JPH05253943A

JPH05253943A - 発泡合成樹脂成形品の型内発泡成形方法並びにそれに用いる型内発泡成形用金型

Info

Publication number: JPH05253943A
Application number: JP4088049A
Authority: JP
Inventors: Tamotsu Kawai; 保河合; Kinzo Masuda; 欣三増田; Masao Ando; 正夫安藤; Masahiro Chikada; 雅浩近田; Yuichi Nakamura; 裕一中村
Original assignee: Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Current assignee: Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date: 1992-03-11
Filing date: 1992-03-11
Publication date: 1993-10-05

Abstract

(57)【要約】【目的】成形した発泡合成樹脂成形品の表面や内部の
一部に発泡性合成樹脂原料粒子の未融着現象が発生する
のを可能な限り少なくできることを目的とする。【構成】一対の金型の少なくとも一方の金型(1) の加
熱室(5) に、その成形空間(3) 側背後を横断する区画壁
(15)を設けて、この加熱室(5) 内に複数の区画加熱室(5
A)(5B)を形成した型内発泡成形用金型を、型閉めして、
その両者の間に形成される成形空間(3) 内に、発泡性合
成樹脂原料粒子を充填した後、加熱媒体を一つの区画加
熱室から成形空間(3) を通じて他の区画加熱室に通し
て、原料粒子を発泡融着させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、成形した発泡合成樹脂
成形品の表面や内部の一部に発泡性合成樹脂原料粒子の
未融着現象が発生するのを可能な限り少なくできる発泡
合成樹脂成形品の型内発泡成形方法並びにそれに用いる
型内発泡成形用金型に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、発泡合成樹脂成形品は、例えば図
４に示すような型内発泡成形用金型で成形されている。

【０００３】この成形用金型は、一対のキャビティ金型
１とコア金型２から構成されるとともに、これら一対の
キャビティ金型１とコア金型２を型閉めしたときには、
両者の間に成形品の成形空間３が形成される。そして、
これら一対のキャビティ金型１とコア金型２の内、図示
したものではコア金型２は図中右側の側方に退避して、
金型の型開きができるようになっている。又、こうした
成形用金型は、一対のキャビティ金型１とコア金型２を
型閉めしたとき、両者の間に形成される成形空間３内に
発泡性合成樹脂原料粒子を充填する原料充填フィダー４
が、図示したものではキャビティ金型１側に設けられる
とともに、キャビティ金型１とコア金型２の成形空間３
側背後の加熱室５、６にはそれぞれ蒸気管７、８、ドレ
ン管９、10、更には図示しない冷却水管がその内部に連
通させて設けられている。尚、図中11、12はキャビティ
金型１の加熱室５内に連通させた蒸気管７の途中とコア
金型２の加熱室６内に連通させた蒸気管８の途中にそれ
ぞれ設けたバルブである。又、13、14はキャビティ金型
１の加熱室５内に連通させたドレン管９の途中とコア金
型２の加熱室６内に連通させたドレン管10の途中にそれ
ぞれ設けたバルブである。この他、この成形用金型には
成形品を離型させる離型ピンが、図示したものではキャ
ビティ金型１側に設けられるとともに、キャビティ金型
１とコア金型２の成形空間３側には蒸気を加熱室５、６
側から成形空間３側に供給させる連通口が設けられてい
るが、それぞれ図示を省略している。

【０００４】そして、このような成形用金型では、次に
示すように成形品の成形を行なっている。先ず、一対の
キャビティ金型１とコア金型２を型閉めして、その両者
の間に形成される成形空間３内に、原料充填フィダー４
を通じて発泡性合成樹脂原料粒子を充填する。次に、一
対のキャビティ金型１とコア金型２の成形空間３側背後
の加熱室５、６に蒸気を蒸気管７、８を通じて供給し
て、これらを加熱して原料粒子を発泡融着させる。この
場合、先ず、キャビティ金型１側の蒸気管７に設けたバ
ルブ11とコア金型２側のドレン管10に設けたバルブ14を
開放させるとともに、コア金型２側の蒸気管８に設けた
バルブ12とキャビティ金型１側のドレン管９に設けたバ
ルブ13を閉止させて、キャビティ金型１側の蒸気管７か
ら供給した蒸気をこれに連通した加熱室５から成形空間
３を通じてコア金型２の加熱室６に通した後、次に開放
させていた側のバルブ11、14を閉止させるとともに、閉
止させていた側のバルブ12、13を開放させて、今度はコ
ア金型２側の蒸気管８から供給した蒸気をこれに連通し
た加熱室６から成形空間３を通じてキャビティ金型１の
加熱室５に通している。即ち、キャビティ金型１とコア
金型２を単に加熱させるだけでなく、蒸気を成形空間３
内に充填された原料粒子の間にも通すことで、これらを
発泡融着させている。この後、キャビティ金型１とコア
金型２の加熱室５、６に図示しない冷却水管を通じて冷
却水を供給して、金型を冷却する。そして、成形品をキ
ャビティ金型１側に残して、キャビティ金型１に対して
コア金型２を図中右側の側方に退避させ、金型の型開き
を行った後、キャビティ金型１側に残る成形品を図示し
ない離型ピンの作動で取出すものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、成形する発
泡合成樹脂成形品の厚みが相対的に大きかったり、形状
が複雑な場合には、このように蒸気を、例えばキャビテ
ィ金型側から成形空間を通じてコア金型側に通した後、
次にこれと逆方向に通したときでも、成形品の表面や内
部の一部に発泡性合成樹脂原料粒子の未融着現象が発生
して、機械的強度等の面で問題となることがある。

【０００６】このような従来の問題点に鑑みて発明され
たのが本発明に係る発泡合成樹脂成形品の型内発泡成形
方法並びにそれに用いる型内発泡成形用金型で、成形し
た発泡合成樹脂成形品の表面や内部の一部に発泡性合成
樹脂原料粒子の未融着現象が発生するのを可能な限り少
なくできることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】こうした目的を達成する
ため、本発明の請求項１では、一対の金型の少なくとも
一方の金型の加熱室に、その成形空間側背後を横断する
区画壁を設けて、この加熱室内に複数の区画加熱室を形
成した型内発泡成形用金型を、型閉めして、その両者の
間に形成される成形空間内に、発泡性合成樹脂原料粒子
を充填した後、加熱媒体を一つの区画加熱室から成形空
間を通じて他の区画加熱室に通して、原料粒子を発泡融
着させる発泡合成樹脂成形品の型内発泡成形方法を要旨
としている。又、請求項２では、一方の金型の加熱室
に、その成形空間側背後を横断する一つの区画壁を設け
て、この加熱室内に二つの区画加熱室を形成した型内発
泡成形用金型を利用して、加熱媒体を、先ず一方の区画
加熱室から成形空間を通じて他方の区画加熱室に通し、
次に他方の区画加熱室から成形空間を通じて一方の区画
加熱室に通すことを例示した。更に、請求項３では、加
熱媒体が蒸気であることを例示した。そして、請求項４
では、一対の金型の少なくとも一方の金型の加熱室に、
その成形空間側背後を横断する区画壁を設けて、この加
熱室内に複数の区画加熱室を形成するとともに、各区画
加熱室に連通させて蒸気管とドレン管をそれぞれ独自に
設けた型内発泡成形用金型を構成した。又、請求項５で
は、成形空間側の底面を構成する面の背後を横断する区
画壁を設けたことを例示した。

【０００８】

【作用】こうした型内発泡成形用金型の構造を、例えば
一方の金型に採用して、これの加熱室に一つの区画壁を
設け、内部を二つに区画して第１、第２区画加熱室を形
成するとともに、一方の金型の第１、第２区画加熱室と
他方の金型の加熱室の内部に連通させて途中にバルブを
設けた蒸気管とドレン管をそれぞれ独自に設ける。そし
て、このような成形用金型では、加熱媒体となる、例え
ば蒸気を成形空間内に充填した発泡性合成樹脂原料粒子
の間に通す場合、次に示すように行うのである。先ず、
一方の金型側の第１、第２区画加熱室の両蒸気管に設け
たバルブと他方の金型側のドレン管に設けたバルブを開
放させるとともに、他方の金型側の蒸気管に設けたバル
ブと一方の金型側の第１、第２区画加熱室の両ドレン管
に設けたバルブを閉止させて、一方の金型側の第１、第
２区画加熱室の両蒸気管から供給した蒸気をこれに連通
した第１、第２区画加熱室から成形空間を通じて他方の
金型の加熱室に通した後、次に開放させていた側のバル
ブを閉止させるとともに、閉止させていた側のバルブを
開放させて、今度は他方の金型側の蒸気管から供給した
蒸気をこれに連通した加熱室から成形空間を通じて一方
の金型の第１、第２区画加熱室に通す操作を行う。そし
て、他方の金型側の蒸気管とドレン管のバルブをそれぞ
れ閉止させて、次の操作を行う。先ず、一方の金型の第
１区画加熱室の蒸気管のバルブと第２区画加熱室のドレ
ン管のバルブだけを開放させて、第１区画加熱室の蒸気
管から供給した蒸気を成形空間を通じて第２区画加熱室
に通す。次に、第２区画加熱室の蒸気管のバルブと第１
区画加熱室のドレン管のバルブだけを開放させて、今度
は第２区画加熱室の蒸気管から供給した蒸気を成形空間
を通じて第１区画加熱室に通す操作を行う。更に、第
１、第２区画加熱室の蒸気管のバルブだけを共に開放さ
せて、第１、第２区画加熱室の蒸気管のいずれか一方か
ら供給した蒸気を成形空間を通じて他方に通すことを一
回だけ行ったり、又は複数回繰返す。

【０００９】

【実施例】本発明に係る発泡合成樹脂成形品の型内発泡
成形方法の詳細を成形用金型を基に更に添付の図面に基
づき説明する。

【００１０】この型内発泡成形用金型は、基本的に前記
図４に示すものと同様であるので、同一部分には同一符
号を符して説明を省略する。

【００１１】図示した実施例では、こうした成形用金型
の構造を、一対のキャビティ金型１とコア金型２の内、
キャビティ金型１に採用したものである。

【００１２】そして、キャビティ金型１の加熱室５に、
図中15として示す区画壁が、これの図１中左側の成形空
間３側の底面を構成する面の背後の一側側から中央部分
で折曲させて他側側に、この底面を構成する面の背後を
横断させて設けられて、内部に二つに区画した第１、第
２区画加熱室５Ａ、５Ｂを形成している。

【００１３】これら二つの第１、第２区画加熱室５Ａ、
５Ｂの内部に連通させて、途中にバルブ11Ａ、11Ｂを設
けた蒸気管７Ａ、７Ｂと同じく途中にバルブ13Ａ、13Ｂ
を設けたドレン管９Ａ、９Ｂがそれぞれ独自に設けられ
ている。ところで、こうした蒸気管７Ａ、７Ｂやドレン
管９Ａ、９Ｂは、二つの第１、第２区画加熱室５Ａ、５
Ｂに独自に蒸気の供給や排出を行うことが可能であれ
ば、どのような態様のものでもよく、例えば一つの配管
の途中から分岐させて、これの分岐部分にバルブ11Ａ、
11Ｂ、13Ａ、13Ｂを設けて、第１、第２区画加熱室５
Ａ、５Ｂに連通させたものも利用できる。尚、図３中16
はキャビティ金型１の成形空間３側に設けられた加熱室
５側から成形空間３側に蒸気を供給させる連通口であ
る。又、コア金型２の成形空間３側にもこうした連通口
が設けられているが、図示を省略している。

【００１４】而して、このような成形用金型では、成形
空間３内に充填した発泡性合成樹脂原料粒子の間に蒸気
を通す場合、次に示すように行うのである。先ず、キャ
ビティ金型１側の第１、第２区画加熱室５Ａ、５Ｂの両
蒸気管７Ａ、７Ｂに設けたバルブ11Ａ、11Ｂとコア金型
２側のドレン管10に設けたバルブ14を開放させるととも
に、コア金型２側の蒸気管８に設けたバルブ12とキャビ
ティ金型１側の第１、第２区画加熱室５Ａ、５Ｂの両ド
レン管９Ａ、９Ｂに設けたバルブ13Ａ、13Ｂを閉止させ
て、キャビティ金型１の第１、第２区画加熱室５Ａ、５
Ｂの両蒸気管７Ａ、７Ｂから供給した蒸気をこれに連通
した第１、第２加熱室５Ａ、５Ｂから成形空間３を通じ
てコア金型２の加熱室６に通した後、次に開放させてい
た側のバルブ11Ａ、11Ｂ、14を閉止させるとともに、閉
止させていた側のバルブ12、13Ａ、13Ｂを開放させて、
今度はコア金型２側の蒸気管８から供給した蒸気をこれ
に連通した加熱室６から成形空間３を通じてキャビティ
金型１の第１、第２区画加熱室５Ａ、５Ｂに通す操作を
行う。そして、コア金型２側の蒸気管８とドレン管10の
バルブ12、14をそれぞれ閉止させて、次の操作を行う。
先ず、キャビティ金型１の第１区画加熱室５Ａの蒸気管
７Ａのバルブ11Ａと第２区画加熱室５Ｂのドレン管９Ｂ
のバルブ１３Ｂだけを開放させて、第１区画加熱室５Ａ
の蒸気管７Ａから供給した蒸気を成形空間３を通じて第
２区画加熱室５Ｂに通す。次に、第２区画加熱室５Ｂの
蒸気管７Ｂのバルブ11Ｂと第１区画加熱室５Ａのドレン
管９Ａのバルブ13Ａだけを開放させて、今度は第２区画
加熱室５Ｂの蒸気管７Ｂから供給した蒸気を成形空間３
を通じて第１区画加熱室５Ａに通す操作を行う。更に、
第１、第２区画加熱室５Ａ、５Ｂの蒸気管７Ａ、７Ｂの
バルブ11Ａ、11Ｂだけを開放させて、第１、第２区画加
熱室５Ａ、５Ｂの蒸気管７Ａ、７Ｂのいずれか一方から
供給した蒸気を成形空間３を通じて他方に通すことを一
回だけ行ったり、又は複数回繰返す。

【００１５】これらの一連の操作は一例を示しただけ
で、成形する成形品の相対的な厚みや形状に応じて、種
々の実験を行い、その結果を基にして、最適な操作順序
を適宜選定するのが好ましいと言える。

【００１６】図示した実施例において、キャビティ金型
１に区画壁15を二つ以上設けることもできる。

【００１７】又、区画壁15はキャビティ金型１の成形空
間３側の底面を構成する面の背後を横断させて設けるこ
となく、それの成形空間３側の側面を構成する面の背後
を横断させて設けることも可能である。

【００１８】そして、こうした区画壁15はコア金型２側
にも設けたり、又はキャビティ金型１側に設けることは
なく、コア金型２側だけに設けることもできる。

【００１９】

【発明の効果】以上のような本発明に係る発泡合成樹脂
成形品の型内発泡成形方法では、加熱媒体となる、例え
ば蒸気を一対の金型の一方から成形空間を通じて他方
に、又はその逆方向に通す以外に、蒸気を同一の金型の
適所から成形空間を通じて、例えばこれに相対向した適
所にも通すから、成形する発泡合成樹脂成形品の厚みが
相対的に大きかったり、形状が複雑な場合でも、成形品
の表面や内部の一部に発泡性合成樹脂原料粒子の未融着
現象が発生して、機械的強度等の面で問題となることが
少なくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る発泡合成樹脂成形品の型内発泡成
形方法に用いる成形用金型を示す縦断正面図

【図２】キャビティ金型を示す縦断側面図

【図３】同じく要部を示す断面斜視図

【図４】従来の成形用金型を示す縦断正面図

【符号の説明】

１キャビティ金型２コア金型３成形空間４原料充填フィダー５加熱室５Ａ第１区画加熱室５Ｂ第２区画加熱室６加熱室７蒸気管７Ａ蒸気管７Ｂ蒸気管８蒸気管９ドレン管９Ａドレン管９Ｂドレン管 10 ドレン管 11 バルブ 11Ａバルブ 11Ｂバルブ 12 バルブ 13 バルブ 13Ａバルブ 13Ｂバルブ 14 バルブ 15 区画壁 16 連通口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者中村裕一堺市菱木890−３有限会社三宝金型製作所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一対の金型の少なくとも一方の金型の加
熱室に、その成形空間側背後を横断する区画壁を設け
て、この加熱室内に複数の区画加熱室を形成した型内発
泡成形用金型を、型閉めして、その両者の間に形成され
る成形空間内に、発泡性合成樹脂原料粒子を充填した
後、加熱媒体を一つの区画加熱室から成形空間を通じて
他の区画加熱室に通して、原料粒子を発泡融着させる発
泡合成樹脂成形品の型内発泡成形方法。
【請求項２】一方の金型の加熱室に、その成形空間側
背後を横断する一つの区画壁を設けて、この加熱室内に
二つの区画加熱室を形成した型内発泡成形用金型を利用
して、加熱媒体を、先ず一方の区画加熱室から成形空間
を通じて他方の区画加熱室に通し、次に他方の区画加熱
室から成形空間を通じて一方の区画加熱室に通す請求項
１記載の発泡合成樹脂成形品の型内発泡成形方法。
【請求項３】加熱媒体が蒸気である請求項１又は２記
載の発泡合成樹脂成形品の型内発泡成形方法。
【請求項４】一対の金型の少なくとも一方の金型の加
熱室に、その成形空間側背後を横断する区画壁を設け
て、この加熱室内に複数の区画加熱室を形成するととも
に、各区画加熱室に連通させて蒸気管とドレン管をそれ
ぞれ独自に設けた型内発泡成形用金型。
【請求項５】成形空間側の底面を構成する面の背後を
横断する区画壁を設けた請求項４記載の型内発泡成形用
金型。