出する際、該円
    筒部材の一部に回転基準位置検出用の凹面又は凸面の曲
    面より成る標識部を設け、第2光照射手段からの光束を
    光学部材により該標識部に導光し、該標識部を介した光
    束を複数の受光素子より成る第2受光手段で受光し、該
    複数の受光素子からの出力信号差を利用して該回転体の
    回転基準位置を検出するようにしたことを特徴とするロ
    ータリーエンコーダー。
  4. 【請求項4】 円筒部材の周囲に一定周期の格子より成
    る光学スケールを設けた回転体の該光学スケールのうち
    の第1スケールに光照射手段からの光束を照射し、該第
    1スケールで光変調された光束を該光学スケールのうち
    の第2スケールに入射させ、該第2スケールで光変調さ
    れた光束を第1受光手段で受光し、該第1受光手段から
    の信号を用いて該回転体の回転情報を検出する際、該円
    筒部材の一部に回転基準位置検出用のV溝形状の標識部
    を設け、1つの発光部と1つの受光素子より成るセンサ
    ーユニットを複数個、該回転体の回転方向に沿って、該
    標識部に対向配置し、該複数のセンサーユニットからの
    光束を該標識部に導光し、該標識部を介した光束を該複
    数のセンサーユニットの受光素子で受光し、該複数の受
    光素子からの出力信号差を利用して該回転体の回転基準
    位置を検出するようにしたことを特徴とするロータリー
    エンコーダー。
  5. 【請求項5】 円筒部材の周囲に一定周期の格子より成
    る光学スケールを設けた回転体の該光学スケールのうち
    の第1スケールに光照射手段からの光束を照射し、該第
    1スケールで光変調された光束を該光学スケールのうち
    の第2スケールに入射させ、該第2スケールで光変調さ
    れた光束を第1受光手段で受光し、該第1受光手段から
    の信号を用いて該回転体の回転情報を検出する際、該円
    筒部材の一部に該回転体の円周方向と垂直な方向で互い
    に逆方向に傾いた2つの傾斜面を有する回転基準位置検
    出用の標識部を設け、第2光照射手段からの光束を該標
    識部に導光し、該標識部の2つの傾斜面で分離した2つ
    の光束を各々受光素子で検出し、該2つの受光素子で得
    られる光量変化の出力信号差を利用して該回転体の回転
    基準位置を検出するようにしたことを特徴とするロータ
    リーエンコーダー。
  6. 【請求項6】 前記光学スケールの格子は回転方向に対
    して垂直方向に長い、互いに逆方向に傾いた2つの傾斜
    面を有しており、該格子は入射光束を回転方向に対して
    複数の方向に光変調させていることを特徴とする請求項
    1,2,3,4又は5のロータリーエンコーダー。
  7. 【請求項7】 前記標識部は回転方向に対して垂直方向
    に長い傾斜面を有する凹凸部を有し、該標識部の回転方
    向の幅をd、該標識部への入射光束の回転方向の幅をφ
    としたとき d/4≦φ≦3d なる条件を満足することを特徴とする請求項1又は2の
    ロータリーエンコーダー。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011209286A (ja) * 2011-03-29 2011-10-20 Mitsutoyo Corp 光学式エンコーダ

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JP2011209286A (ja) * 2011-03-29 2011-10-20 Mitsutoyo Corp 光学式エンコーダ

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