JPH05255105A - 免疫抑制剤 - Google Patents
免疫抑制剤Info
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- JPH05255105A JPH05255105A JP4058460A JP5846092A JPH05255105A JP H05255105 A JPH05255105 A JP H05255105A JP 4058460 A JP4058460 A JP 4058460A JP 5846092 A JP5846092 A JP 5846092A JP H05255105 A JPH05255105 A JP H05255105A
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Abstract
またはその医薬として許容される塩を含有する免疫抑制
剤を提供することである。 【構成】 アルギニン−グリシン−アスパラギン酸の配
列を含むペプチド、その誘導体またはそれらの医薬とし
て許容される塩を有効成分として含有する免疫抑制剤。 【効果】 本発明の免疫抑制剤は腎臓、肝臓、骨髄、皮
膚等の臓器あるいは組織の移植に対する拒絶反応、移植
片対宿主反応等の緩和、並びに全身性エリテマトーデ
ス、I型糖尿病、多発性硬化症、橋本甲状腺炎、慢性関
節リウマチ等の自己免疫疾患の治療および予防に有用で
ある。
Description
ペプチド、その誘導体またはその医薬として許容される
塩を有効成分として含有する免疫抑制剤に関する。より
詳しくは、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸のト
リペプチド単位を含むペプチド、その誘導体またはその
医薬として許容される塩を含有する免疫抑制剤に関す
る。
接着に関与するタンパク質であり、血小板凝集やガン転
移にも関与していると考えられている。これらの相互作
用は一連の細胞表面のレセプターにより仲介され、フィ
ブロネクチンは分子量約50万の巨大分子であるにもか
かわらず、これらのレセプターがそのアルギニン−グリ
シン−アスパラギン酸(以下、Arg-Gly-Asp と略す)配
列を特異的に認識することが明らかにされ、レセプター
との相互作用に重要なものであることが報告されている
(Nature、第309巻、30頁、1984年)。以来、
Arg-Gly-Asp 配列を有するオリゴあるいはポリペプチド
を用いる研究が成されている。例えば、Arg-Gly-Asp 配
列を有する種々の鎖状および環状のオリゴペプチドを用
いて血小板凝集を阻害する方法(高分子学会予稿集(Po
lymer Preprints, Japan)、第38巻、3149頁、1
989年、特開平2−174797号)、Arg-Gly-Asp
配列を有するペプチドを細胞移動抑制剤として用いる方
法(特開平2−4716号)、Arg-Gly-Asp を固定化し
たPMMA膜を細胞接着膜として用いる方法(高分子学会予
稿集(Polymer Preprints, Japan)、第37巻、705
頁、1988年)が報告されている。また、ポリマーに
Arg-Gly-Asp を必須構成単位とするペプチドを共有結合
させ動物細胞培養基体、生体複合人工臓器用基体として
用いる方法(特開平1−309682号、特開平1−3
05960号)、Arg-Gly-Asp-Ser 配列を有するポリペ
プチドを体外血液用血小板保護剤として用いる方法も開
示されている(特開昭64−6217号)。さらに、Ar
g-Gly-Asp 配列を有するオリゴペプチドあるいはその繰
り返し構造を有するポリペプチドを用いて、ガン転移を
抑制する方法も知られている(Int. J. Biol. Macromo
l.、第11巻、23頁、1989年、同誌、第11巻、
226頁、1989年、Jpn. J. Cancer Res.,第60
巻、722頁、1989年)。本発明の発明者らは、Ar
g-Gly-Asp配列を含むペプチドのアシル誘導体またはア
ルキルエステル誘導体についてその生理活性を調べた結
果、免疫抑制活性を持つことを見出し、本発明を完成し
た。
は、免疫抑制活性を有する新規なペプチド誘導体または
その医薬として許容される塩を含有する免疫抑制剤を提
供することである。この発明の免疫抑制剤は、自己免疫
疾患、移植による拒絶反応、移植片対宿主病の治療およ
び予防に有用である。
グリシン−アスパラギン酸の配列を含むペプチド、その
誘導体またはそれらの医薬として許容される塩を有効成
分として含有する免疫抑制剤である。上記目的に沿って
さらに種々のペプチド誘導体を調べた結果、特にArg-Gl
y-Asp配列を含むペプチドのアシル誘導体またはアルキ
ルエステル誘導体が有用な免疫抑制活性を持つことを見
出した。Arg-Gly-Asp配列を含むペプチドのアシル誘導
体またはアルキルエステル誘導体の具体例およびその好
ましい実施態様について以下詳細に説明する。本発明で
用いるペプチド誘導体の一つの群は、下記一般式(I)
および(II)で示されるペプチド誘導体またはその塩か
らなる。
ニン、グリシン、アスパラギン酸残基を示す。〔X〕、
〔Y〕はアミノ酸残基またはペプチド残基を示す。
〔X〕、〔Y〕がセリン、グリシン、バリン、アスパラ
ギン、プロリン、システイン、トレオニン、アスパラギ
ン酸残基から選択されるアミノ酸残基またはこれ等のア
ミノ酸残基から構成されるペプチド残基であることが好
ましい。特に、〔Y〕がセリン残基であることが好まし
い。また、〔X〕、〔Y〕がともに存在しなくてもよ
い。mは1から5までの整数を表し、1から3までの整
数が好ましい。nは1から5までの整数を表し、1から
3までの整数が好ましい。R1 およびR2 は、それぞれ
水素あるいは炭素数8〜24の直鎖または分岐のアシル
基またはアルキル基であり、置換基を有していてもよ
く、不飽和結合を含んでいてもよい。好ましい炭素数と
しては、12から18までである。アシル基としては、
ドデカノイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ス
テアロイル基が好ましい例として示される。アルキル基
としては、ドデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、
ステアリル基、フィタニル基が好ましい例として示され
る。R1 、R2 は同じであっても異なってもよい。R3
は炭素数6〜24の直鎖または分岐のアシル基であり、
置換基、不飽和基を有していてもよい。好ましくは炭素
数8〜18のものである。例えばミリストイル基、パル
ミトイル基、ステアロイル基、3,7,11,15-テトラメチル
ヘキサデカノイル基、3,7,11-トリメチルドデカノイル
基が好ましい例として示される。Zは水酸基あるいはア
ミノ基を示す。また、分子内に存在する不斉炭素に関し
ては、ラセミ体でも光学活性体のいずれでもよい。本発
明の化合物の好ましい塩の例としては、ナトリウム塩、
カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩、塩酸
塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩等が挙げられる。
示すが、本発明はこれに限定されるものではない。 化合物(1) HO2CCH2CH2C(O)-Arg-Gly-Asp-Ser-O-CH2CH(OC16H33)CH2
(OC16H33) 化合物(2) HO2CCH2CH2C(O)-Arg-Gly-Asp-Ser-O-CH2CH(OC14H29)CH2
(OC14H29) 化合物(3) HO2CCH2CH2CH2C(O)-Arg-Gly-Asp-Ser-O-CH2CH(OC16H33)
CH2(OC16H33) 化合物(4) HO2CCH2CH2C(O)-(Arg-Gly-Asp)2-O-CH2CH(OC14H29)CH
2(OC14H29) 化合物(5) C9H19CO-Arg-Gly-Asp-OH 化合物(6) C13H27CO-Arg-Gly-Asp-OH 化合物(7) C15H31CO-Arg-Gly-Asp-OH 化合物(8) CH3-[(CH(CH3)-(CH2)3]3-CH(CH3)-CH2-CO-Arg-Gly-Asp-
OH 化合物(9) C15H31CO-Arg-Gly-Asp-Ser-OH 化合物(10) C17H35CO-Arg-Gly-Asp-Ser-OH 化合物(11) CH3-[CH(CH3)-(CH2)3]3-CH(CH3)-CH2-CO-Arg-Gly-Asp-S
er-OH 化合物(12) C15H31CO-Gly-Arg-Gly-Asp-Ser-OH 化合物(13) C13H27CO-Gly-Arg-Gly-Asp-Ser-Pro-OH 化合物(14) C13H27CO-Arg-Gly-Asp-NH2 化合物(15) CH3-[(CH(CH3)-(CH2)3]2-CH(CH3)-CH2-CO-Arg-Gly-Asp-
NH2 化合物(16) C15H31CO-Arg-Gly-Asp-Ser-NH2 化合物(17) CH3-[(CH(CH3)-(CH2)3]3-CH(CH3)-CH2-CO-Arg-Gly-Asp-
Ser-NH2 化合物(18) C19H39CO-Arg-Gly-Asp-Ser-NH2 化合物(19) C15H31CO-(Arg-Gly-Asp-Ser)2-OH
する。本発明の化合物(I)は基本的に以下の段落から
なる方法により合成することができる。 下記ジアルキル(ジアシル)グリセロール(III)の
合成
アミノ酸の逐次延長による保護ペプチドの合成 保護ペプチドのN末端アミノ基の選択的脱保護とそれ
に続くマロニル化、スクシニル化またはグルタリル化反
応。 側鎖保護基の除去および精製
ロールは、公知の方法(例えば Biochemistry 第2巻3
94頁1963年)により合成することができ、また市
販品を購入することもできる。
知の方法、すなわち、泉屋ら著「ペプチド合成の基礎と
実験」(丸善)や Bodanszky著 " PRINCIPLES OF PEPTI
DE SYNTHESIS"、”THE PRACTICE OF PEPTIDE SYNTHESI
S"(Springer Verlag, New York)に記載されている方法
がいずれも有効である。縮合反応の段階では、DCC-addi
tive法、アジド法、混酸無水物法、活性エステル法のい
ずれを採用してもよいが、1−ヒドロキシベンゾトリア
ゾールとジシクロヘキシルカルボジイミドを併用するDC
C-additive法が最も良好な結果を与えた。またグリセロ
ール誘導体(III)に最初の保護アミノ酸を導入する工程
では、ジシクロヘキシルカルボジイミドと触媒量のN,
N−ジメチルアミノピリジンを用いる方法が有効であ
る。
はグルタリル化反応には、それぞれ対応する環状酸無水
物または酸二塩化物を用いることが好ましい。 保護基を脱保護するのに用いられる条件は、用いた保
護基の種類に大きく依存する。通常使用される脱保護条
件は、加水素分解、トリフルオロ酢酸、無水フッ化水
素、トリフルオロメタンスルホン酸−チオアニソール混
合系、トリフルオロ酢酸−チオアニソール混合系等であ
るが、保護基の種類によってはさらに多様な手段が可能
である。
て説明する。化合物(II)は、例えば次の行程により合
成することができる。 ペプチドフラグメント保護体の調製 ペプチドフラグメント保護体と、R3 −Wとの縮合
(R3 は相当するアシル基を示す。Wは例えば水酸基あ
るいはハロゲン原子を示す。) 脱保護および精製
逐次伸長する既知の方法、すなわち、泉屋ら著「ペプチ
ド合成の基礎と実験」(丸善)や Bodanszky著 "PRINCI
PLES OF PEPTIDE SYNTHESIS"、" THE PRACTICE OF PEPT
IDE SYNTHESIS"(Springer Verlag, New York) に記載さ
れている方法がいずれも有効である。縮合反応の段階で
は、DCC-additive法、アジド法、混酸無水物法、活性エ
ステル法のいずれを採用してもよいが、1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾールとジシクロヘキシルカルボジイミド
を併用するDCC-additive法が最も良好な結果を与えた。
をBoc基で保護し、側鎖およびα−カルボキシル基をベ
ンジルエステル、ベンジルエーテル、ベンジルチオエー
テル等のベンジル系保護基で保護したものが特に良好な
結果を与えた。 相当するR3 −Wとの縮合に関しては、通常の方法が
用いられる。Wが水酸基のものに関しては、例えばDC
C法、DCC−additive法、CDI法等が多用される。
Wがハロゲンのものに関しては、例えば相当する酸クロ
ライド等を用いればよい。 保護基を脱保護するのに用いられる条件は、用いた保
護基の種類に大きく依存する。通常使用される脱保護条
件は、加水素分解、トリフルオロ酢酸、無水フッ化水
素、トリフルオロメタンスルホン酸−チオアニソール混
合系、トリフルオロ酢酸−チオアニソール混合系処理等
であるが、保護基の種類によってはさらに多様な手段が
可能である。また、目的物の精製は、再沈澱法、ゲルろ
過法等を採用できる。
以下の合成経路で合成した。なお、アミノ酸、各種保護
基および脱保護試薬等は通常用いられて略号を使って表
した。また、化合物(2)〜(4)もここに例示した方
法で合成できる。 Bzl:ベンジル基 TFA:トリフルオロ酢酸 t-Boc:t−ブトキシカルボニル基 HOBt: 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール Z:ベンジルオキシカルボニル基 DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド DCウレア:ジシクロヘキシル尿素
記載の方法により調製した(1a)12.0gをトルエ
ン300mlに溶かし、この溶液に粉末水酸化カリウム1
6.0gと1−ブロモヘキサデカン82gを加え、反応
混合物を8時間加熱還流した。反応液を室温になるまで
放冷したのちヘキサン400mlで希釈した。水200ml
で2回洗浄後無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。硫酸ナ
トリウムを濾過して除き、濾液を減圧濃縮して無色油状
物を得た。このものをシリカゲルクロマトグラフィー
(溶出液 ヘキサン/酢酸エチル=40/1)で精製
し、(1b)を41.2g(収率95.5%)得た。物
性値は文献(Biochemistry第2巻,394頁1963
年)記載のそれと一致した。得られた(1b)を酢酸エ
チル250mlに溶解し、10%パラジウム−炭素1.5
gを加えて、反応混合物を水素雰囲気下8時間反応し
た。不溶性物質をセライト濾過して除き、セライト層を
酢酸エチルで洗浄した。濾液、洗液をあわせて減圧濃縮
した。残渣を酢酸エチルから再結晶して(1c)を無色
結晶(34.4g)として得た。物性値は文献(Bioche
mistry、第2巻、394頁、1963年)記載のそれと
一致した。
r(Bzl)2.05g(7mmol)、ジメチルアミノピリジン
73mgを塩化メチレン50mlに溶解し、氷冷しながらDC
C 1.5gを加えた。氷冷下で2時間、室温で終夜攪拌
した後生成したDCC 尿素を濾別し、濾液を濃縮後残留物
をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸
エチル=6/1)で精製して、無色油状の(1d)4.
7g(5.74mmol)を得た。収率97%。(1d)
4.7g(5.74mmol)を塩化メチレン20mlに溶解
し、トリフルオロ酢酸(TFA)10mlを加え、室温で30
分攪拌した。溶媒を減圧で留去後、残留物に酢酸エチル
と4%炭酸ナトリウム水溶液を加えて抽出、分液した。
(このとき、水層のpHがアルカリ性であることを確認し
た。)酢酸エチル層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後に減圧留去した。得られた(1d)の脱
保護体を塩化メチレン30mlとDMF 15mlの混合溶媒に
溶解し、t-Boc-Asp(OBzl)2.2g(6.8mmol)とHO
Bt/H2O 1g(6.5mmol)を加えて氷冷攪拌した。こ
こに、DCC 1.4g(6.8mmol)を加え氷冷下で2時
間、室温で終夜攪拌した。生成したDCC 尿素を濾別し、
濾液を減圧濃縮した。残留物に酢酸エチルと4%炭酸ナ
トリウム水溶液を加えて抽出、分液した。酢酸エチル層
を水および食塩水で洗浄した後減圧濃縮し、残留物をシ
リカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチ
ル=4/1−2/1)で精製して、白色固体の(1e)
5.36g(5.24mmol)を得た。収率91%。
化メチレン20mlに溶解し、TFA 10mlを加えて室温で
1時間攪拌した。溶媒を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチ
ルとアセトニトリルの混合溶媒(1:2)で再結晶し
て、白色固体の(1f)4.93g(4.75mmol)を
得た。収率93%。(1f)4.8g(4.62mmo
l)、t-Boc-Gly 0.96g(5.5mmol)、HOBt・H2O
842mg(5.5mmol)を塩化メチレン30mlとDMF
15mlの混合溶媒に溶解した。ここに、ジイソプロピル
エチルアミン630mg(4.9mmol)とDCC 1.1g
(5.3mmol)を加え、氷冷下で2時間、室温で終夜攪
拌した。以降(1d)と同様の後処理を行い、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製して(n−ヘキサン
/酢酸エチル=3/2)、白色固体(1g)3.95g
(3.66mmol)を得た。収率79%。(1g)2.0
g(1.85mmol)を塩化メチレン10mlに溶解し、TF
A 5mlを加え、室温で30分攪拌した。溶媒を減圧で残
留後、残留物に酢酸エチルと4%炭酸ナトリウム水溶液
を加えて抽出、分液した。(このとき、水層のpHがアル
カリ性であることを確認した。)酢酸エチル層を食塩水
で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、酢酸エチル
を減圧留去した。得られた(1g)の脱保護体を塩化メ
チレン20mlとDMF 5mlの混合溶媒に溶解し、t-Boc-Ar
g(Z)2 1.2g(2.15mmol)とHOBt/H2O 330mg
(2.15mmol)を加えて氷冷攪拌した。ここに、DCC
460mg(2.2mmol)を加え氷冷下で2時間、室温で
終夜攪拌した。以降(1f)と同様の後処理を行い、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢
酸エチル=3/1)で精製して、白色固体の(1h)
2.09g(1.48mmol)を得た。収率80%。
化メチレン10mlに溶解し、TFA 5mlを加えて室温で1
時間攪拌した。溶媒を減圧で留去後、残留物にクロロホ
ルムと4%炭酸ナトリウム水溶液を加えて抽出、分液し
た。(このとき、水層のpHがアルカリ性であることを確
認した。)クロロホルム層を食塩水で洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥した後に減圧留去した。得られた(1
h)の脱t-Boc体を塩化メチレン10mlに溶解し、無水
コハク酸120mgを加えて室温で攪拌した。反応進行に
ともない白沈が生成した。1時間後溶媒を減圧濃縮し、
残留物をアセトニトリルとクロロホルムの混合溶媒
(5:1)より再結晶して、白色固体(1i)920mg
(0.61mmol)を得た。収率92%。(1i)800
mg(0.532mmol)を酢酸20mlに55℃で溶解し、
10%パラジウム−炭素を100mg加えてこの温度で常
圧水素添加を4時間行った。触媒をセライトで濾別して
濾液を減圧濃縮し、残留物にアセトニトリルを加えると
白色固体が析出した。これを濾取することにより、化合
物(1)390mg(0.369mmol)を得た。収率69
%。 (M−H)- 1055(FAB ,NEGA) アミノ酸分析 :Arg (1.03)、Gly (1.0
1)、Asp (1.02)、Ser (0.91)
の代わりに1−ブロモテトラデカンを用い、以後同様の
操作を行って化合物(2)を合成した。 (M−H)- 999(FAB ,NEGA) アミノ酸分析 :Arg (1.10)、Gly (1.0
3)、Asp (0.98)、Ser (0.89)
りにグルタル酸無水物を用い、以後同様の操作を行って
化合物(3)を合成した。 (M−H)- 1069(FAB ,NEGA) アミノ酸分析 :Arg (1.02)、Gly (0.9
8)、Asp (1.00)、Ser (0.95)
方法により、国産化学(株)から購入したBoc-Asp(OBzl)
32.3g、トリエチルアミン 14ml 、臭化ベンジル 17.1
g、酢酸エチル 200ml の混合物を3時間加熱還流した。
反応液を室温になるまで放冷した後に、1N 炭酸水素ナ
トリウム水溶液、飽和食塩水各200mlで洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過して除
き、濾液を減圧濃縮して無色油状物を得た。この反応混
合物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液 ヘキサ
ン/酢酸エチル 95:5)で精製し、Boc-Asp(OBzl)-O
Bzl 36g を得た。ジクロロメタン 20mlに溶解し、トリ
フルオロ酢酸20mlを加えて室温で30分間撹拌しTFA-Asp
(OBzl)-OBzlを定量的に得た。
ンに溶解して、Boc-グリシン無水物6.7g、ジメチルアミ
ノピリジン(DMAP)2.5gを加え室温で6時間撹拌した。
反応液を水で洗い無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸
ナトリウムを濾過して除き、濾液を減圧濃縮した。残留
物をジクロロメタン 20mlに溶解し、トリフルオロ酢酸
20mlを加えて室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧留去し
た後にクロロホルム100mlを加え、1N 炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、飽和食塩水各100mlで数回洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過して除
き、濾液を減圧濃縮してGly-Asp(OBzl)-OBzlを得た。こ
れを精製すること無しにBoc-Arg(Z)2( 国産化学(株)
から購入) 10.83g、DCC 4.54g、HOBt 2.76
g、DMF80mlを加えて一昼夜攪拌し、DCウレアを除
去した後に溶媒を減圧留去し、クロロホルム100mlを加
え、1N 炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各200ml
で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリ
ウムを濾過して除き、濾液を減圧濃縮した。残留物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液クロロホル
ム・酢酸エチル 6:4)により精製して、白色粉末と
してBoc-Arg(Z)2-Gly-Asp(OBzl)-OBzl 13.2gを得た。F
AB-MASS (M+H)+ 894
g、を塩化メチレン10mlに溶解し、トリフルオロ酢酸10m
lを加えて室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧留去した
後にクロロホルム100mlを加え、1N 炭酸水素ナトリウム
水溶液、飽和食塩水各100mlで数回洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過して除き、
濾液を減圧濃縮して白色粉末としてArg(Z)2-Gly-Asp(OB
zl)-OBzlを定量的に得た。ドデカン酸 172mgをジクロ
ロメタン 50mlに溶解し、室温でDCC 309mgを加え
一時間撹拌した。Arg(Z)2-Gly-Asp(OBzl)-OBzl 1.19g
を加えて10時間撹拌した。反応液を濾過し、濾液を水
で洗い有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナ
トリウムを濾過して除き、濾液を減圧濃縮し、残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液クロロホ
ルム/酢酸エチル=1:1)により精製しC9H19CO-Arg
(Z)2-Gly-Asp(OBzl)-OBzl 620mg を得た。C9H19CO-Arg
(Z)2-Gly-Asp(OBzl)-OBzl 500mgを酢酸50mlに溶解し、
10%パラジウム−炭素100mgを加え、室温で常圧加水
素分解を24時間行った。触媒をセライトを用いて濾別
し、溶媒を減圧留去し残留物を再沈殿法(酢酸−酢酸エ
チル)により精製し化合物(5)182mgを得た。 (M+H)+ 501(FAB ,positive) アミノ酸分析 :Arg (0.94)、Gly (0.9
3)、Asp (0.99)合成例5 化合物(6)の合成 ミリスチン酸を用いて合成例4と同様に合成した。 (M+H)+ 557(FAB ,positive) アミノ酸分析 :Arg (0.97)、Gly (0.9
4)、Asp (0.92)
9)、Asp (0.91) 合成例7 化合物(8)の合成 合成フィトール 50g、をエタノールに溶解して二酸化
白金 500mgを用いて室温で水素添加を行い3,7,11,15-
テトラメチルヘキサデカノールを定量的に得た。3,7,1
1,15-テトラメチルヘキサデカノールをJones試薬により
酸化して3.7.11.15-テトラメチルヘキサデカン酸を得
た。以上の様に合成した3,7,11,15-テトラメチルヘキサ
デカン酸を用いて合成例4と同様に合成した。 (M+H)+ 641(FAB ,positive) アミノ酸分析 :Arg (0.97)、Gly (0.9
2)、Asp (1.01)
方法により、国産化学(株)から購入したBoc-Ser(Bzl) 2
9.5g、トリエチルアミン 14ml 、臭化ベンジル 17.1g、
酢酸エチル 200ml の混合物を3時間加熱還流した。反
応液を室温になるまで放冷した後に、1N 炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水各200mlで洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過して除
き、濾液を減圧濃縮して無色油状物を得た。この反応混
合物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサ
ン/酢酸エチル=40:1)で精製し、Boc-Ser(Bzl)-OBzl 3
6gを得た。
メチレン20mlに溶解し、トリフルオロ酢酸20mlを加えて
室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧留去した後にクロロ
ホルム100mlを加え、1N 炭酸水素ナトリウム水溶液、飽
和食塩水各100mlで数回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過して除き、濾液を減圧
濃縮して無色油状物を得た。これとBoc-Asp(OBzl)(国産
化学(株)から購入) 6.47g、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(DCC) 4.54g、ヒドロキシベンゾトリア
ゾール(HOBt) 2.76g、DMF80mlの混合物を0
℃で3時間、さらに室温で12時間撹拌した。DCウレア
を除去した後に溶媒を減圧留去し、クロロホルム100ml
を加え、1N炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各20
0mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナ
トリウムを濾過して除き、濾液を減圧濃縮し、ジクロロ
メタン 20ml、トリフルオロ酢酸20mlを加えて室温で30
分間撹拌した。溶媒を減圧留去した後にクロロホルム10
0mlを加え、1N 炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水
各100mlで数回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。硫酸ナトリウムを濾過して除き、濾液を減圧濃縮し
てAsp(OBzl)-Ser(Bzl)-OBzl を得た。さらに、Boc-Gly
( 国産化学 (株)から購入)3.50g 、DCC 4.54g、H
OBt 2.76g、DMF 80mlを加えて0℃で3時間、
さらに室温で12時間撹拌した。
し、クロロホルム100mlを加え、1N炭酸水素ナトリウム
水溶液、飽和食塩水各200mlで洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過して除き、濾液
を減圧濃縮し、ジクロロメタン 20ml、トリフルオロ酢
酸20mlを加えて室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧留去
した後にクロロホルム100mlを加え、1N 炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、飽和食塩水各100mlで数回洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過して除
き、濾液を減圧濃縮してGly-Asp(OBzl)-Ser(Bzl)-OBzl
を得た。これを精製すること無しにBocArg(Z)2(国産化
学(株)から購入) 10.83g、DCC 4.54g、HOBt
2.76g、DMF80mlを加えて一昼夜撹拌し、DCウレ
アを除去した後に溶媒を減圧留去し、クロロホルム100m
lを加え、1N 炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水各
200mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸
ナトリウムを濾過して除き、濾液を減圧濃縮した。残留
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ク
ロロホルム/メタノール=99:1)により精製して、
白色粉末としてBoc-Arg(Z)2-Gly-Asp(OBzl)-Ser(Bzl)-O
Bzl 14.4g を得た。FAB-MASS (M+H)+ 1071
l 1.03gを塩化メチレン10mlに溶解し、トリフルオロ酢
酸10mlを加えて室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧留去
した後にクロロホルム100mlを加え、1N 炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、飽和食塩水各100mlで数回洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過して除
き、濾液を減圧濃縮して白色粉末としてArg(Z)2-Gly-As
p(OBzl)-Ser(Bzl)-OBzlを定量的に得た。パルミチン酸
256mgをジクロロメタン 50mlに溶解し、室温でDC
C 206mgを加え一時間撹拌した。さらにArg(Z)2-Gly-A
sp(OBzl)-Ser(Bzl)-OBzl 0.97gを加えて10時間撹拌
した。反応液を濾過し、濾液を水で洗い有機層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過して除
き、濾液を減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶出液:クロロホルム/酢酸エチル=
1:1)により精製し、C15H31CO-Arg(Z)2-Gly-Asp(OBz
l)ーSer(Bzl)-OBzl640mg を得た。C15H31CO-Arg(Z)2-Gly
-Asp(OBzl)-Ser(Bzl)-OBzl 500mgを酢酸50mlに溶解し、
10%パラジウム−炭素100mgを加え、室温で常圧加水
素分解を24時間行った。触媒をセライトを用いて濾別
し、溶媒を減圧留去し残留物を再沈殿法(酢酸ー酢酸エ
チル)により精製し化合物(9)120mgを得た。 (M+H)+ 671(FAB ,positive) アミノ酸分析 :Arg (0.99)、Gly (0.9
9)、Asp (0.93)、Ser (0.78)
2)、Asp (0.95)、Ser (0.62) 合成例10 化合物(11)の合成 合成例7と同様にして得た、3,7,11,15-テトラメチルヘ
キサデカン酸を用いて合成例8と同様に合成した。 (M+H)+ 728(FAB ,positive) アミノ酸分析 :Arg (0.96)、Gly (0.9
7)、Asp (0.96)、Ser (0.71)
ール (13.9 0.1 mol)の塩化メチレン (20 ml)及びDMF
(20 ml) からなる混合溶媒に溶解し、これに氷冷しなが
らDCC (20.6 g, 0.1 mol) を加えた。反応混合物を氷冷
下2時間、さらに室温で一晩攪拌した。セライト濾過し
て生成した沈澱を除き、濾液を減圧濃縮して粗p-ニトロ
フェニルエステルを得た。これをTHF (150 ml) に溶解
し、25 %アンモニア水 (10 ml) を加えた。反応混合物
を室温で5時間攪拌ののち減圧濃縮した。得られた油状
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Bo
c-Ser-NH2 27.7 g を無色結晶として得た。収率94 % 。
国産化学(株)から購入したBoc-Asp(OBzl) 6.47g、Bo
c-Ser-NH2 4.1g、ジシクロヘキシルカルボジイミド(D
CC) 4.54g、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HO
Bt) 2.76g、N,N-ジイソプロピルエチルアミン 2.6
g、DMF80mlの混合物を0℃で3時間、さらに室温で
24時間撹拌した。DCウレアを除去した後に溶媒を減
圧留去し、クロロホルム100mlを加え、1N炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水各200mlで洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過して除
き、濾液を減圧濃縮し、ジクロロメタン20ml、トリフル
オロ酢酸20mlを加えて室温で30分間撹拌した後、溶媒を
減圧留去してTFA-Asp(OBzl)-Ser-NH2を得た。
0mlに溶解して、Boc-グリシン無水物6.7g、ジメチルア
ミノピリジン(DMAP)2.5gを加え室温で6時間撹拌し
た。反応液を水で洗い無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
硫酸ナトリウムを濾過して除き、濾液を減圧濃縮した。
残留物をジクロロメタン 20mlに溶解し、トリフルオロ
酢酸20mlを加えて室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧留
去してTFA-Gly-Asp(OBzl)-Ser-NH2を得た。これを、精
製すること無しに Boc-Arg(Z)2( 国産化学(株)から
購入) 10.83g、DCC 4.54g、HOBt 2.76g、N,N
-ジイソプロピルエチルアミン 2.6g、DMF80mlを加
えて一昼夜撹拌した。DCウレアを除去した後に溶媒を
減圧留去し、クロロホルム100mlを加え、1N 炭酸水素ナ
トリウム水溶液、飽和食塩水各200mlで洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過して除
き、濾液を減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶出液:クロロホルム/メタノール
=1:0〜9:1)により精製して、白色粉末としてBo
c-Arg(Z)2-Gly-Asp(OBzl)-Ser-NH2 10.6gを得た。FAB-
MASS (M+H)+ 861 Boc-Arg(Z)2-Gly-Asp(OBzl)-Ser-NH2 1.29g、を塩化メ
チレン10mlに溶解し、トリフルオロ酢酸10mlを加えて室
温で30分間撹拌した。溶媒を減圧留去した後にクロロホ
ルム100mlを加え、1N 炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和
食塩水各100mlで数回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。硫酸ナトリウムを濾過して除き、濾液を減圧濃
縮し、白色粉末としてArg(Z)2-Gly-Asp(OBzl)-Ser-NH2
を定量的に得た。
0mlに溶解し、室温でDCC 309mgを加え一時間撹拌し
た。Arg(Z)2-Gly-Asp(OBzl)-Ser-NH2 1.15gを加えて1
0時間撹拌した。反応液を濾過し、濾液を水で洗い有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを
濾過して除き、濾液を減圧濃縮し、残留物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶出液:クロロホルム/メ
タノール=95:5〜8:2)により精製しC19H39CO-A
rg(Z)2-Gly-Asp(OBzl)-Ser-NH2 820mgを得た。C19H39CO
-Arg(Z)2-Gly-Asp(OBzl)-Ser-NH2 500mgを酢酸50mlに溶
解し、10%パラジウム−炭素100mgを加え、室温で常
圧加水素分解を24時間行った。触媒をセライトを用い
て濾別し、溶媒を減圧留去し残留物を再沈殿法(酢酸−
酢酸エチル)により精製し化合物(18)190mgを得
た。 (M+H)+ 727(FAB ,positive) アミノ酸分析 :Arg (0.98)、Gly (1.0
2)、Asp (0.95)、Ser (0.62)
c-(Arg(Z)2-Gly-Asp(OBzl))2-OBzlを調製した。続い
て、ジクロロメタンに溶解してトリフルオロ酢酸を加え
TFA-(Arg(Z)2-Gly-Asp(OBzl))2-OBzl とした。ミリス
チン酸 456mgをクロロホルム 100mlに溶解し、室温で
DCC 412mgを加え一時間撹拌した。
9gを加えて10時間撹拌した。反応液を濾過し、濾液を
水で洗い有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸
ナトリウムを濾過して除き、濾液を減圧濃縮し、残留物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:クロ
ロホルム/メタノール=95:5)により精製しC13H27
CO-(Arg(Z)2-Gly-Asp(OBzl))2-OBzl 950mgを得た。C
13H27CO-(Arg(Z)2-Gly-Asp(OBzl))2-OBzl 500mgを酢
酸50mlに溶解し、10%パラジウム炭素100mgを加え、
室温で常圧加水素分解を24時間行った。触媒をセライ
トを用いて濾別し、溶媒を減圧留去し残留物を再沈殿法
(酢酸−酢酸エチル)により精製し化合物(19)130m
gを得た。 (M+H)+ 885 (FAB ,positive) アミノ酸分析 :Arg (2.21)、Gly (2.1
1)、Asp (1.98)
を有し、従って、本発明の免疫抑制剤は腎臓、肝臓、骨
髄、皮膚等の臓器あるいは組織の移植に対する拒絶反
応、移植片対宿主反応等の緩和、並びに全身性エリテマ
トーデス、I型糖尿病、多発性硬化症、橋本甲状腺炎、
慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患の治療および予防
に有用である。本発明の免疫抑制剤はアルギニン−グリ
シン−アスパラギン酸の配列を含むペプチド、そのアシ
ル誘導体またはアルキルエステル誘導体、およびその医
薬として許容される塩を有効成分として含有し、非経口
投与に適した分散液状の医薬製剤の形で使用することが
できる。また、一般的に医薬として許容される担体や、
他の免疫抑制剤と混合して用いてもよい。使用し得る担
体は、水、グルコース、乳糖、アカシアゴム、ゼラチ
ン、デンプン、デキストラン、食塩その他の生理的無機
塩類などがあげられる。また、既知の免疫抑制剤、例え
ば、シクロスポリンA、副腎皮質ステロイド、イムラ
ン、FK506などとともに分散して用いることもでき
る。本発明の免疫抑制剤の投与量は、治療すべき疾病の
種類、患者及び疾病の状態等により種々変化し得るが、
通常、ペプチド、ペプチド誘導体またはそれ等の塩とし
て、好ましくは0.05 mg/kg体重/日〜10 mg/kg体重/
日程度の量で投与される。本免疫抑制剤の有用性を示す
ため、以下の実施例にて薬理試験結果を示す。
ロホルム10mlとメタノール10mlの混合溶媒に60℃
で溶解し、ロータリーエバポレーターを用いて60℃で
溶媒を減圧留去した。その後さらに真空ポンプを用いて
室温で30分乾燥させた。形成された化合物の薄膜に生
理食塩水3mlを加え、pH試験紙でモニターしながら1N
NaOHまたはHClでpHを約7に調節した。この液
を80℃に加温した後ボルテックスミキサーで分散し
た。分散が不完全な場合にはpH調節、加温、分散を繰り
返した。ついで、口径0.2ミクロンのミクロフィルタ
ーを繰り返し通過させることにより、均一な分散物を得
た。ペプチド誘導体の分散液は細胞培養に使用するRP
MI1640培地で希釈し、約50℃で濾過滅菌して使
用した。
した試験するペプチド誘導体の種々濃度の分散液50μl
とコンカナバリンA (8μg/ml、RPMI164
0)50μlをBALB/Cマウスの脾細胞分散液(4×1
06個/ml、10%FCSを含むRPMI1640)10
0μl に加え、37°CのCO2 インキュベーター内で
培養した。約48時間後、3H−チミジン(0.4μC
i)で5時間パルスし、細胞内に取り込まれた3H−チ
ミジン量を測定した。結果を表1に示す。チミジンの取
り込み量はペプチド誘導体濃度0のときの量を100%
とし、それに対する割合(%)で表した。表1の結果か
ら判るように本発明の化合物はT細胞の増殖を抑制し
た。
応(MLR)に対する抑制効果 使用する化合物の分散は実施例1と同様に行った。 (混合リンパ球試験)刺激細胞として、C57BL/6
マウスの脾細胞を25μg/mlのマイトマイシンCで3
7°C、30分間処理し、RPMI1640培地で3回
洗浄した。このC57BL/6マウス脾細胞3×106
個/mlを75μlと、反応細胞として、BALB/C
マウスの脾細胞の同量を混合し、さらに被検試料の分散
液50μlを加えて、37°C、66時間 CO2イン
キュベーターで培養した。3H−チミジン(0.4μC
i)で6時間パルス後、細胞内に取り込まれた3H−チ
ミジン量を測定した。結果を表2に示す。結果は実施例
1と同様に表した。表2の結果から判るように本発明の
化合物はマウスのアロMLRを抑制した。
験 化合物(2)を実施例1の方法に従って生理食塩水中に
分散した。ICRマウスに対し、この分散物を静脈内及
び腹腔内投与し、7日間の急性毒性試験を行ったが、投
与量100mg/kg体重以下では死亡は観察されず、生理食塩
水のみを投与したコントロール群と同等の体重増加を示
した。また外観および解剖所見においても異常はみられ
なかった。
Claims (6)
- 【請求項1】アルギニン−グリシン−アスパラギン酸の
配列を含むペプチド、その誘導体またはそれらの医薬と
して許容される塩を有効成分として含有する免疫抑制
剤。 - 【請求項2】アルギニン−グリシン−アスパラギン酸の
配列を含むペプチドの誘導体が、アシル誘導体またはア
ルキルエステル誘導体であることを特徴とする特許請求
の範囲第1項記載の免疫抑制剤。 - 【請求項3】ペプチド誘導体が下記一般式(I)で示さ
れる特許請求の範囲第2項記載の免疫抑制剤。 一般式(I) HO2C-(CH2)m-C(O)-([X]-Arg-Gly-Asp-[Y])n-O-CH2CH(OR1)CH2OR2 (I) 式中、Arg 、Gly 、Asp はそれぞれアルギニン、グリシ
ン、アスパラギン酸残基を示す。〔X〕、〔Y〕は、ア
ミノ酸またはペプチド残基を示す。mは1から5までの
整数を示す。nは1から5までの整数を示す。なお
〔X〕、〔Y〕は存在してもしなくてもよい。R1 およ
びR2 は、それぞれ水素あるいは炭素数8〜24の直鎖
または分岐のアシル基またはアルキル基であり、置換基
を有していてもよく、不飽和結合を含んでいてもよい。
また、分子内に存在する不斉炭素に関しては、ラセミ体
でも光学活性体のいずれでもよい。 - 【請求項4】 一般式(I)において、〔X〕、〔Y〕
がセリン、グリシン、バリン、アスパラギン、プロリ
ン、システイン、トレオニン、アスパラギン酸残基から
選択されるアミノ酸残基またはそれ等のアミノ酸残基か
ら構成されるペプチド残基である特許請求の範囲第3項
記載の免疫抑制剤。 - 【請求項5】ペプチド誘導体が下記一般式(II)で示さ
れる特許請求の範囲第2項記載の免疫抑制剤。 一般式(II) R3-([X]-Arg-Gly-Asp-[Y])n-Z (II) 式中、Arg 、Gly 、Asp はそれぞれアルギニン、グリシ
ン、アスパラギン酸残基を示す。〔X〕、〔Y〕は、ア
ミノ酸またはペプチド残基を示す。nは1から5までの
整数を示す。なお〔X〕、〔Y〕は存在しなくてもよ
い。R3 は炭素数6〜24の直鎖または分岐のアシル基
であり、置換基、不飽和基を有していてもよい。Zは水
酸基あるいはアミノ基を示す。 - 【請求項6】 一般式(II)において、〔X〕、〔Y〕
がセリン、グリシン、バリン、アスパラギン、プロリ
ン、システイン、トレオニン、アスパラギン酸残基から
選択されるアミノ酸残基またはそれ等のアミノ酸残基か
ら構成されるペプチド残基である特許請求の範囲第5項
記載の免疫抑制剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4058460A JP2745353B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 免疫抑制剤 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4058460A JP2745353B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 免疫抑制剤 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05255105A true JPH05255105A (ja) | 1993-10-05 |
JP2745353B2 JP2745353B2 (ja) | 1998-04-28 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP4058460A Expired - Fee Related JP2745353B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 免疫抑制剤 |
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JP (1) | JP2745353B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015060462A1 (en) | 2013-10-23 | 2015-04-30 | Kaneka Corporation | Tetrapeptide compound and method for producing same |
-
1992
- 1992-03-16 JP JP4058460A patent/JP2745353B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015060462A1 (en) | 2013-10-23 | 2015-04-30 | Kaneka Corporation | Tetrapeptide compound and method for producing same |
US9982014B2 (en) | 2013-10-23 | 2018-05-29 | Kaneka Corporation | Tetrapeptide compound and method for producing same |
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