JPH05256046A - 地震動の伝搬を妨げ得る建物 - Google Patents

地震動の伝搬を妨げ得る建物

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JPH05256046A
JPH05256046A JP7213091A JP7213091A JPH05256046A JP H05256046 A JPH05256046 A JP H05256046A JP 7213091 A JP7213091 A JP 7213091A JP 7213091 A JP7213091 A JP 7213091A JP H05256046 A JPH05256046 A JP H05256046A
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JP
Japan
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building
static pressure
pressure type
type support
fluid
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JP7213091A
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English (en)
Inventor
Kozo Fukao
康三 深尾
Ikuo Yamaguchi
育雄 山口
Hiromichi Yamada
弘道 山田
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Takenaka Komuten Co Ltd
Original Assignee
Takenaka Komuten Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】建物への地震動の伝搬を妨げ得る建物を提供す
る。 【構成】地盤11上に形成した基礎13上に、摩擦係数
の小さい滑り板15を敷き、該滑り板15上に少なくと
も3箇の静圧型支持体20を載置し、これらの静圧型支
持体20にて建物30の下部を支持させ、静圧型支持体
の底面21bに形成した凹部と滑り板15とにより流体
圧作用室を形成し、底部の凹部の周囲に漏れ止め手段を
設け、圧力流体供給源と流体圧作用室とを中途に開閉弁
のある流路を介して連通させ、地震時にその検知信号に
より開閉弁を開き、流体圧作用室に圧力流体を供給し、
静圧型支持体20の底面を滑り板上に浮き上がらせる。 【効果】建物をその自重等の長期荷重のみに基づいて設
計できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、地震動の伝搬を妨げ
得る建物、特に、基礎の上に敷いた滑り板の上に静圧型
支持体を設け、静圧型支持体にて建物の下部を支持し、
静圧型支持体の底面の凹部と滑り板とにより形成される
流体圧作用室に圧力流体を供給し、静圧型支持体の底面
を滑り板上に浮き上がらせて、地震動の建物への伝搬を
妨げる建物に関する。
【0002】
【従来の技術】地震時の建物の横揺れは、地盤より入力
された地震動が建物固有の特性により増幅された結果生
じる加速度に建物の質量を乗じて得られた慣性力により
もたらされる。この横揺れを低減する手段として免震構
造および制振構造と呼ばれる種々の機構が提案されてい
る。一般に免震構造とは「建物と地盤との間に積層ゴム
とダンパー機構を介在させ、入力地震動の特性を長周期
側に移行させ、建物の特性による増幅を極力抑えること
により、振動を低減する機構」をいう。また、制振構造
とは「特殊な装置、機構を設け、これらの反力を制振力
として作用させ、振動を低減させる機構」を言い、この
制振構造は、前記の装置、機構が作動するために、外部
からのエネルギー供給が不要なもの、すなわち、「受動
的(バッシブ)方式」のものと、外部からのエネルギー
供給が必要なもの、すなわち、「能動的(アクティブ)
方式」のものとに区分される。
【0003】免震構造の建物1が図11に示され、建物
1の底部1aとその地盤(基礎)2との間に積層ゴム3
を介装し、ダンパー4の一方4aを基礎2に連結し、そ
の他方4bを建物の底部1aに連結してある。受動的方
式の制振構造の建物1が図12および図13に示され、
図12に示された建物1は、その制振壁等のブレース1
bにダンパー4を組み込み、ダンパー4の一方4aをブ
レース1bに連結し、その他方4bを梁1cの中央に連
結してある。図13に示された建物1は、付加重量、ば
ねおよびダンパーによるチューンドマスダンパー(TM
Dという)を使用したもので、建物1の上部1eに付加
重量5を移動自在に設置し、建物1と一体の支承体1f
と付加重量5とをばね6およびダンパー4を介して連結
したものである。能動的方式の制振構造の建物1が図1
4および図15に示され、図14に示された建物1は、
可変剛性機構を使うもので、斜めに張設したブレース1
bの中途にアクチュエータ7を設け、ブレース1bの長
さを可変とし、建物1の上部1gや下部1aに設置した
センサー8で建物1の揺れを検知し、探知した揺れ量を
制御中枢9に伝え、制御中枢9の働きによりアクチュエ
ータ7を作動して、ブレース1gの長さを前記振れ量に
応じて制御して制振するものである。図15に示された
建物1は、建物1と一体の支承体1fと付加重量5とを
アクチュエータ7およびダンパー4を介して連結し、ア
クチュエータ7およびダンパー4を積極的に制御するア
クティブマスダンパー(AMDという)であり、建物の
上部や下部に設置したセンサー8で建物の揺れを検知
し、検知した揺れ量を制御中枢9に伝え、制御中枢によ
り制御される電磁力、油圧力等によりアクチュエータ7
およびダンパー4を作動させて、付加重量を移動させ、
その反力を利用して制振するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図11に示す免震構造
の建物1は、免震構造の長周期化を目指しても限界(3
〜4秒程度)があり、また、その固有周期および減衰定
数が適正にチューニングされていることが必要である。
そして、長周期成分が卓越した地震動に対しては、振動
の低減効果が少なく、場合によっては振動を増幅させて
しまうという逆効果の危険性を持っている。図12およ
び図13に示す受動的な制振構造の建物1は、それに生
じる振動や変形に促されて、その機能を発揮するもの
で、外部からのエネルギー投入が不要である利点があ
る。しかし、図12に示すものは、ダンパー等の制振装
置の設置場所が限定され、かつ制振装置の設置が建物の
利用できる空間を狭めてしまう。図11に示すものは、
地震による建物の後揺れを抑制するには非常に有効であ
っても、地震動の比較的初期に存在するパルス的な最大
波に対しては決して有効とはいえない。図14および図
15に示す能動的な制振構造の建物1は、振動外乱(入
力地震動)と建物の応答をセンサーで検知し、建物の応
答を小さくするような制御理論を働かせ、これに基づき
制御装置を作動させるという3段階のプロセスにより制
振している。そのため、センサーの信号発信から制御装
置の作動までの時間の遅れは避けられず、制振効果が十
分に得られない場合も考えられる。また、これらの能動
的な制振機構を使う建物1においては、地震時の装置作
動のエネルギー確保、制御すべき応答の目標、装置作動
の信頼性確保(普段は働かない装置が希な地震時にうま
く作動するか)、高性能な装置(アクチュエータ等)の
開発、装置の維持管理等に解決すべき多くの問題のある
ことが指摘されている。この発明の解決しようとする課
題は、前記のような従来の建物が具有する欠点をもたな
い地震動の建物への伝搬を妨げ得る建物を提供するこ
と、換言すると、地震時に建物を一時的に浮上させ、基
礎と建物とを絶縁させ、建物への地震動の伝搬を妨げ得
る建物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するための手段として、次の構成を採用する。この
発明の構成は、地盤上に形成した基礎上に、摩擦係数の
小さい滑り板を敷き、該滑り板上に少なくとも3箇の静
圧型支持体を載置し、これらの静圧型支持体にて下部を
支持させた建物において、静圧型支持体の底面に形成し
た凹部と滑り板とにより流体圧作用室が形成され、静圧
型支持体の底部の前記凹部の周囲に流体漏れ止め手段が
設けられ、圧力流体供給源と流体圧作用室とが中途に開
閉弁のある流路を介して連通され、地震を検知する検知
装置の検知信号により前記開閉弁が開かれるようになっ
ていることを特徴とする地震動の伝搬を妨げ得る建物に
ある。通常は、地盤上に形成する基礎はその上面が水平
面になるようにし、滑り板を基礎上に敷き、その上面が
水平面になるように基礎に固定する。滑り板としては、
高強度の耐食性ある材料、たとえば、ステンレス鋼から
なる摩擦係数の小さい板を使う。静圧型支持体は、滑り
板上に少なくとも3箇の載置するが、通常は建物の最下
階の柱数に対応した数だけ滑り板上に載置し、各静圧型
支持体の上に柱を建てる。なお、静圧型支持体は基盤、
支承体等からなり、基盤の上面には球面の窪みからなる
球座があり、支承体の上端には建物の柱の下部を支承す
る支承面があり、支承体の下面には球面の膨出部があ
り、前記膨出部が前記球座に嵌合するようになってい
る。基礎の廻りに周壁等からなる突出部を形成し、基礎
の廻りに近い滑り板上に載置した静圧型支持体とこれに
対向する突出部との間にダンパーを介装し、地震時に地
盤が緩やかに水平移動する場合の建物の地盤の移動への
追従、地震時に地盤が早く水平移動する場合の滑りすぎ
を防止する。しかし、基礎全体の上面を窪んだ球面状に
し、その上に敷く滑り板の上面を窪んだ球面状にする場
合、あるいは、静圧型支持体を載置する部分およびその
近傍部分に対応する基礎の部分の上面を窪んだ球面状に
し、前記基礎の部分の上に敷く滑り板を窪んだ球面状に
する場合は、静圧型支持体と前記突出部との間にダンパ
ーを介装しなくても、前記の追従や滑りすぎを防止でき
る。
【0006】静圧型支持体の底部に設ける流体漏れ止め
手段は、通常時には流体圧作用室に収容した圧力流体が
静圧型支持体の底面と滑り板の上面との間から流出する
のを防ぎ、地震の検知時にその検知信号により開閉弁を
開いて、圧力流体を流体圧作用室に導入し、静圧型支持
体を滑り板上に浮き上がらせた時には、流体圧作用室内
等の圧力流体が静圧型支持体の底面と滑り板の上面との
間から流出するのを防ぎ得るものならばどのようなもの
でもよい。流体漏れ止め手段としては、たとえば、
(イ)静圧型支持体の底部に前記凹部を囲繞するように
形成した少なくとも一つの環状溝と、該環状溝に嵌合し
た環状のシーリング体と、環状のシーリング体を静圧型
支持体の底部から突出させる方向に常時押圧する押圧手
段とからなるもの、(ロ)静圧型支持体の底部に前記凹
部を囲繞するように形成した少なくとも一つの環状溝
と、該環状溝に嵌合した環状のシーリング体と、環状の
シーリング体を静圧型支持体の底部から突出させる方向
に常時押圧するばね体とからなり、ばね体を収容する環
状溝の溝奥の間隙と圧力流体供給源とを中途に開閉弁の
ある流路を介して連通し、地震時にその検知信号により
前記開閉弁を開き、圧力流体の圧力によりシーリング体
を滑り板に押し付けるもの、および(ハ)静圧型支持体
の底部に前記凹部を囲繞するように形成した少なくとも
一つの環状溝内に、常時には環状のシーリング体の一部
がその弾性により滑り板の上面に圧接するように、環状
のシーリング体を支持し、かつ環状溝の溝奥の間隙と圧
力流体供給源とを中途に開閉弁のある流路を介して連通
させ、地震時にその検知信号により開閉弁を開き流体圧
によりシーリング体を滑り板に押し付けるもの等を使
う。まは、この出願の発明は、地盤上に形成した基礎上
に、摩擦係数の小さい滑り板を敷き、該滑り板上に少な
くとも3箇の静圧型支持体を載置し、これらの静圧型支
持体にて下部を支持した建物への地震動の伝搬を妨げる
方法において、検知装置が地震を検知したときに、静圧
型支持体の底部の凹部と滑り板とにより形成された流体
圧作用室に圧力流体を供給し、静圧型支持体の底面を滑
り板上に略浮き上がらせ、地震動の建物への伝搬を妨げ
る地震動の伝搬の妨げる方法でもある。 地震を検知す
る検知装置としては、たとえば、地震計、加速度計等を
使う。流体圧作用室に供給する流体としては、気体も液
体も使用できるが、通常は水または油を使う。
【0007】
【作 用】この発明は、地盤上に形成した基礎上に、摩
擦係数の小さい滑り板を敷き、該滑り板上に少なくとも
3箇の静圧型支持体を載置し、これらの静圧型支持体に
て建物の下部を支持し、静圧型支持体の底面に形成した
凹部と滑り板とにより流体圧作用室を形成し、静圧型支
持体の底部の前記凹部の周囲に流体漏れ止め手段を設
け、圧力流体供給源と流体圧作用室とを中途に開閉弁の
ある流路を介して連通させ、地震を検知する検知装置の
検知信号により前記開閉弁を開くようになっているか
ら、検知装置により地震を検知したときに、その検知信
号により開閉弁を開き、流体圧作用室に圧力流体を供給
して、静圧型支持体の底面を滑り板上に浮き上がらせる
ことができる。そのため、地震動の建物への伝搬を妨げ
ることができるる。
【0008】
【実施例】この発明の実施例は、図1ないし図10に示
され、長辺方向が3スパンで短辺方向が2スパンのごく
簡単な建物30に本発明を適用した例である。図1およ
び図2に示すように、地盤11を掘削して平面視が矩形
の凹所12を形成して、その底部12aを略水平にす
る。この底部12aの上に上面13aが水平面の鉄筋コ
ンクリート造の基礎13を形成し、前記凹所12の周囲
部12bに基礎13と一体に突出部となる鉄筋コンクリ
ート造の周壁14を形成する。基礎13の水平な上面に
その全域にわたってステンレスチール製の滑り板15を
敷き、この滑り板15を基礎13に固定し、その上面1
5aを水平面にする。静圧型支持体20は、図3および
図4に示され、基盤21、漏れ止め手段22、圧力流体
供給手段23、供給制御用の開閉弁24および支承体2
5で構成される。 基盤21は平面視が円形であり、そ
の上面に窪みがあり、この窪みの球面が球座21aを構
成する。基盤21の底面21bは平面であり、その底面
21bの中央には平面視で円形の大径の凹部21cが形
成してある。前記凹部21cの周囲に間隔をおいて凹部
21cを囲繞するように2重に環状の溝22a、22b
が形成されている。環状の溝22a、22bの内周の壁
面にそれぞれ二つのOリング収容溝22cが形成され、
各Oリング収容溝22cにそれぞれOリングが収容され
ている。これらの環状の溝22a、22bに、まず多数
のばね体(たとえば、コイルスプニング)22dを嵌合
し、その後にゴム等から造られた環状のシーリング体2
2eをそれぞれ嵌合し、漏れ止め手段22を構成する。
基盤21の底面21bの凹部21cと基盤21の周囲の
円筒面21dの一部とを連通する流路23aを基盤中に
形成し、円筒面21dの流路23aの出口に管路23b
を連結し、この管路23bに電磁式の開閉弁24、圧力
計23cおよび圧力調整装置23dを介して圧力流体供
給源23eに連結し、高圧流体供給手段23を構成す
る。
【0009】支承体26にはその上部に平らな支承面2
6aがあり、その下部に基盤21の球座21aの球面と
等しい半径の球面の膨出部26bがあり、この膨出部2
6bを基盤21の球座21aに嵌合して、静圧型支持体
20を構成する。図2に示すように、基礎13の滑り板
15の上面の所定位置に、12箇の静圧支持体20を配
し、基盤21の底面21bの凹部21cと滑り板15と
により形成される流体圧作用室25内を圧力流体で充満
させる。各静圧型支持体20の支承体26の平らな支承
面26aの上にそれぞれ柱31を建て、各柱31の長手
方向に間隔をおいた位置に、多数の梁32を配し、梁3
2の両端をそれぞれ柱31に固定し、多層の建物30を
形成する。通常時には、建物30の自重(固定荷重)が
静圧支持体20の環状の溝22a、22bのない底面2
1bの部分21b1とそれに接触する滑り板15の部分
とにより支えられている。地盤等に取り付けた検知装置
が地震を検知すると同時に、電磁弁24を開き、管路2
3bおよび流路23aを通して、圧力流体供給源23e
の圧力流体を凹部21cと滑り板15とにより形成され
る流体圧作用室25内に圧入する。すると、静圧型支持
体20の底面21bが数ミリ浮上し、環状の溝22a、
22b内に嵌合されている環状のシーリング体22eが
ばね体22dの反発力により溝22a、22bから押し
出され、滑り板15の上面との接触を維持し、圧力流体
の流出を防ぎ、圧力流体の圧力により建物30、静圧支
持体20等の自重を支持する。この状態においては、前
記流体圧作用室25内の圧力流体の漏れ止め手段22の
シーリング体22eの下端のみが滑り板15の上面に接
触しており、このシーリング体22eと滑り板15との
接触部が摩擦係数の低い材料(たとえば、ポリフッ化エ
チレン)で構成してあるから、地盤11と建物30と
は、水平移動に対し、略絶縁された状態にある。したが
って、地盤11が水平移動しても、建物30はその位置
に静止していることになる。万一浮上しなくとも、静圧
型支持体20の底面21bの溝のない部分21b1と滑
り板15との接触部の摩擦係数は0.05以下であり、
建物30への地震力の入力の低減効果は十分に期待でき
る。
【0010】実用的には、圧力流体、たとえば、水また
は油の漏れが最小限になるよう、固定荷重の10%程度
以下の荷重を円周部の接地面、すなわち、環状のシーリ
ング体22eと滑り板15との接触面により支えること
が必要となる。したがって、地震時の地盤11の緩やか
な水平移動に対しては、静圧型支持体20の底面21b
の部分21b1と滑り板15との接触摩擦抵抗が小さく
とも、建物30を支持する静圧型支持体20が地盤11
と一体の滑り板15の移動に追従して動く可能性があ
り、また、地震時の地盤11の早い水平移動に対して
は、滑り過ぎる虞れがあるため、図1、図2および図7
に示すように、基礎13の廻りに載置する各静圧型支持
体20の支承体26の円筒壁26cとこれと対面する基
礎13の周壁14との間にダンパー40を配し、円筒壁
26cに突設したブラケット26dとダンパー40の一
方の端40aとを軸にて連結し、周壁14に突設したブ
ラケット14aとダンパー40の他方の端40bを軸に
て連結して、前記の追従および滑り過ぎを防止し、建物
30の安定性を高める処置をとる必要がある。静圧型支
持体20として、図8に示すように、複数(たとえば3
個)の基盤21を複数の腕体のある連結体21Aで一体
に連結し、連結体21Aの中央の上面を球座21Aaに
したものを使うこともできるし、支承体を複数の腕体の
ある部材で構成し、支承体のそれぞれ腕体の先の下端の
球面の膨出部を基盤の球座に嵌め、静圧型支持体を構成
してもよい。また、流体漏れ止め手段として、図9に示
すように、ばね体22dを収容する環状溝22a、22
bの溝奥の間隙と圧力流体供給源とを中途に開閉弁24
のある流路23aを介して連通し、地震時にその検知信
号により前記開閉弁24を開き、圧力流体の圧力により
シーリング体22eを滑り板15に押し付けるようにし
たものを使う場合もある。また、図10に示すように、
環状溝22a、22b内に、常時には環状のシーリング
体22eの一部がその弾性により滑り板15の上面に圧
接するように、環状のシーリング体22eを環状溝22
a、22b内の肩部22a1、22b1で受け止め、ばね
体22dを省く場合もある。図9および図10に示すも
のを使う場合は、一方の環状溝22aの溝奥の間隙を圧
力流体供給源に連通するだけでもよい。なお、実施例に
おいては、説明を簡単にするため、圧力流体供給源23
eと基盤21の凹部21cとを連通させる流路23aお
よび圧力流体供給源23eと環状溝22a、22bとを
連通させる流路23aを一本だけ設けた例を挙げたが、
圧力流体の供給を迅速に行うために、これらの流路は複
数本にする必要がある。
【0011】
【発明の効果】この発明は、検知装置により地震を検知
したときに、その検知信号により圧力流体供給源と流体
圧作用室とを結ぶ流路の開閉弁を開き、圧力流体を流体
圧作用室に供給し、静圧型支持体を滑り板上に浮き上が
らせるものであるから、地震動の建物への伝搬を容易に
妨げることができる。そのため、建物をその自重等の長
期荷重のみに基づいて設計することができる。基礎の廻
りに近い滑り板上に載置した静圧型支持体と基礎の廻り
に形成した周壁等の突出部との間にダンパーを介装する
と、地震時に地盤が緩やかに水平移動する際の建物の地
盤の移動への追従および地震時に地盤が早く水平移動す
る際の滑りすぎを防止することができ、建物の安定性が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の地盤、基礎、建物等を縦断した立面図
【図2】図1のものをそのA−A線で断面し矢印方向に
みた静圧型支持体等の配置を示すの平面図
【図3】通常の状態にある静圧型支持体を左半分を縦面
した立面図
【図4】浮上した状態にある静圧型支持体を左半分を縦
面した立面図
【図5】静圧型支持体を下側からみた平面図
【図6】静圧型支持体と圧力流体供給源との関係等を示
す立面図
【図7】ダンパーの介装状態を示す立面図
【図8】他の構成の静圧型支持体を示す平面図
【図9】他の型の漏れ止め手段を備えた静圧型支持体を
左半分を縦面した立面図
【図10】他の型の漏れ止め手段を備えた静圧型支持体
を左半分を縦面した立面図
【図11】従来の免震構造の建物の概略的な立面図
【図12】従来のブレースにダンパーを組み込んだ制振
壁を備えた建物の概略的な立面図
【図13】従来のチューンドマスダンパーを備えた建物
の概略的な立面図
【図14】従来の可変剛性機構を使った制振装置を備え
た建物の概略的な立面図
【図15】従来のアクティブマスダンパーを備えた建物
の概略的な立面図
【符号の説明】
11 地盤 12 矩形の凹所 13 基礎 14 周壁 15 滑り板 20 静圧型支持体 21 基盤 21a 球座 21b 底面 21c 凹部 22 漏れ止め手段 22a 環状の溝 22b 環状の溝 22d ばね体 22e 環状のシーリング体 23a 流路 23e 圧力流体供給源 24 開閉弁 25 流体圧作用室 26 支承体 26a 支承面 26b 膨出部 30 建物 31 柱 32 梁 40 ダンパー

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地盤上に形成した基礎上に、摩擦係数の小
    さい滑り板を敷き、該滑り板上に少なくとも3箇の静圧
    型支持体を載置し、これらの静圧型支持体にて下部を支
    持させた建物において、静圧型支持体の底面に形成した
    凹部と滑り板とにより流体圧作用室が形成され、静圧型
    支持体の底部の前記凹部の周囲に流体漏れ止め手段が設
    けられ、圧力流体供給源と流体圧作用室とが中途に開閉
    弁のある流路を介して連通され、地震を検知する検知装
    置の検知信号により前記開閉弁が開かれるようになって
    いることを特徴とする地震動の伝搬を妨げ得る建物。
  2. 【請求項2】地盤上に形成した水平な基礎上に、摩擦係
    数の小さい滑り板をその上面が水平になるように敷き、
    該滑り板上に少なくとも3箇の静圧型支持体を載置し、
    これらの静圧型支持体にて下部を支持させた建物におい
    て、静圧型支持体の平らな底面に形成した凹部と滑り板
    とにより流体圧作用室が形成され、静圧型支持体の底部
    の前記凹部の周囲に流体漏れ止め手段が設けられ、圧力
    流体供給源と流体圧作用室とが中途に開閉弁のある流路
    を介して連通され、地震を検知する検知装置の検知信号
    により前記開閉弁が開かれるようになっていることを特
    徴とする地震動の伝搬を妨げ得る建物。
  3. 【請求項3】地盤上に形成した基礎の廻りに突出部が形
    成され、基礎の廻りに近い滑り板上に載置された静圧型
    支持体とこれに対向する前記突出部との間にダンパーが
    介装されていることを特徴とする請求項2記載の地震動
    の伝搬を妨げ得る建物。
  4. 【請求項4】地盤上に形成した基礎の上面を窪んだ球面
    状にし、該基礎上に摩擦係数の小さい滑り板をその上面
    が窪んだ球面状になるように敷き、該滑り板上に少なく
    とも3箇の静圧型支持体を載置し、これらの静圧型支持
    体にて下部を支持させた建物において、静圧型支持体の
    平らな底面に形成した凹部と滑り板とにより流体圧作用
    室が形成され、静圧型支持体の底部の前記凹部の周囲に
    流体漏れ止め手段が設けられ、圧力流体供給源と流体圧
    作用室とが中途に開閉弁のある流路を介して連通され、
    地震を検知する検知装置の検知信号により前記開閉弁が
    開かれるようになっていることを特徴とする地震動の伝
    搬を妨げ得る建物。
  5. 【請求項5】静圧型支持体が基盤、支承体等で構成さ
    れ、基盤の上面に球面の窪みからなる球座があり、支承
    体の上端に建物の下部を支承する支承面があり、支承体
    の下面に球面の膨出部があり、該膨出部が前記球座に嵌
    合するようになっていることを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれか一つの項記載の地震動の伝搬を妨げ得る
    建物。
  6. 【請求項6】流体漏れ止め手段が、静圧型支持体の底部
    に前記凹部を囲繞するように形成した少なくとも一つの
    環状溝と、該環状溝に嵌合した環状のシーリング体と、
    該環状のシーリング体を静圧型支持体の底部から突出さ
    せる方向に常時押圧する押圧手段とから構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つの項
    記載の地震動の伝搬を妨げ得る建物。
  7. 【請求項7】流体漏れ止め手段が、静圧型支持体の底部
    に前記凹部を囲繞するように形成した少なくとも一つの
    環状溝と、該環状溝に嵌合した環状のシーリング体と、
    該環状のシーリング体を静圧型支持体の底部から突出さ
    せる方向に常時押圧するばね体とで構成され、前記環状
    溝の溝奥の前記ばね体を収容する間隙と圧力流体供給源
    とが中途に開閉弁のある流路を介して連通され、地震時
    にその検知信号により前記開閉弁が開かれるようになっ
    ていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一
    つの項記載の地震動の伝搬を妨げ得る建物。
  8. 【請求項8】静圧型支持体の底部に凹部を囲繞するよう
    に形成した少なくとも一つの環状溝と該環状溝に嵌合し
    た環状のシーリング体とで流体漏れ止め手段が構成さ
    れ、静圧型支持体の底面が滑り板に接触しているときに
    環状のシーリング体の一部がその弾性により滑り板の上
    面に圧接するように環状のシーリング体が支持され、前
    記環状溝の溝奥の間隙と圧力流体供給源とが中途に開閉
    弁のある流路を介して連通され、地震時にその検知信号
    により前記開閉弁が開かれるようになっていることを特
    徴とする請求項1ないし5のいずれか一つの項記載の地
    震動の伝搬を妨げ得る建物。
  9. 【請求項9】地盤上に形成した基礎上に、摩擦係数の小
    さい滑り板を敷き、該滑り板上に少なくとも3箇の静圧
    型支持体を載置し、これらの静圧型支持体にて下部を支
    持した建物への地震動の伝搬を妨げる方法において、検
    知装置が地震を検知したときに、静圧型支持体の底部の
    凹部と滑り板とにより形成される流体圧作用室に圧力流
    体を供給し、静圧型支持体の底面を滑り板上に浮き上が
    らせ、地震動の建物への伝搬を阻止することを特徴とす
    る地震動の伝搬の妨げる方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6860068B2 (en) * 2001-06-26 2005-03-01 John J. Halloran Potential energy storage system
JP2017227323A (ja) * 2016-06-21 2017-12-28 根本企画工業株式会社 免震装置用空気パッド
CN108842830A (zh) * 2018-07-10 2018-11-20 赵雅琴 地下管廊抗震支承柱
JP2019173940A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 浩 倉林 空気浮上式振動制御システム

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