JPH05255059A - 頭髪化粧料用及び頭髪洗浄料用香料組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は頭髪臭のマスキング効果に優れた頭
髪化粧料用及び頭髪洗浄料用香料組成物を提供するこ
と。 【構成】 沈香木から得られる精油を含有することを特
徴とするたばこ臭マスキング頭髪化粧料用及び頭髪洗浄
料用香料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たばこ臭の付着した頭
髪から発する悪臭のマスキング効果に優れたマスキング
剤として、更には、頭髪化粧料用及び頭髪洗浄用香料と
して有用なる頭髪化粧料用及び頭髪洗浄用香料組成物に
関する。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、たばこ臭の付着した頭髪から発する悪臭の防止方法
としては、香料組成物によるマスキング法が用いられて
いる。しかしながら、従来のマスキング用香料組成物の
処方設計は、調香師の長年の経験と勘に頼ってきた。

【０００３】しかも、充分なマスキング効果を得るため
には、重く暗く非常に特徴のある強い香りを使用しなけ
ればならず、香りが強すぎてかえって不快感を与えてし
まうなどの問題点があった。

【０００４】また、最近は自然な軽く明るい香りが好ま
れているが、この様な自然で軽く明るい香りでは、たば
こ臭を長時間にわたってマスキングすることは不可能で
あった。特にたばこ臭の付着した頭髪から発する悪臭の
マスキングを目的とした香料は、未だ見出だされてはい
ないのが現状である。

【０００５】本発明者らは、このような事情に鑑み、鋭
意検討を重ねた結果、後記特定の頭髪化粧料用及び頭髪
洗浄料用香料組成物が頭髪臭のマスキング効果に優れる
ことを見い出し、本発明を完成した。

【０００６】即ち、本発明の目的は、頭髪臭のマスキン
グ効果に優れた頭髪化粧料用及び頭髪洗浄料用香料組成
物を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的は、沈香木精
油を含有することを特徴とする頭髪化粧料用及び頭髪洗
浄料用香料組成物、及び沈香木精油精油にシトラスベー
ス，ミュゲベース，ローズベース，ジャスミンベース，
ムスクベース等の明るく軽い香料成分を添加した頭髪化
粧料用及び頭髪洗浄料用香料組成物によって達成され
る。以下、本発明の構成に関して詳説する。

【０００８】本発明によって使用される沈香木とは、Ａ
ｃｑｕｉｌａｒｉａ属の倒木、枯木が土中に長年月埋没
し、その間細菌等の微生物の影響によって生成した特有
の芳香を有する黒色を呈した樹脂性物質で、東南アジア
を主たる産地とするものである。沈香木精油を得る方法
としては、沈香木を粉砕し、水蒸気蒸留法及び溶媒抽出
法（ｎ−ヘキサン）がある（これらの方法によって得ら
れる沈香木精油をそれぞれ沈香木水蒸気蒸留物及び沈香
木溶媒抽出物と称する。）。また、超臨界炭酸ガス抽出
によっても得ることができる（この精油を沈香木超臨界
炭酸ガス抽出物と称する。）。これらの精油は褐色から
黒色の芳香を有する液体である。特に好ましくは沈香木
超臨界炭酸ガス抽出物である。

【０００９】本発明に用いる沈香木超臨界炭酸ガス抽出
物は、特願平３−９８３１７号公報に記載の方法に準じ
て得られるものである。

【００１０】沈香木精油の含有量は、香料組成物を基準
として、０．０１重量％〜５０重量％（以下ｗｔ％と略
記する）、好ましくは０．１ｗｔ％〜５ｗｔ％である。
０．０１ｗｔ％未満の場合は、たばこ臭の付着した頭髪
から発する悪臭のマスキング効果が不十分になる傾向が
みられ、５０ｗｔ％を超えると、芳香性が低下するの
で、好ましくない。

【００１１】本発明の頭髪化粧料用及び頭髪洗浄料用香
料組成物に配合される香料成分としては、シトラスベー
ス，ミュゲベース，ローズベース，ジャスミンベース，
ムスクベース等の明るく軽い香料成分が好ましいものと
して挙げられ、いずれも公知で、汎用される香料成分を
含有する。例えばシトラスベースはリモネン，シトラー
ル，リナロール，リナリルアセテート等からなり、ミュ
ゲベースはハイドロキシシトロネラール，リラール，リ
リアール等からなり、ローズベースはフェニルエチルア
ルコール，シトロネロール，ゲラニオール等からなり、
ジャスミンベースはベンジルアセテート，メチルディハ
イドロジャスモネート，ヘキシルシンナミックアルデヒ
ド等からなり、ムスクベースはギャラクソリッド，ムス
クケトン，シクロペンタデカノライド等からなるがこれ
らに限定されるものではない。

【００１２】これらの香料成分は、本発明の香料組成物
に保留性やこくを与え、また、トップノート，ボディノ
ート，ラストノートをうまく組み合わせることによっ
て、経時的にも魅力のある香りにすることができる。

【００１３】また、本発明の香料組成物には、香料成分
の組成比の調整のために、ジエチルフタレート等の希釈
剤を配合することもできる。

【００１４】本発明の頭髪化粧料用及び頭髪洗浄料用香
料組成物に配合される香料成分の含有量は、香料組成物
を基準として、０．０１重量％〜５０重量％（以下ｗｔ
％と略記する）、好ましくは０．１ｗｔ％〜５ｗｔ％で
ある。０．０１ｗｔ％未満の場合は、芳香性が低下する
傾向がみられ、５０ｗｔ％を超えると、特有の芳香性が
強くなるので、好ましくない。

【００１５】本発明の香料組成物は、本発明の沈香木精
油が少量で長時間頭髪臭のマスキング効果を発揮する
為、従来のマスキング香料に見られた重く、暗く、力強
い香りとは異なる、弱い香り（自然で軽く、明るい香
り）、例えば、ローズカーネーションジャスミン等のシ
ングルフローラル，フローラルブーケ，フローラルアル
デヒド，フローラルグリーン，シプレー，オリエンタ
ル，シトラス等でも処方を組めるという利点を有してい
る。

【００１６】本発明の香料組成物は、頭髪用デオドラン
トコロン等のフレグランス製品、ヘアートニック，ヘア
ーリクイド，ヘアーローション，ヘアースプレー，ヘア
ーセッティングフォーム，ヘアークリーム，ヘアーミル
ク，ヘアーブローローション，ヘアーブロースプレー，
ヘアーセッティングジェル，ヘアースティック，リン
ス，ヘアーコンディショナー，ヘアートリート，メント
ヘアーエッセンス，ヘアーパック等の頭髪化粧品料やシ
ャンプー等の頭髪洗浄料等に利用される。

【００１７】これらの製品への該香料組成物の配合量
は、製品形態によっても異なるが、製品総量を基準とし
てフレグランス製品には０．５ｗｔ％〜３０ｗｔ％，ヘ
アートニック，シャンプー等のヘアケア製品には０．１
ｗｔ％〜１．０ｗｔ％即ち、イランイラン，ラベンダ
ー，ラバンジンの少なくともひとつから得られる精油
が、フレグランス製品中０．０００１ｗｔ％〜１０ｗｔ
％，好ましくは０．００１ｗｔ％〜１ｗｔ％，ヘアケア
製品中０．００００５ｗｔ％〜０．５ｗｔ％，好ましく
は０．０００５ｗｔ％〜０．０５ｗｔ％含有される。

【００１８】

【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を詳
説するが、本発明は実施例の記載に限定されるものでは
ない。

【００１９】実施例、及び応用例に先立ち、評価方法に
ついて述べる。

【００２０】実施例の評価方法

【００２１】（１）マスキング効果評価試験方法 毎分１０リットルの空気を循環させた２０リットルのガ
ラス製の容器内に、着火した市販紙巻き煙草を一本入
れ、煙草は１０分ごとに交換しこれを煙室とした。この
煙室内に、充分に洗浄を行った頭髪束５グラムを２０分
間さらし、取り出した後３０分経過したものにエチルア
ルコールで０．３％に希釈した頭髪化粧料用及び頭髪洗
浄料用香料組成物を噴霧する。（１回の噴霧量約０．１
グラム）この香料組成物の噴霧より５分後，３０分後，
１時間後に頭髪束から発する悪臭がマスキングされてい
るかどうかを、５名の調香師が判断し、下記の規準で評
価した。

【００２２】

【００２３】５名の得点の合計を、下記の基準で評価し
た。

【００２４】（２）香りの官能評価試験方法 （１）のマスキング効果評価試験方法と同様にして５分
後，３０分後，１時間後に、２０名のパネルが頭髪束の
においを官能的に判断し、下記の基準で評価した。

【００２５】

【００２６】応用例の評価方法

【００２７】（１）マスキング効果評価試験方法 煙草の煙を充満させた容積約７０立方メートルの部屋
に、女性パネラーを３０分間入室させた後、調製した頭
髪化粧料及び頭髪洗浄料を、通常の使用方法にしたがっ
て使用し、使用直後，１時間後，３時間後の頭髪から発
する臭いがマスキングされているかどうかを、５名の調
香師が判断し、実施例と同様の基準で評価した。

【００２８】（２）香りの官能評価試験方法 煙草の煙を充満させた容積約７０立方メートルの部屋
に、女性パネラーを３０分間入室させた後、調整した頭
髪化粧料及び頭髪洗浄料を、通常の使用方法にしたがっ
て使用し、使用直後，１時間後，３時間後の頭髪から発
する臭いを、２０名のパネルが官能的に判断し、実施例
と同様の基準で評価した。

【００２９】実施例には沈香木精油の他に、香料成分と
しては、リモネン，シトラール，リナロール，リナリル
アセテートからなるシトラスベース及び、ハイドロキシ
シトロネラール，リラール，リリアーからなるミュゲベ
ース及び、フェニルエチルアルコール，シトロネロー
ル，ゲラオールからなるローズベース及び、ベンジルア
セテート，メチルディハイドロジャスモネート，ヘキシ
ルシンナミックアルデヒドからなるジャスミンベース及
び、ギャラクソライド，ムスクケトン，シクロペンタデ
カノライドからなるムスクベースを用いた。

【００３０】実施例１〜３，比較例１〜３ （頭髪化粧料用及び頭髪洗浄料用香料組成物） 調製方法 表１及び表２の処方に示した成分を混合し、頭髪化粧料
用及び頭髪洗浄料用香料組成物を調製し、評価結果を表
１及び表２に示した。

【００３１】

【表１】

【００３２】

【表２】

【００３３】表１及び表２から分かるように、本発明の
香料組成物を含有する頭髪化粧料用及び頭髪洗浄料用香
料組成物は、比較例の香料組成物と比較して、良好なマ
スキング効果及び官能特性に優れることが分かった。

【００３４】応用例１〜３，比較応用例１〜３ （ヘアートニック） 調製方法 表３の処方に示した成分を混合し、ヘアートニックを調
製し、評価結果を表３に示した。

【００３５】

【表３】

【００３６】表３からもわかるように、本発明の香料組
成物を含有するヘアートニックは、それを含有しないも
のと比べて、頭髪臭のマスキング効果及び官能特性に優
れ、しかもその効果の持続時間も長かった。

【００３７】応用例４〜６，比較応用例４〜６ （シャンプー）

【００３８】表４の処方に示した成分を混合し、シャン
プーを調製した。評価結果を表４に示した。

【００３９】

【表４】

【００４０】表４からもわかるように、本発明の香料組
成物を含有するシャンプーは、それを含有しないものと
比べて、頭髪臭のマスキング効果及び官能特性に優れ、
しかもその効果の持続時間も長かった。

【００４１】

【発明の効果】本発明は、たばこ臭の付着した頭髪から
発する悪臭のマスキング効果に優れた頭髪化粧料用及び
頭髪洗浄料用香料組成物を提供することは明らかであ
る。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 沈香木から得られる精油を含有すること
   を特徴とするたばこ臭マスキング頭髪化粧料用及び頭髪
   洗浄料用香料組成物。
2. 【請求項２】 沈香木から得られる精油と、シトラスベ
   ース，ミュゲベース，ローズベース，ジャスミンベー
   ス，ムスクベース等の香料成分とを含有することを特徴
   とするたばこ臭マスキング頭髪化粧料用及び頭髪洗浄料
   用香料組成物。