JPH0525496B2 - - Google Patents

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JPH0525496B2
JPH0525496B2 JP9064290A JP9064290A JPH0525496B2 JP H0525496 B2 JPH0525496 B2 JP H0525496B2 JP 9064290 A JP9064290 A JP 9064290A JP 9064290 A JP9064290 A JP 9064290A JP H0525496 B2 JPH0525496 B2 JP H0525496B2
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JP
Japan
Prior art keywords
ice
cryopreservation
embryos
ice crystal
straw
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP9064290A
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English (en)
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JPH03289955A (ja
Inventor
Yoshiro Nogami
Yorimasa Oda
Yasuhiro Hanaoka
Daiji Mori
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Okayama Prefectural Government
Original Assignee
Okayama Prefectural Government
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Application filed by Okayama Prefectural Government filed Critical Okayama Prefectural Government
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  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は主に動物胚(受精卵)の凍結保存およ
び移植に便利な胚の凍結保存法に関するものであ
る。
【従来の技術】
動物胚を凍結保存する場合、氷晶化による物理
的傷害を軽減するため、植氷という操作が必要と
されている。現在市販されている胚凍結機のう
ち、自動植氷装置が装備されているものもある
が、高価である。近年、植氷装置を持たない胚凍
結機が市販され、安価なことから普及が進んでい
る。しかし、この機種の場合、植氷を人為的に行
なう必要がある。現在、一般的に行なわれている
植氷方法は、液体窒素等で冷却したピンセツト等
で凍結保存容器の一部を挾む方法や、氷晶誘起剤
であるヨウ化銀の水溶液やヨウ化銀をアルギン酸
ナトリウムでコーテイングしドロプレツト化した
もので行なう方法がある(特開平1−107755号,
特公昭62−9342号)。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の植氷方法には次のような不合理
な点がみられる。 液体窒素等で冷却したピンセツト等による場
合 1 人為的に植氷操作を行なうため、植氷に労力
と時間がかかる。 2 冷却槽から凍結保存容器の一部を露出させ、
その部分に植氷するため、容器の温度が上昇し
植氷が不確実になりやすい。 3 ストローを保存容器として用いる場合、密封
するために熱シールするか、あるいはポリビニ
ルアルコール粉末等の充填による封入を行なう
必要がある。 ヨウ化銀の水溶液やドロプレツトによる場合 1) ヨウ化銀は家蓄等の動物には有害であり受
胚動物への影響が考えられ、除去する必要があ
るため、ストローから胚を取り出すことなく直
接、受胚動物に移植する1段階希釈や無希釈移
植が不可能である。 2) ヨウ化銀水溶液を用いる場合には、凍結中
に凍結保存容器内で保存液と混ざりあつて保存
液の浸透圧が変化し、胚に悪影響を及ぼす危険
性がある。 3) ストローを保存容器とする場合、1)の方
法と同様にシーリング又はポリビニルアルコー
ル粉末等による封入をする必要がある。
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の各課題を解決するために開発
されたもので、氷点下の−0.3℃以下で植氷作用
のある氷晶誘起剤をポリビニルアルコールやその
他の接着剤からなる担体に混合したもので保存容
器の口を封止することにより、植氷と保存容器を
密封する両目的に対応できる方法と、氷晶誘起剤
と接着剤を混合し保存容器の保存液と接する内側
の一部に塗布することにより植氷する方法を開発
した。 また、保存容器の口を綿栓で封じる場合、綿栓
の中間に氷晶誘起剤混合物、例えばポリビニルア
ルコール粉末を担体として用いたものを層状にサ
ンドイツチして封止する方法も有効である。 ここで、氷晶誘起剤にはヨウ化銀や硫化銅等の
溶液中で氷晶核となつて氷晶形成を誘起する物質
を用い、凍結保存容器にはポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル等のプラスチツクを素
材とする人工授精用のストローを用いるのであ
る。 本発明の胚の凍結保存法の対象とする胚の具体
例としては、主として動物胚であり、例えば牛、
馬、豚、山羊、羊、犬、猫等各種動物の胚が挙げ
られる。
【作用】
氷晶誘起剤を担体により保定化して用いるため
に、氷晶誘起剤が凍結保存液中へ移動することが
なく、胚に亜影響を及ぼさない。 また、ポリビニルアルコール粉末と混ぜて保定
化したもので凍結保存容器をシールすれば、容器
を熱シールする必要がない。他の接着剤を混ぜて
保定化し、容器の内壁へ添着する場合は、熱シー
ルと併用になるが、上記保定化による作用は同様
である。 担体としてのポリビニルアルコール粉末やその
他の各種接着剤による保定化をしても、氷晶誘起
剤の性能低下はほとんどない。
【実施例】
以下本発明の方法を具体的に実施例によつて説
明する。 実施例1;氷晶誘起剤の担体として、ポリビニ
ルアルコール粉末(富士平工業株式会社製、商品
名、人工授精用ストローパウダー)を混合して用
いる方法 第1図は凍結保存容器としてストロー1を用い
る場合を示し、ストロー1に培養液2を、次いで
凍結保存液3とともに胚4を空気層5を間に充填
し、更に空気層5を間に0.25Mシヨ糖液6を充填
し、最後に氷晶誘起剤混合物7として氷晶誘起剤
を20%濃度に混合したストローパウダーで封止す
る。なお、ストロー1先端には綿栓8をしてお
く。 このストロー1を、アルコールを冷媒とした単
槽式プログラムフリーザーで第4図に示す方法に
より段階的に冷却した場合、氷晶誘起剤混合物7
の存在により−3.0℃〜−7.0℃で植氷される。更
にストロー1は−40℃まで冷却され、液体窒素中
で凍結保存される。胚4を受胚動物に移植する場
合は、ストロー1を液体窒素中より取り出し37℃
の温水で融解した後、まずシヨ糖液層6と胚4が
充填されている凍結保存液層3を混合して5分間
置き、更に培養液層2と混合する。胚4を移植す
る場合は、氷晶誘起剤混合物7の部分を切落し移
植器にストロー1を装填して行なう。第1表は、
このようにして凍結保存した牛胚の融解後の培養
結果で、79%の胚が移植可能なものであつた。 また、これらの胚を受胚牛に移植し受胎がえら
れたことから、本法が胚の凍結保存に有効なこと
が実証された。
【表】 実施例2;氷晶誘起剤と接着剤と混合して用いる
方法 実施例1のポリビニルアルコール粉末の氷晶誘
起剤混合物7でストローを封止する代わりに、第
2図に示すように、ストロー1の封止部分に対し
てシアノアクリレート系瞬間接着剤に2%濃度に
氷晶誘起剤として硫化銅粉末を混合したものを添
着させ乾燥させた氷晶誘起剤混合物の添着層9を
形成させ、実施例1と同様に各液層を充填し最後
に熱シール10をし封止した。ストロー1の冷却
中、実施例1と同様に植氷されることから、胚の
凍結保存に有効であつた。 第2表は実施例1と同様に冷却し、凍結保存し
た牛胚の融解後の生存性を培養により検討したも
ので、実験に供した20個の胚のうち、19個の95%
にあたる胚が発育し、高い生存性が確認された。
【表】 実施例3;氷晶誘起剤をポリビニルアルコールに
混合し、綿栓で挾んで用いる方法 第3図に示したように、ストロー1に培養液2
を、次いで凍結保存液3とともに胚4を空気層5
を間に充填し、更に空気層5を間に0.25Mシヨ糖
液6を充填し、その端部を熱シール10をし封止
した。他端の容器の口を綿栓で封じるに際して、
綿栓の中間に氷晶誘起剤混合物11としてヨウ化
銀をポリビニルアルコール粉末に混合したものを
層状に挾んで保定した。 これを用いて実験した結果、冷却によつて実施
例1、2と同様に植氷され、胚の凍結保存に有効
であつた。また、同様に冷却し、凍結保存した牛
胚の融解後の生存性を培養により検討した結果、
前記実施例同様に高い確率で胚が発育し、高い生
存性が確認された。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による胚の凍結保
存法は植氷装置を必要としないだけでなく、胚に
有害とされる氷晶誘起剤を移植時に切り捨られる
ストローの先端部分にポリビニルアルコール粉末
や接着剤等の担体で保定化して用いることから、
胚へ悪影響を及ぼす心配もなく、また凍結融解後
胚を取り出すことなく直接移植する1段階希釈お
よび無希釈移植法にも有効なことから胚の凍結保
存効果を高め、かつ、受胚動物への移植作業の省
力化に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は凍結保存容器としてプラスチツクスト
ローを用い、氷晶誘起剤混合物で封止する場合の
断面図である。第2図は氷晶誘起接着剤を添着し
乾燥させておいたプラスチツクストローを用いる
場合の断面図である。第3図は綿栓で氷晶誘起剤
混合物を挾むように保定した場合の断面図であ
る。第4図は動物胚の凍結の温度−時間曲線を示
すグラフである。 1…ストロー、2…培養液、3…凍結保存液、
4…胚、5…空気層、6…0.25Mシヨ糖液、7,
11…氷晶誘起剤混合物、8…綿栓、9…氷晶誘
起剤混合物の添着層、10…熱シール。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 胚の凍結保存に必要な植氷操作に際して、氷
    晶誘起剤を担体に混ぜ保定化した氷晶誘起剤混合
    物を凍結保存容器の口部に添着するか、又は氷晶
    誘起剤混合物で凍結保存容器の口部を封止するこ
    とを特徴とする胚の凍結保存法。
JP9064290A 1990-04-04 1990-04-04 胚の凍結保存法 Granted JPH03289955A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9064290A JPH03289955A (ja) 1990-04-04 1990-04-04 胚の凍結保存法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9064290A JPH03289955A (ja) 1990-04-04 1990-04-04 胚の凍結保存法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03289955A JPH03289955A (ja) 1991-12-19
JPH0525496B2 true JPH0525496B2 (ja) 1993-04-13

Family

ID=14004160

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9064290A Granted JPH03289955A (ja) 1990-04-04 1990-04-04 胚の凍結保存法

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Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014185457A1 (ja) 2013-05-16 2014-11-20 三菱製紙株式会社 細胞又は組織のガラス化凍結保存用治具
JP6013969B2 (ja) * 2013-05-16 2016-10-25 三菱製紙株式会社 卵子又は胚のガラス化凍結保存用治具
KR101962052B1 (ko) 2014-10-23 2019-03-25 미쓰비시 세이시 가부시키가이샤 세포 또는 조직의 동결 보존용 지그 및 동결 보존 방법
WO2024085220A1 (ja) * 2022-10-21 2024-04-25 株式会社AnimoScience ストロー管、ストロー、並びに精液又は受精卵の凍結保存方法

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JPH03289955A (ja) 1991-12-19

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