JPH05255910A - 排水性道路舗装の施工方法及び排水性道路舗装構造 - Google Patents
排水性道路舗装の施工方法及び排水性道路舗装構造Info
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- JPH05255910A JPH05255910A JP3153668A JP15366891A JPH05255910A JP H05255910 A JPH05255910 A JP H05255910A JP 3153668 A JP3153668 A JP 3153668A JP 15366891 A JP15366891 A JP 15366891A JP H05255910 A JPH05255910 A JP H05255910A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 排水性を確保した耐久性でかつ耐候性の優れ
た排水性道路舗装の施工方法及び排水性道路舗装構造の
提供。 【構成】 道路基盤層上あるいは道路基盤層上のアスフ
ァルト層上又はコンクリート層上に、天然又は/及び人
工の骨材を、メタクリレート樹脂又は/及びアクリレー
ト樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤とする液状混合物から
なる結合剤で排水性を確保し得る空隙を残存した状態で
結合してなる排水性樹脂コンクリート層を敷き均し、暫
時放置して重合硬化することにより排水性道路舗装構造
とする。結合剤には、フィラー 、補強材短繊維等を配
合してもよい。メタクリレート樹脂未硬化物としては、
メチルメタクリレート又は/及びアルキルメタクリレー
トのモノマー及びプレポリマーを主成分とするものが好
ましく、アクリレート樹脂未硬化物が、アクリレート又
は/及びアルキルアクリレートのモノマー及びプレポリ
マーを主成分とするものが好ましい。
た排水性道路舗装の施工方法及び排水性道路舗装構造の
提供。 【構成】 道路基盤層上あるいは道路基盤層上のアスフ
ァルト層上又はコンクリート層上に、天然又は/及び人
工の骨材を、メタクリレート樹脂又は/及びアクリレー
ト樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤とする液状混合物から
なる結合剤で排水性を確保し得る空隙を残存した状態で
結合してなる排水性樹脂コンクリート層を敷き均し、暫
時放置して重合硬化することにより排水性道路舗装構造
とする。結合剤には、フィラー 、補強材短繊維等を配
合してもよい。メタクリレート樹脂未硬化物としては、
メチルメタクリレート又は/及びアルキルメタクリレー
トのモノマー及びプレポリマーを主成分とするものが好
ましく、アクリレート樹脂未硬化物が、アクリレート又
は/及びアルキルアクリレートのモノマー及びプレポリ
マーを主成分とするものが好ましい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は道路の舗装に関し、特に
排水性を確保した耐久性でかつ耐候性の優れた排水性道
路舗装の施工方法及び排水性道路舗装構造に関するもの
である。
排水性を確保した耐久性でかつ耐候性の優れた排水性道
路舗装の施工方法及び排水性道路舗装構造に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来道
路舗装においては、アスファルト又はコンクリートが用
いられ、これらは優れたはっ水性、粘着性、弾力性、耐
衝撃性及び良加工性等を有し、しかも安価に大量に供給
されるところから、主要な舗装材として広く使用されて
いる。
路舗装においては、アスファルト又はコンクリートが用
いられ、これらは優れたはっ水性、粘着性、弾力性、耐
衝撃性及び良加工性等を有し、しかも安価に大量に供給
されるところから、主要な舗装材として広く使用されて
いる。
【0003】しかし特にアスファルト舗装は、高温下に
おいて剛性が低下し易く、また車の繰り返し荷重により
容易に摩耗するため、深いわだちが形成され易く、表面
排水形式の舗装にあっては、そのわだち部に水が容易に
溜まる。該舗装道路を特に自動車専用道路や高速道路等
に使用した場合には、水溜りの表面で自動車のタイヤが
滑ってしまういわゆる「ハイドロプレーニング」現象が
生じ、大きな自動車事故が発生する危険がある。そこ
で、道路舗装、特にその表層部を、アスファルトで被覆
した多数の骨材の混合物で構成して排水性アスファルト
混合物層となし、それらの骨材間に形成される連通した
空隙により、道路の表層部から内部へ水が容易に浸透す
るように構成せしめたものが提供され、以て水はねやハ
イドロプレーニング現象に起因する自動車事故の発生を
防止している。
おいて剛性が低下し易く、また車の繰り返し荷重により
容易に摩耗するため、深いわだちが形成され易く、表面
排水形式の舗装にあっては、そのわだち部に水が容易に
溜まる。該舗装道路を特に自動車専用道路や高速道路等
に使用した場合には、水溜りの表面で自動車のタイヤが
滑ってしまういわゆる「ハイドロプレーニング」現象が
生じ、大きな自動車事故が発生する危険がある。そこ
で、道路舗装、特にその表層部を、アスファルトで被覆
した多数の骨材の混合物で構成して排水性アスファルト
混合物層となし、それらの骨材間に形成される連通した
空隙により、道路の表層部から内部へ水が容易に浸透す
るように構成せしめたものが提供され、以て水はねやハ
イドロプレーニング現象に起因する自動車事故の発生を
防止している。
【0004】しかしながら、このような排水性アスファ
ルト混合物を道路表面へ積層した場合には、そうした排
水性表層部は、骨材を被覆しているアスファルトを接合
剤とした点接触的結合構造のものであるため、結合強度
が弱く、よって自動車の繰り返し荷重を受けると、自動
車のタイヤ(主にスパイクタイヤやチェーンを装着した
タイヤ)の摩擦力により相当数の骨材が跳ね飛ばされて
しまい、結果として道路舗装が損壊するに至る。
ルト混合物を道路表面へ積層した場合には、そうした排
水性表層部は、骨材を被覆しているアスファルトを接合
剤とした点接触的結合構造のものであるため、結合強度
が弱く、よって自動車の繰り返し荷重を受けると、自動
車のタイヤ(主にスパイクタイヤやチェーンを装着した
タイヤ)の摩擦力により相当数の骨材が跳ね飛ばされて
しまい、結果として道路舗装が損壊するに至る。
【0005】また、前記排水性アスファルト混合物層の
空隙部に損壊・摩損で生じた骨材等の微粒子が入り込む
結果、著しく排水性能が劣化する。そしてまた、自動車
タイヤの荷重によるせん断変形を生じて該排水性の表層
部が圧密化されて更に空隙が少なくなり、益々排水性能
の悪化を来す。さらに、アスファルトは太陽光線及び空
気中の酸素の作用を受けて、その特性が著しく劣化する
ため、排水性アスファルト混合物層の骨材間の結合強度
が一層低下し、その結果、同層の損壊・摩耗及び圧密化
を促進させることとなる。
空隙部に損壊・摩損で生じた骨材等の微粒子が入り込む
結果、著しく排水性能が劣化する。そしてまた、自動車
タイヤの荷重によるせん断変形を生じて該排水性の表層
部が圧密化されて更に空隙が少なくなり、益々排水性能
の悪化を来す。さらに、アスファルトは太陽光線及び空
気中の酸素の作用を受けて、その特性が著しく劣化する
ため、排水性アスファルト混合物層の骨材間の結合強度
が一層低下し、その結果、同層の損壊・摩耗及び圧密化
を促進させることとなる。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者等は、
このような状況に鑑みて種々研究を重ねた結果、道路舗
装表層部の摩耗・損壊が少なく、かつ同部の排水性空隙
を長期間保持でき、ハイドロプレーニング現象生成等を
防止できる排水性道路舗装の施工方法及び排水性道路舗
装構造を開発した。すなわち本発明は、(1)道路基盤
層上あるいは道路基盤層上のアスファルト層上又はコン
クリート層上に、天然又は/及び人工の骨材を、メタク
リレート樹脂又は/及びアクリレート樹脂の未硬化物と
硬化剤を主剤とする液状混合物からなる結合剤で排水性
を確保し得る空隙を残存した状態で結合してなる排水性
樹脂コンクリート層で敷き均し、暫時放置して重合硬化
することを特徴とする排水性道路舗装の施工方法、及び
(2)道路基盤層と、その上部に設けられたアスファル
ト層又はコンクリート層と、さらにその上層に積層され
た天然又は/及び人工の骨材を、メタクリレート樹脂又
は/及びアクリレート樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤と
する液状混合物からなる結合剤で排水性を確保し得る空
隙を残存した状態で結合してなる排水性樹脂コンクリー
ト層とから構成されてなることを特徴とする排水性道路
舗装構造である。
このような状況に鑑みて種々研究を重ねた結果、道路舗
装表層部の摩耗・損壊が少なく、かつ同部の排水性空隙
を長期間保持でき、ハイドロプレーニング現象生成等を
防止できる排水性道路舗装の施工方法及び排水性道路舗
装構造を開発した。すなわち本発明は、(1)道路基盤
層上あるいは道路基盤層上のアスファルト層上又はコン
クリート層上に、天然又は/及び人工の骨材を、メタク
リレート樹脂又は/及びアクリレート樹脂の未硬化物と
硬化剤を主剤とする液状混合物からなる結合剤で排水性
を確保し得る空隙を残存した状態で結合してなる排水性
樹脂コンクリート層で敷き均し、暫時放置して重合硬化
することを特徴とする排水性道路舗装の施工方法、及び
(2)道路基盤層と、その上部に設けられたアスファル
ト層又はコンクリート層と、さらにその上層に積層され
た天然又は/及び人工の骨材を、メタクリレート樹脂又
は/及びアクリレート樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤と
する液状混合物からなる結合剤で排水性を確保し得る空
隙を残存した状態で結合してなる排水性樹脂コンクリー
ト層とから構成されてなることを特徴とする排水性道路
舗装構造である。
【0007】なお、本発明の(1)の排水性道路舗装の
施工方法に関しては、結合剤に、フィラー又は/及び補
強材短繊維を配合することも好ましく、結合剤の重合硬
化処理時間は15〜90分間程度が好ましい。樹脂未硬
化物は、それら成分の単体又は/及びアルキルエステル
のモノマー及びプレポリマーを主成分とするものが好ま
しい。また、樹脂未硬化物の好ましい配合物としては、
下記のものが挙げられる。樹脂未硬化物が、下記(a)又は/及び(b)からなる
もの、あるいはそれらに(c)を配合したもの。 (a)メタクリル酸置換又は非置換アルキルエステル及
び/又はアクリル酸置換又は非置換アルキルエステル (b)(a)に溶解又は膨潤可能なメタクリル酸アルキ
ルエステル及び/又はアクリル酸アルキルエステルの単
独重合体又は共重合体 (c)パラフィンワックスそして、好ましい樹脂未硬化
物の各成分の配合比は、下記のとおりである。 (a)=90〜50重量部、 (b)=10〜50重量部、 (c)=(a)+(b)の計100重量部に対して0.
1〜3.0重量部、
施工方法に関しては、結合剤に、フィラー又は/及び補
強材短繊維を配合することも好ましく、結合剤の重合硬
化処理時間は15〜90分間程度が好ましい。樹脂未硬
化物は、それら成分の単体又は/及びアルキルエステル
のモノマー及びプレポリマーを主成分とするものが好ま
しい。また、樹脂未硬化物の好ましい配合物としては、
下記のものが挙げられる。樹脂未硬化物が、下記(a)又は/及び(b)からなる
もの、あるいはそれらに(c)を配合したもの。 (a)メタクリル酸置換又は非置換アルキルエステル及
び/又はアクリル酸置換又は非置換アルキルエステル (b)(a)に溶解又は膨潤可能なメタクリル酸アルキ
ルエステル及び/又はアクリル酸アルキルエステルの単
独重合体又は共重合体 (c)パラフィンワックスそして、好ましい樹脂未硬化
物の各成分の配合比は、下記のとおりである。 (a)=90〜50重量部、 (b)=10〜50重量部、 (c)=(a)+(b)の計100重量部に対して0.
1〜3.0重量部、
【0008】本発明の(2)の排水性道路舗装構造に関
しては、排水性樹脂コンクリート層が、骨材100重量
部に対して、メタクリレート樹脂又は/及びアクリレー
ト樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤とする液状混合物から
なる結合剤が0.5〜15重量部添加重合されてなるも
のであることが好ましく、特に2.5〜8重量部添加重
合されてなるものが好ましい。また、結合剤には、フィ
ラー又は/及び補強材短繊維が混入されていることが好
ましい。
しては、排水性樹脂コンクリート層が、骨材100重量
部に対して、メタクリレート樹脂又は/及びアクリレー
ト樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤とする液状混合物から
なる結合剤が0.5〜15重量部添加重合されてなるも
のであることが好ましく、特に2.5〜8重量部添加重
合されてなるものが好ましい。また、結合剤には、フィ
ラー又は/及び補強材短繊維が混入されていることが好
ましい。
【0009】以下に、本発明の各構成要素について詳し
く説明する。メタクリレート又は/及びアクリレート樹脂の未硬化物
について 。 上記本発明に使用できる(a)成分である、メタクリル
酸置換又は非置換アルキルエステル及び/又はアクリル
酸置換又は非置換アルキルエステルは、一般に(メタ)ア
クリル酸置換又は非置換アルキルエステルとして知られ
ているものであればいかなるものであってもよい。この
(メタ)アクリル酸置換又は非置換アルキルエステルとし
ては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリ
ル酸1−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)
アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウ
リル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸
シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)
アクリル酸非置換アルキルエステル;(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキ
シプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル等
の(メタ)アクリル酸ヒドロキシ基置換アルキルエステ
ル;(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、
(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル等の(メ
タ)アクリル酸アミノ基置換アルキルエステルが挙げら
れる。これらは一種もしくは二種以上の混合系で使用さ
れる。これらの中でも、耐候性及び反応性等を考慮する
と、メタクリル酸メチルとアクリル酸2−エチルヘキシ
ルとの組合せの使用が好ましい。
く説明する。メタクリレート又は/及びアクリレート樹脂の未硬化物
について 。 上記本発明に使用できる(a)成分である、メタクリル
酸置換又は非置換アルキルエステル及び/又はアクリル
酸置換又は非置換アルキルエステルは、一般に(メタ)ア
クリル酸置換又は非置換アルキルエステルとして知られ
ているものであればいかなるものであってもよい。この
(メタ)アクリル酸置換又は非置換アルキルエステルとし
ては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリ
ル酸1−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)
アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウ
リル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸
シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)
アクリル酸非置換アルキルエステル;(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキ
シプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル等
の(メタ)アクリル酸ヒドロキシ基置換アルキルエステ
ル;(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、
(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル等の(メ
タ)アクリル酸アミノ基置換アルキルエステルが挙げら
れる。これらは一種もしくは二種以上の混合系で使用さ
れる。これらの中でも、耐候性及び反応性等を考慮する
と、メタクリル酸メチルとアクリル酸2−エチルヘキシ
ルとの組合せの使用が好ましい。
【0010】また、上記(a)成分の(メタ)アクリル酸
置換又は非置換アルキルエステルに対しては、物性の改
良及び接着性の向上を図るため、(メタ)アクリル酸、ク
ロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基
含有単量体;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無
水基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチ
ル(メタ)アクリルアミド等のカルボン酸アミド基含有単
量体;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン
等の芳香族ビニル単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン
等のハロゲン化ビニル単量体と併用されてもよい。
置換又は非置換アルキルエステルに対しては、物性の改
良及び接着性の向上を図るため、(メタ)アクリル酸、ク
ロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基
含有単量体;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無
水基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチ
ル(メタ)アクリルアミド等のカルボン酸アミド基含有単
量体;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン
等の芳香族ビニル単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン
等のハロゲン化ビニル単量体と併用されてもよい。
【0011】次に、本発明に使用できる(a)に溶解又
は膨潤可能なメタクリル酸アルキルエステル及び/又は
アクリル酸アルキルエステルの単独重合体又は共重合体
(b)としては、平均分子量が5,000〜200,0
00のものが使用されるが、これらは、粘度調整、硬化
性の向上、樹脂硬化物物性の改良を図るために加えられ
るものである。その加配量は、成分(a)90〜50重
量部に対して、10〜50重量部配合することが好まし
い。10重量部未満では硬化性の点で好ましくなく、ま
た50%を越えると作業性が悪くなるので好ましくな
い。この(共)重合体を構成する単量体としては、前記成
分(a)と同様のものを主成分とするものであり、目的
に応じてエチレン、α−メチルスチレン等の芳香族単量
体、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル単量体、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有
単量体等を添加してもよい。
は膨潤可能なメタクリル酸アルキルエステル及び/又は
アクリル酸アルキルエステルの単独重合体又は共重合体
(b)としては、平均分子量が5,000〜200,0
00のものが使用されるが、これらは、粘度調整、硬化
性の向上、樹脂硬化物物性の改良を図るために加えられ
るものである。その加配量は、成分(a)90〜50重
量部に対して、10〜50重量部配合することが好まし
い。10重量部未満では硬化性の点で好ましくなく、ま
た50%を越えると作業性が悪くなるので好ましくな
い。この(共)重合体を構成する単量体としては、前記成
分(a)と同様のものを主成分とするものであり、目的
に応じてエチレン、α−メチルスチレン等の芳香族単量
体、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル単量体、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有
単量体等を添加してもよい。
【0012】本発明に使用できるパラフィンワックス
(c)は、液状混合物の硬化時の表面硬化性を改善させ
るものであり、一般にパラフィンワックスとして知られ
ているものであればいかなるものであってもよい。この
パラフィンワックスとしては、例えば、40〜80℃の
融点を有するものが挙げられる。これらの中でも、融点
の異なる2種以上のパラフィンワックスの使用が好まし
い。この(c)成分の配合割合は(a)+(b)成分1
00重量部に対し、通常0.1〜3.0重量部が好まし
い。この配合割合が0.1重量部未満では表面硬化性が
十分でなく、3重量部を越えると他の成分との相溶性が
低下して析出量の増加を招き望ましくない。好ましくは
0.5〜1.5重量部である。
(c)は、液状混合物の硬化時の表面硬化性を改善させ
るものであり、一般にパラフィンワックスとして知られ
ているものであればいかなるものであってもよい。この
パラフィンワックスとしては、例えば、40〜80℃の
融点を有するものが挙げられる。これらの中でも、融点
の異なる2種以上のパラフィンワックスの使用が好まし
い。この(c)成分の配合割合は(a)+(b)成分1
00重量部に対し、通常0.1〜3.0重量部が好まし
い。この配合割合が0.1重量部未満では表面硬化性が
十分でなく、3重量部を越えると他の成分との相溶性が
低下して析出量の増加を招き望ましくない。好ましくは
0.5〜1.5重量部である。
【0013】さらに、本発明に使用される(メタ)アクリ
ル酸置換又は非置換アルキルエステル(a)に対して
は、液状混合物の硬化性及び樹脂硬化物の耐溶剤性を向
上させるため、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,3ーブチレンジ(メタ)アクリレート等のアルカ
ンジオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート;ジアリルフタレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能単
量体と併用されてもよい。
ル酸置換又は非置換アルキルエステル(a)に対して
は、液状混合物の硬化性及び樹脂硬化物の耐溶剤性を向
上させるため、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,3ーブチレンジ(メタ)アクリレート等のアルカ
ンジオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート;ジアリルフタレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能単
量体と併用されてもよい。
【0014】そして、上記により得られる樹脂未硬化物
の硬化剤としては、一般に知られたラジカル重合触媒を
使用することができる。このラジカル重合触媒として
は、例えば、ベンゾイルパーオキシドと第3級アミン、
メチルエチルケトンパーオキシドとナフテン酸コバルト
等で代表されるレドックス系触媒が挙げられる。この重
合触媒の配合割合は樹脂未硬化物全体100重量部に対
し、通常、0.5〜10重量部である。このようにし
て、本発明の液状混合物(結合剤)が得られる。
の硬化剤としては、一般に知られたラジカル重合触媒を
使用することができる。このラジカル重合触媒として
は、例えば、ベンゾイルパーオキシドと第3級アミン、
メチルエチルケトンパーオキシドとナフテン酸コバルト
等で代表されるレドックス系触媒が挙げられる。この重
合触媒の配合割合は樹脂未硬化物全体100重量部に対
し、通常、0.5〜10重量部である。このようにし
て、本発明の液状混合物(結合剤)が得られる。
【0015】本発明の結合剤には、更に必要に応じて、
硬化物の伸度の増大と硬化時の収縮の低減を図るための
可塑剤が配合されていてもよい。この可塑剤としては、
ジブチルフタレート、ジ2ーエチルヘキシルフタレー
ト、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル類;
ジ2ーエチルヘキシルアジベート、オクチルアジベート
等のアジピン酸エステル類;ジブチルセバケート、ジ2
ーエチルヘキシルセバケート等のセバシン酸エステル
類;ジ2ーエチルヘキシルアゼレート、オクチルアゼレ
ート等のアゼライン酸エステル類の2塩基性脂肪酸エス
テル類;塩素化パラフィン等のパラフィン類;ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコー
ル類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポ
キシ化高分子可塑剤;トリオクチルホスフェート、トリ
フェニルホスフェート等の燐酸エステル類;トリオクチ
ルホスファイト、トリフェニルホスファイト等の亜燐酸
エステル類;アジビン酸1,3ーブチレングリコール系等
のポリエステル類が挙げられる。これらは1種若しくは
2種以上の混合系で使用される。この可塑剤の配合割合
は前記した(a)成分と(b)成分との合計量100重
量部に対し、通常、30重量部以下である。この配合割
合が30重量部を超えると液状混合物の硬化性が低下し
て硬化物の表面にその滲出を招き望ましくない。好まし
くは10〜20重量部である。
硬化物の伸度の増大と硬化時の収縮の低減を図るための
可塑剤が配合されていてもよい。この可塑剤としては、
ジブチルフタレート、ジ2ーエチルヘキシルフタレー
ト、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル類;
ジ2ーエチルヘキシルアジベート、オクチルアジベート
等のアジピン酸エステル類;ジブチルセバケート、ジ2
ーエチルヘキシルセバケート等のセバシン酸エステル
類;ジ2ーエチルヘキシルアゼレート、オクチルアゼレ
ート等のアゼライン酸エステル類の2塩基性脂肪酸エス
テル類;塩素化パラフィン等のパラフィン類;ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコー
ル類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポ
キシ化高分子可塑剤;トリオクチルホスフェート、トリ
フェニルホスフェート等の燐酸エステル類;トリオクチ
ルホスファイト、トリフェニルホスファイト等の亜燐酸
エステル類;アジビン酸1,3ーブチレングリコール系等
のポリエステル類が挙げられる。これらは1種若しくは
2種以上の混合系で使用される。この可塑剤の配合割合
は前記した(a)成分と(b)成分との合計量100重
量部に対し、通常、30重量部以下である。この配合割
合が30重量部を超えると液状混合物の硬化性が低下し
て硬化物の表面にその滲出を招き望ましくない。好まし
くは10〜20重量部である。
【0016】本発明の結合剤には、更に必要に応じて、
シランカップリング剤;各種消泡剤レベリング剤;アエロ
ジル等の揺変付与剤;2ヒドロキシベンゾフェノール誘
導体、ベンゾトリアゾール誘導体等の紫外線吸収剤;2,
6ーtブチルー4ーメチルフェノール、2,2'ーメチレ
ンビス(4ーメチルー6ーtーブチル)フェノール等の酸
化防止剤;顔料、染料等の着色剤が配合されていてもよ
い。
シランカップリング剤;各種消泡剤レベリング剤;アエロ
ジル等の揺変付与剤;2ヒドロキシベンゾフェノール誘
導体、ベンゾトリアゾール誘導体等の紫外線吸収剤;2,
6ーtブチルー4ーメチルフェノール、2,2'ーメチレ
ンビス(4ーメチルー6ーtーブチル)フェノール等の酸
化防止剤;顔料、染料等の着色剤が配合されていてもよ
い。
【0017】また、本発明の結合剤には、従来舗装材に
利用されていた微粉状のフィラーを混合することも好ま
しい。それら微粉状フィラーの材質としては、珪石、玄
武岩、堆積岩等の岩石のほか、シリカヒューム、シャモ
ット、セルベン、アルミナ、ジルコニア等のセラミック
ス、あるいはアルミニウム、鉄、銅、ニッケル、コバル
ト、チタン、ステンレススチール等の金属、更にポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹
脂等の合成樹脂が挙げられる。
利用されていた微粉状のフィラーを混合することも好ま
しい。それら微粉状フィラーの材質としては、珪石、玄
武岩、堆積岩等の岩石のほか、シリカヒューム、シャモ
ット、セルベン、アルミナ、ジルコニア等のセラミック
ス、あるいはアルミニウム、鉄、銅、ニッケル、コバル
ト、チタン、ステンレススチール等の金属、更にポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹
脂等の合成樹脂が挙げられる。
【0018】フィラーは本発明に係る硬化した結合剤に
十分な剛性や弾力性、耐摩耗性等を付与するのに役立つ
が、メタクリレート又は/及びアクリレート樹脂の未硬
化物に対するフィラーの配合割合は、結合剤中のその重
量百分率が50%未満であることが好ましく、50重量
%以上であると、上記結合剤がペースト状となって過度
の粘性をもつようになる結果、排水性コンクリート層中
の多くの空隙部が塞がれ、排水性能を低下させるおそれ
がある。また、上記硬化した結合剤は本発明の排水性樹
脂コンクリート層に弾力性を与え、わだち掘れ抵抗性、
及び優れた消音性を付与することのほかに、フィラーと
共同して連続的な空隙を確実に保持形成する(目詰まり
を起こさない)のに役立つ成分である。なお、メタクリ
レート樹脂又は/及びアクリレート樹脂は結合剤中の重
量百分率が50%以上であることが好ましい。
十分な剛性や弾力性、耐摩耗性等を付与するのに役立つ
が、メタクリレート又は/及びアクリレート樹脂の未硬
化物に対するフィラーの配合割合は、結合剤中のその重
量百分率が50%未満であることが好ましく、50重量
%以上であると、上記結合剤がペースト状となって過度
の粘性をもつようになる結果、排水性コンクリート層中
の多くの空隙部が塞がれ、排水性能を低下させるおそれ
がある。また、上記硬化した結合剤は本発明の排水性樹
脂コンクリート層に弾力性を与え、わだち掘れ抵抗性、
及び優れた消音性を付与することのほかに、フィラーと
共同して連続的な空隙を確実に保持形成する(目詰まり
を起こさない)のに役立つ成分である。なお、メタクリ
レート樹脂又は/及びアクリレート樹脂は結合剤中の重
量百分率が50%以上であることが好ましい。
【0019】 その他、補強材としての各種短繊維を混
入させることも好ましい。短繊維としては、例えばパル
プ、ナイロンファイバー、ビニロンファイバー、カーボ
ンファイバー等の有機短繊維やグラスファイバー、ステ
ンレススチールファイバー、金属、セラミック等のヒゲ
結晶等の無機繊維を使用することができる。
入させることも好ましい。短繊維としては、例えばパル
プ、ナイロンファイバー、ビニロンファイバー、カーボ
ンファイバー等の有機短繊維やグラスファイバー、ステ
ンレススチールファイバー、金属、セラミック等のヒゲ
結晶等の無機繊維を使用することができる。
【0020】本発明の施工方法において、道路基盤層上
あるいは道路基盤層上のアスファルト層上又はコンクリ
ート層上に、排水性樹脂コンクリート層で敷き均す際、
まず天然又は/及び人工の骨材と、メタクリレート樹脂
又は/及びアクリレート樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤
とする液状混合物を混合する手段としては、例えば小
規模な場合は、練り樽中に、天然又は/及び人工の骨材
と、メタクリレート樹脂又は/及びアクリレート樹脂の
未硬化物と硬化剤を主剤とする液状混合物を投入して、
ハンドミキサーを入れて撹拌して混合し、それを上記ア
スファルト層上又はコンクリート層上に敷き均すか、
中規模な場合は、バッチ式ターボミキサーで、天然又は
/及び人工の骨材と、メタクリレート樹脂又は/及びア
クリレート樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤とする液状混
合物を撹拌して混合し、それを上記アスファルト層上又
はコンクリート層上に敷き均すことが好ましい。また、
大規模な場合は、連続ミキサーで、天然又は/及び人
工の骨材と、メタクリレート樹脂又は/及びアクリレー
ト樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤とする液状混合物を撹
拌して混合し、それを上記アスファルト層上又はコンク
リート層上に敷き均すことが好ましい。
あるいは道路基盤層上のアスファルト層上又はコンクリ
ート層上に、排水性樹脂コンクリート層で敷き均す際、
まず天然又は/及び人工の骨材と、メタクリレート樹脂
又は/及びアクリレート樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤
とする液状混合物を混合する手段としては、例えば小
規模な場合は、練り樽中に、天然又は/及び人工の骨材
と、メタクリレート樹脂又は/及びアクリレート樹脂の
未硬化物と硬化剤を主剤とする液状混合物を投入して、
ハンドミキサーを入れて撹拌して混合し、それを上記ア
スファルト層上又はコンクリート層上に敷き均すか、
中規模な場合は、バッチ式ターボミキサーで、天然又は
/及び人工の骨材と、メタクリレート樹脂又は/及びア
クリレート樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤とする液状混
合物を撹拌して混合し、それを上記アスファルト層上又
はコンクリート層上に敷き均すことが好ましい。また、
大規模な場合は、連続ミキサーで、天然又は/及び人
工の骨材と、メタクリレート樹脂又は/及びアクリレー
ト樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤とする液状混合物を撹
拌して混合し、それを上記アスファルト層上又はコンク
リート層上に敷き均すことが好ましい。
【0021】さらに別法として、道路基盤層上あるい
は道路基盤層上のアスファルト層上又はコンクリート層
上に、まず天然又は/及び人工の骨材を敷き並べた後、
2液スプレーによって、メタクリレート樹脂又は/及び
アクリレート樹脂の未硬化物と硬化剤を適当量吹き付け
ることによって、骨材間を排水性を確保し得る空隙を残
存させた状態で結合させるようにすることもできる。な
お、排水性樹脂コンクリート層の打設厚さは、例えば新
設道路の場合、4〜7.5cm程度で十分であり、また
既設道路においては、切削オーバーレイ分の3〜5cm
程度でよい。
は道路基盤層上のアスファルト層上又はコンクリート層
上に、まず天然又は/及び人工の骨材を敷き並べた後、
2液スプレーによって、メタクリレート樹脂又は/及び
アクリレート樹脂の未硬化物と硬化剤を適当量吹き付け
ることによって、骨材間を排水性を確保し得る空隙を残
存させた状態で結合させるようにすることもできる。な
お、排水性樹脂コンクリート層の打設厚さは、例えば新
設道路の場合、4〜7.5cm程度で十分であり、また
既設道路においては、切削オーバーレイ分の3〜5cm
程度でよい。
【0022】上記樹脂未硬化物と硬化剤及び必要に応じ
てフィラー又は/及び補強材短繊維を配合した結合剤を
硬化処理することにより、適度の剛性、弾性、粘着性、
耐候性及び耐摩耗性を有する硬化した結合剤となるが、
硬化剤としては通常レドックス触媒を用い、屋外の一般
の下地温度においては15〜90分間で硬化する。その
ときの加熱温度が10℃よりも低いと、上記の重合が短
時間では十分に達成されなくて、適度の特性を備えた排
水性樹脂コンクリート層が得られず、一方、40℃を越
えると、樹脂未硬化物中のモノマーが過度に蒸散するた
め、適度な特性を備えた排水性樹脂コンクリート層が得
られ難い。よって本発明では前記混合物の加熱温度は1
0〜40℃が好ましい。この加熱処理は、上記温度にお
いて通常10〜60分間施せば十分である。
てフィラー又は/及び補強材短繊維を配合した結合剤を
硬化処理することにより、適度の剛性、弾性、粘着性、
耐候性及び耐摩耗性を有する硬化した結合剤となるが、
硬化剤としては通常レドックス触媒を用い、屋外の一般
の下地温度においては15〜90分間で硬化する。その
ときの加熱温度が10℃よりも低いと、上記の重合が短
時間では十分に達成されなくて、適度の特性を備えた排
水性樹脂コンクリート層が得られず、一方、40℃を越
えると、樹脂未硬化物中のモノマーが過度に蒸散するた
め、適度な特性を備えた排水性樹脂コンクリート層が得
られ難い。よって本発明では前記混合物の加熱温度は1
0〜40℃が好ましい。この加熱処理は、上記温度にお
いて通常10〜60分間施せば十分である。
【0023】
【作用】本発明によれば、排水性樹脂コンクリート層の
内部骨材各粒子が、メタクリレート又は/及びアクリレ
ート樹脂硬化物で強固に連結され、かつ該結合樹脂硬化
物層は物理、化学特性が優れたものであるため、自動車
のタイヤが強く接触しても、各骨材粒子は損傷を受ける
ことがない。このように耐衝撃性等の劣る内部骨材粒子
が、タイヤと直接接触しないようにしたので、従来のよ
うに自動車のタイヤとの摩擦や衝撃によって内部の骨材
粒子が摩耗あるいは飛散してしまうことが防止される。
また、メタクリレート又は/及びアクリレート樹脂硬化
物は紫外線を吸収しかつ対抗力が高いため、日光に当た
っても劣化せず、排水性樹脂コンクリート層の耐候性が
大いに改善される。
内部骨材各粒子が、メタクリレート又は/及びアクリレ
ート樹脂硬化物で強固に連結され、かつ該結合樹脂硬化
物層は物理、化学特性が優れたものであるため、自動車
のタイヤが強く接触しても、各骨材粒子は損傷を受ける
ことがない。このように耐衝撃性等の劣る内部骨材粒子
が、タイヤと直接接触しないようにしたので、従来のよ
うに自動車のタイヤとの摩擦や衝撃によって内部の骨材
粒子が摩耗あるいは飛散してしまうことが防止される。
また、メタクリレート又は/及びアクリレート樹脂硬化
物は紫外線を吸収しかつ対抗力が高いため、日光に当た
っても劣化せず、排水性樹脂コンクリート層の耐候性が
大いに改善される。
【0024】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。まず、本
発明に係る道路の構造を図1に示す。また、高架式の場
合の道路構造を図2に示す。Rは道路であり、その最下
層は約1mの厚みを有する路床11である。路床11の
上方には、土又は/及び砕石等から成る下層路盤12
と、上層路盤13とが積層されている。なお本明細書に
おいては、路床11と、下層路盤12と、上層路盤13
とをまとめて「基盤層」と称しており、符号1で示して
ある。ここで高架式の道路の場合は、基盤層1はコンク
リート又は鋼板で構成されると考えられる。そして、基
盤層1には、アスファルトコンクリートからなる基層2
が積層されており、該基層2には排水性樹脂コンクリー
ト層3が積層されている。
発明に係る道路の構造を図1に示す。また、高架式の場
合の道路構造を図2に示す。Rは道路であり、その最下
層は約1mの厚みを有する路床11である。路床11の
上方には、土又は/及び砕石等から成る下層路盤12
と、上層路盤13とが積層されている。なお本明細書に
おいては、路床11と、下層路盤12と、上層路盤13
とをまとめて「基盤層」と称しており、符号1で示して
ある。ここで高架式の道路の場合は、基盤層1はコンク
リート又は鋼板で構成されると考えられる。そして、基
盤層1には、アスファルトコンクリートからなる基層2
が積層されており、該基層2には排水性樹脂コンクリー
ト層3が積層されている。
【0025】ここで、該排水性樹脂コンクリート層3
が、道路R表面の水を基盤層1以下のいわゆる地盤中へ
浸透させることを目的とする場合は、基層2のアスファ
ルトコンクリートは省略することができ、基盤層1へ直
接積層される。また、高架式の道路の場合は、コンクリ
ート又は鋼板で構成された基盤層1の上に、防水層5が
積層される場合が多く、この防水層5の上方にアスファ
ルトコンクリートからなる基層2が積層されており、該
基層2には排水性樹脂コンクリート層3が積層される。
ここで、道路R表面の水を該防水層5上にて排水するこ
とを目的とする場合は、基層2のアスファルトコンクリ
ートは省略することができ、排水性樹脂コンクリート層
3は、直接防水層5に積層される。
が、道路R表面の水を基盤層1以下のいわゆる地盤中へ
浸透させることを目的とする場合は、基層2のアスファ
ルトコンクリートは省略することができ、基盤層1へ直
接積層される。また、高架式の道路の場合は、コンクリ
ート又は鋼板で構成された基盤層1の上に、防水層5が
積層される場合が多く、この防水層5の上方にアスファ
ルトコンクリートからなる基層2が積層されており、該
基層2には排水性樹脂コンクリート層3が積層される。
ここで、道路R表面の水を該防水層5上にて排水するこ
とを目的とする場合は、基層2のアスファルトコンクリ
ートは省略することができ、排水性樹脂コンクリート層
3は、直接防水層5に積層される。
【0026】排水性樹脂コンクリート層3中の骨材31
が硬化した結合剤32がメタクリレート又は/及びアク
リレート系樹脂により結合されている状態の詳細が、図
3に示されている。この図から明らかなように、メタク
リレート又は/及びアクリレート系樹脂から成る硬化し
た結合剤32は骨材31・・・間を充填してしまう訳で
は無い。排水性樹脂コンクリート層3中の骨材31・・
・間に連通した空隙33が形成されており、十分な排水
性が確保されている。したがって、雨等により道路Rの
表面に水が溜まったとしても、この連通した空隙33が
水排水溝として作用してその水を逃す(排出する)。その
ため図1又は図2に図示の排水性樹脂コンクリート層3
上に水が溜まることが無くなり、ハイドロプレーニング
現象の発生も防止される。一方、排水性樹脂コンクリー
ト層中の骨材31・・・はその表面が露出していないの
で、自動車のタイヤと接触することも無い。そのため、
骨材31…の摩耗による表面の目潰れや粉塵の発生が防
止されるのである。
が硬化した結合剤32がメタクリレート又は/及びアク
リレート系樹脂により結合されている状態の詳細が、図
3に示されている。この図から明らかなように、メタク
リレート又は/及びアクリレート系樹脂から成る硬化し
た結合剤32は骨材31・・・間を充填してしまう訳で
は無い。排水性樹脂コンクリート層3中の骨材31・・
・間に連通した空隙33が形成されており、十分な排水
性が確保されている。したがって、雨等により道路Rの
表面に水が溜まったとしても、この連通した空隙33が
水排水溝として作用してその水を逃す(排出する)。その
ため図1又は図2に図示の排水性樹脂コンクリート層3
上に水が溜まることが無くなり、ハイドロプレーニング
現象の発生も防止される。一方、排水性樹脂コンクリー
ト層中の骨材31・・・はその表面が露出していないの
で、自動車のタイヤと接触することも無い。そのため、
骨材31…の摩耗による表面の目潰れや粉塵の発生が防
止されるのである。
【0027】本発明の道路舗装構造、特に排水性樹脂コ
ンクリート層に対してスパイクラベリング試験を行った
(回転するスパイクピンにより強制的に試料を摩耗する
回転式スパイクラベリング試験を行った)結果、回転す
るスパイクピンによる摩耗に対する抵抗性に関しては、
本発明実施例の排水性樹脂コンクリート層は、従来の排
水性アスファルト層に比較して非常に優れていることが
判った(摩耗量が小さい)。試験の結果、本発明の排水性
道路舗装構造は、特にその上方部の排水性樹脂コンクリ
ート層は自動車のタイヤ等による摩耗に対する抵抗性が
極めて向上することが理解される。
ンクリート層に対してスパイクラベリング試験を行った
(回転するスパイクピンにより強制的に試料を摩耗する
回転式スパイクラベリング試験を行った)結果、回転す
るスパイクピンによる摩耗に対する抵抗性に関しては、
本発明実施例の排水性樹脂コンクリート層は、従来の排
水性アスファルト層に比較して非常に優れていることが
判った(摩耗量が小さい)。試験の結果、本発明の排水性
道路舗装構造は、特にその上方部の排水性樹脂コンクリ
ート層は自動車のタイヤ等による摩耗に対する抵抗性が
極めて向上することが理解される。
【0028】
【発明の効果】以上述べた説明から明らかなように、本
発明によると、以下のように優れた特性を有する道路舗
装が構築できる。 、排水性樹脂コンクリート層から構成された上方部層
が優れた物理・化学特性の樹脂結合剤によって被覆結合
されているので、自動車のタイヤとの摩擦や衝撃により
骨材が摩耗あるいは飛散することが防止される。 、排水性樹脂コンクリート層の排水性は十分に確保さ
れるので、路面に水が溜まることによる水はねやハイド
ロプレーニング現象は発生しなくなり、かつ路面の凍結
も回避される。 、本発明の樹脂硬化物によりアスファルト混合物粒子
間の結合力が強められるため、わだち掘れが低減でき
る。 、骨材粒子間の空隙率を多く保持できるのでその空隙
による吸音効果によって、交通騒音も大いに低減され
る。 、排水性樹脂コンクリート層の空隙率及び透水性が非
常に高いにもかかわらず、その耐摩耗性が優良である。
発明によると、以下のように優れた特性を有する道路舗
装が構築できる。 、排水性樹脂コンクリート層から構成された上方部層
が優れた物理・化学特性の樹脂結合剤によって被覆結合
されているので、自動車のタイヤとの摩擦や衝撃により
骨材が摩耗あるいは飛散することが防止される。 、排水性樹脂コンクリート層の排水性は十分に確保さ
れるので、路面に水が溜まることによる水はねやハイド
ロプレーニング現象は発生しなくなり、かつ路面の凍結
も回避される。 、本発明の樹脂硬化物によりアスファルト混合物粒子
間の結合力が強められるため、わだち掘れが低減でき
る。 、骨材粒子間の空隙率を多く保持できるのでその空隙
による吸音効果によって、交通騒音も大いに低減され
る。 、排水性樹脂コンクリート層の空隙率及び透水性が非
常に高いにもかかわらず、その耐摩耗性が優良である。
【図1】実施例道路の断面図、
【図2】他の実施例道路の断面図、
【図3】実施例道路断面図の上方部分拡大図、
1…基盤層 、11…路床、12下層路盤、13…上層
路盤、2…基層 、3…排水性樹脂コンクリート層
、31…骨材、32…硬化した結合剤、33…連通し
た空隙、4…防水層 R…道路
路盤、2…基層 、3…排水性樹脂コンクリート層
、31…骨材、32…硬化した結合剤、33…連通し
た空隙、4…防水層 R…道路
Claims (18)
- 【請求項1】 道路基盤層上あるいは道路基盤層上のア
スファルト層上又はコンクリート層上に、天然又は/及
び人工の骨材を、メタクリレート樹脂又は/及びアクリ
レート樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤とする液状混合物
からなる結合剤で排水性を確保し得る空隙を残存した状
態で結合してなる排水性樹脂コンクリート層で敷き均
し、暫時放置して重合硬化することを特徴とする排水性
道路舗装の施工方法。 - 【請求項2】 道路基盤層上あるいは道路基盤層上のア
スファルト層上又はコンクリート層上に、天然又は/及
び人工の骨材を、メタクリレート樹脂又は/及びアクリ
レート樹脂の未硬化物とフィラーと硬化剤を主剤とする
液状混合物からなる結合剤で排水性を確保し得る空隙を
残存した状態で結合してなる排水性樹脂コンクリート層
で敷き均し、暫時放置して重合硬化することを特徴とす
る排水性道路舗装の施工方法。 - 【請求項3】 道路基盤層上あるいは道路基盤層上のア
スファルト層上又はコンクリート層上に、天然又は/及
び人工の骨材を、メタクリレート樹脂又は/及びアクリ
レート樹脂の未硬化物と補強材繊維と硬化剤を主剤とす
る液状混合物からなる結合剤で排水性を確保し得る空隙
を残存した状態で結合してなる排水性樹脂コンクリート
層で敷き均し、暫時放置して重合硬化することを特徴と
する排水性道路舗装の施工方法。 - 【請求項4】 道路基盤層上あるいは道路基盤層上のア
スファルト層上又はコンクリート層上に、天然又は/及
び人工の骨材を、メタクリレート樹脂又は/及びアクリ
レート樹脂の未硬化物とフィラーと補強材繊維と硬化剤
を主剤とする液状混合物からなる結合剤で排水性を確保
し得る空隙を残存した状態で結合してなる排水性樹脂コ
ンクリート層で敷き均し、暫時放置して重合硬化するこ
とを特徴とする排水性道路舗装の施工方法。 - 【請求項5】 液状混合物を重合硬化するための時間
が、15〜90分間であることを特徴とする請求項1な
いし4のいずれかに記載の排水性道路舗装の施工方法。 - 【請求項6】 メタクリレート樹脂未硬化物が、メチル
メタクリレート又は/及びアルキルメタクリレートのモ
ノマー及びプレポリマーを主成分とするものであること
を特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の排水
性道路舗装の施工方法。 - 【請求項7】 アクリレート樹脂未硬化物が、アクリレ
ート又は/及びアルキルアクリレートのモノマー及びプ
レポリマーを主成分とするものであることを特徴とする
請求項1ないし5のいずれかに記載の排水性道路舗装の
施工方法。 - 【請求項8】 樹脂未硬化物が、下記(a)及び(b)
からなるものであることを特徴とする請求項1ないし7
のいずれかに記載の排水性道路舗装の施工方法。 (a)メタクリル酸置換又は非置換アルキルエステル及
び/又はアクリル酸置換又は非置換アルキルエステル (b)(a)に溶解又は膨潤可能なメタクリル酸アルキ
ルエステル及び/又はアクリル酸アルキルエステルの単
独重合体又は共重合体 - 【請求項9】 樹脂未硬化物の各成分の配合比が、 (a)=90〜50重量部、 (b)=10〜50重量部、 であることを特徴とする請求項8記載の排水性道路舗装
の施工方法。 - 【請求項10】 樹脂未硬化物が、さらに(c)成分と
してパラフィンワックスを含むものであることを特徴と
する請求項8記載の排水性道路舗装の施工方法。 - 【請求項11】 樹脂未硬化物の各成分の配合比が、 (a)=90〜50重量部、 (b)=10〜50重量部、 (c)=(a)+(b)の計100重量部に対して0.
1〜3.0重量部であることを特徴とする請求項8記載
の排水性道路舗装の施工方法。 - 【請求項12】 道路基盤層と、その上部に設けられた
アスファルト層又はコンクリート層と、さらにその上層
に積層された天然又は/及び人工の骨材を、メタクリレ
ート樹脂又は/及びアクリレート樹脂の未硬化物と硬化
剤を主剤とする液状混合物からなる結合剤で排水性を確
保し得る空隙を残存した状態で結合してなる排水性樹脂
コンクリート層とから構成されてなることを特徴とする
排水性道路舗装構造。 - 【請求項13】 道路基盤層と、その上層に積層された
天然又は/及び人工の骨材を、メタクリレート樹脂又は
/及びアクリレート樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤とす
る液状混合物からなる結合剤で排水性を確保し得る空隙
を残存した状態で結合してなる排水性樹脂コンクリート
層とから構成されてなることを特徴とする排水性道路舗
装構造。 - 【請求項14】 橋梁等の鋼床板又はコンクリート床板
と、その上部に設けられた防水層及びアスファルト層又
はコンクリート層と、さらにその上層に積層された天然
又は/及び人工の骨材を、メタクリレート樹脂又は/及
びアクリレート樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤とする液
状混合物からなる結合剤で排水性を確保し得る空隙を残
存した状態で結合してなる排水性樹脂コンクリート層と
から構成されてなることを特徴とする排水性道路舗装構
造。 - 【請求項15】 橋梁等の鋼床板又はコンクリート床板
と、その上部に設けられた防水層と、さらにその上層に
積層された天然又は/及び人工の骨材を、メタクリレー
ト樹脂又は/及びアクリレート樹脂の未硬化物と硬化剤
を主剤とする液状混合物からなる結合剤で排水性を確保
し得る空隙を残存した状態で結合してなる排水性樹脂コ
ンクリート層とから構成されてなることを特徴とする排
水性道路舗装構造。 - 【請求項16】 排水性樹脂コンクリート層が、骨材1
00重量部に対して、メタクリレート樹脂又は/及びア
クリレート樹脂の未硬化物と硬化剤を主剤とする液状混
合物からなる結合剤が0.5〜15重量部添加重合され
てなるものであることを特徴とする請求項12ないし1
5のいずれかに記載の排水性道路舗装構造。 - 【請求項17】 結合剤が、フィラーをも含むものであ
ることを特徴とする請求項12ないし16のいずれかに
記載の排水性道路舗装構造。 - 【請求項18】 結合剤が、補強材短繊維を含むもので
あることを特徴とする請求項12ないし17のいずれか
に記載の排水性道路舗装構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15366891A JP2913904B2 (ja) | 1991-05-30 | 1991-05-30 | 排水性道路舗装の施工方法及び排水性道路舗装構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15366891A JP2913904B2 (ja) | 1991-05-30 | 1991-05-30 | 排水性道路舗装の施工方法及び排水性道路舗装構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05255910A true JPH05255910A (ja) | 1993-10-05 |
JP2913904B2 JP2913904B2 (ja) | 1999-06-28 |
Family
ID=15567565
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15366891A Expired - Fee Related JP2913904B2 (ja) | 1991-05-30 | 1991-05-30 | 排水性道路舗装の施工方法及び排水性道路舗装構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2913904B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100359266B1 (ko) * | 2001-06-09 | 2002-11-07 | 주식회사 한미 | 에코지반조성방법 |
CN109267443A (zh) * | 2018-11-05 | 2019-01-25 | 中建设集团有限公司 | 市政道路排水调温路面施工工法 |
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