JPH05253981A - 射出成形機の射出制御方法 - Google Patents

射出成形機の射出制御方法

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JPH05253981A
JPH05253981A JP6566491A JP6566491A JPH05253981A JP H05253981 A JPH05253981 A JP H05253981A JP 6566491 A JP6566491 A JP 6566491A JP 6566491 A JP6566491 A JP 6566491A JP H05253981 A JPH05253981 A JP H05253981A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、射出成形機のシリンダ内部から成
形用金型のキャビティ部に射出されて充填される可塑化
合成樹脂の射出重量を制御する射出成形機の射出制御方
法に関し、成形システムに対する外乱による影響があっ
ても、または与条件としての溶融樹脂圧力等が変化して
も、成形品の品質を一定に保ち、また金型が変更されて
も適応制御のように最初から調査解析を行なう必要がな
い汎用性のあることを目的とする。 【構成】 成形品の重量値Gに対応した可塑化合成樹脂
の射出充填時のスクリューの移動距離SD を所定計算式
により演算して予め設定し、この予め設定されたスクリ
ューの移動距離SD をそのスクリューが射出直前時のス
クリューの位置から移動した時点において前記成形用金
型のキャビティ部への可塑化合成樹脂の射出充填を停止
するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機のシリンダ
内部から成形用金型のキャビティ部に射出されて充填さ
れる可塑化合成樹脂の射出重量を制御する射出制御方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】射出成形機を用いて行なわれる可塑化合
成樹脂の射出成形においては、成形時における可塑合成
樹脂の溶融樹脂圧力、溶融樹脂比容積、または溶融樹脂
温度(但し、成形システムに対する外乱の影響も含
む。)等が変化すると、射出されて充填される可塑化合
成樹脂の射出重量も変化し成形品の品質も一定に保ち難
いという課題があった。この対策として、アダプティブ
制御とも称される適応制御が種々提案されており、昭和
56年(1981年)第84932 号日本国公開特許公報に記載さ
れている技術はその一例である。
【0003】一般に、適応制御とは、成形システムに対
する外乱による影響の結果、あるいは与条件としての溶
融樹脂圧力、溶融樹脂温度または金型温度等が変化した
ことを検出した場合に、これらの影響または変化を検出
して検出因子以外の制御可能な成形条件(圧力、タイマ
等)を制御因子として変化させ、成形品の品質を一定に
保とうとする方法である。
【0004】しかし、この方法には、次のような問題点
がある。 金型に応じた検出因子と成形品の品質との間の相関
関係、更には制御因子と成形品の品質との間の相関関係
を予め調査解析しておかねばならないこと。 金型が変わると、使用材料としての可塑化合成樹脂
が同じであっても検出因子と成形品の品質との間の相関
関係、また制御因子と成形品の品質との間の相関関係が
全く異なるために、に記載されたような調査解析を再
度やり直さなければならないこと。
【0005】本発明は、前述のような問題点を解消する
ことを目的として、成形システムに対する外乱による影
響があっても、または与条件としての溶融樹脂圧力等が
変化しても、成形品の品質を一定に保ち、また金型が変
更されても適応制御のように最初から調査解析を行なう
必要がない汎用性のある射出成形機の射出制御方法を提
供しようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明による射出成形
機の射出制御方法は、前述された目的を達成するため
に、基本的には、射出成形機のシリンダ内部から成形用
金型のキャビティ部に射出されて充填される可塑化合成
樹脂の射出重量を制御する射出成形機の射出制御方法に
おいて、成形品の重量値Gに対応した可塑化合成樹脂の
射出充填時のスクリューの移動距離SD を所定計算式に
より演算して予め設定し、この予め設定されたスクリュ
ーの移動距離SD をそのスクリューが射出直前時のスク
リューの位置から移動した時点において前記成形用金型
のキャビティ部への可塑化合成樹脂の射出充填を停止す
ることを特徴とするものである。
【0007】さらには、前記成形品の重量値Gに対応し
た可塑化合成樹脂の射出充填時のスクリューの移動距離
D の所定計算式による演算は、検出または設定される
射出直前時の可塑化合成樹脂の溶融樹脂圧力値PI およ
び射出に引続く保圧時の可塑化合成樹脂の溶融樹脂圧力
値PH と、検出される射出直前時のスクリューの位置値
I と、可塑化合成樹脂のPV特性関係式とにもとづき
一定の溶融樹脂温度値Tのもとに、次式
【数4】 H ; 射出に引続く保圧時のスクリューのの位置値 A ; スクリューの投影断面積 V(PH ) ; 射出に引続く保圧時の溶融樹脂比容積値 V(PI ) ; 射出直前時の溶融樹脂比容積値 により行なうことを特徴とするものである。
【0008】または、前記成形品の重量値Gに対応した
可塑化合成樹脂の射出充填時のスクリューの移動距離S
D の所定計算式による演算は、検出または設定される射
出される可塑化合成樹脂の溶融樹脂温度値T、射出直前
時の可塑化合成樹脂の溶融樹脂圧力値PI および射出に
引続く保圧時の可塑化合成樹脂の溶融樹脂圧力値P
Hと、検出される射出直前時のスクリュー位置値S
I と、可塑化合成樹脂のPVT特性関係式とにもとづ
き、次式
【数5】 H ; 射出に引続く保圧時のスクリューの位置値 A ; スクリューの投影断面積 V(PH ,T) ; 溶融樹脂温度値Tとその溶融樹脂温度値
Tでの射出に引続く保圧時の溶融樹脂圧力値PH とにお
ける溶融樹脂比容積値 V(PI ,T) ; 溶融樹脂温度値Tとその溶融樹脂温度値
Tでの射出直前時の溶融樹脂圧力値PI とにおける溶融
樹脂比容積値 より行なうことを特徴とするものである。
【0009】なお、前記検出される射出直前時の可塑化
合成樹脂の溶融樹脂圧力値PI および射出に引続く保圧
時の可塑化合成樹脂の溶融樹脂圧力値PH 、更には射出
される可塑化合成樹脂の溶融樹脂温度値Tは、短期間の
連続成形中の変動巾は微少であり、また瞬時的な誤差を
排除して検出精度を向上させるために、連続成形中の短
期間の複数回の射出充填にもとづき検出される各溶融樹
脂圧力値PI ,PH および溶融樹脂温度値Tの各平均値
を用いても良い。
【0010】また、前記PVT特性関係式にもとづき溶
融樹脂圧力値Pおよび溶融樹脂温度値Tから溶融樹脂樹
脂比容積値Vを得るに際して、これら溶融樹脂圧力値P
および溶融樹脂温度値Tの変動巾が所定範囲内にあると
して平面近似法によって得るようにしても良い。
【0011】
【実施例】次に、本発明による射出成形機の射出制御方
法の具体的実施例につき、図面を参照しつつ説明する。
【0012】まず、射出成形機の全体の概略が示されて
いる第1図(A) において、射出成形品を成形する金型10
に、射出成形時に際しては射出成形機11はノズル部12に
おいて接合している。この射出成形機11のシリンダ13内
部には、加熱装置14によって加熱されたシリンダ13内に
おいて材料ホッパ15から供給される可塑化合成樹脂の樹
脂ペレットを溶融混練しつつ、溶融された樹脂を計量し
てノズル部12に穿設されている流路16、更には金型10に
おけるゲート17を介してその金型10のキャビティ部18に
射出充填するスクリュー19が内装されている。このスク
リュー19の樹脂ペレットの溶融混練等のための回転はス
クリュー回転モータ20によって与えられるとともに、こ
れらスクリュー19およびスクリュー回転モータ20は基盤
21に取付けられている。この基盤21は、電磁流量弁22お
よび電磁圧力弁23を制御装置24により制御操作すること
によって油圧源25から管路26を介して油圧ピストン装置
27に給排される圧油でもって、図上において左右方向に
駆動される。言い換えれば、射出される溶融樹脂の計量
および計量された溶融樹脂の金型10のキャビティ部18へ
の射出充填等のためのスクリュー19のノズル部12に向か
っての進退、更にはシリンダ13内部の溶融樹脂を所定溶
融樹脂圧力とするためのスクリュー19に対する所定押圧
力の付与等は、油圧ピストン装置27への圧油の給排によ
り基盤21を介して行なわれる。なお、基盤21には、図上
においてシリンダ13の左端側において、"0" 位置値であ
って右端側に行くにつれて増加するスクリュー19の位置
値を検出するポテンションメータ、エンコーダ等から構
成されるスクリュー位置検出器28が係合されている。こ
のスクリュー位置検出器28において刻々と検出されるス
クリュー19の位置値は制御装置24、更には樹脂特性検出
時には可塑化合成樹脂のPVT特性関係式を演算して
得、射出制御時にはそのPVT特性関係式にもとづき演
算して制御装置24に演算されたスクリュー19の移動距離
を供給するPVT演算装置29に与えられる。このPVT
演算装置29には、他にシリンダ13内の溶融樹脂の樹脂温
度を検出する樹脂温度検出器30から温度値が与えられ
る。また、油圧ピストン装置27の油圧を検出する油圧検
出器31から油圧値がスクリュー19に付与されている押圧
力の押圧値、言い換えればシリンダ13内の溶融樹脂の溶
融樹脂圧力値Pとして与えられる。なお、符号32は、樹
脂特性検出時にはPVT演算装置29に射出された溶融樹
脂の計量値を与え、また樹脂特性検出時に種々に設定さ
れる溶融樹脂圧力値P、溶融樹脂温度値T等をPVT演
算装置29を介して制御装置24に与えるとともに、射出成
形時には射出充填される溶融樹脂の目標の射出重量値等
をPVT演算装置29に与える外部入力装置である。
【0013】一方、ノズル部12の流路16には溶融された
可塑化合成樹脂の流通を阻止する本発明における流路開
閉機構である閉止弁33が設けられている。この閉止弁33
の開閉は、電磁駆動装置34を制御装置24により制御する
ことでもって操作レバー35を介して行なわれる。
【0014】ところで、第1図(B) に示されているよう
に、スクリュー19の円錐状先端部36と、螺旋条部37端に
設けられているフランジ突起部38との間には軸線方向に
進退可能なリング状摺動弁体39が嵌装されている。この
リング状摺動弁体39は、スクリュー19の先端側、図上に
おいて左側の溶融樹脂の樹脂圧力が高くなればフランジ
突起部38に圧接するようになって溶融樹脂の図上におけ
る右側への逆流を阻止している。これらフランジ突起部
38およびリング状摺動弁体39により逆流防止弁40が構成
されている。なお、スクリュー位置検出器28がスクリュ
ー19の位置値として"0" を検出していても図示されてい
るように、スクリュー19の先端から閉止弁33までの間、
より詳しくは逆流防止弁40から閉止弁33までの間には可
塑化合成樹脂の残存溶融樹脂が介在されるようになる。
【0015】次に、本発明による射出成形機の射出制御
方法に用いるPV(T)特性関係式を確定するに際して
の樹脂特性を検出する方法の各例を説明する。
【0016】(例1)まず、第1段階においては、一定
の溶融樹脂圧力値P0 における各溶融樹脂温度値T1
2 ,T3 ,・・・ に対する各溶融樹脂比容積値V01,V
02,V03,・・・ を、次の3工程を溶融樹脂温度値T1
2 ,T3 ,・・・ を順次に変えながら反復して行なうこ
とにより得る(第2図参照)。
【0017】第1工程 スクリュー19の回転は溶融された可塑化合成樹脂をスク
リュー19の先方側に送ることになるが、第1工程におい
ては閉止弁33が閉じられた状態にあるためにスクリュー
19の先端側の溶融樹脂の樹脂圧力によりスクリュー19は
後方へ後退させられて、射出される溶融樹脂量を計量し
ながら予め設定された初期位置まで移動して回転を止め
られる。この初期位置への到達は、スクリュー位置検出
器28からのスクリュー19の位置値によって制御装置24に
おいて検知される。この初期位置への到達の検知にもと
づき制御装置24は、スクリュー19に所定押圧値p0 の押
圧力を付与するように油圧ピストン装置27に供給される
油圧の制御を行なう。この押圧力をスクリュー19に付与
することによってスクリュー19は、平衡移動により前進
して逆流防止弁40の作用とも相俟ってスクリュー19の先
端側の溶融樹脂を圧縮してその樹脂圧力を高める。この
スクリュー19の前進は、付与された押圧力と圧縮された
溶融樹脂の樹脂圧力とが均衡した位置において停止す
る。このようにして停止したスクリュー19の第1の停止
位置の位置値は、スクリュー位置検出器28により検出さ
れてPVT演算装置29に与えられる。なお、スクリュー
19の先端側の溶融樹脂の樹脂圧力値P0 は、スクリュー
19の停止時点においてはスクリュー19に付与されている
押圧力の押圧値p0 と対応している。
【0018】第2工程 閉止弁33を開いてスクリュー19の所定距離分だけの適宜
量の溶融樹脂を、スクリュー19に付与される押圧力によ
りスクリュー19がその距離を移動することによって射出
させる。この射出された適宜量の溶融樹脂は、外部計量
器によってその重量値Gが計量され、この計量値Gは外
部入力装置32に入力されてPVT演算装置29に与えられ
る。
【0019】第3工程 閉止弁33を再び閉じ、この閉止弁33の閉じている状態に
おいて第1工程と同様にして制御装置24によりスクリ
ュー19に所定押圧値p0 の押圧力を付与するように油圧
の制御を行なう。この押圧力によりスクリュー19は、平
衡移動により前進または後進してその押圧力にもとづき
スクリュー19の先端側の溶融樹脂を圧縮し、同様に付与
された押圧力と溶融樹脂の樹脂圧力とが均衡した位置に
おいて停止する。このように停止したスクリュー19の第
2の停止位置の位置値も、スクリュー位置検出器28によ
り検出されてPVT演算装置29に与えられる。
【0020】次に、PVT演算装置29において、第1の
停止位置の位置値と第2の停止位置の位置値との差
T 、言い換えれば射出された溶融樹脂の重量値Gに対
応する溶融樹脂容積値が演算され、この溶融樹脂容積値
が前述の重量値Gで割られることで溶融樹脂比容積値V
0 が演算される。
【0021】このようにして、スクリュー19に付与され
る押圧力の所定押圧値p0 (溶融樹脂圧力値P0 )を一
定に保って、一連の工程を溶融樹脂温度値T1 ,T2
3,・・・ を変えることにより反復実施することによっ
て各溶融樹脂比容積値V01,V02,V03,を得る。
【0022】次に、第2段階においては、溶融樹脂温度
値T1 ,T2 ,T3 ,・・・ に対して種々に溶融樹脂圧力
値P1 ,P2 ,P3 ,・・・ に対応する各溶融樹脂容積値
11,V21,V31,・・・ ;V12,V22,V32,・・・ ;V
13,V23,V33,・・・ を、次の2工程を溶融樹脂温度値
1 ,T2 ,T3 ,・・・ を順次に変えながら反復して行
なうことにより得る(第3図参照)。
【0023】第1工程 第1段階における第1工程と同様に、閉止弁33を閉じた
状態においてスクリュー19を回転させて溶融樹脂を計量
させながら予め設定された初期位置までスクリュー19を
後方へ後退させて回転を止める。次に、スクリュー19に
所定押圧値p0の押圧力を付与して前進させて溶融樹脂
を圧縮させる。この圧縮された溶融樹脂の溶融樹脂圧力
とスクリュー19に付与された押圧力とが均衡してスクリ
ュー19が停止したスクリュー19の第1の停止位置の位置
値はスクリュー位置検出器28により検出されてPVT演
算装置29に与えられる。他は、第1段階の第1工程と同
様である。
【0024】第2工程 閉止弁33を閉じた状態を保ってスクリュー19に付与され
る押圧力の押圧値pを第1工程における押圧値p0 を基
準にして順次に大きくなる押圧値p1 , p2 ,p3, ・・・
を選択して溶融樹脂を圧縮させる。これら各押圧値
1 , p2 , p3 ,・・・の押圧力が付与されたスクリュー
19が均衡により停止したスクリュー19の第2、第3、第
4等の停止位置の位置値は同様にスクリュー位置検出器
28により検出されてPVT演算装置29に与えられる。
【0025】次に、PVT演算装置29においては、第1
の停止位置の位置値に対する各第2、第3、第4等の停
止位置との差ST により各溶融樹脂容積値が演算され
る。次に、これら演算された各溶融樹脂容積値から第1
段階において得られた溶融樹脂比容積値V01(V02,V
03,・・・ )から比計算により溶融樹脂比容積値V11,V
21,V31,・・・(V12,V22,V32, ・・・ ;V13,V23
33,・・・)を得る。この比計算は、同一の溶融樹脂温度
値Tおよび同一の重量値Gの圧縮される溶融樹脂のもと
では、溶融樹脂圧力値P0 (押圧値p0 )が溶融樹脂圧
力値P1 ,P2 ,P3 ,・・・(押圧値p1 ,p2 ,p3
・・・ )に変更された場合の溶融樹脂比容積値Vは溶融樹
脂容積値の比によって得られることにもとづいている。
【0026】このようにして、各溶融樹脂温度値T1
2 ,T3 ,・・・ に対して一連の工程を反復実施し、各
一連の工程においてスクリュー19に付与される押圧力の
押圧値p1 ,p2 ,p3 ,・・・ (溶融樹脂圧力値P1
2 ,P3 ,・・・ )を変えることによって、各溶融樹脂
比容積値V11,V21,V31,・・・;V12,V22,V32,・・
・;V13,V23,V33,・・・ を得る。なお、溶融樹脂温
度値Tの変更は、制御装置24が加熱装置14を制御するこ
とにより行なう。
【0027】さて、スクリュー19の位置値が"0" である
場合にも、スクリュー19の先端から閉止弁33までの間に
残存溶融樹脂が介在されてスクリュー19の各停止位置の
位置値も、押圧力が付与されたスクリュー19によりその
残存溶融樹脂を圧縮した結果である。したがって、PV
T特性関係式を得た射出成形機以外の残存溶融樹脂容積
値に差がある他の機種の射出成形機にそのPVT特性関
係式を適用しようとすれば、無視できない大きさの誤差
を伴うことにもなる。
【0028】次に、残存溶融樹脂容積による補正を加え
た溶融樹脂比容積値Vを得る方法について述べる。 i) まず、残存溶融樹脂容積値が機械の設計値として既
知であり、この残存溶融樹脂容積値がスクリュー19の移
動距離に換算して移動距離S0 によって与えられる場
合。
【0029】同一の溶融樹脂温度値Tであり、同一の重
量値Gの溶融樹脂の計量後において各押圧値pX ,pY
の押圧力が付与されてスクリュー19が停止した各溶融樹
脂圧力値PX ,PY 時のスクリュー19の各停止位置の位
置値Sx ,Sy に移動距離S0 を加算して各補正位置値
X (=Sx +S0 ),SY (=Sy +S0 )とすれ
ば、次式によって溶融樹脂比容積値VX ,VY は表わさ
れる。
【数6】
【数7】 D ; スクリュー19の直径 次に、これら (1),(2)式の比をとれば、次式のようにな
る。
【数8】
【0030】この(3) 式から溶融樹脂比容積値VX は、
溶融樹脂比容積値VY が第1段階に得られた溶融樹脂比
容積値V01,V02,V03,・・・ とすれば簡単に得られ
る。したがって、同様の比計算により溶融樹脂比容積値
Vを得ている本例のような場合には、この方法は直ぐに
そのまま適用できる。
【0031】ii) 次に、残存溶融樹脂容積値が未知であ
る場合。溶融樹脂が圧縮される量、言い換えれば圧縮に
要するスクリュー19の移動距離ΔSは第4図に示されて
いるように圧縮前の容積、要するに圧縮前のスクリュー
19の位置値Sm に比例する。したがって、溶融樹脂圧力
値Pおよび溶融樹脂温度値Tを一定に保ちながらスクリ
ュー19の位置値Sm を数段に変更して一次関数グラフを
描き、グラフ上において外挿すれば移動距離S0 は簡単
に得られる。他は、前述の場合と同様である。
【0032】続いて、第3段階においては、第1段階お
よび第2段階において得られた各溶融樹脂圧力値P0
1 ,P2 ,・・・, 各溶融樹脂比容積値V01,V02
03,・・・;V11,V12,V13,・・・;V21,V22,V23,・
・・および各溶融樹脂温度値T1 ,T2 ,T3 ,・・・ にも
とづきPVT特性の一般式に代入してPVT特性関係式
を確定する。
【0033】ところで、(3) 式から、次式のように一般
化した関数を得ることは可能である。
【数9】 P,V ; 任意の溶融樹脂圧力値およびその溶融樹脂圧
力値における溶融樹脂比容積値 P0,V0; 基準となる溶融樹脂圧力値およびその溶融樹
脂圧力値における溶融樹脂比容積値 なお、これら溶融樹脂圧力値P, P0 および溶融樹脂比
容積値V, V0 は同一の溶融樹脂温度値Tにおける値で
ある。
【0034】この(4) 式から、本発明者は、次式の実験
式においてPV特性が近似され得ることを見出した。
【数10】 a ; 定数
【0035】したがって、任意の溶融樹脂圧力値Pを種
々の値に変化させて定数aの値を得れば、 PV(T=一
定)特性関係式が把握し得る。
【0036】さらに、本発明者は、定数aの値は、溶融
樹脂温度値Tの関数であり、次式のように近似され得る
ことを見出した。
【数11】 b,c ; 定数
【0037】したがって、(4),(5),(6) 式より、次式の
一般式が得られる。
【数12】
【0038】この(7) 式に、第1段階および第2段階に
おいて得られた各溶融樹脂圧力値P0 ,P1 ,P2 ,・・
・ 、各溶融樹脂比容積値V01,V02,V03,・・・ ;
11,V12,V13・・・ ;V21,V22,V23・・・ および各
溶融樹脂温度値T1 ,T2 ,T3・・・ を代入すれば、定
数b,cが定まり、PVT特性関係式は確定される。
【0039】なお、基準となる溶融樹脂圧力値P0 にお
いて溶融樹脂温度値Tを変化させて溶融樹脂比容積値V
0 を得ると、溶融樹脂温度値Tと溶融樹脂比容積値Vと
は、次式のように一次式として近似される。
【数13】 α,β; 定数
【0040】したがって、(7) 式に(8) 式を代入すれ
ば、次式のように変形される。
【数14】
【0041】前述の場合には、定数aを一次式で近似さ
れるとしたが、定数aは溶融樹脂温度値Tが変化すると
溶融樹脂温度値Tが変数として変化するために、次式の
ように溶融樹脂温度値Tの多項式近似を採用することに
より実機に適合した修正が可能である。
【数15】 b' ,b"・・・ bm , C ;定数
【0042】同様に、溶融樹脂比容積値V0 も一定の溶
融樹脂圧力値Pにおいても溶融樹脂温度値Tが変化する
と溶融樹脂温度値Tを変数として変化するために、次式
のような溶融樹脂温度値Tの多項式近似を採用するのが
良い。
【数16】 α',α",・・・ αn', β' ;定数
【0043】(例2)次に、例2について説明するが、
特に例1と相違する部分についてのみ説明して、重複す
る部分の説明は省略する。
【0044】各溶融樹脂温度値T1,T2,T3 ,・・・毎に、
次の3工程を繰返して行なうことによりPVT特性関係
式を確定する。 第1工程 第1実施例における第1段階の第1工程と同様に、閉止
弁33を閉じた状態においてスクリュー19を回転させなが
ら予め設定された初期位置まで後退させて回転を止め
る。次に、スクリュー19に順次に押圧値pS0, S1,
S2,・・・,pSnの押圧力を付与して溶融樹脂を圧縮させ
る。各押圧値pS0, S1, S2,・・・,pSnの押圧力時に
おいてスクリュー19が移動を停止したスクリュー19の第
1の停止位置の各位置値SS0, SS1, SS2,・・・, SSn
順次にスクリュー位置検出装置28により検出させてPV
T演算装置29に与える。他は、例1の第1段階おける第
1工程と同様である。
【0045】第2工程 正規の生産中の射出直前時の押圧値pに戻してスクリュ
ー19に押圧力を付与し、閉止弁33を開いて1回の射出重
量の溶融樹脂を金型10のキャビティ部18に射出充填して
実成形を行ない、次に正規の生産中の射出に引続く保圧
時の押圧値pにしてスクリュー19に押圧力を付与して閉
止弁33を閉じる。この射出充填された溶融樹脂は、外部
計量器によってその重量値Gが計量され、この計量値G
は外部入力装置32を介してPVT演算装置29に与えられ
る。
【0046】第3工程 第1工程と同じ押圧値pS0, S1, S2,・・・, pSnの押
圧力を順次にスクリュー19に付与して各押圧値pS0,
S1, S2,・・・, pSnの押圧力時においてスクリュー19が
停止したスクリュー19の第2の停止位置の各位置値
F0, SF1, SF2,・・・, SFnを順次にスクリュー位置検
出器28により検出させてPVT演算装置29に与える。
【0047】これら一連の工程においては、n回にわた
って重量値Gの溶融樹脂が射出充填されたとすることが
できる。したがって、一定の溶融樹脂温度値Tにおい
て、次式が成立する。
【数17】 A ; スクリュー19の投影断面積 S0 ; 残存溶融樹脂容積値をスクリュー19の移動距離
に換算した移動距離
【0048】一方、(4) 式に(5) 式を代入することによ
り、次式のようになる。
【数18】
【0049】この(10)式を演算処理することにより、実
成形品に対して悪影響を及ぼす恐れなく1回の射出充填
の期間中において溶融樹脂圧力(P)の射出される溶融
樹脂の射出重量Gに及ぼす関係式を得ることができる。
【0050】この(10)式を(9) 式に代入すれば、次式の
ようになる。
【数19】
【0051】この(11)式は、一定の溶融樹脂温度値Tに
おけるPV特性関係式であり、PVT演算装置29におい
て(11)式にもとづき演算することにより一定の溶融樹脂
温度値TにおけるPV特性関係式が確定される。同様に
して、各溶融樹脂温度値T1,T2,T3,・・・ に対して行な
うことによりPVT特性関係式が確定される。
【0052】例1および例2においては、PVT特性関
係式を確定するに際して発明者が知見した次式を用い
た。
【数20】
【0053】しかし、この式に換えて次式のSpencer &
Gilmore の式を用いても良い。
【数21】 T ; 溶融樹脂温度値 πi , ω, R'; 可塑化合成樹脂の種類に応じて定まる
定数
【0054】なお、定数πi , ω, R'の値は、次のよう
にして得れば良い。まず、一定の溶融樹脂圧力値P0
よび溶融樹脂温度値T0 における溶融樹脂比容積値V0
を、例1における第1段階と同様にして得る。次に、同
一の溶融樹脂圧力値P0 において溶融樹脂温度値Tを変
化させて定数ωの値を得る。続いて、一定の溶融樹脂温
度値T0 において例1における第2段階と同様にして溶
融樹脂圧力値Pを溶融樹脂圧力値P1 とした場合の溶融
樹脂容積値を得、前述の溶融樹脂比容積値V0 から比例
計算により溶融樹脂圧力値P1 における溶融樹脂比容積
値V1 を得る。これら溶融樹脂圧力値P0,P1 、溶融樹
脂比容積値V0,V1 および定数ωから、次式によって定
数πi の値が得られる。
【数22】
【0055】これら定数ω, πi の値が得られれば、(1
2)式から定数R’も得られる。他の可塑化合成樹脂につ
いても必要に応じて前述のようにして定数ω, πi
R’の値を得れれば良い。
【0056】以上においては、Spencer & Gilmore の式
にもとづきPVT特性関係式を確定する場合を説明した
が、例えば他に実験計画法における実験的解析手段(多
変数逐次近似法)にもとづきPVT特性関係式を確定す
ることもできる。
【0057】次に、前述のように確定され得られたPV
T特性関係式にもとづく本発明による射出成形機の射出
制御方法の各実施例を説明するに先立って、射出制御に
用いる射出重量値を一定にするためのスクリュー19の移
動距離を得る計算式について、 第5図を参照しながら説
明する。
【0058】まず、一定の溶融樹脂温度値T1 において
射出直前時および射出に引続く保圧時における各溶融樹
圧力値P、スクリュー19の位置値Sおよび溶融樹脂比容
積値Vを、次の通りとする。 射出直前値: 溶融樹脂圧力値; PI1 スクリュー19の位置値; SI1 溶融樹脂比容積値; V(PI1,T1) 射出に引続く保圧時: 溶融樹脂圧力値; PH1 スクリュー19の位置値; SH1 溶融樹脂比容積値; V(PH1,T1)
【0059】なお、スクリュー19の位置値SI1, S
H1は、スクリュー19の“0”位置値からの距離にもとづ
くものである。また、これらスクリュー19の位置値
I1, SH1は、前述された残存溶融樹脂容積についての
補正を要する際には補正された補正位置値である。
【0060】次に、金型10のキャビティ部18に1回の射
出充填により充填される溶融樹脂の射出重量値Gを表わ
すと、次の通りである。なお、Aはスクリュー19の投影
断面積である。
【数23】
【0061】この式(13)は、次式にように変形される。
【数24】
【0062】また、射出充填に際してスクリュー19の移
動する移動距離SD を表わすと、次の通りである。
【数25】
【0063】この(15)式を(14)式に代入して整理すれ
ば、次式のようになる。
【数26】
【0064】なお、(16)式においてスクリュー19の投影
断面積Aは既知であり、射出直前時のスクリュー19の位
置値SI1はスクリュー位置検出器28で検出され、また溶
融樹脂比容積値V(PI1,T1),V(PH1,T1)は樹脂
温度検出器30および油圧検出器31において検出される溶
融樹脂温度値T1 および溶融樹脂圧力値PI1,PH1
ら、または設定される溶融樹脂温度値T1 および溶融樹
脂圧力値PI1,PH1から前述のようにして得られたPV
T特性関係式より得られる。したがって、(16)式を用い
れば、射出重量値Gを一定にするためのスクリュー19の
移動距離SD が得られる。
【0065】(第1実施例)まず、本実施例において
は、第6図に示されているように、スクリュー位置検出
器28から射出直前時のスクリュー19の位置値SI1、樹脂
温度検出器30から溶融状態値T1 、更には油圧検出器31
から射出直前時および射出に引続く保圧時の溶融樹脂圧
力値PI1,PH1が検出されてPVT演算装置29に与えら
れる場合について説明する。
【0066】まず、PVT演算装置29には、外部入力装
置32を介して成形品の目標重量値である射出重量値Gが
与えられる。次に、スクリュー19の射出される溶融樹脂
量を計量しながらの後退による溶融樹脂の計量および回
転の停止後に、スクリュー19に押圧力が付与されて射出
直前時のまだ閉止弁33が閉じられている状態におけるス
クリュー19の位置値SI1および溶融樹脂圧力値PI1(押
圧値pI1)がスクリュー位置検出器28および油圧検出器
31から、更には溶融樹脂温度値T1 が樹脂温度検出器30
から検出されてPVT演算装置29に与えられる。
【0067】次に、閉止弁33が開かれて射出が始まりス
クリュー19の前進にともなって金型10のキャビティ部18
には溶融樹脂が充填され、ほぼ充填が完了した時点にお
いて保圧に入る。この射出に引続く保圧時における溶融
樹脂圧力値PH1(押圧値pH1)も油圧検出器31からPV
T演算装置29に与えられる。このPVT演算装置29にお
いてはそれら位置値SI1、溶融樹脂圧力値PI1,PH1
よび溶融樹脂温度値T1 、更にはPVT特性関係式にも
とづき(16)式から移動距離SD が演算される。この移動
距離SD は制御装置24に与えられ、この制御装置24にお
いてはその移動距離SD とスクリュー位置検出器28から
検出される位置値とを比較して一致した時点において閉
止弁33を閉じる。これにより、金型10のキャビティ部18
への溶融樹脂の1回分の射出充填が終了する。したがっ
て、本実施例によれば、溶融樹脂圧力値PI1,PH1およ
び溶融樹脂温度値T1 が変化しても、一定の射出重量値
Gを得るための移動距離SD が得られる。
【0068】(第2実施例)本実施例においては、第7
図に示されているように、PVT演算装置29に射出直前
時のスクリュー19の位置値SI1が検出されて与えられ、
他の溶融樹脂圧力値PI1,PH1および溶融樹脂温度値T
1 は予め制御装置24に設定されており、これら設定され
た各値PI1,PH1, T1 が制御装置24からPVT演算装
置29に与えられる場合について説明する。なお、特に第
1実施例と相違する部分についてのみ説明して、重複す
る部分の説明は省略する。
【0069】制御装置24は、電磁流量弁22および電磁圧
力弁23を設定される溶融樹脂圧力値PI1,PH1が得られ
るように制御するとともに、加熱装置14を設定される溶
融樹脂温度T1 が得られるように制御する。また、PV
T演算装置29においては、スクリュー位置検出器28から
の射出直前時のスクリュー19の位置値SI1、制御装置24
に設定された溶融樹脂圧力値PI1,PH1および溶融樹脂
温度値T1 、更にはPVT特性関係式にもとづき移動距
離SD を演算して、この演算された移動距離SD を制御
装置24に与える。他は、第1実施例と同様である。
【0070】第1実施例においては、今回に検出される
溶融樹脂圧力値PI1,PH1および溶融樹脂温度値T1
もとづいてスクリュー19の移動距離SD が演算される
が、これら各値PI1,PH1,T1 の短期間の連続成形中
における射出充填毎における変動巾は微少である。言い
換えれば、これら各値PI1,PH1,T1 を射出充填毎に
検出してもそれら各値PI1,PH1,T1 は検出誤差内で
あることも多く、誤差を有する各値PI1,PH1,T1
もって演算しても、逆に実成形のバラツキが大きくな
る。しかも、溶融樹脂圧力および溶融樹脂温度の変化は
長期連続成形に亘る外気温、水温等の変化にともなう徐
々なる変化であって、5 回または10回の射出充填にお
ける変化量ではなくて数百回、数千回の射出充填での経
時変化である。したがって、溶融樹脂圧力および溶融樹
脂温度の検出誤差を前提として検出精度を向上させるた
めに、2〜10回の短期間の検出値PI1,PH1,T1
平均値を用いても良い。また、今回に検出されるPI1
H1,T1 でなくても前回に検出される値PI1,PH1
1 を用いても良く、または前回までの2〜10回の各
値PI1,PH1,T1 の平均値を用いても良い。
【0071】第1実施例および第2実施例においては、
前述された例1および例2によって得られたPVT特性
関係式、言い換えれば第8図に示されているように溶融
樹脂圧力軸P、溶融樹脂比容積軸Vおよび溶融樹脂温度
軸Tの3次元座標においてPVT曲面を形成するPVT
特性関係式をスクリュー19の移動距離SD を演算するの
に直接に用いている。しかしながら、実際の連続射出成
形中には溶融樹脂圧力値Pおよび溶融樹脂温度値Tが変
化する範囲は僅少であるために、溶融樹脂圧力値Pおよ
び溶融樹脂温度値Tの変動範囲は十分に平面近似化し得
る領域の値として取り扱うことができる。したがって、
前述のようにして得られたPVT特性関係式をそのまま
用いなくても溶融樹脂比容積値V(P,T)を溶融樹脂
比容積値V(P±ΔP,T±ΔT)として平面近似化し
た式を用いて演算することが可能である。なお、ΔPお
よびΔTは許容される範囲内の変動予想巾である。ま
た、溶融樹脂比容積値V(PI ,T)および溶融樹脂比
容積値V(PH ,T)を得る方法としては、PI →PI
±ΔPI,H →PH ±ΔPH,T→T±ΔTと強制的に変
化させた結果と、これらの変化させた結果から得られた
成形品の重量値とを直接に平面近似式に代入して得るよ
うにしても良い。
【0072】第1実施例および第2実施例においては、
PVT特性関係式を用いてスクリュー19の移動距離SD
を演算しているが、溶融樹脂温度値Tの変動巾は小さく
て一定であると見倣なして、(5), (11) 式にもとづきP
V特性関係式を用いてスクリュー19の移動距離SD を演
算しても良い。なお、PV特性関係式を用いるに際し
て、安定成形中には射出重量値Gを一定とするような射
出直前時および射出に引続く保圧時のスクリュー19の位
置値SIO, SH0は基準となる射出直前時および射出に引
続く保圧時の溶融樹脂圧力値PIO, PH0においては既知
であるとすれば、次式によってスクリュー19の移動距離
D を得ることができる。
【数27】
【0073】言い換えれば、スクリュー19の位置値
IO, SH0,SI1以外は溶融樹脂比容積値Vの比として
表され、この溶融樹脂比容積値Vの比は一定の溶融樹脂
温度値Tにおいては溶融樹脂容積値の比として得ること
ができる。したがって、溶融樹脂温度値Tの変動が殆ど
無視し得る程であって溶融樹脂圧力値PI , PH だけが
変動するような場合には、閉止弁33を閉止してスクリュ
ー19により計量された射出される溶融樹脂の圧縮特性を
得ておくだけで成形品の重量値Gを一定に保つことも可
能である。
【0074】また、他の実施例としては、ノズル部12の
流路16に閉止弁33を有さない場合には、金型10のゲート
17に設けられるシャットオフ弁を閉止弁33のように用い
ても良い。
【0075】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明による射
出成形機の射出制御方法によれば、成形システムに対す
る外乱による影響があっても、または与条件としての溶
融樹脂圧力等が変化しても、成形品の重量値Gを一定と
するスクリューの移動距離に自動的に制御されて成形品
の品質を一定に保つことができる。また、金型が変更さ
れても適応制御のように最初から調査解析を行なう必要
がない。さらに、成形条件を確定するための条件出しの
段階においては溶融樹脂圧力値等が変更されることが多
いが、このような場合にも所定の重量値Gにスクリュー
の移動距離が自動的に制御されて成形条件が出し易い。
【0076】本発明によれば、樹脂特性と、更には計算
式とにもとづき適切なスクリューの移動距離が計算でき
る。したがって、本発明による射出成形機の射出制御方
法は、金型が変更されるような場合には特に好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による射出成形機の射出制御方法の好ま
しい実施例の射出成形機の全体の半図解式縦断面図およ
び一部拡大縦断面図である。
【図2】本発明による射出成形機の射出制御方法に用い
るPV(T)特性関係式を確定するに際しての樹脂特性
を検出する方法の例1におけるスクリューの作動状態を
模型的に示す縦断面図である。
【図3】本発明による射出成形機の射出制御方法に用い
るPV(T)特性関係式を確定するに際しての樹脂特性
を検出する方法の例2におけるスクリューの作動状態を
模型的に示す縦断面図である。
【図4】例1において説明したスクリューの先端側の残
存溶融樹脂容積値を外挿法によって得ることを示すグラ
フ図である。
【図5】本発明による射出成形機の射出制御方法におい
て射出制御に用いる射出重量値を一定にするためのスク
リューの移動距離に関する計算式を得るに際してスクリ
ューの作動状態を模式的に示す縦断面図である。
【図6】本発明による射出成形機の射出制御方法の第1
実施例の射出制御方法の具体的実施例装置の半図解式縦
断面図である。
【図7】本発明による射出成形機の射出制御方法の第2
実施例の射出制御方法の具体的実施例装置の半図解式縦
断面図である。
【図8】本発明による射出成形機の射出制御方法の別実
施例のPVT特性の平面近似法を説明するためのグラフ
図である。
【符号の説明】
10 金型 11 射出成形機 12 ノズル部 13 シリンダ 14 加熱装置 15 材料ホッパ 16 流路 17 ゲート 18 キャビティ部 19 スクリュー 20 キャビティ回転モータ 21 基盤 22 電磁流量弁 23 電磁圧力弁 24 制御装置 25 油圧源 26 管路 27 油圧ピストン装置 28 スクリュー位置検出器 29 PVT演算装置 30 樹脂温度検出器 31 油圧検出器 32 外部入力装置 33 閉止弁 34 電磁駆動装置 35 操作レバー 36 円錐状先端部 37 螺旋部 38 フランジ突起部 39 リング状摺動弁体 40 逆流防止弁
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図4】
【図2】
【図3】
【図6】
【図5】
【図7】
【図8】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形機のシリンダ内部から成形用金
    型のキャビティ部に射出されて充填される可塑化合成樹
    脂の射出重量を制御する射出成形機の射出制御方法にお
    いて、 成形品の重量値Gに対応した可塑化合成樹脂の射出充填
    時のスクリューの移動距離SD を所定計算式により演算
    して予め設定し、この予め設定されたスクリューの移動
    距離SD をそのスクリューが射出直前時のスクリューの
    位置から移動した時点において前記成形用金型のキャビ
    ティ部への可塑化合成樹脂の射出充填を停止することを
    特徴とする射出成形機の射出制御方法。
  2. 【請求項2】 前記成形品の重量値Gに対応した可塑化
    合成樹脂の射出充填時のスクリューの移動距離SD の所
    定計算式による演算は、検出または設定される射出直前
    時の可塑化合成樹脂の溶融樹脂圧力値PI および射出に
    引続く保圧時の可塑化合成樹脂の溶融樹脂圧力値P
    H と、検出される射出直前時のスクリュー位置値S
    I と、可塑化合成樹脂のPV特性関係式とにもとづき一
    定の溶融樹脂温度値Tのもとに、次式 【数1】 H ; 射出に引続く保圧時のスクリューの位置値 A ; スクリューの投影断面積 V(PH ) ; 射出に引続く保圧時の溶融樹脂比容積値 V(PI ) ; 射出直前時の溶融樹脂比容積値 により行なうことを特徴とする請求項1に記載の射出成
    形機の射出制御方法。
  3. 【請求項3】 前記検出される射出直前時の可塑化合成
    樹脂の溶融樹脂圧力値PI および射出に引続く保圧時の
    可塑化合成樹脂の溶融樹脂圧力値PH は、連続成形中の
    短期間の複数回の射出充填にもとづき検出される各溶融
    樹脂圧力値PI ,PH の各平均値であることを特徴とす
    る請求項2に記載の射出成形機の射出制御方法。
  4. 【請求項4】 前記成形品の重量値Gとして、前記射出
    直前時の可塑化合成樹脂の溶融樹脂圧力値PI と前記射
    出に引続く保圧時の可塑化合成樹脂の溶融樹脂圧力値P
    H とが等しい場合には、次式 【数2】 A ; スクリューの投影断面積 ΔS0 ; スクリューの射出直前時の溶融樹脂圧力値P
    I における位置値と射出に引続く保圧時の溶融樹脂圧力
    値PH (=PI ) における位置値との差 の関係式を用いて差ΔS0を用いることを特徴とする請求
    項2または3のいずれかに記載の射出成形機の射出制御
    方法。
  5. 【請求項5】 前記成形品の重量値Gに対応した可塑化
    合成樹脂の射出充填時のスクリューの移動距離SD の所
    定計算式による演算は、検出または設定される射出され
    る可塑化合成樹脂の溶融樹脂温度値T、射出直前時の可
    塑化合成樹脂の溶融樹脂圧力値PI および射出に引続く
    保圧時の可塑化合成樹脂の溶融樹脂圧力値PH と、検出
    される射出直前時のスクリュー位置値SI と、可塑化合
    成樹脂のPVT特性関係式とにもとづき、次式 【数3】 H ; 射出に引続く保圧時のスクリューの位置値 A ; スクリューの投影断面積 V(PH ,T) ; 溶融樹脂温度値Tとその溶融樹脂温度値
    Tでの射出に引続く保圧時の溶融樹脂圧力値PH とにお
    ける溶融樹脂比容積値 V(PI ,T) ; 溶融樹脂温度値Tとその溶融樹脂温度値
    Tでの射出直前時のの溶融樹脂圧力値PI とにおける溶
    融樹脂比容積値 により行なうことを特徴とする請求項1に記載の射出成
    形機の射出制御方法。
  6. 【請求項6】 前記検出される射出される可塑化合成樹
    脂の溶融樹脂温度値T、射出直前時の可塑化合成樹脂の
    溶融樹脂圧力値PI および射出に引続く保圧時の可塑化
    合成樹脂の溶融樹脂圧力値PH は、連続成形中の短期間
    の複数回の射出充填にもとづき検出される各溶融樹脂温
    度値Tおよび溶融樹脂圧力値PI ,PH の各平均値であ
    ることを特徴とする請求項5に記載の射出成形機の射出
    制御方法。
  7. 【請求項7】 前記PVT特性関係式にもとづき溶融樹
    脂圧力値Pおよび溶融樹脂温度値Tから溶融樹脂樹脂比
    容積値Vを得るに際して、これら溶融樹脂圧力値Pおよ
    び溶融樹脂温度値Tの変動巾が所定範囲内にあるとして
    平面近似法により得ることを特徴とする請求項5または
    6のいずれかに記載の射出成形機の射出制御方法。
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