JPH05253744A - 高強度歯車の製造方法 - Google Patents

高強度歯車の製造方法

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JPH05253744A
JPH05253744A JP5802892A JP5802892A JPH05253744A JP H05253744 A JPH05253744 A JP H05253744A JP 5802892 A JP5802892 A JP 5802892A JP 5802892 A JP5802892 A JP 5802892A JP H05253744 A JPH05253744 A JP H05253744A
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JP
Japan
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gear
tooth
hardened layer
profile
polishing
Prior art date
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JP5802892A
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English (en)
Inventor
Shinji Fushimi
見 慎 二 伏
Kunihiko Morikawa
川 邦 彦 森
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高精度でかつ高強度の歯車を製造する。 【構成】 表面硬化層プロファイルを制御して高強度歯
車を製造するに際し、完成品歯車の歯底部分における表
面硬化層深さ(d)が、 0.3≦d(mm)≦(3/4)ECD (ECDは有
効硬化層深さ) および歯形方向の研磨寸法(h)が h(mm)=(1/5〜1/2)M (Mはモジュー
ル) となるように、ホブ加工するときにあらかじめ先端を落
としたホブカッターを用い、前記ホブカッターにより歯
切加工を行って歯底部分に研磨代を余肉として残し、表
面硬化処理を施した後に前記余肉部分を研磨除去して表
面硬化層プロファイルを制御した完成品歯車に仕上げ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯元の曲げ疲労強度が
高く、耐久性に優れた歯車を製造するのに好適な高強度
歯車の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】浸炭などの表面硬化処理を施した歯車粗
材の歯底部分を研磨して所定の完成品歯車に仕上げる従
来の歯底研磨による歯車の製造方法としては、c−BN
(立方晶窒化ほう素)工具を用いて研磨を行う方法があ
る。
【0003】この方法は、浸炭硬化処理した歯車粗材の
歯底部分をc−BN工具によって数10μm程度研磨す
る方法であって、浸炭硬化処理時に生成する表面異常層
を研磨によって除去すると共に表面に強い圧縮の残留応
力を発生させ、さらには表面粗度が向上するため、歯元
の曲げ疲労強度が向上することから、一部の高級車に採
用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来の歯底研磨による歯車の製造方法では、c
−BN工具による歯底部分の研磨代が数10μmと少な
いものになっていたため、浸炭処理によって形成された
浸炭硬化層プロファイルを制御するまでには至っていな
いものであり、浸炭硬化層プロファイルの制御による効
果を得るためにさらに研磨を行うようにした場合には歯
車諸元が狂ったものとなり、歯車の精度や強度が低下し
てしまうという問題点があって、このような問題点を解
決することが課題となっていた。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記した従来の課題にかんが
みてなされたものであって、表面硬化処理を施した歯車
粗材の歯底部分を研磨加工することによって歯車諸元を
正確なものとしたうえで表面硬化層プロファイルの制御
効果を十分に得ることが可能であり、これによって歯元
の曲げ疲労強度を向上させることが可能であって、高精
度でかつ高強度の歯車を製造することが可能である高強
度歯車の製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる高強度歯
車の製造方法は、表面硬化層プロファイルを制御して高
強度歯車を製造するに際し、完成品歯車の歯底部分にお
ける表面硬化層深さ(d)が、 0.3≦d(mm)≦(3/4)ECD (ECDは有効硬化層深さ)および歯形方向の研磨寸法
(h)が、 h(mm)=(1/5〜1/2)M (Mはモジュール)となるように、ホブ加工(hobb
ing)するときにあらかじめ先端を落としたホブカッ
ターを用い、前記ホブカッターにより歯切加工を行って
歯底部分に研磨代を余肉として残し、表面硬化処理を施
した後に前記余肉部分を研磨除去して表面硬化層プロフ
ァイルを制御した完成品歯車に仕上げる構成としたこと
を特徴としており、このような高強度歯車の製造方法に
係わる発明の構成をもって前述した従来の課題を解決す
るための手段としている。
【0007】本発明に係わる高強度歯車の製造方法にお
いては、表面硬化層プロファイルを制御して高強度歯車
を製造するに際し、完成品歯車の歯底部分における表面
硬化層深さ(d)が、 0.3≦d(mm)≦(3/4)ECD および歯形方向の研磨寸法(h)が、 h(mm)=(1/5〜1/2)M となるように、ホブ加工するときにあらかじめホブカッ
ターの先端を落とし、このように先端と落としたホブカ
ッターを用いて歯切加工を行うことにより、歯底部分に
表面硬化処理後の研磨代を余肉として残すようにしてい
るが、この場合に用いるホブカッターとしては、図1に
示すように、仮想線Lで表わした先端プロファイル1
aをもつ従来のホブカッター1に代えて、実線Lで表
わした先端プロファイル1bをもつホブカッター1を用
いる。
【0008】すなわち、図1に示すように、仮想線L
で示す先端プロファイル1aをもつ従来のホブカッター
1の先端を研削加工等により加工代t(mm)だけ落と
すことによって、実線Lで示す先端プロファイル1b
をもつホブカッター1を本発明で使用するようにし、先
端プロファイル1a,1bの差である寸法h(mm)が
歯形方向の研磨寸法となり、このような先端を落とした
ホブカッター1を用いて歯車素材を加工することによ
り、表面硬化処理後の研磨代を歯底部分に余肉として残
したものにしておく。
【0009】このような先端を落としたホブカッター1
を用いてホブ加工を行ったのち表面硬化処理を施し、次
いで歯底部分の余肉を研磨除去して表面硬化層プロファ
イルが制御された完成品歯車に仕上げるようにしてい
る。
【0010】本発明においては、完成品歯車の歯底部分
における表面硬化層深さ(d)が、 0.3≦d(mm)≦(3/4)ECD (ECDは有効硬化層深さ)歯形方向の研磨寸法(h)
が、 h(mm)=(1/5〜1/2)M (Mはモジュール)となるようにしているが、この場
合、表面硬化層深さ(d)が0.3(mm)よりも小さ
いとき、および(3/4)ECD(mm)よりも大きい
ときは、いずれも強度の向上を得ることが困難となるの
で好ましくなく、また、歯形方向の研磨寸法(h)が
(1/5)M(mm)よりも小さいと歯元の曲げ疲労強
度の向上が十分でなく、(1/2)M(mm)よりも大
きくなると相手歯車の歯先部分と接触して摩耗を生じる
ため好ましくない。
【0011】
【発明の作用】本発明に係わる高強度歯車の製造方法で
は、完成品歯車の歯底部分における表面硬化層深さおよ
び歯形方向の研磨寸法が所定の値となるように、ホブ加
工するときにあらかじめホブカッターの先端を研削等に
より落とし、このように先端を落としたホブカッターを
用いて、歯車形状に加工することによって、歯底部分に
研磨代を余肉として残し、表面硬化処理を施した後に前
記歯底部分に残した余肉を研磨除去するようにしたか
ら、歯車の精度を高いものとしたうえで表面硬化層プロ
ファイルの制御作用が十分に発揮されるものとなり、こ
れによって歯元の曲げ疲労強度が向上したものとなっ
て、高精度でかつ高強度の歯車が製造されることとな
る。
【0012】
【実施例】
(実施例1)この実施例1では、歯車素材として、0.
18重量%C,0.07重量%Si,0.30重量%M
n,0.009重量%P,0.002重量%S,2.0
重量%Ni,0.3重量%Cr,0.75重量%Mo,
残部実質的にFeよりなるはだ焼鋼を用い、歯車諸元
が、モジュール(M);4.0,外径;149.6m
m,ピッチ円径;139.2mm,歯幅;10mmの平
歯車を製造した。
【0013】上記諸元の平歯車を製造するに際しては、
歯切り加工に用いるホブカッターの先端部分をh=1.
5mmだけ研削加工して削り落としたのち、歯切り加工
を行い、歯底部分に浸炭硬化処理後の研磨代となる余肉
を残した。
【0014】次いで、歯切り加工後に歯面のシェービン
グを行ったのち、通常の条件で浸炭焼入れおよび焼もど
しを施し、その後、歯底部分に残した前記余肉を研磨加
工により除去することによって、前記諸元の平歯車を製
造した。
【0015】このようにして得た平歯車の歯部における
有効浸炭硬化層深さ(ECD)は1.2mm、歯底部に
おける有効浸炭硬化層深さ(d)(ECD)は0.62
mmであり、歯形方向の研磨寸法(h)は1.5mmで
あって、浸炭硬化層プロファイルを制御した平歯車を得
た。
【0016】また、上記平歯車の歯部における断面の硬
さ分布を調べたところ、図2に示す結果であった。
【0017】そして、この平歯車に対してベンチコンス
タント耐久試験を行った結果、図3の「浸炭層制御」と
したS−N曲線に示すように、歯元部分の曲げ疲労強度
は950MPaとなっており、浸炭硬化層プロファイル
を制御しない図3の「普通浸炭」としたS−N曲線では
曲げ疲労強度が750MPaであったのに対して曲げ疲
労強度が約26%向上したものとなっていた。
【0018】さらに、上記本発明による平歯車に対し
て、ショットピーニング(アークハイト;0.77m
m,ショット球径;0.8mm,カバレージ;300
%)を行うことによって、図3の「浸炭層制御+ショッ
ト」としたS−N曲線に示すように、歯元部分の曲げ疲
労強度が1170MPaとなっており、「普通浸炭」の
場合に比較して曲げ疲労強度が56%も向上した高強度
歯車であることが認められた。
【0019】(実施例2)この実施例2では、歯車素材
として、0.17重量%C,0.07重量%Si,0.
67重量%Mn,0.006重量%P,0.012重量
%Si,0.03重量%Ni,0.95重量%Cr,
0.39重量%Mo,残部実質的にFeよりなり、実施
例1で用いたはだ焼鋼においてNi含有量とMo含有量
を少なくしてコストの低減をはかったはだ焼鋼を用い、
歯車諸元が、歯形;インボリュート,モジュール
(M);1.7,圧力角;16°05´,歯数;55,
ねじれ角;29.76°,ピッチ円径;107.706
mm,歯底径;100.580mmのはすば歯車を製造
した。
【0020】上記諸元のはすば歯車を製造するに際して
は、歯切り加工に用いるホブカッターの先端部分をh=
0.45mmだけ研削加工して削り落したのち、歯切り
加工を行い、歯底部分に浸炭硬化処理後の研磨代となる
余肉を残した。
【0021】次いで、歯切り加工後に歯面のシェービン
グを行ったのち、通常の条件で浸炭焼入れおよび焼もど
しを施し、その後、歯底部分に残した前記余肉を研磨加
工により除去することによって、前記諸元のはすば歯車
を製造した。
【0022】このようにして得たはすば歯車の歯部にお
ける有効浸炭層深さ(ECD)は0.7〜0.9mm、
歯底部における有効浸炭層深さ(d)(ECD)は0.
5mmであり、歯形方向の研磨寸法(h)は0.45m
mであって、浸炭硬化層プロファイルを制御したはすば
歯車を得た。
【0023】このようにして得たはすば歯車の曲げ疲労
強度は、通常の浸炭処理を施したはすば歯車の曲げ疲労
強度が700MPaであったのに対して、880MPa
であり、約26%向上したものとなっていた。
【0024】
【発明の効果】本発明に係わる高強度歯車の製造方法で
は、表面硬化層プロファイルを制御するためにあらかじ
めホブカッターの先端部分を落とした形状にして、前記
ホブカッターにより歯切りしたときに歯底部分に研磨代
分の余肉が残るようにし、表面硬化処理後に研磨加工を
行って前記余肉を除去して完成品歯車に仕上げるように
したから、歯車の精度を低下させることなく表面硬化層
プロファイルの制御作用を有効なものとすることが可能
であり、これによって歯元の曲げ疲労強度を向上させる
ことが可能であって、高精度でかつ高強度の歯車を製造
することが可能になるという著しく優れた効果がもたら
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホブカッターの先端プロファイルを示す説明図
である。
【図2】実施例1で製造した平歯車の歯部における断面
の硬さ分布を調べた結果を示すグラフである。
【図3】実施例1で製造した平歯車の曲げ疲労強度を調
べた結果を示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年3月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】このようにした得た平歯車の歯部における
マクロ金属組織(ナイタール腐食)を調べたところ、図
4に示す結果であり、浸炭硬化層プロファイルが制御さ
れた歯車となっていた。また、上記平歯車の歯部におけ
る断面の硬さ分布を調べたところ、図2に示す結果であ
った。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図4
【補正方法】追加
【補正内容】
【図4】実施例1で製造した平歯車の歯部におけるマク
ロ金属組織を示す写真である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】追加
【補正内容】
【図4】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面硬化層プロファイルを制御して高強
    度歯車を製造するに際し、 完成品歯車の歯底部分における表面硬化層深さ(d)
    が、 0.3≦d(mm)≦(3/4)ECD (ECDは有効硬化層深さ)および歯形方向の研磨寸法
    (h)が、 h(mm)=(1/5〜1/2)M (Mはモジュール)となるように、ホブ加工するときに
    あらかじめ先端を落としたホブカッターを用い、前記ホ
    ブカッターにより歯切加工を行って歯底部分に研磨代を
    余肉として残し、表面硬化処理を施した後に前記余肉部
    分を研磨除去して表面硬化層プロファイルを制御した完
    成品歯車に仕上げることを特徴とする高強度歯車の製造
    方法。
JP5802892A 1992-03-16 1992-03-16 高強度歯車の製造方法 Pending JPH05253744A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102417964A (zh) * 2011-11-25 2012-04-18 南昌大学 一种用于盾构机滚刀刀圈淬火的装置
CN108747235A (zh) * 2018-06-21 2018-11-06 安徽意力电缆有限公司 一种轨道交通被动齿轮的加工工艺

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